2016年1月号

T A K A G
I
1
2016年 月号
◇ グローバル リサーチ
米国の金融政策
~歴史的な一歩を踏み出したFRB
米国エネルギー情報局の短期エネルギー
見通し12月号
日銀金融政策決定会合
~「異次元緩和」の補完措置を発表
◇ 日本株投資戦略
12月の株価動向
~米利上げへの警戒感などから軟調
1月号の見通し
~日経平均はやや上値の重い展開に
◇ 企業研究
花王
ソニー
富士重工業
トプコン
◇ 投資信託をよく知る
基礎シリーズ
「投資信託にかかる費用について」
資金流出入ランキング(12/1~12/24)
◇ 相続通信
相続を取り巻く統計数字
髙木証券インターネットホームページ
http//www.takagi-sec.co.jp/
◇ グローバル リサーチ
米 国 の 金 融 政 策 ~歴 史 的な 一 歩 を踏 み出 した FR B
米国の中央銀行にあたるFRBは12月15日から16日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開催、政
策金利であるFFレートの誘導目標を0~0.25%から0.25~0.50%に引き上げた。2008年12月16日の
FOMCで実質ゼロ金利政策が導入されて以来、その解除は7年ぶり。また、FRBが最後に利上げを実施した
2006年6月29日からは実に9年半が経過しており、FRBは今回の決定により、金融政策の正常化に向けた、ま
さに歴史的な一歩を踏み出したといえるだろう。
景気の現状認識は「経済活動は緩やかに拡大している」で、10月27~28日に開かれた前回FOMCの声明文
から変化はないが、前回FOMC以降に発表された10月及び11月の雇用統計を受けて、労働市場に関する見方
が上方修正された。また、インフレの見通しについては、「徐々に2%に向けて上昇するだろう」として、前回FOMC
までの声明文にあった「短期的には現在の低水準近辺が見込まれる」という表現は削除された。
その上で、利上げを決定した理由についての声明文は「今年の労働市場情勢の相当な改善がみられ、インフレ
が中期的に2%の目標に上昇することに対する確信があるため」と述べている。
FRBは10月27~28日に開催した前回のFOMCにおいて
利上げを見送る一方、従来の「どの程度の期間、現在のFF
金利のレンジを維持するかを決定する際には幅広い指標に
注意を払う。労働市場のさらなる多少の改善とインフレが中
『フォワードガイダンス』(金融政策の先行き)
期的に2%の目標に向かうことに対する合理的な確信が得ら
FF金利のさらなる調整のタイミングと規模の
れれば、FF金利の引き上げが適切になると考えている」という
決定においては、雇用の最大化と2%のインフ
フォワードガイダンスの前段部分(下線部)を 「次回の会合
レ目標に関する経済情勢を、現実と予想の
で目標レンジを引き上げるか否かを決定する際には」に変
双方について再評価する。評価に際しては、
更、次の会合で利上げを行う可能性があることが初めて明記
労働環境に関する指標やインフレ圧力とイン
されるとともに、前回FOMC以降に発表された10月と11月の
フレ期待、金融情勢と国際情勢の変化を含
雇用統計が良好だったことから、今回のFOMCでの利上げに
む幅広い情報に注意を払う。現在のインフレ
ついては多くの市場参加者が予想していたとみられ、その点で
はサプライズはなく、為替市場に与えるインパクトも限られよ
う。そして、市場参加者にとって最大の注目点は今後の利上
が2%の目標を満たしていない観点から、我々
は、現実と期待のインフレ目標に向けた進展
を注意深くモニターする。経済情勢が極めて
緩やかなFF金利の引き上げに限って正当化
げのペースであったが、金融政策の先行きについて声明文は
される形で改善され、FF金利はしばらくの
「経済情勢が極めて緩やかな(only gradual)FF金利の
間、長期的に有効とされる水準を下回って推
引き上げに限って正当化される形で改善され、FF金利はしば
移するだろう。しかしながら、FF金利の実際
らくの間、長期的に有効とされる水準を下回って推移するだろ
の道筋は今後のデータによる経済見通しに
う。しかしながら、FF金利の実際の道筋は今後のデータによる
依存する。
経済見通しに依存する」と述べている。
1
◇ グローバル リサーチ
一方、声明文と同時に公表されたFOMC参加者の金
(%)
▼先物が示唆する2016年末のFF金利
利見通し(ドットチャート)は2016年末のFF金利のレ
ンジの中心が1.375%(1.25~1.50%)、1回当た
りの利上げ幅を25ベーシスとすると4回の利上げがFRB
の中心的な考えであることを示しており、この点は9月
FOMCから変わっていない。FOMCの前日時点でFF金
利の先物が織り込んでいた2016年末のFF金利が
0.785%(1回当たりの利上げ幅を25ベーシスとすると
2回弱)だったのに比べると、FRBのスタンスは市場の想
定よりも「タカ派」であり、この点は為替市場における米ド
ルの押し上げ要因だといえるだろう。
しかし、「ドットチャート」はあくまでも現時点での「予定」
(時点)
▼FOMCメンバーの金利見通し(ドットチャート)
(12/16発表)
5.0%
に過ぎず、実際の利上げペースは声明文にもある通り経
4.5%
2016年末
「中央値」
=1.375%
済情勢次第である。髙木証券では、米ドルが持続的に
4.0%
3.5%
3.0%
上昇し、対円で6月、対ユーロで3月に付けた高値を上
2.5%
回ってくるためには、少なくとも2016年3月のFOMCで2
2.0%
回目の利上げが実施されることに対する投資家の確信
1.0%
が高まることに伴って、米国債利回りが一段と上昇する
0
必要があると考えている。
1.5%
0.5%
2015
一方、米国の株式市場に与える影響という点では、
「ドットチャート」が2016年に4回の利上げを示唆したこ
とはネガティブに捉えられてもおかしくないが、先に述べた
2016
2017
2018
▼2016年のFOMC開催日程
開催日
議長会見
1 /26~27
無し
通り、実際の利上げのペースは経済情勢次第であり、ま
3 /15~16
有り
た、1月26~27日のFOMCでの利上げはほとんど考え
4 /26~27
無し
られないことを考えると、3月のFOMCが近づき、そこでの
6 /14~15
有り
7 /26~27
無し
9 /20~21
有り
11/ 1~ 2
無し
12/13~14
有り
