特集 火力発電新技術 U.nC.る21.181.142.2-987:る21.184.3-954 超高温・高圧二段再熟ボイラの計画 Design Temperature Ultra-High of Pressure and Double Reheat 近年の燃料費高月削二伴い,発電プラントの高効率化を目指Lて蒸与く条件を向上L た超高氾・高Jt二段舟熱フうントのニーズか高まっている。更に,原丁力発`i一正r斤増 設ととい二超高i丘一L・高Jtフラントといえども中1日J負荷適用に過した逆転特性と信締 Boilers 坂口安英* y〔王ざ従ム∼de5αふαg以Cんi 程塚国男* ∬比和よ0 〃orねヱ比んd 三村哲雄** regぶ・〟0 〟g仇〟∴r(J 性が要求されるご。 二れらの要求を実現するために信頼怖か実証されている現行技術を改善するとと もに,ガス手元動モデル試験による再熱蒸気i温度特性の向_L,起動,停止及び負荷二変 化特ノ件のシミュレーション解析を行ない運転特性を改善し,材料と補機の確証試験 を実施Lて機器の信根性確認を行なった。ここに,316atg、538,552,566℃及び 566,566,5660cを蒸気条件とする変圧運転ボイラの設計,製作技術を確立Lたの でその要点を報告する(, t】 緒 言 表l 二度にわたるオイルショック以米収油価格が異常高騰し,エ 検討項目 高効率で中間負荷運片=二適Lた超高温・高圧二段再熱ボ イラを実用化するためには,高温,高圧,二段再熟に対L信頼性を確保する技 ネルギーの多様化と省エネルギー化への対応が急務となってい 術検言寸が必要である。 る。二れを契機として,Philo,Eddystoneなどで採用された超 高温・高仔二段再熱プラントが再びクローズアップされてきた。 課 題 検 討 項 目 米国では効率改善策として,プラントの高i止・高圧化に関 する研究開発プロジェクトを推進し1)I2),効率向上と建設菅号増 加のバランス及びR&D(Research Development)の程度 and J /′ 時 温度の上昇/ などから,蒸妄も条什が316atg、538,552,5660cニ!)ぁるいは 増 厚 圧力の上昇→肉 定 数 増 加→悪習だ半諾毘 加一運転特性改善 \、、 316atg,593,566,5660c4)のプラントを提案している。前者 二段再熱------ユー宝島雪男/空品雷→蒸気温度特 は,現行技術の延長で対応できる範囲にあり,後者は,R&D を必要とするも二大期プラントとして期待できるとしている。 図1に茶気条件とプラント効率の関係5)を示すが,主蒸気i㍊. 度649ロcでは相対伯で7%強のプラント効率向上となり,燃 64g,566,566亡C 新技術 といえる。同岡に新技術適用の度合いを併せて記すが,蒸気 649,566,5660c (訳〓些夜警ミて上→ぜG播茂上人小ト 1 条件の上昇に伴って新技術の適開度は増加する。プラントの信 栢件を考え合わせると実証されている現行技術を基盤として, 5g3,566,5660c 、 、 、 5弧566,5660c 、、 早期実現怖が高い蒸気条件であると言える。その意味で,こ 、 ト \ れら蒸気条件のボイラの実用化を具体的に検討した。 538,552,566Qcヽ ヽ 同 、、 検討項目 プラント効率及び稼動率など総合的にみて高効率であるプ 538,552,566Pc 、 \ 現行技術 新技術を蓄積Lな・がら蒸気条件を向上するという観点から, 316atg,538,552,5660c及び316atg,566,566,5660cは, 566,566.5660c 現行技術の延長 、 料を輸人に相る手乾が同では積極的に収り組むべき課題である ラントを実現するには,蒸気条件の改善とともに信相性の確 \ 保が重要であるため,中間負荷運用に適し,その信奉則生が実 538,5860c \ 言正されているベンソンボイラの技術を基盤とし,新しい付加 \ 538,5酪C 要因である高温,高圧及び二段再熱について,現行技術の改 538,538qC(ベース) 善と応用によって対応する。 