函館 ハリストス正教会 発行者:函館ハリストス正教会 2015年12月・2016年1月 司祭ニコライ・ドミートリエフ 〒040-0054 函館市元町3-13 TEL(0138)23-7387/FAX (0138)23-7939 編集者:会報編集委員会 郵便振替 02660-5-1721 第45号 発行者:函館ハリストス正教会 長司祭ニコライ・ドミートリエフ 〒040-0054 函館市元町3-13 TEL(0138)23-7387/FAX (0138)23-7939 URL http://orthodox-hakodate.jp 編集者:会報編集委員会 郵便振替 02660-5-1721 ― 聖歌について(6) ― 【聖ニコライが歌った聖歌】 既に主教)。 「晩、食事の後、リヴォフスキーの船室で 聖ニコライが聖歌に対して常に細やかな みなで「いま処女は」、「ヘルヴィム」その他 配慮と指導を行ったことはよく知られていま を歌った」(1880年11月7日、ホンコンから横 すが、聖ニコライ自身はどのように聖歌を 浜への船上)。 歌っていたのでしょうか。 「誦経者がいなかったため、わ 聖ニコライの日記の中にわず たしとリヴォフスキーの二人で聖 か数カ所ですが、それについて 歌を歌った」(1897年8月4日、東 窺える記述があります。 京のロシア公使館)。 「大修道院の大聖堂の遅い聖 「わたしはモレーベンをあげた 体礼儀に出た。修道士たちと一 のだが、ポズネーエフは聖歌隊 緒に左の聖歌隊席に立って、バ 席 に 立 ち、わ た し と い っ し ょ に スのパートを歌った」(1880年3 歌った。他の者はロシア語を知 月2日、乾酪の主日、ペテルブ ルクで)。 ▲函館復活聖堂の冬景色 「これ以上ないほどすばらしい朝。早課を らないので他に一人も歌う者が いなかったのだ」(1905年12月4 日) 教会ですました。きちんとした奉事だった。 「モレーベン……『ここにはロシア語で歌 わたしは以前と同じように聖歌隊で歌った」 える者が誰もいません。自分たちで歌って (1880年6月29日、ベリョーザ村で。この時、 下さい』(聖ニコライ)。『わたしらは歌えませ -1- 啓 蒙 記 事 ん』(ロ シ ア 人 信 徒)。『せ め て〔主、憐 れ め に感謝しながらも、思わしい結果が出ないと よ〕だけでも』(聖ニコライ)。『それならできま 手厳しい評価を下している部分も見受けら す』(ロシア人信徒)。……ほんとうにかれら れます。 が歌ったのはそれだけだった。残りはすべ 実は、聖ニコライは東京の詠隊学校で聖 て わ た し が 一 人 で 歌 っ た」(1911 年 3 月20 歌の授業も行っていました。日記には次の 日、東京) ように書いてあります。 聖ニコライ本人が聖歌を好んだ様子が、故郷 「ロシアの学校で単旋律の聖歌をどうやっ ベリョーザ村での日記や、船上の日記から窺わ て教えているかを示すために、11時から12 れ、“ほっこり”します。 時まで、教師のアレキセイ小原 また、聖ニコライはバスだった と合同で聖歌の授業を行った」 ようです。リヴォフスキーがテノー (1903年8月25日)。 ルだったので、二人で二部を歌 アレキセイ小原は、聖ニコライが うこともしばしばあったのではな とても頼りにしていた詠隊教師で いかと推測できます。 あり、レーゲントでした。 リヴォフスキー輔祭は1881(明 聖ニコライの日記には「聖歌隊 治14)年、詠隊教師としてモスク 指揮者アレキセイ小原……余人 ワから日本の伝道団に赴任して をもって替えがたい優れた指揮 きました。 ピアノや楽器が上手で、音楽 理論や作曲法にも造詣が深い 人でした。ヤコフ・チハイと共に ▲ 詠隊教師 輔祭ドミトリイ・ コンスタンチノヴィッチ・ リヴォフスキー 者」(1902年2月6日)と書いてあ ります。 もちろん峻厳な聖ニコライのこ とですから、そんなアレキセイ小 聖歌の編曲を行い、彼らによって諸祭日及 原の上にも聖ニコライの雷が落ちることがあ び復活祭の単音オビホードが出版されたの りました。日記の中には「聖体礼儀後アレキ でした。 セイ小原を呼びつけて厳しく叱った」とも書 彼らの多大な努力によって四部構成の聖 いてあります。 