登録 ボランティア通信

第 32 号
登録
ボランティア通信
2015.12.25
第 32 号 目次
猫の譲渡会
in 茅ヶ崎保健福祉事務所
1 猫の譲渡会 in 茅ヶ崎保健
動物保護センター業務課
福祉事務所
2-4「大の男が号泣すると
き」
5-6 東日本大震災における
被災動物対応記録集から
考える災害時対策(3)
7 最新統計
平成 27 年 11 月 21 日(土)午前 11 から午後 3 時まで神奈川県茅
ヶ崎保健福祉事務所講堂において、当所の登録ボランティアによる猫
の譲渡会が開催されました。
当日は、天気にも恵まれ、約 60 名の来場者がありました。また、
成猫 1 匹、子猫 6 匹の譲渡先が決まりました。
今回の譲渡会は、茅ヶ崎保健福祉事務所の全面的なご協力を
いただき、開催することができました。
これまで、登録ボランティアによる県施設を使った譲渡会は、当所以外で
は、神奈川県庁で昨年から実施していますが、それ以外の場所では実現して
いませんでした。県施設が会場になれば、少しでも支援につながるのではな
いかと考えていますが、県施設の使用には、休日の人員配置や施設管理の問
題などクリアしなければならない課題が多くあります。
今回の茅ヶ崎保健福祉事務所の英断に心から感謝するととも
に、これが先鞭となって、他の県施設の利用が促進されること
を期待しています。
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登録ボランティア
通信
登録簿ランティア通信
「大の男が号泣するとき」
通訳/翻訳家
ノーマンテイラー邦子
今夏、神奈川県保護センターの丘から眺めた美しい緑の山々はもうすっかり冬景色でしょうか。皆様はお元気
でお過ごしですか。
日本は年の暮れは社会鍋が出てくるように記憶していますが、イギリスでもクリスマスの季節はチャリティ
機関の稼ぎ時で、動物チャリティ団体もクリスマス・プレゼント用のカタログをどんどん送ってきます。
チャリティと言えば、ここに興味深い資料があります。
チャリティズ・エイド・ファンデーション(CAF)という機関が 153 カ国、195000 人を対象に調査した結果
の「世界各国のボランティア度合ランキング」が、2010 年(2011 年に更新)、ガーディアン紙に掲載されまし
た。
以下は質問です。
① チャリティ団体に寄付をしたことがあるか
② この一か月以内にボランティア活動をしたか
③ この一ヶ月以内に見知らぬ人に手を差し伸べたか
結果は一位から順に上位 20 位
オーストラリア、ニュージーランド、アイルランド、カナダ、スイス、アメリカ合衆国、オランダ、イギリ
ス、スリランカ、オーストリア、ラオス、シエラレオネ、マルタ、アイスランド、トルクメニスタン、ガイア
ナ、カタール、香港、ドイツ、デンマーク、ギニア。
20 位内の半分は富裕国ですが、トルクメニスタン、ギニアやガイアナなどの発展途上国も奮闘しています。
それに反してインドが 134 位、中国は 147 位。
寄付をしたことのある人はインドでは14%、中国では11%。過去一か月の間でボランティアをした人は
全人口の中でわずか4%。経済成長国であるこの2か国が地球上で最もボランティア精神の欠如した国である
とガーディアン紙は驚きを隠せません。
(153位までの順位はCAFサイトを参照してください)
神奈川県動物保護センター
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さて日本はどうでしょう。
チャリティに寄付をしたことのある人は17% (一位のオーストラリア70%)
過去一か月間にボランティアをしたことのある人23%(オーストラリア38%)
過去一か月間に誰か知らない人の手助けをしたことのある人25%(オーストラリア64%)
調査機関の評価は22%(オーストラリア57%)
世界ランキングは153位中119位です。
ガーディアン紙に言わせれば、日本も豊かな国でありながら、ボランティア精神の欠如した国の範疇に入る
のでしょうが、私はボランティアの土壌がない事が理由の一つとして挙げられると思います。助けたいと思っ
ている人たちはたくさんいると思いますが、どうしていいかわからない、何から始めていいかわからない。そ
ういう方たちを受け入れる土壌を作り、種をまいて行くことが今後のチャレンジではないかと考えます。