246 281 316 352 したがって、実用化に当たり,信束引隼確保の観点から新た に検討すべき項目は,表1に示す3.たである。 主蒸気圧力atg UPボイラノ女びベンソンボイラの設計,製作で濁柿Lた技 図l蒸気条件の改善によるプラント効率の向上 によりプラント効率は大幅に向上し,649℃では7%強の効率向上が期待でき る。一方,蒸気条件の改善とともに新Lい技術の適用度も増加する。 * バブ]ック日立株式会社呉11場 ** 術に加えて,各椎解析,確証試験を実施し,機器の信束副生を 蒸気条件の改善 確認することによって設計聾望作技術の確立を図った。以下に その概要を幸艮肯する。 パブコソクH立株式全社 11 720 日立評論 VO+.64 No.10(1982-10) 伝熟面配置と蒸気温度制御性の向上 田 600 全熟吸収量 全熟吸収量 l溺1×106(kcal/h)(100%) 1,916×10百(kca州) プラント効率向上及び信束則生向上のため,伝熱面配置につ (100%) 過 550 いても構造の簡素化,蒸気温度制御性の改善などの考膚が必 要である。 熱 過 LNG(液化天然カ、、ス)燃焼1,000MW用ボイラの設計を通じ, 5 00 超高f比・高圧二段再熱ボイラの最適†ム熟面舵置について,ガス 検討の対象としたボイラの主要仕様を表2に,その側面図を (Uし他 流動モデル試験及びシミュレーション解析を用いて検討した。 区12に示す。 項 せ 熱 再 器 熟 器 3哨 し 14% 火 4∞ 目 項 単位 イ士 3 節 炭 器 3 00 発電機出力 主蒸気圧力 主蒸気・再熱蒸気温度 l′000 atg 316 316 ℃ 538,566 538,552,566 566,566,566 ボイラ蒸気量 t/h 3′070 3′180 3.090 蒸気圧力 過熱器出口 atg 255 327 327 44.3 l15.6 l16.3 37.7 37.4 542 570 蒸気温度 過熱器出口 ℃ 542 -1設再熱器入口 302.7 388.0 412.4 一段再熟器出口 二段再熱器入口 568 554 568 393.9 402.8 568 ニー設再熟器出口 給水温度 ℃ AH出口ガス温度 100 (補正後:MCR) 燃 料 注:略語説明 図3 % lキ\ 蒸気条件と各部熟吸収量割合 316atg 566,5(始,566心c 超高温・高圧ボイラでは,再熱 3.1伝熟面配置上の考慮事項 各部熱口及収量割合を,従来の超臨界庄一段再熟ボイラと比 較Lて図3にホす。超高fふ⊥・高圧二段再寿打ボイラでは,再熟器 系の熱吸収量割合が大きく、かつ再熱器入口蒸気温度が高く 100 LNG 538,566□c 器(-j設と二段)合計熱吸収量が多く,ボイラ各部流体温度が高い。 322.0 100 LNG 246atg 568 322.】 282.7 =% 10% 246 一段再熱器出口 二段再熱器出口 岳 炉 % 2 火 様 MW 彰し 節便器純 3 50 538,552,566℃,316atg566,566,566℃ボイラを設計した。 atg '・再 し「 4 50 棋 +NG燃焼l′000MW,316 藷 段 2陥 炉哨 超高温・高圧二段再熟ボイラの仕様 執 器 4 表2 段 再 なっており,高i且ガスゾrンに配置することか必要となる。一 しNG 方,過熱器熱吸収量割合は小さくなるが,出口蒸気温度が高 AH(空気予熱器),MCR(最大連続負荷),+NG(液化天然ガス) いことを配慮すべきである。 高効率を目的とする超高f止・高圧二段再熱ボイラでは,従来 形二段再熟ボイラのように再熱蒸気子息度をスプレー水により 制御することは避けねばならない。このため一段再熟器,二 段再熟器及び一二大過熱器を,各々三つに分割されたがス通路 且 ■i____ ーーーi- ト 昭 ll l・l = ̄ニーーーニ÷、】 \ 忘護摩蛮 ;L l l ] l 与・l l ㌣∃「 リノ 糾 l: !