人 形 茸 野祐子 にい の 新 逆光に耳透きとほる芒原 い と ど 静けさの真ん中へ跳ぶ竈馬かな あ を き た 青北風とカレーピラフを炊ぐ香と 星月夜何もかも入れ温サラダ 栗拾ふ愉しき言葉拾ふやう にび色の空きらめかせ鮭のぼる にんぎやうたけ 囁きのかたちに人形茸生まれ 蒼天へ投げ込むボール秋惜しむ 絶望せぬとふ処方箋濁酒 流星を追ひ漂泊となりてあり 8 展景 No. 80 展景 No. 80 9
© Copyright 2025 ExpyDoc