事業の現状、今後の展開等について - LCAホールディングス

平成 23 年3月30 日
各
位
会 社 名:株式会社エル・シー・エーホールディングス
(コード:4798 東証第二部)
代表者名:代表取締役社長 木下 義和
問合せ先:常務執行役員
田中 英男
(TEL:03-3538-2460)
事業の現状、今後の展開等について
当社は、下記のとおり、事業の現状及び今後の展開等について、株式会社東京証券取引所に対し、同社有
価証券上場規程第601 条第1項第4号a に定める書面を提出しましたので、お知らせいたします。
本書面の提出により、東京証券取引所有価証券上場規程第601 条第1 項第4 号a に定める期間は9ヶ月と
なりました。従いまして、平成23 年9月末日までのいずれかの月において、月間平均時価総額および月末時
価総額が基準額以上(注)となった時は、同上場廃止基準に該当しないこととなります。
株主の皆様をはじめ関係者の皆様には多大なご迷惑並びにご心配をおかけいたしますが、今後とも格別の
ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
(注)上場株式に係る時価総額基準につきましては、平成22年1月末より平成23年12 月末までの間、時価総
額基準が10 億円未満から6 億円未満に変更となっており、変更後の基準に基づき記載しております。
記
1.事業の現状について
(1)経営の基本方針
当社グループは、
“Knowledge Capital Provider(知識資本の提供者)
”として、顧客企業が属する業
界の中で、
「真の成長を継続するための成功要因を見出す“1.Laboratory 機能”
」
、
「その成長を実現す
るために最も重要な人的資源の開発・育成を行う“2.Factory 機能”
」
、
「成長のために不足する経営機
能の代行を行う“3.Outsourcer 機能”
」を提供することにより、顧客企業の成長・発展に寄与するこ
とを事業コンセプトとしています。
そのための戦略として、
「住宅・不動産業界」
「自動車関連業界」における産業再活性化に向けた成功
要因を創出し、それらの業界における NO.1コンサルティング企業としての地位の確立、さらには産業
構造の Innovator(変革者)としての役割を担うことを目指しております。
また、当社グループの事業分野を「顧客企業への収益改善サービス提供事業」と位置づけ、
「住宅・不
動産業界」
、
「自動車関連業界」
、
「その他の業界」に対して当社グループのキーテクノロジーである「知
的生産性向上システム DIPS(ディップス)
」を中心として、顧客企業の収益改善に直結する、真に価値
ある商品・サービスを提供することを基本方針としております。
(2)当社事業の現状
当社グループの経営環境は、我が国経済における円高傾向やデフレの進行、失業率の高止まりが懸念
されるなど不透明な経済情勢もあり、引き続き厳しい状況が続いております。
こうした中、当社グループは、平成 22 年5月期より、当社グループ再生期間の1期目として、
「事業
の選択と集中」と「徹底したコスト削減」を重点経営課題とし、子会社の大規模なリストラクチャリン
グによる経営資源の集中と、固定費を中心とした大胆なコストダウン策を進めており、当社グループの
収益構造改善に取り組んでまいりました。
具体的には、全てのグループ会社について、事業内容やコスト構造、今後の成長戦略等を見直し、徹
底したコスト削減と組織再編、不採算事業の整理等を行ってまいりました。
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その結果、平成 22 年5月期の営業面における当社グループの業績として、当社グループの主力会社で
ある株式会社日本エル・シー・エーによるコンサルティング受注が拡大し、当社グループの営業利益に
大きく貢献しました。また、中古車の販売・買取のフランチャイズ事業「愛車広場カーリンク」を展開
する株式会社カーリンク(旧商号:株式会社リンク・プロモーション)では、中古車販売業界全体が不
況の中、
「中間マージンを排してユーザーに利益を還元する中古車の委託販売」
というビジネスモデルが
高い支持を獲得し、通期営業利益黒字化を実現しました。さらに、顧客の囲い込み戦略等を支援する株
式会社 Active Link も、主力の顧客アフターフォローシステム「PANO」の受注が好調だったことから通
期営業利益黒字化を達成いたしました。この当社グループ主要3社の通期営業利益黒字化等により、平
成 22 年5月期の下半期においては、3年ぶりとなる半期単位の営業利益黒字化を実現いたしました。
また、コスト面においては、子会社の譲渡をはじめとしたグループ全体の組織再編(リストラクチャ
リング)の実行と、東京本社及び京都オフィスの移転等のさらなるコスト削減策が効果を発揮し、固定
費を大幅に圧縮した結果、販管費及び一般管理費について、平成 22 年5月期通期においては、前期比
948,673 千円のコスト削減を実現いたしました。
さらに、特別損益においては、役員退職慰労引当金制度の廃止に伴う新旧役員による退職慰労金
301,533 千円の放棄等により、平成 22 年5月期通期で 436,401 千円を特別利益として計上いたしました
一方で、当期においてグループ会社のリストラクチャリングを行った際の事業撤退損失等により、