利上げの有無が意識されるまでの間は、米国の金融政
策が波乱の要因になりにくいともいえるだろう。
《2015/12/17 投資情報部 勇崎》
Longer run
*データ・チャートについてはFRBおよびBloombergデータに基いて、当社 投資情報部が作成しています。
2
◇ グローバル リサーチ
米国エネルギー情報局の短期エネルギー見通し 12月号
~足下の原油価格見通しを下方修正も、2016年の第2四半期以降は据え置き
米国エネルギー情報局(EIA)は12月8日、「短期エネルギー見通し」の12月号を公表、2015年通年の
WTI先物価格の見通しを11月号の1バレル=49.88ドルから同49.08ドルに、2016年通年についても1バレル
=51.31ドルから同50.89ドルに下方修正した。
世界の原油供給量の見通しについては、2015年を11月号の日量9,548万バレルから9,554万バレルに、
2016年を同9,566万バレルから9,579万バレルにそれぞれ引き上げた。上方修正の主な要因は、12月4日に
開かれた総会において、日量3,150万バレル程度となっている現在の生産量の維持を実質的に決定したOPEC
による供給見通しについて、2015年を日量3,096万バレルから3,098万バレルへ、2016年を同3,119万バレ
ルから3,129万バレルに引き上げたことである。一方、世界の原油消費量の見通しについては、2015年が日量
9,386万バレルから9,382万バレルへ、2016年が同9,526万バレルから9,522万バレルに引き下げられたが修
正幅は小幅である。WTIの先物価格はここにきて8月の安値を下回って一時1バレル=36ドル台に下落してお
り、その背景について供給増だけでなく需要減に対する懸念も台頭しているとする解説も聞かれるが、原油価格の
値下がりは基本的に供給要因によるものだと思われる。
EIAは前述の通り原油価格の見通しを引き下げたが、
▼WTI原油先物価格(米ドル/バレル)
下方修正は足下のみで2016年の第2四半期以降につい
ては11月号での見通しを据え置いている。また、下方修
正後の2015年第4四半期の見通しは1バレル=43.59
ドルであり、前述した現状水準を上回っていることからも、
最近の急激な値下がりは、OPECが先に述べた総会で生
産目標を設定しなかったことに対する過剰反応という側面
もあるように思われる。
《2015/12/9 投資情報部
勇崎》
■WTIの価格見通し
(米ドル/バレル)
2015年
11月号
12月号
2016年
1Q
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
48.48
48.48
57.85
57.85
46.56
46.55
46.73
43.59
47.36
45.61
51.38
51.38
54.00
54.00
通年
2015年 2016年
52.33
49.88
51.31
52.33
49.08
50.89
4Q
■世界の原油供給見通し
(百万バレル/日)
2015年
11月号
内OPEC
12月号
内OPEC
2016年
1Q
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
4Q
94.44
30.29
94.42
30.29
95.41
30.99
95.38
30.96
96.35
31.39
96.49
31.41
95.70
31.15
95.82
31.26
94.61
30.75
94.67
30.74
95.32
30.98
95.45
31.04
96.29
31.55
96.50
31.76
96.39
31.46
96.55
31.63
■世界の原油消費見通し
(百万バレル/日)
2015年
11月号
12月号
通年
2015年 2016年
95.48
95.66
30.96
31.19
95.54
95.79
30.98
31.29
2016年
1Q
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
92.85
92.80
93.37
93.38
94.70
94.69
94.49
94.37
94.29
94.23
94.79
94.75
96.01
95.99
通年
2015年 2016年
4Q
95.92
93.86
95.26
95.87
93.82
95.22
*データ・チャートについてはEIAおよびBloombergデータに基いて、当社 投資情報部が作成しています。
3
◇ グローバル リサーチ
日 銀 金 融 政 策 決 定 会 合 ~「 異次 元 緩和 」の補 完措 置 を発 表
日銀は12月17日から18日にかけて金融政策決定会合を開催、マネタリーベースを年間約80兆円に相当する
ペースで増加させるという金融市場の調節方針を維持した。
一方、資産買入れについては、「『量的・質的金融緩和』を補完するための諸措置」として、主に以下の内容か
らなる修正を6対3の賛成多数で決定した。
①長期国債の買入れペースは年間80兆円で変らないが、買入れの平均残存期間を本年中の7~10年程度
から、2016年は7~12年程度に延長する。
②ETFおよびJ-REITの買入れペースは年間3兆円、900億円でそれぞれ変らないが、ETFについては従来の買
入れに加え、新たに年間約3,000億円の枠を設け、「設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」の株
式を投資対象とするETFを買入れる(実施は2016年4月より)。
③J-REITの銘柄別の買入限度額を当該銘柄の発行済投資口総数の「5%以内」から「10%以内」に引き上
げる。
『当面の金融政策運営について』要旨
「補完措置」の決定を受けた金融市場では国内
株式市場が急上昇するとともに、為替市場でも円
が急落したが、その詳細が伝わるとともに往って来
いとなった。以前から髙木証券では日銀の追加緩
和の必要性は低いと考えていたのに対して、市場
の一部では2014年10月の追加緩和の再来を期
待した日銀のアクションが一貫して待望されてきた
が、彼らが求めていたものとの比較という点で、今
回の「補完措置」は逆の意味で「異次元」であり、
とりわけ為替市場に与える影響は全くないといえる
だろう。
また、景気全般に関する「緩やかに拡大してい
る」という判断は維持されたが、輸出については「横
這い圏の動き」から「持ち直しつつある」に引き上げ
