空間光位相変調器 LCOS-SLM X10468 シリーズ 高速・高精度・高線形な空間光位相変調を実現 LCOS-SLM (Liquid Crystal on Silicon - Spatial Light Modulator) X10468シリーズは、アドレス部にCMOS技術を応用して直 接液晶を電圧制御することにより、高精度と高速応答を実現した反射型電気アドレス空間光位相変調器です。最適な光学 設計により、高回折効率と高光利用効率を実現しています。 コントローラ部には、インターフェースとしてPCディスプレイなどの標準規格であるDVI (Digital Video Interface)を採用 しており、PCのディスプレイに表示するのとまったく同じ方法で光の位相の空間分布を制御することが可能です。LCOS型 SLMでは、ミラーの表面の歪曲・液晶層の厚さの不均一性・液晶の非線形応答性などによる制御歪が避けられませんが、 X10468シリーズではデジタル処理によりこれらの影響を補正し、高精度な制御を実現しています。 このようにX10468シリーズでは、PCからの制御が容易であるだけでなく、高精度・高線形な空間光位相変調をも実現 しています。 特長 応用 光の位相のみを変調 光ビーム成型 高光利用効率 レーザ加工 高回折効率 レーザマーキング 小型 光マニピュレーション 簡単なPCからの制御方式 光ピンセット 反射型 収差補正 補償光学 光渦 (Optical vortex)生成 パルス整形 LCOSチップ 浜松ホトニクス株式会社 1 X10468 シリーズ 空間光位相変調器 LCOS-SLM 動作原理 උ͙̱වৣ PC LCOSチップでは、平行配向されたネマティック液晶層で光を変調す ることにより、光強度や偏光方向の変化を伴わずに、光の位相のみ を変調することが可能です。また PC からのDVI 信号で画素ごとに液 晶の状態を制御することで、位相変調量が制御されます。 LCOSġΙΛί DVI LCOS-SLM POWER OUTPUT CONTROLLER ERROR RESET POWER ϋΠυȜρ סએ CMOS ৣ պ͈͙͈་̦خෝ KACCC0638JA セレクションガイド X10468シリーズには8つのタイプが用意されています。X10468-01/-07/-08は誘電体多層膜ミラーが形成されていないタイプです。 素子反射率は劣りますが、回折効率が高く、広い波長範囲での利用が可能です。X10468-02/-03/-04/-05/-06では、それぞれ800 nm帯 のフェムトレーザ、1064 nm帯のYAGレーザ、532 nm帯のYAG第2高調波、405 nm帯のLDおよび633 nm帯のHe-Neレーザなどに適 した誘電体多層膜ミラーが形成されており、高い反射率が得られています。図1に各タイプがカバーする波長帯域を示します。なお、 X10468-05において400 nm以下の波長帯域では、紫外光領域であるため素子の損傷の可能性があります。400 nm以下でのご利用に 関しては、詳細についてお問い合わせください。 [図1] 対応波長範囲 X10468-01 ညഩఘఉ྄ηρȜ̱̈́ X10468-07 X10468-08 X10468-05 X10468-04 ညഩఘఉ྄ηρȜັ̧ġ 300 400 500 X10468-06 600 700 X10468-02 800 X10468-03 900 1000 1100 1200 1300 1400 1500 1600 ෨ಿġ(nm) KACCB0270JA 絶対最大定格 項目 -01 -02 -03 動作温度 保存温度 X10468シリーズ -04 -05 +10 ~ +40*1 -20 ~ +55*1 -06 -07 単位 -08 °C 注) 絶対最大定格を一瞬でも超えると、製品の品質を損なう恐れがあります。