新生中外製薬ビジネスプラン

新生中外製薬ビジネスプラン
ーロシュとのアライアンス効果を中心にー
2002年5月7日
取締役社長 永 山 治
将
来
見
通
し
本プレゼンテーションには、中外製薬の事業及び展望に関する将来
見通しが含まれていますが、いずれも、既存の情報や様々な動向に
ついての中外製薬による現時点での分析を反映しています。
実際の業績は、事業に及ぼすリスクや不確定な事柄により現在の 見通しと異なることもあります。
2
本日のメッセージ
l 新生中外ビジネスプラン
•
過去4ヶ月にわたる統合委員会による作業
l シナジー効果
•
あらゆる側面で2005年度までに期待できるシナジー効果を定量分析
- 売上シナジー
180億円
- 人件費抑制
70億円
- その他コストシナジー 40億円
l 予想以上の成果が期待
•
•
統合1年目で希薄化解消 (当初予想は2年目)
2005年度の営業利益は630億円へ (当初予想は売上3,000億円の営業利益率20%)
3
ロシュとのアライアンスで中外が得るもの
l 優れたビジネスモデル
•
新たな日本企業経営モデルの確立
•
グローバル市場へのアクセス拡大
•
第一選択権
l 重要分野でのトップポジション
•
•
•
•
•
癌
腎
骨
抗体医薬
バイオテクノロジー
l 潜在収益成長力の拡大
•
製品ラインアップおよび開発パイプラインの一層の拡充
•
売上面およびコスト面での強力なシナジー効果
競争激化する世界の医薬品業界で飛躍するための戦略
4
ロシュとのアライアンスで中外株主が得るもの
l 新生中外
•
統合1年目で予想以上の利益実現
•
利益成長力の拡大
•
中長期的なリスク・プロフィールの改善
l ジェン・プローブ
•
上場株式
•
中外による税負担
•
将来の価値拡大期待
l 現金
•
発行済株式数約10%に対する2,136円/
投資価値の拡大
+
バリューの顕在化
+
プレミアム実現
=
株での公開買付(ジェン・プローブを除く
)
株主価値の拡大
5
新生中外製薬のビジネスプラン
新生中外製薬の財務目標
l
売上目標アップ: 2005年度 純売上高3,150億円 (前回発表比プラス150億円)
l
収益力アップ: 2005年度 営業利益630億円
(前回発表比プラス30億円)
l
早期希薄化解消: 2003年度 中外単独の1株当り営業利益
を凌駕
(前回発表より1年早い)
7
新生中外製薬の事業目標(
2005年度)
l
シェア拡大: 市場シェア5%のプレゼンス
国内医療用医薬品市場で売上第4位
l
重点領域でのトップポジション: 癌領域、骨領域、腎領域で
国内トップシェア獲得
l
パイプラインの拡充: 臨床開発20品目以上のレベル維持
8
高成長モデルへの転換
希薄化は2003年度で解消、その後もさらなる成長の実現へ
120 (円)
1株当り営業利益予想の比較
新生中外
116
101
100
95
92
84
中外単独 * 2
83
1
* ジェン・プローブ除外
82
82
80
68**
** 年平均発行済株式数で算出(希薄化後ベース)
60
01年度予想
02年度予想
03年度予想
04年度予想
05年度予想
1 前回予想から下方修正
2 発行済株式数は中外単独のケースで301.6百万株、新生中外のケースで543.9百万株と仮定
9
アライアンス効果による3種のシナジー
売上シナジー
研究開発
シナジー
コスト
シナジー
10
売上シナジー1: シナジー効果内訳
売上シナジー効果で2005年度売上高3,150億円達成
売上シナジー
180億円
中外/日本ロシュ
単純合算
• 日本ロシュ製品のシナジーは115億円
• 中外製品のシナジーは65億円
2,970億円
2005年度予想
11
売上シナジー2: 売上生産性の向上
既存MRの効率活用
戦略領域
重点5領域への
戦略的資源配分
+
顧客開拓
顧客深耕
MR再配置
による
新規顧客増加
顧客の広がり、
製品の充実、
MRの増加
による
訪問数の増加
と効率化
医師カバー
12→15万人
+
製品宣伝回数
470→650万回
12
売上シナジー3 例: 癌領域
抗癌剤の製品ライン拡充と、支持療法剤とのシナジー拡大
リツキサン
AHM
MRA
フルツロン
ハーセプチン
ピシバニール
フェマーラ
ゼローダ
タルセバ
血液癌領域
悪性リンパ腫
白血病
多発性骨髄腫
etc.