られている。さらに、物価に関しては現状、先行きと
もに前回から認識が変わっていないことを考えると、
今回の措置の大義名分にも疑問符が付くかもし
れない。
ただし、日銀は「補完措置」を決定した理由の一
つとして「設備・人材投資に対する積極的な取り
組み」が広がることに対する期待を挙げている。この
点については黒田総裁が11月30日に行った講演
で「まず動くべきは日銀」と述べたことを実践しようと
したものだとはいえるかもしれない。
輸出・生産面に新興国経済の減速の影響がみられる
ものの、緩やかな回復を続けている。
新興国が減速しているが、先進国を中心とした緩やか
海外経済
な成長が続いている。
輸出
一部に鈍さを残しつつも、持ち直している。
企業収益が明確な改善を続けるなかで、緩やかな増
設備投資
加基調にある。
個人消費・ 雇用・所得環境の着実な改善を背景に、個人消費は
住宅投資
底堅く推移しているほか、住宅投資も持ち直している。
公共投資
高水準ながら緩やかな減少傾向にある。
鉱工業生産 横這い圏の動きが続いている。
一部にやや慎重な動きもみられるが、総じて良好な
企業の景況感
水準を維持している。
消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度と
なっている。予想物価上昇率は、このところ弱めの
物価
指標もみられているが、やや長い目でみれば、全体
として上昇しているとみられる。
先行きのわが国経済については、緩やかな回復を
景気の先行き
続けていくとみられる。
消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影
物価の先行き
響から、当面0%程度で推移するとみられる。
リスク要因としては、新興国・資源国経済の動向、
リスク要因 欧州における債務問題の展開や景気・物価のモメン
タム、米国経済の回復ペースなどが挙げられる。
「量的・質的金融緩和」は所期の効果を発揮しており、
今後とも日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実
現を目指し、これを安定的に持続するために必要な
時点まで「量的・質的金融緩和」を継続する。その際、
経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を
点検し、必要な調整を行う。こうした方針に沿って「量
的・質的金融緩和」を推進していくに当たっては、国債
金融政策 市場の動向や金融機関の保有資産の状況などを踏
まえ、より円滑にイールドカーブ全体の金利低下を促
していくことが適切である。また「量的・質的金融緩和」
のもとで企業や家計のデフレマインドは転換してきて
おり、設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業
も多いが、そうした動きがさらに広がっていくことが期
待される。こうした観点に立って、日本銀行は「量的・
質的金融緩和」を補完するための諸措置を決定した。
景気判断
《2015/12/18 投資情報部 勇崎》
*データ・チャートについては日本銀行データに基いて、当社 投資情報部が作成しています。
4
◇ 日本株投資戦略
1 2 月 の 株 価 動 向 ~ 米利 上げへの警 戒感 な どから軟 調
日本の経済統計は良好だが、海外市況や金融政策・需給などが波乱要因に
■11月下旬~24日・日経平均が45円高となり、5営業日続伸→25日・ロシア軍機撃墜で地政学リスク意識
され、日経平均77円安→30日・上海株安が嫌気され日経平均は136円安
■12月上旬~1日・7~9月法人企業統計で設備投資が前年比11.2%増となったことを好感し、日経平均
264円高、終値で20,000円台回復→ 4日・ECB理事会における追加緩和の内容が失望され、海外株式が
下落したことを受け、日経平均435円安→7日・11月米雇用統計が堅調で海外株式が反発し、日経平均も
193円高→8日・日本の7~9月GDP2次速報が年率1.0%増と、1次速報の0.8%減から改善したものの、原
油安や海外株安を受け日経平均205円安→9日・10月の機械受注は前月比10.7%増と好調だったものの、
週末のSQを控え先物主導で日経平均191円安→10日・海外株安と円高・ドル安で日経平均254円安
■12月中旬~11日・海外株高や円安で日経平均は183円高、SQ値は18,943円に→14日・海外株安と円
高で日経平均347円安→15日・FOMC控え様子見傾向、先物主導で日経平均317円安→16日・海外株
高や、米国で懸念されていたハイイールド債のETF反発などで日経平均484円高→17日・FOMCで利上げを決
定、米国株が上昇し、円安・ドル高となったことから日経平均303円高→18日・日銀金融決定会合で導入され
た金融緩和の補完策をめぐり、日経平均は一時515円高まで急騰も、終値は366円安まで急落→22日まで3
営業日続落
《2015/12/25 企業調査部 藤井》
(円)
(円)
日経平均株価と為替(円/ドル)レートの推移
126
21,500
125
21,000
124
20,500
123
20,000
122
19,500
121
19,000
120
18,500
119
18,000
118
17,500
為替(1ドル)
117
17,000
116
16,500
4/1
4/22
5/19
6/9
6/30
7/22
8/12
9/2
9/28
10/20 11/11
12/3
※為替は三菱東京UFJ銀行の為替レート(TTM)
*データ・チャートについては当社 企業調査部が作成しています。
5
◇ 日本株投資戦略
日 経 平 均 は や や 上 値 の 重い展 開 に
注目されるタイムテーブル
1月下旬の決算発表進捗での見直しに期待
■12月は日米欧の金融政策の動向が注目されたが、
イベント通過で外部環境の不透明感は薄れた印象
~新年度を迎える海外投資家の投資スタンスに注目
■7~9月のGDP2次速報や10月の機械受注など、
市場予想以上に日本の経済指標は良好~短観など
企業の見通しは保守的だが、実態を確認する意味で
も第3四半期(10~12月)の動向が注目される
■東芝の大幅赤字予想もあり、日経平均の予想
EPSは1,219円まで低下~PER16倍でも19,500
円だが、1月下旬からの決算発表の進捗とともにEPS
は上積みの公算も
■年初はテーマ性重視の物色を想定~引き続きイン
バウンドやフィンテック、ロボティクス、IOTなどの関連銘