必ず絶対最大定格の範囲内で使用してください。 *1: 結露なきこと。湿度によっては特性が劣化するため、注意してください。 本製品の特性には温度依存性があります。周囲温度 25 ℃程度における使用を推奨します。 構成 ヘッド部 項目 画素数 画素ピッチ 最大空間周波数 有効領域 開口率 質量 -01 -02 -03 X10468シリーズ -04 -05 475200(792 × 600) 20 25 16 × 12 98 350 -06 -07 -08 単位 画素 μm lp/mm mm % g 2 X10468 シリーズ 空間光位相変調器 LCOS-SLM コントローラ部 項目 -01 電源電圧 電源周波数 本体 質量 付属品含む 入力信号 DVI信号フォーマット DVI階調数 DVIフレームレート 消費電力 -02 -03 X10468シリーズ -04 -05 -06 AC100 ~ AC230 50/60 3300 4200 Digital Video Interface(DVI-D) SVGA (800 × 600 画素) 256 (8-bit) 60 50 -07 単位 -08 V Hz g g levels Hz VA 電気的および光学的特性 X10468 シリーズ -01 -02 -03 -04 -05 対応波長域 400 ~ 700 800 ± 50 1050 ± 50 510 ± 50 410 ± 10 79 95 95 94 92 光利用効率 (633 nm) (785 nm) (1064 nm) (532 nm) (405 nm) 5 30 20 10 10 上昇時間 (633 nm) (785 nm) (1064 nm) (532 nm) (405 nm) 2 応答速度* 25 80 80 25 20 下降時間 (633 nm) (785 nm) (1064 nm) (532 nm) (405 nm) *2: 各対応波長において、2π 変調の 10%から90%の変化に必要な時間 (代表値) 項目 -06 650 ± 50 95 (633 nm) 10 (633 nm) 30 (633 nm) -07 620 ~ 1100 82 (1064nm) 10 (1064 nm) 80 (1064 nm) -08 1000 ~ 1550 82 (1550 nm) 30 (1550 nm) 140 (1550 nm) 単位 nm % ms ms 動作特性 高い光利用効率 X10468 シリーズは、入射光強度に対する 0 次回折光強度の比で表される光利用効率が非常に高いという特長をもちます。この光利 用効率は、主に素子の反射率と画素構造による回折ロスに依存します。そこで、CMOS技術を応用するとともに、その設計に細心の注 意を払うことにより、回折ロスを5%以下と最小限に抑えることができました。X10468-02/-03/-04/-05/-06は誘電体多層膜ミラーを有 しており、高い反射率を誇ります。X10468-01/-07/-08は誘電体多層膜ミラーをもたないため反射率では劣りますが、広い波長範囲で の利用が可能です。 [図2] 位相変調性 (代表例) 大きな位相変調特性と高い線形性 (Ta=25 °C) 2.5 2.0 պ་ၾġ(π rad) X10468シリーズでは、400~1550 nmの波長範囲において、2 π以上 の位相変調量を得ることができます。出荷時には、各タイプごとに 特定の波長範囲に併せて高精度・高線形変調特性が得られるように 調整されます。図2は位相変調特性の代表例です。