589,333 千円の特別損失を計上しました。その他に、修正申告に基づく過年度法人税等の計上等が税引
後利益を圧迫する形となり、
最終的に 229,718 千円の債務超過で平成 22 年5月期を終えることとなりま
した。
その後、平成 23 年5月期においては、当社グループ再生期間の2期目として、前期に引き続き、主力
子会社の収益構造の分析と見直しにより収益力の改善を図るとともに、更に徹底したコスト削減推進に
注力してまいりました。
この結果、主要子会社の売上が堅調な伸びを示したこと、及び、これまで取り組んできたコスト削減
の成果が決算数値に反映され始めたことにより、平成 23 年5月期第2四半期連結累計期間(自平成 22
年5月 21 日至平成 22 年 11 月 20 日)においては、売上高 1,964,989 千円(前年同期比 6.5%増)
、営業
利益 70,677 千円(前年同期営業損失 343,422 千円)
、経常損失 2,909 千円(前年同期経常損失 372,444
千円)
、純損失 179,816 千円(前年同期純損失 666,622 千円)と各段階利益で改善が進んでおります。
なお、平成 23 年5月期第2四半期連結累計期間(自平成 22 年5月 21 日至平成 22 年 11 月 20 日)に
おける当社グループのセグメントの状況及び業績は次のとおりです。
①マネジメントコンサルティング事業
当社グループの中核企業である株式会社日本エル・シー・エーでは、住宅・不動産業界、自動車
関連業界、その他店舗ビジネス業界を中心に、
「販売力強化コンサルティング」
「組織力強化コンサ
ルティング」を展開しております。当第2四半期連結会計期間においては、テレビ、雑誌等のマス
メディア露出が増え、当社の認知度が向上したことによる影響もあり、引き続き好調な受注実績を
あげることができました。この結果、その他のグループ各社の業績を含めたマネジメントコンサル
ティング事業の平成 23 年5月期第2四半期連結累計期間の業績は、売上高 596,171 千円(前年同期
比 39.7%増)
、営業利益 155,563 千円(前年同期営業損失 16,501 千円)となっております。
②ビジネスパッケージ提供事業
車の販売・買取フランチャイズ事業「愛車広場カーリンク」を運営する株式会社カーリンクでは、
政府実施のエコカー補助金施策終了に伴う需要低下の余波を受け、直営店での販売が伸び悩んだも
のの、加盟店での業績が6ヶ月連続で前年対比増収増益を実現いたしました。それに伴い、加盟店
から同社に対する教育研修・コンサルティング受注実績が好調に推移しております。
財務コンサルティングパッケージを企業に提供する株式会社 COSMO では、M&A セミナー等を開催
し、M&A 支援や事業承継支援、財務コンサルティング支援等の案件発掘を進めてきた結果、受注を
順調に伸ばすことができております。
顧客囲い込み戦略等の支援を行う株式会社 Active Link では、主力商品である顧客アフターフォ
ローシステム「PANO」に加えて、外食業界に特化した商品「グルメール」をリリースしたことによ
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り、順調に顧客数が増加しております。以上の結果、ビジネスパッケージ提供事業の平成 23 年5月
期第2四半期連結累計期間の業績は、
売上高 1,329,334 千円
(前年同期比 1.2%減)
、
営業損失 82,448
千円(前年同期営業損失 286,326 千円)となっております。
③海外戦略事業
株式会社日本エル・シー・エーによる主に韓国向けの「知的生産性向上システム DIPS」を活用し
たコンサルティングを展開しており、堅調に受注を伸ばしております。なかでも、7月に韓国にて
発刊した書籍に対する反響が大きく、数多くの韓国大手企業から問い合せがある等、マーケティン
グ活動も順調に進捗してきております。その結果、海外戦略事業の平成 23 年5月期第2四半期連結
累計期間の業績は、売上高 39,483 千円(前年同期比 45.5%減)
、営業損失 2,436 千円(前年同期営
業損失 40,594 千円)となりました。
当社グループの「徹底したコストダウン」の方針に沿った各種活動による当社グループの連結の販売
費及び一般管理費の推移は以下のとおりです。
平成 22 年 5 月期
平成 23 年 5 月期
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期
販売費及び一般
621,356
478,294
448,567
391,949
408,679
296,400
管理費(千円)
対前四半期削減
△143,062
△29,727
△56,618
16,730 △112,279
額(千円)
(3)継続企業の前提に関する重要事象等の概要
当社グループは、厳しい経営環境の中、財務体質改善へ向けて、収益構造の改善及びキャッシュ・フ
ローの改善に総力をあげて取組んでまいりましたが、平成 23 年5月期の第2四半期連結累計期間では、
2,909 千円の経常損失、179,816 千円の純損失となっており、当該第2四半期連結会計期間末において前
連結会計年度末に引き続き 273,580 千円の債務超過となっております。また、未払金も増加する中、各
種税金の滞納に対して、
税務当局から当社グループ保有の重要な資産の差押を受けております。
さらに、
当社グループは、引き続き厳しい資金状況であり、延滞債務が増加し、それに伴う遅延損害金等も発生
