ガブリエル・オロスコ展―内なる複数のサイクル - 東京都現代美術館

Press Release
2014.12
広報用画像①
ガブリエル・オロスコ《La DS カーネリアン》2013年
変形した車 489 × 122 × 147cm
開催趣旨
ガブリエル・オロスコ(1962-メキシコ生)は、1990年代前半から現在まで国際的に活躍している現
代美術を代表するアーティストの一人です。
オロスコは、路上に打ち捨てられた物や何気ない風景の中から魅力的なかたちを発見したり、それ
らにほんの少し介入してかたちを変えたりして作品に転換します。日本庭園で石や砂を水の流れに
見立てるのにも似た事物の新たな読み替えは、見る者にそれを読み解く楽しさを与えます。地域性
や政治性を排除したユニバーサルな彫刻や、さりげないスナップショットのような写真は、90年代の
現代美術を語る上で欠かせないものであり、現在活躍する日本の若手アーティストにも大きな影響
を与えています。
人工物でも自然物でもこの世の事物はすべて、これまで移動したりかたちを変えたりしてきた内なる
時間を有しています。事物と事物とが時に交わり、また離れるといったことを繰り返し、宇宙の中で
万物が流転し循環するその様をオロスコは捉えます。
オロスコは2009年から2011年にかけ、ニューヨーク近代美術館を皮切りにテート・モダンほか世界
の主要美術館で大規模な個展を開催するなど、現在も変わらぬ評価を得ています。
一方で、これまでアジア圏ではあまり展示の機会はなく、今回は待望の日本での初個展と
なります。本展では、自動車を分割して貼り合わせた代表作《La DS》や最新のカンヴァス作品など、
オロスコの魅力を伝える過去から現在までを紹介します。
異なる年代と場所で生まれた作品がここ東京で出会い、新たな循環が始まります。
作家略歴
1962年メキシコ生まれ。現在は、ニューヨーク、パリ、
メキシコシティなどを拠点に世界各地で制作している。
1990年代に時代を代表するアーティストとして注目されて
以来、ヴェネツィア・ビエンナーレやドクメンタなどの多くの国
際美術展に参加。これまでグッゲンハイム美術館や
ポンピドゥーセンターほか多くの美術館、ギャラリーで個展を
開催している。さらに近年、ニューヨーク近代美術館や
テート・モダンを巡回する大規模個展もおこなわれた。
その作品は、日常にある見慣れた事物に介入することで、
鑑賞者に新たな思考を促す手法で知られ、
現在でも様々なアーティストに影響を与え続けている。
作家ポートレート
Photo:Eric Sander
主要個展
2013-14 -「ナチュラル・モーション」ブレゲンツ美術館(オーストリア)、ストックホルム近代美術館
2012 -「アステリスムス」グッゲンハイム美術館(ベルリン、ニューヨーク)
2009-2011-ニューヨーク近代美術館、バーゼル美術館(スイス)、ポンピドゥーセンター(パリ)、テート・モダン(ロンドン)
2005 -ソフィア王妃芸術センター(マドリード)
2004 -サーペンタイン・ギャラリー(ロンドン)
2002 -クリマンズット・ギャラリー(メキシコシティ)
2000 -「ブルー・メモリー」重森三玲邸(京都)
-ロサンゼルス現代美術館ほか
1999-フィラデルフィア美術館
1998-「自由市場は反民主主義的」マリアン・グッドマン・ギャラリー(ニューヨーク)
-「クリントンはイノセント」パレ・ド・トーキョー(パリ)、パリ市立近代美術館
1993-ギャラリー・シャンタル・クルーゼル(パリ)
-「プロジェクト41: ガブリエル・オロスコ」ニューヨーク近代美術館
主要国際展
2005-第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ
2001-横浜トリエンナーレ
1998-ベルリン・ビエンナーレ
1997-ドクメンタX(カッセル、ドイツ)
1996-光州ビエンナーレ(韓国)
1993-「Open ’93 : Emergency」第45回ヴェネツィア・ビエンナーレ
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本展の見どころ
1.国内美術館で待望の初個展
2.大胆に分割した車から最新のカンヴァス作品まで
バラエティに富んだ作品群を体感
3.みんなで楽しめるアート作品
-真ん中に池がある奇妙なピンポンテーブル(卓球台)で、実際に遊ぶことが出来ます。
さらにガブリエル・オロスコを知る為のキーワード