2 π以上の位相変調 量が高い線形性をもって得られていることがわかります。また位相 変調特性については、有効面内の95%の画素における位相変調が±2 σ の範囲に収まっており、ばらつきが小さいことを確認しています。 1.5 1.0 ġ +2σ -2σ 0.5 0 -0.5 0 32 64 96 128 160 192 224 256 වႁτασ KACCB0271JA 3 X10468 シリーズ 空間光位相変調器 LCOS-SLM 高い回折効率 X10468シリーズは高精度光位相変調が可能な空間光位相変調器で、理論値に近い高い回折効率が得られます。図3は多値位相格子を表 示した際に得られる回折スポット像です。多値位相格子を利用することにより、たとえば図3 (c)に示すように+1次のみに回折スポッ トを集中させることが可能となるため、高い光利用効率を得ることができます。また図4に回折効率の代表的な例を示します。ここで の回折効率は、変調を行わない場合 (パターンなし)の0次光強度に対する1次回折光強度の比です。 [図3] 回折スポット像 (代表例) [図4] 回折効率 (代表例) (Ta=25 °C) 100 90 0th 80 70 +1st ٝ୬࢘ၚ!(%) (a) 変調なし -1st 60 50 X10468-01 X10468-02 X10468-03 X10468-04 Theoretical X10488-05 X10468-06 X10468-07 X10468-08 40 30 20 (b) 2レベルの回折格子 (25 lp/mm) 10 0 +1st 0 5 10 15 20 25 30 ߗۼਔ෨ତ!(lp/mm) KACCB0272JA (c) 4レベルの回折格子 (12.5 lp/mm) 出力像例 X10468 シリーズは高精度な位相変調が可能で、その回折効率も理論値に近い結果が得られることから、ホログラム応用に非常に適し ています。図 5 (a) は補正を加えて一様な空間光位相変調を行った場合の出力波面を、干渉計で計測した結果です。観測される干渉縞 に大きな歪もなく、高精度な波面が出力されていることがわかります。また図 5 (b) は位相型ホログラムをフーリエ変換光学系で再生 して得られる 1 次回折像の例です。図 5 (c) では (0,1) 次の LG ビームを生成した結果を示しますが、鮮明に LG ビームが生成されて いることがわかります。 [図5] 出力像例 (a) 補正後の出力波面 800 × 600 画素 RMS: 0.025 λ (λ=532 nm) (b) CGH再生像 (c) LGビーム生成 4 X10468 シリーズ 空間光位相変調器 LCOS-SLM 外形寸法図(単位:mm) ヘッド部 39 ± 1.2* 110 ± 0.3 12 ± 0.2 16 ± 0.2 17.5 ± 0.2 (4 ×)M2.6 4 max. 37 ± 1.2* 74 ± 0.3 6 ± 0.1 4 ± 0.1 39 ± 0.3 M6 20 ± 0.2 17.5 ± 0.2 12 ± 0.2 (4 ×)M2.6 4 max. *ġLCOSခ࢘ႀ֖͈ಎպ౾͉ୋ௮̧͈̹͊ͣ̾͛Βτ̦̲̳̦͘Ȃ࢛ٳ໐͂LCOS ခ࢘ႀ֖͉֚౿̳̠ͥ͢ͅା̱̜̳̀ͤ͘ȃ KACCA0295JC 5 X10468 シリーズ 空間光位相変調器 LCOS-SLM コントローラ部 DVI IN DIGITAL OUT ANALOG OUT FUSE T2.5AL250V 250 ± 1.0 AC 100V-230V2A 260 ± 1.0 CONTROLLER RESET ERROR 10.2 ± 1.0 POWER OUTPUT 100 ± 1.0 LCOS-SLM POWER KACCA0296JB X10468シリーズには、PCが含まれていません。