一億1 l  ̄≦催 l 云i トl !■㌻ 栴 磨▲ l ,垂■;† 深 ̄こニ≡ 常駐L l 撃 l 丁 トーー; 麒 l l †、ィ/ 図2 1ら † 1 l■;:. l∠ 気温J安制御性の良い後者を採用した。 … 3.2 ガス流動モデル試験 炉内及び対き充伝熱面でのフローパターンをi則定して,(1)再 熟器用己置のガスi充に与える影響,(2)各伝熟部のガス流ベクト l川 ルの把握,(3)ガス再循環の炉内ガス流への影響,(4)起動・ l 停止時のガスi充の変化などを解析した。 実機の去縮尺モデルを用い,三二大元のフローパターンを熟 l \ 臣 対Y与r ■†7 藍 ロー 二H け r ト とX∴1  ̄ ̄ ̄1 ■t l ‥  ̄1J l l †f三◆∃ 三〒宇 撃 y ′▲'二/ 、J子 † 1 ̄「_ l 桁 †:二 …三一、l・ 二空っ ̄二千梵空こ五こ l ∼ 【王室 川 事 :E \ ト\、中一 上 超高温・高圧二段再熱ボイラ構造図 州 ]し …転三豊ニ l 1L 法と火炉幅方向に分割する方法とについて,ガス流動モデイレ ll IM l としての信束馴隼を確認するため,火炉奥行方向に分割する方 中 ̄}i ・__毒畠ト+L l 1 l 竺一環喜 萱 ̄ ̄二 l 亡二=■ l I __+亡: l ≠一三 入実績があり設計技術は確立されているが,二段再熟ボイラ i一打ノ喜 ≦二主 i-!・〕 試験や蒸気温度制御シミュレーション解析などを行ない,蒸 事 ト パラレルパス方式は,【一段再熟ボイラとして既に19缶の納 『 ̄臣 … ‡ モ頁 童責 T. †「1∃ 順一 r り 朴--一書 l \て ;頂 ㌢馴 l l __Ⅰ l◆ 十 † l二三1 ・.l 、ヾ⊥J !-- l ス7充量を;別寺卸して,一段及び二段再熟蒸気温度を調整するパ 1 ゝi†  ̄_け蓄 ̄ ̄育毛三 】 l 【 「妄・・/■l 駐≦暮 l け に配置し,各々のガス通路の出口に設置したダンパによりガ L_二==コ r ラレルパスとがス再循環の併用方式を才采用した。 l l-・ま事∴ごご=二i;二 ̄二==I事 トE t l 亀二 1 】 批_ 二 ̄_ヨニ__/ 高温高風 高効率に対 練風速計でi別宅した。モデルの外観を図4に示す。 試験結果の一例を図5に示す-フ 同図(b)は,MCR(最大連続 負荷)時の火炉及び対流伝熱部のかス流ベクトルを示し,同 岡(C)はつり下げ対丁充伝熱部の火炉幅方向のガスi充量アンバラン スをホすが,つり ̄Fげ再熟器部では横置再熱器下部のガス調整 ダンパによる7充量制御の影響は十分小さいことが確認できた。 3.3 伝熟面配置 ガスi充動モデル試験及び後述する制御性確認シミュレーシ する信頼性向上のために,過熱器出口管寄せの2本化,一次過熱器と再熟器の パラレル配置など構造の改善を行なっている。 12 ョンの結果を検討して,ボイラ伝熱面配置及び蒸気一息度制御 721 超高温・高圧二段再熟ボイラの計画 法を次のように決定した。 { { 二段再熟器をパラレル伝熟面とし.火炉帽方向に分割する。 l\/ (2)負荷変化時の再熱蒸気温度制御は,ガス再循環とガ、ス調 一段再熟器 火 整ダンパの併用方式とする。 レ/\「次 炉 過熱器 妄語示品警V 運転特性 由 横置部 つり下げ部 (1)再熱蒸気温度制御範囲を広く確保するためには,一段, 三次 超高温・高圧二段再熱ボイラの水蒸気系統を図6にホす。J水 過熱器 A A f芸再熱器/ 冷壁出口に設けた汽水分鮭器のドレンは,熱効率の良いBCP 】 (ボイラ再循環ポンプ)方式により回収している。何回中で破 (a)伝熟面配置 線で示す部分は起動バイパス系統である。 運転特性の向上は制御装置の惟能改善を図るだけでは限度 ー があり,系統・容量・伝熱而配置などで制御惟を卜分に考直 ーー●-=11= - け-→∼h\\い= ′●ノーヽh\1ヽ\= したボイラ計画が不可欠である.