柄に注目
《2015/12/25 企業調査部 藤井》
(円)
22,000
21,000
20,000
19,000
日付
経済統計等
12月25日
家計調査(11月)
12月25日
有効求人倍率・完全失業率(11月)
12月25日
消費者物価指数(11月)
1月7日
オフィスビル市況(三鬼商事・12月)
1月8日
景気動向指数(11月)
1月12日
経常収支(11月)
1月14日
機械受注(11月)
1月14日
企業物価指数(12月)
1月28~29日
日銀金融政策決定会合
1月29日
日銀「展望レポート」公表
1月5日
米ISM製造業景気指数(12月)
1月7日
米ISM非製造業景気指数(12月)
1月8日
米雇用統計(12月)
1月15日
米小売売上高(12月)
1月20日
米消費者物価指数(12月)
1月21日
ECB理事会
1月26~27日
米連邦公開市場委員会(FOMC)
日経平均株価と予想EPS
(円)
1,400
1,350
予想EPS
1,300
日経平均株価
1,250
18,000
1,200
17,000
1,150
16,000
1,100
15,000
1,050
14,000
1,000
13,000
950
12,000
14/9/1 14/10/16 14/12/1 15/1/19
900
15/3/3
15/4/14
15/6/1
15/7/13 15/8/25 15/10/9 15/11/25
*データ・チャートについては当社 企業調査部が作成しています。
6
◇ 企業研究
花王(4452・東証1部)
コ ン シ ュ ー マ ー プロ ダ クツ の売り上 げが国 内 外 で着実 に 増 加
家庭用品国内最大手である花王の2015年12月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が1兆624億円
(前年同期比5.5%増、為替変動の影響を除く実質2.4%増)、営業利益が1,102億円(同36.2%増)と
なった。売上高は、化粧品やスキンケア、健康機能飲料やサニタリー製品、衣料用洗剤などコンシューマープロダクツ
事業において、日本が市場の伸長や新製品の発売・販促などで伸長したほか、海外もアジアを中心に順調に伸長し
た。一方、油脂製品などケミカル事業は一部の業界で需要減となり、為替の影響を除くと減収だった。ただ、利益面
ではコンシューマープロダクツ事業の増収効果と天然油脂や石化原料を中心とした原材料価格の低下などにより、営
業利益は大幅増益となった。
セグメント別では、主力のコンシューマープロダクツ事業が売上高8,744億円(前年同期比6.2%増、為替変動
の影響を除く実質3.3%増)、営業利益876億円(同36.2%増)となった。売上高の内訳としては、日本が
6,531億円(同1.7%増)となったほか、アジアが1,324億円(同33.2%増)米州が673億円(同17.8%
増)、欧州が648億円(同7.6%増)と全地域で増加。商品別では、ビューティケア事業では花王ソフィーナ販売
制度改定の影響もあって化粧品の売り上げが減少したものの、スキンケア製品やヘアケア製品の売り上げは前年同
期を上回った。ヒューマンヘルスケア事業では、サニタリー製品の売り上げが国内外で伸長し前年同期を大きく上回っ
たほか、パーソナルヘルス製品も増収となった。ファブリック&ホームケア事業では、衣料用洗剤などファブリックケア製品
の売り上げは横ばいとなったものの、住居用洗剤などのホームケア製品の売り上げが伸長した。一方、ケミカル事業
は、売上高2,166億円(同1.1%増、為替変動の影響を除く実質2.6%減)、営業利益226億円(同
35.9%増)。一部の対象業界で需要の弱さが続いているものの、高付加価値製品の増収効果とコストダウンで増
益となった。
15年12月期の連結業績予想は、売上高1兆4,700億円(前期比4.9%増)、営業利益1,550億円(同
16.3%増)と、従来予想から営業利益のみ50億円増額した。第3四半期までの実績と原材料価格の低下などの
影響を反映している。主力のコンシューマープロダクツ事業は国内向けが順調なほか、海外もアジアを中心に売り上げ
が大幅に伸長。中期的にも着実な成長が期待できそうで、株価も堅調な推移が見込めそうだ。
《2015/12/25 企業調査部 藤井》
決算期
2014/12期
2015/12期
会社予想
売上高
営業利益
(単位:百万円、EPS・1株あたり配当金は円)
1株あたり
経常利益
当期純利益
EPS
配当金
1,401,707
133,270
138,784
79,590
156.46
70.0
1,470,000
155,000
158,000
91,000
181.48
76.0
100 株
売買単位
株価
(15/12/25)
6,142 円
年初来高値
(15/07/30)
6,623 円
年初来安値
(15/01/07)
4,601.0 円
(週足チャート)
*この資料は、当社 企業調査部が作成しています。データ・チャートについては特記が無い限り、2015年12月25日現在のクオンツ・
リサーチ(株)「株マップ.com」、および決算短信に基いております。最終ページの【ご注意いただきたいこと】を必ずお読みください。
7
◇ 企業研究
ソ ニ ー ( 6 7 5 8 ・ 東 証 1 部)
上 期 は ゲ ー ム や イメ ージセン サー、 音楽 、デジタ ルカメ ラな どが好 調 に 推 移
ソニーの2016年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が3兆7,007億円(前年同期比0.3%減)、
営業損益が1,849億円の黒字(前年同期は157億円の赤字)だった。売上高はゲーム&ネットワークサービス
(G&NS)分野やデバイス分野、音楽分野が大幅な増収だが、モバイル・コミュニケーション(MC)分野やホーム
エンタテインメント&サウンド(HE&S)分野などの減収により、ほぼ前年同期並みだった。ただ、利益面ではデバイス
分野や音楽分野、G&NS分野などが寄与したほか、MC分野の赤字も減少し、大幅な損益改善となった。
分野別では、G&NS分野が「プレイステーション 4」(以下「PS4」)のソフトウエアの増収や、PS4周辺機器の販
売台数の増加などから、売上高が6,069 億円(同17.4%増)、営業利益433億円(同66.1%増)。デバイ
ス分野も主に為替の影響やモバイル機器向けイメージセンサーの増収により、売上高3,969 億円(同27.8%
