MonotaRO (3064) - 株式会社ウォールデンリサーチジャパン

URL: www.walden.co.jp
文責: 室谷吉行
E-mail: [email protected]
電話番号:03 (3553) 3769
MonotaRO (3064)
連結通期
( 百万円)
FY12/2011
FY12/2012
FY12/2013会予
FY12/2012
前年比
FY12/2013会予
前年比
連結四半期
( 百万円)
1Q FY12/2012
2Q FY12/2012
3Q FY12/2012
4Q FY12/2012
1Q FY12/2013
1Q FY12/2013
前年比
出所:会社データ、弊社計算
売上高
営業利益
経常利益
純利益
22,239
2,009
2,045
1,148
28,742
2,925
2,941
1,689
35,333
4,046
4,046
2,407
29.2%
45.6%
43.8%
47.0%
22.9%
38.3%
37.6%
42.5%
売上高
営業利益 経常利益 純利益
6,686
6,990
7,104
7,960
7,739
15.7%
658
764
698
803
954
44.9%
657
781
705
796
956
45.4%
375
452
408
452
658
75.2%
EPS
DPS
BPS
( 円)
( 円)
( 円)
19.4
5.8
70.1
28.2
8.0
91.0
39.7
12.0
EPS
DPS
BPS
(円) (円) (円)
-
0.0 決算速報(2013 年 4 月 25 日)
1
進捗する新規顧客獲得
4 月 25 日、工具のネット通販を展開する MonotaRO は、2013 年 12 月期第 1 四半期実績を発表した。既存顧客
の安定的な継続利用に加え、新規顧客獲得数が継続的に高水準で推移しており、着実な増収基調が継続されてい
る。また、2012 年 12 月期第 4 四半期に引き続いて売上総利益率が高水準で推移しているため、同社の損益は前
年比で大幅に向上している。2012 年 12 月期の顕著に高い増収率は、震災の影響を受けて国内の生産活動が滞っ
た時期との比較である側面があり、2013 年 12 月期はこれが既存顧客の発注動向において一巡する方向性にある
とのことである。これに加えて、第 1 四半期は営業日数が前年比で 4 日少ないものの、同社は、前年比増収率
15.7%を達成している。弊社では、同社との個別取材を通して「企業レポート」の内容更新及び配信をすること
を計画している。
2013 年 12 月期第 1 四半期実績
2013 年 12 月期第 1 四半期実績は、売上高 7,739 百万円(前年比 15.7%増)
、営業利益 954 百万円(44.9%増)、
経常利益 956 百万円(45.4%増)、純利益 658 百万円(75.2%増)での着地となった。ほぼ当初の会社予想の前
提通りの業績推移とのことである。特別損益では、子会社株式売却益 138 百万円が計上されたため、純利益は大
幅に増加した。順調な新規顧客獲得を背景として、同社の登録口座数は、第 1 四半期末時点で 946,431(前四半
期比 6.1%増、前年比 26.8%増)に達している。一方、大企業連携関連事業では前年比 64%増収と、急速な拡大
が認められる。
営業利益率は 12.3%(2.5%ポイント上昇)での着地となった。売上総利益率 30.8%(前年比 2.9%ポイント上
昇)
、販管費売上高比率 18.5%(0.4%ポイント上昇)の結果である。利益率の高いプライベートブランド商品の
投入が増加した 2012 年 12 月期第 4 四半期の売上総利益率は 30.6%を記録しているが、第 1 四半期に入っても
同様の傾向が続いている模様である。昨今の円安への為替レートの推移は、同社の輸入商品の円建て調達価格を
引き上げるものの、この影響は第 2 四半期以降に発生するとのことである。また、販管費売上高比率は営業利益
率を引き下げる方向での推移となったものの、実質的にはほぼ安定した推移であるとも考えられる。一時的な引
当金の積み増し及び韓国での事業展開に係る先行投資費用を除いた場合、販管費売上高比率は 17.7%(0.3%ポ
イント低下)になると推定される。
2013 年 12 月期会社予想
2013 年 12 月期会社予想では、売上高 35,333 百万円(前年比 22.9%増)、営業利益 4,046 百万円(38.3%増)、
経常利益 4,046 百万円(37.6%増)、純利益 2,407 百万円(42.5%増)が見込まれている。また、営業利益率 11.5%
(1.3%ポイント上昇)が見込まれている。一株当たり配当金は、12.0 円(配当性向 30.2%)の予定である。以
上、当初の会社予想(2013 年 1 月 29 日公表)に変更はない。また、第 1 四半期実績は営業日数が最も少ない四
半期であったことに鑑みれば、第 2 四半期以降に向けては、前年比の増収率が次第に上昇していく方向性にある
模様である。
2013 年 1 月に韓国で子会社を設立した同社は、4 月 1 日よりサイトをオープンして営業を開始しており、第 2
四半期に向けては、売上高の計上が始まる見通しである。また、取扱商品点数及び在庫商品点数は順調に拡大し
ている。前者は、2012 年 12 月の 200 万点に対して、2013 年 2 月には 300 万点にまで拡大している。後者は、
2012 年 12 月に 93,000 点であったのに対して、2013 年 4 月に入って 100,000 点にまで及んでいるとのことであ
る。同社は、顧客の利便性の向上に向けて両者を継続的に拡大していくことを計画しているが、2013 年 12 月期
に関しては当初の想定を上回るスピードで両者の点数が拡大している模様である。
2
IR窓口:IR・広報室 室長 山崎 知子 (06-4869-7190、[email protected])
以下は、2012 年 12 月期実績に鑑みた同社の「企業レポート」の内容である。