歌隊が組織され、四部構成の徹夜祷、聖体 礼儀、聖事の楽譜が出版されました。ロシア 日本正教会の黎明期“箱館時代”の聖歌 の聖歌の旋律を日本語の聖歌に移し替え、 について少し触れようと思い書き始めたもの 芸術的な装飾を加え、作曲もし、日本人の信 が、今回でシリーズ6回目となりました。当初 徒の中に後継者を育てたのでした。 の目的は既に終わっていますので、「聖歌 ロシアの音楽に日本語の祈祷文の言葉を について」のシリーズもこの辺りで終了した 当てはめることは膨大な労力を要しました。 いと思います。 聖ニコライの日記を見ると、彼らの仕事ぶり 〔終〕 -2- (S.Y.) で き ご と 2015年「函館ハリストス正教会バザー」 天気予報に依れば「雨のはず…」と半分あきらめてい た10月12日(月・祝)。朝から風も無く、青空が覗く「バ ザー日和」。主・神に篤く感謝! 前 日 は 雨 の 中、上 磯 と 函 館 の 信 徒 が ト ウ モ ロ コ シ 1,000本を収穫するなど、皆で着々と準備してきていよ ▲ 100人を超える市民と観光客が見 守る中、開会の祈祷。 いよ迎えたバザー当日。 開会の祈祷の後、西高吹奏楽部の演奏が入り、函館 教会バザー史上初の感動的なオープニングとなった。 食品部門はピロシキ440個(函館正教会特製)、ボル シチ100食(函館正教会特製)、赤飯100食(上磯正教 会特製)、焼き鳥(塩・たれ)各100食、焼きそば120食、 うどん80食、おしるこ80食、フランクフルト100食、コー ヒー70杯などを扱い、信徒会館では、食器、衣類などの ▲ 隣の道立函館西高吹奏楽部の生 徒による演奏。オープニングに華を添 えた。 雑貨コーナー、「キリール陶房」コーナー、教会頒布品 コーナーが来訪者の目を楽しませた。聖堂では、午前 11時と午後1時に、ニコライ神父による聖堂拝観が、「山 下りんのイコン」をテーマにして行われた。 午前10時から午後2時までの4時間で、売上総額は 556,670円、純利益は376,032円。好調だった昨年を更 に上回る結果となった。信徒が一致団結して総力を挙 げた賜物である。バザー実行委員会で予め決められた 通り、全額「聖堂修復引当金」として積立てられる。 ▲ 信徒会館内の賑わい(手前左が 「キリール陶房」、その奥が教会頒布 品、信徒会館右半分が雑貨)。 ▲ 野菜コーナー。上磯のジャガイモ、 ニンジン、七飯のリンゴなど。新鮮な 野菜がとにかく安い。 ▲ 閉会の祈祷の後、全体写真。爽快な充実感を胸に。 -3- で き ご と その他のできごと 聖書勉強会 11月19日(木)、第三回目(今年最終回)の聖書勉強会が 行われた。聖書の構成、「神の法(Закон Божий)」で見る 聖書という書への接し方、降誕祭にまつわる聖書の箇所な どを学んだ。 「2016年函館ハリストス正教会カレンダー」頒布中 「2016年函館ハリストス正教会カレンダー」を頒布している。 例年通り野呂希一氏の写真(大6枚、小6枚)による四季折々の 聖堂の表情が美しい。野呂氏には、全国的各地を飛び回ってご 多忙の中、四季ごとに函館の聖堂に足を運び、毎年新しい写真 を提供して頂いている。 ▲ 2016年1月・2月カレン ダーの写真 発行部数:300部 頒布価格:一部2,000円 (梱包・送料400円) 電話(0138-23-7387)、FAX(0138-23-7939)にて注文を 承っています。 北海道ブロック宣教会議開催 11月14日(土)、15日(日)の両日、小樽ハリ ストス正教会を会場として、「北海道ブロック 教会学校教師会・宣教会議」が開催された。 毎年、この会議において次年度のブロック活 動の凡その案が建てられ、5月の拡大会議に おいて承認される。 教会学校については、札幌正教会は大都 ▲ 北海道各地から小樽に集まった参加者 市だけあって、30人にのぼる子供たちが活 動に参加しているとのこと。また、「キャンプだホイ!」(来年、道東)、聖歌研修会、誦経者研 修会、宣教会議関連の日程、テーマ、開催地などについて協議がなされた。 -4- 消 息 / お 知 ら せ 消 息 〔永 眠〕 10月3日(土)、上武佐ハリストス正教会のイオ アン菊池道夫輔祭が永眠した。享年69歳。 