製品解説スライド - PfizerPRO

審査用資料
日本標準商品分類番号
872325
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
作成:2014年4月
目
次
製品特性 1
開発の経緯 3
標準品との比較 4
PTP シートの材質と寸法 7
規格及び試験方法 9
添加物 10
生物学的同等性試験 11
安定性試験 14
溶出試験 16
包装、貯法、使用期限等 20
ファイザー株式会社概要 21
供給に関する情報 22
「医薬品インタビューフォーム」に掲載している引用文献 22
製品特性
製品特性
1
持続的な胃酸分泌抑制作用を有する H2受容体拮抗剤
ファモチジンは、ヒスタミン H2受容体を遮断することで、強力な胃酸分泌抑制作用を現し1)、
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison 症候群などのほか、急性胃炎や慢
性胃炎の急性増悪期における胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善に用いられる。
製品特性
2
水なしでも飲める口腔内崩壊錠
クリマーゲン®OD 錠10mg・20mg は、水なしでも服用可能な口腔内崩壊錠である。嚥下困
難な患者さんへの投与や、患者さんの服薬アドヒアランス及び QOL の向上に寄与することが
できる。
製品特性
3
誤投与防止のための認識性向上の取り組み
(1) 包装(小函)にユニバーサルデザイン仕様の「つたわるフォント*」を採用することで、誤
認防止できるように可読性を高めている2)~4)
「つたわるフォント」は一般的なフォントに比べて、低視力状態や低コントラスト状態(明
るい部分と暗い部分との明暗の差があまりない状態)でも類似した文字の判別がつきやすい、
ユニバーサルデザインフォント仕様になっている。
エスタブリッシュ医薬品の新製品のパッケージやラベルは、医療用医薬品として初の試み
として、この「つたわるフォント」を採用することで、誤認防止や可読性向上に取り組ん
でいる。
*「つたわるフォント」は慶應義塾
大学、博報堂ユニバーサルデザ
イン、株式会社タイプバンクに
より共同で開発された書体です。
1
(2) 規格取り違えを防ぐ試みとして、複数規格の製剤は、上の規格(高用量)がある場合、記
載含量の上に▲を配置し、下の規格(低用量)がある場合、記載含量の下に▼を配置して
いる2)~4)
※単一規格のみの場合は、記載含量を▲▼で囲んでいる
例)
▲マークは、その含量よりも上の含量があることを示し、
▼マークは、その含量よりも下の含量があることを示しています。
製品特性
4
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないが、ファモチジン
口腔内崩壊錠の重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー様症状、再生不良性貧血、
汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson
症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell 症候群)、肝機能障害、黄疸、横紋筋融解症、QT 延長、意
識障害、痙攣、間質性腎炎、急性腎不全、間質性肺炎が報告されている。また類薬(他の H2受
容体拮抗剤)の重大な副作用として、不全収縮が報告されている。
2
開発の経緯
ファモチジンは、胃粘膜壁細胞のヒスタミン H2受容体を遮断し、胃酸分泌を抑制する消化性潰
瘍治療薬であり、本邦では1985年7月より錠・散剤が、2000年9月より口腔内崩壊錠が発
売された。
クリマーゲン®ES 錠20・クリマーゲン®ES 錠10mg は、それぞれファモチジン20mg・
10mg を含有する後発医薬品として開発を企画され、2003年3月、2006年3月に承認された。
2007年3月、医療事故防止等のため販売名をクリマーゲン®OD 錠20mg・10mg に変更し、
再度承認を取得した製剤である。
1)
第十六改正 日本薬局方解説書 廣川書店:C-3831, 2011
[L20130412164]
2)
中野 泰志ほか:
「エビデンスに基づいたユニバーサルデザインフォントの開発(1)―明朝体、
ゴシック体、ユニバーサルデザイン書体の可読性の比較―」
:第35回感覚代行シンポジウム
講演論文集:25, 2009
[L20110124004]
3)
新井 哲也ほか:
「エビデンスに基づいたユニバーサルデザインフォントの開発(2)―低視力
状態での可視性の比較―」
:第35回感覚代行シンポジウム講演論文集:29, 2009
[L20110124005]
4)
山本 亮ほか:
「エビデンスに基づいたユニバーサルデザインフォントの開発(3)―低コント
ラスト状態での可視性の比較―」
:第35回感覚代行シンポジウム講演論文集:33, 2009
[L20110124006]
3
標準品との比較
項 目
商品名
ファイザー製品
標準品
クリマーゲン OD 錠10mg
クリマーゲン OD 錠20mg
ガスター錠10mg
ガスター錠20mg
ガスターD 錠10mg
ガスターD 錠20mg
ガスター散2%
ガスター散10%
ファイザー株式会社
マイラン製薬株式会社
販売
製造販売元
効能・効果
○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、逆流性食道
炎、Zollinger - Ellison 症候群
○下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
用法・用量
○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、逆流性食道
炎、Zollinger - Ellison 症候群
通常、成人にはファモチジンとして1回20mg を1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。
また、1回40mg を1日1回(就寝前)経口投与することもできる。