〕この検討にはシミュレⅦシ / 士 なく,厚肉部の寿命評価などの本体構造設計データとしても 1 バブコック日立株式会社のシミュレ【ション解析モデルは, ナ一 =lt 実機データによる検証を通じて高精度化を進めてきたもので6), ■ 事IIl ▲′● 壬 土 用いられる。 ■ ● ● \\\lllI - ●■ ● 一-・l ▲-一 ョンが中心手ぎ去となり,解析結果は運転制御面の考慮だけで ●一′●◆ ‡JII Iり ‡- エ 現在20プラント以__Lの設計計画業務,試i重転調考封旨針立案に ーエJ王} 適用した実績をもっている。 運転特性上特に留意すべき点は,起動及び負荷変化時での 土一 、It 蒸気i且度制御件であり,超高i温・高「fボイラでは二大に述べる 山iIJ叫 ような考慮を・払っている.) 高仔化による伝熱管の厚肉化に伴い,燃焼ガス・蒸気間の 伝熱遅れが増大し,蒸気温度制御のんむ答性が机下する。この ため従来かごJ採用されているす"バ・アンダファイリング(過 i度的な燃料量の増加・f成少)制御だけでは不十分であって, (b)・冬ノ部ガス流ベクトル 過熱器・再熟器伝熱動特件を一考癒したカ、、ス呈動的制御などの 30 適応制御技術採用が必要である。過熱器,一段再熱器及び二 ー△一つり下げ過熱器入口 段再熟器通過オ、ス竜を個別に調節するパラレルパス方式は, 20 (訳)00rX ー×一つり下げ再勲器出口 0 ∩) (倒喋官許) (礫媒常駐)⊥雌蝶水嶋) 代入小ソ、八ト㈲照代.′下G世斡埋隻《 酵 一口一つり下げ再熟器入口 一古 _{こト___つり下げ一段再熱器入口 0 _●_■…_つり下け二f呈再熱器入口 50 25 75 100MCR タービン負荷(%) (c)ガス流量アンバランス 顔 匡15 ガスミ充動モデル試験結果 っり下げ再熱器部では,横置再熱器 出口ガス調整ダンパによるガス量調整の影響はみられず,ガス〉充動アンバラン スも数パーセントと十分小さい。 取ぎ 戦マ 燃料多様化による伝熱面熟吸収変化の調整を可能とするばか りでなく,蒸気温度制御応答性改善にも有効である。負荷変 化幅及び変化率に応じてガスパスタンパとガス再循環ダンパ に,適応制御からの補正信号を加えることにより,蒸気温度 ㌦ 恥h 特性を大幅に向上する動的先行制御が実施できる。 図7に負荷変化率5%/分(負荷100%→50%)とした場合の 一斗良:肌 図4 ガス;充動モデル試験装置 流伝熟部でのガス流動を確認した。 去縮尺モデルを用いて,火炉及び対 負荷変化特性,図8にホットスタート(8時間停止,.た火∼ 全員荷到達170分の設定)の起動特性シミュレMション結果を 示す。運転特性を考癒した本体設計,動的先行制御の採用 13 722 日立評論 VOL.64 No,10=982▼柑) により,良好な蒸気圧力・温度特性を得られることが確認で 00寸 ON+ きる。 加に留意する必要がある。起動及び負荷変化特性シミュレー 一段再勲蒸気温度 00り ○寸N ションは,熟応力及び寿命消費計算も一元化Lて行ない,総 汽水分離器熟応力 ONの 力変化幅及び流体温度変化幅が大きくなるため,熟応力の増 0 0N- ㌻∈∈\切ヱ只授感 また,超高温・高圧ボイラは従来のボイラに比べて,蒸気圧 100% 主蒸気温度 合的な検討を加えている。解析例とLて,図8に汽水分離器 00寸 主蒸気圧力 00N 実施する考えである。 ○∞ (UO)雌粥蝦繊 運転制御面では,熱応力監視システムを導入し寿命管理を ○爪こ (望空前凹蝦哨 の発生熱応力値を併せてホす。 二段再熟蒸気温度 タービン回転数 負荷 15% 以上二述べた事項を中心に、超高塩・高斥ボイラの逆転特件を 総介的に検討した結見 起動時間はホットスタート(8時間 O 40 停止)で170∼180分,負荷変化率は5%/分と従来の中間負荷 図8 三次S/ノ′ノH トー HP タービン タービン lP及びLP L空空____ 点火∼全員荷間170分のホッ 性のシミュレーションと同時に,厚肉管熱応力解析,寿命評価を行なうシステ 8 機器の信頼性 高効率フノラントの実現には構成機器の信頼性を確保する・こ 訂 復水器 L且叫 5.1而寸熟材料 王系外ブロー l 脱気器 _+ ボイラ用鋼管としては既にMo鋼,Cr-Mo鋼及びオーステナ イト系ステンレス鋼が規格化されてし、る。