1.0 エグゼクティブサマリー(2013 年 2 月 28 日)
海外展開に向けて
工具のネット通販を展開する MonotaRO は、将来の海外展開に向けての戦略を明らかにした。国内市場に未だ
大きな開拓余地がある一方、中長期的には海外事業からの寄与が想定できるに至っており、同社の成長ポテンシ
ャルはいままで以上に大きくなってきている。2010 年より米国でノーリスクの経営指導をベースとした事業展
開を行ってきたのだが、2014 年 12 月期に向けては、ロイヤルティー収入が発生する見通しである。一方、国内
と類似する市場構造の韓国では、国内と同様のビジネスモデルでの事業展開を 2013 年 4 月より開始することが
明らかされている。韓国での事業は、初期費用負担のため、2013 年 12 月期に対しては同社の損益悪化要因とな
る見通しではあるものの、これを補って余りある損益改善が既存の国内事業より発生するため、同社は継続的に
大幅な増収・増益を続ける見通しである。
2012 年 12 月期実績は、売上高 28,742 百万円(前年比 29.2%増)、営業利益 2,925 百万円(45.6%増)、営業利
益率 10.2%(1.1%ポイント上昇)、ROE34.9%(3.9%ポイント上昇)での着地となった。順調な新規顧客獲
得件数の推移を背景として、登録口座数が 892,162(26.8%増)となった一方、登録口座当たり売上高は漸増傾
向を示した。また、第 4 四半期には、売上総利益率の高いプライベートブランド商品を多く投入してセールスミ
ックスの改善に努めた結果、通期ベースで売上総利益率 28.6%(0.5%ポイント上昇)となった一方、増収効果
を背景として販管費売上高比率が 18.5%(0.6%ポイント低下)となり、営業利益率が上昇した。
同社の対峙する国内MRO市場の規模は年間ベースで 5 兆円~10 兆円に相当するとされており、同社のビジネ
スモデルが対応できる領域に限っても相当に大きい規模であると考えられる。高い利便性を提供しつつ多岐にわ
たる商品を遍くそれぞれワンプライスで小売販売することをビジネスモデルの最大の特徴としている同社では、
現在までの成長過程において、製造業、建設業・工事業などを展開する中小規模の事業者を主要顧客としてきた。
ただし、ここにきて同社のビジネスモデルの特徴が活かせる少量多品種の商品購入に関しては、大手事業者をも
顧客として取り込み始めており、これも同社の中長期的な成長ドライバーとなる見通しである。
IR窓口:IR・広報室 室長 山崎 知子 (06-4869-7190 [email protected])
2.0 会社概要
現場を支えるネットストア
商号
株式会社 MonotaRO
Web サイト
IR情報
株価情報
設立年月日
2000 年 10 月 19 日
上場年月日
2006 年 12 月 6 日:東証 1 部(証券コード:3064)
資本金
1,772 百万円(2012 年 12 月末)
発行済株式数
30,430,000 株、自己株式内数 262,170 株(2012 年 12 月末)
特色

米国間接資材大手が親会社

主要顧客層:製造業、建設業・工事業などの中小事業者

主要代替先:訪問工具商、金物屋、自動車部品商など
事業内容
Ⅰ. 工場消耗品
Ⅱ. 工場交換部品
代表者
取締役兼代表執行役会長 瀬戸 欣哉、取締役兼代表執行役社長 鈴木 雅哉
主要株主
グレンジャーグループ 51.4%、ステートストリート 8.3%(2012 年 12 月末)
本社
兵庫県尼崎市
従業員数
連結 147 名、アルバイト・派遣社員 381 名(2012 年 12 月末)
出所:会社データ
3.0 業績推移
2012 年 12 月期実績
2012 年 12 月期実績は、売上高 28,742 百万円(前年比 29.2%増)、営業利益 2,925 百万円(45.6%増)、経常利
益 2,941 百万円(43.8%増)、純利益 1,689 百万円(47.0%増)での着地となった。また、営業利益率 10.2%(1.1%
ポイント上昇)
、自己資本比率 48.7%(2.5%ポイント上昇)、ROE34.9%(3.9%ポイント上昇)と、財務体質
の健全化が進んだ一方、利益率及び収益性が向上した。
3
順調な新規顧客獲得件数を背景として登録口座数が増加した一方、登録口座当たり売上高が漸増したため、同社
では、大幅増収が達成された。2012 年 12 月期末の登録口座数は 892,162 件(26.8%増)、期中平均では 797,967
件(25.1%増)である。単体ベースでの売上高 28,639 百万円(28.9%増)を期中平均登録口座数で除した登録
口座当たり売上高は 35,890 円(3.0%増)と、漸増傾向を示した。ここでは、既存顧客からの売上高が、リーマ
ンショック及び震災を経た回復局面にあったことが寄与したとのことである。
また、連結売上高 28,742 百万円は、単体売上高よりも 103 百万円多いが、これは唯一の連結子会社である
K-engine 株式会社によるものである。損益でも同社の連結業績に対する影響が軽微である一方、同子会社は既
に売却されており、2013 年 12 月期に向けては第 1 四半期に同子会社の株式売却益(137 百万円)が特別利益と
して計上される見通しである。
第 4 四半期に入って、新規顧客獲得件数は 10 月に 18,700 件、11 月に 17,400 件、12 月に 16,200 件と推移した
ことから、表面上では時系列的に減少傾向にあるように見える。ただし、営業日当たりでは、それぞれ、850 件
(×22 日)、829 件(×21 日)、853 件(×19 日)であり、実態としては高水準が維持された。また、1 月の新
規顧客獲得件数は、17,900 件(942 件×19 日)での着地となり、2012 年 12 月期単純平均月次実績 16,275 件を
上回る水準で着地した。一方、月次営業日数の格差を調整することを目的として 12 ヶ月移動平均ベースで単体