なお、年齢・症状により適宜増減する。ただし、上部消化管出血の場合には通常注射剤で治療を開始し、内服可能になっ
た後は経口投与に切りかえる。
○下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
通常、成人にはファモチジンとして1回10mg を1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。
また、1回20mg を1日1回(就寝前)経口投与することもできる。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
剤形・規格・薬価* 【OD 錠10mg】
外形
直径6.5mm、厚さ2.3mm、質量100mg
上面
下面
側面
色・剤形
白色の素錠
薬価
1錠 10.60円
【OD 錠20mg】
外形
直径7.0mm、厚さ3.1mm、質量120mg
上面
下面
色・剤形
割線の入った白色の素錠
薬価
1錠 19.60円
側面
【OD 錠10mg】
外形
直径7.5mm、厚さ3.1mm、重量0.12g
色・剤形
白色の口腔内崩壊錠
薬価
1錠 27.00円
【OD 錠20mg】
外形
直径8.5mm、厚さ3.6mm、重量0.18g
色・剤形
白色の口腔内崩壊錠
薬価
1錠 46.40円
【錠10mg】
外形
直径7.1mm、厚さ3.6mm、重量0.14g
色・剤形
白色~微黄白色の糖衣錠
薬価
1錠 27.00円
*2014年4月1日より実施の改定薬価
4
項 目
商品名
販売
製造販売元
ファイザー製品
クリマーゲン OD 錠10mg
クリマーゲン OD 錠20mg
添加物
有効成分の性状
ガスター錠10mg
ガスター錠20mg
ガスターD 錠10mg
ガスターD 錠20mg
ガスター散2%
ガスター散10%
ファイザー株式会社
マイラン製薬株式会社
【錠20mg】
外形
直径8.1mm、厚さ4.0mm、重量0.20g
色・剤形
白色~微黄白色の糖衣錠
薬価
1錠 46.40円
【散2%】
色・剤形
白色の散剤
薬価
1g 54.70円
【散10%】
色・剤形
白色~微黄白色の散剤
薬価
1g 233.70円
剤形・規格・薬価*
有効成分の含量
標準品
OD 錠10mg:1錠中、日局 ファモチジン10.0mg
OD 錠20mg:1錠中、日局 ファモチジン20.0mg
OD 錠10mg:1錠中、日局 ファモチジン10mg
OD 錠20mg:1錠中、日局 ファモチジン20mg
錠10mg
:1錠中、日局 ファモチジン10mg
錠20mg
:1錠中、日局 ファモチジン20mg
散2%
:1g 中、日局 ファモチジン20mg
散10%
:1g 中、日局 ファモチジン100mg
【OD 錠10mg】
【OD 錠10mg、OD 錠20mg】
ケイ酸カルシウム、D- マンニトール、クロスポビドン、ア エチルセルロース、セタノール、ラウリル硫酸ナトリウム、
スパルテーム、l - メントール、ステアリン酸マグネシウム、 トリアセチン、シクロデキストリン、香料、D- マンニトー
香料
ル、アスパルテーム(L- フェニルアラニン化合物)、アメ粉、
ステアリン酸カルシウム
【OD 錠20mg】
エチルセルロース、セタノール、ラウリル硫酸ナトリウム、
トリアセチン、シクロデキストリン、香料、D- マンニトー
ル、アスパルテーム(L- フェニルアラニン化合物)、アメ粉、
ステアリン酸カルシウム、l - メントール
【錠10mg、錠20mg】
無水リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、乳糖水和物、
ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、軽
質無水ケイ酸、ステアリン酸カルシウム、低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース、白糖、乳酸カルシウム水和物、マク
ロゴール、酸化チタン、タルク、カルナウバロウ
【散2%、散10%】
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、軽質無水ケイ酸
白色~帯黄白色の結晶である。
酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
0.5mol/L 塩酸試液に溶ける。光によって徐々に着色する。
*2014年4月1日より実施の改定薬価
5
項 目
商品名
ファイザー製品
クリマーゲン OD 錠10mg
クリマーゲン OD 錠20mg
ガスター錠10mg
ガスター錠20mg
ガスターD 錠10mg
ガスターD 錠20mg
ガスター散2%
ガスター散10%
ファイザー株式会社
マイラン製薬株式会社
販売
製造販売元
使用期限
3年
貯法
気密容器、室温保存
包装単位
OD 錠10mg:100錠、500錠(PTP)
OD 錠20mg:100錠、500錠(PTP)
6
標準品
OD 錠10mg、OD 錠20mg:
気密容器、室温保存
〔開封後は湿気を避けて保存すること。〕
錠10mg、錠20mg、散2%、散10%:
気密容器、室温保存
OD 錠10mg:100錠、140錠、500錠、560錠、
1,000錠(PTP)
500錠(バラ)
OD 錠20mg:100錠、140錠、500錠、560錠、
1,000錠(PTP)
500錠(バラ)
錠10mg
:100錠、500錠、560錠、1,000錠(PTP)
1,000錠(バラ)
錠20mg
:100錠、500錠、1,000錠、1,400錠(PTP)
1,000錠(バラ)
散2%
:100g、0.5g ×350包
散10%
:50g、100g
PTPシートの材質と寸法
項 目
ファイザー製品
標準品
商品名
クリマーゲン OD 錠10mg
クリマーゲン OD 錠20mg
ガスターD 錠10mg
ガスターD 錠20mg
材質
ポリ塩化ビニル、アルミ
PTP
:(表)ポリプロピレン、(裏)アルミニウム
ピローフィルム:アルミニウム
●PTP シートの寸法
OD 錠10mg、10錠シート:縦93mm、横36mm
OD 錠20mg、10錠シート:縦93mm、横36mm
93mm
OD 錠10mg
