貨幣の製造に必要な経費 - 財務省

事業番号
020
平成24年行政事業レビューシート (財務省)
事業名
事業開始・
終了(予定)年度
貨幣の製造に必要な経費
事 業 開 始 :平成15年度
終了(予定):なし
会計区分
根拠法令
(具体的な
条項も記載)
一般会計
担当部局庁
理財局
作成責任者
担当課室
国庫課通貨企画調整室
国庫課長
大津 俊哉
施策名
4-1 日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び偽造・変造の防止
通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(第4条)
関係する計画、
独立行政法人造幣局法(第3条、第11条、第12条、第19条)
通知等
貨幣製造計画
事業の目的
(目指す姿を 国民生活に不可欠である貨幣について、高度な偽造防止技術及び徹底した製造管理体制をもって、国民経済にとって必要十分な量を安定的
簡潔に。3行程 かつ確実に製造するため。
度以内)
貨幣の製造及び発行の権能は各国と同様、政府に属しており、財務大臣は当該経費により貨幣の製造に関する事務を独立行政法人造幣局
に行わせている。具体的には流通用貨幣・記念貨幣の製造、回収貨幣の鋳つぶし、地金の保管等である。
事業概要
偽造困難・純正画一な貨幣の製造により、国民が疑念を抱かず貨幣を使用できる状況を維持し、確実・安定的製造により必要十分な貨幣を
(5行程度以
供給するため、財務大臣が定める「貨幣製造計画」に基づき、造幣局に貨幣を製造させている。
内。別添可)
また、財務大臣は造幣局に対し、偽造貨幣への対処等で緊急に必要な措置を要請することができ、造幣局にはその応諾義務が課されてい
る。
実施方法
予算額・
執行額
■直接実施 □委託・請負 □補助 □負担 □交付 □貸付 □その他
予算
の状
況
(単位:百万円)
21年度
22年度
23年度
24年度
25年度要求
当初予算
16,287
15,083
15,256
15,189
15,142
補正予算
-
-
-
-
繰越し等
-
-
-
-
計
16,287
15,083
15,256
15,189
執行額
15,411
14,575
14,466
執行率(%)
94.6%
96.6%
94.8%
15,142
21年度
22年度
23年度
目標値
(24年度)
869,050
803,570
802,684
916,250
100
100
100
単位
21年度
22年度
23年度
24年度活動見込
活動指標及び
活動実績
活動実績
(アウトプット) 貨幣(記念貨幣を含む)の製造枚数(当初見込みについ
(当初見込 千枚
ては、当初の製造計画における枚数)
869,050
803,570
802,684
916,250
(793,300)
(806,200)
(916,200)
単位
成果指標
独立行政法人造幣局法第12条において、造幣局は、貨
幣の製造については、財務大臣の定める製造計画に
従って行わなければならないと規定されていることから、 成果実績 千枚
成果目標及び 成果指標については、製造計画の達成割合を設定。な
成果実績
お、当該計画については市中の流通状況等により所要
(アウトカム) の改定が行われることから、達成度については改定後
の製造計画により算定している。
※政策評価においては、貨幣の製造計画の達成割合を 達成度
参考指標として設定し、総合的に評価を行っているとこ
ろ。
活動指標
%
み)
単位当たり
コスト
変動費=2,483百万円
固定費=11,294百万円
算出根拠
貨幣製造計画に基づく貨幣の製造に関する事務を1単位とし、貨幣の製造
等に必要な経費を、変動費と固定費により把握している。
※変動費=原材料費、光熱水料等
固定費=労務費、経費等
(貨幣の製造等に必要な経費)14,466百万円-(消費税)689百万円
=(変動費)2,483百万円+(固定費)11,294百万円
※23年度決算額(税抜)。百万円未満は四捨五入している。
