改訂日:2010年7月1日 1. - 米山薬品工業

無水トリメリット酸,米山薬品工業㈱,gc0051,2010年7月1日,
1/6
_
_
製品安全データシート
_
1.製品及び会社情報
製品名
会社名
住所
担当部門
電話番号
FAX番号
緊急連絡先
整理番号
_
2.危険有害性の要約
GHS分類
健康に対する有害性
改訂日:2010年7月1日
無水トリメリット酸
米山薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町2丁目3番11号
品質保証室
(06)6393-4001
(06)6396-7714
米山薬品工業(株)三国工場
gc0051
急性毒性(経口):区分5
皮膚腐食性・刺激性:区分3
眼に対する重篤な損傷・眼刺激性:区分1
呼吸器感作性:区分1
皮膚感作性:区分1
特定標的臓器・全身毒性:区分1(呼吸器系)
(単回ばく露)
特定標的臓器・全身毒性:区分1(呼吸器系、血管系)
(反復ばく露)
*記載のないものは「分類対象外」,「分類できない」または「区分外」。
絵表示又はシンボル
危険喚起語
危険有害性情報
危険有害性情報
注意書き
危険
飲み込むと有害のおそれ(経口)
軽度の皮膚刺激
重篤な眼の損傷
吸入するとアレルギー、ぜん(喘)息又は呼吸困難を起こす
おそれ
アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
呼吸器系の障害
長期又は反復ばく露による呼吸器系、血管系の障害
【安全対策】
適切な保護眼鏡、保護面を着用すること。
換気が十分でない場合には、適切な呼吸用保護具を着用す
ること。
適切な保護手袋を着用すること。
粉じん、ヒュームを吸入しないこと。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、
呼吸しやすい姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
呼吸に関する症状が出た場合には、医師に連絡すること。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚に付着した場合、皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、
医師の診断、手当てを受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタ
クトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。そ
の後も洗浄を続けること。
眼に入った場合、直ちに医師に連絡すること。
飲み込んだ場合、気分が悪い時は、医師に連絡すること。
無水トリメリット酸,米山薬品工業㈱,gc0051,2010年7月1日,
2/6
_
【保管】
施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃
棄物処理業者に業務を委託すること。
3.組成及び成分情報
単一製品・混合物の区別
化学名
別名
成分及び含有量
化学式又は構造式
官報公示整理番号(化審法、安衛法)
CAS No.
危険有害成分
_
4.応急措置
吸入した場合
皮膚に付着した場合
目に入った場合
飲み込んだ場合
予測される急性症状及び遅発性症状
応急処置をする者の保護
医師に対する特別注意事項
_
5.火災時の措置
消火方法
消火剤
特有の危険有害性
特有の消火方法
消火を行う者の保護
_
6.漏出時の措置
人体に対する注意事項
単一製品
無水トリメリット酸
1,2,4-ベンゼントリカルボン酸1,2-無水物(1,2,4Benzene tricarboxylic acid 1,2-anhydride)
無水トリメリット酸 91%以上
C9H4O5
(3)-1362
552-30-7
無水トリメリット酸
被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸しやすい
姿勢で休息させること。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
呼吸に関する症状が出た場合には、医師に連絡するこ
と。
皮膚を速やかに洗浄すること。
多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、手当て
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
水で数分間注意深く洗うこと。次に、コンタクトレンズ
を着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も
洗浄を続けること。
直ちに医師に連絡すること。
口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師の手当て、診断を受けること。
吸入:灼熱感、咳、息苦しさ、咽頭痛、溶血性貧血、喘
息様症状、肺水腫。症状は遅れて現れることがある。
皮膚:発赤、痛み、灼熱感
眼:発赤、痛み、眼のかすみ
経口摂取:腹痛、灼熱感、吐き気、咽頭痛
救助者は、状況に応じて適切な保護具を着用する。
安静と症状の医学的な経過観察が必要。
小火災:粉末消火剤、二酸化炭素、泡消火剤、水噴霧
大火災:散水、噴霧水、泡消火剤
加熱により容器が爆発するおそれがある。
火災によって刺激性、腐食性又は毒性のガスを発生する
おそれがある。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
大火災の場合、無人ホース保持具やモニター付きノズル
を用いて消火する。
容器内に水を入れてはいけない。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣(耐
熱性)を着用すること。
直ちに、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離
する。
無水トリメリット酸,米山薬品工業㈱,gc0051,2010年7月1日,
3/6
_
保護具及び緊急時措置
環境に対する注意事項
