どんな国シリーズ:インドネシア編 平成26年12月25日 SMBCフレンド証券 投資情報部 森智代 今さら人に聞けない!!インドネシアってどんな国? 1 基礎データ 面積 約189万平方キロメートル(日本の約5倍) 人口 約2億4900万人(2013年 インドネシア政府統計) 主な都市 ジャカルタ(首都・ジャワ島)、スラバヤ(ジャワ島)、メダン(スマトラ島) 主要5島を含め約1万8000 もの島々からなる世界有 数の島嶼(とうしょ)国家。 インドネシアという言葉 はギリシャ語の「インド ス」と「ネソス」という 単語から成り、「東イン ドの島々」という意味を 持つ。 民族 大半がマレー系(ジャワ、スンダ等約300種族) 言語 インドネシア語 宗教 イスラム教88.1%、キリスト教9.3%(プロテスタント6.1%、カトリック3.2%)、 ヒンズー教1.8%、仏教0.6%、その他0.1% (2010年 宗教省統計) (出所:各種資料より投資情報部作成) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成27年12月31日 どんな国シリーズ:インドネシア編 平成26年12月25日 SMBCフレンド証券 投資情報部 森智代 意外と知らないインドネシアの魅力 2 自然・文化・宗教の多様性こそが最大の魅力 親日国家のインドネシア インドネシアは、熱帯地域特有の熱帯雨林の森から美しいビーチ、100を超える インドネシアは日本の政府開発援助(ODA)の最大受取国。1954年から始まった 活火山まで、島を渡るごとに変化する豊かな自然と、約490の民族集団により現 経済協力は、インドネシアの発展と両国の友好関係に大きく貢献し、日本は先 在まで継承されてきた多様な伝統・文化を見ることができる国だ。これら自然・文 進国の中で「最も信頼できる国」として評価されている。若い世代ではアニメやJ 化の維持と近代化を両立させた同国は、ユネスコに8つの世界遺産が登録され -POP等のへの関心が非常に高く、日本への留学生やインドネシアにおける日 ている。また同国は、世界最多のイスラム教徒を有しながら信仰の自由が憲法 本語学習者は近年大きく増加している。なお、日本の人気アイドルグループAK で認めており、キリスト教やヒンズー教も共存するなど、様々な自然、文化、宗教 B48の姉妹グループ海外進出も、インドネシアが最初。JKT48としてジャカルタ が混在している。この多様性こそがインドネシアの最大の魅力といえよう。 の劇場で現在も活躍中だ。 多様な自然と文化 日本の経済協力は自国の発展に どの程度役立ったと考えますか? 最も信頼できる国はどの国ですか? 日本・米国・ロシア・中国・韓国・豪州・インド・英国・ フランス・ドイツ・ニュージーランドの11ヵ国より1つ選択 役立たな かった 他 7% ある程度 役立った 36% とても 役立った 56% その他の国 他 20% 中国 5% ドイツ 7% 英国 7% 左上からスンギギ・ビーチ ジョグジャカルタの民族舞踊 左下からボロブドゥール遺跡、コモドオオトカゲ、トラジャ族の伝統的家屋 (写真提供:日本アセアンセンター) 日本 47% 米国 14% (注)小数点以下四捨五入により合計が100%にならない。 (出所:外務省平成25年度「アセアンにおける対日世論調査」より投資情報部作成) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成27年12月31日 どんな国シリーズ:インドネシア編 平成26年12月25日 SMBCフレンド証券 投資情報部 森智代 ポイント ①アセアンでもトップクラスの経済成長率 3 アセアン原加盟国の中でもトップクラスの成長率 1970年代前半の日本を彷彿(ほうふつ)させる インドネシアの実質国内総生産(GDP)成長率は2013年に5.8%と4年ぶりに6% 一般的に1人当り名目GDPが3000米ドルを超えると、自動車などの高額な耐久 を下回った。国際通貨基金(IMF)によると、14年の成長率は前年比で若干の低 消費財が本格的に普及拡大し、経済成長が急速に加速するといわれている。 下が予想されているが、15年以降は経済成長が加速する見通し。アセアン原加 IMFによると、インドネシアの1人当り名目GDPは11年に3000米ドルを突破、14 盟国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)の中でも、フィリ 年は3403米ドルが見込まれている。これは、日本の高度経済成長期である1970 ピンに次いで2番目に高い成長率が見込まれている。14年後半以降、世界経済 年代前半の発展段階と同水準。インドネシアの1人当り名目GDPは14年以降、 への懸念が高まる中でも、投資需要の回復や製造業の輸出持ち直しが同国の 当時の日本よりもペースは緩慢だが、上昇が予想されている。消費拡大による 経済成長を下支えするとみられる。 経済発展が期待される。 