第 Ⅲ 部(宇宙関連情報) 11. 宇宙開発利用の目標と方向性 我が国の宇宙開発の方針を決めているのは宇宙開発委員会であり,その資料を委員会ホー ムページ(http://www.sta.go.jp/b_menu/shingi/index.htm)より委員会事務局 の許可を得て転載する. 我が国の宇宙開発利用の目標と方向性 平成14年6月26日 宇宙開発委員会 1.宇宙開発利用の理念 20 世紀の後半、人類は初めて宇宙に進出した。これは、地球生命の 40 億年にも及ぶ歴 史において、約 400 万年前の人類誕生、約 500 年前の米大陸への到達、約 100 年前の空へ の進出に続く、人類史上、画期的な飛躍の始まりを意味する。 資源問題、食料問題、地球環境問題など、宇宙船地球号の有限性が明らかになりつつあ ることから、我々は、21 世紀を宇宙への本格的な進出の時代と位置付け、永続的発展の基 盤を手に入れるべきである。 このような認識の下、我が国は、国民のみならず人類共通のフロンティアとして、無限 の可能性を秘めた宇宙を最大限に活用し、各国とともに人類の繁栄と文明の発展に貢献す る。 2.我が国の宇宙開発利用の目的と基本方針 (1)我が国の宇宙開発利用の目的 我が国における宇宙開発利用の目的については、①国及び国民の安全の確保、②国民 生活の豊かさと質の向上、③知的資産の拡大とする。 ・国及び国民の安全の確保は、国が本来取り組むべき最重要課題であり、衛星を利用し た情報収集、非常通信等は外交、防衛等の安全保障、大規模災害への対応等において 大きな役割を果たす。 ・通信・放送、測位、気象観測、地球環境観測などの衛星利用は、既に国民生活に深く 浸透している。また、宇宙科学を含む宇宙開発利用は、最先端の科学技術を結集して 初めて可能となるものであることから、技術革新の原動力となるとともに、その拡充 は、宇宙関連産業をはじめとする産業の活性化及び雇用・所得の増加などを通じて国 民の豊かさの向上に貢献する。 ・宇宙科学は、地球やそこに住む生命がどのようにして生まれたか、宇宙や太陽系がど のようにして形成され、これからどうなるのかといった人類の根元的な疑問に答えよ うとする分野であり、大きな意義がある。その成果として得られる新しい知見は、人々 の宇宙観、地球観、生命観に大きな影響を与え、新たな文明の展開をも促す可能性を 持っている。 (2) 我が国の宇宙開発利用の基本方針 これまで我が国は、欧米先進諸国に比べて極めて少ない資金・人材ながら、効率的な 宇宙開発を行い、発展を遂げてきた。 しかしながら、これまでの宇宙開発は、投入してきた資源量に比べて活動範囲が広が りすぎていた傾向があることから、経験、ノウハウの蓄積が不十分であり、実利用の促 91 進に当たって課題がある。また、一部の宇宙関連技術は、世界水準に達しているが、全 体として見れば信頼性を含む技術力の欧米との格差は、歴然としている。 一方で、我が国の経済社会は長期にわたる低成長時代に入っており、今後も相当の期 間にわたり、厳しい財政事情が続くと考えられる。 このような我が国の状況とは関わりなく、世界の宇宙開発利用は、欧米を中心に、長 期的視点に立って今後も着実に推進されていくものと考えられる。 我が国としては、このような状況の下、宇宙開発利用に係る研究開発が、その成果が 結実するまで長期の開発期間を要することをも考慮し、今後 30 年程度の展望の下で、以 下の基本方針に則り、我が国らしい特色のある宇宙開発利用の実現を目指す。 ①科学技術創造立国の立場から戦略的に推進 我が国は、国の発展、国民の福祉の向上、世界への貢献の基盤を科学技術に求める科 学技術創造立国を目指している。 宇宙開発利用は、国の存立基盤の確保、産業の発展、国民生活の豊かさと質の向上、 知的な国際貢献などにおいて大きな役割を果たす。宇宙開発は、それ自体が先端科学を 結集する総合的な科学技術分野であるとともに、そこで得られた成果もまた様々な分野 の先駆けとして、広汎な分野における技術突破をもたらし、これらを通じて幅広い技術 革新の進展を促すものである。 これらの観点から、宇宙開発利用については、科学技術創造立国の実現のための戦略 的に国が継続的に投資していく。その際、失敗の度にその取り組み姿勢が動揺すること のないよう、確固たる信念の下で宇宙開発利用を推進する。 ②世界トップクラスの技術力の獲得による先導的地位の確保と世界最先端の宇宙科学の推 進による知的存在感のある国の実現 宇宙開発は、最先端技術の結集によって初めて可能となるものであり、国の技術力の 象徴である。このため、我が国と欧米との技術力の差を踏まえ、全ての分野ではなく、 重要な分野で世界に誇れるトップクラスの信頼性を含む技術力を獲得し、国際社会から 目標として評価されるに足る先導的地位を確保する。 また、世界最先端の宇宙科学を推進することにより、人類共通の知的資産の拡大に貢 献し、国際社会において尊敬される国となり、国民が世界に向けて誇りを持つことがで きる国を目指す。 ③自律的な宇宙開発利用活動を展開するための技術力を独自に保持 宇宙関連技術は、産業競争力向上につながる技術を多く含むのみならず、広い意味で の安全保障に密接に関係する戦略的技術であることから、国の存立にとって基盤的であ り、国として取り組むことが不可欠な領域である。したがって、かかる戦略的技術、枢 要な部品等は海外から常に制限なく導入できるとは限らないことに留意し、他国に依存 しないで宇宙開発利用活動を自律的に展開するため、基盤技術を含め必要な技術力を独 自に保持することを目指す。 ④国際協力の推進 宇宙開発利用は、本来、全地球的規模のものであり、国家の枠を超えて各国が協調し ながら人類の利益のために永続的に取り組むべき活動分野である。特に情報格差の是正 や地球環境問題への対応など、国際的な協調によって大きな成果をあげ得る分野もあり、 国際協力の意義は大きい。また、宇宙開発利用は、比較的大規模な経費を必要とし、リ スクの高い活動であることから、我が国としても自律性を堅持しつつ、宇宙開発利用に おける国際協力を戦略的に推進し、先進国に相応しい国際的視野に立ったプロジェクト 構想を先導する。なお、その推進に当たっては、我が国と関係が深いアジア・太平洋地 92 域に対する特別の配慮を必要とする。 3.我が国の宇宙開発利用の方向と新機関の役割 (1)基本的考え方 我が国の宇宙開発利用の目的及び基本方針を踏まえ、新機関の在り方についての基本 的考え方を整理すると、次のとおりである。 新機関は、ロケットや衛星の開発、打上げ、追跡等に必要な技術・経験を蓄積してき た宇宙開発事業団、宇宙や航空に関する基盤技術の研究開発を行ってきた航空宇宙技術 研究所、世界最先端の宇宙科学を推進してきた宇宙科学研究所の機能を引き継ぐもので あり、宇宙分野の基礎研究から利用を見据えた研究開発までを担う一体的研究開発機関 とすべきである。 これら宇宙3機関の統合に当たっては、それぞれの人材、経験、データ、ノウハウを 結集・融合し、宇宙科学を含む世界トップクラスの宇宙開発及び航空科学技術の中核的 機関を目指すべきである。 また、我が国の宇宙開発利用は 30 年以上の経験を積み、新機関以外の公的研究開発機 関や民間も宇宙関連技術を蓄えてきている。国においても各省庁がそれぞれの行政目的 を効率的・効果的に達成するために宇宙開発利用を積極的に推進することが大切である。 安全保障・危機管理、通信・放送、国土管理、交通、気象、地球環境、農林水産など多 方面において公共サービス機能を向上させるとともに、民間サービスの発展、ひいては 広汎な宇宙産業の発展が期待される。 関係省庁等によるこのような多角的な宇宙開発利用を促進する政策の展開が必要不可 欠である。 (2)新機関の機能 上記のような基本的考え方に基づき、新機関の機能を整理すると次のようになる。 (研究開発利用の推進) ○宇宙輸送系技術の完成と維持・発展による自在な打上げ手段の確保 ○宇宙 3 機関が有する人材、科学技術の蓄積を十分に活用した強力な技術的基盤の構築(基 盤技術開発、先端技術開発等) ○官民の宇宙利用の拡大に資する技術開発の推進 ○情報通信、地球観測等技術試験のための衛星による宇宙実証の推進 ○射場、地上施設の整備・運用 ○宇宙科学の推進 ○航空科学技術の推進 (社会との連携・協力) ○産業の発展に資する強固な産学官の連携・協力体制の構築 ・人的交流の推進 ・開かれた柔軟な研究開発体制の構築 ・共同研究開発の推進、技術実証機会の提供 ・技術移転、民間委託の推進 ・大型試験施設・設備の供用の推進 ・利用の発掘 ○宇宙教育をはじめとする国民理解の増進等社会との対話の推進 (国際協力) 93 ○海外との共同研究開発、人的交流など国際協力の推進 (人材養成) ○次世代の研究開発を担う人材養成、個人の自由な発想による研究の支援 4.新機関における重点化の方向 (1)新機関における重点化に際して考慮すべき共通的課題 ①宇宙用部品の確保も含めた基盤技術の確立 我が国の宇宙開発は基盤技術が不足しており、全分野にわたり基盤技術を確立するこ とが急務となっている。 我が国において、自律的な宇宙開発利用活動を支えるためには、我が国の得意分野を 生かしつつ、高い信頼性、安全性及び効率化を実現する基盤技術の確立に傾注し、部品 レベルに至るまで宇宙機器を、国内で設計・製造・運用・利用できる能力を維持できる 体制を確立・保持する必要がある。 欧米の宇宙産業界においては、企業統合により、結果としてこのような体制が保持さ れているが、我が国においては、どのような方策・手法によりこの課題に取り組むべき か、政府・産業界において検討がなされる必要がある。また、新機関もこの課題への対 応において、積極的な役割を果たすべきである。 特に、宇宙用部品については、認定部品の製造システムを維持する企業が減り、宇宙 開発事業団が認定している宇宙用部品の数が減少している。このため、新機関において 民生部品の評価・研究による国産宇宙用部品の拡大等、長期的な宇宙用部品の開発戦略 や安定的な部品の確保の方策について検討を進めることが必要である。 その上で、ロケット開発においては、世界最高水準の信頼性の確立を目指し、衛星開 発においては、高信頼性の確立と同時に低コスト化の実現を目指す。 ②宇宙への参加を容易にする仕組み(「オープンラボ」)の構築 先端的研究開発の進展は、優れた個人の創意と発想によるところが大きいことに留意 し、広く内外の優れた発想を活用し、宇宙開発の場で世界をリードできる先端的な技術 開発を行い、新たな宇宙開発利用の可能性を拡大する「オープンラボ」を構築する必要 がある。この「オープンラボ」への参加者は、お互いにリスクを負いつつ、資源を持ち 寄って先端的技術の共同研究を行い、例えば、超小型衛星、小型衛星等を幅広く活用し て、極めて迅速に宇宙実証を行う。また、産業界にとって魅力ある場とするためには、 得られた技術的成果や観測情報が、商業市場にも展開してビジネスとして利益が得られ るような流れを作ることも重要である。さらに、宇宙への参加者を拡大するため、非宇 宙産業等と宇宙関係者との橋渡しを行うと同時に、大学、地域企業、中小企業を中心と した新しい芽を育てるための基盤を提供する。 ③官民の連携・協働体制の在り方の検討 我が国の宇宙開発利用活動の自律性を確保するために必要な技術を効率的に開発・保 持するため、開発した技術の民間への移転を含め、官民の適切な役割分担の下で連携・ 協働体制を強化する必要がある。そのため、官民の関係者からなる作業チームを文部科 学省に設置し、官民の連携・協働体制の在り方について検討を行う。宇宙開発委員会は、 その結果報告を聴取する。 (2)今後のロケット開発の進め方 情報収集衛星など国として重要な衛星を必要なときに所定の位置に展開できる独自 の輸送能力を保持することは、国及び国民の安全の確保に密接に関連した優先度の高い 94 活動である。 当面の目標として、H−ⅡA標準型ロケットについて世界最高水準の信頼性の確立に 傾注するともに、官民の役割分担を明確にした上で、H−ⅡA標準型ロケットの技術成 果を民間に移転し、民間移管の促進を図る。また、信頼性確立の一つの方策としても、 政府が衛星を打ち上げる場合には、国産ロケットの優先使用を基本とする。 具体的な今後のロケット開発の進め方については、我が国及び世界のロケット開発の 現状や商業打上げ市場動向を踏まえ、別紙1のとおりとする。 (3)今後の衛星開発の進め方 政府は、人工衛星を用いて、①通信・放送・測位、②地球観測、③宇宙科学研究、④ 情報収集、⑤航空交通管制等の宇宙開発利用を推進している。 ①通信・放送・測位及び②地球観測については、このうち、「我が国の宇宙開発利用 の意義への貢献が大きいものであること」、「研究、開発及び利用開拓を一体とした技術 開発であること」、「産業界および関係省庁と新機関との円滑な連携・協力体制を構築で きるものであること」、 「国際協力の戦略的発展が考えられること」、 「宇宙関連技術の国 際競争力の強化に資するものであること」等の要件を満たすと考えられるものを、重点 的に先導的基幹プログラムとして位置付け、地上における利用系の構築も視野に入れて、 効率的・効果的に技術開発を進める。その際、衛星の低コスト化と高信頼性の実現を目 指す。 ①の通信・放送等の分野では、世界的なIT革命の進展に見られるように技術革新が 速く、他の分野に比べて国民生活に直結した実利用が進んでおり今後も利用の拡大が期 待されていることから、関係機関と連携・協力し、積極的かつ迅速に先端的な技術開発 を推進していく。 ②の地球観測は、安全確保・危機管理をはじめとして、国土管理、気象、地球環境、 農林水産分野などに活用され、公共性、国際性が極めて高い活動であるため、国が主体 的に実施すべき活動である。また、この分野は、多くの省庁にまたがる場合が多いこと から、国全体として効率的な活動を実現するためには、新機関が中核となって、プロジ ェクトの推進を通じてこの分野の利用促進に積極的に取り組む。 これらの分野における具体的な今後の衛星開発の進め方については、我が国の衛星開 発の現状等を踏まえ、小型衛星による迅速な宇宙実証を視野に入れつつ、別紙2のとお りとする。 また、③宇宙科学研究については、国民の精神面においてはかり知れないほどの大き な価値を生み出す分野であり、その重要性は、物質的な便益の向上に匹敵するものであ る。したがって、研究者の自由な発想に基づいた運営が可能となることに留意しつつ、 今後も着実に宇宙科学を推進する。 なお、④情報収集及び⑤航空交通管制については、政府による利用の段階へ進んでお り、その計画を着実に進めていくことが重要であるが、宇宙開発の中核的機関である新 機関としても適切な協力を行う。 (4)国際宇宙ステーション(ISS)計画の今後の進め方 国際宇宙ステーション(ISS)計画は、人類として本格的に宇宙に活動の領域を広 げていく大きな一歩となる国際協力プロジェクトであり、我が国としてこれまで、日本 の実験棟(JEM。愛称「きぼう」 )の開発をはじめ着実に計画の推進を図ってきた。 一方、米国では、ISS計画の予算超過に端を発して、現在NASAにおいて各種見 直しの検討がなされている。また、宇宙飛行士のISSでの常時滞在が開始される中、 民間企業の参加など、ISSの利用及び運用に関する検討が世界的になされている。 このようなISS計画を取り巻く近年の環境の変化に対応し、利用計画の重点化、民 95 間活力の導入による運用・利用体制の効率化等の検討を行うとともに、JEM打上げを 含むスケジュール及び資金計画について必要な見直しを行い、今後とも引き続き、安全 で確実なJEMの打上げ及び有意義な運用・利用の実施に向けて、効果的・効率的にI SS計画を推進していく。(別紙3参照) (5)将来の宇宙開発利用への展開 21 世紀は宇宙の世紀であり、宇宙開発利用の成果が花開く時であると認識し、これか らの宇宙開発利用の新展開のための若木を育てていくことも新機関にとって極めて重要 な役割である。そのため、将来を見据えた再使用型輸送系及びその前段階となる使い切 り型ロケットの研究開発については、先端的・基盤的なロケット技術の研究開発の一環 とし、新機関の中核的業務として位置付け、重要な要素技術の開発を行っていくととも に、開発すべき輸送系の在り方等について、長期的視点に立ち、宇宙開発委員会での検 討を継続する。その際、最先端の研究開発を意欲的に行い得るような研究開発環境の整 備(施設・設備の整備・更新等)及び将来の射場システムの在り方についても検討する。 なお、再使用型輸送系に関する研究開発の本格的な着手は、基礎的な研究開発の成果 及び海外の趨勢を十分に評価した上で決定する必要がある。 また、衛星分野では、将来、多様な利用分野に用いられると予想される編隊飛行技術、 高性能観測センサ技術、さらなる超高速通信技術等の先端的技術開発を推進する。 さらに、将来は、宇宙観光も含め宇宙空間における人類の活動が拡大することが予想 されることから、ISSでの活動経験を通して、有人輸送技術の基礎的な調査研究を行 い、知見を積み重ねていくことが必要である。 5.宇宙開発活動のマネージメント プログラムとは、政策として決定される中長期の計画であり、一般に複数のプロジェ クトから構成される。プログラムを効率的・効果的に推進するためには、プログラムの 大きな目標に沿って、構成される各プロジェクトがお互いの成果を引き継ぎながら連綿 と展開していくことが必要である。また、プロジェクトの立案に当たっては、環境の変 化に柔軟に対応し、適時適切な評価を経て、重点化及び整理・合理化・削減を図ること が重要である。 プロジェクトを着実に実施するため、宇宙開発委員会は、 「宇宙開発に関するプロジェ クトの評価指針」に則り、プロジェクトの開発着手前に事前評価、終了時に事後評価を 実施する。また、開発着手後に、大きな環境変化等があった場合には、中間評価も実施 する。これらの結果については、公表して国民への説明責任を果たす。 96 別紙1 今後のロケット開発の進め方について 1.ロケット開発の現状 (1)世界のロケット開発の現状 宇宙開発は、高度に複雑なシステムであることに加え、宇宙における実証データが極 めて少ないという特徴から、品質・信頼性における不確実性を取り除くため、多くの打 上げ機会を通じて、経験及びデータの蓄積を図ることが必要である。米国は、国防総省 と航空宇宙局(NASA)において、我が国の 10∼20 数倍、欧州は、各国の宇宙機関 と欧州宇宙機関において我が国の 2∼4 倍の予算・人員を投じて、宇宙開発利用を行っ てきた。その結果、例えば、2002 年 3 月末までに、米国は、デルタロケットで 290 回(う ち、失敗 16 回)、アトラスロケットで 136 回(うち、失敗 13 回)、タイタンロケットで 200 回(うち、失敗 20 回)、欧州は、アリアンロケットで 149 回(うち、失敗 9 回)打 ち上げるなど、多くの実績・経験を積み重ねてきた。こうした大規模かつ長期間にわた る取り組みにより、米国やロシアは、幅広い打上げ能力・種類(ラインナップ)を保持 し、欧州は一つの型(アリアンロケット)により、世界の打上げ市場で大きな占有率を 確保している。 (2)我が国のロケット開発の現状 我が国は、米国、欧州等と比較して小規模な体制で、国際的な技術水準を達成してお り、H-ⅡAにより世界の主要ロケットと比肩し得る打上げ能力を獲得した。しかしな がら、打上げ実績は著しく少ないのが現状である。 (3)商業打上げ市場の動向 世界の商業打上げ市場は競争が激化している。当面の間、年間 30 機前後で推移する 中、中国やロシア等が参入してきている。今後の市場動向を見る限り、今後 10 年程度 は、5.5 トン(静止遷移軌道)までの衛星需要が大半を占めると見られている。 2.今後のロケット開発の基本方針 (1)自律性の確保 宇宙開発利用活動の基本は、必要な時に必要な物資や機器を宇宙空間の所定の位置に 展開する能力を確保することである。 (2)官民の役割分担の明確化と民間移管の促進 官民の役割分担を明確にした上で、自律性の確保に努める。民間の効率的かつ迅速な 経営手法によりコスト低減・信頼性向上を進めるため、H-ⅡA標準型の技術の民間移 管を円滑に進めるための環境の整備を行う。 (3)国産ロケット優先使用 民間移管への過程を、国として促進するための方策として、打上げ価格、衛星目的達 成に重大な問題が生じない限り、政府が衛星を打ち上げる場合には、国産ロケットの優 先使用を基本とする。 (4)今後のロケット開発の優先度 限られた資源の中で、前述の目標を効率的に達成するため、 「H-ⅡA標準型の信頼性 97 向上」と「H-ⅡA標準型の技術の民間移管」を当面の最優先課題として、資源の配分を 行う。 なお、「今後のロケット開発の進め方」については、宇宙開発委員会が適時適切な見 直しを行い、内外の環境変化に柔軟に対応していく。 3.基幹ロケットの開発方針 3.1 輸送手段の中核としてのH-ⅡA (1)我が国の基幹ロケットとしての位置付け 我が国としては、宇宙開発利用活動を視野に入れ、今後の多様な打上げ計画と整合性 のとれた輸送手段を確保することが必要である。 現在、計画されている政府の衛星のうち、最も高い輸送系能力を必要とするのは、静 止遷移軌道打上げ能力(以下、GTO)で 6 トン級である。他方、世界の商業打上げ市 場では、今後 10 年程度は 5.5 トンまでの需要が大半を占めている。 したがって、我が国が自律的な宇宙開発利用活動を展開するためには、GTO6 トン までの打上げ能力を持つH-ⅡA標準型を基幹ロケットとして位置付け、政府衛星の打 上げ機会を集中することが適当である。 (2)H-ⅡA標準型の信頼性向上の方策 H-ⅡA標準型については、新機関は、技術の民間移管と並行して、LE−7Aエンジ ンの残された技術課題の克服、運用段階における信頼性向上など、当面の間、世界最高 水準の信頼性の確立に傾注する。 (3)H-ⅡA標準型の技術の民間移管 基幹ロケットとして位置付けるH-ⅡA標準型については、今後、更なるコスト低減 や信頼性向上を図ることにより、ロケットの信頼性や国際競争力の確保を図っていく。 そのためには、民間的な経営手法による効率的な体制が適当であり、可能な限り早期に 技術の民間移管を進めることとし、製造責任の一元化、営業体制の強化等を推進する。 技術の民間移管の在り方等の検討を行うため、官民の関係者からなる作業チームを文部 科学省に設置し、これを促進する。なお、作業チームは、技術の民間移管に当たって国 が行うべき環境整備(射場整備等)及び国として自律性を確保するために必要な技術の 保持方策等についても早急に検討を行う。宇宙開発委員会は、その結果報告を聴取する。 (4)H-ⅡAの補完としての輸送手段 H-ⅡAの不具合や打上げ失敗などにより、自律的な宇宙開発利用活動に影響を及ぼ すことのないよう、国際協力や民間提唱の中小型ロケットの開発動向を考慮しながら、 柔軟な打上げ補完体制を構築することが必要であり、文部科学省において具体的な検討 を行う。 3.2 H-ⅡA増強型の開発の在り方 使い切り型ロケットが宇宙輸送系の根幹であることは当分続くものと予想されること から、H-ⅡAを我が国の基幹輸送手段として、将来にわたって打上げを確実に続けてい く。そのためには、ロケット開発・打上げを通じて技術水準の維持・向上、技術の伝承が 肝要である。