支持療法
白血球減少症
固形癌領域
乳癌
肺癌
胃癌
卵巣癌
大腸癌
膀胱癌
etc.
悪心・
嘔吐
高カルシウム血症
骨転移
ノイトロジン
カイトリル
CAL
上市品:
開発品:
CHC12103
腎疾患領域、骨疾患領域については、付属資料の31頁、32頁を参照
13
コストシナジー1: コスト構造の改善
売上増と固定費比率低下で2005年度営業利益率20%到達
純売上高
3,150億円
純売上高
3,150億円
純売上高
2,970億円
主なコスト削減策
(対売上高比率)
34%
l
2005年度両社単純合算の要員数から
650名抑制して4,700名体制にする
l
宇都宮と藤枝を新生中外の主力
工場とし、他の5工場を中期的に
は2工場に再編する
l
本社と営業所を中外の営業拠点
に集約する
l
高田研究所を閉鎖し、筑波の機能を整
理し、国内外4研究所体制とする
売上原価
売上
シナジー
コスト
シナジー
13.5%
2005年度 両社見込みの
単純合算(予測)
16.5%
29%
販売管理費
17%
研究開発費
20%
営業利益
2005年度
2つのシナジーを考慮
した新生中外製薬(目標)
14
コストシナジー2: 要員数の最適化
増員不要、さらに自然減で最適水準の4,700名体制
5,350名
5,110名
650名抑制
約70億円
のシナジー
410名削減
日本ロシュ
1,590名
日本ロシュ
1,860名
新生
中外製薬
4,700名
中外製薬
3,520名
中外製薬
3,490名
2005年度
(目標)
2001年度
単純合算(実績)
2005年度
単純合算(予測)
15
コストシナジー3: 国内拠点の統合
拠点を4割強削減、40億円強のコストシナジーを創出
現在の拠点分布
△
▲
中外製薬
日本ロシュ
● 工場
○ 工場
★ 研究所
☆ 研究所
▲ 支店
△ 支店
■ 本社
□ 本社
拠点の統合
工場
▲
△
●
●
●
△▲
△▲
1
▲
△
△ ▲△
△
▲
△●
●■★▲★▲
★
☆
▲△
□△△
○
★
●
7拠点 →
4拠点
研究所
6拠点 →
4拠点
(海外1を含む)
支店
24拠点 →
13拠点1
出張所
95拠点 →
55拠点1
本社
2拠点 →
1拠点1
合計
134拠点→
△▲
合併時に実現可能な拠点数
77拠点
16
研究開発シナジー1: パイプラインの拡充
ゼローダ 2(乳がん)
ペガシス2(C型肝炎)
フェマーラ(乳がん)
レナジェル (高リン血症)
ラロキシフェン(骨粗鬆症)
MRA(キャッスルマン病)
アンテバス(くも膜下出血)
上市時期
(予定)
タルセバ(肺がん)
第2世代EPO(腎性貧血)
ゼニカル 2(肥満)
NK-1(うつ病)
ボンビバ(骨粗鬆症)
FS-69(超音波造影剤)
BO-653(PTCA後再狭窄)
CAL(骨転移)
CHC12103(乳がん)
AHM(多発性骨髄腫)
MRA(慢性関節リウマチ)
GM-611(胃不全麻痺)
VAL(肝再生)
R450(尿失禁)
ED-71(骨粗鬆症)
CHS13340(骨粗鬆症)
新生中外製薬
研究開発
ロシュグループ
研究開発1
2002 2010
青字: 日本ロシュからの製品, 緑: 中外製薬からの製品
1ロシュがライセンス・インした製品(
ジェネンテック等)を含む
2既に日本以外で上市
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研究開発シナジー2: 研究効率の改善
統合
日本ロシュ
l癌領域の研究基盤
l創薬化学基盤
l化学機能の強化
l抗体研究開発の加速
中外製薬
lバイオ医薬品研究開発基盤
l抗体工学(
抗体医薬研究開発)
l発生工学
lビタミンD誘導体関連研究
l蛋白質生産技術
lビタミンD誘導体の癌領域への可能性
協働
ロシュ・
グループ
lゲノミクス研究基盤
lインフォマティクス基盤
lバイオ医薬品研究開発基盤
l抗体医薬研究開発
l蛋白質生産技術
l癌領域研究開発の強化
l情報・技術の交流・交換
l資源の効率的活用
l蛋白質生産の協力体制
l標的分子探索での共同プロジェクトなど
18
まとめ
