日立ウォータハンマ防止器

カ タ ロ グ
配管系の規模に応じて選定できます
水撃防止に有効
●MTシリーズ
●DTシリーズ
●WHシリーズ
日立ウォータハンマ防止器
(公社)日本水道協会品質認証センター認証登録品
目 次
特 長 ……………………………2
選定例 ……………………………6
MTシリーズ ………………………3
施工例 ……………………………7
DTシリーズ ………………………4
ご使用にあたってのお願い ………7
WHシリーズ ………………………5
安全に関するご注意 ………………8
選定式………………………………5
日立
ウォータハンマ防止器の特長
近年、建築物の高層化や大型化に伴って、配管の給水圧力や給
水量が増加し、ウォータハンマが発生するケースが目立ってき
ました。
ウォータハンマは、配管や機器に衝撃を与え振動・騒音を発生す
るため、居住性の低下を招くほか、著しい場合には給水設備等に
損傷を及ぼすことがあります。このため、建築基準法施行令第
129条に、「ウォータハンマが生ずる恐れがある場合においては、
エアーチャンバを設けるなど有効なウォータハンマ防止のための
措置を構ずること」と定められ、対策を義務づけています。
弊社のウォータハンマ防止器は、ダイヤフラムまたはブラダーを
有するエアーチャンバの作用によって、ウォータハンマの圧力波
を吸収する構造です。
ウォータハンマ防止器の封入空気圧力の調整ができます。
空気封入圧力は、ご注文の際にご指定ください。ご指定のない
場合は弊社基準封入圧力※での出荷となります。
※本書において基準封入圧力とは、封入圧力のご指定がない場合の弊社出
荷時の封入する圧力です。
接水部はダイヤフラム、ブラダーおよびポリプ
ロピレンライナー(MT、DTシリーズ)ですので、
耐食性に優れ衛生的です。
―2 ―
MT(ミニトロール)シリーズ((公社)日本水道協会品質認証センター認証登録品)
製品仕様
85.7×114.3
寸法(mm)
164cc
内容積
最高使用圧力
0.98MPa
最高衝撃圧力
1.72MPa
最高使用温度
50℃
(MT-500)/60℃
(MT-500H)
3.0m/s
使用流速
※1
0.15MPa
基準封入圧力
15A(1/2B)
接続口径
※1.
基準封入圧力とは、封入圧力のご指定がない場合の弊社出荷時の封入する圧力です。
※2.
本製品は屋内仕様品です。
水栓
(開放)
ミニトロール
((公社)日本水道協会品質認証センター認証登録品)
水栓が開かれて、水が流れ
ている状態。
ミニトロール作動参考断図
放水
ショック吸収時の
ダイヤフラムの位置
封入空気
水栓が急閉止されると、水
がミニトロールの中に流入
し、ダイヤフラムを介して
封入空気が圧縮され水撃が
防止・軽減されます。
114.3mm
水栓
(急閉)
ポリプロピレン
ライナー
接続口径
15A
(1/2B)
ショック
使用状態に於ける
ダイヤフラムの位置
85.7mm
ミニトロール500(MT-500)簡易選定方法
配管長さ・流水圧力及び給水配管径から簡易選定表を用いて必要台数を選定してください。
簡易選定表(流速3.0m/s、衝撃圧力0.981MPaを基準にしたものです。)
流水圧力 MPa
給水配管径
(B)
配管長さ
(m)
15
1ヶ
1/2
22.2
1ヶ
0.21
0.27
0.55
2ヶ
1ヶ
0.76
−
−
−
−
2ヶ
2ヶ
7.5
0.69
2ヶ
2ヶ
22.2
−
−
2ヶ
2ヶ
15
0.62
2ヶ
1ヶ
15
22.2
0.48
1ヶ
7.5
1
0.41
1ヶ
30
3/4
0.34
−
−
−
2ヶ
―3 ―
DT(ダイヤトロール)シリーズ((公社)日本水道協会品質認証センター認証登録品)
φD
製品仕様
最高使用圧力
0.69MPa
最高衝撃圧力
1.72MPa
最高使用温度
60℃
※1
0.38MPa
基準封入圧力
※1.基準封入圧力とは、封入圧力のご指定がない場合の弊社出荷時の封入
する圧力です。
※2.本製品は屋内仕様品です。
A
製品一覧
寸法(mm)
内容積
(R)
φD
A
B
器具給水
負荷単位
DT-537
2.9
155.5
231.8
3/4B
1∼32
DT-541-3/4
4.1
155.5