国際宇宙ステーションへの物資補給、衛星の複数打上げによるコスト低減、 衛星の大型化に対応するため、H-ⅡA標準型以上の能力を持つ輸送系(H-ⅡA増強型) を開発する場合には、H-ⅡA標準型を基本に民間に主体性を持たせた官民共同開発を行 98 う。そのため、官民の関係者からなる作業チームを文部科学省に設置し検討を行う。宇宙 開発委員会はその結果報告を聴取する。 4.中小型ロケットの開発の在り方 政府の衛星については、H-ⅡA標準型を優先的に使用していくこととするが、H-ⅡA 標準型の補完、柔軟な中小型衛星・科学衛星の打上げ手段確保の観点から、当面の中小型 ロケットの開発については、以下のように進めていく。 4.1 民間提唱によるGXロケット開発について 宇宙開発事業団が研究開発を行うLNG推進系について詳細な評価を行った結果、別 添のとおり、総合的に判断してLNG推進系飛行実証プロジェクトについては、開発に 着手せず、研究を継続することが妥当であると判断した。 なお、LNG推進系の開発は、GXロケット構想自体の内容及び進捗状況に左右され る。また、宇宙開発事業団の研究開発は、技術の民間移管を通して、民間の活力を活か しつつ、宇宙開発利用の諸目標に貢献することが期待されている。このため、今回、技 術移転先として予定されているGXロケット構想の意義等についても議論を行った。 その結果、 (1)我が国が輸送系において自律性を確保する方針との整合性 (2)国際市場における競争力の優位性確保の見通し (3)官民の役割分担の在り方 などの論点が出された。別添で示されている課題(a)∼(c)への今後の対応を踏 まえて、改めて、宇宙開発委員会が評価を行うことが適当である。 4.2 科学衛星の打上げ手段 (1)科学衛星打上げのためのロケット 我が国の宇宙科学は、大型中心の欧米とは異なり、ほぼ年 1 機の中小型衛星の打上げ により、世界水準に成長した。今後 10 年余りのうちに我が国で打ち上げることを想定 している科学衛星は、M−Ⅴクラスの中小型が主流であり、他にH-ⅡA、アリアンク ラスが幾つか想定されている。 (2)今後の科学衛星の打上げ手段 政府の衛星の打上げにはH-ⅡA標準型を優先的に使用することが基本であるが、科 学衛星の打上げに当たっては、極限の性能を追及することや限定された打上げ条件への 対応など、科学衛星の特徴を十分に活かし、最大限良い条件を確保することが必要であ る。そのため、現在は他に代替手段がないことから、当面の間、M−Ⅴを使用すること とし、国内での他の代替手段が信頼性等の観点から確立した時点で、改めて科学衛星の 打上げ手段を検討する。 なお、M−Ⅴについては、宇宙 3 機関の統合を機に政府としての研究開発を終了し、 この研究開発に向けていた資源を幅広い宇宙科学研究に活用する。 99 別紙2 今後の衛星開発の進め方について 1.衛星開発の現状 (1)我が国の衛星開発の現状 我が国においては、開発機関が利用機関と一体となって開発した通信衛星(CS)、 放送衛星(BS)、気象衛星(GMS)等の成果により、世界最先端の衛星通信・放送 分野の技術を獲得するとともに、それらの成果の国民生活への活用を進めてきた。しか しながら、1990 年の非研究開発衛星の公開調達に関する日米合意によりその開発体制は 大きく変化した。 また、その後のETS−Ⅵ、ADEOS等の不具合により、基盤的技術の未熟さが明 らかになった。さらに相次ぐ打上げの失敗により、我が国の宇宙開発に空白期間が生じ、 衛星開発に係わる技術力の遅れが顕著となってきている。 (2)商業衛星市場の動向 東西冷戦構造の終焉に伴い、欧米では軍事技術の民生利用への転換により産業化が大 きく進展してきた。その結果、商業静止衛星市場は欧米にほぼ独占されている。我が国 の産業界においては、通信衛星用の送受信機等の一部の機器・部品について国際競争力 を有するが、衛星システムとしての市場参入は緒についたばかりである。 2.今後の衛星開発の基本方針 我が国の宇宙開発利用を拡大するため、衛星の研究開発に当たっては、常に利用者と の連携を図り、利用開拓と一体となった衛星開発を行う。 2.1 地球観測分野における先導的基幹プログラム (1)プログラムの目標 衛星による地表・海面の観測は、災害情報監視等に利用され、国民の安全確保に大き く貢献し重要である。 また、地球環境問題は人類全体の生存にかかる問題であるとともに、気候変動に関す る政府間会合等国際的取り組みへの日本としての貢献が求められており、必要性、緊急 性が高い課題である。 これらの活動は、公共性、国際性が極めて高いため、国が中心になって行うべきであ る。 国内関係機関との連携・協力体制の下、今後 10 年後頃に、広域災害情報監視・利用 システムの実証等を目指す。 また、地球環境問題の中で特に必要性・緊急性の高い地球温暖化問題への取り組みに 集中し、今後 10 年後頃に高頻度で継続的に観測できるシステムを、国際的な協力体制 の下に構築することを目指す。 (2)対象となる観測分野と必要な要素技術 各国との国際分担等を勘案し、今後 10 年の間に、新機関が関係省庁との協力・分担の 下に観測する分野とそれを実現するため開発・実証することが期待される要素技術分野 例は次のとおり。 100 ○地表観測(高空間分解能合成開口レーダ、高空間分解能光学センサ) ○温室効果気体の観測(温室効果気体センサ、オゾン・広域大気汚染センサ) ○水循環変動の観測(2 周波降雨レーダ、雲鉛直分布レーダ) ○気候変動の観測(多周波光学センサ、マイクロ波放射計) (3)本プログラム達成のためのプロジェクト 観測項目を効率的かつ重点的に組み合わせ、既存計画も含め、今後 10 年後頃までに、 広域災害情報監視・利用システムの実証、地球温暖化問題、衛星を用いた全球地図作成・ 更新システムの実証、農作物・鉱物資源等の観測手法の確立を目指す以下の観測を行う プロジェクト及びそれらのデータを容易に利用するための技術開発に優先的な資源配 分を行う。 ①地表観測 平成 16 年度打上げ予定のALOSにより地表観測を行い、発災時の初動体制の整 備のための広域災害情報監視・利用システムの実証、衛星を用いた全球地図作成・更 新システムの実証、農作物・鉱物資源等の観測手法の確立を行う。 ②温室効果気体の観測 地球温暖化の原因の解明のため、今年度打上げ予定のADEOS−Ⅱにより、メタ ン等の温室効果気体の観測を試験的に行う。さらなる予測モデルの高度化のため、二 酸化炭素、広域大気汚染物質の観測を行う。 ③水循環変動の観測 現在運用中のTRMMにより熱帯・亜熱帯地域の降水観測を行う。その後、小型衛 星群を用いて、3 時間毎の観測頻度で全球の降雨・降雪の観測を行う計画について、 国際協力も踏まえ検討する。 ④気候変動の観測 ADEOS−Ⅱ、ALOS等により、海洋、植生、雪氷域、雲・エアロゾル等の観 測を行う。 ⑤データ利用システムの構築 利用者が容易にかつ効率的にデータを利用できるシステムを、利用機関との適切な 役割分担の下で構築する。 2.2 通信・放送・測位分野における先導的基幹プログラム (1)プログラムの目標 我が国は、政府、産業界等の努力により、アンテナ技術、新しい周波数帯の開拓、広 帯域・大電力増幅器等において大きな成果を得てきたが、規制緩和による衛星通信事業 のグローバル化の進展等に伴い、宇宙機器産業も激しい国際競争に直面している。 政府は、既存の地上系システムとの整合性を図りつつ、民間では対応できない不確定 性の高い先端的・基盤的技術や将来の宇宙利用を見据えた先導的技術の開発・宇宙実証 を行うことにより、実用化への橋渡しを行う。これにより、民間の衛星ネットワークの 整備・サービス提供等が期待される。 (2)対象となる要素技術分野 各国における技術開発の進展状況を勘案し、今後 10 年の間に、新宇宙機関が関係省 101 庁等の協力・分担の下に開発・実証することが期待される要素技術分野例は次のとおり。 ○高度なアンテナ技術 ○高度な搭載通信・放送機器技術 ○新軌道の開拓 ○新周波数帯の開拓(光含む) ○搭載用原子時計等衛星測位技術 ○高度衛星間通信技術 ○通信ネットワーク技術 ○高度地球局技術 ○大型衛星バス技術 (3)本プログラム達成のためのプロジェクト 上記(2)の要素技術を効率的かつ重点的に組み合わせて、開発及び宇宙実証を行う。 そのため既存計画において既に進展が認められる衛星開発計画を、以下の順に優先的に 実施するとともに、先端的・基盤的要素技術を早期かつ低コストで実証するため、小型 衛星等を用いた宇宙実証を積極的に行う。 ①先端的衛星通信技術の開発実証(Ⅰ) S帯大型展開アンテナ(携帯端末用)、パケット交換機、デジタル音声放送技術、3 トン級通信衛星バス等の開発実証を目的とする大型衛星プロジェクト(ETS−Ⅷ) を推進する。 ②先端的衛星通信技術の開発実証(Ⅱ) e-Japan 重点計画に掲げられている超高速インターネット衛星の早期実用化のため の技術(Ka 帯アクティブフェーズドアレイアンテナ、Ka 帯マルチポートアンプ、衛 星搭載ATM交換機等)の開発実証及び利用実証の場の提供を目的とするプロジェク ト(WINDS)を推進する。 ③新軌道開拓及び移動体通信・測位システム技術の開発実証 新軌道である準天頂軌道による移動体通信・測位システムの開発とその運用性を実 証する。その開発実証の進め方については、今後、産官が連携して検討し、具体化を 図る。 ④小型衛星等を用いた先端的・基盤的要素技術開発 技術革新の速い衛星の先端的・基盤的要素技術の研究開発に当たっては、開発期間 の短縮、早期の宇宙実証、開発コストの低減を図るため、技術リスクや実証時期も勘 案の上、各プロジェクトの研究開発と並行して、小型衛星等による実証を推進する。 102 別紙3 国際宇宙ステーション(ISS)計画の今後の進め方について 1. はじめに 国際宇宙ステーション(ISS)計画は、日本、米国、ロシア、欧州、カナダの5極15 カ国が参加する国際協力プロジェクトであり、人類として本格的に宇宙に活動の領域を広 げていく大きな一歩となるものである。我が国が ISS 計画に参加し、有人宇宙技術の修得 をはじめとする先端技術開発と宇宙環境を利用した科学研究等の活動を推進する貴重な 機会を得ることは、国際的な貢献を果たしていくだけでなく、我が国の宇宙開発利用の展 開にとって大きな意義を有する。この観点から、我が国はこれまで、日本の実験棟(JEM。 愛称「きぼう」)の開発をはじめ着実に計画の進展を図ってきたところであり、今後とも、 安全で確実な JEM の打上げ及び有意義な運用・利用の実施に向けて、計画を推進していく。 一方、米国におけるISS計画の見直し、ISS利用の準備の進展と利用拡大・多様化 への要請、厳しい国内財政事情、宇宙3機関の統合など、我が国のISS計画を取り巻く 環境は近年大きく変化している。ISS 計画は長い期間と多くの経費を要する計画であり、 その推進に当たっては、安定かつ着実な実施とともに、状況の変化に適時的確に対応する ことが重要となる。従って、ISS 計画の意義を踏まえその目標を達成するための取り組み を進めるとともに、近年の環境変化に対応し、我が国の ISS 計画をより効果的・効率的な ものにする観点から、計画の実施にかかる検討を行う必要がある。 2. 計画検討の基本的方向 米国における ISS 見直し検討に対しては、ISS での活動が我が国をはじめとする参加各 極の期待に応え得るものとなるよう引き続き要請するとともに、十分な国際調整を行って いく。これに併せ、我が国の ISS 計画に関して、以下の方向で検討を行う。 (1) JEMの確実な打上げに向けた準備 我が国の ISS 計画のこれまでの進展を踏まえ、有人宇宙技術等の先端技術の着実な蓄積 と宇宙環境利用の推進のため、米国をはじめとした参加各極における検討状況に対応しつ つ、安全・確実な JEM 打上げに向けた準備について引き続き着実に推進していく。 (2) JEM利用計画、運用・利用体制 利用計画については、これまでの地上における研究や利用の準備の進展を受け、科学研 究や技術開発等のそれぞれの分野において重点化を図るとともに、さまざまな発展可能性 を確保し、利用の多様化を図るための検討を行う。また、我が国の ISS 計画を効果的・効 率的に実施するため、運用・利用の体制について、民間活力の導入など、従来の枠組みに とらわれない観点より検討を行い、経費の削減とともに利用サービスの向上や柔軟性の確 保を図る。 (3) スケジュール及び資金計画 利用計画や運用・利用体制の見直し及び今後見込まれる状況の推移に対し余裕をもって対 応するとともに、我が国の宇宙開発利用全体の整合性の中で資金規模の適正化を図るため、 JEM 打上げを含むスケジュール及び資金計画についても必要な見直しを行う。 3. 利用計画の見直し 103 3.1 基本的な考え方 JEM を一層有効に活用していくためには、宇宙開発機関にとどまらない利用の拡大が重 要であり、従来の宇宙関係の枠組み以外からの JEM 利用への参加と財源の多様化について、 積極的に促進していく。また、従来の宇宙開発利用としての取り組みについては、費用対 効果の観点から利用計画の重点化を図っていく。 3.2 利用分野毎の重点化等の考え方 (1) 科学研究分野 これまで研究コミュニティとの連携、科学利用の裾野の拡大を進めてきた成果を踏まえ て選択と集中を行い、国際的に競える研究分野を優先的に実施して適時的確な成果創出を 目指すとともに、国際的に高い評価を得ている科学観測を優先的に実施することにより国 際貢献を目指す。 当面の搭乗員3人体制による影響に対しては、研究領域毎もしくは装置毎の集中利用期 間を設定し、実験及び搭乗員作業の効率化を図ることや、既存装置の自動運転機能、地上 からの遠隔運用機能の活用などにより、これを軽減する方策を講ずる。 (2) 先端技術開発分野 有人宇宙技術については、JEM等の軌道上検証を確実に行い、基盤技術開発の達成度 を確認するとともに、JEM等を宇宙実証実験室として利用し、将来の有人宇宙活動に必 要となる技術を開発・蓄積を図る。そのための目標設定とそれを達成するための道筋の作 成を実施する。 JEM曝露部を利用した技術開発については、当面は実験室としての機能の検証と技術 データの取得に重点を置き、将来的には、JEM特有の実験環境を活用した先端技術の開 発の検討を行う。 (3) 応用利用分野 産業界や関係省庁によるR&D利用を促進するため、宇宙環境利用の有効性を実証する ための取り組みを推進する。特に、ポストゲノム時代における蛋白質構造解析・機能解析 のための蛋白質結晶育成の分野で、大きな需要が期待できるため、JEM利用に先立って 継続的に宇宙実験の機会を確保して早期の成果創出を目指す。また、他の分野についても 応用利用領域の開拓を進める。 (4) 一般利用分野 従来取り組んでいる科学研究・技術開発利用に加えて、科学や技術に対する興味・関心 を醸成したり、宇宙利用に対する新たな価値観の形成を促すような新たなISS利用事業 を積極的に展開し、利用の拡大を図る。 3.3 利用の分野間の資源配分 利用を効果的に進めるためには、 「科学研究」、 「先端技術開発」、 「応用利用」、 「一般利用」 の各分野間の需要、成果を見極めつつ、重み付けや軌道上資源配分について、大枠を設定 することが必要である。 104 4. 運用・利用体制の整備の方向性 4.1 基本的な考え方 環境変化を踏まえ、計画をより効果的・効率的に推進するために、利用・運用体制を、 サービスの提供者と利用者の切り分け、サービスの向上・柔軟性確保のための民間活力導 入の観点より検討を行う。 4.2 利用分野毎の体制の考え方 (1) 科学研究分野 新宇宙機関が、大学共同利用システムなどをその長所を活かしつつ活用し、関連機関と連 携して推進できる体制を構築するとともに、研究コミュニティと連携して広範な研究の推 進、育成及び多様な財源を確保する方策について検討する必要がある。 (2) 先端技術開発分野 新宇宙機関が大学・研究機関・民間との効果的な連携を図りつつ、JEMを軌道上実験 室として効果的に利用できる体制を構築する。 (3) 応用利用分野 産業界及び関係省庁による宇宙環境利用を促進するため、当面は新機関がこれらの関係 機関と連携(共同研究、共同プロジェクト)して宇宙環境利用の有効性を実証する取り組 みを推進しつつ、産業界及び関係省庁の主体性を活かせる体制の整備と段階的な移行を図 る。 (4) 一般利用分野 民間の主体的な取り組みによる利用の分野については、利用機会を開放し、民間活力によ る体制を検討するとともに、教育等公的な取り組みを要する分野については、新機関が関 係機関と連携しつつ実施する体制の構築を図る。また、民間利用促進のための適切な制 度・枠組みについて検討する。 4.3 利用体制全体の課題 各利用分野の目的を達成するため、それぞれの特徴を活かしたきめ細かな推進体制の整 備、分野間の資源配分に関する総合調整のための機構の整備、新宇宙機関・関係省庁・大 学・研究機関・民間との効率的・効果的な連携の実現について検討する必要がある。 4.4 JEM等のシステム運用体制の取り組み 従来は、初期段階の運用・利用の終了後も、民間企業等の支援を受けて、定常段階の運 用と利用推進をNASDAが引き続き実施し、JEMやHTVの運用を通じて、有人宇宙 活動に係る技術の蓄積を実施することとしていた。今後、有人宇宙技術蓄積、JEMの有 人安全、宇宙飛行士の訓練・認証・健康管理に係る業務等については、引き続き新宇宙機 関が実施することとするが、定常化した運用業務については、確立した技術を段階的に民 間に移転し、JEMやHTVの運用へ民間活力を導入することにより、JEMやHTVの 運用の効率化、運用経費の削減を図る。 4.5 民間活力の導入 105 初期運用段階終了を目途にJEM等の運用・利用への民間活力導入を図るべく、検討を 開始する。検討に当たっては、民間の参画に当たっての事業性の評価を踏まえ、政府/新 機関/民間企業の役割分担について整理するとともに、民間からの提案を積極的に受けつ つ、作業を進める。 5. スケジュールの考え方 JEM の開発や運用・利用に向けた準備については、安全・確実に JEM を打ち上げ、軌道 上検証が実施できるよう、これまでの進展と国際調整を踏まえ、引き続き着実に推進して いく。 一方、利用計画の重点化や運用・利用体制の効率化等を行うに当たっては、研究コミュ ニティとの調整や民間企業との連携等を含めて周到な準備を行うことが重要である。 また、米国における ISS 計画の見直し検討等の今後の推移を見極めていくことも重要と なる。このため、今後見込まれる状況の推移に対して余裕をもって対応可能となるよう、 国際パートナーとの調整を踏まえつつ、JEM 打上げを含むスケジュールに関して見直しを 行い、計画の安定性と柔軟性を確保することとする。 6. 資金計画の考え方 我が国のISS計画に関する資金規模に関しては、確実な開発や運用に向けた十分な資 金の確保を図る必要がある一方、厳しい国内財政事情を踏まえ、我が国の宇宙開発利用全 体の整合性の中で、適正化を図る必要がある。 特に、定常運用経費については、国際パートナーと調整を図りつつ、利用計画の重点化 や民間活力導入による利用・運用体制の効率化等を図ることにより、従来の試算からの大 幅な削減に努める。 7. 今後の進め方 我が国の ISS 計画については、今後、以上の考え方に基づき計画の確実な実施について 検討を進める。 米国における ISS 計画見直しの状況等を踏まえるとともに国際パートナーとの調整を進 めつつ、今後、利用計画、運用・利用体制について1年程度をかけ、文部科学省及び宇宙 開発事業団において検討を行う。なお、スケジュール見直しなど、予算への反映が必要な 事項については早急に検討を行う。また、特に、利用計画の見直しに当たっては研究コミ ュニティとの十分な調整と意見の反映を確保するとともに、一般の国民に対して理解を得 るよう努める。 宇宙開発委員会は、検討の状況について、適宜報告を受けるとともに、その結果につい て、適切な時期に審議を行う。 106 別添 「LNG推進系飛行実証プロジェクト」の評価結果について 宇宙開発事業団は、将来輸送系等に採用することに向けて、液化天然ガスを燃料とする 「LNG推進系」の研究を行ってきた。今般、民間の提唱によるGXロケットの開発機会 を捉え、その第 2 段エンジンとしてLNG推進系を利用し、平成 17 年度を目途に飛行実 証を行うことについての提案がなされた。このため、宇宙開発事業団が研究開発を行うL NG推進系について詳細な評価を行った。 その結果、 (a)宇宙開発事業団として、水素推進系の信頼性向上を重点的に進めている状況下でL NG推進系に開発着手し、その飛行実証を平成 17 年度に行う緊急性について積極的 な根拠は認められず、今後、LNG推進系プログラムのロードマップを明らかにした 上で、LNG推進系飛行実証プロジェクトの位置付けを明確にする必要があること、 (b)費用対効果の観点から将来展開を見据えたターボポンプ方式等の他の選択肢との比 較検討を実施すべきであり、また、基盤技術の成熟化を図るため、今後、燃焼反応、 複合材タンクの剥離・座屈に関する解析を実施し、試験データと併せて総合的な検討 を行うべきであること、 (c)ロケット全体のリスクを管理する上で必須である打上げ安全に必要な技術情報の開 示について、GXロケットが第 1 段エンジンのみならず、誘導制御系、全段システム インテグレーションに至るまで米国企業の支援を受けるため、米国政府による技術輸 出許可の見通しも含めて、必要な情報が開示可能であることを確認する必要があるこ と、 から、総合的に判断してLNG推進系飛行実証プロジェクトについては、開発に着手せず、 研究を継続することが妥当である。 107 12.宇宙関連ウェブサイト 宇宙開発関連の情報収集に利用できるウェッブサイトです。公的機関・教育機関を中心 に掲載してあります。サイトの管理者により、名称の変更または閉鎖されている場合もあ ります。 日本機械学会宇宙工学部門 http://www.jsme.or.jp/sed/ * 宇宙開発委員会 http://www.sta.go.jp/b_menu/shingi/index.htm * 宇宙科学研究所 http://www.isas.ac.jp 宇宙開発事業団 http://www.nasda.go.jp * NASA http://www.nasa.gov 航空宇宙技術研究所 http://www.nal.go.jp 通信総合研究所 http://www.crl.go.jp NASAの日本語ページ http://www.hq.nasa.gov/office/codei/japan/ 世界の宇宙開発関連のウェッブサイトです。(一部、上記と重複しています。