6.5mm
36mm
7
93mm
OD 錠20mg
7.0mm
36mm
8
規格及び試験方法
試験項目
規 格
試験方法
性状
10mg:白色の素錠である
肉眼観察
確認試験
波長263~267nm に吸収の極大を示す
日本薬局方 一般試験法
製剤均一性
適合(判定値は15.0% を超えない)
日本薬局方 一般試験法
溶出性
15分の溶出率が80% 以上
日本薬局方 一般試験法
20mg:白色の割線の入った素錠である
紫外可視吸光度測定法
製剤均一性試験法 含量均一性試験
(pH4.0の0.05mol/L 酢酸・酢酸ナトリ 溶出試験法 パドル法
ウム緩衝液、900mL、50rpm)
崩壊性
適合(2分間以内に崩壊)
日本薬局方 一般試験法
含量
94~106%
日本薬局方 一般試験法
崩壊試験法
液体クロマトグラフィー
9
添加物
項 目
商品名 10
ファイザー製品
クリマーゲン OD 錠10mg
クリマーゲン OD 錠20mg
標準品
ガスターD 錠10mg
ガスターD 錠20mg
添加物 ケイ酸カルシウム
―
配合目的
賦形剤
―
添加物 D - マンニトール
配合目的
賦形剤
―
添加物 クロスポビドン
―
配合目的
崩壊剤
―
添加物 アスパルテーム
配合目的
甘味剤
添加物 l - メントール
配合目的
矯味剤
添加物 香料
配合目的
香料
―
添加物 ステアリン酸マグネシウム
―
配合目的
滑沢剤
―
D- マンニトール
アスパルテーム(L- フェニルアラニン化合物)
―
l - メントール(OD 錠20mg)
―
香料
添加物 ―
配合目的
―
添加物 ―
配合目的
―
添加物 ―
配合目的
―
添加物 ―
配合目的
―
添加物 ―
配合目的
―
添加物 ―
配合目的
―
添加物 ―
配合目的
―
エチルセルロース
―
セタノール
―
ラウリル硫酸ナトリウム
―
トリアセチン
―
シクロデキストリン
―
アメ粉
―
ステアリン酸カルシウム
―
生物学的同等性試験
(1)クリマーゲン OD 錠10mg5)
「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」(平成12年2月14日 医薬審第64号)に基づき、
クリマーゲン OD 錠20mg を標準品としてクリマーゲン OD 錠10mg の溶出試験を実施した結果、いずれの試験
液においても溶出挙動の同等性が示され、両製剤は生物学的に同等とみなされた。
(2)クリマーゲン OD 錠20mg6)
「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」に従って、クリマーゲン OD 錠20mg と標準品を健康成人男子
にそれぞれ1錠(ファモチジンとして20mg)を、絶食下で、「水で服用」および「水なしで服用」の条件に分け、単
回投与(クロスオーバー法)した。
両剤の薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
〈水で服用〉
●試験概要
被験者
健康成人男子 13名
被験製剤
試験製剤:クリマーゲン OD 錠20mg
標準品
投与量
1錠(ファモチジンとして20mg を含む)
試験方法
2剤2期クロスオーバー法
12時間以上の絶食下で150mL の水にて薬剤を単回経口投与し、投与後4時間まで絶食(水を含む)した。
採血ポイント
投与前、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、10および24時間
●試験結果
試験製剤および標準品投与後の血漿中ファモチジン濃度は次ページの図のようであった。
試験製剤および標準品の薬物動態パラメータの対数値の平均値の差の90%信頼区間は log(0.80)~log(1.25)
の範囲であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
●
薬物動態パラメータ
投与量
判定パラメータ
AUC0-24
参考パラメータ
Cmax
Tmax
T1/2
(ng・hr/mL)
(ng/mL)
(hr)
(hr)
クリマーゲン OD 錠
20mg
1錠(20mg)
562.8±174.0
75.4±19.3
3.2±1.5
3.1±1.0
標準品
1錠(20mg)
561.4±193.5
79.6±25.7
2.8±1.6
3.2±0.9
平均値± SD、n=13
5)社内資料:溶出試験(クリマーゲンOD 錠10mg)
[L20130412186]
11
クリマーゲンOD錠20mgと標準品投与後の血漿中ファモチジン濃度推移
(ng/mL)
100
試験製剤
血漿中濃度
80
標準品
平均値±SD(n=13)
60
40
20
0
0
4
8
12
16
採血時間
20
24(時間)
〈水なしで服用〉
●試験概要
被験者
健康成人男子 19名
被験製剤
試験製剤:クリマーゲン OD 錠20mg
標準品
投与量
1錠(ファモチジンとして20mg を含む)
試験方法
2剤2期クロスオーバー法
12時間以上の絶食下で、薬剤を舌の上にのせ唾液を浸潤させて舌で軽くつぶしてから唾液と共に単回経口投与し、投
与後4時間まで絶食(水を含む)した。
採血ポイント
投与前、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、10および24時間
●試験結果
試験製剤および標準品投与後の血漿中ファモチジン濃度は次ページの図のようであった。
試験製剤および標準品の薬物動態パラメータの対数値の平均値の差の90%信頼区間は log(0.80)~log(1.25)
の範囲であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
●
薬物動態パラメータ
投与量
判定パラメータ
AUC0-24
参考パラメータ
Cmax
Tmax
T1/2
(ng・hr/mL)
(ng/mL)
(hr)
(hr)
クリマーゲン OD 錠
20mg
1錠(20mg)
437.7±139.4
67.1±23.9
2.9±0.6
3.4±1.4
標準品
1錠(20mg)
420.3±125.9
61.5±16.2
2.9±1.1
3.0±1.0
平均値± SD、n=19
12