費 目
平
成
2
4
・
2
5
年
度
予
算
内
訳
貨幣製造費
計
24年度当初予算
25年度要求
15,189
15,142 回収貨幣の使用率の向上等
15,189
15,142
主な増減理由
事業所管部局による点検
評価
目
的
・
予
算
の
状
況
○
○
-
、
資
金
の
流
れ
費
目
・
使
途
、
活
動
実
績
成
果
実
績
項 目
評価に関する説明
貨幣の製造及び発行の権能は政府に属する。(通貨の単位
及び貨幣の発行等に関する法律第四条第一項)
国が実施すべき事業であるか。地方自治体、民間等に委ねるべき事業となって 財務省設置法第三条において、通貨に対する信頼の維持が
任務とされており、これは通貨を通じた取引の安全確保という
いないか。
国民生活に直結する重要な責務であり、通貨に対する信頼の
維持を目的として行う貨幣製造事業は国が実施すべき重要な
不用率が大きい場合は、その理由を把握しているか。
事業である。
広く国民のニーズがあり、優先度が高い事業であるか。
○
支出先の選定は妥当か。競争性が確保されているか。
○
単位あたりコストの削減に努めているか。その水準は妥当か。
○
受益者との負担関係は妥当であるか。
○
資金の流れの中間段階での支出は合理的なものとなっているか。
○
費目・使途が事業目的に即し真に必要なものに限定されているか。
-
他の手段と比較して実効性の高い手段となっているか。
○
適切な成果目標を立て、その達成度は着実に向上しているか。
○
活動実績は見込みに見合ったものであるか。
-
類似の事業があるか。その場合、他部局・他府省等と適切な役割分担となっている
貨幣は国民の経済活動において、広く流通している。
か。
財務大臣は貨幣の製造に関する事務を(独)造幣局に行わ
せることとされている。(通貨の単位及び貨幣の発行等に関す
る法律第四条第二項)
国民の貨幣に対する信頼を維持する観点から、貨幣には高
度かつ機密の偽造防止技術が適用されており、こうした貨幣
の製造を行える機関は、(独)造幣局が唯一の機関である。
回収貨幣の投入率の向上による原材料費の削減等によりコ
ストの削減に努めている。
本事業によって製造される貨幣は、経済社会の基盤たる通
貨制度を支える公共的性格を有するものであり、国民全体が
受益者と考えられ、負担関係は妥当である。
(独)造幣局における原材料や機械設備等の調達に当たって
は、競争入札を原則としており、随意契約や一者応札の見直
しも進め、契約の適正化に努めている。
(独)造幣局に支払う貨幣の製造代金は、通貨の単位及び貨
幣の発行等に関する法律第四条第四項に基づき、製造原価
等を勘案して算定しており、(独)造幣局における支出につい
ても、事業目的に即したものとなっている。
(独)造幣局においては、毎年度、財務大臣の定める製造計
画を確実に達成している。
※類似事業名とその所管部局・府省名
○
整備された施設や成果物は十分に活用されているか。
上記点検のとおり、「目的・予算の状況」、「資金の流れ、費目・使途」、「活動実績、成果実績」のいずれの項目も十分なものとなっている。なお、こうした
結果は以下の取組みや仕組みによるものであり、今後とも、これらの取組み等を通じ、予算額等に十分に反映させていく必要がある。
点
検
結
果
・造幣局の各費目の支出総額等の把握及び特殊要因のヒアリングを実施。
※支出状況については、材料費、経費等の契約(競争入札、随意契約)に係る情報が造幣局HPに公表(少額随契は除く)されている。
・造幣局における契約の適正性については、外部有識者等を委員とする契約監視委員会(造幣局に設置)にて審議。その結果については財務省におい
ても点検を実施。
・労務費(給与等)については、国家公務員の給与、民間企業の従業員の給与等を考慮して定められた造幣局職員給与規程等に基づき支給されており、
その支給状況を公表。
・財務大臣が主務大臣として業務の効率性や質の向上等、中期目標期間(5年間)において達成すべき業務運営に関する目標を定め、造幣局に指示。