回収、中和
封じ込め及び浄化方法・機材
二次災害の防止策
7.取扱い及び保管上の注意
取扱い
技術的対策
局所排気・全体換気
安全取扱い注意事項
接触回避
保管
技術的対策
適切な保管条件
混触危険物質
容器包装材料
_
8.暴露防止及び保護措置
許容濃度
日本産業衛生学会
ACGIH
設備対策
関係者以外の立入りを禁止する。
作業者は適切な保護具(「8.ばく露防止及び保護措置」の
項を参照)を着用し、眼、皮膚への接触や吸入を避ける。
適切な防護衣を着けていないときは破損した容器あるい
は漏洩物に触れてはいけない。
風上に留まる。
低地から離れる。
密閉された場所に立入る前に換気する。
適切な保護具を着用する。
環境中に放出してはならない。
河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意
する。
漏洩物は清潔な帯電防止工具を用いて集め、密閉できる
空容器に回収する。後で廃棄処理する。
危険でなければ漏れを止める。
漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。
すべての発火源を速やかに取除く(近傍での喫煙、火花や
火炎の禁止)。
排水溝、下水溝、地下室あるいは閉鎖場所への流入を防
ぐ。
「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の設備対策を行
い、保護具を着用する。
「8.ばく露防止及び保護措置」に記載の局所排気・全
体換気を行なう。
火気注意
接触、吸入又は飲み込まないこと。
空気中の濃度をばく露限度以下に保つために排気用の換
気を行うこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
喘息の症状を示したことがある者には、以後この物質に
触れてはならない。
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
「10.安定性及び反応性」を参照。
保管場所には危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要
な採光、照明及び換気の設備を設ける。
熱、火花、裸火のような着火源から離して保管するこ
と。-禁煙。
混触危険物質から離して保管すること。
容器を密閉して換気の良い冷所で保管すること。
施錠して保管すること。
「10.安定性及び反応性」を参照。
包装、容器の規制はないが密閉式の破損しないものに入
れる。
TLV-TWA
3
0.04mg/m
3
0.1mg/m (最大許容濃度)
3
TLV-TWA
0.04mg/m (C)
防爆の電気・換気・照明機器を使用すること。
粉じんが発生する場合は、局所排気装置を設置する。
高熱工程で粉じん、ヒュームが発生するときは、空気汚
染物質を管理濃度・許容濃度以下に保つために換気装置
を設置する。
無水トリメリット酸,米山薬品工業㈱,gc0051,2010年7月1日,
4/6
_
この物質を貯蔵ないし取扱う作業場には洗眼器と安全
シャワーを設置すること。
保護具
呼吸器の保護具
手の保護具
目の保護具
皮膚及び身体の保護具
衛生対策
_
9.物理的及び化学的性質
物理的状態、形状、色など
臭い
pH
融点・凝固点
沸点、初留点及び沸騰範囲
引火点
爆発限界
蒸気圧
蒸気密度
比重(相対密度)
溶解度
オクタノール/水分配係数
自然発火温度
分解温度
臭いの閾値
蒸発速度
燃焼性
その他のデータ
_
10.安定性及び反応性
安定性
危険有害反応可能性
避けるべき条件
混触危険物質
危険有害な分解生成物
その他
_
11.有害性情報
急性毒性
適切な呼吸器保護具を着用すること。
ばく露の可能性のあるときは、送気マスク、空気呼吸
器、又は酸素呼吸器を着用する。
適切な保護手袋を着用すること。
適切な眼の保護具を着用すること。
化学飛沫用のゴーグル及び適切な顔面保護具を着用する
こと。
適切な保護衣、顔面用の保護具、保護靴等を着用するこ
と。
取扱い後はよく手を洗うこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
無色の結晶又は粉末
無臭
データなし
161-163.5℃ (融点)
240-245℃ (沸点)
データなし
データなし
<0.01KPa (25℃)
データなし
データなし
水と反応する。 アセトン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル
に可溶。
データなし
デ タなし
データなし
データなし
データなし
データなし
可燃性
データなし
通常の使用条件下では安定。
粉末又は顆粒状は空気と混合すると粉じん爆発の可能性
がある。
強酸化剤と激しく反応する。
水と徐々に反応し、トリメリット酸を生成する。
混触危険物質との接触。
強酸化剤
燃焼により、一酸化炭素、二酸化炭素などを生成する。
経口 ラットを用いた経口投与試験のLD50 2030mg/kg 3)
3340 mg/kg 3) から低い方の値を適用し、区分5の範囲内に
あることを示す信頼できる証拠にもとづいて、区分5とした。
飲み込むと有害のおそれ(経口)
経皮 ウサギを用いた経皮投与試験の LD50 5600mg/kg
3) に基づき、区分外とした。
吸入(ガス) GHSの定義による液体であるため、ガスでの
吸入は想定されず、分類対象外とした。
吸入(蒸気) データなし
吸入(ミスト) データ不足のため、分類できないとし
た。
無水トリメリット酸,米山薬品工業㈱,gc0051,2010年7月1日,
5/6
_
皮膚腐食性・刺激性
眼に対する重篤な損傷・刺激性
呼吸器感作性又は皮膚感作性
生殖細胞変異原性
発がん性
生殖毒性
特定標的臓器 全身毒性 単回暴露
特定標的臓器・全身毒性-
特定標的臓器・全身毒性-反復暴露
吸引性呼吸器有害性
その他
_
12.環境影響情報
生態毒性
残留性・分解性
生態蓄積性
土壌中の移動性
水生環境急性有害性
ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (4時間) の結果の記述