クリマーゲンOD錠20mgと標準品投与後の血漿中ファモチジン濃度推移
(ng/mL)
100
試験製剤
血漿中濃度
80
標準品
平均値±SD(n=19)
60
40
20
0
0
4
8
12
採血時間
16
20
24(時間)
6)社内資料:生物学的同等性試験(クリマーゲンOD 錠20mg)
[L20130412189]
13
安定性試験
(1)クリマーゲン OD 錠10mg の加速試験7)
PTP 包装3ロットを用いて、恒温恒湿条件下(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)で性状、確認試験、製剤均一性試験、
溶出試験、崩壊試験および定量試験の各項目について試験を行った。その結果、全ての試験項目において、試験開
始時と比較して変化が認められなかったことから、本品は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測
された。
●保存形態
PTP 包装(アルミピロー、紙箱)
●保存条件
恒温恒湿条件(40±1℃、75±5% RH)
●保存期間
6ヵ月
●試験結果
時期
試験
項目
規格
ロット番号
開始時
2ヵ月後
4ヵ月後
6ヵ月後
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
適合
適合
適合
確認
試験
紫外可視吸光度測定法
波 長 263~267nm に
吸収の極大を示す
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
―
―
―
―
―
―
適合
適合
適合
97.2
95.4
92.8
91.6
93.2
95.3
94.7
92.3
92.5
92.1
94.2
104.4
102.9
99.8
99.6
100.3
102.7
102.2
103.4
99.6
100.6
100.8
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
98.0
98.5
98.7
97.9
97.1
98.0
98.1
98.1
97.2
98.0
98.7
98.6
99.1
101.5
100.5
100.3
99.2
99.1
99.3
99.6
99.5
99.3
99.6
99.5
~
~
~
~
~
~
~
~
94~106(%)
~
定量
試験
~
日局 崩壊試験法 即放
崩壊
性製剤の項に適合
試験**
(2分間以内に崩壊)
~
~
15 分 の 溶 出 率 が 80%
以上(%)
92.2
溶出
(pH4.0 の 0.05mol/L
試験**
酢 酸・酢 酸 ナトリウム 緩 102.3
衝液、900mL、50rpm)
~
日 局「含 量 均 一 性 試 験」
製剤
に適合
均一性
* (判 定 値 は 15.0% を 超
試験
えない)
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
白色の素錠
~
性状
各ロット n=3、*:各ロット n=10×3、**:各ロット n=6×3
7)社内資料:安定性試験(加速試験)
(クリマーゲンOD 錠10mg)
[L20130412185]
14
(2)クリマーゲン OD 錠20mg の加速試験8)
PTP 包装3ロットを用いて、恒温恒湿条件下(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)で性状、確認試験、製剤均一性試験、
溶出試験、崩壊試験および定量試験の各項目について試験を行った。その結果、全ての試験項目において、試験開
始時と比較して変化が認められなかったことから、本品は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測
された。
●保存形態
PTP 包装(アルミピロー、紙箱)
●保存条件
恒温恒湿条件(40±1℃、75±5% RH)
●保存期間
6ヵ月
●試験結果
時期
試験
項目
規格
ロット番号
開始時
2ヵ月後
4ヵ月後
6ヵ月後
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A
B
C
適合
適合
適合
確認
試験
紫外可視吸光度測定法
波 長 263~267nm に
吸収の極大を示す
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
―
―
―
―
―
―
適合
適合
適合
100.3
96.0
101.1
102.2
100.6
96.5
97.9
100.5
99.4
100.9
99.1
105.6
106.2
107.4
109.2
107.5
108.5
107.1
108.9
106.1
118.5
107.8
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
適合
104.5
103.7
105.1
104.0
103.2
103.6
103.3
103.7
100.7
103.8
103.2
103.0
104.9
106.0
105.4
104.1
104.3
104.7
104.0
103.8
103.1
104.8
104.5
105.0
~
~
~
~
~
~
~
~
94~106(%)
~
定量
試験
~
日局 崩壊試験法 即放
崩壊
性製剤の項に適合
試験**
(2分間以内に崩壊)
~
~
15 分 の 溶 出 率 が 80%
以上(%)
90.4
溶出
(pH4.0 の 0.05mol/L
試験**
酢 酸・酢 酸 ナトリウム 緩 105.2
衝液、900mL、50rpm)
~
日 局「含 量 均 一 性 試 験」
製剤
に適合
均一性
* (判 定 値 は 15.0% を 超
試験
えない)
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
適合
~
割線の入った白色の素錠
~
性状
各ロット n=3、*:各ロット n=10×3、**:各ロット n=6×3
8)社内資料:安定性試験(加速試験)
(クリマーゲンOD 錠20mg)
[L20130412187]
15
溶出試験
(1)クリマーゲン OD 錠10mg5)