しかし,これら既 存材(従来から使絹されている材料)で蒸気条件の高圧,高温 節炭器 BFPブース )l( とか重要である〔〕本章では,耐熱材料,耐圧部及び補機の信 相一件について述べる_、 BCP HP タポンプ ヒ一夕 BFP 注:略語説明 起動特性シミュレーション結果 2段R/H 一次Sノ′′H 水冷壁 160 ムとなっている。 ホ頚 ケージS/H 120 トスクートの例を示す。円滑に蒸気温度が上昇していることが分かる。運転特 超HP 1段R′′′H 二次S′/ノH 80 時間経過(mln) 運用ボイラと同等の運転性能が実現できる見通しを得た。 I 35% 25% 化に対応するためには,設計条件が厳Lくなる過熱器高温部, 過熱器汁1口管寄せ及び主蒸気管の厚さは管製作限界に近くな り、316atg,566℃の蒸気条件に対Lては新しい耐熱鋼の採用 HP(高圧),lP(中庄),LP(低圧) が必要である。 R川(再熟器),S川(過熱器),BCP(ボイラ再循環ポンプ) 316atg,5660cの蒸気条件に対しては,既に開発が完了し, BFP(ボイラ給水ポンプ) 材料データがそろっている改良9%Crフェライト鋼(2鋼種) 図6 超高温・高圧ボイラの水蒸気系統図 信頼性の実証された超 臨界庄ベンソンボイラの系統を基本的に踏襲L,汽水分離器ドレンの回収は熱 と改良オーステナイト鋼を選定し,加工・溶接性,高温強度 特惟,耐食性などの観点から信頼性を検討した。その結果, 効奉の良いBCP方式を採用Lている。 これら改良耐熱鋼はボイラ用鋼管として十分実用に耐えるこ とが分かった。以下に,信頼性試験結果の一部を報告する。 5.1.1改良耐熱鋼の特徴 表3に改良耐熱鋼の化学成分と機械的性質を示す。改良9 Cr鋼はC量を低目にし,Mo量を増加あるいはNbとⅤを添加し ○∞の 二段再熱蒸気温度 一段再熱蒸気温度 ○∞の○①の ∃ ∃ (OL軸粥蝦楷州 ○寸の ○のの○也の○寸の 「■] (UL世銅解職感度鋸- ○¢の (ど咄鵬蝦轍載腔砿〓 たものである。このため,フェライトの生成が促進され,焼 主蒸気温度 ならし一塊もどL熱処理によって焼もどLマルテンサイトと フェライトが混在した金属組織となる。このフェライトは高 温で安定な組織であl),焼もどしマルテンサイトと共存する ことにより高温強度が向上する。改良オーステナイト鋼はC ○寸の 00r 竜に対する適正比率のNbとTiを添加することにより,微細な 00M (訳)妊囁 00N 発電機出力 ○の 主蒸気圧力 5.1.2 加エ・溶接性 伝熱管を構成するには曲げ加工が必要になる。このため熟 間曲げと冷間曲げ加工性を調査Lたが,いずれの改良耐熱鋼 00「 (ど佃)只世蝦楷仙 炭化物を形成させて高温強度の向上を図っている。 10 20 30 40 とも既存材と同等の良好な加工性を示した。 溶接継手は母材と同等以上の強度をもっていることはもち 時間経過(mln) 図7 負荷変化特性のシミュレーション結果 100%→50%の負荷変化に対する応答例を示すが,良好な負荷追従,蒸気温度 特性が確認できる。 14 ろん,溶接金属や熱影響部に溶接割れが発生しないことも必 要条件となる。溶接割れについては,溶接による変形を拘束 負荷変化率5%/分で Lた拘束溶接害柑L試験と溶接中に強制変形させるパレストレ イン溶接割れ試験で評価し,既存材であるSTIiA26(9Cr-1Mo) 200 723 超高温・高圧二段再熱ボイラの計画 表3 改良耐熱鋼の化学成分と機械的性質 改良9Cr軌まC量の減少,Mo量の増加あるいはNb,∨の添加,改良オ【ステナイト鋼はNb,Tlの複合添加によ って高温強度を向上させている。 