①飾らない・本質を見抜く
オロスコはきらびやかな美しさを自らの手で生み出そうとはしません。
むしろ、普通の人は見向きもしないような、道端に転がるタイヤや掘っ立て小屋に差し込む光などに着目
します。しかし、そこには世界の成り立ちを想い起こさせる発見があります。
②いたずら心_小さな介入が物の意味を変える
一方でオロスコは、物に手を加える時もあります。すいかの上に缶詰を置いたり、フェンスに石ころを
つめたりといった、いたずらをすることも。既製品の車も大胆に分割し、生き物のようにも機械そのものにも
見える、誰も見たことがない何とも魅力的なかたちがつくられます。
③ヒエラルキーを持たない_万物は流転する
車も動物も、サッカーボールも石も、それが人工物であれ自然のものであれ、すべて地球上に質量を
持って存在する物質という意味で差はありません。オロスコはそれらを区別する常識的なカテゴリーを排
除し、ヒエラルキーを持たない平等な目で世界を眺めます。
するとそれらは移動や変化を繰り返し、流転し続けていることが見えてきます。
④ゲーム_自分でつくるルール
真ん中に池がある奇妙なピンポンテーブル。ゲームは制約があるからこそ面白くなります。
オロスコの描く幾何学的なカラフルな円は、チェスの法則に従って色分けされます。
次から次へ生み出される新しい形。ルールに縛られるのはカッコ悪いと思いがちですが、それがあること
により、常識を飛び越えた自由な発想を得ることもできるのです。
⑤国を超えて_日本
オロスコは現在ニューヨーク、メキシコシティ、パリを中心に、国や地域を限定することなく、時どきに応じ
て移動しながら生活しています。様々な文化を吸収しながら、一方で特定の文化に固執しすぎないこと
で、常に事物の本質を見逃さない目を保ち続けているのかもしれません。日本にも過去に何度か訪れて
おり、着物の型紙を用いた作品があったり、写真作品の中に東京の街と思われるものがあったりします。
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展覧会情報
展覧会名
ガブリエル・オロスコ展ー内なる複数のサイクル
会 期
2015年1月24日(土)- 5月10日(日)
開館時間
10:00~18:00(入場は17:30まで)
会 場
東京都現代美術館(〒135-0022 江東区三好4-1-1)
企画展示室3F
休館日
月曜日(5/4は開館)、5/7
主 催
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
協 賛
ライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパン日本興亜、日本テレビ放送網
協 力
メキシコ大使館、朝日酒造株式会社
観覧料
一般1,100円/ 大学生・65歳以上800円/ 中高生600円/ 小学生以下無料
*20名以上の団体は2割引き *本展チケットでMOTコレクションもご覧になれます。
*身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と
その付添者(2名まで)は無料。
同時開催の「菅 木志雄 置かれた潜在性」、
「未見の星座(コンステレーション)-つながり/発見のプラクティス」との共通券もございます。
関連イベント
●東京都現代美術館開館20周年記念事業
ガブリエル・オロスコによる講演会
日時:2015年1月24日(土)15:00- 場所:東京都現代美術館 地下2階講堂
●「菅 木志雄」展・「ガブリエル・オロスコ」展共同企画
松井みどり(美術批評家)によるレクチャー
日時:2015年1月31日(土)15:00- 場所:東京都現代美術館 地下2階講堂
●担当学芸員によるギャラリー・ツアー
日時:2015年2月11日(祝)・3月29日(日)15:00- 場所:企画展示室3F
●オロスコを知らなくても楽しめる!当館インターンによるギャラリー・ツアー
日時:2015年3月28日(土)15:00- 場所:企画展示室3F
●東京都現代美術館 チーフキュレーター 長谷川祐子によるギャラリー・ツアー
日時:2015年4月18日(土)15:00- 場所:企画展示室3F (予定)
※詳細は決まり次第東京都現代美術館のホームページでご案内いたします。
展覧会カタログ
2015年2月下旬に刊行予定です。(刊行:フィルムアート社、価格未定)
ISBN978-4-8459-1443-2
交通案内
