セキュリティバンクとの資本・業務提携について

平成 28 年 1 月 14 日
株式会社三菱東京 UFJ 銀行
セキュリティバンクとの資本・業務提携について
株式会社三菱東京 UFJ 銀行(頭取 平野 信行)は、本日、フィリピン共和国(以下、フィリピン)
ひ ら の
のぶゆき
の地場主要商業銀行である Security Bank Corporation(以下、セキュリティバンク)と株式引受契約
の認可、その他契約上の諸条件の充足を前提として、セキュリティバンクの約 20%の株式を取得すると
を締結し、以下内容で資本・業務提携(以下、本提携)することで合意いたしました。今後、関係当局
共に、取締役 2 名を派遣し、持分法適用会社とする予定です。
1.
三菱東京 UFJ 銀行は、アジアを「第 2 のマザー・マーケット」として位置づけ、近年では、ベ
本提携の目的
トナムの国営大手銀行ヴィエティンバンクへの出資、タイの大手商業銀行であるアユタヤ銀行の買
収、ミャンマーの民政化後では外銀初となる支店の開業など、拠点ネットワークや事業基盤の拡大
を通じ、国内外のあらゆる地域のお客さまへのサービス提供力の向上に努めてまいりました。本提
携は、そのアジア戦略の一環であり、セキュリティバンクへの出資を通じて、今後も高い成長が見
込まれるフィリピンにおける当行業務の拡大を狙いとしています。
フィリピンは、人口約 1 億人と ASEAN の中でインドネシアに次ぐ人口大国であり、活発な個人
消費やコールセンター等の BPO(Business Process Outsourcing)産業の発展等により足元の経済
成長率は約 6%と高い経済成長が続いております。一方、GDP に占める貸出や預金の割合は他の
ASEAN 諸国と比べ相対的に低く、今後の更なる経済発展に伴い金融サービスの需要拡大が見込ま
れています。
セキュリティバンクは、フィリピンにおいて多様な金融サービスを提供する上場商業銀行であり、
上位行の中では珍しいどの地場財閥グループにも属さない独立系の銀行として、近年、急速にその
事業および顧客基盤を拡大させており、同国トップクラスの成長性と収益性を誇っています。
三菱東京 UFJ 銀行は 1953 年にマニラ駐在員事務所を開設して以来、約 60 年に亘りフィリピン
で活動されるお客さまの支援に努めてまいりました。本提携によって、更なるサービス拡充を図り、
より多くのお客さまの多様なニーズにお応えしてまいります。
2.
(1)
資本提携の概要
出資形態
: 三菱東京 UFJ 銀行はセキュリティバンクが実施する第三者割当増資に応じる
せた希薄化後発行済株式の約 20%)を取得予定。三菱東京 UFJ 銀行は、既存
ことにより、セキュリティバンク株式(普通株式及び議決権付優先株式を合わ
筆頭株主である Dy Group(セキュリティバンクの名誉会長である Frederick
Y. Dy 氏を中心とする株主グループ)
に次ぐ第 2 位の主要株主になるとともに、
セキュリティバンクを三菱東京 UFJ 銀行の持分法適用会社とする予定。
なお、
三菱東京 UFJ 銀行は、本提携に際し、セキュリティバンクの既存筆頭株主で
ある Dy Group との間で株主間契約を締結しております。
1
(2)
(3)
(4)
(5)
3.
: 約 369.43 億フィリピンペソ(約 783 百万米ドル1)
取得価額
: 普通株式一株当たり 245 フィリピンペソ
出資時期
: 関係当局の認可等を前提に、2016 年前半の完了を予定
出資総額
役員派遣
優先株式一株当たり 0.1 フィリピンペソ
: 三菱東京 UFJ 銀行から 2 名のセキュリティバンク取締役を派遣する予定
業務提携の概要
両行が有するノウハウや顧客基盤を活かし、主に以下の分野を中心として協働を推進することに
より、両行のお客さまへのサービス拡充を図ります。
(主な協働推進分野)
▪
日系企業従業員向けの職域サービス
▪
貿易金融
▪
プロジェクトファイナンス
▪
相互の長期資金調達の支援
▪
日系企業が関与する大型プロジェクト等の日系企業が関連するビジネス機会の捕捉
▪
リース・証券・資産運用等の分野における三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(以下、MUFG)
▪
両行が有する各分野におけるノウハウの提供
傘下のグループ企業との協働
4.
