人 形 茸

人 形 茸
野祐子
にい の
新
逆光に耳透きとほる芒原
い と ど
静けさの真ん中へ跳ぶ竈馬かな
あ を き た
青北風とカレーピラフを炊ぐ香と
星月夜何もかも入れ温サラダ
栗拾ふ愉しき言葉拾ふやう
にび色の空きらめかせ鮭のぼる
にんぎやうたけ
囁きのかたちに人形茸生まれ
蒼天へ投げ込むボール秋惜しむ
絶望せぬとふ処方箋濁酒
流星を追ひ漂泊となりてあり
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展景 No. 80
展景 No. 80
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