月次売上高の推移を振り返れば、売上高の絶対額が継続的な右肩上がりの傾向にあることに加えて、前年比伸び
率は高水準を維持していることが確認される。2013 年 1 月に関しては前年比 27.9%増と時系列的にやや減速感
があるものの、2 月に入ってからは製造業稼働率の下げ止まり感もあり回復基調が期待される。
売上高(百万円、12ヶ月移動平均)
(前年比)
3,000
+25.8%
+26.8%
+27.1%
+27.9%
+28.4%
+27.5%
+28.6%
+28.8%
+28.7%
+29.2%
+29.3%
+28.9%
+27.9%
単体月次売上高推移(12 カ月移動平均ベース)
4
30.0%
2,500
2,000
20.0%
1,500
500
0.0%
2011年1月
2011年2月
2011年3月
2011年4月
2011年5月
2011年6月
2011年7月
2011年8月
2011年9月
2011年10月
2011年11月
2011年12月
2012年1月
2012年2月
2012年3月
2012年4月
2012年5月
2012年6月
2012年7月
2012年8月
2012年9月
2012年10月
2012年11月
2012年12月
2013年1月
2013年2月
2013年3月
2013年4月
2013年5月
2013年6月
2013年7月
2013年8月
2013年9月
2013年10月
2013年11月
2013年12月
0
10.0%
1,502
1,530
1,559
1,585
1,616
1,656
1,683
1,714
1,746
1,782
1,817
1,851
1,889
1,939
1,981
2,026
2,075
2,112
2,165
2,208
2,248
2,303
2,349
2,386
2,416
1,000
出所:会社データ、弊社計算
また、第 4 四半期に入って、売上総利益率の高いプライベートブランド商品を多く投入してセールスミックスの
改善に努めた同社では、通期の売上総利益率が 28.6%(0.5%ポイント上昇)となった一方、販管費売上高比率
が 18.5%(0.6%ポイント低下)となり、営業利益率が上昇した。販売管理費は 5,309 百万円(1,057 百万円増)
と、大幅に増加したが、ここでは新規顧客獲得件数増加などを目的としたリスティング広告などの費用を中核と
する広告宣伝費の増加が大きく影響を及ぼした。ただし、先述の通り、増収効果を背景として販管費売上高比率
は減少する傾向にあることから、同社の広告宣伝費の増加は費用対効果の観点において十二分に大きな効果を生
み出していると考えられる。
一方、従来通り、中小規模の事業者が同社の売上高の中核を占めたのだが、大手事業者の購買システムを通した
売上高が前年比で倍増したとのことである。高い利便性を提供しつつ多岐にわたる商品を遍くそれぞれワンプラ
イスで小売販売することを最大の特徴としている同社のビジネスモデルは、ボリュームディスカウントを享受し
ているとされる大手事業会社の購買においても受け入れられ始めていると考えられる。同社は、今後に向けて、
ここでの横展開を積極的に進めていくための人員を増強していくことを計画している。
損益計算書(四半期累計、四半期)
損益計算書
単体実績
単体実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
4Q累 計
2Q累 計
3Q累 計
4Q累 計
1Q
2Q累 計
3Q累 計
4Q累 計
前年比
11年 12月 期
11年 12月 期
11年 12月 期
11年 12月 期
12年 12月 期
12年 12月 期
12年 12月 期
12年 12月 期
純増減
5,111
10,513
15,948
22,239
6,687
13,677
20,782
28,742
+6,503
売上原価
3,671
7,535
11,443
15,978
4,820
9,847
14,984
20,508
+4,530
売上総利益
1,440
2,978
4,505
6,261
1,867
3,831
5,798
8,234
+1,973
923
1,892
2,905
4,252
1,208
2,407
3,676
5,309
+1,057
518
1,086
1,600
2,010
659
1,424
2,122
2,926
+916
6
20
30
35
(1)
16
23
15
(20)
524
1,106
1,630
2,045
658
1,440
2,145
2,941
+896
( 百万円)
売上高
販売費及び一般管理費
営業利益
営業外損益
経常利益
連結実績
特別損益
(27)
(27)
(27)
(27)
(0)
(0)
(0)
(1)
+27
税金等調整前純利益
497
1,079
1,603
2,018
658
1,440
2,145
2,941
+923
法人税等合計
211
458
684
871
280
608
905
1,248
+378
少数株主利益
0
0
0
(2)
2
3
3
3
+5
286
621
920
1,149
376
828
1,237
1,689
+540
売上高伸び率
-
-
-
-
+30.8%
+30.1%
+30.3%
+29.2%
-
営業利益伸び率
-
-
-
-
+27.2%
+31.1%
+32.7%
+45.6%
-
経常利益伸び率
-
-
-
-
+25.5%
+30.2%
+31.6%
+43.8%
-
純利益伸び率
-
-
-
-
+31.4%
+33.3%
+34.5%
+47.0%
-
売上総利益率
28.2%
28.3%
28.2%
28.2%
27.9%
28.0%
27.9%
28.6%
+0.5%
販管費売上高比率
19.1%
18.0%
18.2%
19.1%
18.1%
17.6%
17.7%
18.5%
(0.6%)
営業利益率
9.0%
10.3%
10.0%
9.0%
9.9%
10.4%