イギリスのどのチャリティ機関もファンド・レージング(資金集め)部門は中枢で、専用のスタッフを置い
ています。私たちも新しい動物保護センター建設資金に向けてのご寄付やボランティアの皆様方のご活動のた
めの資金を、知恵を寄せ合って、楽しみながら集める事ができたらいいですね。
「資金調達のため行動せよ。
寄付金や寄付品を募るのに恥ずかしがってはいけない。
資金調達の黄金律ナンパーワンは
「頼まなきゃ、入ってこない。」である。
2番目のルールは
「しょっちゅうお願いすること。」
始めなさい。
動機に自信があれば資金集めは楽しい。自分の肥やしになる。
職業のキャリアとして経験を積む人もいる。
動物のための資金集めは善行であるのだ。堂々とやりなさい。
大々的にやれば宣伝にもなるし、新しいメンバーも増えていくかもしれない。
しかも方法は多様にある。」Dr Panaman
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登録ボランティア
通信
登録簿ランティア通信
私も自分にできることはないかと徒然と考えておりまして、その一つとして、「利益はすべて動物保護をし
ている団体、個人、機関へ寄付させていただく」目的の本をこのたび、キンドルから発刊いたしました。
「大の男が号泣するとき」When a big man cries
アマゾン・キンドル・ストア
アマゾン・キンドルの端末を持っていないとダウンロードできないのではないかと思われている方、どの
携帯でも、どのパソコンでも無料アプリをダウンロードできますのでご安心ください。
ペット・ロスを味わられている方々への応援の本です。お友達へのプレゼントにも宜しいかと思います
が、今まで購入してくださった方々のレビューによりますと、「危険なので読む場所に気を付けるように」
とのことです。急に何も見えなくなるそうです。
神奈川県動物保護センター
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東日本大震災における被災動物対応記録集から考える災害時対策(4)
動物保護センター 小池剛
これまで、「東日本大震災における被災動物対応記録集(環境
省・平成 25 年 6 月発行)」(以下「記録集」という。)に収録さ
れた動物救護活動についてみてきました。今回は、それを踏まえ、
神奈川県での平時の課題を考えてみたいと思います。様々な課題が
あると思いますが、ここでは「同行避難」、「備蓄」、「救護活動
体制」の3つについて考えてみます。
東日本大震災における被災動物対応記録集
発災時の同行避難
11 月 3 日に秦野市文化会館等において開催された「動物フェスティバル神奈川 2015 in はだの」において、
当所は「ペットの災害対策」をテーマにブースを出店しました。ブースを訪れていただいた複数の方から、避難
所にはペットを連れて行けるのか、というご質問をいただきました。環境省や一般財団法人全国緊急災害時動物
救護本部などではペットとの同行避難を呼びかけています。しかし、避難所の設置は市町村が行うことになって
おり、また避難所の運営は地域の自治会が担うことが多い状況です。同行避難が可能か否かは市町村と地域の自
治会組織などに委ねられています。
記録集からは、自治体が同行避難を認めていた避難所が、避難所を運営することとなった自治会の方針でペッ
トの同行が不可となった事例が認められました。また飼い主自らが、気兼ねなどの理由でペットとの同行避難を
自主的にやめてしまう事例もありました。
同行避難が確実かつ円滑に行われることは、所有権放棄や一時預かりのペットが減ることになり、動物救護活
動全体に大きなメリットがあります。また、避難所において積極的にペットを受け入れる体制があれば、飼い主
の負担も軽減されます。
そのためには、平時から避難所でのペットの受け入れについて、地域住民も含めたコミュニティーの中で議論
し、理解を得ておく必要があります。神奈川県でも避難所でのペットの受入れについては、市町村により対応が
異なります。さらに避難所運営の主体となる地域の自治会での議論も十分ではありません。こうした現状の中で
災害が発生すれば、記録集にある事例が神奈川県でも起こることが予想されます。防災訓練の中にペットの避難