「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」(平成12年2月14日 医薬審第64号)に基づき、
クリマーゲン OD 錠20mg を標準品としてクリマーゲン OD 錠10mg の溶出試験を実施した結果、いずれの試験
液においても溶出挙動の同等性が示され、両製剤は生物学的に同等とみなされた。
●使用薬剤
試験製剤:クリマーゲン OD 錠10mg
標 準 品:クリマーゲン OD 錠20mg
●剤形の種類
素錠
●試験条件
試験法
パドル法
試験液
試験液量
回転数
pH1.2(日本薬局方崩壊試験第1液)
pH5.0(薄めた McIlvaine 緩衝液)
pH6.8(日本薬局方崩壊試験第2液)
水
900mL
50rpm
pH6.8(日本薬局方崩壊試験第2液)
900mL
100rpm
●試験結果
n=12
pH1.2、pH5.0および pH6.8(50および100rpm)の試験液では、標準品は15分以内に平均85%以上溶出し、
15分の時点においてクリマーゲン OD 錠10mg の平均溶出率は、平均85%以上であった。
水では、標準品は15分以内に平均85%以上溶出し、15分の時点においてクリマーゲン OD 錠10mg の平均溶
出率は、標準品の平均溶出率±10%の範囲であった。
また、最終比較時点におけるクリマーゲン OD 錠10mg の個々の溶出率は、平均溶出率±15%の範囲を超える
ものは12個中1個以下で、±25%の範囲を超えるものはなかった。
16
(%)
120
(%)
120
pH1.2(50rpm)
(%)
120
pH5.0(50rpm)
100
100
100
80
溶
出 60
率
40
80
溶
出 60
率
40
80
溶
出 60
率
40
試験製剤
標準品
平均値
20
0
0
5
(%)
120
10 15 20
採取時間
25
20
30(分)
0
100
100
80
溶
出 60
率
40
80
溶
出 60
率
40
0
試験製剤
標準品
平均値
試験
条件
pH1.2
50rpm
pH5.0
50rpm
pH6.8
50rpm
水
50rpm
pH6.8
100rpm
0
5
10 15 20
採取時間
0
5
(%)
120
水(50rpm)
20
試験製剤
標準品
平均値
25
薬剤
10 15 20
採取時間
0
試験製剤
標準品
平均値
20
30(分)
0
0
5
10 15 20
採取時間
25
30(分)
pH6.8(100rpm)
試験製剤
標準品
平均値
20
30(分)
25
pH6.8(50rpm)
0
5
10 15 20
採取時間
25
30(分)
溶出率(%)
5分
10分
15分
20分
30分
クリマーゲン OD 錠10mg
93.7±2.7
94.0±2.8
94.1±3.0
93.8±2.9
93.9±3.0
標準品
75.7±7.3
93.3±3.4
95.4±1.9
95.8±1.9
95.9±1.9
クリマーゲン OD 錠10mg
68.4±6.1
84.4±3.4
90.6±2.7
93.4±2.8
95.5±3.0
標準品
65.9±10.8
87.4±6.8
92.6±3.6
94.4±2.0
95.6±2.0
クリマーゲン OD 錠10mg
64.7±4.8
77.2±4.0
85.5±3.4
89.5±3.5
94.4±4.0
標準品
49.5±13.1
76.3±11.6
86.4±11.1
93.1±7.4
99.8±2.9
クリマーゲン OD 錠10mg
58.1±2.7
70.6±2.5
79.4±2.5
84.9±2.2
90.7±2.6
標準品
51.0±8.2
74.9±7.2
85.3±4.3
90.3±3.5
95.1±3.1
クリマーゲン OD 錠10mg
74.8±1.4
85.0±1.5
90.3±2.0
93.4±2.0
96.9±2.2
標準品
87.1±2.0
96.1±2.2
100.8±2.7
101.3±2.3
102.4±3.2
平均± SD、n=12
5)社内資料:溶出試験(クリマーゲンOD 錠10mg)
[L20130412186]
17
(2)クリマーゲン OD 錠20mg9)
クリマーゲン OD 錠20mg と標準品の溶出試験を実施した結果、クリマーゲン OD 錠20mg はいずれの試験液に
おいても溶出挙動が類似し、「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」の溶出挙動の同等性の判定基準に
適合した。
●使用薬剤
試験製剤:クリマーゲン OD 錠20mg
標準品
●剤形の種類
素錠
●試験条件
試験法
パドル法
試験液
試験液量
回転数
pH1.2(日本薬局方崩壊試験第1液)
pH5.0(薄めた McIlvaine 緩衝液)
pH6.8(日本薬局方崩壊試験第2液)
水
900mL
50rpm
pH6.8(日本薬局方崩壊試験第2液)
900mL
100rpm
●試験結果
n=12
すべての試験液で、標準品は15分以内に平均85%以上溶出し、15分の時点においてクリマーゲン OD 錠
20mg の平均溶出率は、平均85%以上であった。
18
(%)
120
(%)
120
pH1.2(50rpm)
(%)
120
pH5.0(50rpm)
100
100
100
80
溶
出 60
率
40
80
溶
出 60
率
40
80
溶
出 60
率
40
試験製剤
標準品
平均値
20
0
0
5
(%)
120
10 15 20
採取時間
25
20
0
30(分)
100
100
80
溶
出 60
率
40
80
溶
出 60
率
40
0
試験製剤
標準品
平均値
試験
条件
pH1.2
50rpm
pH5.0
50rpm
pH6.8
50rpm
水
50rpm
pH6.8
100rpm
0
5
10 15 20
採取時間
0
5
(%)
120
水(50rpm)
20
試験製剤
標準品
平均値
25
薬剤
10 15 20
採取時間
0
30(分)
試験製剤
標準品
平均値
20
0
0
5
10 15 20
採取時間
25
30(分)
pH6.8(100rpm)
試験製剤
標準品
平均値
20
30(分)
25