企業は除外してあります。) International United Nations Economic and Social Commission for Asia and the Pacific http://unescap.org/index.html Committee on Space Research http://cospar.itodys.jussieu.fr/ United Nations Office for Outer Space Affairs http://www.un.or.at/OOSA_Kiosk/ Eumetsat http://www.eumetsat.de/en/ Asia European Space Agency (ESA) http://www.esa.int/ European Space Research and Technology Center http://www.estec.esa.nl/index.html ■China ・Laboratory/Institute China Academy of Launch Vehicle Technology http://www.calt.com.cn/ European Space Science Committee http://www.esf.org/essc/ Chinese Academy of Space Technology http://www.cast.ac.cn/English/index.html European Union http://europa.eu.int/ Institute of Remote Sensing Applications http://www.ihep.ac.cn/ins/IRSA/irsa.html Eutelsat http://www.eutelsat.org/home.html ■India ・Government Indian Space Research Organization http://www.isro.org/ Inmarsat http://www.inmarsat.org/ National Remote Sensing Agency http://www.stph.net/nrsa/ INTELSAT http://www.intelsat.int/ ■Japan ・Government Japan Marine Science & Technology Center (JAMSTEC) http://www.jamstec.go.jp/index-e.html International Astronomical Union http://www.iau.org/ International Astronautical Federation (IAF) http://www.iafastro.iplus.fr/ National Astronomical Observatory http://www.nao.ac.jp/ International Space University (ISU) http://www.isunet.edu/ National Space Development Agency of Japan (NASDA) http://www.nasda.go.jp/index_e.html International Telecommunication Union (ITU) http://www.itu.int/ 108 Science And Technology Agency (STA) http://www.sta.go.jp/index-e.html (ISAS) http://www.isas.ac.jp/tindex-eS.html Space Activities Commission (SAC) http://www.sta.go.jp/shimon/SAC/INDEX.HTM ・University Iwate University / Department of Mechanical Engineering / Aerospace-Innerspace Research Group http://turbo.mech.iwate-u.ac.jp/Defaulte.htm Telecommunications Advancement Organization of Japan (TAO) http://www.shiba.tao.go.jp/ Kyushu University / Department of Aeronautics and Astronautics http://www.aero.kyushu-u.ac.jp/aero.html ・Association/Society Chubu center for Space industry, Science and Technology http://www.tcp-net.ad.jp/c-stec/english3.htm Nihon University / College of Science and Technology / Department of Aerospace Engineering http://www.aero.cst.nihon-u.ac.jp/index.html Society of Japanese Aerospace Companies, Inc. (SJAC) http://www.sjac.or.jp/index.htm Tohoku University / Department of Aeronautics and Space Engineering http://www.mech.tohoku.ac.jp/mech-labs/tssaitoh/inde x.html ・Laboratory/Institute Communications Research Laboratory (CRL) http://www.crl.go.jp/overview/index.html Tokai University / Department of Aeronautics & Astronautics http://www.ms.u-tokai.ac.jp/index_e.html Earth Remote Sensing Data Analysis Center (ERSDAC) http://www.ersdac.or.jp/ University of Tokyo / Institute for Cosmic Ray Research http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/ Hiraiso Solar Terrestrial Research Center http://hiraiso.crl.go.jp/ Japan Atomic Energy Research Institute http://www.jaeri.go.jp/english/index.cgi ■Korea ・Laboratory/Institute Electronics and Telecommunications Research Institute http://www.etri.re.kr/temp/eindex.html Japan Nuclear Cycle Development Institute http://www.pnc.go.jp/indexe.html Micro-Gravity Laboratory of Japan http://www.iijnet.or.jp/ersdac/index.html Korea Advanced Institute of Science & Technology (KAIST) http://www.kaist.ac.kr/edex.html National Aerospace Laboratory (NAL) http://www.nal.go.jp/old/Welcome-o.html Korea Aerospace Research Institute (KARI) http://www.kari.re.kr/index.html National Institute for Environmental Studies http://www.nies.go.jp/index.html ■Malaysia ・Government Malaysian Centre For Remote Sensing http://www.macres.gov.my/macfst2.htm National Institute for Research in Inorganic Materials http://www.nirim.go.jp/ National Institute of Radiological Sciences http://www.nirs.go.jp/ENG/nirs.htm Ministry of Science, Technology and Environment, Space Science Studies Division http://www.baksa.gov.my/ National Institute of Science and Technology Policy http://www.nistep.go.jp/ National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention http://www.bosai.go.jp/index.html ■Singapore ・University Centre for Remote Imaging, Sensing and Processing, The National University of Singapore http://www.crisp.nus.edu.sg/ Remote Sensing Technology Center of Japan (RESTEC) http://www.restec.or.jp/restec_e.html Nan yang Technological University, Division of Communication Engineering http://www.ntu.edu.sg/eee/structure/comm.htm The Institute of Physical and Chemical Research http://www.riken.go.jp/ ■Taiwan ・Government National Science Council http://www.nsc.gov.tw/english/index.html The Institute of Space and Astronautical Science 109 National Space Program Office http://www.nspo.gov.tw/e30/welcome.html ■Germany ・Government DLR http://www.dlr.de/ ・University Center for Space and Remote Sensing Research http://www.csrsr.ncu.edu.tw/ German Remote Sensing Data Centre http://www.dfd.dlr.de/index.html.en ■Thailand ・Government National Research Council of Thailand http://www.nrct.go.th/ ・Association/Society German Aerospace Industries Association (BDLI) http://www.bdli.de/index.htm Thailand Remote Sensing Center http://www.nrct.go.th/remoteSensing/intro.html ・University University