「mild irritation was observed (軽度の刺激性がみら
れた)」 3) 又、「軽度の刺激性を有する」 2) とある
ことから、区分3とした。
軽度の皮膚刺激
ウサギを用いた眼刺激性試験の結果の記述「強い刺激性
を有する」 2) 「the material should be considered
severe eye irritants」 3) 及び「TWAN into rabbit
eye produced irritation scores of 105.6/110.0 on
day 2 and 97.0/110.0 on day 7, a positive
indicator that TWAN can produce ocular burns.」 9)
から、非常に強い刺激性を有すると考えられ、区分1と
重篤な眼の損傷
呼吸器感作性:ヒトへの健康影響の記述「本物質を扱う
労働者の29%にアレルギー性呼吸器系疾患がみられた」
2) 等から、呼吸器感作性を有すると考えられ、区分1と
した。
吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそ
皮膚感作性: モルモットを用いた Mazimization 法、
Murine lymph node assay による試験結果の記述に
「陽性」 2) 等から、皮膚感作性を有すると考えられ、
区分1とした。
アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
in vivo 変異原性/遺伝毒性試験がなく、in vitro 変異
原性試験 (染色体異常試験、突然変異試験) で陰性であ
る 3) , 7) ため、分類できないとした。
データなし
データ不足 (生殖影響に関するデータなし) のため、分
類できないとした。
ヒトに いては 「本物質にばく露された作業者で上部
ヒトについては、「本物質にばく露された作業者で上部
気道への刺激性が報告されている」 2) 等の記述、実験
動物については、「肺深部迷走神経末端への直接刺激に
よるものと考えられる不整呼吸及び一時的な呼吸停止」
2) 「肺に赤色病巣、斑点、液体貯留」 3) 等の記述が
あることから、呼吸器を標的臓器と判断した。なお、実
験動物に対する影響は区分1に相当するガイダンス値の
範囲でみられた。以上より、分類は、区分1(呼吸器)
とした。
呼吸器の障害
(反復ばく露): ヒトについては、「アレルギー性の
喘息、鼻炎、過敏性呼吸器系症候群、肺疾患、貧血症候
群、遅発性喘息、刺激性によるくしゃみ、鼻出血、咳、
呼吸困難」 2) 「TMA関連性肺機能障害、免疫系応答」
3) 等の記述、実験動物については、「肺の出血、気管
支肺炎」 2) 等の記述があることから、肺を含む呼吸
器、血液系が標的臓器と考えられた。なお、実験動物に
対する影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲で
みられた。以上より、分類は、区分1(呼吸器、血液
系)とした。
長期又は反復ばく露による呼吸器、血液系の障害
データなし
データなし
データなし
データなし
データなし
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 >792mg/L 11)
から、区分外とした。
無水トリメリット酸,米山薬品工業㈱,gc0051,2010年7月1日,
6/6
_
水生環境慢性有害性
難水溶性でなく(水溶解度 = 1036mg/L) 13) 急性毒性
が低いことから、区分外とした。
_
13.廃棄上の注意
廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処
理を行って危険有害性のレベルを低い状態にする。
廃棄においては、関連法規並びに地方自治体の基準に従
うこと。
都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者、
もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合には
そこに委託して処理する。
廃棄物の処理を依託する場合、処理業者等に危険性、有
害性を十分告知の上処理を委託する。
_
14.輸送上の注意
国連番号
品名(国連輸送名)
国連分類
_
15.適用法令
化学物質管理促進法(PRTR法)
毒物及び劇物取締法
労働安全衛生法
消防法
_
16.その他の情報
引用文献
_
運搬に際しては容器に漏れのないことを確かめ、転倒、
落下、損傷がないよう積み込み、荷くずれの防止を確実
に行う。
該当しない
該当しない
該当しない
第1種指定化学物質(政令番号401:1.2.4-ベンゼントリ
カルボン酸1,2-無水物)
該当しない。
施行令第18条の2[名称等を通知すべき有害物](政令番
号532:1.2.4-ベンゼントリカルボン酸1,2-無水物)
該当しない
1) CSC (1999)
2) CERIハザードデータ集 2001-33 (2002)
3) SIDS (2003)
4) IARC 71 (1999)
5) ATSDR (2000)
6) 環境省リスク評価 第4巻 (2005)
7) NTP DB (Access on March 2006)
8) IUCLID (2000)
9) ACGIH (2001)
10) EPA (1994)
11) CERI・NITE有害性評価書(暫定版)(2006)
12) Amoore,J.E. and Haulata,E. Jouranal of Applied
Toxicology, 3(6) 272 (1983)
13) PHYSPROP DB (2005)
14) 日本化学物質安全・情報センター「化審法既存化学
物質安全性点検データ集」
15) 化学物質の危険・有害性便覧 中央災害防止協会
(1992)
16) GHS分類結果(NITE)
17) 日化協「緊急時応急措置指針、容器イエローカード
(ラベル方式)」
18) 日化協「化学物質法規制検索システム」(CD-ROM)
(2005)
19) 日本ケミカルデータベース(株)「化学品総合デー
タベース」(2005)