実験&研究! PICマイコン最新周辺機能

ジュニア・コーナ
ダウンロード・データあります
至れり尽くせり時代は 8 ビットでもてんこ盛り!
実験&研究!
PICマイコン最新周辺機能
もはや CPU より重要!?
第
5回
3 大定番シリアル UART/I2C/SPI を使った
Bluetooth 汎用データ・ロガー
表 1 シリアル通信モジュールの特徴
通信インターフェース
用 途
接続形態
I 2C
基板上で IC や
部品どうし
マスタ:スレーブ,
1:多
SPI
基板上で IC や
部品どうし
マスタ:スレーブ,
1:1
UART/USART
装置間.パソコン
1対1
とプロジェクタなど
前回(第 4 回,2015 年 1 月号)は,PIC マイコンの周
辺モジュールとして,標準で搭載されているシリアル
通信モジュール(表 1)の使い方について解説しました.
今回は表 1のシリアル通信モジュールの使用例として,
写真 1,図 1のようなデータ収集装置を製作します.
・I2C:液晶表示器や 18 ビットΔΣ型 A-D コンバータ
を接続
・
SPI モジュール:高精度リアルタイム・クロック
IC と接続して時刻情報の管理
・USART:Bluetooth モジュールの制御を行いパソ
コンと通信
な お,Bluetooth モ ジ ュ ー ル と パ ソ コ ン と の
USART による通信は,コマンドとデータの送受信だ
けで,USART の基本的な使い方です.前回詳しく説
明したので割愛します.
データ入力
(今
回は単3電池の
両端に接続し,
約1.5Vを観測
した)
DC5V
RN42XVP
Bluetooth
無線モジュール
A-D変換結果
S1
後閑 哲也
3 大シリアル通信を試せる
データ・ロガーの構成
製作するデータ・ロガーの全体構成は図 1 のように
し ま し た. 全 体 の 制 御 は USART を 1 組 と MSSP
(Master Synchronous Serial Port)モジュールを 2 組
内蔵している 8 ビット・ファミリの PIC16F1829 で行
います.アナログ・データの収集には,I2C 接続の 4
チャネル 18 ビットΔΣ型 A-D コンバータ MCP3424 を
使います.さらに同じ I2C で液晶表示器も駆動します.
正確な時間が得られるリアルタイム・クロックの
DS3234 を SPI 通信で接続し,ログ管理用の時計として
使います.ログ・データは一定間隔ごとに Bluetooth
経由でパソコンに送信します.
電源は 5V の AC アダプタから供給するものとし,3
端子レギュレータで 3.3V を生成して,全体を 3.3V で
動作させます.こうして製作するデータ・ロガーの機
能と仕様の目標を表 2 に示します.
I2C 接続の事例 1…
液晶表示器
本製作例で使う液晶表示器は,キャラクタ表示タイ
プ(RAM 内蔵で表示文字を指定する)です.
MCP3424 ΔΣ型A-Dコンバータ
ICSP
コネクタ
S2
(a)部品面
DS3234 リアル・タイム・クロック
(b)はんだ面
MCP1702電圧
レギュレータ
写真 1 3 大シリアル通信を試すためのデータ・ロガー
164
第 1 回 てんこ盛り! 周辺機能の整理(2014 年 10 月号)
第 2 回 基本中の基本! 標準タイマ(2014 年 11 月号)
第 3 回 時計や周波数カウンタがサクッと作れる特殊タイマ(2014 年 12 月号)
2015 年 2 月号