接地形計器用変圧器仕様書 1.品名 接地形計器用変圧器 6.6kV モールド形 2.準拠規格 JEC-1201-2007:計器用変成器(保護継電器用) 3.詳細仕様 (1)定格 ア 定格電圧および定格零相電圧 定格電圧および定格零相電圧は,表1のとおりとする。 表1 接地形計器用変圧器の定格電圧 定格一次電圧(kV) 定格二次電圧(V) 定格三次電圧 定格零相三次電圧 三相用 三相用 (V) (V) 6.6 110 190/3 190 イ 確度階級 JEC-1201-2007 4.1.2 確度階級による。なお,確度階級は表2のとおりとする。 表2 計器用変圧器の確度階級 確度階級 1P 級 3P 級 3G 級 用 途 一般保護継電器用 地絡継電器用 ウ 最高電圧 最高電圧は,表3のとおりとする。 表3 計器用変圧器の最高電圧 公称電圧 (kV) 最高電圧 (kV) 6.6 6.9 エ 定格負担 定格負担は,表4のとおりとする。 表4 計器用変圧器の定格負担 定格二次負担(VA) 200×3 定格三次負担(VA) 200×3 オ 定格周波数 60Hz とする。 カ 比誤差および位相角の限度 JEC-1201-2007 4.2.1 比誤差および位相角の限度による。 キ 耐電圧 ① 雷インパルス耐電圧 JEC-1201-2007 4.2.3(1)雷インパルス耐電圧による。また,二次および三次巻線の雷イン パルス耐電圧は JEC-0103-2005「低圧制御回路試験電圧標準」による。 ② 短時間商用周波耐電圧 JEC-1201-2007 4.2.3(2)短時間商用周波耐電圧による。 ③ 誘導耐電圧 JEC-1201-2007 4.2.3(3)誘導耐電圧による。 ④ 部分放電 JEC-1201-2007 4.2.3(4)部分放電による。 ク 温度上昇 JEC-1201-2007 4.2.4 温度上昇による。 ケ 残留電圧 JEC-1201-2007 4.2.5 残留電圧による。 コ 二次短絡 JEC-1201-2007 4.2.6 二次短絡による。 サ 異常現象 JEC-1201-2007 4.2.7 異常現象による。なお,鉄共振については JEC-1201-2007『参考 8 接地形計器用変圧器の鉄共振についての留意点』による。 (2)構造 ア 一般構造 JEC-1201-2007 1.4.1 構造一般による。 イ 機械的強度 JEC-1201-2007 1.4.2 機械的強度による。ただし,許容応力に対する安全率は 1.2 以上とする。 なお,耐震設計における水平加速度および各部の部材強度の評価については,日本電気協会電気 技術指針「変電所における電気設備の耐震設計指針」(JEAG5003-2010)に示す値を使用する。 ウ がい管類 JEC-1201-2007 1.4.3 がい管類による。 エ 内部構造 JEC-1201-2007 1.4.4 内部構造による。ただし,接地形計器用変圧器の一次側中性点接地端子 は,内部において接地せず,絶縁して外部に引出し接地すること。 オ 極性 JEC-1201-2007 1.4.6 極性による。 カ 据付・調整用ボルト 溶融亜鉛めっき(発錆防止)とし,イ項の機械的強度を有すること。 キ 端子の位置および端子記号 JEC-1201-2007 4.4.1 端子の位置,4.4.2 端子記号による。 ク 主回路端子取付部 一次端子は直径 6mm 以上の止めネジまたはボルトナットを使用したものとし,座金およびばね 座金を付属するものとする。 ケ 外部接続端子サイズ 外部接続端子サイズは,表5の電線と外部接続できるものとする。なお,接地端子は故障電流 の通電に支障なく接地状態を維持できること。 表5 端子サイズ 用途 外部接続電線(mm2) 二次および三次回路 5.5 接地線 22 コ 表示 ① 銘板記載事項 計器用変圧器は JEC-1201-2007 4.5 表示による。なお,製造年は西暦とする。 ② 銘板の材質・取付 銘板は,ステンレスまたは防錆処理を施した黄銅製とし,外部から見える位置に振動その他に より緩まないように取り付け,記載事項が長期間明瞭でなければならない。また,固定用ビスは 錆びないものとする。 サ 輸送 輸送中に機器へ特性変化が生じる衝撃,振動が加わることのないようにすること。 (3)試験 ア 形式試験 JEC-1201-2007 4.3.1 試験の種類による。なお,二次・三次巻線の雷インパルス耐電圧試験を 実施すること。また,耐電圧試験の前後に絶縁抵抗測定を行うものとする。 イ 受入試験 JEC-1201-2007 4.3.1 試験の種類による。なお,耐電圧試験の前後に絶縁抵抗測定を行うもの とする。 ウ 参考試験 当社指定の特殊試験であり,形式検査時に実施する。なお,過去に実施した同形品の試験デー タを流用することができる。 各試験項目を以下に示す。 試験項目 対象範囲 形式試験 受入試験 参考試験 構造検査 ① ① ‐ 極性試験 ② ② ‐ ③,⑩ ③,⑦ ‐ 二次短絡試験 ④ ‐ ‐ 温度上昇試験 ⑤ ‐ ‐ ⑥ ‐ ‐ ⑦ ④ ‐ ⑧ ⑤ ‐ ⑨ ⑥ ‐ ⑪ ⑧ ‐ ⑫ ‐ ‐ 絶縁抵抗測定 雷インパルス耐電圧試験 短時間商用周波耐電圧試験 耐電圧試験の前後に実施 二次・三次巻線の雷インパ ルス耐電圧試験を含む。 二次・三次巻線の商用周波 耐電圧試験を含む。 