しておりますこと等から、延滞債務の繰り延べや大口債権の債務免除依頼等を行っております。このよ
うな状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
2.今後の展開について
当社グループの今後の再生計画は以下のとおりです。
(1)財務体質の改善
当社グループにおいては、財務体質改善のため、第三者割当増資の検討・実現等により、必要な資金
を調達すると共に、当社グループの債権者に対して債務免除の依頼等を進めており、資本増強と債務の
圧縮により平成 23 年5月期の決算において債務超過を解消することに最大限注力してまいります。
中長期的には、当社グループの主力事業を確実に成長させることで安定した黒字化体質を実現し、営
業キャッシュ・フローの改善を進めてまいります。
(2)収益性の向上へ向けた事業展開
当社グループは、経営コンサルティング事業への原点回帰及び徹底したコストダウンによる収益力の
回復を進めることを基本方針として、経営再建を進めております。当社グループにおけるセグメント別
の事業展開方針は以下のとおりです。
①マネジメントコンサルティング事業
マネジメントコンサルティング事業は、当社グループの安定的な事業基盤として、着実に成長・
発展させる方針です。特に、株式会社日本エル・シー・エーにおいて業種特化している「住宅・不
動産業界」
、
「自動車関連業界」においては、顧客企業に対して業種特化により蓄積されたより具体
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的で収益改善に直結するコンサルティング商品・サービスの開発・提供により、高収益なコンサル
ティング事業を展開してまいります。
また、業種特化業界以外においては、これまで高評価をいただいていた「教育・研修事業」に加
えて、当社グループのキーテクノロジーである「知的生産性向上システム DIPS」を中心とした新た
なコンサルティング商品・サービスの開発・提供してまいります。
②ビジネスパッケージ提供事業
・車の販売・買取のFC事業「愛車広場カーリンク」事業
カーリンク事業を展開する当社子会社の株式会社カーリンクにおいては、そのビジネスパッケ
ージとしての完成度について、顧客企業から高い評価を得ていることから、引き続き加盟店開拓
を推進するとともに、
「経営コンサルティング事業への原点回帰」の基本方針のもと、加盟企業
の企業体質強化、収益性改善を実現するための教育研修・コンサルティングの提供を重点的に進
める方針です。
・財務コンサルティング支援事業
財務コンサルティングパッケージを提供する株式会社 COSMO では、M&A 支援や事業承継支援、
財務コンサルティングといった新たなコンサルティング商品・サービスの開発・提供するととも
に、アジア地域(主に日本・韓国・中国)の「クロスボーダーM&A」事業を新たな収益基盤とし
て展開していく方針です。
・顧客アフターフォローシステム「PANO」事業
顧客囲い込み戦略等の支援を行う株式会社 Active Link では、主力商品である顧客アフターフ
ォローシステム「PANO」に加えて、外食業界に特化した商品「グルメール」をリリースしたこと
に加え、オンラインギフト・プリペイドカードの最大手である株式会社バリューデザイン社との
業務提携をさらに強化し、今後も業容拡大を進める方針です。
③海外戦略事業
海外戦略事業では、上記2つの事業セグメントの海外展開を行っております。これまで、中国、
韓国における当社グループのキーテクノロジーである「知的生産性向上システム DIPS」を中心とし
たマネジメントコンサルティング支援を提供してまいりましたが、
今後は、
東アジア各国において、
マネジメントコンサルティング事業、
「愛車広場カーリンク」事業、自動アフターフォローシステム
「PANO」事業、クロスボーダーM&A や IPO を中心とした各種支援事業等を各国の経済情勢や産業構
造、慣習等を踏まえて、適切な支援事業を展開していく方針です。
(3)徹底したコストダウン
当社グループにおいては、1.事業の現状について、
(2)当社事業の現状にて記載のとおり、平成
22 年5月期より徹底したコストダウンを推進してきておりますが、今後も経費管理をさらに徹底するこ
とにより販売費及び一般管理費の削減に努めてまいります。
3.今後の見通し及び上場維持について
当社の平成23年5月期の当社グループ連結業績予想につきましては、
売上高3,874百万円、
営業利益 149
百万円、経常利益 83 百万円、当期純利益 20 百万円を見込んでおります。
当社においては、今後も厳しい経営環境、財務状況が継続することが予想されますが、引き続き、経営
コンサルティング事業への原点回帰及び徹底したコストダウンによる収益力の回復を進めることを基本
方針として、事業及び財務体質の安定化を図るとともに、第三者割当増資等による資本増強の検討・実施
により、平成 23 年5月期の決算における債務超過の解消を目指しております。これによる市場からの信
頼の回復と、さらなる企業価値の向上を実現することで、当社株式の月間平均時価総額及び月末時価総額
について、東京証券取引所の定める基準を上回ることにより、今後も東京証券取引所市場第二部上場を維
持するよう努めてまいる所存です。
以上
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