第6回ものづくり日本大賞【北海道地域受賞企業版

monodzukuri
第6回
ものづくり
日本大賞
本書は、第6回「ものづくり日本大賞」
に北海道管内から選ばれた個人・グループの受賞内
容のほか、併せて
「ものづくり地域貢献賞」
に選ばれた個人・グループの受賞内容を解りや
すく紹介するために作成した冊子です。
北海道管内では、
15件の応募案件があり、その中から1件が
「特別賞」
を、
2件が
「優秀賞」
を
受賞しました。
さらに、北海道経済産業局独自の賞として、
4件を
「ものづくり地域貢献賞」
に選定しました。
本書により、ものづくりに関わる人・企業への理解がさらに深まるとともに、多くの若い世代
の方々がものづくりに対して関心を持っていただくきっかけになることを期待します。
平成27年12月
北海道経済産業局 製造産業課
ものづくり日本大賞とは
我が国産業・文化を支えてきた
「ものづくり」
を継承・発展させるため、ものづくりを支える
人材の意欲を高め、その存在を広く社会に知らしめることを目的に創設した表彰制度です。
経済産業省、文部科学省、厚生労働省及び国土交通省の4省庁連携により、平成17年に第1
回を開催し、その後2年に一度開催することとし、ものづくりの中核を担う中堅人材、伝統の
技を支える熟練人材及び将来を担う若手人材を表彰するものです。また、チームワークが
我が国の強みであることを踏まえ、個人のみならず、グループも受賞の対象としています。
表彰の種類
●内閣総理大臣賞 ●経済産業大臣賞 ●特別賞 ●優秀賞 ●ものづくり地域貢献賞
ものづくり地域貢献賞とは
北海道経済産業局の独自の取り組みとして、北海道の産業・文化の発展を支えてきた
「もの
づくり」
を着実に継承し、さらに発展させるため、特に北海道地域の産業等に大きく貢献し
たものづくり人材を表彰し、その存在を広く社会に伝えるとともに、ものづくりに携わる人
材の意欲を高めることを目的に、
「ものづくり地域貢献賞」
を設けております。
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目 次
INDEX
ものづくり日本大賞
第6回
り
く
づ
もの
賞
大
日本
特 別 賞
津島 栄樹
株式会社FJコンポジット
複合材料による低熱膨張率・高熱伝導性『次世代半導体用放熱材』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 01
優 秀 賞
菅 育正 株式会社菅製作所 他6名
日本初の
「普及型 光放出電子顕微鏡『MyPEEM』」
の開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 02
佐藤 厚 株式会社ニッコー 他3名
「3Dヒーター」
と直接噴射で省エネ・高性能を実現した過熱蒸気焼成機の開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 03
ものづくり地域貢献賞
関山 真教 旭川機械工業株式会社 他3名
木工旋盤の常識を変えた複雑な立体形状加工を実現したCNC木工旋盤 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 04
白井 雅人 岩見沢鋳物株式会社 他4名
超硬鋳ぐるみ耐摩耗ライナーの開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 05
佐々木 通彦 株式会社エフ・イー 他6名
多目品に対応可能な光学式選別装置「マルチセレクター」
の開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 06
佐渡 宏樹 株式会社北海道バイオインダストリー 他4名
旨みと健康成分を増大するBRC製法によりコンディショニング食品市場を創出 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 07
特 別 賞
(製品・技術開発部門)
複合材料による低熱膨張率・高熱伝導性
『次世代半導体用放熱材』
従来手法の
「ロール圧延」
に代わる
新規手法
「高温低圧プレス拡散接合」
サンプル
(Cu/Mo/Cu/Mo/Cu)
ヒーター
真空容器
油圧ラム
ホットプレス機/内部
ホットプレス機/外観
「ロール圧延」
の欠点、
「波打ちの発生」
「厚さの不均一」
「平坦度が無い」
を克服
拡散接合とは
ロウ付けなどのような溶融金属を用いずに、温度
と圧力にて固体同士を直接接合する方法。
ホットプレスを用いて製造される。
Cu-Mo-Cu の切断面
衛星通信用半導体向け放熱材
高機能化が進む半導体パッケージ向けに、
銅とモリブデンを多層に積層
(クラッド)
した放熱材
(ヒートシンク)
を開発。
本製品は従来品に比べ高価な
「モリブデン」
(レアメタル)の使用量を1/5~1/10に抑えながら、低熱膨張率と1.