l 2005年度までに期待できるシナジー効果
•
売上シナジー
180億円
•
人件費抑制 70億円
•
その他コストシナジー 40億円
l 予想以上の成果が期待
•
統合1年目で希薄化解消 (当初予想は2年目)
•
トップラインおよびコスト面でのシナジー効果により2005年度の営業
利益は630億円へ (当初予想は売上3,000億円の営業利益率20%)
19
20
付属資料: 統合作業の進捗状況など
ジェン・プローブ スピンオフの準備状況
上場に向けた準備
株式配布方法
l アメリカン証券取引所をはじめ、
l ジェン・プローブ社の名義書換代
NASDAQ及びニューヨーク証券
取引所と上場申請に向けた話し
合いを開始
l 本年3月28日に、スピン・オフに
向けた組織再編を実施 (ジェン
・プローブと米国医薬事業子会
社を分離)
l 本年4月2日にSECに対しForm
10を申請
理人 (Transfer Agent)に
Mellon Investor Servicesを選
任
l 7月31日の基準日時点の中外製
薬株主に対し、Direct
Registration System (DRS)に
よりジェン・プローブ株式を配布
l 具体的な手続きについては、配
布スケジュール、取扱証券会社
等を確定次第発表予定
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DRSの概要
l Direct Registration System (DRS) とは
– 米国企業の株主名簿管理のために採用されている方法
– 実際に株式を発行することなく、電子的に株式の所有名義登録、移転、売
却を行うことができる点が特徴
– DRSによって株式を受領した株主は、株券を保管する負担がなく、盗難・
紛失のリスクも回避できる
l ジェン・プローブの名義書換代理人であるMellon Investor Servicesが、DRS
によるジェン・プローブ株主情報の管理及び株主の指示に基づく各種取引の
執行を行う
l 但し、一般的に、日本の株主は、国内証券会社の外国証券取引口座を通じ
て外国株式の取引を行う必要があるため、株式売却を希望する株主は、
DRSに登録されている株式を取扱証券会社の口座に振替える手続を行う必
要がある
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統合作業の状況
統合に向けた作業は順調に進んでおり、
広範囲に渡る話し合いが日々重ねられている
l 決定事項(抜粋)
–
–
–
–
新体制の組織構造(本部制など)
人事制度(徹底した成果主義など)
会計方法(国際会計基準に準拠など)
ネットワーク、本社ビル、基本ロゴなど
l 協働統合委員会を設置
– 統合における最高意思決定機関(計9回開催)
– 機能毎に細分化した検討チームを設置(
10チーム)
– 各検討チームの開催会議数は、延べ約400回以上
l 社内広報体制
– 両社共有の協働統合ニュースの定期的な発行
– 中外製薬、日本ロシュそれぞれのイントラネットでの定期的な情報配信
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協働統合委員会
協働統合委員会
統合推進総合事務局
• 医薬事業統合事務局
• マネジメント統合事務局
• 広報I
R事務局
アライアンス継続案件処理
タスクフォース
新ビジネスプラン策定チーム
医薬事業検討チーム
研究
チーム
総務
チーム
・・
作業G
作業G
・・
作業G
作業G
・・
情報
インフラ
チーム
作業G
作業G
・・
経理
・財務
・予算
チーム
作業G
作業G
・・
作業G
作業G
・・
人事
・労務
・組織
チーム
薬事
・法規
チーム
作業G
作業G
・・
作業G
作業G
・・
営業
・育成
チーム
生産
チーム
作業G
作業G
作業G
作業G
・・
開発
チーム
マネジメント検討チーム
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協働統合委員会検討チームの主要検討項目
研究
チーム