301.3
3/4B
155∼330
DT-541- 1
4.1
155.5
301.3
1B
155∼330
型式
B(接続口径)
DTシリーズ((公社)日本水道協会品質認証センター認証登録品)
選定方法
器具給水負荷単位表より、負荷単位を求め一覧表より選定してください。
器具給水負荷単位表
【選定例】
器具名
大便器
6m
小便器
4m
2
1
M
①の選定
大便器3台×10 = 30
洗面器1台× 2 = 2
合計 ②の選定
= 20
洗面器1台× 2 = 2
合計 洗浄弁
洗浄タンク
洗浄弁
洗浄タンク
洗面器
手洗器
医療用洗面器
事務室用流し
台所流し
給水栓
調理場流し
給水弁
混合弁
食器洗流し
連合流し
一覧表より
型式:DT-537
32
大便器2台×10
水栓
洗面流し
(水栓1個につき)
掃除用流し
浴槽
シャワー
一覧表より
型式:DT-537
22
ユニットバス
水飲み器
湯沸かし器
散水・車庫
給水栓
混合弁
大便器が洗浄タンクの場合
大便器が洗浄弁の場合
水飲み水栓
ボールタップ
給水栓
器具給水負荷単位
公衆用 私室用
6
10
3
5
5
3
1
2
0.5
1
3
3
3
2
4
3
5
3
2
4
4
4
2
2
5
3
2
2
8
6
1
(空気調和・衛生工学便覧による)
タンク設置にあたっての留意事項
① ウォータハンマ発生対象器具より配管長さ 4 ∼ 6m に対して 1 個としてください。
② ウォータハンマ発生源の間近に取付けてください。
―4 ―
WH シリーズ((公社)日本水道協会品質認証センター認証登録品)
φD
製品仕様
最高使用圧力
0.97MPa
最高衝撃圧力
1.96MPa
50℃
最高使用温度
※
0.39MPa
基準封入圧力
※基準封入圧力とは、封入圧力のご指定がない場合の弊社出荷時の封入する
圧力です。
A
製品一覧
寸法(mm)
型式
内容積
(R)
φD
A
B
質量
(kg)
WH-10F-S
10
216
590
JIS10K 50A
18
WH-20F-S
20
216
910
JIS10K 50A
26
WH-39F-S
39
267
1115
JIS10K 80A
38
B(接続口径)
WHシリーズ
((公社)日本水道協会品質認証センター認証登録品)
選定方法
ウォータハンマ防止器選定式
給水管や揚水管等にウォータハンマ防止器を使用する場合は下式により防止器の内容積を求めて、
該当するウォータハンマ防止器を選定してください。
実験式
(Greer Mercierの方式による方法)
製品仕様
V=
4 × 10-3 × Q × P2(0.0164L - T)
P 2 - P1
V :ウォータハンマ防止器の内容積
Q :弁閉止前の管内流量(R/min)
P1 :弁閉止前の圧力(MPa)
P2 :許容衝撃圧力( P1×1.2)
※
L :配管長さ
(m)
T :弁閉止時間(0秒とする)
L0
※ 計算式に使用する配管長さLは次のように求めてください。
V1
L3(A3)
L2(A2)
①バルブV1を対象とした場合
L = L0
L1(A1)
②バルブV2を対象とした場合
分岐管長さと管内径面積をL1A1:L2A2:L3A3とした時、
L = L1 +
A1
A2
L2 +
A1
A3
V2
L3
※A:管内径面積(mm2)
上式の管内径面積を管口径の2乗として、下式の簡略式でLを求めることも出来ます。
2
2
(D1)
(D1)
L = L1 +
L
2
+
2
2 L3
(D2)
(D3)
※D:管口径(A)
タンク選定にあたっての留意事項
Greer Mercier の計算式は、正圧によるウォータハンマの防止器の選定式です。
負圧によるウォータハンマ防止器の選定については弊社までお問い合わせください。
―5 ―
ウォータハンマ防止器選定例
選定例1
給水ポンプユニット用の
ウォータハンマ防止器の選定例
【選定条件】
①ポンプ揚程 :50m
②給水量Q
:300R/min
③給水圧力P1 :0.49MPa
④許容衝撃圧P2 :P1×1.2 = 0.59MPa
⑤弁閉止時間T :0sec
⑥配管長さL
:45m
45m
Greer Mercierの式より、
V=
4 × 10-3 × 300 × 0.59 ×(0.0164 × 45 - 0)