of Stuttgart / Institut fur Raumfahrt Systeme http://www.irs.uni-stuttgart.de/IRS_index.html EC ■Austria ・University Austrian Remote Sensing Data Center http://www.ofd.ac.at/ofd/hmofd_e.html ■Italy ・Government Agenzia Spaziale Italiana (ASI) http://www.asi.it/ Austrian Research Centers http://www.arcs.ac.at/C/CI/projects/aero ■Netherlands ・Government Netherlands Agency for Aerospace Programmes http://www.nivr.nl/welcnew.htm ■Belgium ・University Von Karman Institute for Fluid Dynamics http://www.vki.ac.be/ Netherlands Remote Sensing Board http://www.minvenw.nl/rws/mdi/bcrs/ ■Denmark ・Government Danish Centre for Remote Sensing http://www.dcrs.dtu.dk/ Space Research Organization Netherlands http://www.sron.nl/home.html ・Association/Society Netherlands Astronautical Society http://www.dataweb.net/~nvr/ Danish Space Research Institute http://www.dsri.dk/ ・Laboratory/Institute National Aerospace Laboratory http://www.nlr.nl/public/index.html ■Finland ・Laboratory/Institute Technical Research Centre of Finland http://www.vtt.fi/ TNO-Prins Maurits Laboratory http://www.tno.nl/instit/pml/index.htm ・University Space Institute, U of Oulu http://www.oulu.fi/~spaceweb/space_institute.html ・University Space Technology http://www.toptech.tudelft.nl/spacetech/space.htm ■France ・Government Centre d'etudes et de Recherches de Toulouse (CERT) http://www.cert.fr/index.a.html ■Norway ・Government Norwegian Space Centre http://www.spacecentre.no/3_hoveddel.html Office National d'Etudes et de Recherches Aerospatiales (ONERA) http://www.onera.fr/english.html ・University Nansen Environmental & Remote Sensing Centre http://www.nrsc.no/New/main.html Centre National D'Etudes Spatiales (CNES) http://www.cnes.fr/ ■Spain ・Government Instituto Nacional de Tecnica Aeroespacial http://www.inta.es/ ・Association/Society Eurospace http://www.eurospace.org/ ■Sweden ・Government Swedish Institute of Space Physics French Aerospace Industries Association (GIFAS) http://www.gifas.asso.fr/ 110 http://www.irf.se/ ・Laboratory/Institute Human Performance Laboratory http://www.hpl.ists.ca/ ・University Lulea University of Technology / Department of Mechanical Engineering http://www.luth.se/depts/mt/strl/ ・University Carleton University / Department of Mechanical & Aerospace Engineering http://kingpin.carleton.ca/ ■Switzerland ・Laboratory/Institute International Space Science Institute http://vega.unibe.ch/ Groupe Aerospatial de I'Universite Laval http://www.gel.ulaval.ca/~gaul/ ■United Kingdom ・Government British National Space Centre (BNSC) http://www.bnsc.gov.uk/ University of Tronto / Institute for Aerospace Studies http://www.utias.utoronto.ca/ ■United States of America ・Government Associate Administrator for Commercial Space Transportation http://ast.faa.gov/ Defense Evaluation and Research Agency (DERA) http://www.dera.gov.uk/ ・University Bristo Univerisity / Aerospace Engineering http://www.fen.bris.ac.uk/aero/ Ballistic Missile Defense Organization (BMDO) http://www.acq.osd.mil/bmdo/bmdolink/html/bmdolink .html Imperial College, Space & Atmospheric Physics http://www.sp.ph.ic.ac.uk/frontpage.html Central Intelligence Agency (CIA) http://www.odci.gov/cia/ciahome.html Mullard Space Science Lab, UC London http://www.mssl.ucl.ac.uk/ Defense Advanced Research Projects Agency (DARPA) http://www.darpa.mil/ Small Satellites Home Page http://131.227.50.21/CSER/UOSAT/SSHP/const_list.ht ml Department of Energy (DOE) http://home.doe.gov/ University of Birmingham, astrophysics and Space Research Group http://www.sr.bham.ac.uk/ Federal Communications Commission (FCC) http://www.fcc.gov/ Mid-Atlantic Technology Applications Center (MTAC) http://www.mtac.pitt.edu/WWW/ University of Glasgow / Department of Aerospace Engineering http://www.aero.gla.ac.uk/ National Aeronautics and Space Administration (NASA) http://www.nasa.gov/ Middle-east ■Israel ・Government Israeli Aerospace Medicine Institute (IAMI) http://www.iami.org.il/ National Imagery and Mapping Agency (NIMA) http://www.nima.mil/ National Oceanic and 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http://cass.jsc.nasa.gov/lpi.html Office of Air and Space Commercialization http://www.doc.gov/oasc.html Mars Society http://www.marssociety.org/ Office of Management and Budget (OMB) http://www.whitehouse.gov/WH/EOP/omb Mobile Satellite Users Association http://www.msua.org/mobile.htm President's Committee of Advisors on Science and Technology (PCAST) http://www.whitehouse.gov/WH/EOP/OSTP/NSTC/PC AST/pcast.html National Association of Rocketry http://www.nar.org/ State Department http://www.state.gov/ National Center for Microgravity Research on Fluids and Combustion http://www.ncmr.org/ United States Geological Survey (USGS) http://www.usgs.gov/network/science/astronomy/ National Space Society On-Line http://www.nss.org/ United States Space Command (USSC) http://www.spacecom.af.mil/usspace/ Planetary Society http://www.planetary.org/ White House Office of Science and Technology Policy (OSTP) http://www.whitehouse.gov/OSTP.html Pro Space http://www.prospace.org/ Satellite