各研究テーマ検討、知的財産、研究系管理システム、など
開発
チーム
プロジェクトチーム体制、臨床開発関係組織体制、評価プロセス・意思決定、開発系情報管理システム、など
生産
チーム
生産物流体制、生産販売在庫管理、購買管理、表示切替、生産管理システム、など
営業・育成
チーム
(営業関連)本社・支店・出張所組織体制、製品・顧客・流通戦略、研修体制、クレーム対応、など
(育成関連)育成関連組織体制、市販後調査・臨床試験対応、社内外問合せ対応、各種管理システム、など
薬事・法規
チーム
薬事対応、業許可・承継対応、GCP組織・管理体制、GLP管理体制、品質保証体制、など
人事・労務・
組織
チーム
経理・財務・
予算
チーム
情報
インフラ
チーム
総務
チーム
事務局対応
組織・要員、人事諸制度・労働条件、福利厚生、退職金・年金・基金、人事情報システム、など
財務会計、決算処理、予算管理、会計関連システム全般、など
関連システムの統合、情報システム組織、メール、情報インフラ、など
株主対応、資産対応、リスクマネジメント、企業行動憲章・環境対応、など
社内広報活動、意識・ビジョン共有対策、ロゴ対応、決裁基準、など
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新生中外製薬の組織体系
研究本部
臨床開発第一本部
医薬事業スタッフ
企画管理スタッフ
社長
CEOオフィス
経営会議
臨床開発第二本部
医薬育成本部
技術本部
製薬本部
営業本部
国際本部
ヘルスケアカンパニー
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Mission Statement ①
l 存在意義
革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を
創造し、世界の医療と人々の健康に貢献します 28
Mission Statement ②
l 価値観
1. 患者・消費者を最優先に考えて行動します
2. 生命関連企業として、常に高い倫理・道徳観に基づいて行動します 3. 深い専門性と広い視野を持ち、失敗を恐れない革新的・挑戦的な社員を重
んじます
4. 良き企業市民として、世界の人びと・文化の多様な価値観を理解し、尊重
します
5. 一人ひとりの個性・能力とチームワークを尊重する自由闊達な風土を大切にし
ます
6. 地球環境に配慮します 7. 株主を始めとしたステークホルダーの要請に応え、適正利潤を追求すると
同時に適時適切な情報開示を行います
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Mission Statement ③
l 目指す姿
ロシュグループの最重要メンバーとして、国内外において
革新的な新薬を継続的に提供する、日本のトップ製薬企
業となります
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売上シナジー 例: 腎疾患領域
透析分野のリーディングカンパニーとして
治療薬・開発パイプラインを拡充
透析合併症
対象原疾患
第2世代EPO
•糖尿病性腎症
•腎性骨形成異常症
レナジェル
•慢性腎炎
•腎性貧血
アルファロール
•二次性副甲状腺機
エポジン
能亢進症
オキサロール
•高リン血症
ブルタール
•etc
ロカルトロール
•etc
病態の進行
自社開発、導入
腎不全保存療法期
末期腎不全期(透析)
上市品:
開発品:
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売上シナジー 例: 骨疾患領域
骨粗鬆症領域の製品ラインアップ強化による市場育成・拡大
SERM
Bisphosphonate
ラロキシフェン
ボンビバ
アルファロール
ロカルトロール
Vitamin D
CHS13340
ED-71
Anabolic hormone
上市品:
開発品:
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