pH6.8(50rpm)
0
5
10 15 20
採取時間
25
30(分)
溶出率(%)
3分
5分
10分
15分
20分
30分
クリマーゲン OD 錠20mg
96.2
±
5.82
106.0
±
2.09
107.9
±
1.75
108.2
±
1.84
108.3
±
1.71
108.3
±
1.60
標準品
84.4
±
5.91
101.9
±
3.19
105.2
±
2.28
105.5
±
2.25
105.6
±
2.35
105.9
±
2.29
クリマーゲン OD 錠20mg
80.8
±
6.21
97.4
±
4.69
106.0
±
4.97
107.2
±
3.89
108.2
±
4.21
108.2
±
4.02
標準品
84.4
±
5.91
101.9
±
3.19
105.2
±
2.28
105.5
±
2.25
105.6
±
2.35
105.9
±
2.29
クリマーゲン OD 錠20mg
55.2
±
2.96
79.0
±
6.05
99.0
±
2.26
106.3
±
2.26
110.7
±
2.68
112.0
±
2.44
標準品
29.2
±
2.29
56.1
±
3.11
89.0
±
2.84
99.5
±
2.79
103.3
±
2.74
105.4
±
2.65
クリマーゲン OD 錠20mg
53.9
±
8.33
71.9
±
7.75
88.6
±
4.90
95.4
±
2.73
97.4
±
1.63
99.0
±
1.09
標準品
25.2
±
1.82
48.0
±
2.34
74.3
±
2.19
86.4
±
2.35
92.4
±
2.20
97.9
±
1.92
クリマーゲン OD 錠20mg
94.6
±
4.66
104.1
±
4.21
108.7
±
2.12
111.0
±
2.06
111.5
±
2.25
111.9
±
2.20
標準品
57.2
±
5.82
80.4
±
2.91
100.4
±
1.47
105.9
±
1.24
107.9
±
1.11
109.0
±
1.13
平均± SD、n=12
9)社内資料:溶出試験(クリマーゲンOD 錠20mg)
[L20130412188]
19
包装、貯法、使用期限等
項 目
ファイザー製品
商品名
クリマーゲン OD 錠10mg
クリマーゲン OD 錠20mg
ガスターD 錠10mg
ガスターD 錠20mg
包装
OD 錠10mg:100錠(PTP 10錠×10)
500錠(PTP 10錠×50)
OD 錠10mg:100錠(10錠×10)
140錠(14錠×10)
500錠(10錠×50)
560錠(14錠×40)
1,000錠(10錠×100)
500錠(バラ)
OD 錠20mg:100錠(10錠×10)
140錠(14錠×10)
500錠(10錠×50)
560錠(14錠×40)
1,000錠(10錠×100)
500錠(バラ)
OD 錠20mg:100錠(PTP 10錠×10)
500錠(PTP 10錠×50)
貯法・保存条件
有効期間又は使用期限
20
標準品
気密容器、室温保存
使用期限:3年
(容器に表示の使用期限内に使用すること)
気密容器、室温保存
〔開封後は湿気を避けて保存すること。〕
使用期限:ケース等に表示(製造後3年)
〔使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使
用すること。〕
ファイザー株式会社概要
売上高
5,592億円[対前年比 +19.3%(2011年度)]
全従業員数
5,857名 2011年12月時点
全 MR 数
3,014名 2011年12月時点
自社医薬品数
113品目 2012年7月時点
全国営業拠点
96箇所(事業所、営業所、サテライトオフィス)2012年7月時点
名古屋工場 物流センター
愛知県知多郡武豊町字五号地2 〒470-2393
電話0569-72-2111
三島ラボラトリー
工場、研究施設等
静岡県田方郡函南町平井字五本松1694-27 〒419-0107
電話0559-74-1071
横浜パッケージセンター
神奈川県横浜市都筑区佐江戸町681 〒224-0054
電話045-929-1403
製品に関するお問い合わせ先
ファイザー株式会社 製品情報センター
学術情報ダイヤル0120-664-467
学術部門(有無)
有
PMS 部門(有無)
有
企業ホームページ
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/index.html
医療従事者向けページ
http://pfizerpro.jp/
製品情報ページ
http://pfizerpro.jp/
21
供給に関する情報・
「医薬品インタビュー
M E M Oに掲載している引用文献
フォーム」
ファイザーでは販売予測に基づき、発売時には最大9ヵ月の在庫を持つように準
在庫対応
備し、1年間は6ヵ月を切らないように管理しております。
また、安定期には通常3ヵ月以上の流通在庫を保持できるように管理しております。
回収対応
(不良医薬品等回収対応)
販売中止対応
(販売中止の事前案内)
納入経路
(卸経由か直販か)
他病院採用情報の開示
薬事法に則り回収の対応をいたします。
ファイザーでは原則として約1年前から販売中止の事前案内をいたします。
採用になった場合、広域特約店より応需可能です。
採用病院より開示許可をいただいておりませんので公表できません。
●「医薬品インタビューフォーム」に掲載している引用文献
クリマーゲン OD 錠10mg・OD 錠20mg の医薬品インタビューフォームに掲載しておりま
す引用文献のご要望につきましては、著作権処理の都合により個別に対応させていただいてお
ります。引用文献をご要望の際は、弊社の医薬品情報担当者(MR)にご依頼くださいますよう
お願い申し上げます。
22
MEMO
23
クリマーゲンⓇOD錠10mg
和 名
販
一
売
般
クリマーゲンⓇOD錠20mg
名
名
禁
忌
20mg
21900AMX00228
2007年3月
薬 価 収 載
2007年6月
ファモチジン
販 売 開 始
2006年7月
Famotidine
貯
気密容器、室温保存
