第22期 事 業 報 告 (平成 19 年年 4 月 1 日から平成 20 年 3 月 31 日まで) 1 会社の現況に関する事項 (1)事業の経過及び成果 ① 事業の状況 当期の我が国経済は、企業部門の堅調さが維持され、引き続き景気は回復基 調ではありましたが、原油価格の急騰によるガソリン、灯油等の値上げや改正 建築基準法の施行等による影響などから、個人消費はおおむね横ばいを保った ものの、建設業界では住宅建設戸数が減少するなど、総じて景気回復の足取り は緩やかなものとなりました。 道内経済は、自動車関連向け鉄鋼業などが高水準を維持しておりますが、個 人消費は依然低水準でやや弱い動きのまま推移し、新設住宅着工戸数も同様に 減少するなど、厳しい状況での足踏み状態が続いております。 この間、当社は開業19年目を迎え、債務超過解消後の新たなステップとし て、 「SE27 プラン」を出発点とした長期経営計画を適時見直しつつ、累積損失 の早期解消を目指して、自己資金運用による設備更新を継続するとともに、生 産性の向上を図り、さらに経営の効率化を進めながら健全な財務体質を実現さ せるべく全社員一丸となって取り組んでまいりました。 当期の売上につきましては、冷熱は夏季終盤の9月に入っての猛暑や、8・ 3スクエア北ビルの新設需要もあり518百万円と前期より27百万円(5. 5%)の増収となりました。 一方、温熱は、冬季の本格的な降雪が1月末まで遅れたため、札幌駅北口融 雪槽の稼働が平年の30%程度にとどまりましたが、昨年は稼働率が0%であ ったことから、売上は345百万円と前期より35百万円(11.4%)の増収 となり、冷温熱売上の合計に事務所賃貸料を加えた営業収益合計では、868 百万円と前期より62百万円(7.8%)の増収となりました。 営業費用については、設備更新による固定資産除却損や減価償却費が大きく 減少し、584百万円と前期より53百万円(△8.3%)の減少となりまし た。また、営業外費用の支払利息は69百万円と前期より2百万円(△3.4%) 減少となりました。 これにより、経常利益は215百万円と前期より119百万円(124. 7%)増加し、税引前当期純利益金額は215百万円と前期より146百万円 1 (212.2%)の増加となりました。 以上の結果、当期純利益は127百万円と前期より86百万円(208. 0%)の増加となりました。 また、これにより繰越利益剰余金は△1,272百万円(繰越損失)となりま した。 ② 設備投資の状況 当期の設備投資は、製造設備では、老朽設備の入替設備投資として、機械装 置で蒸気吸収式冷凍機81百万円、冷水循環ポンプ22百万円、高圧電力切替 盤・区分開閉器10百万円、冷水配管取出弁他12百万円と製造設備合計で 125百万円となりました。 供給設備では、機械装置で第一合同庁舎用通信型熱量計4百万円、圧力制御 弁1百万円と供給設備合計で5百万円となりました。 業務設備では、建物附属設備の非常電源用鉛蓄電池1百万円となり、有形固 定資産合計で132百万円となりました。 これに無形固定資産の需要家データ監視システムソフト1百万円を加えて 総合計134百万円の設備投資となりました。 ③ 資金調達の状況 設備投資資金については、全て自己資金で資金運用いたしました。 ④ 対処すべき課題 当期は、温熱売上の大口需要である札幌駅北口融雪槽が、降雪の遅れから平 年の30%程度の稼働にとどまるなど、当社をとりまく経営環境は依然として 厳しい状況が続いております。 冷温熱需要の拡大のためには、新規需要の獲得が最も重要であり、機会を逃 さずに他燃料との競合に勝てる料金政策を展開していかなければなりません。 既存需要家については、建物大規模改装や建替えが需要増につながる一方で、 他燃料への熱源切替による離脱の可能性を含むことから、需要家諸情報の把握 や日ごろからの設備保全での協力など、細やかな個別の需要家サービスが必要 となってまいります。 これらサービス体制の整備については、個別ユーザーへの冷温熱供給データ の集中監視システムの設置を今後も計画的に実施するとともに、技術情報交換 会等を通して日常活動の中から相互信頼を深めてまいります。 2 一方、老朽化が進む製造供給設備について、計画的な設備更新を開始して 2 年目になりますが、今後とも設備の更新を継続するとともに、稼働効率や省エ ネ性に優れた機器を導入し、生産性の向上、安定供給の確保と安全性、環境保 全等の向上に努めてまいります。 財務体質の強化について、堅実なキャッシュフローの維持に努め、自己資金 の運用を基本とした設備更新計画を維持しつつ、予算管理の徹底による所要利 益の確保に努力いたします。 一日も早い繰越損失解消を目指し、公益企業としての経営基盤確立に向け、 社員一同努力いたす所存でございます。 今後とも株主各位の変わらぬご協力、ご支援を賜りますようお願い申し上げ ます。 (2)財産及び損益の状況の推移 区 第 19 期 第 20 期 第 21 期 平成 16 年度 平成 17 年度 平成 18 年度 第 22 期 (当期) 平成 19 年度 1,012,033 971,751 805,860 868,846 分 営業収益 (千円) 経常利益 (千円) 213,874 239,803 96,023 215,777 当期純利益 (千円) 126,778 142,209 41,496 127,817 1 株当たり当期純利益(円) 4,225.93 4,740.32 1,383.22 4,260.58 総 資 産 (千円) 2,666,161 2,624,552 2,454,753 2,426,208 純 資 産 (千円) △84,331 57,878 99,374 227,192 (3)主要な事業内容 ア 冷温水を利用した熱供給事業 イ 不動産賃貸管理業 ウ 上記に附帯する一切の事業 3 (4)主要な借入先の状況 借 入 先 借入額(百万円) 