溶 射 技 術 の 基 礎 知 識 株式会社 コダマ 本社・工場 松江市富士見町1−3 TEL (0852)37-1131 FAX (0852)37-1134 URL http://www.k-kodama.co.jp 1ヵ所が摩耗したことで高価な部品を捨てていませんか? 機械部品の摩耗はベアリングの嵌合部、オイルシール・パッキンの摺動部など決まった 所が摩耗することが多いようです。溶射は摩耗した部分だけを補修することができ、今 まで捨てていた高価な機械部品を再生いたします。 溶射とは? 燃焼ガス、アーク、プラズマ等の熱源により溶融した金属、セラミック等を母材に吹 き付けて皮膜を作る加工法で以下のような特徴を持ち、現在では非常に多くの産業分 野で利用されています。 特 徴 1.あらゆる材質の基材に対して皮膜を作ることができます。 2.金属、セラミック及びそれらの複合物が溶射材料として多種生産されており、ユ ーザーの希望に応じた材料を選択することができます。 3.基材の限定された部分のみに皮膜を作ることができます。 4.熱影響による製品基材の歪みが少ない。 5.溶射皮膜は多孔質であるため油保有性が良く、溶射皮膜による耐摩耗は著しく向 上します。 6.皮膜厚さは溶射プロセスを選択すれば0.01~3mmの範囲に設定することがで きます。 フレーム溶射 溶線式:金属のワイヤーを 連続的に送給しな がらガス炎で溶融 し圧縮空気によっ て基材に吹き付け て皮膜を形成する 方法。 粉末式:材料を粉末の形で 燃焼炎中に送給し、 基材に吹き付け皮 膜を形成する方法。 1 高速フレーム溶射:材料を高速度で基材 に吹き付けて皮膜を 形成する方法。粉末 の飛行速度が高く、 高速度で基材に衝突 するので緻密で基材 への密着性の高い皮 膜が得られる。 電気式溶射 アーク溶射: 交差するように送給 する2本のワイヤー の先端の間に直流ア ークを生じさせ、そ の熱によってワイヤ ーを溶融させ、基材 に吹き付け皮膜を形 成する方法。 プラズマ溶射: 直流アークによって 加熱されたガスをノ ズルから噴射し、そ の中に材料を送給す ることで材料を溶融 させ、基材に吹き付 け皮膜を形成する方 法。 溶射加工工程 (1)表面の清浄:基材表面に付着した油脂類を薬品にて脱脂する。 (2)マスキング:次工程のブラスト及び溶射から保護する必要がある箇所には、耐熱テ ープ、金属板などでその部分を覆う。 (3) ブラスト :金属及び非金属粒子を基材表面に噴射し、基材表面を荒らす。表面を 租面化することによって皮膜が基材に強く密着するようになる。 (4) 溶 射 :各溶射法にて皮膜を形成する。 (5) 封孔処理 :溶射したままの皮膜は多数の気孔があり、その気孔に封孔剤を浸透さ せ気孔を埋める。気孔を埋めることによって耐食性の改善、電気絶縁性 の向上など皮膜の寿命を長くすることができる。 (6) 機械加工 :切削や研削により所定の寸法形状に仕上げる。 2 溶 射 材 料 資 料 金 属 材 料 材 料 皮 膜 硬 度 膜 SUS420J2 HRc 48 ~3mm 肉盛り、耐摩耗 ピ ア ノ 線 HRc 53 ~3mm 肉盛り、耐摩耗 モ リ ブ デ ン HRc 60 ~1mm 耐摩耗 ニ ク ロ ム HRb 90 ~1mm 耐高温腐食 ~0.2mm 防錆、防食 ~0.2mm 防錆、防食 Zn-Al 合 金 ~0.2mm 防錆、防食 銅 ~0.2mm 導電性、ろう付け性 亜 ア 鉛 ル ミ 厚 用 途 自溶性合金(溶射後、1000~1100℃で皮膜を再溶解する必要があり。) 材 料 皮 膜 硬 度 膜 厚 用 途 Ni 系 HRc 15~65 ~1mm 耐食、耐摩耗、接合 Co 系 HRc 35~65 ~1mm 高温での耐食、耐摩耗 WC 系 HRc 45~65 ~1mm 耐摩耗 セラミック及びサーメット材料 材 料 皮 膜 硬 度 膜 厚 用 途 WC-12Co Hv 1300 ~0.1mm 耐摩耗 Cr2O3 HRc 72 ~0.3mm 耐化学腐食、耐摩耗 ZrO2-8Y2O3 HRc 30 ~0.3mm 耐熱衝撃性 Zr02-33SiO2 HRc 45 ~0.3mm 耐溶解金属 純 Al2O3 HRc 60 ~0.5mm 耐摩耗、電気絶縁 Al2O3-3TiO2 HRc 67 ~0.5mm 耐摩耗 Al2O3-40TiO2 HRc 67 ~0.5mm 耐摩耗 TiO2 HRc 53 ~0.5mm 光触媒(殺菌) 3 溶 射 皮 膜 の 応 用 例 肉盛り、耐摩耗、防錆、防食、耐化学腐食、耐高温酸化、耐高温腐食、断熱、接合、 ろう付け性の付与、電気伝導性、電気絶縁性、遠赤外線発生、光触媒による殺菌、蓄光 皮 膜 の 目 的 適 用 部 品 溶 射 材 料 備 考 摩耗部の再生 モーターシャフト、ポン プシャフト、線引きドラ ステンレス、ピアノ線, 溶射皮膜は回転、摺動部 ム、スリーブ、ロール、 モリブデン、セラミッ の耐摩耗に優れている。 ガイドローラー、シリン ク、等 ダー、他 誤削品の救済 一般には母材と同等の 材料。または、機能性ア ップのため高級材料に することがある。 耐 摩 耗 性 防 食 性 耐化学腐食 耐高温腐食防止 各 種 摩耗が予想される所 ステンレス、 ピアノ線、等 ステンレス、ピアノ線、 回転、摺動部のような粘 モリブデン、セラミッ 着摩耗のときには特に ク、サーメット、自溶性 優れた性能を発揮する。 合金、等 屋外の配電盤、 橋梁、鉄塔、他 亜鉛、アルミ、 亜鉛アルミ合金 皮膜には気孔が存在す るので封孔処理が必要。 食品工業、化学装置部品 セラミック 自溶性合金、等 封孔処理が必要。 炉床板、バーナーノズル セラミック、等 他 4 皮 膜 の 目 的 耐 熱 性 接 合 ろう付け性の付与 適 用 部 品 溶 射 料 備 考 溶接ローラー、ハンダる セラミック、等 つぼ 他 各 種 自溶性合金 鋳鉄とSUSの結合。 コンデンサー、アース 亜鉛、銅 他 電気伝導性 各種電気部品 銅 電気絶縁性 各種電気部品 セラミック 非 粘 着 性 フィルムローラー、製麺 セラミック ローラー 遠赤外線の発生 材 乾燥炉、ストーブ 他 菌 製麺ローラー、乾燥炉 セラミック 他 蓄 光 照明、景観品 蓄光材 お問合わせ 株式会社コダマ 〒690-0026 島根県松江市富士見町1-3 TEL(0852)-37-1131 FAX(0852)37-1134 URL 耐久性も期待できる。 砂鉄、セラミック、 ガーネット 殺 他 封孔処理が必要。 http://www.k-kodama.co.jp 5 光触媒
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