10.2%
10.2%
+1.1%
経常利益率
9.2%
10.5%
10.2%
9.2%
9.8%
10.5%
10.3%
10.2%
+1.0%
純利益率
5.2%
5.9%
5.8%
5.2%
5.6%
6.1%
6.0%
5.9%
+0.7%
(0.7%)
純利益
法人税等 / 税前利益
損益計算書
43.2%
42.4%
42.6%
43.2%
42.6%
42.3%
42.2%
42.5%
単体実績
単体実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
1Q
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
4Q
前年比
11年 12月 期
11年 12月 期
11年 12月 期
11年 12月 期
12年 12月 期
12年 12月 期
12年 12月 期
12年 12月 期
純増減
5,111
5,402
5,434
6,291
6,687
6,990
7,105
7,960
+1,669
売上原価
3,671
3,864
3,908
4,535
4,820
5,027
5,137
5,524
+989
売上総利益
1,440
1,538
1,526
1,757
1,867
1,964
1,968
2,436
+679
923
970
1,012
1,347
1,208
1,199
1,269
1,633
+286
518
568
514
410
659
765
699
803
+394
( 百万円)
売上高
販売費及び一般管理費
営業利益
営業外損益
経常利益
6
14
11
5
(1)
17
7
(7)
(12)
524
582
524
415
658
782
705
796
+381
(1)
1
(0)
(1)
(0)
(0)
(0)
(0)
+0
税金等調整前純利益
497
583
524
414
658
782
705
796
+381
法人税等合計
211
247
226
187
280
329
297
343
+156
少数株主利益
0
0
0
(2)
2
1
0
0
+2
286
335
298
229
376
452
409
452
+223
売上高伸び率
-
-
-
-
+30.8%
+29.4%
+30.7%
+26.5%
-
営業利益伸び率
-
-
-
-
+27.2%
+34.6%
+36.0%
+96.1%
-
経常利益伸び率
-
-
-
-
+25.5%
+34.4%
+34.5%
+91.9%
-
純利益伸び率
-
-
-
-
+31.4%
+34.9%
+37.1%
+97.2%
-
売上総利益率
28.2%
28.5%
28.1%
27.9%
27.9%
28.1%
27.7%
30.6%
+2.7%
販管費売上高比率
18.1%
17.9%
18.6%
21.4%
18.1%
17.1%
17.9%
20.5%
(0.9%)
営業利益率
10.1%
10.5%
9.5%
6.5%
9.9%
10.9%
9.8%
10.1%
+3.6%
経常利益率
10.3%
10.8%
9.6%
6.6%
9.8%
11.2%
9.9%
10.0%
+3.4%
5.6%
6.2%
5.5%
3.6%
5.6%
6.5%
5.8%
5.7%
+2.0%
42.4%
42.4%
43.1%
45.2%
42.6%
42.0%
42.1%
43.2%
(2.0%)
特別損益
純利益
純利益率
法人税等 / 税前利益
出所:会社データ、弊社計算
5
貸借対照表(四半期)
貸借対照表
(百万円)
現金及び預金
単体実績
単体実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
連結実績
1Q
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
連結実績
4Q
前年比
11年 12月 期 11年 12月 期 11年 12月 期 11年 12月 期 12年 12月 期
1,001
1,356
1,215
1,520
1,127
12年 12月 期
1,699
12年 12月 期
2,020
12年 12月 期
2,926
純増減
+1,406
売掛金
2,380
2,509
2,447
2,319
2,652
2,758
2,720
2,868
+549
たな卸資産
1,671
2,319
2,433
2,748
2,649
2,793
2,849
2,892
+144
その他
784
766
1,063
1,457
1,394
1,397
1,405
1,423
(33)
流動資産
5,836
6,949
7,159
8,044
7,823
8,646
8,995
10,110
+2,066
有形固定資産
190
209
210
206
198
187
178
171
(35)
無形固定資産
545
561
582
593
615
654
760
763
+169
投資その他の資産合計
199
209
209
203
223
222
222
222
+18
固定資産
933
979
1,002
1,003
1,036
1,063
1,160
1,156
+153
資産合計
6,769
7,929
8,160
9,047
8,859
9,709
10,155
11,266
+2,219
買掛金
1,779
1,860
1,631
1,937
2,045
2,071
2,032
2,179
+242
短期借入金
800
1,300
1,300
1,300
1,300
1,300
1,300
1,300
+0
その他
714
969
1,188
1,513
995
1,355
1,632
2,101
+588
流動負債
3,293
4,129
4,119
4,750
4,340
4,726
4,964
5,580
+830
0
0
0
0
0
0
0
0
+0
32
32
32
41
100
99
98
97
+56
長期借入金
その他
固定負債
32
32
32
41