Industry 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Services Inc. http://www.anser.org/ Lawrence Livermore National Laboratory http://www.llnl.gov/ Artemis Society International http://www.asi.org/ Sandia National Laboratories http://www.sandia.gov/ Berkeley Illinois Maryland Association http://bima.astro.umd.edu/ ・University 2MASS,University of Massachusetts http://pegasus.phast.umass.edu/2mass/teaminfo/ Challenger Center for Space Science Education http://www.challenger.org/ 112 Arizona State University NASA Space Grant Program http://www.eas.asu.edu/~nasasg San Diego State University / College of Engineering / Department of Aerospace Engineering http://kahuna.sdsu.edu/engineering/aerospace/ Auburn University / Department of Aerospace Engineering http://www.eng.auburn.edu/department/ae/welcomeae. html SETI Institute (Search for Extraterrestrial Intelligence) http://www.seti-inst.edu/ BioServe Space Technologies, a NASA Commercial Space Center http://www.ksu.edu/bioserve/ Space Telescope Science Institute http://oposite.stsci.edu/ Stanford University / Department of Aeronautics and Astronautics http://aa.stanford.edu/ California Polytechnic State University / Aeronautical Engineering Department http://www.calpoly.edu/~aero/ Students for the Exploration and Development of Space http://seds.lpl.arizona.edu/ Clarkson University / Center for Advanced Materials Processing http://www.clarkson.edu/~dcamp/ Tufts University / Wright Center for Science Education http://www.tufts.edu/as/wright_center/index.html Cornell University http://www.mae.cornell.edu/ University of California / Center for EUV Astrophysics http://www.cea.berkeley.edu/ Florida Institute of Technology / Department of Physics and Space Sciences http://www.pss.fit.edu/ University of Cincinnati / Department of Aerospace Engineering & Engineering Mechanics http://www.ase.uc.edu/ Georgia Institute of Technology / Aerospace Engineering http://www.ae.gatech.edu/ University of Colorado / Center for Aerospace Structures http://caswww.colorado.edu/ Institute of Geophysics and Planetary Physics, UCSD http://topex.ucsd.edu/ University of Illinois / Department of Aeronautical & Astronautical Engineering http://www.aae.uiuc.edu/ Iowa State University / Department of Aerospace Engineering & Engineering Mechanics http://www.public.iastate.edu/~aeem/homepage.html University of Kansas / Department of Aerospace Engineering http://reagan.engr.ukans.edu/~ae/ Massachusetts Institute of Technology / Department of Aeronautics and Astronautics http://web.mit.edu/aeroastro/www/core.html University of Michigan / Department of Aerospace Engineering http://www.engin.umich.edu/dept/aero/ Massachusetts Institute of Technology / Fluid Dynamics Research laboratory http://raphael.mit.edu/casl.html University of Missouri / Mechanical Engineering, Aerospace Engineering, Engineering Mechanics http://www.umr.edu/~maem/index.html Mississippi State University / National Science Foundation http://www.erc.msstate.edu/ University of North Dakota / School of Aerospace Sciences http://www.aero.und.nodak.edu/ North Carolina State University / Mechanical & Aerospace Engineering http://www.mae.ncsu.edu/ University of Southern California / Department of Aerospace Engineering http://ae-www.usc.edu/ Old Dominion University / Department of Aerospace Engineering http://www.aero.odu.edu/ University of Washington / Department of Aeronautics & Astronautics http://www.aa.washington.edu/ Pennsylvania State University / Department of Aerospace Engineering http://www.psu.edu/dept/aerospace/ Virginia Tech / Department of Aerospace and Ocean Engineering http://www.aoe.vt.edu/ Wichita State University / National Institute for Princeton University / Mechanical & Aerospace Engineering http://www.princeton.edu/~lam/MAE.html 113 Aviation Research http://156.26.20.17/niarhome.htm Royal Melbourne Institute of Technology / Department of Aerospace Engineering http://www.aero.rmit.edu.au/ Oceania ■Australia ・Government Australian Centre for Remote Sensing http://www.auslig.gov.au/acres/index.htm Satellite Communications Research Centre http://www.itr.unisa.edu.au/scrc/scrc.html Space Centre for Satellite Navigation http://www.scsn.bee.qut.edu.au/ Australian Department of Industry, Science and Resources http://www.dist.gov.au/ University of Sydney / Aeronautical Engineering http://www.ae.su.oz.au/ Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization (CSIRO) http://www.csiro.au/ Russia Department of Land Administration http://www.dola.wa.gov.au/ ■Russia ・Government Russian Space Agency (RSA) http://www.rka.ru/english/eindex.htm Satellite Remote Sensing Services http://www.rss.dola.wa.gov.au/index.html Russian Space Science Internet http://www.rssi.ru/ The Leeuwin Centre for Earth Sensing Technologies http://www.per.dms.csiro.au/leeuwin/leeuwin.html ・Laboratory/Institute Astro Space Centre, Lebedev Physical Institute http://www.asc.rssi.ru/ ・Association/Society Astronomical Society of South Australia http://www.assa.org.au/ Central Scientific Research Institute for Machine Space Research Institute http://www.rka.ru/org/tsniim_e.html Austrian Academy of Sciences http://fiwfds01.tu-graz.ac.at/ South-America ■Argentina ・Government Commision Nacional de Actividades Espaciales (CONAE) http://www.conae.gov.ar/ Remote Sensing And Photogrammetry Association of Australia Ltd. http://www.per.dms.csiro.au/rspaa/index.html ・University Integrated Spectronics Pty Ltd. http://www.intspec.com/main.htm ■Brazil ・Government National Institute for Space Research (INPE) http://www.inpe.br/index.htm Mechanical Engineering(The University of Queensland) http://www.uq.edu.au/mecheng/ 114 13.