872325
使 用 期 限
Climagen®-OD Tab.
和 名
洋 名
法
2003年7月
3年
(容器に表示の使用期限内に使用すること)
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2. 性状
1. 組成
1錠中:
成分
販売名
有効成分
組 成・ 性 状
10mg
21900AMX00254
承 認 年 月
洋 名
日本標準商品分類番号
承 認 番 号
添 加 物
クリマーゲンOD錠10mg
クリマーゲンOD錠20mg
日局 ファモチジン
10.0mg
日局 ファモチジン
20.0mg
販 売 名
ケイ酸カルシウム、D-マンニトール、クロスポビドン、アスパル
テーム、ℓ-メントール、ステアリン酸マグネシウム、香料
クリマーゲンOD錠
10mg
クリマーゲンOD錠
20mg
効 能・ 効 果
用 法・ 用 量
外形
上面
下面
側面
直径
6.5mm
厚さ
2.3mm
質量
100mg
直径
7.0mm
厚さ
3.1mm
質量
120mg
識別
コード
色調等
M527
白色の素錠
MH533
割線の入った
白色の素錠
1. 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)
、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群
2. 下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
1. 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス
潰瘍、出血性胃炎による)、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群
通常、成人にはファモチジンとして1回20mgを1日2回
(朝食後、夕食後または
就寝前)
経口投与する。
また、1回40mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。
なお、年齢・症状により適宜増減する。ただし、上部消化管出血の場合には通常
注射剤で治療を開始し、内服可能になった後は経口投与に切りかえる。
2. 下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
通常、成人にはファモチジンとして1回10mgを1日2回
(朝食後、夕食後または
就寝前)
経口投与する。
また、1回20mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
腎機能低下患者への投与法
ファモチジンは主として腎臓から未変化体で排泄される。腎機能低下患者にファ
モチジンを投与すると、腎機能の低下とともに血中未変化体濃度が上昇し、尿中
排泄が減少するので、次のような投与法を目安とする。
〈1回20mg 1日2回投与を基準とする場合〉
クレアチニンクリアランス
(mL/min)
投与法
Ccr≧60
1回20mg 1日2回
60>Ccr>30
1回20mg 1日1回
1回10mg 1日2回
30≧Ccr
1回20mg 2∼3日に1回
1回10mg 1日1回
透析患者
1回20mg 透析後1回
1回10mg 1日1回
使用上の注意
1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)薬物過敏症の既往歴のある患者
(2)腎障害のある患者
〔血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用
すること。
〕
(3)心疾患のある患者
〔心血管系の副作用を起こすおそれがある。〕
(4)肝障害のある患者
〔症状が悪化するおそれがある。〕
(5)高齢者(
「5.高齢者への投与」の項参照)
2. 重要な基本的注意
(1)本剤は口腔内で崩壊するが、口腔の粘膜から吸収されることはないため、唾液又は水
で飲み込むこと。
(2)治療にあたっては経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用にとどめ、
本剤で効果がみられない場合には他の療法に切りかえること。
なお、血液像、肝機能、腎機能等に注意すること。
3. 相互作用
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
アゾール系抗真菌薬
イトラコナゾール
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
左記の薬剤の血中濃度が低下 本剤の胃酸分泌抑制作用が左
する。
記薬剤の経口吸収を低下させ
る。
4. 副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
(1)重大な副作用(頻度不明)
1)ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状
(呼吸困難、
全身潮紅、血管浮腫〈顔面浮腫、咽頭浮腫等〉、蕁麻疹等)があらわれることがあるの
で、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処
置を行うこと。
2)再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少:再生不良性
貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少(初期症状として全身 怠
感、脱力、皮下・粘膜下出血、発熱等)があらわれることがあるので、定期的に血液
検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う
こと。
3)皮膚粘膜眼症候群
(Stevens-Johnson症候群)
、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
:
皮膚粘膜眼症候群
(Stevens-Johnson症候群)
、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場