100
99
98
97
+56
負債合計
3,326
4,161
4,151
4,791
4,440
4,825
5,062
5,677
+886
株主資本
3,409
3,727
3,937
4,179
4,334
4,791
5,001
5,490
+1,311
その他
35
41
72
77
86
93
93
99
+22
純資産
3,443
3,767
4,009
4,256
4,419
4,844
5,094
5,589
+1,333
負債純資産合計
6,769
7,929
8,160
9,047
8,859
9,709
10,155
11,266
+2,219
自己資本
3,408
3,726
3,936
4,178
4,333
4,791
5,000
5,489
+1,311
800
1,300
1,300
1,300
1,300
1,300
1,300
1,300
+0
(201)
(56)
85
(220)
173
(399)
(720)
(1,626)
(1,406)
有利子負債
ネットデット
自己資本比率
50.3%
47.0%
48.2%
46.2%
48.9%
49.3%
49.2%
48.7%
+2.5%
ネットデットエクイティ比率
(5.9%)
(1.5%)
2.2%
(5.3%)
4.0%
(8.3%)
(14.4%)
(29.6%)
(24.3%)
自己資本純利益率(ROE)
34.5%
35.8%
34.2%
31.0%
35.3%
36.9%
35.9%
34.9%
+3.9%
総資産経常利益率(ROA)
31.1%
30.2%
29.2%
25.9%
29.4%
30.7%
29.8%
29.0%
+3.0%
42
55
57
55
50
51
51
48
(8)
在庫回転日数
8.8
6.7
6.4
6.6
7.3
7.2
7.2
7.6
+1.0
当座比率
103%
94%
89%
81%
87%
94%
96%
104%
+23%
流動比率
177%
168%
174%
169%
180%
183%
181%
181%
+12%
在庫回転率
出所:会社データ、弊社計算
6
2013 年 12 月期会社予想
2013 年 12 月期会社予想では、売上高 35,333 百万円(前年比 22.9%増)、営業利益 4,046 百万円(38.3%増)、
経常利益 4,046 百万円(37.6%増)、純利益 2,407 百万円(42.5%増)が見込まれている。また、営業利益率 11.5%
(1.3%ポイント上昇)が見込まれている。一株当たり配当金は、24.0 円(配当性向 30.1%)の予定である。
四半期売上高・営業利益率の推移
売上高(百万円)
14.0%
12.0%
10.0%
8.0%
10.1%10.5%
7.2%
8.1% 7.9%6.5%
営業利益率(%)
10,000
11.7%11.7%11.2%11.2%
10.9%
9.8%
9.8% 10.1%
8,000
9.4%
6.5%
6,000
6.0%
4,000
4,236
4,358
5,008
5,110
5,403
5,434
6,292
6,686
6,991
7,105
7,960
8,165
8,165
9,502
9,502
2Q FY12/2010
3Q FY12/2010
4Q FY12/2010
1Q FY12/2011
2Q FY12/2011
3Q FY12/2011
4Q FY12/2011
1Q FY12/2012
2Q FY12/2012
3Q FY12/2012
4Q FY12/2012
1Q FY12/2013
2Q FY12/2013
3Q FY12/2013
4Q FY12/2013
0.0%
4,083
2.0%
1Q FY12/2010
4.0%
2,000
0
出所:会社データ、弊社計算
単体ベースでは売上高 35,143 百万円(22.7%増)が見込まれている。2012 年 12 月期実績 28,639 百万円(28.9%
増)との比較では増収率が減速する見通しである。新規顧客獲得件数は、2012 年 12 月期(単純平均月次実績
16,275 件)を超える見通しではあるものの、営業日数が前年比 1.6%減となること、既存顧客の購買が一巡する
ことなどが織り込まれているとのことである。
そもそも同社の顧客層は、その事業の継続に伴い各種の工具類及びその他のMRO商品の購入を継続的に必要と
している。同社が展開する利便性に優れたネット通販では、ここでの顧客の取り込みを継続的に進捗させている
一方、更なる利便性の向上を目的として、総取扱商品点数の増加及び当日出荷が可能である在庫商品点数の増加
が計画されている。2013 年 12 月期中に総取扱商品点数を 200 万点から 350 万点にまで引き上げる一方、在庫
商品点数に関しては 93,000 点から 130,000 点に引き上げるとのことである。以上に鑑みれば、2013 年 12 月期
の登録口座当たり売上高は、ほぼ 2012 年 12 月期実績を維持できる方向性にあるのではないかと考えられる。
また、株式会社 K-engine に代わって、2013 年 1 月に設立された韓国子会社が新たに連結対象となる。国内と同
様の事業展開が予定されているこの連結子会社(ソウル市、資本金約 310 百万円、出資比率 100%)は、4 月に
営業を開始し、2013 年 12 月期に対して、売上高 190 百万円、売上総利益 22 百万円(対売上高比率 11.7%)
、
販売管理費 229 百万円(120.2%)、営業損失 206 百万円(108.5%)を計上することが想定されている。当初の
商品販売においては、一定の価格戦略も必要であることから売上総利益率は低い水準に留まることが想定されて
いる一方、新規顧客獲得に向けての広告宣伝費も相当に嵩まざるを得ず、同連結子会社はその初年度においては、
同社の連結損益に対してマイナスの影響を及ぼす見通しである。
ただし、国内事業を展開する単体ベースでの損益向上がより大きく、同社の営業利益率は 11.5%と、前年比 1.3%
