ファーマライズホールディングス

ファーマライズホールディングス
(2796・東証 1 部)2015 年 12 月 29 日
1Q は順調なスタート。会社計画・QBR 予想とも変更なし
既存店が回復、1Q は 45%営業増益
アップデートレポート
16/5 期 1Q の連結業績は、売上高が前年同期比 10%増の 104 億円、
営業利益は同 45%増の 2.2 億円となった。既存店が順調に推移したほ
(株)QBR
真下 弘司
か、前期に開局・取得した店舗の寄与もあり増収。仕入在庫管理の見
直しや人件費を中心とした調剤経費の抑制、前年同期の利益水準が低
かったこともあり大幅な増益に。開局から 12 カ月以上が経過し前年同
主要指標 2015/12/25 現在
期との比較が可能な既存店 213 店舗合計の売上高は、前年同期比 6.4%
株
価
561 円
660 円
(9/30)
481 円
(8/25)
年初来高値
年初来安値
増の 93 億円。処方せん枚数は微増(同 0.8%増)にとどまったが、処
方日数の長期化等による処方せん単価の上昇(同 5.6%増)が寄与した。
診療報酬改定等の影響一巡、業績の回復を見込む
16/5 期通期の連結業績に関して会社は、売上高が前期比 6%増の 420
発行済株式数
9,006,380 株
億円、営業利益は同 17%増の 13 億円を計画。1Q の売上高はほぼ計画
売 買 単 位
100 株
通り推移。利益の進捗率は低いが、既存店の回復や経費抑制は順調に
時 価 総 額
5,053 百万円
予 想 配 当
14.00 円
期比 7%増の 424 億円、営業利益は同 22%増の 14 億円。14 年 4 月の診
39.97 円
療報酬および薬価改定の影響が一巡、調剤報酬点数の高い地域医療(在
(
会
予 想
社
)
E P S
( ア ナ リ ス ト )
実 績
P B R
1.00 倍
進んでいるとして期初公表の計画を据え置いた。
QBR 予想も変更なし。QBR 予想の 16/5 期の連結業績は、売上高が前
宅医療・施設調剤)の推進や後発品に積極的に取り組むことで既存店
の回復、収益構造の改善を見込んだ。
続く 17/5 期は、
売上高が前期比 6%増の 450 億円、
営業利益は同 14%
直前のレポート発行日
増の 16 億円を予想する。引き続き地域医療の推進や後発品に積極的に
ベーシック
業
績
2015/9/24
動
取り組むことで増益基調が続くと予想する。
売上高
百万円
向
前期比
%
2015/5 1Q(6-8 月)
実
績
9,441
3.3
2016/5 1Q(6-8 月)
実
績
10,385
10.0
期 実
績
39,506
3.4
2015/5 通
新 ・会 社予 想
旧 ・会 社予 想
2016/5 通
期
(2014 年 7 月発表)
新・アナリスト予想
旧・アナリスト予想
(2014 年 9 月発表)
新・アナリスト予想
2017/5 通
期
旧・アナリスト予想
(2014 年 9 月発表)
営業利益
百万円
前期比
%
経常利益
百万円
前期比
%
148 -61.3
100 -69.3
215
161
45.5
1,143 -27.3
61.1
997 -21.6
当期純利益
百万円
-11
16
前期比
%
EPS
円
- -1.28
-
1.78
227 -38.3 25.31
前回予想から変更なし
42,000
6.3
1,335
16.8
1,160
16.2
335
47.0 37.20
22.5
1,220
22.3
360
58.0 39.97
14.3
1,420
16.4
460
27.8 51.07
前回予想から変更なし
42,400
7.3
1,400
前回予想から変更なし
45,000
6.1
1,600
注:16/5 期、17/5 期のアナリスト予想の EPS は直近の発行済株式数で再計算しているため、
前回予想時の数値(順に 39.98 円、51.09 円)とは異なる
アナリストレポート・プラットフォーム
1
業
績
既存店が回復、新
規開局や M&A 等
 会社概要
の寄与もあり 1Q は
45%営業増益
16/5 期 1Q の連結業績は、売上高が前年同期比 10%増の 104 億円、営業利
益は同 45%増の 2.2 億円となった。
通期計画に対する進捗率は売上高が 25%
(前年同期の実績は 24%)、営業利益は 16%(同 13%)になる。
既存店が順調に推移したほか、前期に開局した店舗や 15 年 3 月に取得し
た川口薬局の寄与もあり増収。増収効果に加えて、仕入在庫管理の見直しや
人件費を中心とした調剤経費の抑制、前年同期の利益水準が低かったことも
あり大幅な増益。
なお、15/5 期 1Q は 14 年 4 月の調剤報酬および薬価の改定の影響で既存
店が苦戦、同じく 4 月に実施された消費税増税による租税公課の増加もあり
大幅な減益を余儀なくされた。
調剤薬局事業の売上高は同 10%増の 98 億円。15 年 8 月末現在の調剤薬局
店舗数は、15 年 5 月末比 9 店舗増加の 236 店舗。開局から 12 カ月以上が経
過し前年同期との比較が可能な既存店 213 店舗合計の売上高は、前年同期比
6.4%増の 93 億円。処方せん枚数は微増(同 0.8%増)にとどまったが、処
方日数の長期化等による処方せん単価の上昇(同 5.6%増)が寄与した。
医学資料保管・管理事業の売上高は同 4%減の 1.9 億円。全国の病院にお