合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4)肝機能障害、黄疸:AST
(GOT)
・ALT
(GPT)等の上昇、黄疸があらわれることが
あるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適
切な処置を行うこと。
5)横紋筋融解症:横紋筋融解症があらわれることがあるので、高カリウム血症、ミオ
グロビン尿、血清逸脱酵素の著明な上昇、筋肉痛等が認められた場合には直ちに投
与を中止し、適切な処置を行うこと。
6)QT延長:QT延長があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認めら
れた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。特に心疾患
(心筋梗塞、
弁膜症、心筋症等)を有する患者においてあらわれやすいので、投与後の患者の状
態に十分注意すること。
7)意識障害、痙攣:意識障害、全身痙攣(痙直性、間代性、ミオクローヌス性)があら
われることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止
するなど、適切な処置を行うこと。特に腎機能障害を有する患者においてあらわれ
やすいので、注意すること。
8)間質性腎炎、急性腎不全:間質性腎炎、急性腎不全があらわれることがあるので、
初期症状として発熱、皮疹、腎機能検査値異常
(BUN・クレアチニン上昇等)等が認
められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9)間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれ
ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質
ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
(2)重大な副作用
(類薬)
不全収縮:他のH2受容体拮抗剤で不全収縮があらわれるとの報告がある。
使用上の注意
(3)その他の副作用
頻度不明
過
敏
症注) 発疹・皮疹、蕁麻疹(紅斑)、顔面浮腫
液注) 白血球減少、好酸球増多
血
消
化
器 便秘、下痢・軟便、口渇、悪心・嘔吐、腹部膨満感、食欲不振、口内炎
循
環
器 徐脈、頻脈、房室ブロック、血圧上昇、顔面潮紅、耳鳴
肝
臓 肝機能異常、黄疸、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、総ビ
リルビン上昇、LDH上昇
精 神 神 経 系 可逆性の錯乱状態、うつ状態、痙攣、意識障害、めまい、全身
気力感、頭痛、眠気、不眠
怠感、無
内 分 泌 系注) 乳汁漏出症、月経不順、女性化乳房
そ
の
他 CK
(CPK)上昇、味覚異常、筋肉痛、背部痛
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
5. 高齢者への投与
高齢者では、本剤を減量するか投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。
〔本剤は主
として腎臓から排泄されるが、高齢者では、腎機能が低下していることが多いため血中濃
度が持続するおそれがある。〕
6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回
ると判断される場合にのみ投与すること。
〔妊娠中の投与に関する安全性は確立してい
ない。〕
(2)授乳婦:授乳婦に投与するときは授乳させないよう注意すること。
〔母乳中に移行する
ことが報告されている。
〕
7. 小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
(使用経験
が少ない。
)
8. 適用上の注意
(1)薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
〔PTPシー
トの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等
の重篤な合併症を併発することが報告されている。
〕
(2)服用時
1)本剤は舌の上にのせ唾液を浸潤させ舌で軽くつぶし、崩壊後唾液のみで服用可能で
ある。
2)
本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。
9. その他の注意
本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投
与すること。
有効成分に関する理化学的知見
性 状:本品は白色∼帯黄白色の結晶である。
一般名:ファモチジン(Famotidine)
本品は酢酸
(100)に溶けやすく、エタノール
(95)に溶けにくく、水に極めて溶けに
化学名: -Aminosulfonyl-3-{[2-( diaminomethyleneamino)-1,3-thiazol-4-yl]
くい。
methylsulfanyl}propanimidamide
本品は0.5mol/L塩酸試液に溶ける。
分子式:C8H15N7O2S3
本品は光によって徐々に着色する。
分子量:337.45
融 点:約164℃(分解)
構造式:
取扱い上の注意
安定性試験
最終包装製品を用いた加速試験
(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、クリマーゲンOD錠10mgおよびクリマーゲンOD錠20mgは通常の市場流通下において3年間安定であることが推測
された。
包 装
クリマーゲンOD錠10mg PTP 100錠 500錠
クリマーゲンOD錠20mg PTP 100錠 500錠
禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分ご留意ください。
詳細は添付文書をご覧ください。
2014年4月18日時点の添付文書に基づき作成しています。
2013年8月改訂(第11版)
NBZ51E130A