東京メトロ半蔵門線・清澄白河駅B2番出口より徒歩9分
都営地下鉄大江戸線・清澄白河駅A3番出口より徒歩13分
美術館お問い合わせ
03-5245-4111(代表)/ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.mot-art-museum.jp
企画
長谷川祐子(東京都現代美術館 チーフキュレーター)
西川美穂子、吉﨑和彦(東京都現代美術館)
同時開催
「菅 木志雄 置かれた潜在性」
「未見の星座(コンステレーション) ーつながり/発見のプラクティス」
1月24日(土)~3月22日(日)
「開館20周年記念 MOTコレクション特別企画 『コレクション・ビカミング』」
1月24日(土)~6月28日(日)
広報お問い合わせ
東京都現代美術館 事業推進課企画係 広報班
中島 三保子 [email protected]
東京都江東区三好4-1-1 TEL.03-5245-1134(直通) / FAX.03-5245-1141
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広報用画像
広報用画像として表紙画像1点と下記5点の計6点をご用意しております。
掲載ご希望の方はお手数ですが別紙にご記入の上、FAXもしくはメールにてご連絡ください。
②ガブリエル・オロスコ《ピン=ポンド・テーブル》1998年
変形卓球台、卓球ラケット、ボール、水槽、ポンプフィルター、蓮
H76.7 × W424.5 × D424.5 cm
金沢21世紀美術館 蔵
④ ガブリエル・オロスコ《Common Dream》1996年
チバクローム
③ ガブリエル・オロスコ《My Hands Are My Heart》1991年
チバクローム2点組
⑤ガブリエル・オロスコ 《Cats and Watermelons》1992年
タイプCプリント
⑥ガブリエル・オロスコ 《Untitled》 2001年 グァッシュ/航空券 フーメックス財団蔵
広報お問い合わせ先
東京都現代美術館 広報班
中島 三保子 [email protected]
TEL 03-5245-1134(広報直通) FAX 03-5245-1141
広報用画像申込書
東京都現代美術館 事業推進課企画係
広報班宛
FAX. 03-5245-1141
本展覧会広報用素材として、6点をご用意しております。
ご希望の際は下記申込用紙に必要事項をご記入の上、FAX又はEメールにてお申込みください。
なお、写真の使用に際し、以下の点をご注意ください。
① キャプションは、作家名、作品名、制作年、コピーライト等を必ず表記ください。
② 作品のトリミング、文字載せはお控えください。
本展記事を紹介頂く場合には、恐れ入りますが情報確認の為の校正、掲載誌(紙)、DVD、CD等をお送りください。
媒体名:
『
』
○印をおつけください
種
TV ラジオ 新聞 雑誌 フリーペーパー
別:
ネット媒体
携帯媒体
その他
発売・放送予定日:
御社名:
ご担当者名:
Eメールアドレス:
@
(〒
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ご住所:
お電話番号:
FAX:
ご希望の図版番号に ✔ をおつけください。
□ ① ガブリエル・オロスコ《La DS カーネリアン》2013年
変形した車 489 × 122 × 147cm
□ ② ガブリエル・オロスコ《ピン=ポンド・テーブル》1998年
変形卓球台、卓球ラケット、ボール、水槽、ポンプフィルター、蓮
金沢21世紀美術館 蔵
H76.7 × W424.5 × D424.5 cm
□ ③ ガブリエル・オロスコ《My Hands Are My Heart》1991年 チバクローム2点組
□ ④ ガブリエル・オロスコ《Common Dream》1996年 チバクローム
□ ⑤ ガブリエル・オロスコ 《Cats and Watermelons》1992年
タイプCプリント
□ ⑥ ガブリエル・オロスコ 《Untitled》 2001年 グァッシュ/航空券 フーメックス財団蔵
プレゼント用招待券をご希望の場合は✔をおつけください。 □ 10名様/□ 20名様
広報お問い合わせ先:
東京都現代美術館 事業推進課企画係 広報班
中島 三保子 [email protected]
東京都江東区三好4-1-1 TEL.03-5245-1134(直通) /
FAX.03-5245-1141