5倍
以上の高熱伝導率(放出性)
を実現。ホットプレスによる拡散接合により、高温・低圧力にて金属を良好に接合する方法を
確立した。
「安定品質」
「高熱伝導率」
「低コスト化」
を実現し、半導体分野の厳しいスペックに対応した競争力ある製品を開
発した。
受賞者名
(敬称略)
津島 栄樹
(株)FJコンポジット
代表取締役社長
受賞者所属企業
株式会社FJコンポジット
01
第6回ものづくり日本大賞 北海道地域受賞企業版
代表取締役社長 津島 栄樹 電話 0123-29-7034
住所/北海道千歳市柏台南2丁目2-3
ホームページ/http://www.fj-composite.com
津島 栄樹
さん
優 秀 賞
(製品・技術開発部門)
日本初の「普及型 光放出電子顕微鏡
『MyPEEM』」の開発
300nm
50μm
Si基板上のAu
(PEEM像)
対物レンズ/全景
光放出電子顕微鏡/全景
電子顕微鏡の種類
レンズ
透過電子顕微鏡
TEM
反射電子顕微鏡
LEEM
光電子顕微鏡
PEEM
照射・結像
照射・結像
結像
×
○
セパレーター
×
ビーム
電子銃
電子銃
光・X線
特徴
測定対象前後に
レンズを
設置するため
長大な装置
TEMと比較して
装置長は無いが、
セパレーターを
必要とする
結像レンズ
のみで、
電子銃も要らず、
小型化が可能
日本初の光放出電子顕微鏡を海外製の50%の価格で量産化に成功。真空の精度を上げ、多くの放出電子を活用するこ
とで300nm(ナノメートル)
を超える空間分解能を実現。試料表面のから放出される光電子を結像することにより、物質
の電子状態を観察できる。
半導体デバイス開発をはじめ、表面微細加工・装飾による材料の高機能化など、各種研究開発においてニーズがあり、
ま
た、磁区の観察や、有機物のキラルの観察など顧客要望に応じた応用も期待できる。受賞者が長年培った
「真空技術」
「精
密加工技術」
に北海道大学など外部研究機関との共同研究成果を併せ、新技術を用いた普及型装置として完成した。
受賞者名
(敬称略)
菅 育正
岩井 崇茂
宮崎 晃太朗
工藤 雅嗣
今渕 春男
佐藤 順亮
(株)菅製作所
代表取締役社長
(株)菅製作所
技術開発部
(株)菅製作所
技術開発部
(株)菅製作所
製造部 工場長
受賞者所属企業
株式会社 菅製作所
(株)菅製作所
技術開発部
青塚 正巳
(株)菅製作所
製造部 課長
(株)菅製作所
製造部 主任
代表取締役社長 菅 育正 電話 050-3734-0730
住所/北海道北斗市追分3丁目2-2
ホームページ/http://www.suga.ne.jp/
グループリーダー
菅 育正さん
第6回ものづくり日本大賞 北海道地域受賞企業版
02
優 秀 賞
(製品・技術開発部門)
「3Dヒーター」と直接噴射で
省エネ・高性能を実現した過熱蒸気焼成機の開発
○過熱蒸気焼成機のしくみ
過熱蒸気焼成機/外観
オーブンの対流熱・放射熱に加え、過熱
蒸気の凝縮熱
(食品に触れて熱を食品に
与え、水に戻る)
が加わることによって、
よ
り急速に加熱することができる。
食品毎に焼成条件を設定できるので
「焦げ目」
の濃淡も自由に調整できる
高温過熱蒸気を食材に直接噴射することで、エネルギーコストを従来品の1/5以下に抑え、調理時間を20%以上削減
でき、
また短時間で均一な焼き上がりを可能とし、
味や品質を飛躍的に向上させる連続式の過熱蒸気焼成機を開発。
ボイラーからの飽和蒸気の再加熱に3Dヒーターを使用するため熱伝導率が高く、短時間で700度以上の高温過熱蒸
気の生成が可能。
機械・プログラムともに自社開発のため、
過熱蒸気の温度設定等の制御機能からライン全体の提案までユーザーニーズ
へのきめ細やかな対応が可能。
受賞者名
佐藤 厚
(株)ニッコー
代表取締役
(敬称略)
吉田 昌徳
(株)ニッコー
常務取締役
受賞者所属企業