7
ポイント上昇する見通しである。また、販管費売上高比率は 18.5%と、前年と同じ水準で推移することが想定さ
れている。単体ベースでの販管費売上高比率は 17.9%と、0.5%ポイント低下する見通しではあるが、韓国子会
社の費用負担がこれに加わる。一方、売上総利益率は 30.0%と、1.4%ポイント上昇することが見込まれており、
これが同社の営業利益率を引き上げる。ここでは、2012 年 12 月期第 4 四半期に投入された売上総利益率の高い
プライベートブランド商品の売上高が本格的に拡大していくことが寄与するとのことである。ただし、昨今の円
安傾向は、プライベートブランド商品を含む輸入商品の円建て調達単価を引き上げており、下半期に向けてはこ
れが同社の売上総利益率を時系列的に引き下げる作用を及ぼすことが想定されている。上半期に向けては 30.1%
が想定されているのに対して、下半期に向けては 29.8%が想定されている。
損益計算書
損益計算書
単体実績
単体実績
単体実績
連結実績
連結実績
連結予想
通期
通期
通期
通期
通期
通期
前年比
08年 12月 期
09年 12月 期
10年 12月 期
11年 12月 期
12年 12月 期
13年 12月 期
純増減
14,068
14,209
17,686
22,239
28,742
35,333
+6,591
10,061
10,250
12,816
15,978
20,508
24,751
+4,243
売上総利益
4,007
3,959
4,869
6,261
8,234
10,582
+2,348
販売費及び一般管理費
2,839
3,049
3,562
4,252
5,309
6,536
+1,227
1,169
910
1,307
2,010
2,926
4,046
+1,120
27
(31)
18
35
15
0
(15)
1,196
879
1,326
2,045
2,941
4,046
+1,105
( 百万円)
売上高
売上原価
営業利益
営業外損益
経常利益
特別損益
税金等調整前純利益
法人税等合計
(23)
(2)
(0)
(27)
(1)
-
-
1,173
877
1,326
2,018
2,941
-
-
53
381
574
871
1,248
-
-
0
0
0
(2)
3
-
-
1,120
495
752
1,149
1,689
2,407
+540
+29.1%
+1.0%
+24.5%
+25.7%
+29.2%
+22.9%
-
営業利益伸び率
+143.2%
(22.1%)
+43.6%
+53.7%
+45.6%
+38.3%
-
経常利益伸び率
+146.2%
(26.5%)
+50.9%
+54.2%
+43.8%
+37.6%
-
純利益伸び率
+142.9%
(55.8%)
+51.8%
+52.7%
+47.0%
+42.5%
-
売上総利益率
28.5%
27.9%
27.5%
28.2%
28.6%
29.9%
+1.3%
販管費売上高比率
20.2%
21.5%
20.1%
19.1%
18.5%
18.5%
+0.0%
営業利益率
8.3%
6.4%
7.4%
9.0%
10.2%
11.5%
+1.3%
経常利益率
8.5%
6.2%
7.5%
9.2%
10.2%
11.5%
+1.2%
純利益率
8.0%
3.5%
4.3%
5.2%
5.9%
6.8%
+0.9%
法人税等 / 税前利益
4.6%
43.5%
43.3%
43.2%
42.5%
-
-
少数株主利益
純利益
売上高伸び率
出所:会社データ、弊社計算
8
貸借対照表
貸借対照表
(百万円)
現金及び預金
単体実績
単体実績
単体実績
連結実績
連結実績
連結予想
通期
通期
通期
通期
通期
通期
前年比
08年 12月 期 09年 12月 期 10年 12月 期 11年 12月 期
1,725
1,533
1,241
1,520
12年 12月 期
2,926
13年 12月 期
-
純増減
-
売掛金
1,611
1,685
2,230
2,319
2,868
-
-
たな卸資産
1,444
1,206
1,601
2,748
2,892
-
-
その他
686
697
769
1,457
1,423
-
-
流動資産
5,466
5,120
5,841
8,044
10,110
-
-
有形固定資産
204
169
163
206
171
-
-
無形固定資産
378
467
531
593
763
-
-
投資その他の資産合計
-
183
174
189
203
222
-
固定資産
765
810
883
1,003
1,156
-
-
資産合計
6,231
5,930
6,724
9,047
11,266
-
-
買掛金
1,406
1,468
1,534
1,937
2,179
-
-
0
800
800
1,300
1,300
-
-
その他
635
784
1,106
1,513
2,101
-
-
流動負債
短期借入金
2,041
3,052
3,440
4,750
5,580
-
-
長期借入金
0
0
0
0
0
-
-
その他
0
0
27
41
97
-
-
固定負債
0
0
27
41
97
-
-
負債合計
2,041
3,052
3,467
4,791
5,677
-
-
株主資本
4,191
2,869
3,227
4,179
5,490
-
-
その他
0
10
29
77
99
-
-
純資産
4,190
2,876
3,256
4,256
5,589
-
-
負債純資産合計
6,231
5,930
6,724
9,047
11,266
-
-
自己資本
4,190
2,868
3,227
4,178
5,489
-
-
0
800
800
1,300
1,300
-
-
ネットデット
(1,725)
(733)
(441)
(220)
(1,626)
-
-
自己資本比率
67.2%
48.4%
48.0%
46.2%
48.7%
-
-
(41.1%)
