特定領域「核融合トリチウム」H21成果報告会 2010年5月12-13日 【NIFS】 ITER-TBM用・Li添加型Li2TiO3の トリチウム挙動 B02班 日本原子力研究開発機構 :星野 毅 特定領域H21成果報告会 2010年5月12-13日 原子力機構・星野 1.1. 研究背景 ITER概略図 増殖層概略図 He + T2 第一壁 ・ トリチウム 増殖材料 (Li2TiO3) 1173K 873K 2 TBM概略図 ・ 中性子増倍材料 (Be) T2 生 成 トリチウム増殖材料は、 トリチウムスイープガス (H2添加Heガス)中にて 使用 TBMへ装荷の課題 ・高温、長時間に耐える (Li蒸発に強い) ・中性子照射に耐える (Li燃焼に強い) ・H2雰囲気中で還元され にくい(Ti還元されない) 1%H2+He ITER-TBM用・Li添加型Li2TiO3の開発 特定領域H21成果報告会 2010年5月12-13日 原子力機構・星野 1.4. ITER-TBM用・Li添加型Li2TiO3 高温・長時間使用可能なトリチウム増殖材料の開発 蒸発や燃焼に伴うLi損失量分のLi原子を予め添加した、化学的安定性の高いLi添加型Li2TiO3 の開発に成功。 ○始発原料 水素雰囲気中にて 還元により黒化 Li:LiOH・H2O 水酸化リチウム 高温加熱 Ti:H2TiO3 メタチタン酸 無添加 Li2TiO3 Li/Ti比を調整し、回転混合 色の変化なし 白色の試料 Li添加型 Li2TiO3 Li添加型Li2TiO3は、水素により還元されにく い性質も有し、高温・長時間使用時において も安定な増殖材料として期待。 →常温反応によりゲル化 希ガスHe、Ar、N2中、1473Kで焼成 ○ICP測定 Li/Ti比の確認 ○XRD測定 結晶構造解析 特定領域H21成果報告会 2010年5月12-13日 原子力機構・星野 2.1. Li添加量の目標値 30%6Li濃縮したLi2.5TiO3+yを原型炉(第1層目)で2年間運転した際のLi損失 6Li 蒸発による Li損失量(mol) Li損失の 燃焼度 燃焼による Li損失量(mol) 320 oC 35.1% 0.26 0 0.26 900 oC 21.4% 0.16 0.14 (計算値) 0.30 Li/Ti=2.5 Li/Ti=2.2 温度 プラズマ側 増倍材側 中心側 Li/Ti=2.5 Li/Ti=2.34 2years 2years 中性子増倍材側(320℃) 中心部(900℃) 最適添加量は? 合計 核的燃焼 Li揮発 約0.3mol、定比のLi2TiO3よりLiを添加した Li2.3TiO3+y (Li/Ti=2.3) 特定領域H21成果報告会 2010年5月12-13日 原子力機構・星野 2.2. 粉末合成試験の結果 ● 今回の合成試料 今回の合成試料 Li TiO Li 単一相 2.43=TiO (Li/Ti 2.43) 3.215 Li/ Ti = 2.43 3.215 Scattered Intensity 2.43 ArまたはHeガス雰囲気中にて 焼成を行うことにより、合成過 程でのLi/Ti比の変化が無い。 ● ● ● ▲ Li4TiO4 PDF#26-1197 ● Li2TiO3 PDF#33-0831 10 20 30 40 50 60 70 80 Li添加量の目標値 Li2.3TiO3+y (Li/Ti=2.3) をクリア! 2θ/ ° 結晶構造 Li/Ti比 サンプル名 合成前 LiTi22 (大気中焼成) LiTi24-1H (1%H2中焼成) 2.2 合成後 (ICP測定結果) 2.15 2.4 2.43 XRD測定 中性子回折測定 Li2.15TiO3.075 単一相 Li2.43TiO3.215 単一相 Li2+xTiO3+y 単一相 - (未測定) 特定領域H21成果報告会 2010年5月12-13日 原子力機構・星野 2.3. Liの存在位置の推定・リートベルト解析 Tiサイトの層間にLiが存在 Li1:0.98、Li2:0.97、Li3:1.1 Tiサイトの中にLiが存在 Li1:0.99、Li2:0.94、Li3:1.55 Tiサイトの一部にLiが入り込むモデル(右図)では、Li3のbond sumの値が 1から大きく外れ、添加したLiはTiサイトの層間に存在すると現在推定。 特定領域H21成果報告会 2010年5月12-13日 原子力機構・星野 2.4. 最適粉末焼成温度の検討 1300℃ 1200℃ 実験室XRD (CU-Kα) 800-1300 oCにて焼成のXRD:高温程結晶性が高くなる。 1300 oCでは第二相が生成する。 粉末焼成はAr等、1200oC以下で 単一相Li2TiO3を合成可能 特定領域H21成果報告会 2010年5月12-13日 原子力機構・星野 3.1. FNSによるトリチウム放出特性試験 照射試料 スイープガスOUT パージガスOUT 材 質 仕 素材 寸 法 上 処 6. 3 理 ヒーター 断熱材(カオーウール) C断 面 図 × 2 B断 面 図 × 2 A断 面 図 × 2 765 弥生キャプセルを応用 した外管空冷タイプ パージガスIN 照射試料 C ヒーター A 10 0 B 熱電対(試料温度) 19 48 39 パージガスOUT C 断熱材(カオーウール) B A スイープガスOUT スイープガスIN 熱電対(表面温度) 試料 装荷 部 体積 : 36.1cm3 Li2TiO3の1mm球:65.4g装荷 数 量 3 尺 度 1 日 付 2 製 図 検 図 承 認 品 名 4 サイズ 1 変 更 履 歴 A3 図 番 FNS照 射 キャ プ セ ル 特定領域H21成果報告会 2010年5月12-13日 原子力機構・星野 3.2. TBM模擬体系における照射準備 50.8 mm SS304 (1.5 t) Air (1.2 t) SS304 (1.2 t) Heat insulator (6.8 t) Kaolinite wool (SiO2, Al2O3) Heater (2 t) Cr 23~26%, Al 4~6%, Fe balance SS304 (1.0 t) 19 21 25 41 46 mm 4.8 ・14MeVの中性子源 ・Be体系の熱中性子 →TBM体系を模擬可能 ITER-TBM用・ Li添加型Li2TiO3にて 照射する準備を行う Li2TiO3 (natural 6Li = 7.59 at%) Pebble φ1mm 1.825 g/cc = 65.4g /1.9×1.9×10cc 特定領域H21成果報告会 2010年5月12-13日 原子力機構・星野 3.4. 照射後加熱試験の実験体系 特定領域H21成果報告会 2010年5月12-13日 原子力機構・星野 3.5. In-Situ試験の実験体系 特定領域H21成果報告会 2010年5月12-13日 原子力機構・星野 4. 今後の予定 ① ITER-TBM用・Li添加型Li2TiO3の特性評価 最適Li添加量での粉末合成条件の確立 各種雰囲気中における特性評価(結晶構造・熱物性) ② TNSにおけるT放出挙動評価 測定試料の違いと T放出特性への影 響を検討 照射後加熱試験 In-Situ高温照射試験 ITER-TBMにおけるLi添加型Li2TiO3微小球のT生成・放出・回収特性の解明 核計測と実験結果の照合、TBR > 1.05担保 が重要
© Copyright 2024 ExpyDoc