新制度における利用者負担の設定について 新制度における利用者負担額については、政令で定める額を限度として支給認定保護者の属する世帯の所 得の状況その他の事情を勘案して、市町村が定めることとなっている。 資料2 3 利用者負担設定に際しての課題等 子ども・子育て支援新制度における国基準保育料の1号認定(教育標準時間)は5階層、2号・3号認定(保育認定)は8階 層であり、現行制度から据え置きとなり、本市の保育料について、検討が必要である。 1 現行制度 ●幼稚園 (1)本市における幼稚園の状況 私立幼稚園4園 公立幼稚園なし (2)私立幼稚園における保育料 ・設置者ごとに自由に保育料を設定 平成26年度保育料の平均 月額18,631円(最高21,000円 最低17,000円) ・保護者の収入にはかかわらず、一律に保育料を徴収 ・入園時には、入園料を徴収している。平成26年度入園料平均43,250円 最高50,000円 最低40,000円(3歳児の場合) ・平成26年度初年度保護者負担額平均266,822円 (3)国の幼稚園就園奨励費補助について ・補助額は、保護者の収入と、同時に在園する兄弟の有無等に応じたランクにより補助している。 ・補助額 5,183円~25,600円(月額) ●保育所 本市では、国基準保育料に対する保護者負担割合を60%程度としている。 ○保育料階層区分のあり方について ・保育料の階層区分は保護者の所得に応じて決定される。国の階層区分は8区分であるのに対し、本市では 19の階層に区分し、よりきめ細やかな配慮を行っている。 ・推計される世帯収入に占める保育料の割合は、D10~D12階層付近をピークに、それ以上は、所得が上昇 していくにつれ割合は下がっていく。 ☆3歳未満児 D11階層 4.7% → D13階層 1.0% 3歳以上児 D11階層 12.8% → D13階層 2.9% ・保育料の階層間の間差は、所得が高い階層ほど狭くなっている。 D3 → D4階層間は、3歳未満児で5,500円、3歳児で3,500円、4歳以上児で2,000円の差となっている一方、 D11→ D12階層間は、3歳未満児で1,000円、3歳児及び4歳以上児では0円の差となっている。 ・3歳以上児においては、D11階層以上は最高額となっており、所得額の上昇にくらべて、保育料の上昇幅は ない。 2 新制度における利用者負担の考え方 国の考え方 ●新制度における利用者負担については、世帯の所得の状況その他の事情を勘案して定めることとされており、 現行の幼稚園・保育所の利用者負担の水準を基に国が定める水準を限度として、実施主体である市町村が定 めることとなる。 ●利用者負担に関して国が定める水準は、最終的に平成27年度予算編成を経て決定するものであるが、新 制度の円滑な施行に向けて、地方自治体、事業者等の関係者が準備を進められるよう、公定価格の仮単価と 合わせて示された。 ●国基準保育料のイメージは、国が定める水準であり、教育標準時間認定を受ける子どもについては、現行の 幼稚園就園奨励費を考慮、保育認定を受ける子どもについては、現行の保育所運営費による保育料設定を考 慮して決定した。 ●新制度では市町村民税の所得割額で算定することとされたので、利用者負担の切替時期は9月として国か ら示された。 ●4月から8月は「前年度市民税額」により認定し、9月以降は「当年度分」により認定する。 ●国基準では、年少扶養控除当の廃止に伴う算定方法の取扱いについては、旧税額を再計算する方法ではな く、極力影響が出ないよう階層の区分に用いる税額を変更することとしている。 【今後の課題】 1.国基準保育料に対する保護者負担割合の設定(現行水準の維持) 2.保育短時間についての保育料表の設定、設定する場合の割引率の設定(1.7%) 3.教育標準時間認定の保育料階層数及び金額の設定 4.市民税非課税階層等における教育と保育の保育料の逆転現象の改善 5.C階層(市独自区分)の設定 6.各号における年齢区分による設定 ●事業間の国基準保育料の相関関係 1号 教育標準時間 2号保育標 準時間 2号保育短 時間 3号保育標 準時間 3号保育短 時間 国基準利 用者負担 額 国基準利 用者負担 額 国基準利 用者負担 額 国基準利 用者負担 額 推定年 収 階層区分 国基準 利用者負 担額 - 生活保護 世帯 0円 生活保護世帯 0円 0円 0円 0円 ~ 270 万円 市民税非 課税世帯 9,100円 市民税非課税 世帯 6,000円 6,000円 9,000円 9,000円 市民税課税世 帯(所得税非 課税) 16,500円 16,300円 19,500円 19,300円 所得割課税額 97,000円未満 27,000円 26,600円 30,000円 29,600円 所得割課税額 169,000円未 満 41,500円 40,900円 44,500円 43,900円 所得割課税額 301,000円未 満 58,000円 57,100円 61,000円 60,100円 所得割課税額 397,000円未 満 77,000円 75,800円 80,000円 78,800円 所得割課税額 397,000円以 上 101,000円 99,400円 104,000円 102,400円 ~330 万円 ~360 万円 所得割課 税額 77,100円 以下 16,100円 ~470 万円 ~640 万円 所得割課 税額 211,200 円以下 20,500円 階層区分 ~680 万円 680万 円~ ~930 万円 ~1,130 万円 1,130万 円~ 所得割課 税額 211,201 円以上 25,700円 4 対応案 他市の動向等を把握しつつ、現状の認可保育所保育料をベースにした金額設定で調整を進める。 (参考資料) 保育必要量の区分の取扱いについて 平成26年度尾張旭市徴収金基準額表 市町村は法施行規則第1条第3号、第6号又は第9号に掲げる事由について、保育必要量の認定を保育標準時間又 は保育短時間の区分に分けて行うことが適当でないと認める場合にあっては、当該区分に分けないで行うことができる こととなっている。(法施行規則第4条第2項) 各月初日の在籍入所児童の属する世帯の階 徴収金基準額(月額) (参考)国基準保育料 層区分 階層 3歳未満児 3歳児の場 4歳以上の 定義 3歳未満児 3歳以上児 区分 の場合 合 場合 生活保護法(昭和25年法律第144号)に よる被保護世帯(単給世帯を含む。)及 び中国残留邦人等の円滑な帰国の促 進並びに永住帰国した中国残留邦人 A 0円 0円 0円 0円 0円 等及び特定配偶者の自立の支援に関 する法律(平成6年法律第30号)による 支援給付を受けている者(単給者を含 む。)の属する世帯 B 市町村民税非課税世帯 0円 0円 0円 9,000円 6,000円 A階層及 4,500円 3,500円 3,500円 びD階層 均等割額のみ 母子世帯等 C1 を除き前 (所得割額の 上記以外の 年度分の ない世帯) 8,500円 6,000円 6,000円 世帯 市町村民 8,500円 6,000円 6,000円 19,500円 16,500円 税の額の 所得割の額が 母子世帯等 C2 区分が次 10,000円未満 上記以外の 9,000円 7,000円 7,000円 世帯 の区分に 該当する 母子世帯等 9,000円 7,000円 7,000円 所得割の額が 世帯 C3 上記以外の 10,000円以上 10,500円 8,500円 8,500円 世帯 D1 1,500円未満 12,500円 10,000円 10,000円 A階層及 D2 1,500円以上7,500円未満 14,000円 12,000円 12,000円 びD階層 D3 7,500円以上15,000円未満 16,500円 14,500円 14,500円 30,000円 27,000円 を除き前 D4 22,000円 18,000円 17,500円 年分(1月 15,000円以上25,000円未満 から6月 25,000円以上40,000円未満 D5 27,000円 21,500円 19,000円 までの月 D6 40,000円以上55,000円未満 31,500円 22,500円 19,500円 分につい D7 55,000円以上70,000円未満 36,500円 22,500円 20,000円 ては、 44,500円 41,500円 前々年 D8 70,000円以上85,000円未満 41,000円 24,000円 20,000円 分)の所 D9 85,000円以上103,000円未満 44,500円 24,000円 20,000円 得税課税 103,000円以上142,500円未 D10 世帯で 49,000円 24,000円 20,000円 満 あってそ 142,500円以上232,500円未 D11 の所得税 51,500円 25,000円 21,000円 61,000円 58,000円 満 の額の区 232,500円以上413,000円未 D12 分が次の 52,500円 25,000円 21,000円 満 区分に該 413,000円以上734,000円未 D13 当する世 54,000円 25,000円 21,000円 80,000円 77,000円 満 帯 D14 734,000円以上 55,500円 25,000円 21,000円 104,000円 101,000円 1 事由について 新制度の「保育の必要性」の事由(法施行規則第1条) 以下のいずれかの事由に該当すること ※同居の親族その他の者が当該児童を保育することができる場合、その優先度を調整することが可能 ①就労(フルタイムのほか、パートタイム、夜間など基本的にすべての就労に対応(一時預かりで対応可能な短時間就 労は除く)、居宅内の労働(自営業、在宅勤務等)を含む) ②妊娠、出産 ③保護者の疾病、障がい ④同居又は長期入院等している親族の介護・看護 ⑤災害復旧 ⑥求職活動(起業準備を含む) ⑦就学(職業訓練校等における職業訓練を含む) ⑧虐待やDVのおそれがあること ⑨育児休業取得時に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること ⑩その他、上記に類する状態として市が認める場合 2 区分(保育必要量)について ■新制度では、両親フルタイム就労等を想定した「保育標準時間認定(11時間相当)」と、両親の両方又はいずれかが パートタイム就労等を想定した「保育短時間認定(8時間相当)」の2区分を設定する。その上で、「保育標準時間認定」 の保育必要量の下限は月200時間※(就労時間の下限は1週当たり30時間)とされている。 ※月200時間≒1日8時間×週6日×4.3週 ■そして、「就労」「就学」「親族の介護・看護」については上記区分により認定を行い、「妊娠・出産」「災害復旧」「虐待 やDVのおそれがあること」については「保育標準時間認定」とし、「疾病・障がい」「求職中」「育休中」については運用上、 上記区分に分けないことができるとされている。(法施行規則第4条第1項及び第2項) 事由 保育標準時間(11時間) 保育短時間(8時間) ①就労 ○ ○ ②妊娠、出産 ○ × ③疾病、障がい ○ △ ④介護・看護 ○ ○ ⑤災害復旧 ○ × ⑥求職活動 ○ △ ⑦就学 ○ ○ ⑧虐待・DV ○ × ⑨育児休業時の継続利用 ○ △ ⑩市認定 ○ ○ 3 対応案 基本的に国の定めた区分の考え方に従うものとする。そして 「疾病・障がい」「求職中」「育休中」については、その保育 の必要性の実態を踏まえ、「保育短時間認定」とするものとする。
© Copyright 2025 ExpyDoc