増)、営業利益630億円(同58.2%増)だった。音楽分野も、主に米ドルに対する円安で売上高2,620億円
(同13.2%増)となり、営業利益は持分法適用会社の再評価などで463億円(同94.7%増)だった。また、
MC分野はスマートフォンの販売台数の減少などで売上高5,578億円(前年同期比16.0%減)となったが、前年
同期は営業権の減損計上で大幅な赤字だったため、営業損益は435億円の赤字(前年同期は1,721億円の赤
字)と損失が縮小した。HE&S分野も液晶テレビの販売台数減少などで売上高5,406億円(同7.1%減)も、
営業利益はコスト削減や高付加価値モデルへのシフトなどにより、266億円(同49.1%増)。イメージング・プロダ
クツ&ソリューション(IP&S)分野はデジタルカメラで高付加価値モデルへのシフトが進み、売上高3,514億円
(同3.0%増)、営業利益471億円(同25.6%増)だった。一方、前年同期が好調だった映画分野は、売上
高が3,550億円(同5.7%減)となり、営業損益も341億円の赤字(前年同期は67億円の黒字)。金融ビジ
ネス収入も、ソニー生命において特別勘定における運用損益が悪化し、売上高4,867億円(同5.3%減)、営
業利益871億円(同4.7%減)だった。
2016年3月期の連結業績は売上高7兆9,000億円(前期比3.8%減)、営業利益3,200億円(同4.7
倍)を計画し、従来予想を据え置いた。ただ、分野別では、G&NS分野でPS4のハードウエア及びソフトウエアの売
上高が想定を上回るとみている一方、IP&S分野やHE&S分野、デバイス分野の売上高見通しを引き下げた。営業
利益の見通しはG&NS分野、IP&S分野などを上方修正したが、映画を下方修正している。ただ、2四半期累計の
進捗率は、売上高が46.8%、営業利益が57.7%と特に利益面での進捗が高く、総じて好調な分野が多いことか
ら、会社計画は保守的な印象が強い。今後の動向次第では、株価も見直される可能性がありそうだ。
《2015/12/25 企業調査部 藤井》
決算期
2015/3期
2016/3期
会社予想
経常収益
営業利益
(単位:百万円、EPS・1株あたり配当金は円)
当社株主に帰
1株あたり
税引前利益
EPS
属する純利益
配当金
8,215,880
68,548
39,729
-125,980
-113.04
0.0
7,900,000
320,000
345,000
140,000
-
未定
100 株
売買単位
株価
(15/12/25)
2,933.5 円
年初来高値
(15/05/19)
3,970.0 円
年初来安値
(15/01/16)
2,351.5 円
(週足チャート)
*この資料は、当社 企業調査部が作成しています。データ・チャートについては特記が無い限り、2015年12月25日現在のクオンツ・
リサーチ(株)「株マップ.com」、および決算短信に基いております。最終ページの【ご注意いただきたいこと】を必ずお読みください。
8
◇ 企業研究
富 士 重 工 業 ( 7 2 7 0 ・ 東 証1 部 )
海外販売台数の増加や円安効果などから、第2四半期累計の実績は過去最高を更新
富士重工業の2016年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高1兆6,014億円(前年同期比22.2%
増)、営業利益2,850億円(同53.6%増)となった。自動車事業で北米市場を中心に海外販売が好調に推
移し、全世界販売台数は472.2千台と、第2四半期累計期間としては過去最高を記録。海外販売台数、北米
販売台数、連結売上高については、全ての半期を通じて過去最高となった。利益面でも販売台数の拡大に加え、
為替レート差、原価低減の進捗により、諸経費や試験研究費などの増加を打ち消し大幅な増益となり、全ての半
期を通じて過去最高を更新した。
セグメント別では、自動車事業部門が売上高1兆5,057億円(同22.6%増)、営業利益2,732億円(同
53.0%増)となった。地域別の販売台数は、国内の軽自動車はステラの販売が好調で16.7千台(前年同期比
1.6千台の増加)となったものの、登録車は発売から1年が経過したレヴォーグやフォレスターが減少し49.8千台
(同6.6千台の減少)となり、国内合計では66.5千台(同5千台の減少)となった。一方、海外では重点市場
である北米を中心にレガシィ、アウトバック、インプレッサなどの販売が好調に推移し、海外合計では405.7千台(同
45.6千台の増加)。特に米国は290.6千台(同40.7千台の増加)で、他にカナダ、欧州、豪州などで販売台
数が増加し、中国、ロシアの減少をカバーした。一方、航空宇宙事業部門も、防衛省向け製品で哨戒機「P-1」の
生産が増加したことなどにより売上高735億円(同15.1%増)、営業利益96億円(同63.2%増)と増収増
益だった。
第2四半期までの状況から、2016年3月期の連結業績は、売上高3兆2,100億円(前期比11.5%増)、営
業利益5,500億円(同30.0%増)と、期初予想(売上高3兆300億円、営業利益5,030億円)を上方修
正している。連結販売台数は期初予想の928.3千台から953千台に増加させており、特に米国の販売台数を
23.6千台増やしている。下期の業績予想の前提為替レートは1ドル=118 円、1ユーロ=130 円としており、現
在の相場水準で推移すれば上積み要因となりそうだ。自動ブレーキによって車両を停止させる制御などを備えた、先
進運転支援システム「新型Eye Sight(アイサイト)」なども注目されており、好調な業績を背景に株価は堅調な
推移が続きそうだ。
決算期
2015/3期
2016/3期
会社予想
売上高
《2015/12/25 企業調査部 藤井》
営業利益
(単位:百万円、EPS・1株あたり配当金は円)
親会社株主に
1株あたり
経常利益
EPS
帰属する純利益
配当金
2,877,913
423,045
393,648
261,873
335.57
68.0
3,210,000
550,000
547,000
414,000
530.51
144.0
100 株
売買単位
株価
(15/12/25)
4,937 円
年初来高値
(15/12/02)
5,223 円
年初来安値
(15/08/25)
3,669.0 円
(週足チャート)
*この資料は、当社 企業調査部が作成しています。データ・チャートについては特記が無い限り、2015年12月25日現在のクオンツ・