0.59 - 0.49
= 5.2R
一覧表より、
ウォータハンマ防止器選定型式
M
WH-10F-S
10(R)
216×530(mm)
0.39(MPa)
型 式
容 量
寸 法
空気封入圧力
空気封入圧力は、ご使用条件により異なりますので現地調整が必要な場合があります。
選定例2
【選定条件】
①給水量Q
②給水圧力P1
③許容衝撃圧P2
④弁閉止時間T
⑤配管長さL
L = 10 +
:20R/min
:0.39MPa
:P1×1.2 = 0.47MPa
:0sec
202
252
× 15
+
202
402
× 20
40A 20m
= 24.6(m)
Greer Mercierの方式より、
V=
25A 15m
4 × 10-3 × 20 × 0.47 ×(0.0164 × 24.6 - 0)
0.47 - 0.39
= 0.19R
給
水
主
管
8
0
A
一覧表より、
ウォータハンマ防止器選定型式
型 式
容 量
寸 法
空気封入圧力
DT-537
2.9(R)
155.5×231.8(mm)
0.31(MPa)
20A 10m
空気封入圧力は、ご使用条件により異なりますので現地調整が必要な場合があります。
タンク選定にあたっての留意事項
① 機種選定にあたって不明な点がございましたら、弊社までお問い合わせください。
② ウォータハンマの発生状況、配管形式、取付位置等によって充分に性能を発揮しない場合があります。
―6 ―
シングルレバー水栓
施工例
手洗いの場合:
給水、給湯の立ち上
がり管に、なるべく
コックの近くにセッ
トする。
ウォータハンマ
防止器
MT-500
ウォータハンマ
防止器
MT-500H
給湯管
高架水槽の場合:
給水管
空気圧調整弁
ウォータハンマ
防止器
空気圧調整弁
水抜き用
吊ボルト
バルブ メンテナンス用
受水槽の場合:
バルブ
高架タンク及び受水
槽のボールタップ、
FMバルブの近くに取
り付ける。
バンド
ウォータハンマ
防止器
ウォータハンマ
防止器
空気圧調整弁
10m∼15m
メンテナンス用
バルブ
水抜き用
バルブ
スラブ
便器の場合:
フラッシュバルブの直前に
取付ける。
メンテナンス用
水抜き用 バルブ
バルブ
逆止弁
ポンプ
ご使用にあたってのお願い
① 使用流体の条件は下記の通りです。
使用流体
pH
最低使用温度
最高使用温度
最低雰囲気温度
水道水、清水、井水(水道法基準内であること)
5.8∼8.6
0℃
機種により異なります。各製品仕様にてご確認ください。
−15℃
② 空気封入圧力の調整
空気封入用
キャップ
圧力
圧力ゲージ
金具
1)ウォータハンマ防止器の空気封入圧力は、目安とし
ゲージ
バルブピン
て取付箇所の静水頭圧力の 80 %にセットしてく
ださい。但し、ご使用条件によりウォータハンマ
が十分に吸収できない場合は空気封入圧力の現地
調整が必要です。
2)空気封入圧力の調整手順については、
●空気圧力が低い場合は、 設定封入空気
空気圧調整弁キ
空気圧調整弁キャッ 空気圧力を圧力
圧を圧力ゲー
ャップをしっかり
プをはずす。
ゲージで計る。
空気封入用金具を用いて
取扱説明書をご参照ください。
ジで確認する。 と、しめつける。
空気を入れる。
3)空気封入圧力は、年 1 回以上点検調整してくだ
●空気圧力が高い場合は、
さい。
バルブ中央のバルブピン
を押して圧力を下げる。
年 1 回以上の点検を行わなかった場合、封入圧
力の低下によりダイヤフラムやブラダーの寿命が
※上記施工例のメンテナンス用バルブを「閉」として、水抜き用バルブを「開」とした状態で実施してください。
著しく短くなり、破損する可能性があります。
4)封入圧力が所定の値より低下している場合は、封入空気の補充を行ってください。
③ 配管と接続の方法
1)配管との接続は、
「メンテナンス用バルブ」を設けてください。
2)
「メンテナンス用バルブ」とウォータハンマ防止器の間に「水抜き用バルブ」を設けてください。
3)1)および 2)がない場合は、点検および調整が行えなくなりますので必ず設けてください。
④ WH シリーズの取付け
1)WH シリーズは、胴部を利用して壁や天井から吊り下げるなどして固定してください。