アセアン原加盟国 実質GDP成長率(前年比) 1人当り名目GDP (期間:2001年~2019年/14年以降は予想値) (インドネシア:期間は2010年~2019年/11年以降は予想値 日本:期間1970年~1985年〈推定値〉) (米ドル) 16 (米ドル) 70年 15,000 12 12,000 8 9,000 9,000 4 6,000 6,000 0 3,000 3,000 (%) インドネシア シンガポール マレーシア タイ フィリピン 73年 76年 79年 82年 85年 15,000 インドネシア(下/左軸) 12,000 日本(上/右軸) 0 -4 01年 04年 07年 10年 13年 16年(予) 19年(予) (出所:IMF『World Economic Outlook, October 2014』より投資情報部作成) 0 10年 13年(予) 16年(予) 19年(予) (出所:インドネシアはIMF『World Economic Outlook, October 2014』、日本は OECDデータより投資情報部作成) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成27年12月31日 どんな国シリーズ:インドネシア編 平成26年12月25日 SMBCフレンド証券 投資情報部 森智代 ポイント ②成長を支える原動力 4 世界第4位、アセアンでは最大の人口規模 中間・富裕層の増加が消費をけん引 インドネシア経済の強みの一つは、約2億4900万人という世界第4位かつアセア ボストン コンサルティング グループのレポート「インドネシアの中間・富裕層は急 ン最大の規模を誇る人口だ。JETROによると、インドネシアでは人口ボーナス 増」によると、12年時点、全人口の約30%に当る7400万人の中間・富裕層が存 期*が2030年頃まで続くと予想されている。インドネシアの人口ボーナス期はア 在。毎年新たに約800万~900万人が中間・富裕層に移行しており、20年までに ジアの中でも相対的に長く続くとみられ、経済発展が期待される。 1億4100万人、人口全体の53%に達する見込みである。「明日は、今日よりもよ *人口ボーナス期とは、総人口に占める15歳から64歳までの生産年齢人口の比率が、それ以 外の人口(従属人口)の2倍以上ある状態を指す。消費が活発化して税収も増えるため、高度 い生活が送れる」と信じているインドネシアの消費者が、日用品、自動車、耐久 消費財、金融サービス等への支出を増やし始めると予想される。こうした中間・ 富裕層が内需拡大をけん引することが期待される。 成長が可能になるといわれている。 人口ピラミッド(2010年推計) (千人) 0 一般家庭の耐久消費財普及率(2012年) 8,000 12,000 16,000 85歳~ 80-84 75-79 70-74 65-69 60-64 55-59 50-54 45-49 40-44 35-39 30-34 25-29 20-24 15-19 10-14 5-9 ~4歳 男性 女性 16,000 12,000 4,000 8,000 4,000 所得層の定義 富裕層 3万5000米ドル以上 (%) 0 20 40 60 80 カラーテレビ 71.5 上位中間所得層 冷蔵庫 3万5000米ドル未満 30.6 1万5000米ドル以上 エアコン 7.6 乗用車 7.4 下位中間所得層 1万5000米ドル未満 5000米ドル以上 低所得層 5000米ドル未満 0 (出所:国連(UN)データより投資情報部作成) 電子レンジ 3.0 (出所:経済産業省『通商白書2013』より投資情報部作成) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成27年12月31日 どんな国シリーズ:インドネシア編 平成26年12月25日 SMBCフレンド証券 投資情報部 森智代 ポイント ③目指すは「2025年、世界のGDPトップ10入り」 5 名目GDPは10年比で6倍超へ 旺盛な内需で輸入は増加、資源輸出の回復に期待 2011年5月、「インドネシア経済開発加速・拡大マスタープラン2011~2025年」が インドネシアでは安定した経済成長を背景に内需の拡大が進み、近年は輸入が 発表された。目標は25年までに名目GDPを10年の6倍超へ引き上げ、世界の 増加傾向にある。かつてはアジアを代表する産油国だったが、原油生産量の低 GDPトップ10入りを果たすこと、1人当りGDPを約1万5000ドル程度まで引き上 迷に伴い、04年から純輸入国に転じた。国別では10年に本格発効したアセアン げること。重点分野となるインフラ整備(電力・エネルギー開発、道路整備、鉄道 中国自由貿易協定(ACFTA)の後押しもあり、中国から電気機器・部品の輸入 整備など)には、投資総額の約5割が充当される予定。25年までにインドネシア が増加している。一方、資源に依存した輸出は、中国など主要輸出先での需要 が先進国入りを目指すための野心的なプランとなっている。インドネシア経済の 減退、資源価格の下落などにより減少が続いている。こうした状況を踏まえて、 持続的な高成長はアセアン経済にも重要であり、その成果が注目される。 政府は貿易救済措置、輸入規制などの貿易政策を打ち出している。 (10億 米ドル) 2013年における主要品目別輸出入 20,000 名目GDP 世界トップ10とインドネシア(2014年推計) 鉱物性燃 動植物性 料 油脂 17,416 16,000 石油製品 4,770 4,000 原油 第17位 8,000 3,820 2,902 2,848 2,244 2,129 2,057 2,048 856 日本 輸出 1825億 6800万 米ドル 原油 輸入 1866億 3100万 米ドル 鉄鋼 中国 中国 EU27 米国 日本 輸入 韓国 その他 その他 (出所:IMF『World Economic Outlook, October 2014』より投資情報部作成) 輸出 EU27 0 その他 アセアン 電気機 器・部品 電気機 器・部品 10,355 アセアン 機械・部 品 ガス 12,000 2013年における主要国・地域別輸出入 その他 (出所:JETRO〈原データはインドネシア中央統計庁〉より投資情報部作成) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成27年12月31日 どんな国シリーズ:インドネシア編 平成26年12月25日 SMBCフレンド証券 投資情報部 森智代 ポイント ④成長期待も、課題は残る 6 フラジャイル・ファイブの一員 政治安定がカギ フラジャイル・ファイブ(脆弱〈ぜいじゃく〉な5通貨)とは、ブラジルレアル、インド 元軍人でも有力政治家の一族でもないジョコ・ウィドド氏が14年、大統領に就任 ルピー、インドネシアルピア、トルコリラ、南アフリカランドの5通貨を指す。高イン した。 15年はスハルト独裁政権の崩壊から17年目に当り、庶民派大統領の下で フレ率や経常収支の赤字で、成長資金を国外に頼る脆弱なマクロ経済構造を抱 さらなる民主化の推進が期待される。ただし、国民を二分した大統領選のしこり えるという共通点を持つ。インドネシアは2012年以降、経常赤字国へ転落。イン を引きずっており、国会での基盤も強いとはいえない。こうした野党優位の「ねじ フレ率は中央銀行のインフレ目標である「4.5%±1%」を上回る推移が続いてい れ国会」の下で、どのように政局を安定させ、政策推進力を確保するかが政権 る。米国の量的緩和縮小に伴って下落が進みやすい通貨の一つであったことか の行方を左右すると考えられる。国民が求める貧富の差解消や汚職追放など ら、米金融政策正常化による影響には注意が必要となる。 の改革をどのように進めていくか、手腕が試されることになろう。 経常収支とインフレ率の推移 (10億 米ドル) 国会勢力分布図(定数560) (期間:2001年~2017年/14年以降は予想値) 経常収支(左軸) インフレ率(右軸) (%) 18 14 12 12 6 10 0 8 民主党 (PD), 61 野党連合 闘争民主党 (PDI-P) , 109 開発統一党 (PPP), 39 福祉正義党 (PKS), 40 民族覚せい党 (PKB), 47 -6 6 -12 -18 -24 -30 与党連合 4 財政改善と成長促進の財源確保のため、石油 製品の販売価格を抑える補助金を削減し、ガ ソリン価格引き上げを実施。燃料価格引き上 げによるインフレ率の上昇が懸念される。 01年 04年 07年 10年 国民信託党 (PAN), 48 ナスデム党, 36 2 0 13年 16年(予) (出所:IMF『World Economic Outlook, October 2014』より投資情報部作成) ハヌラ党, 16 グリンドラ党, 73 ゴルカル党, 91 (出所:各種資料より投資情報部作成) 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成27年12月31日 どんな国シリーズ:インドネシア編 平成26年12月25日 SMBCフレンド証券 投資情報部 森智代 7 注意事項 ■当社の概要 商号等 加入協会 SMBCフレンド証券株式会社 日本証券業協会 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第40号 ■当社取扱い商品の手数料等およびリスクについて ・当社でお取扱いの商品にご投資いただく際には、各商品等に所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等 には価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。 ・商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面、目論見書等またはお客さま向け資料をよくお読 みください。 ■資料の取扱いについて ・本資料は、投資判断の参考となる情報提供を目的としておりますが、投資の最終判断はお客さまご自身で行っていただきますようお願い いたします。 ・本資料は、当社が信頼できると判断した情報に基づいて作成しておりますが、その情報の正確性、完全性について当社が保証するもので はありません。 ・記載されたデータ、意見等は表記日時における当社の判断であり、予告なく変更する場合があります。 ・債券格付けの記載について、記載の格付けを付与している格付会社グループ(「スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ (S&P)」「ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(Moody's)」「フィッチ(Fitch)」)は、金融商品取引法第66条の27 に基づいた格付業者の登録を受けておりません。 ・本資料の著作権は当社に帰属し、その目的の如何を問わず無断で複写、複製、加工または配布することを禁じます。 最終ページに重要なお知らせ「注意事項」がありますので必ずお読みください。 有効期限:平成27年12月31日
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