株式会社 ニッコー
03
第6回ものづくり日本大賞 北海道地域受賞企業版
及川 寿恵男
(株)ニッコー
常務取締役
渡邊 佳典
(株)ニッコー
システム部 次長
代表取締役 佐藤 厚 電話 0154-52-7101
住所/北海道釧路市鶴野110番地1
ホームページ/http://www.k-nikko.com/
グループリーダー
佐藤 厚さん
ものづくり地域貢献賞
(製品・技術開発部門)
木工旋盤の常識を変えた複雑な立体形状加工を
実現したCNC木工旋盤
加 工 工 程
3次元CADでの作図、
データ入力
3Dターニングマシン本体
加工プログラムを自動作成し加工
複雑な形状を実現
多種多様な加工が可能
受賞者らは、一般的な木工旋盤では加工出来ない非対称の3次元加工が可能な3Dターニングマシン
(CNC木工旋盤)
を開発した。
高速回転するチップソー
(丸のこ)
の動きと主軸の回転を同時にコンピュータ制御することにより、
らせん状のスクリュー
やねじれを加えたような形状など複雑な3次元加工を行うことができる。
熟練の技術や高度な知識を必要とせずに、誰でも簡単に複雑な切削造形物の製作が可能であり、木工製造業の持続的
発展につながることが期待される。
受賞者名
関山 真教
旭川機械工業(株)
常務取締役
(敬称略)
細川 禎善
旭川機械工業(株)
執行役員 事業本部長
受賞者所属企業
旭川機械工業 株式会社
橋本 裕之
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
森林研究本部 林産試験場
中川 敏史
一般財団法人
旭川産業創造プラザ
企業支援グループ 主幹
代表取締役 関山 憲充 電話 0166-48-7261
住所/北海道旭川市永山北3条7丁目1番11
ホームページ/http://www.asahikawakikai.com/index.html
グループリーダー
関山 真教さん
第6回ものづくり日本大賞 北海道地域受賞企業版
04
ものづくり地域貢献賞
(製品・技術開発部門)
超硬鋳ぐるみ
耐摩耗ライナーの開発
高炉原料装入装置
耐摩耗母材+超硬
鋳ぐるみ材:超硬
硬さ:1700~2000HV
摩耗メカニズム
基地組織中の高硬度の
微細な炭化物が
耐摩耗性向上に繋がる。
シュート全体状況
超硬と母材の間に反応層が形成され
塑性変形しにくい強固な接合に
母材:耐摩耗鋳鋼
硬さ:800HV
ライナー材
耐摩耗プレート
高炉内シュートの長寿命化を実現
受賞者らは、高炉炉頂部の旋回シュートに使用されるライナー材として、超硬合金を耐摩耗鋳鋼で鋳ぐるんだ耐摩耗複
合材料を開発した。
Cr、
W、
Mo、
Mnなど複数の元素を添加して得られる耐摩耗鋳鋼を母材とし、鋳ぐるみ鋳造法を用いて高硬度・高靱性・耐
食性に優れた超硬合金を横置きに内包することで、耐摩耗性が従来の2倍に向上した。使用済みライナーを回収し再資源
化することにより、
省コスト、環境負荷低減を実現した。
受賞者名
(敬称略)
白井 雅人
北山 茂一
松元 秀人
原 宏哉
岩見沢鋳物(株)
代表取締役社長
(株)三共合金鋳造所 専務取締役
(株)アール・アンド・イー 代表取締役
(株)北海道特殊鋳鋼 代表取締役
(株)北海道特殊鋳鋼 営業部
受賞者所属企業
岩見沢鋳物 株式会社
05
伊藤 淳
第6回ものづくり日本大賞 北海道地域受賞企業版
代表取締役社長 白井 雅人 電話 0126-45-3492
住所/北海道岩見沢市栗沢町由良497-3
ホームページ/なし
(facebookあり)
https://m.facebook.com/profile.php?id=334427383308012
グループリーダー
白井 雅人さん
ものづくり地域貢献賞
(製品・技術開発部門)
多品目に対応可能な光学式選別装置
「マルチセレクター」の開発
マルチセレクター全景
システムの構成