以下を参考にして PCを用意してください。 ・付属ソフトウェア*3の対応OS: Microsoft® Windows® XP/7 X10468シリーズは、欧州におけるEMC指令 ・X10468シリーズを接続するために、PCにはDVI-Dポートが必要です。 (適合規格: EN61326-1 Class B)に準拠しています。 ・付属ソフトウェアをインストールしたPCに2つのモニタを接続する ことによって、第1モニタにPC画面、第2モニタにX10468シリーズの位相画像を表示できます。この場合、第1モニタ上の操作に よって、第2 モニタ上の位相画像の表示を制御できます。ただし、この操作を行うためには、デュアルポートの DVI-D対応ビデオ カードが必要です。 *3: 付属ソフトウェアには、計算機ホログラム (CGH)などの生成機能は搭載されていません。 注) Microsoft Windowsは米国Microsoft Corporationの米国およびそのほかの国における登録商標です。 6 空間光位相変調器 LCOS-SLM X10468 シリーズ 本資料の記載内容は、平成26年1月現在のものです。 ୋ͈ॽအ͉Ȃ٨ၻ͈̹̈́̓͛ထ̩࣬̈́་ࢵ̳̭̦̜̳ͥ͂ͤ͘ȃུၳ͉ୃ̹̳͛ͥܢͬږਹͅै଼̯̹͈̳̦ͦ́͜Ȃͦ͘ͅࢋܱ̈́̓ͥ͢ͅࢋ̦ͤ ̜ͥાࣣ̦̜̳ͤ͘ȃུୋͬঀဥ̳ͥष͉ͅȂຈ̴ොවॽအ̮ͬဥྵ͈ષȂड૧͈ॽအ̮̞̯̺̩ͬږȃ ොවॽအ̹͉͘ϋίσ̞̤̀ͅރȂ߿ྴ͈ྎͅॻॽအͬփྙ̳ͥĩřĪȂٳอॽအͬփྙ̳ͥĩśĪ̦ັ̩ાࣣ̦̜̳ͤ͘ȃ ུୋ͈༗બ͉ȂොවࢃIJාոඤ̦ͅอࡉ̯ͦḀ̑̾২̯̹ͦͅાࣣȂུୋ͈ਘၑ̹͉͘య͈ොවͬࡠഽ̱̳͂͘ȃ̹̺̱Ȃ༗બۼܢඤ̜́̽̀͜Ȃ ഛब̤͍͢ະഐ୨̈́ঀဥ֦̳ܳͥͅఅ͉̞̀̾ͅٺȂ২̷͉͈ୣ̵̞ͬͭ͘ȃ ུၳ͈ܱशඤယ̞̾̀ͅȂ২͈ݺౄ̱̈́ͅഢश̹͉͘ໝୋ̳̭̲̳ͥ͂ͬ͘ȃ ŸŸŸįũŢŮŢŮŢŵŴŶįŤŰŮ ୵రުאਫ਼ ಆ෨ުאਫ਼ ުאނਫ਼ ಎ໐ުאਫ਼ ఱिުאਫ਼ ୌུުאਫ਼ ɧĺĹıĮııIJIJ ɧĴıĶĮıĹIJĸ ɧIJıĶĮıııIJ ɧĵĴıĮĹĶĹĸ ɧĶĵIJĮııĶij ɧĹIJijĮııIJĴ ୵రঌဩߊષIJĮķĮIJIJġĩུྵ୵ర࢙൚రΫσijٴĪ ֟ઽࡇ̩̾͊ঌࡄڠݪŅķߊځĹْ౷ġĩࡄڠݪΑ·;ͿͺΫσĸٴĪ ނസࢽߊࡵΦĴĮĹĮijIJġĩࡵΦĴĴ૩ΫσĶٴĪ ຩઐঌಎߊग५ĴijĶĮķġĩུྵຩઐפஜΫσĵٴĪ ఱिঌಎ؇ߊհാijĮĴĮIJĴġĩఱि࣭षΫσIJıٴĪ ؖঌฎఉߊฎఉפIJĮIJĴĮķġĩಅ५ฎఉΫσĶٴĪ ŕņōġĩıijijĪġijķĸĮıIJijIJġġŇłřġĩıijijĪġijķĸĮıIJĴĶ ŕņōġĩıijĺĪġĹĵĹĮĶıĹıġġŇłřġĩıijĺĪġĹĶĶĮIJIJĴĶ ŕņōġĩıĴĪġĴĵĴķĮıĵĺIJġġŇłřġĩıĴĪġĴĵĴĴĮķĺĺĸ ŕņōġĩıĶĴĪġĵĶĺĮIJIJIJijġġŇłřġĩıĶĴĪġĵĶĺĮIJIJIJĵ ŕņōġĩıķĪġķijĸIJĮıĵĵIJġġŇłřġĩıķĪġķijĸIJĮıĵĶı ŕņōġĩıĺijĪġĵĹijĮıĴĺıġġŇłřġĩıĺijĪġĵĹijĮıĶĶı ࡥఘުאଔૺ໐ȁɧĵĴĶĮĹĶĶĹȁຩઐঌߊঌIJIJijķĮIJȁŕņōġĩıĶĴĪġĵĴĵĮĴĴIJIJȁŇłřġĩıĶĴĪġĵĴĵĮĶIJĹĵ Cat. No. KACC1172J11 Jan. 2014 DN 7
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