リサーチ(株)「株マップ.com」、および決算短信に基いております。最終ページの【ご注意いただきたいこと】を必ずお読みください。
9
◇ 企業研究
ト プ コ ン ( 7 7 3 2 ・ 東 証 1部 )
測位技術や制御技術を活用した製品開発に注力~ロボティクス関連の取り組みに注目
トプコンの2016年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が629億円(前年同期比5.9%増)、営業
利益が46.2億円(同21.8%減)となり、第1四半期決算時の予想(売上高670億円、営業利益60億円)
を下回った。売上高は米国・欧州およびアジアでの増加や為替の影響等により増収となったが、利益面では売上高
が想定を下回ったことや、新規事業領域での製品開発並びに新基幹システム稼働による経費の増加等により減益
となった。
セグメント別では、最先端のGPS技術、レーザー技術、画像解析技術を融合した製品を提供するスマートインフ
ラ・カンパニーが売上高162億円(前年同期比3.8%増)、営業利益18.8億円(同16.0%減)。売上高はア
ジアやその他の地域で伸長したが、利益面では新製品の研究開発費用や新基幹システム稼働による経費増が響
いた。土木施工と農業の自動化などを目的に高精度GNSS測位技術を利用した製品・システムを展開するポジショ
ニング・カンパニーも売上高314億円(同14.8%増)、営業利益18.5億円(同36.7%減)。売上高は米国や
欧州が伸長したが、利益面では穀物価格下落によるIT農業市場の停滞や、新規事業での研究開発費用の増加
等により大幅な減益となった。ただ、眼科で使用する機器などを提供するアイケア・カンパニーは売上高195億円
(同5.0%増)、営業利益20.5億円(同40.7%増)。米国、中国およびアジアで売上高が増加し、利益面で
も高収益製品の好調な販売が寄与した。
2016年3月期の連結業績は売上高1,430億円(前期比11.2%増)、営業利益190億円(同18.4%
増)を計画している。第2四半期累計では計画未達となったが、売上高のみ従来予想から70億円減額し、営業
利益予想は据え置いた。原価低減を図るほか、為替の前提を1ドル=115円から120円に見直している。下期は、
スマートインフラ・カンパニーでは国内ICT自動化施工システムの販売伸長やアジアインフラビジネスの拡充などに注
力。ポジショニング・カンパニーもICT自動化施工で堅調な北米建設市場での売上拡大を見込むほか、農業IT化を
加速させる製品を充実させ、収益拡大を目指す。アイケア・カンパニーでもOCT血管造影機能を武器にプレミアム
OCT Tritonの販売加速や、スクリーニング市場・治療器市場における売上伸長に注力する。各カンパニーで新製
品の投入を予定しており、中期的な収益寄与が期待される。特に、建設機械や農業機械向けの展開はいわゆるロ
ボティクス関連の取り組みとしても注目されており、当社の測位技術や制御技術を活用した製品開発を進めている。
中期的な成長期待と話題性から、株価も見直しの動きが進みそうだ。
決算期
2015/3期
2016/3期
会社予想
売上高
営業利益
《2015/12/25 企業調査部 藤井》
(単位:百万円、EPS・1株あたり配当金は円)
親会社株主に
1株あたり
経常利益
EPS
帰属する純利益
配当金
128,569
16,041
14,880
8,670
80.27
16.0
143,000
19,000
17,500
10,800
99.99
24.0
100 株
売買単位
株価
(15/12/25)
2,000 円
年初来高値
(15/04/09)
3,230 円
年初来安値
(15/09/29)
1,500 円
(週足チャート)
*この資料は、当社 企業調査部が作成しています。データ・チャートについては特記が無い限り、2015年12月25日現在のクオンツ・
リサーチ(株)「株マップ.com」、および決算短信に基いております。最終ページの【ご注意いただきたいこと】を必ずお読みください。
10
◇ 投資信託をよく知る
基礎シリーズ「投資信託にかかる費用について」
投資信託を運用したり販売したりするのにかかるコストは投資家が負担します。どのような費用を投資家が負担する
かについては、交付目論見書などで確認することができます。投資信託によってコストの大きさが違いますので、しっか
りとご確認ください。
投資家が負担する費用一覧
費用の種類
直 購入時手数料
接
支
払
う
も
の
信託財産留保額
間
接
的
に
支
払
う
も
の
運用管理費用
(信託報酬)
その他の費用
・手数料
負担する時期
費用の内容
購入時
購入時に販売会社に支払う手数料で、商品及び投資環境の説明・情報
提供、購入の事務手続きなどの対価としてお支払いいただく費用。同じ投
資信託でも手数料率は販売会社によって異なる場合があります。また、投
資信託によってはこの手数料がかからないもの(ノーロード)や、購入時で
はなく解約時にかかるものもあります。購入時手数料には消費税相当額が
かかります。
解約時
投資信託を解約する際に徴収される費用。解約によってかかる組入れ有
価証券等の売却費用について、解約する投資家が負担することで投資家
間の公平性を図ります。この費用は、販売会社が受取るのではなく信託財
産に留保されます。信託財産留保額が無い投資信託や、購入時に徴収
する投資信託もあります。
保有期間
投資信託を保有している間、投資信託の保有額に応じて日々支払う費
用。年率でいくら支払うのかは目論見書などに記載されています。運用のた
めの費用や報酬、目論見書や運用報告書などの開示資料作成・発送、
資産の保管・管理などをまかなうもので、運用会社・販売会社・信託銀行
の三者で配分されます。
保有期間
〈監査費用〉 投資信託は原則決算ごとに、監査法人等から監査を受け
る必要があり、その監査に要する費用。
〈売買委託手数料〉 投資信託に組入れられている株式や債券等を売買
する際に発生する費用。費用は頻度や金額によって異なります。
購入時手数料の1年あたり負担率について
投資信託の購入時手数料は、購入の際に全額を一括してご負担いただ
きますので、保有期間が長期になるほど1年あたりの負担率は逓減してい
くことになります。
例えば、購入時手数料が3%(税抜き)の場合、2年間その投資信
託を保有していたとすれば、購入時手数料の『1年あたりの負担率』は、