受賞者らは、
1台で多品目の野菜に対応可能とする多目的光学式選別装置
「マルチセレクター」
を開発した。
カメラセンサーで瞬時に形状を判断する際、
ノイズキャンセラ機能と独自波長のLED照明を組み合わせた事により、対
象物が綺麗に映り、
影ができにくいため、
精度が高く安定した測定が実現。
サイズなど単一項目ではなく、多彩な項目の選別設定ができ、野菜に限らず最大
「幅90mm・長さ300mm」
までのサイ
ズであれば様々なものを選別する事が可能。重労働作業の一つである
「選別作業」
の省力化に大きく貢献した。
受賞者名
佐々木 通彦
(株)
エフ・イー
代表取締役社長
(敬称略)
稲垣 幸治
長野 大輝
森 雅矢
(株)
エフ・イー
専務取締役
(株)
メデック 第2製造チーム チームリーダー
(株)
メデック ソフト第1チーム
副主任
(株)
エフ・イー
常務取締役
(株)
メデック ハード設計チーム
チームリーダー
(株)
メデック ソフト第1チーム
佐々木 雄大
受賞者所属企業
株式会社 エフ・イー
野村 栄一
小間 忍
代表取締役社長 佐々木 通彦 電話 0166-36-4501
住所/北海道旭川市工業団地3条2丁目2-27
ホームページ/http://www.fesystem.co.jp/
グループリーダー
佐々木 通彦
さん
第6回ものづくり日本大賞 北海道地域受賞企業版
06
ものづくり地域貢献賞
(製品・技術開発部門)
旨みと健康成分を増大するBRC製法により
コンディショニング食品市場を創出
コンディショニング調味食品シリーズ
DPTSの機能の特許
発明の名称『記憶障害改善作用を有する組成物
(記憶障害改善剤)
』
抗酸化物質が「脳海馬」
に届きにくい理由は
「血液脳関門」
にあります。
DPTSは抗酸化物質として
「脳海馬の酸化を防ぐ」
ばかりでは
なく、血管を傷つける活性酸素を撃退し血管障害性認知症の
予防にも効果のある
「玉葱からとれた」
希少な万能物質です。
受賞者らは、加工に際し添加物を一切使用せず、
「切る」
「加熱」
「温度・時間調節」
のみで、北海道産タマネギの健康成分D
PTSを従来の加工方法の15倍生成するBRC製法を開発した。
DPTSは、
記憶を司る脳海馬の酸化を防ぎ、
「記憶障害改善作用を有する組成物」
として特許登録済。
DPTSを原料に用い
た
「北海道タマネギドレッシング」
は、他には見られない具体的な健康機能を追究した調味料として、
「コンディショニング
調味食品」
という新たな食品カテゴリーを確立し、国民の健康寿命延伸に寄与するとともに、北海道産タマネギの活用によ
り北海道経済活性化にも貢献している。
受賞者名
(敬称略)
佐渡 宏樹
西村 弘行
斎藤 昭彦
田島 健
(株)北海道バイオインダストリー
代表取締役
(株)北海道バイオインダストリー
取締役開発部長
受賞者所属企業
学校法人浅井学園
北翔大学 学長
第6回ものづくり日本大賞 北海道地域受賞企業版
(株)北海道バイオインダストリー
専務取締役
(株)北海道バイオインダストリー
営業部 課長
株式会社
北海道バイオインダストリー
07
村上 季隆
代表取締役 佐渡 宏樹 電話 011-812-2512
住所/北海道札幌市豊平区平岸7条14丁目3-43
ホームページ/http://www.bio-do.co.jp/
グループリーダー
佐渡 宏樹さん
monodzukuri
第 6 回 ものづくり日本大賞
【北海道地域受賞企業版】
製造産業課
〒060-0808 札幌市北区北8条西2丁目 札幌第1合同庁舎
TEL:011-709-2311(内線2570・2571) FAX:011-707-5324
E-mail:[email protected]
http://www.hkd.meti.go.jp
リサイクル適性 A
この印刷物は、印刷用の紙へ
リサイクルできます。