訓練を取り入れる自治体も増えてきました。訓練を通して地域の人たちが課題を発見することが第一歩だと思い
ます。動物保護センターでは、市町村担当者との会議を定期的に開催していますので、そうした場を利用して、
今後も積極的に同行避難について働きかけていきます。また、同行避難は、飼い主がきちんとペットを制御でき
ることが前提になりますので、飼い主は、平時から例えば指示に従ってケージに入る等の災害に備えたしつけを
しておくことが必要ですが、飼い主にそうしたしつけのサポートも実施していきたいと考えています。
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登録ボランティア
通信
登録簿ランティア通信
備蓄
記録集では、フードは 1 週間分必要との報告があります。災害時に当所で収容保管する犬の場合を考えてみ
ます。
記録集から推定して、発災直後から 3 日目までの収容保管頭数を 60 頭、4 日目から7日目までの 4 日間の
収容保管頭数を 100 頭と仮定しました。
犬は体重 15 ㎏の成犬を標準として、一頭当りの 1 日の給餌量を 300g で計算すると、初めの 3 日間 60 頭
×300g×3 日間=54 ㎏ 4 日目~7 日目 100 頭×300g×4日間=120 ㎏となり、発災から 7 日目までに必要
なフードの量は 54 ㎏+120 ㎏=174 ㎏≒180 ㎏となります。
猫は最初の 3 日間で 20 匹、4 日目から 7 日目までの 4 日間に 30 匹の収容保管があったと仮定しました。
3~4 ㎏の成猫を標準として 1 匹当りの給餌量は 80g として犬と同様に計算すると、7 日間で 14.4 ㎏、約 15
㎏の備蓄が必要になります。ただし、犬猫ともドライフードで計算していますので、備蓄にはそれ以外のフー
ド類も必要と思います。
フード類の他に飲み水、ケージ類、消耗品類などが必要になります。現在、当所では、ドライフードについ
ては、余裕をもって在庫を確保するようにしています。また、ケージ類も少しずつではありますが、備蓄を進
めています。今後は、消耗品などの必要物資を備蓄していきたいと思います。
平時の救護活動体制
神奈川県で大規模災害が発生した場合の動物救護活動について
は、平成 27 年 3 月に「災害時動物救護活動マニュアル」を改定
し、より現状に即した体制を組めるようにしました。
次の段階は、マニュアルに基づくアクションプランを整備する
ことです。マニュアルには、災害救護本部で設置される組織の大
まかな役割は記載されていますが、実際にどのような作業をする
かといった具体的な内容までは記載されていません。災害発生時
には、共通のルールを持って統一的に行動することが必須となり
ます。そのために、具他的な作業を示したアクションプランが必
要になります。アクションプランを基に、行政、獣医師会、ボラ
ンティア等が行動することで災害時動物救護活動が円滑に遂行で
きると思います。
そして、アクションプランに基づく、訓練や演習を通じて、うまくいかないことなどを検証し、マニュアル
を見直して、より実践的なものにしていくことが求められます。少なくとも 1 年に 1 回は、訓練などを実施し
たいと考えています。(終)
神奈川県動物保護センター
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最新統計 平成 27 年度
平成 27 年 4 月 1 日~平成 27 年 11 月 30 日の相模原市、藤沢市分を含む速報値
迷子犬の保護 256 頭
県民へ譲渡 17 頭
飼い主へ返還 137 頭
ボランティアへ譲渡 146 頭
飼い主から引取り 71 頭
致死処分 0 頭
運搬・収容中の死亡 11 頭
捨てられた猫 595 匹 飼い主から引取り 44 匹 県民へ譲渡 19 匹
ボランティアへ譲渡 534 匹
致死処分 0 匹 運搬・収容中の死亡 75 匹でした。
動画「それが大事~ペットのいのちバーション~」
動画はこちらからご覧いただけます。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/p965333.html
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