化 鋼 9Cr-2Mo 改良鋼 9Cr-1MoNbV 改 0.04-、-0.08 ≦0.15 ナイト‡洞 鋼 良 SUS321HTB Mo Cr ≦0,08 STBA26 オーステ 成 (wt%) 分 材 C 9Cr鋼 学 Nl 8.0--!0.0 l.8、-2_2 8.0-、-9.5 l.10 0二9二_ゝ___ 8.0---10.0 0.9 ̄---l.10 Nb ∨ 0.2-、0.6 0.06「-0.20 17.0-〉20.0 9.0、一】3.0 0.04、-0.10 17.0「--20.0 9,0---】3.0 Tl Ti十Nb/2 ≦0.3 的性質 力 引張り強さ 耐 (kg/mm2) 伸び (%) ≧30 ≧5Z ≧25 ≧30 ≧52 ≧20 ≧21 ≧42 ≧30 ≧2l ≧52 ≧35 ≧21 ≧53 ≧35 (kg′/mm2) C 0.15∼0.45 ≦0.6 機械 0,6-〉2,5 4×C%∼0.60 やSUS321HTB(18Cr---8Ni,Ti)と同等以上の仙一溶接1判れ件を もっていることを確認Lた.) 250 高温強度特性 5.1.3 時 間:1,00Oh 記号説明 桁接性試験結架から溶接施Ⅰ二法を決起L,溶接桝rを製作 2 ∩)0 をデブ上宝するクリ一ブ破断試上験結架を1+こす√、いずれい辻村側で 破断し,破断強度は母材♂)データバント内に人っていること (巨。〕 かJ),iプi接継子の高批強度特作は増村・と卜i川芙に俊れているこ とが確認できた。) 50 也軽ミ一心K軸 耐食性 5.l.4 仁二熱管のl勺血では,連転こ中に烏f.1.しの水ノ在∼い二.より恨化スケ と,はく離Lて ールが形成されるここ,二のスケーールが境土呈する †∠二熱皆の閉壌あるいは夕【ビン損の摩耗ク ̄=京凶となることか △◇○ロ▲◆● してその高fぷ傾度特性キ調杏した.。図9に■ご占≠.Ⅰ‖ミ.でグ ̄)詳茶応プJ STBA24(2妨Cr一州0) STBA26(9Cr--1Mo) 改良9Cr鵠(9C卜2Mo) 改良9C欄(9Cr一州ONb〉) 2妬Cr一州0系 SUS347 SUS321(ショット加工桝 改良オーステナイト親 (ショット加工榔 ヽ首--・-・・ゝ 9 ∩) 0 nlU 鵠 - ノ 耕一一ノート 国10は各椎鋼管の耐水恭1も戸軽化作を′JこLているが,収 あるこ一 50 J連9Cr鋼は-呪川のSTBA26と何等以卜の耐恨化件を′jミすこと が分かる(_,改良オ=ステナイト糾は内「如にショ ) オーステナイト領 ット川丁二亡をL (シ]ツト加エ) ており,安1Eなf憤化岐暇を形成するためにオー-ステナイト糾 500 の1 ̄-でも非常に良好右・耐酸化什をホLた〔_、 _+___._............+■ld■■≡≡已ヨ≡≡≡=≡:+】■■:===土.....____.⊥_ 550 ここではLNG燃焼ボイラを対象に検討Lており,長子l_t】や了 ̄√ 600 温 (∋50 700 度(Oc) 炭燃焼の場合のように燃焼り(による外向グ)高fJ‖川寅良は問題卜と なJフないが,油灰による砧if.い裔食についても.式験L,攻1■主耐 図10 熱鋼は枕ff二村と同等の耐良作をも一-ノているニヒを確認Lた。 (9Cr-1Mo)と同等以上,改良オーステナイト洞はSUS347よりもイ憂れた耐酸化性を示す 各種鋼管の耐水蒸気酸化特性 改良9Cr鋼は現用のSTBA26 更に,イイ炭J火による高fJ..川寅良対策ヒして,.‡二占Cr†ナう‡キ熱糊 J五黄Lた二毛管放びクロマイス◆て1二についてむ検.汁を進めている_ 管寄せのモデル試験 5,l.5 とそグ)断面マクロ組織をノJてすか,健全な溶接部であり,石重さ, 高子址強j空などについても1呈(けな結果が得Jノれた′つ 蒸気条件316atg,5660c(7)過熱旨琵汁=+管寄せと_七∠在乞く甘に アーク淋様による符寄せへのスタッブ桁接試験も実施し,大 は改良9Cr鋼の採j ̄lJが必要であることかLIJ,外径558.8mm, 任厚内純道三物の製作技術を確二、土Lた1 丁字さ130mm(7)鋼管を試作し,J誹容積及びスタリブ柄接のモデル 5.2 試験を実施した、つ 図11は挟間先ミグ溶接に上る同†有様のご状況 史に,披掩 耐圧部の構造強度 高∼エま▲高「i化に伴し、,耐圧部は丁字肉となり起動,惇】fl及び変 圧負荷変化時に生じる熱応力が増加する。