1.5%(税抜き)であったということになります。また、5年間その投資信
託を保有していたとすれば、購入時手数料の『1年あたりの負担率』は、
0.6%(税抜き)ということになり、保有期間が長くなるにつれて『1年あ
たりの負担率』は逓減します。
11
◇ 投資信託をよく知る
資金流出入額ランキング (対象期間:2015/12/1~24)
■分類別の市場全体における資金流出入額
分類
資金
流出入額
(億円)
【上位5分類】
1
2
3
4
5
ファンド、ラップ専用ファンド、マネープールファンド、ブ
ルベア型ファンド等は除く)を対象に、基準価額と純
資産額(ともに株式会社QUICKのデータ)から当社
先進国株式-世界アクティブ
1,342
ファンド・リサーチセンターが算出した各ファンドの資金
海外REIT
1,286
流出入額の推計値を基に集計ランキングしたもので
国内株式インデックス
829
す。プラスの金額は当月流入(投資家の買越し)を、
国内株式アクティブ
472
マイナスの金額は当月流出(投資家の売越し)を意
バランス型アロケーション戦略
335
味します。
表中の「分類」は、当社ファンド・リサーチセンターが
【下位5分類】
1
2
3
4
5
国内公募追加型株式投資信託(ETF、年金専用
通貨選択-債券・代替運用等
-927
投資対象資産や地域等一定の基準により独自の
通貨選択-株式・REIT・コモディティ・CB等
-599
判断に基いて、投資信託を40のグループに分類し
ハイイールド債券
-310
たものです。
先進国債券-アジア
-238
「1年収益率」「3年収益率」は分配金再投資ベー
新興国株式-世界
-217
スのリターンを計算したもので、3年収益率は年率
に換算した値を表示しています。
■個別ファンドの市場全体における資金流出入額 《対象は当社取扱いファンドに限定》
ファンド名
資金
流出入額
(億円)
分類
1年収益率
3年収益率
(年率換算)
(11月末基準) (11月末基準)
【上位5ファンド】
グローバル・ロボティクス株式ファンド
(1年決算型)
フィデリティ・USリート・ファンドB
2
(為替ヘッジなし)
グローバル・ロボティクス株式ファンド
3
(年2回決算型)
ラサール・グローバルREITファンド
4
(毎月分配型)
1
5 新光 US-REIT オープン
856
先進国株式-
世界アクティブ
-
-
7.9%
26.9%
-
-
266 海外REIT
4.1%
22.6%
252 海外REIT
6.6%
24.6%
0.6%
17.1%
-148 新興国株式-世界
-18.4%
5.4%
-123 先進国債券-北米
-10.6%
4.6%
-11.3%
11.9%
-1.9%
10.5%
454 海外REIT
374
先進国株式-
世界アクティブ
【下位5ファンド】
1 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド
ピクテ新興国インカム株式ファンド
(毎月決算型)
ダイワ高格付カナダドル債オープン
3
(毎月分配型)
アジア・オセアニア好配当成長株オープン
4
(毎月分配型)
2
5 グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)
-153 ハイイールド債券
先進国株式-
アジア先進国
先進国債券-
-91
世界アクティブ
-112
12
◇ 相続通信
相続を取り巻く統計数字
1.人に関する統計
日本人に相続が開始した場合、原則として日本の
相続税の対象となりますが、では年間何人の方が亡
くなられているかご存じでしょうか。平成26年厚生労
働省の人口動態統計によると、約130万人の方が
お亡くなりになっていることになります。
一方で、相続税の課税対象となる人は全被相続人
の4%ということですから、通常生活している上では
「相続」というイベントが縁遠いものであると思ってしま
うのはやむを得ないことなのかもしれません。ただ、本
年以降は基礎控除額の引き下げにより8%程度に
なるのではと言われており、今後はより身近なものと
なっていく可能性があります。
年間死亡者数と相続税課税割合
1,300,000
4.40%
年間死亡者数
(右軸)
1,250,000
4.30%
相続税課税割合
(左軸)
1,200,000
4.20%
1,150,000
4.10%
1,100,000
4.00%
1,050,000
3.90%
2008
2009
2010
2011
2012
2013
出典:厚生労働省「人口動態統計」、国税庁
H26までは相続税の課税
割合は全体の4%程度
2.物に関する統計
相続財産の資産別内訳(H26)
0.1%
土地
10.2%
家屋
41.5%
26.0%
事業用資産
有価証券
現預金
家庭用財産
16.5%
5.2%
その他
0.4%
出典:国税庁
年間50兆円もの資産が
次世代に承継
次に、相続によって次世代に承継される相続財産額は年
間いくらぐらいだと思いますか? 野村資本市場研究所の統
計によると、年間50兆円も承継されているとのことです。相
続財産の内訳でいうと、不動産が約47%、現預金が約
26%、証券等が17%、その他10%となっています。
「50兆円もの相続財産が承継されている」という驚きととも
に、「どこにその財産が引き継がれているのだろう?」と疑問が
浮かんでしまうところですが、現在相続を迎えられる方は終
身雇用と手厚い企業年金をベースとして着実に資産形成
をされてきた方が多いと思われ、今後は終身雇用制度の崩
壊や少子化の影響、そして先般の相続税改正による相続
税課税強化により、相続される財産額は減少していくものと
考えられます。そのため今後は少ない相続財産を適切な生
前贈与等の対策により、効率よく残していく工夫が必要にな
ると思われます。
この資料は、佐野比呂之税理士事務所監修により、髙木証券(以下「当社」といいます。)が作成しておりますが、個別の税務の詳細につき
ましては、税理士等にご相談ください。この資料の記載内容等については、平成27年11月30日現在の情報に基づいて作成しております。今
後、事前の連絡なしに変更される場合があります。この資料のいかなる部分も一切の権利は当社に帰属しており、電子的または機械的な方
法を問わず、いかなる目的であれ無断で複製することはできません。
13
◇ 相続通信
3.相続の争いに関する統計
では最後に相続争い(いわゆる「争族」)に関する統計を見ていきます。
相続争いは、相続財産が多い方だけの問題と思われていませんか?