・造幣局においては、財務大臣から指示された経費の縮減、人員の削減等の中期目標を達成すべく、中期計画、年度計画を定めて取り組んでおり、その
取組みについては、貨幣の流通状況を踏まえつつ、予算額等に反映。
・造幣局の業務実績については、毎年度、外部有識者を委員とする評価委員会において評価が行われ、中期目標期間終了後においても、その達成状況
について評価が行われる仕組み。
予算監視・効率化チームの所見
一
部
改
善
引き続き、貨幣製造における回収貨幣の使用率の向上などにより、経費の縮減に努める。
上記の予算監視・効率化チームの所見を踏まえた改善点(概算要求における反映状況等)
縮
減
貨幣製造における回収貨幣の使用率の向上による経費の縮減。
補記 (過去に事業仕分け・提言型政策仕分け・公開プロセス等の対象となっている場合はその結果も記載)
関連する過去のレビューシートの事業番号
平成22年行政事業レビュー
20
平成23年行政事業レビュー
0018
※平成23年度実績を記入
財務省
14,466百万円
(税抜13,777百万円)
貨幣の円滑な供給及び偽造・変
造の防止
【随意契約】
A.(独)造幣局
14,466百万円
(税抜13,777百万円)
貨幣の製造及び回収貨幣の鋳
潰し
【一般競争入札・随意契約】
資金の流れ
(資金の受け
取り先が何を
行っているか
について補足
する)(単
位:百万円)
【一般競争入札・随意契約】
【一般競争入札・随意契約】
B.原材料等仕入支出先
C.経費等支出先
D.施設設備費支出先
・種類:民間事業者、財団法人
・支出先数:264社
(佐藤金属㈱他)
・支出額計(税抜):1,304百万円
・種類:民間事業者、地方自治体、
財団法人、独立行政法人
・支出先:約840社機関
(㈱エネット他)
・支出額計(税抜):2,263百万円
・種類:民間事業者
・支出先数:50社
(富士電機㈱他)
・支出額計(税抜):1,461百万円
※庁費などの各府省の事務的経
費と同様の経費支出1,188百万円
を含む。
設備、機械等の設置、修繕
貨幣製造に必要な原材料等の納入
貨幣の製造に必要な光
熱水や役務の提供及
び、造幣局全体の業務
運営に係る物品、役務の
提供。
※1 造幣局における支出においては、非課税等のものもあること、また造幣局における経理処理は税抜経理で
行われていることから、税抜金額にて記載している。
※2 造幣局における支出には、この他に造幣局役職員への労務費の支出がある。
※3 政府から造幣局に対しては、貨幣製造原価を勘案した製造代価を支払っており、これは造幣局が貨幣製造
業務において支出する金額とは一致しない。
A.(独)造幣局
費 目
労務費
施設整備費
経費
原材料費
使 途
E.
金 額
(百万円)
給与、賃金、退職金等(造幣局全体による支出)
9,123
施設設備の修繕、購入
(富士電機㈱ 他49社)
1,461
各府省における事務的経費と同様の経費支出(造幣局
全体の業務運営に係る支出)
1,188
光熱水料、保守料、外注費等
(㈱エネット他839社)
1,075
貨幣製造に必要な地金、材料等の購入(佐藤金属㈱他
263社)
1,304
費 目
使 途
金 額
(百万円)
(注)政府から造幣局に対しては、貨幣製造原価を勘案した製
造代価を支払っており、造幣局が貨幣製造業務において支出
する金額とは一致しない。
計
14,151
計
費 目
原材料費
使 途
佐藤金属(株)
電気銅地金の調達 等
0
F.
B.原材料等
金 額
(百万円)
費 目
使 途
金 額
(百万円)
486
費目・使途
(「資金の流れ」
においてブロッ
クごとに最大の
金額が支出され
ている者につい
て記載する。費
目と使途の双方
で実情が分かる
ように記載)
計
486
計
G.
C.経費等
費 目
経費
使 途
(株)エネット
広島支局における電力の調達 等
計
金 額
(百万円)
費 目
206
施設整備費
計
使 途
富士電機(株)
自動封入封緘装置の調達 等
使 途
金 額
(百万円)
206
計
0
H.