等
三菱東京 UFJ 銀行は、本提携を通じ、以下の効果実現を目指してまいります。
本提携の戦略的意義
(1) アジア戦略の一環として、ベトナム、タイ等に続いて、フィリピンにおいてもリテール分野を
含むより幅広い分野での金融サービスを提供できる体制を構築し、現地のお客さま向け対応力
(2) セキュリティバンクは、コーポレート・バンキング業務のみならず、三菱東京 UFJ 銀行がフ
を抜本的に強化します。
ィリピンにおいて現在展開していないリテール業務および中小企業取引も手掛けており、出資
を通じた事業領域の拡大によって、フィリピンにおける確固たる足場を築きつつ、同国の著し
(3) 三菱東京 UFJ 銀行の資本及び人材・ノウハウの提供を通じて、セキュリティバンクが進める
い経済成長を幅広く取り込みます。
トすることで、三菱東京 UFJ 銀行及び MUFG のフィリピンひいてはアジアにおけるプレゼン
成長戦略を加速させ、セキュリティバンクが目指す同国トップクラスの銀行への飛躍をサポー
スの更なる拡大を目指します。
5.
セキュリティバンクは、フィリピンにおいて民間銀行として第 6 位の資産規模を有する地場上場商
セキュリティバンクの概要
業銀行であり、フィリピン全土に 262 支店を有して、個人のお客さまから、中堅中小・大企業のお
ます。三菱東京 UFJ 銀行とは、2011 年よりキャッシュ・コレクションサービスについて業務提携
客さまに対して、法人金融、消費者金融、投資、資産運用等の包括的な金融サービスを提供してい
しています。
1 為替レート:1USD=47.2PHP
2
(1) 商号:
Security Bank Corporation
(3) 設立:
1951 年
(5) 代表者:
Mr. Alfonso L. Salcedo, Jr. President and CEO
(2) 事業内容: 商業銀行
(4) 所在地:
(6) 資本金:
フィリピン共和国、マカティ市
6,089 百万ペソ(2015 年 9 月 30 日現在)
(7) MUFG および三菱東京 UFJ 銀行との関係:
MUFG および三菱東京 UFJ 銀行とセキュリティバンクの間には開示を必要とする一切の資
(8) 従業員数: 4,014 人(2014 年 12 月 31 日時点)
本関係、人的関係、取引関係はございません。
(9) 支店数:
262 店舗(2016 年 1 月 13 日時点)
(10) 最近事業年度における業績の動向:
事業年度
2012
株主資本
総資産
(単位:百万フィリピンペソ)
36,856
営業利益
EPS(PHP)
397,198
7,779
5,512
8,089
12.47
BPS(PHP)
46,881
347,542
7,516
少数株主持分除く当期純利益
40,756
2014
259,263
14,027
粗利益
2013
61.14
12,312
5,012
8.31
67.61
16,769
7,164
11.88
77.76
以 上
3
【参考資料】
フィリピンの銀行業界
フィリピンの銀行業界について
銀行業界について
フィリピン総資産上位
フィリピン総資産上位10行
総資産上位 行
US$MM*1
#
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
#
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
*2
銀行名
BDO
Metrobank
BPI
LBP(国営)
PNB
RCBC
Security Bank
China Bank
DBP(国営)
Union Bank
総資産
41,367
35,123
29,875
24,159
13,845
10,372
10,216
10,002
9,853
8,343
(出所) Capital IQ
時価総額上位10行
フィリピン時価総額上位
行
時価総額上位
フィリピン
US$MM*1
*3
銀行名
BDO
BPI
Metrobank
Philtrust Bank
Security Bank
China Bank
PNB
Union Bank
RCBC
East West Bank
(出所)Capital IQ
相対的に
相対的に低い銀行サービス
銀行サービス浸透率
サービス浸透率*4
着実な
着実な貸出・
貸出・預金の
預金の拡大
300
100