市 500 日本政策投資銀行 735 株式会社北洋銀行 521 株式会社北海道銀行 224 株式会社札幌銀行 69 札 幌 (5)従業員の状況 従業員数 前期末比増減 18 人 1名増 平均年齢 平均勤続年数 54歳5月 8年2月 (6)主要な営業所及び工場 当社の主要な事業所及び工場の状況 本社 札幌市北区北7条西 1 丁目1番地2 4 2 会社の状況に関する事項 (1)株式に関する事項 ① 発行済株式の総数 30,000株 ② 当該事業年度の株主数 ③ 大株主(発行済株式の総数(自己株式を除く)の 10 分の 1 以上の株式を有す 9名 る株主) 株主名 持株数 市 10,800 株 日本政策投資銀行 6,000 株 三菱重工業株式会社 3,600 株 北海道瓦斯株式会社 3,600 株 北海道電力株式会社 3,600 株 札 幌 (2)会社役員に関する事項 ① 取締役及び監査役に関する事項 役 員 氏 名 備 取締役社長 加藤 啓世 (非常勤) 専務取締役 ※小島 信行 (常 勤) 取 締 役 足立 肇 (非常勤) 取 締 役 大槻 博 (非常勤) 取 締 役 近藤 政道 (非常勤) 取 締 役 ※佐藤 佳孝 (非常勤) 取 締 役 ※関川 峰希 (非常勤) 取 締 役 中西 浩二 (非常勤) 取 締 役 檜森 聖一 (非常勤) 取 締 役 ※福永 法弘 (非常勤) 取 締 役 ※山田 政光 (非常勤) 監 査 役 金澤 正俊 (常 監 査 役 小林 幹夫 (非常勤) 監 査 役 下村 邦夫 (非常勤) (注) 考 勤) 1 取締役社長及び専務取締役は、代表取締役であります。 2 上表※印の役員は、平成19年6月29日開催の第21回定時株 主総会において新たに選任され、就任いたしました。 5 3 平成19年6月29日開催の第21回定時株主総会終結の時をも って任期満了により退任した取締役は次のとおりです。 4 取締役 東健二郎、取締役 石田哲也、取締役 得能毅 監査役 金澤正俊、監査役 小林幹夫、監査役 下村邦夫は会社 法第335条第3項に定める社外監査役であります。 (3)会計監査人の状況 ① 名 称 監査法人トーマツ ② 会計監査人の解任または不再任の決定の方針 当社都合の場合の他、当該会計監査人が、会社法・公認会計士法等の法令に違反・ 抵触した場合及び公序良俗に反する行為があったと判断した場合、監査役会は、 その事実に基づき当該会計監査人の解任又は不再任の検討を行い、解任または不 再任が妥当と判断した場合は、監査役会規則に則り、「会計監査人の解任または 不再任」を株主総会の付議議案とすることを取締役会へ請求し、取締役会はそれ を審議いたします。 6 3 会社の体制及び方針 (1)業務の適正を確保する体制 ① 取締役の職務の執行に係わる情報の保存及び管理に関する体制 株主総会議事録、取締役会議事録、稟議書、会計帳簿、官公庁提出書類等の職 務執行に関する書類は、関係法令及び「処務規則」に基づき適正に保存管理を行 い、情報管理については「個人情報取扱規程」に基づいた適正な管理を行う。 ② 損失の危険の管理に関する規程その他の体制 熱供給事業という事業の特性上、災害事故等の防止と発生した場合の円滑な対 応が重要であり、安全かつ安定した熱供給を行うため、「保安規程」ほか「災害 事故対策要領」等に基づいた適正かつ迅速な組織対応を行う。 また財務会計及び資金運用面では、 「熱供給事業会計規則」等を遵守し、 「資金 運用方針」に基づく適正かつ効率的な資金管理と資金運用を行う。 ③ 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 「処務規則」に基づき代表取締役社長から代表取締役専務への権限委譲を行い、 効率的に職務執行が行われる体制をとっている。また、「取締役会規則」に定め られた取締役会を開催し、経営に関する重要事項の決定と取締役の業務執行が効 率的に行われるよう経営計画等の進捗状況など適時報告を行う。 ④ 取締役及び使用人の職務執行が法令及び定款に適合することを確保するため の体制 当社は熱供給事業という公共性の高い会社であることを全社員が認識し、「コ ンプライアンス基本方針」に基づき法令、定款及び規程等を遵守することを念頭 に置いて職務執行にあたるとともに、全社員の法令等遵守の重要性に対する一層 の理解を深める。 ⑤ 当社並びにその親会社及び子会社からなる企業集団における業務の適正を確 保するための体制 現在当社において親会社、子会社はないが、今後必要が生じた場合は体制を整 備する。 ⑥ 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該 使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項 7 平成 18 年 5 月 19 日開催の監査役会において「監査役の職務を補助すべき使用 人については、現状においてその設置の必要性はないが、将来必要な状況となっ た場合には、当該使用人の取締役からの独立性も含め、代表取締役社長に対しそ の旨を申し入れする。」との決議がなされている。 このため、今後、状況に応じて監査役と協議の上、その体制の整備を行う。 ⑦ 取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関 する体制及びその他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための 体制 専務取締役、常勤監査役及び担当部長等で構成する月例役員会を開催し、取締 役及び使用人の職務執行を監査役に定期的に報告するほか、監査役の求めに応じ て適時報告を行う体制を講じている。今後は、必要に応じて会計監査人等の専門 家との意思疎通を図り、監査役の監査が実効的に行われる体制を確保する。 8
© Copyright 2025 ExpyDoc