いて震災対応や業務効率化のための建て替え・移転が活発に行われているこ
と等を背景に医学資料の保管・管理需要は継続的に発生しているが、保管年
数の短縮化等の経費削減の影響を受けた。医療モール経営事業、化粧品等の
小売販売などその他の売上高は同 13%増の 3.7 億円だった。
表1.16/5期1Qの連結業績
(単位:百万円)
15/5期
16/5期
16/5期通期
15/5期
1Q実績
進捗率
1Q実績 前年同期比 進捗率 通期実績 会社計画 前期比
調剤薬局事業
8,915
24%
9,824
+10%
25%
37,256
39,700
+7%
医学資料保管・管理事業
198
25%
190
-4%
27%
806
700
-13%
その他
327
23%
370
+13%
25%
1,443
1,500
+4%
売上高
9,441
24%
10,385
+10%
25%
39,506
42,000
+6%
営業利益
148
13%
215
+45%
16%
1,143
1,335
+17%
経常利益
100
10%
161
+61%
14%
997
1,160
+16%
純利益
-11
-5%
16
227
335
+47%
(注)会社計画は15年7月14日付。進捗率は1Qと通期との比較
(出所)会社資料からQBR作成
図1.会社計画の売上高・営業利益の増減要因
(16/5期・前期比)
売上高
15/5期に実施したM&A・新規出店の効果
+1,439
+394
16/5期に予定する新規出店の寄与
+240
地域医療の拡大
営業利益
その他(後発加算の増加他)
+73
増収による増益効果
販管費率の引き下げ
その他
-500
(出所)会社資料からQBR作成
アナリストレポート・プラットフォーム
+421
+126
【16/5期会社計画】
売上高:42,000(+2,494)
営業利益:1,335(+191)
-8
+0
+500
+1,000
+1,500
(百万円)
2
業
績
会社計画・QBR 予
 会社概要
想とも変更なし。
16/5 期は業績の
回復を見込む
16/5 期通期の連結業績に関して会社側は、売上高が前期比 6%増の 420
億円、営業利益は同 17%増の 13 億円を計画。1Q の業績に関して会社側は、
売上高はほぼ計画通り推移。利益の進捗率は低いが、既存店の回復や経費抑
制は順調に進んでいるとして期初公表の計画を据え置いた。
14 年 4 月の診療報酬および薬価改定の影響が一巡、前期に増加した 16 店
舗の通期寄与や新規出店効果、地域医療(在宅医療・施設調剤)や後発品の
推進などによる調剤薬局事業の拡大で増収の見通し。既存店は同 2%程度の
増収を計画、新規出店は 5 店舗を予定している。
利益面では増収効果と経費の削減、地域単位での所轄店舗の再編・事業会
社の統合による経営の効率化等により収益の回復を見込んでいる (図 1 参
照)
。
QBR 予想も据え置く。
QBR 予想の 16/5 期の連結業績は、売上高が前期比 7%
増の 424 億円、営業利益は同 22%増の 14 億円。調剤報酬点数の高い地域医
療(在宅医療・施設調剤)の推進や後発品に積極的に取り組むことで既存店
の回復、収益構造の改善を見込んだ。既存店は同 2~3%程度の増収を、新
規出店は会社計画と同じ 5 店舗(年間売上高 1.5 億円程度の店舗を想定)を
見込んだ結果、会社計画を上回る業績を予想する。
続く 17/5 期は、売上高が前期比 6%増の 450 億円、営業利益は同 14%増
の 16 億円を予想する。16 年 4 月に予定されている診療報酬・薬価改定の影
響は懸念されるが、後発品の使用促進や在宅医療の推進に重点的に点数を配
分する方向性に変更はないとして業績を予想した。既存店は同 1~2%程度
の増収を、新規出店は 10 店舗(年間売上高 1.5 億円程度の店舗を想定)を
見込んだ。引き続き地域医療の推進や後発品に積極的に取り組むことで増益
基調が続くと予想する。
なお、今後の M&A やファミリーマート(東証 8028)などとの提携による
新業態(ドラッグストアやコンビニエンスストア併設の調剤薬局等)に関し
ては QBR 予想には織り込んでいない。
表2.会社計画とQBR予想の連結業績
(単位:百万円)
17/5期
15/5期
16/5期
16/5期
通期実績 会社計画 前期比 QBR予想 前期比 QBR予想 前期比
調剤薬局事業
37,256
39,700
+7%
40,000
+7%
42,400
+6%
調剤売上高
36,668
39,000
+7%
39,300
+7%
41,600
+6%
薬剤収入
28,706
30,500
+6%
30,700
+7%
32,400
+6%
技術料収入
7,962
8,500
+8%
8,600
+8%
9,200
+7%
一般薬等
587
600
+9%
700
+19%
800
+14%
医学資料保管・管理事業
806
700
-3%
800
+11%
800
+0%
その他
1,443
1,500
+6%
1,600
+7%
1,800
+13%
売上高
39,506
42,000
+6%
42,400
+7%
45,000
+6%
営業利益
1,143
1,335
+17%
1,400
+22%
1,600
+14%
経常利益
997
1,160
+16%
1,220
+22%
1,420
+16%
純利益
227
335
+47%
360
+58%
460
+28%
(注)会社計画は15年7月14日付