宇宙関係の洋書の紹介 1.AIAA出版物(http://www.aiaa.org/publications/) AIAA Education Series を始め多くの出版物があります. 2. Kluwer Academic Publishers (www.wkap.nl) McGraw-Hill や Prentice-Hall などの大手から宇宙工学の本が多く出版され ていますが,オランダのこの会社も精力的に出版活動を行っているので紹介し ます. 主な題名は Space Marketing The logic of Microspace Space Mission Analysis and Design (3rd ed.) Reducing Space Mission Cost Spaceflight Life Support and Biospherics Spacecraft Structures and Mechanisms Handbook of Geostationary Orbits Space Mission Analysis and Design (2nd ed.) An Introduction to Mission Design for Stationary Satellites The Space Transportation Market International Space Station Space and the Global Village New Space Markets Space of Service to Humanity Preserving Earth and Improving Life などで,その他 Proceedings 等が出版されています. 3.日本の出版物 書店などのホームページ(たとえば丸善 http://www.maruzen.co.jp)に入って 「宇宙」と検索してください. 200冊以上の本(和書)が検索されます. (「宇 宙工学」といれれば18冊) 洋書も同様です. 115 14.宇宙関連の学会情報 主な会議のみ掲載します.詳細については各学会誌あるいはホームページを ご覧ください. 1 .AIAA 関係(Aerospace America 各号の AIAA MEETING SCHEDULE のページ,ま たは www.aiaa.org) SDM: AIAA/ASME/ASCE/AHS/ASC Structures, Structural Dynamics, and Materials Conference, 22-25 April 2002, Denver, Colorado, U.S.A. AIAA Guidance, Navigation, and Control Conference & Exhibit, 5-8 Aug 2002, Monterey, CA. The World Space Conference 2002, 10-19 Oct, Houston, TX. 2. SEM 関係(www.sem.org) IMAC XX Jan.31-Feb.7, Los Angeles, California, U.S.A. 3. IAF (http://www.iaf2002.org) 53rd Congress, May 23-26, Ft.Worth, Texas, U.S.A. 4. ISTS (http://www.ists.or.jp) 5. 日本航空宇宙学会関係(学会誌または 116 http://jsass.t.u-tokyo.ac.jp) 15.技術論文執筆のしおり 論文執筆要綱は学会ホームページ(http://www.jsme.or.jp)にあります. 技術的な書き方として「パソコンによる論文の書き方入門」が日本機械学会誌 に連載されました.全文は機械学会のホームページに掲載されています. (Vol.103No.978-985. ,2000年5月号∼12月号) 5月号 コンピュータを使った論文作成 6月号 Microsoft Word を使った論文作成方法 7月号 一太郎を使って論文を書くにあたって 8月号 コンピュータを使ってグラフや図を作成するにあたって 9月号 PageMaker を使って論文を書くにあたって 10月号 コンピュータにおいて画像を扱うにあたって 11月号 TeX を使った論文作成方法 12月号 WordPerfect を使って論文を書くにあたって ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 便利で安価(または無料)のおすすめ論文作成補助ソフト OS としてLinuxを採用すればTeXなどを使ってすべて無料で論文作成 はできるはずですが,そういう姿勢を貫くのも難しい世の中です. Windows 系(MAC系でも半数はOK)での無料(あるいは廉価な)技術系ソフトをご 紹介します. Starsuite は WORD,EXCEL,POWERPOINT などのマイクロソ フトのオフィスソフトとほぼ互換です.ThinkFreeOffice は V.2.0 から有料にな りそうです(http://www.inforce.co.jp)がそれでも廉価(5 千円程度)なことと, Mac 上 で も 使 え る こ と は 魅 力 で す . 1万円も出すのであれば LotusSuperOffice( こ れ も マ イ ク ロ ソ フ ト オ フ ィ ス と ほ ぼ 互 換,http://www.lotus.co.jp)も視野に入りますが. .. 分類 ソフト名 情報源 3 次 元 グ ラ Blender 2.22 http://www.blender3d.com/ (フリーソフト) フィックス 図表製作 Ngraph 2 次 元 C A VellumCAD 6.0J D (部分的に 3次元) http://www2e.biglobe.ne.jp/~isi zaka/ (シェアウエア) http://www.famotik.com (29800 円) 117 ひとこと 「Shade」のような3次元 図形が描けます.CAD で はありません. 3次元C Gです.(Windows, Mac) Excel のグラフでは理工科 系らしくないという人に. Illustrator や CorrelDraw は面倒くさく重い.もっと 簡単に技術図面(テクニカ ルイラスト)を書きたい人 に.Illustrator と変換可能 オフィス Starsuite http://www.sun.co.jp/starsuite/ (V.6.0β現時点で無料) 現在 5000 円から 10000 万円く らい オフィス OpenOffice http://wings.raindrop.jp/openof fice/o3u2gj/ 無料 オフィス ThinkFreeO ffice オフィス LotusSuper Office TeX 組版ソフト WORD2TeX TeX2WORD T e X 互 換 Scientific WorkPlace ワープロ 数 式 ワ ー プ MathNote ロ 変換ソフト 言語 Java テ キ ス ト エ TeraPad ディタ 数 値 計 算 用 APL2 汎用プログ ラミン言語 数 値 計 算 言 MaTX 語 Microsoft Office と ほ ぼ 互換のオフィスソフト (Linux,Solaris,Windows ) OpenOffice は 、 Sun Microsystems(JP) が 公 開した Star Suite(JP)の ソースコードを元に、 OpenOffice.org が オ ー プンソースで制作して いるWORD互換のソ フトです. http://www.thinkfreeoffice.ne.j Microsoft Office と ほ ぼ p(V.1.5 時点で無料) 互換のオフィスソフト 現在 5000 円くらい (Linux, Windows, Mac) 1万円以下くらい Microsoft Office と ほ ぼ 市販 互換のオフィスソフト 無料(本,雑誌などの添付CD 美しい論文に仕上げたい についています) 人に(特に数式が美しい) (UNIX,Windows,MAC) http://www.lightstone.jp WORD とTeXの変換ソ 16800 円 フト http://www.lightstone.jp かなり高価 http://homepage2.nifty.com/aut umn-soft/ 7800 円 理系の論文のように数式 をたくさん使う人のため のワープロ.TeX への変換 ユーティリティ付属 http://java.sun.com/products/jd C++のインターネット版 k/1.2/ja/download-ja-docs.html 的位置付け. 数値計算に (無料) はあまり向いていないが グラフィックスなどは得 意. http://www2s.biglobe.ne.jp/~t-s プログラム開発に便利な usumu/toclip/ (無料) エディタ,もちろん普通の エディタとしても使いよ い. http://www-3.ibm.com/software 癖 の あ る 言 語 で す が , /ad/apl/ Mathematica や Matlab CPU時間240分無料の実行 に影響を与えました. ファイルがダウンロードできま IBM系のすべてのOS す. で動きます. MVS,TSO,UNIX(AIX),O S/2,Windows(95/98/NT4. 0) http://www.matx.org Matlab とほぼ互換のソフ (フリーソフト) トです.日本語マニュアル 118 数 値 計 算 言 Scilab 語 http://www-rocq.inria.fr/scilab/ (フリーソフト) 数 値 計 算 言 Octave 語 http://www.octave.org (フリーソフト) 119 (本がでている)あり. Matlab ライクな制御系設 計用ソフト Simulink 的 機能も持っています Matlab とほぼ互換のソフ トです.GNU プロダクツ.
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