2)固定を行わない場合、配管や、接続口に負担が掛かり、破損や漏れの原因となりますのでご注意ください。
注意
① 異物によるダイヤフラム、ブラダーの損傷防止
1)システム接続口が下になるように取付けを行ってください。
システム接続口が上を向いていると、タンク内に異物が入り、ダイヤフラム、ブラダーの破損の原因になります。
2)配管内に異物が混入する恐れがある場合には、必ずストレーナを設置してください。
② 施工およびご使用の際には、取扱説明書を必ずご一読ください。
不明な点がございましたら、弊社までお問い合わせください。
―7 ―
安 全 に 関 す る ご 注 意
・ウォータハンマ防止器は、年1回以上のメンテナンスを実施してください。
メンテナンスを行わなかった場合、封入圧力の低下によりダイヤフラムや
ブラダーの寿命が大幅に短くなり、破損する可能性があります。
・ご使用にあたっては、取扱説明書を必ずお読みいただき、正しい方法でご使用ください。
http://www.hitachi-metals.co.jp
社 ● 〒 105-8614 東京都港区芝浦一丁目 2 番 1 号(シーバンス N 館)
本
配管機器事業部 継手営業部
1(03)5765-4279
FAX(03)5765-8313
北 日 本 支 店 ● 〒 980-0021 仙台市青葉区中央一丁目 6 番 35 号(東京建物仙台ビル)
1(022)267-0216
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1(011)806-1786(代表)
FAX(011)806-1792
新 潟 営 業 所 ● 〒 950-0087 新潟市中央区東大通一丁目 2 番 23 号(北陸ビル)
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1(052)220-7463
FAX(052)220-7483
北 陸 営 業 所 ● 〒 939-8216 富山市黒瀬北町二丁目 13 番 1 号(イムズビル)
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FAX(076)491-5201
静 岡 営 業 所 ● 〒 422-8067 静岡市駿河区南町 18 番 1 号(サウスポット静岡)
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西
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中
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九
州
支
店 ● 〒 810-0001 福岡市中央区天神二丁目 14 番 13 号(天神三井ビル)
1(06)6203-9704
1(082)535-1711(代表)
1(092)687-5263
FAX(06)6202-0730
FAX(082)535-1713
FAX(092)687-5266
本カタログ記載の住所、連絡先は2014年3月現在のものです。
変更になる場合もありますので、電話やファクシミリがつながらない場合は、
お手数ですが下記までご連絡をお願いいたします。
日立金属株式会社 コミュニケーション室 Tel.(03)5765-4076 0800-500-5055
Fax.(03)5765-8312
・本カタログの掲載内容は、2014年3月現在です。
・本カタログに掲載の商品は、改良のため、仕様、外観などを予告なく変更することがあります。
・本カタログに掲載している商品の色は、印刷の関係上、実際と若干異なる場合があります。
・本カタログの掲載内容は、すべて当社に著作権の存するものです。無断の複製は固くお断りいたします。
・ご注文に際し、お近くの支店・営業所にお問い合わせください。
・誤った使用方法、取扱上の不注意や風水害、地震、雷などの天災および火災、公害(特殊環境)
、塩害、
戦争、テロなどの不可抗力、その他当社責任と認められない損害には、当社は一切責任を負いません。
取扱店
カタログ番号 HL-K212-K
2014 年 3 月作成(M - FT3)