(出所)会社資料、予想はQBR
アナリストレポート・プラットフォーム
3
(出所)㈱QUICK
上記チャート図の一部又は全部を、方法の如何を問わず、また、有償・無償に関わらず第三者に配布してはいけません。
上記チャート図に過誤等がある場合でも㈱QUICK 社及び東京証券取引所は一切責任を負いません。
上記チャート図の複製、改変、第三者への再配布を一切行ってはいけません。
2013/5
株 価 推 移
2014/5
2016/5 予
(アナリスト)
2015/5
株価(年間高値)
円
935
790
659
-
株価(年間安値)
円
445
523
480
-
月間平均出来高
千株
4,387
2,380
5,133
-
高
百万円
33,357
38,221
39,506
42,400
売
上
営
業
利
益
百万円
1,411
1,572
1,143
1,400
経
常
利
益
百万円
1,228
1,272
997
1,220
百万円
958
369
227
360
業 績 推 移
当 期 純 利 益
E
P
S
円
127.73
46.55
25.31
39.97
R
O
E
%
24.9
7.6
4.1
6.6
流動資産合計
百万円
8,339
8,557
8,257
-
固定資産合計
百万円
15,416
16,296
15,945
-
資
百万円
23,774
24,879
24,225
-
産
合
計
貸借対照表
流動負債合計
百万円
11,449
10,112
10,624
-
主 要 項 目
固定負債合計
百万円
7,865
9,138
7,789
-
負
計
百万円
19,314
19,250
18,414
-
株 主資本合 計
百万円
4,279
5,451
5,592
-
純 資 産 合 計
百万円
4,459
5,628
5,811
-
営業活動による CF
百万円
1,618
1,306
3,405
-
投資活動による CF
百万円
-4,595
-1,708
-1,064
-
財務活動による CF
百万円
2,116
490
-2,100
-
現金および現金同等
物の期末残高
百万円
3,545
3,633
3,873
-
キャッシュフ
ロー計算書
主 要 項 目
債
合
(注)株価の年間高安および月間平均出来高は 13 年 12 月 1 日付の株式分割(1 株→100 株)の影響を遡及修正している
アナリストレポート・プラットフォーム
4
リ
事
関
ス
ク
す
業
る リ
 会社概要
分
析
に
ス ク
調剤薬局事業を行うに当っては、関連する法令に基づき、各都道府県知事
に薬局開設許可及び保険薬局指定を受けるとともに、必要に応じて各都道府
県知事等の指定等を受けることとされている。同社グループは調剤薬局事業
を行うために必要な許認可等を受けて営業しており、これまで店舗の営業停
止又は取消等の処分を受けたことはないが、法令違反等により、当該処分を
受けることとなった場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。
の改定
近年、健康保険法の改定のほか、その他の医療制度の改定が実施されてお
り、今後も各種の医療制度改定の実施が予想される。その動向によっては、
同社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
調剤薬局業界では、薬価基準の改正が実施された場合、最終的な仕入価格
を医薬品卸業者と妥結するまでの間、暫定価格(合理的であると見積もった
価格)で仕入計上し、暫定価格と最終的な仕入価格の差額については医薬品
卸業者との取引条件の妥結後、薬剤ごとに精算の会計処理をしている。暫定
価格と妥結価格の間に大きな乖離が発生した場合、同社グループの業績に影
響を及ぼす可能性がある。
調剤薬局事業において、調剤売上高は消費税法において非課税売上、一方、
医薬品等の仕入は同法の課税仕入となる。同社グループが仕入先に対して支
払った消費税等は、租税公課として販売費及び一般管理費に費用計上してい
る。過去の消費税の導入及び消費税率改定時には、消費税率の上昇分が薬価
改定幅に考慮された。今後、消費税率が改定され、消費税率の上昇分が薬価
改定幅に考慮されない場合、同社グループの業績に影響を与える可能性があ
る。
アナリストレポート・プラットフォーム
5
デ ィ ス ク レ ー マ ー
1.本レポートは、株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます。
)が実施する「アナリストレポー
ト・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、東証が作成したものではありません。

会社概要
2.本レポートは、本レポートの対象となる企業が、その作成費用を支払うことを約束することにより作
成されたものであり、その作成費用は、当該企業が東証に支払った金額すべてが、東証から株式会社Q
BR(以下「レポート作成会社」といいます。)に支払われています。
3.本レポートは、東証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、東証が文面上から明らかに
誤りがある場合や適当でない場合にレポート作成会社に対して指摘を行うことを妨げるものではありま
せん)
。
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6