原了一力発電f叶の増 母材データ バ ン ド 挺手データ 50 4 9Cr nU 2Mo 9Cr-1MoNb〉 3 n) 母材データ 継手テ一夕 バ ン ド ち2≡ 三≡≡: 設によ り,火力党乍已デ叶には夜間はイ字止もL く は15%程度の穀 低負荷j室転,更に兵尽には50%程度の低負荷う雀転をも要求さ れる。耐圧部のうち,惇内構造物として汽水分離器,同貯水 ≡迅≡ タンク及び過熱器汁=1管寄せか挙げJ)れるが,前二者はiは度 \ が4500c以下で埴労強度面で厳しく,後者は■軸足であるため, (篭E\山王只 ご\ 痛労のほかにクリ〉-プ強度向でも王鼓しい部分である。 起動時は,汽水分雑器,貯水タンク及び過熱器出口管寄せ ともJ十三力,温度の変化を′受けるが,負荷変化時及び悼l卜時に ♭-印は未破断 哩 は,肋_二者はJ主力,fムL度向ノノが変垂わするのに対Lて,後者は JtプJの奄勅だけで,Lかも設戸汁fJ..L僅か高く許脊応力が小きい ●-印は未破断 ので,内†-tによる発牛九E力を′トさく設.汁するため応力′変歩むが 26 27 28 29 30 31 ′J「(30Tlog∼)xlO‥】 (a)改良9Cr鋼 18 19 20 21 22 23 †■(20てLogり〉+0'て (【))改良オーステナイト調 ′トさし、JLたがって,後荷に比較Lて前二者が二植竹頗度的 にいノノそう航しいL- (1)汽水分離器及び貯水タンク 夜間は停_11二丈は最†氏負荷運転,更に尽の低負荷運転を毎日 図9 改良耐熱鋼溶接継手のクリープ破断特性 行なう場合には,汽水分離器又は貯水タンクの寿命消雪享年か いずれのデータと も母木オデータバンド内に入っており,溶接継手の高温強度特性は母ネオと同様に イ萎れている。 ボイラ耐r主部の内で最も厳しくなるため,運用形態にJ芯じた 最適J亨さと員数を選定する必要がある。 15 724 日立評論 VOL.64 No.10(1982一川) 弁及びボイラ再循環ポンプ 5.3 超高子主ょ・高斥ボイラプラント用弁及び補機については,機 器メーカ【と協調をとった検討が必要であるか,その検討結 切 由 果について以下に述べる.。 り ○ ゆ璃+けJ: し1)弁 ボイラに設置される主要弁を,圧力・i止度クラスレーティ わ ング根上にホすと匡112のようになり,主蒸気系の弁(設計圧 〕 (b)溶接部断面マクロ ノJ343atg,設計†温度5740c)を除いては既存材料で4500-ⅠⅠ頬の 範岡にある。主蒸気系弁についても既に開発されている改良 9Cr鋼を採用することによって,既存のレーティング範囲で 管寄せ材 の設計が=†能となる。 9Cr-2Mo毒R ¢558.8×‖30 シール性の向卜については,グラフオイル系パッキンの採 (∂)狭開先ミグ溶接 用,オ、スケツトの材料・形ヰ大の改善を行ない確認実験が行な 図Il改良9Cr鋼管寄せの溶接 実機寸法のモデル試験により,管寄 われており,技術的問題はない。更に,これら現行技術の組 ナナせで実機大の試作弁を作り、総合機能についても実証確認 せ,主蒸気管などの大径厚内構造物の製作技術を確立Lた。 を行なっている。 /卜後ク〕 ̄方向とLて,電力用バルブ規格(E-101)に認められ 800 4500-ⅠⅠ ている中側レーティ SCPH32 点かごフリー期に規準化を図ることが必要と考えられる。 現行技衛 (2)ボイラ再循環ポンプ 既存材料 700 、■  ̄、、ヽ ボイラ再術環ポンプの運転条件は,110atgの飽和水である ので,従来の超臨界庄ベンソンボイラ用と同程度でありポン 3500--ⅠⅠ 600 ングの採用が増加するため,統一性の観 4500-【I 1 SCPH21 プ,電動機の特性と構造は従来の技術(遠心ポンプ・浸水形 m 電動機)がそのまま適用■吋能である。 