(25.5%)
(13.7%)
(5.3%)
(29.6%)
-
-
30.9%
14.0%
24.7%
31.0%
34.9%
-
-
21.9%
14.5%
21.0%
25.9%
29.0%
-
-
有利子負債
ネットデットエクイティ比率
自己資本純利益率(ROE)
総資産経常利益率(ROA)
52
43
46
55
48
-
-
7.0
8.5
8.0
6.6
7.6
-
-
当座比率
163%
105%
101%
81%
104%
-
-
流動比率
268%
168%
170%
169%
181%
-
-
在庫回転日数
在庫回転率
出所:会社データ、弊社計算
9
中長期業績見通し
同社は、中長期的なマイルストーンとして売上高 100,000 百万円を設定すると同時に、中長期的なトレンドとし
て継続的に営業利益率を漸増させていくことを計画している。2012 年 12 月期実績においては、売上高 28,742
百万円、営業利益 2,925 百万円、営業利益率 10.2%である。同社が対峙している国内市場の規模が年間ベースで
5 兆円~10 兆円あると推定されていることに鑑みれば、売上高 100,000 百万円を達成した段階においても、未だ
大きな拡大余地があるとも考えられる。また、最近になって海外市場の開拓に関しての具体的な方針が明らかに
され始めてきており、同社の中長期的な成長ポテンシャルはいままで以上に高まっている。
中長期業績見通し
120,000
売上高(百万円)
100,000
営業利益率(%)
100,000
25.0%
20.0%
80,000
60,000
40,000
6.4%
7.4%
20,000
14,209
17,685
9.0%
22,239
10.2%
28,742
11.5%
35,333
15.0%
10.0%
5.0%
FY12/2013
FY12/2012
FY12/2011
FY12/2010
0.0%
FY12/2009
0
10
出所:会社データ、弊社計算
総務省の資料によれば、国内の従業員数 300 名未満の事業所数は 601 万(平成 21 年経済コンセンサス・基礎調
査)とのことである。これに加えて、ここには含まれていない多くの個人事業主や従業員数 300 名を超える大手
事業者などが同社の顧客層である。2012 年 12 月期末の同社の登録口座数が 892,162 件であること、また一事業
者当たりで複数の登録口座がある場合があることなどに鑑みれば、同社の登録口座数は現在の 10 倍前後にまで
拡大するポテンシャルがあると考えられる。
また、中長期的なトレンドとしての継続的な営業利益率の漸増は、販管費売上高比率の漸減及び売上総利益率の
漸増によってもたらされる見通しである。前者に関しては、基本的に継続的な増収効果によって発生することが
見込まれている一方、後者に関してはセールスミックスの向上によって発生することが見込まれている。
中長期的なトレンドとしては、販管費売上高比率は漸減していく方向性にあるものの、2013 年 12 月期及び 2014
年 12 月期に関しては、これが必ずしも進捗しない可能性が高い。2013 年 12 月期に向けては、既に述べた通り、
単体ベースではこれが進捗する見通しではあるものの、韓国での初期投資が追加的に販売管理費を押し上げる。
また、2014 年 12 月期に向けては、業容拡大に向けての新物流センターの開設に伴う費用負担 500 百万円(設備
賃借料、減価償却費など)が発生する見通しである。
一方、セールスミックスの向上に関しては、足元では売上総利益率が高いプライベートブランド商品へのエクス
ポージャー拡大が寄与している。また、中長期的な方向性としては、ロングテール商品へのエクスポージャーを、
順次、拡大させていくことが計画されている。ロングテール商品とは、在庫回転率が低いため、在庫として保有
するリスクが大きい商品を指すのだが、それだけに売上総利益が高い傾向がある。同社は、継続的な売上高及び
顧客数の拡大の結果、低リスクで在庫化できるロングテール商品数が増加していくことを想定している。また、
実際に在庫化を進めることによって当日出荷に対応させ、ロングテール商品の売上高を中長期的に引き上げてい
くことを計画している。
上記の国内での業容拡大に加えて、海外市場の開拓が追加的に同社の損益に中長期的に寄与していく見通しであ
る。国内市場の 3 倍の規模があるとされる米国市場では、ネット通販事業者を経営指導することによって発生す
るロイヤルティー収入(売上高の 1%~3%)を獲得するかたちでの事業展開が計画されている。具体的には、
同社の親会社であるグレンジャー社(米国)の 100%出資子会社であるゾロツール社に同社の持つノウハウの提
供が、2010 年より始まっている。現在に至る経緯においてゾロツール社の損益は黒字転換しており、同社は、
2014 年 12 月期に入って、実際にロイヤルティー収入を獲得できるようになる見通しである。
また、韓国での事業展開も予定されている。韓国での市場構造や取扱商品は、国内と類似したところが多いこと
もあり、同社は国内でのビジネスモデルをほぼそのまま韓国でも展開することを計画している。実質的に開拓可
能な市場規模は国内の 10 分の 1 程度と想定されているものの、取扱商品に国内事業との類似性があることは、
当初の最大のリスクである在庫リスクを最小化することを可能とするとのことである。
以上に鑑みれば、同社は、ノーリスクの経営指導で海外市場に参入し、ここでの一定の見通しが立った段階で、
ローリスクの海外事業展開の開始を決定したことになる。同社の海外市場進出は綿密な計画に裏付けられた着実
な進捗を実現しつつある模様である。
11
4.0 ビジネスモデル
大きな先行者利益
同社の事業内容は、
「現場を支えるネットストア MonotaRO」の運営である。同社は、同業他社に先んじて網羅
性の高い商品ポートフォリオを構築してきたことに加えて、プラットフォームにおける検索性及び顧客の囲い込