5日(月)、仙台のセラフィム大主教座下司祷の もと、ニコライ・ドミートリエフ神父(函館)、ミハイ ル対中神父(盛岡/前釧路管轄)、ステファン内 田神父(釧路)、イアコフ篠永神父(札幌)が陪祷 して通夜を行った。 6日(火)、近親者や信徒で一杯の聖堂におい て埋葬式が行われた。 函館正教会より供花、弔電を送った。 持ち前のバイタリティと責任感、そして明るい笑 顔が印象的な輔祭さんだった。永遠の記憶。 ▲ イオアン菊池道夫輔祭埋葬式 10月6日(火)(上武佐ハリストス正教会) 〔一年祭〕 〔一年祭〕 ▲ マトシカ・ニーナ(ドミートリエヴァ)一年祭 10月27日(火)、管轄司祭ニコライ神父の母ニーナの一年 祭が、セラフィム大主教座下司祷のもと行われた。平日で あったが20余名の信徒が参祷した。セライフィム大主教座 下はじめ、信徒たちの温かい気持ちに触れ、異国に居るニ コライ神父としては大いに慰められたことであった。 ▲ ピーメン西村考平兄一年祭 11 月 21 日(土)、聖 堂 及 び 墓 地 に て ピーメン西村考平兄の一年祭が行われ た。妻ユリヤ姉はじめ家族が糖飯を携 えて青森から来函し、しめやかにピーメ ン兄の永遠の安息を祈った。 婦人会より お当番さん、宜しくお願い致します! ◎12月のお当番 ・・・ エリザヴェタ加藤キクエ姉、イリナ鈴木恵美子姉 (昼食準備は12月6日、13日〔代式祈祷後大掃除〕、20日〔降誕祭祝賀会〕) ◎ 1月のお当番 ・・・ 無し (1月24日は、作業が予定されている関係で婦人会役員が軽食を準備します) -5- お 知 ら せ 12月・1月の聖名祭 (聖名祭が12月の方は12月6日、1月の方は2月7日に行います) 聖体礼儀に引き続き行いますので、該当する方は是非ご参祷下さい。 図 降誕祭献金 版 ~ 主のご降誕を祝し、感謝の気持ちを以って献金を捧げましょう ~ = 会報と一緒に献金袋を同封しましたので、宜しくお願い致します = 降誕祭のお知らせ 降誕祭祝賀会 12月20日(日) 主日聖体礼儀後 (※プレゼント交換を行いますので、各自500円見当でご用意下さい)。 市民クリスマス 12月24日(木) 午後6時より 降誕祭聖体礼儀 12月25日(金) 午前10時より 年末年始のお知らせ 年越し感謝祈祷 12月31日(木) 午後11時50分より 新年感謝祈祷 新年会 1月 1日(金) 午前11時より 1月17日(日) 主日聖体礼儀後 市内会場にて (詳細は、10㌻の「1月の奉事・行事予定」をご覧ください)。 -6- 上 磯 上磯ハリストス正教会だより 函館正教会バザーの協力奉仕 10月11日(日)主日昼食会後、翌日函館正教会で行われる バザーに協力すべく、集会所において婦人会が赤飯100食を 炊くなど奉仕作業を行った。バザーの日に合わせてちょうど良 く実るように計算し、春に種を蒔いたトウキビは、計算通りの出 来栄えで、1,000本を収穫し、トラックで函館正教会へ運んだ。 ▲ 雨の中、1,000本を収穫! バザー当日は、イリヤ坂下執事長、リュボフ坂下姉、イリナ田 中姉、アンナ大村姉が函館正教会の境内地において、来訪者 の目の前で茹でたトウキビを販売した。大変好評で、1,000本を 完売した。 消 息 〔一年祭〕 ▲ ▲ もち米を炊いて赤飯100食 ! 10月1日(木)、マルコ佐藤和之兄の一年祭が行われた。 山梨県から帰省した長男家族をはじめ、親戚が集まって、マルコ 兄の永遠の安息を祈った。 降誕祭関連のお知らせ 【降誕祭前の大掃除のお知らせ】 12月13日(日)、主日昼食会の後で「降誕祭前の大掃除」を行います。 きれいな聖堂で主ハリストスのご降誕を迎えましょう。 皆様のご協力をお願い致します。 【降誕祭後の廻家祈祷のお知らせ】 例年通り「降誕祭後の廻家祈祷」を行う予定です。 上磯正教会の降誕祭は、2016年1月10日(日)です。 降誕祭祝賀会の後、例年通り信徒総会を行います。 年越し感謝祈祷のお知らせ 2015年12月31日(木) 午後8時より教会において年越し感謝祈祷を行います。 この一年間の主・神のご恩寵に感謝し、来年が良き年でありますようお祈りしましょう。 -8- 12月の奉事・行事予定 12月の奉事・行事予定 3(木) 函館 19:00 聖歌練習 5(土) 函館 17:00 主日・生神女進堂祭徹夜祷 6(日) 函館 10:00 五旬祭後第27主日・生神女進堂祭/聖体礼儀 第2調 使徒経:エフェス233端6:10-17/福音経:ルカ66端12:16-21 ※聖体礼儀の後、12月の聖名祭モレーベンを行います 13:00 信徒学びの会/婦人会/クリスマス・リース作り、ツリー飾り、ロビー飾り 19:00 聖歌練習 10(木) 函館 福音経:ルカ113端24:12-35 12日(土)、13日(日) ニコライ神父、上磯正教会出張 12(土) 上磯 19:00 主日晩課式 13(日) 上磯 10:00 主日聖体礼儀 13:00 降誕祭前の大掃除 10:00 五旬祭後第28主日代式祈祷 第3調 使徒経:コロサイ250端1:12-18/福音経:ルカ71端13:10-17 11:00 降誕祭前の大掃除 函館 (昼食があります) 17(木) 函館 19:00 聖歌練習 19(土) 函館 17:00 主日徹夜祷 福音経:イオアン63端20:1-10 20(日) 函館 10:00 五旬祭後第29主日・奇蹟者聖ニコライ祭聖体礼儀 第4調 使徒経:コロサイ258端3:12-16 福音経:ルカ85端17:12-19 12:30 降誕祭祝賀会/執事会 24(木) 函館 18:00 市民クリスマス 25(金) 函館 10:00 降誕祭聖体礼儀 使徒経:ガラテヤ209端4:4-7/福音経:マトフェイ3端2:1-12 ※聖体礼儀の後、聖堂拝観終了感謝祈祷(モレーベン)を行います 11:40 聖堂拝観奉仕者反省会 26(土) 函館 17:00 主日徹夜祷 福音経:イオアン66端21:1-14 27(日) 函館 10:00 五旬祭後第30主日聖体礼儀 第5調 使徒経:ガラティヤ200端1:11-19/福音経マトフェイ4端2:13-23 31(木) 上磯 20:00 年越し感謝祈祷 函館 23:50 年越し感謝祈祷 12月13日(日)代式祈祷後、降誕祭前の大掃除を行います =降誕祭を綺麗な聖堂で迎えることができるよう、多くの信徒の奉仕をお願い致します= -9- 2016年1月の奉事・行事予定 2016年1月の奉事・行事予定 1(金) 函館 11:00 新年感謝祈祷 (※新年会は17日に行います) 2(土) 函館 17:00 主日徹夜祷 福音経:ルカ114端24:36~53 3(日) 函館 10:00 五旬祭後第31主日聖体礼儀 第6調 使徒経:コロサイ25端1:12~18/福音経:ルカ76端14:16~24 (主日昼食会はありません)。 7日(木) ニコライ神父、札幌正教会出張(ロシア人信徒のための降誕祭聖体礼儀〔教会スラヴ語〕 午前10時より) 9日(土)、10日(日) ニコライ神父、上磯正教会出張 9(土) 上磯 19:00 晩課 10(日) 上磯 10:00 降誕祭聖体礼儀/降誕祭祝賀会/信徒総会 函館 10:00 五旬祭後第32主日代式祈祷 第7調 使徒経:ティモフェイ後書298端4:5-8/福音経:マルコ1端1:1-8 16(土) 函館 17:00 主日・主の洗礼祭徹夜祷 福音経:マルコ2端1:9~11 17(日) 函館 09:30 五旬祭後第33主日・主の洗礼祭聖体礼儀 第8調 使徒経:ティト302端2:11~14, 3:4~7/福音経:マトフェイ6端3:13~17 大聖水式(※各自、聖水を入れる容器をお持ち下さい) / 執事会 13:00 新年信徒懇親会(市内にて) 23(土) 函館 17:00 主日徹夜祷 24(日) 函館 10:00 五旬祭後第34主日聖体礼儀 第1調 使徒経:エフェス224端4:7-13/福音経:マトフェイ8端4:12-17 13:00 降誕祭の後片付け(リース、ツリー、その他)/「聖堂100年」実行委員会 29日(金)~31日(日) 北海道ブロック聖歌研修会(ニコライ神父、札幌正教会出張) 31日(日) 函館でのご祈祷はありません 図 版 С Рождеством Христовым! 主ハリストスのご降誕を心よりお祝い申し上げます! С Новым Годом! -10- 新年おめでとうございます!
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