誘導耐電圧試験 部分放電試験 モールド形に限る。 比誤差および位相角試験 残留電圧試験 三相接地形に限る。 耐油試験 ゴムモールド形に限る。 ‐ ‐ ○ 難燃性試験 エポキシレジンモールド 形に限る。 ‐ ‐ ○ オゾン試験 ゴムモールド形に限る。 ‐ ‐ ○ 耐トラッキング性試験 モールド形に限る。 ‐ ‐ ○ 耐震試験 ‐ ‐ ○ 巻線抵抗測定 ‐ ‐ ○ 静電容量および誘電正接試験 モールド形に限る。 ‐ ‐ ○ 耐湿試験 モールド形に限る。 ‐ ‐ ○ 冷熱試験 モールド形に限る。 ‐ ‐ ○ 浸透試験 モールド形に限る。 ‐ ‐ ○ フラッシオーバ試験 ‐ ‐ ○ 輸送試験 ‐ ‐ ○ 備 考1 ○印内数値はその試験順序を表す。なお,数値がない試験の順序は規制しない。 各試験方法を以下に示す。 試験項目 試験方法 構造検査 外観,各部の構造,寸法,材料,機械的強度等について検査を行う。 極性試験 直流誘導法または差電流比較法により減極性であることを確認する。 絶縁抵抗測定 各巻線間,各巻線と大地間の絶縁抵抗を測定する。 二次短絡試験 JEC-1201-2007 「4.3.3 試験方法」による。 温度上昇試験 JEC-1201-2007 「4.3.3 試験方法」による。 雷インパルス耐電圧試験 JEC-1201-2007 「4.3.3 試験方法」による。 短時間商用周波耐電圧試験 JEC-1201-2007 「4.3.3 試験方法」による。 誘導耐電圧試験 JEC-1201-2007 「4.3.3 試験方法」による。 部分放電試験 JEC-1201-2007 「4.3.3 試験方法」による。 比誤差および位相角試験 JEC-1201-2007 「4.3.3 試験方法」による。 残留電圧試験 JEC-1201-2007 「4.3.3 試験方法」による。 耐油試験 供試品と同等の試料を 120±2℃に保った試験用油槽に 18 時間浸し た後,取り出し表面に付着した余分の油を軽く拭取り室温に 4 時間 以上放置し 96 時間以内に引張強さおよび伸びを測定し次式によっ て算出した残率が 70%以上であることを検証する。 油浸後の平均値 残率(%)= ×100 油浸前の平均値 難燃性試験 オゾン試験 耐トラッキング性試験 耐震試験 巻線抵抗測定 ガスバーナによる約 2000℃の火炎をモールド層表面から直角方向 に 100mm 離れた位置から 2 分間吹きつけ静かに取り去った後,短時 間で自己消火することを検証する。 供試品と同等の試料を適当な保持具で 25%の伸びを与えたまま試 験槽内に入れオゾン濃度 0.01~0.015%(容量)流通空気量 5~10 ㍑/min,温度 16~32℃で 3 時間以内に表面に亀裂が生じないことを 目視で調べる。 試験方法は,電気学会技術報告Ⅰ部第 82 号「絶縁材料の耐トラッキ ング性試験について」による。 使用状態に組立て油入形,モールド形は架台または取付枠組下端に 0.3G 共振正弦 3 波を印加,加振し各部の強度が安全率 1.2 以上であ ることを検証する。 二次巻線,三次巻線抵抗は常温(t1〔℃〕)のときの抵抗R1を求め, これを次式により 75℃のときの抵抗値R2に換算する。 235+75 R2= ×R1 〔Ω〕 235+t1 静電容量および 誘電正接試験 JEC-1201-2007 「参考 9. モールド形計器用変成器の試験」による。 耐湿試験 JEC-1201-2007 「参考 9. モールド形計器用変成器の試験」による。 冷熱試験 JEC-1201-2007 「参考 9. モールド形計器用変成器の試験」による。 浸透試験 JEC-1201-2007 「参考 9. モールド形計器用変成器の試験」による。 フラッシオーバ試験 商用周波電圧および雷インパルス電圧で行う。 輸送試験 製造者が保証する輸送方法・荷姿において輸送試験を行い,機器に 特性変化を生じる衝撃や振動等が加わることがないか確認する。 (4)製造者が説明すべき事項 当社が技術審査を行うため,製造者は製作に先立って下表に記載されている事項を説明した書 類を提出しなければならない。 番号 内 容 1 納入実績(納入先例) 2 定格・仕様 3 形式記号(番号)の意味 4 外形図および構造図 5 総質量および主要材料の質量 6 設計の基本的考え方 7 定格別比較(全体構造) 8 地震力に対する機械的強度計算書および電線接続上許容しうる強度 9 モールド材料の構成および特性(モールド形計器用変圧器に限る) 10 鉄心材の種類および特性 11 製品の電位分布特性 12 鉄共振の対策 保守基準を含めた構造および取扱説明書 (1)点検周期 (2)点検調整要領 13 (3)試験要領 (4)交換部品リスト (5)部品交換基準 (6)点検に要する作業量 (7)製造者が点検する必要がある部分の明示 14 実用性能向上のため特に配慮した事項および検証内容 15 推定寿命値(経年等) 16 申請品類の開発年度および過去の納入実績(納入先例) 17 絶縁部分の耐汚損特性 18 品質管理の体制および具体的方法(外注先も含む) 19 構成部材および主要外注部品の品名・外注先 20 納入後のアフターケア体制 以 上
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