D.施設整備費等
費 目
0
金 額
(百万円)
費 目
使 途
金 額
(百万円)
286
286
計
0
支出先上位10者リスト
B.原材料等仕入支出先上位10社
支 出 先
業 務 概 要
支 出 額
(百万円)
入札者数
落札率
1 佐藤金属株式会社
電気銅地金の調達
170
3
-
2 佐藤金属株式会社
電気銅地金の調達
160
2
-
3 佐藤金属株式会社
電気銅地金の調達
152
2
-
4 住商メタレックス㈱
ニッケル地金の調達
104
2
-
5 住商メタレックス㈱
ニッケル地金の調達
60
2
-
6 三谷伸銅(株)
青銅鋳塊の調達
43
1
-
7 ジェー・ピー・エス・リミテッド(株)
白銅クラッド圧延板の調達
42
2
-
8 (株)三建アクセス
ガス鋳棒加熱炉用ビーム等の調達
38 随意契約(公募)
9 三谷伸銅(株)
青銅鋳塊の調達
33
1
-
10 三谷伸銅(株)
青銅鋳塊の調達
33
1
-
-
C.経費等支出先上位10社
支 出 先
業 務 概 要
支 出 額
(百万円)
入札者数
落札率
1 ㈱エネット
広島支局における電力の調達
184
3 86.4%
2 日本興亜損害保険(株)
火災保険(地震保険を含む)
148
4
3 日本環境安全事業(株)
PCB廃棄物の処理
114
4 SCSK(株)
会計システム保守支援業務
82
3 99.6%
5 SCSK(株)
会計システム用サーバの借上
78
1
6 関西電力(株)
本局における電力の調達(平成23年9月までの契約)
71
2 99.3%
7 広島ガス(株)
広島支局におけるガスの調達
67
8 関西電力(株)
本局における電力の調達(平成23年10月以降の契約)
62
2 99.7%
9 (株)日経サービス
本局における警備業務の委託
38
3
本局におけるガスの調達
37
1 97.9%
10 大阪ガス(株)
随意契約
-
-
随意契約
-
-
-
D.施設整備費支出先上位10社
支 出 先
業 務 概 要
支 出 額
(百万円)
入札者数
落札率
1 富士電機(株)
自動封入封緘装置の調達
265
3
2 新日本空調(株)中国支店
溶解工場冷却水送水設備取設その他工事
187
7 88.6%
3 関東物産(株)
超精密ナノ加工装置の調達
132
2 96.4%
4 千代田工販(株)
シスル成型機の調達
124
2 75.5%
5 関東物産(株)
圧穿機の調達
104
3 84.2%
6 岡谷鋼機㈱
カッター研削盤の調達
47
2 99.2%
7 千代田工販(株)
バッチ式円形焼鈍炉の調達
43
3 90.3%
8 (株)ソトムラ
貨幣課工場外壁等塗装替工事
40
3 90.4%
9 IHIメタルテック㈱
冷間粗圧延機(アップコイラー等)修理
31 随意契約(公募)
-
竪型連続鋳造装置用樋修理
31
-
10 ㈱三建アクセス
※落札率については、同種の他の契約の予定価格を類推させる恐れがあるため記載していないものがある。
1
-
貨幣の製造に係る事業の概要
〔政 府 〕
○ 通貨は、強制通用力を認められた支払手段であり、信頼維持のため、安定的・確実な供給、偽造防止が重要。
○ 偽造困難・純正画一な貨幣の製造により、国民が疑念を抱かず貨幣を使用できる状況を維持し、確実・安定的
製造により必要十分な貨幣を供給するため、財務大臣が定める「製造計画」に基づき、(独)造幣局に貨幣の製造
を行わせる。
【参考】
・貨幣の製造及び発行の権能は、政府に属する(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第四条第一項)
・財務大臣は、貨幣の製造に関する事務を、独立行政法人造幣局に行わせる(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第四条第二項)
・財務大臣は、偽造への対処等緊急時において、造幣局に貨幣の製造等の業務に関し必要な措置の実施を要請することができる(独立行政法人造幣
局法第十九条第一項)
製造計画の通知
製造契約の締結
貨幣等の納入
製造代金の支払い
〔(独)造幣局 〕
○ 流通用貨幣・記念貨幣の製造、回収貨幣の鋳つぶし、貨幣用貴金属地金の精製及び地金の保管を行う。その
際、回収された貨幣を新貨幣に再利用し、資源を有効に活用。
○ 500円貨幣の潜像や斜めギザ等高度な偽造防止技術を採用し、国民に対し安全・安心な通貨を提供。
○ 財務大臣が定める製造計画を、毎年度確実に達成。
【参考】
・財務大臣の定める製造計画に従い貨幣を製造する義務(独立行政法人造幣局法第十二条)
・財務大臣の要請に対する応諾義務(独立行政法人造幣局法第十九条第二項)