一方,ボイラの芹流運転二状態では,ポンプとしては停止状態 となるか高圧水でウォーミングを行なっており,その耐圧強度, 500 2500-11 b瓜 の 只 シール性は毛要なポイントとなる。二れについても,現行技術, SCPH21 400 規格グ〕範囲内で対応吋能であるが,実用化に当たりシール部 節 炭 器 付 L当 300 属 弁 について実物大ク ̄)部分モデルによる実証確認を行なっている。 一次過熱器入口付属弁 同 結 言 二次過熱器入口付属弁 ′払■亡ごiぎ比・甜七二段耐熱ボイラの計画に際し,性能,運転特性, 材料及び補機について,解析,モデル試験,確証試験などを 主蒸気管付属弁 200 行なった.⊃ その結果,蒸気条件316atg,538,552,5660c及び 566、566、5660cに対しては,既存の技術に若干の改善を加え 100 ることにより対応が可能であることを確認した。 現行技術 リlき続きJ_J_三ソJ・f止度が史に高い裾て式条件に対する技術開発を 新材料 100 200 300 温 400 500 600 700 度ぐ■c) 推進Lているが,今後とも各電力会社の指導を仰ぎながら, 高効率・大谷簑フ打炭火力の実現に努めてゆく考えである。 なお,検言寸に当たり御協力いただいた銅管メーカ】放び機器 図12 主要弁と弁レーティング 主要弁の中で主蒸気系統の弁を除い ては,既存ネオ料の範囲である()主蒸気系統の弁も改良9Cr木オの採用により,既 存レーティング内となる。 ノーーカーの関係各位に対L,ここに謝意を表わす沸こ第である。 参考文献 al-: Heat 1)S.B.Bennett,et パブコソク日立株式会社では,超臨界†主ベンソンボイラ設 計製作時に内圧応力の実測及び三二大元解析を行ない,応力解 析技術を確立7)している。更に,前述の運転特性シミュレ【 CoalPower CoalPower 3) 4)S.B.Bennett,et Next が可能である。 Plants,AIderican 5) 消費率30∼40%と信根性の高し-設計が可能である。 16 Performance Next Gelleration Design al.:The Power Heat Rate of Pulverized and Performance Pulverized Conference,Apr,1981 高山,外:中間色荷運用石炭燃焼ベンソンポイラ,日立評論, of CoalPower ∴甫、外:超高温・高「E蒸気発電プラントの技術展望,日立 62,4、247∼252(昭55-4) Coal Conference,Apr.1981 l吸収に及ばす影響と火炉出口ガス7温度の表示式について,電 プJ中一矢研究所報告,72052(昭47-10) 7) Pulverized Engineering,Nov.1980 Power Low of 6)石川,外:オ、ス再循環フアンの点火∼並列間駆動が伝熟面熟 料(2一去Cr-1Mo)で設計が可能であり,566℃の場合はクリー ブ強度が高い改良9Cr材を採用Lて更に薄肉化を図り,寿命 Generation & 評論,63、7,455∼460(昭56-7) 管寄せ本数を増加して小径,薄肉化を行ない,熱応力の帆 減を図った。その結果,主蒸気‡温度5380cの場合は,既存材 al∴The Plants,American のコンビュ【タに組み込むことにより,デイリーに寿命管理 (2)過熱器仁H口管寄せ Engineering,May.1980 Power Plants, A.F.Armor,et Power Power al.: Design 2)S.B.Bennett,et ション解析と応力解析を一一元化したシステムを用いて,プラ ントごとに最適設計を行なうく、 ̄更に,二のシステムを発電所 Plants, Pulverized RateImprovementsin tlle
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