0
+12.0%/年
年
+12.9%/年
年
+16.0%年
年
200
145
59
96
101 108 90
77
68
163
108
銀行サービス浸透率*5(2014年)
+9.1%/年
年
銀行セクターの貸出・預金(US$十億)
176
125
190
140
時価総額
8,109
6,980
5,423
2,585
1,814
1,461
1,376
1,279
979
602
226
207
175
156
247
196
200%
272
220
155.7%
150%
114.5%
100%
50%
0%
2010 2011 2012 2013 2014 2015E 2016E 2017E 2018E 2019E 2020E
38.7%
31.3%
36.1%
35.0%
PH
98.0%
31.0%
ID
MY
SG
銀行口座
貸出
貸出
96.4%
78.1%
86.1%
80.7%
TH
VN
預金
(出所) フィリピン中銀、BMI
(出所) フィリピン中銀、BMI
*1 為替レート:US$1.00 = PHP47.2
*2 2015年9月末
*3 2015年12月29日時点
*4 PH: フィリピン、ID: インドネシア、MY: マレーシア、SG: シンガポール、TH: タイ、 VN: ベトナム
*5 貸出: GDPに対する貸出額の割合、銀行口座: 15歳以上人口に対する銀行口座数
セキュリティバンクの過去実績推移
過去実績推移
セキュリティバンクの
過去5年間
倍に増加
過去 年間で
年間で支店数は
支店数は約2倍
業界平均を
業界平均を上回る
上回る貸出の
貸出の伸び
貸出(US$十億*1)
300
支店数
208
200
130
256
244
258
6
4
136
100
0
年平均成長率:
年平均成長率 25.2%
(業界平均:
)*2
業界平均:13.9%)
1.6
2
2010
2011
2012
2013
2014
37%
0
2015 9月末
4%
1.9
36%
2.5
4%
60%
2010
2011
2012
コーポレート
0
38%
5%
40%
57%
53%
2013
中堅中小
2014
リテール
7%
10%
40%
50%
2015 9月末
高い資産の
資産の健全性
不良債権比率(ネットNPL比率*3)
年平均成長率:
平均成長率 21.1%
(業界平均:
)*2
業界平均 12.5%)
4
2
6%
58%
59%
業界平均を
預金の伸び
業界平均を上回る
上回る預金の
預金(US$十億*1)
6
36%
3.5
4.6
4.1
2.3
2.5
60%
58%
3.0
5.2
4.4
65%
62%
5.8
0.7%
0.0%
61%
62%
40%
42%
38%
2010
2011
2012
流動性預金
0.11%
(0.7)%
35%
2013
その他預金
38%
2014
39%
(1.4)%
2015 9月末
(1.08)%
2010
(0.84)%
2011
0.28%
0.31%
2014
2015 9月末
(0.66)%
2012
2013
(出所)会社資料、フィリピン中銀
*1 為替レート:US$1.00 = PHP47.2
*2 フィリピンにおける業務内容に応じた銀行の分類上で、ユニバーサルバンク及びコマーシャルバンクに分類される銀行の数値(フィリピン中銀データ。2015年9月末時点)
*3 フィリピン中銀が、2013年1月より、当該比率(総貸出に対する、総不良債権額から一定の貸倒引当金を差し引いた額の割合) を、不良債権を計測する補足的な方法とし
て紹介しており、セキュリティバンクはこれに従って同比率を開示
4
セキュリティバンクの本提携後
セキュリティバンクの本提携後の
本提携後の中長期目標
中長期目標
拠点網の
拠点網の拡張
貸出の
貸出の増加
純利益の
純利益の増加
US$十億*1
支店数
US$百万*1
500‐
‐
600
20.8
479
100‐
200
6.8
148
400
14.0
258
152
152
331
2010
2014
2020E
4.6
130
1.6
2010
2015年9月末
2020E
2010
2015 9月末
本件前目標
2020E
本件後目標
ROEは
は増資後
~4年
年で15%前後
前後まで
増資後3~
前後まで回復
まで回復
*1 為替レート:US$1.00 = PHP47.2
5