みにも長けているため、大きな先行者利益をもって事業を展開してきた。
「REDBOOK Volume 8」
:カテゴリー別商品点数構成比
13%
5% 9%
8%
13%
12%
4%
37%
安全衛生保護用品・標識
梱包・物流・清掃・オフィス用品
切削・研磨/生産加工用品
作業工具/電動・空圧工具
FA・メカニカル部品
自動車・トラック・バイク・自転車用品
工事用品
科学研究・開発用品
出所:会社データ、弊社計算
2012 年 12 月末時点では、取り扱い総商品数 200 万点、在庫商品(当日出荷対応商品)93,000 点である。同社
は、中長期的にも両者を継続的に拡大することによって顧客における利便性の向上を継続的に追及していくこと
を計画している。また、同社の最新の間接資材総合カタログ「RED BOOK Volume 8」
(8 カテゴリー)では、
総掲載商品数が 257,200 に及んでいる。商品種類別では、一般的に売上総利益率が相対的に低いとされているナ
ショナルブランド商品の売上高構成比が 70%前後、残る 30%前後は相対的に売上総利益率が高いとされている
プライベートブランド商品(直接輸入商品含む)である。
また、売上高の 80%前後が当日出荷商品で構成されているとのことである。この当日出荷商品数の中長期的な
拡大に向けては、2014 年 1 月の開設が予定されている新物流拠点が大きく寄与する見通しである。現在の主力
物流拠点である尼崎ディストリビューションセンターに隣接する地域で開設される予定の新物流拠点では、2016
年を目途として単独での在庫商品数を 300,000 近くにまで引き上げることが計画されている。従って、2012 年
12 月末実績 93,000 に対して、この分だけ同社の当日出荷商品数は純増する見通しである。
また、同社の主要顧客層は、製造業、建設業・工事業に関与する中小規模の事業者である。2012 年 12 月期実績
の顧客の業種別内訳では、製造業(売上高構成比 50%)、建設業・工事業(16%)、自動車アフターマーケット
(14%)、その他(20%)とのことである。また、顧客の人員規模別では、1~2 人(売上高構成比 2%)
、3~5
人(6%)
、6~10 人(48%)、11~30 人(21%)、31~50 人(7%)と、人員数 50 人までの中小規模の事業者合
計による購買が同社の売上高の 84%を占めた。
現在に至る同社の急成長を受け、ネット通販各社及び工具の卸販売業者などが同社のビジネスモデルに類似した
戦略を採用してきているのは周知の通りである。ただし、既に述べた通り、同社は足元の業績動向として収益性
を維持・拡大させつつ継続的に急成長を続けている。これは同社が自己の収益性を追求するだけではなく、顧客
の利便性(=利益)を追求すると同時に旧来の訪問工具商、金物屋、自動車部品商などによる旧態依然とした非
効率な工具小売市場の効率化を促進するという、その本質的な部分が他社に真似ができないビジネスモデルをも
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って事業を展開してきていることの証左であるとも考えられる。また、同社は現状に甘んじることなく、更なる
利便性の追求を進捗させることによる更なる収益性の向上をもって、株主配当などを通した株主還元に対して継
続的かつ積極的に取り組んでいきたいとしている。
「REDBOOK Volume 8」
:カテゴリー別商品数及び主要商品
カテ ゴ リー
商品数
主要商品
安全衛生保護用品・標識
24,000
手袋、マスク、メガネ、安全靴・安全スニーカー、作業服、安全用品、安
全標識
梱包・物流・清掃・オフィス用品
19,700
テープ、梱包用品、物流・保管用品、清掃用品・洗剤、照明、電池、事務
用品、OA/PC用品、インク・トナー
切削・研磨/ 生産加工用品
32,500
切削工具、研磨材、測定用品、溶接用品、スプレー・オイル・グリス、接
着剤・補修材、はんだ関連・静電気対策用品
作業工具/ 電動・空圧工具
10,000
作業工具、電動工具、エンジン工具、空圧工具
FA・メカニカル部品
95,000
コンプレッサー・カプラ・空圧機器・ホース・チューブ、ベアリング・伝導機
器、機械部品、素材、制御機器、ねじ・ボルト類、釘・ビス、キャスター、油
圧機器・油圧ホース(高圧ホース)
自動車・トラック・バイク・自転車用品
31,000
オイル・ケミカル・補修、洗車・清掃、整備工具・収納、電動・空圧・油圧工
具、タイヤ・足回り、自動車部品、電装・ハーネス、鈑金・塗装、ガレージ
設備、カー用品、バイク用品、自転車用品、トラック用品
工事用品
33,000
塗装・養生・内装用品、電気材料、ポンプ・送風機、配管・水廻り設備部
材、住設機器、建材・エクステリア、建築金物、ねじ・ボルト・釘・ビス、刃
物・先端工具、空圧機器、測量用品、建築消耗品、溶接材料、安全保護
具、安全用品・標識・マテハン、清掃・照明・事務用品
12,000
ガラス・樹脂・金属容器、体積計・分注・シリンジ・ピペッター・スポイト、水
質・土壌検査関連、純水製造・純水関連、攪拌・粉砕・混合関連、分溜・
分離・抽出・ろ過、バイオ・食品(菌)関連用品、洗浄・滅菌・清掃・衛生・
廃棄、加熱・冷却、研究関連・実験用必需品、クリーンルームブース・ベ
ンチ、分析・環境・測定器具、収納・設備・保管・運搬用品
科学研究・開発用品
257,200
合計
出所:会社データ
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ここでの情報は、ウォールデンリサーチジャパンが当該事業会社の発信する「IR情報」を中立的かつ専門的な
立場から要約して、レポート形式にまとめたものである。「IR情報」とは、すなわち当該事業会社に係る①弊
社との個別取材の内容、②機関投資家向け説明会の内容、③適時開示情報、④ホームページの内容等である。
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