裁判所の司法統計年報(H26)の統計によると、実は相続に関する相談件数の約75%が相続財
産額5,000万以下に集中していることがわかります。相続人が配偶者、子供2人というケースを前提に
すると、ほぼ相続税とは無縁の相続で「争族」問題が生じていることがわかります。
理由を考えますと、富裕層の相続の場合には、
①事前に税理士等を通じて、公正証書遺言相続対策を十分に行っている
②現預金等の流動性のある資産が多く、遺産分割が比較的容易
といったことがあるのに対して、それ以外のケースでは、直前、若しくは相続後に争続問題という形で顕在
化してしまっている現状が考えられます。
遺産分割事件数の推移
14,000
0.5%
8,000
1億円以下
6,000
5億円以下
4,000
5億円を超える
2,000
その他
出典:裁判所 司法統計
遺産分割事件数は
増加傾向
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2000
0
2004
43.0%
2003
31.9%
12.6%
10,000
5,000万円以下
2001
6.5%
遺産分割事件数
12,000
1,000万円以下
5.5%
2002
遺産分割・金額別訴訟割合(H26)
「争族」は相続財産額
5,000万以下に集中
出典:国税庁
※「争族」を回避するには?
従って、「争族」にならないようにするためには、
①まず、問題は何なのか(遺産分割?それとも納税資金?)
②その上であらかじめ相続についてご家族等とよく話し合っておく
③取りまとめることができたら、問題が再燃しないよう付言事項を記載した公正証書遺言等を残しておく
などの事前準備が非常に重要となります。一方、これらの話は残された家族からは切り出しにくいことな
ので、残す側の方から切り出すことも重要となります。
この資料は、佐野比呂之税理士事務所監修により、髙木証券(以下「当社」といいます。)が作成しておりますが、個別の税務の詳細につき
ましては、税理士等にご相談ください。この資料の記載内容等については、平成27年11月30日現在の情報に基づいて作成しております。今
後、事前の連絡なしに変更される場合があります。この資料のいかなる部分も一切の権利は当社に帰属しており、電子的または機械的な方
法を問わず、いかなる目的であれ無断で複製することはできません。
14
【ご注意いただきたいこと】
当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるよう
お願いいたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基いて作成していますが、その正確性・完全
性を保証するものではありません。
株式への投資は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。
信用取引、先物・オプション取引をご利用いただく場合は、所定の委託保証金または委託証拠金をいただきま
す。また、信用取引ではその損失額が差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。国内株式取引
の委託手数料は、約定代金に対して最大(税込)1.19664%【2,700円に満たない場合は2,700円
(現物取引買付および信用取引売買)】になります。株式を募集等により取得する場合には、購入対価の
みをお支払いいただきます。外国株式を委託取引により購入する場合は、所定の委託手数料をいただきます。
外国株式の委託手数料は国や市場により異なります。外国株式を店頭取引により購入する場合は、購入対
価のみをお支払いいただきます。
債券をご購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。(経過利子をお支払いいただく場合
があります)。債券は、市場の金利水準の変動等により価格が変動しますので、損失が生じるおそれがありま
す。また、発行体の信用状況や財務状況によっても価格が変動し、利金や償還金の支払遅延や不履行とな
る場合があります。また、倒産等により元本損失が生じる場合があります。
投資信託は、主に国内外の株式や債券を投資対象としているため、基準価額は組み入れた株式や債券の
動き、為替相場の変動等の影響により上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
投資信託のお申込みにあたっては、お申込み金額に対して髙木証券所定の購入時手数料(最大4.32%
(税込))をご負担いただきます。また、換金時に信託財産留保額(最大で基準価額の3.50%)が基準
価額から差引かれるものがあります。投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用として、運用管
理費用(信託報酬、最大年率3.026%(税込)程度)のほか、運用成績に応じて成功報酬をご負担い
ただく場合があります。また、その他の費用・手数料を間接的にご負担いただく場合があります。ご負担いただく
費用等の合計額は、保有期間等に応じて異なるため、表示することができません。
外国株式や外国債券、外国投資信託への投資は、上記に加え為替相場の変動等により損失が生じる場
合があります。また、通貨発行国の国情の変化により投資元本割れや途中売却ができなくなるおそれがありま
す。
当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目
論見書、お客様向け資料等をよくお読みください。
金融商品取引業者:近畿財務局長(金商)第20号
加入協会:日本証券業協会