産業構造 - 徳島経済研究所

産業構造
産業構造は、一国またはある地域の経済がどのような産業によって成り立っているかを表
しており、自然的条件や社会的条件、経済活動の変化などによって刻々と変化する。
産業構造に変化を及ぼす主な要因としては、
①産業間の所得格差 − 技術革新によって生産性が高まると産業間に所得格差が生まれ、
より高い
所得を求め産業間の労働力移動が起きる
(第1次→第2次産業、
工業化)
。
②需要構造の変化 − 工業化を経て産業社会が進展すると、
所得水準の向上により一通りのモノが
普及し、
消費構造が変化する。
モノよりもサービスへの需要が高まり、
サービス産業が発展する
(第
2次産業→第3次産業、
脱工業化、
経済のサービス化)
。
③海外移転 − 安い労働力確保など、
自国より海外で生産する方が優位な商品は、
海外へ生産拠点
が移され、
その産業の国内でのウェイトが低下する
(産業の空洞化)
。
④適地適産 − 近年、
諸外国における経済的、技術的発展、
また情報技術の進歩などを背景に、
国
際的な大競争時代が到来し、
経済のグローバル化が進展しているが、
とりわけ製造業においては、
市場からの低価格化や高精度化、
あるいは納期短縮といった要求に応えるべく、
工場の統廃合や
不効率施設の閉鎖など、
経済的合理性を追求する動きが強まっている。
こうした生産拠点の集約
化や生産体制の組み替えなどの動向は、
地域の産業集積に大きな影響を及ぼす、
などが挙げられよう。マクロ的に見れば、産業構造の変化は「産業の置き換わり」の歴史で
もあり、産業の移転や衰退などが不可避としても、新陳代謝を進める点ではこうした変化を
前向きにとらえ、それに代わる産業を興こすことが重要である。
■就業者数から見た産業構造
徳島県の産業構造の変化を就業者数の推移から見てみると
(産業構造−1)
、1970年から2010
年までの40年間で、就業者数は405千人から347千人へと約58千人減少、率にしてこの間14.3%
のマイナスとなっている。もっとも1995年までの間は、就業者数は増減を繰り返しながら概ね
横ばいにて推移しており、1995 ∼ 2010年の間に急激に減少している様子が見てとれる。この間
の増減率は、5年毎の調査のたびにその減少幅が拡大しており、近年の少子高齢化の進展や人
口の社会減のほか、工場・事業所の統廃合や廃業など、さまざまな要因から就業者の減少に歯
止めがかからない状況が続いている。
次に就業者の産業別構成を見ると
(産業構造−2)
、直近2010年では第3次産業が64.4%と最も
高く、次いで第2次産業が23.4%、第1次産業が8.5%となっている。1970年からの推移では、第
1次産業の就業者比率が31.4%から8.5%にまで大幅に低下したほか、第2次産業も近年になっ
て比率が急下降するなど、比率上昇の一途をたどる第3次産業とは対照的な推移となっている。
55
さらに詳しく業種別に見てみると
(産業構造− 3)
、農林漁業や鉱業、また電気・ガス・熱
供給・水道業などで趨勢的に就業者が減少しているが、中でも農林漁業の大幅な減少(△ 9
万 8 千人)が目立ち、第1次産業離れが続いている。反面、サービス業や不動産業はこの間
増加傾向にあり、特にサービス業はほぼ倍増(+ 5 万人)
した。このほか製造業や建設業、ま
た金融業、保険業や卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業は 1990 ∼ 1995 年にそれぞれ
就業者数のピークを迎えたが、以後は減少に転じている。特に製造業と建設業はピークか
らの落ち込みが大きく、農林漁業と併せ全体の就業者数減少を加速させている。
(産業構造−1)徳島県の就業者数の推移
(産業構造−2)就業者の産業別構成比の推移
(人)
(%)
450,000
10
405,240
400,000 5.7
393,539
404,614
398,428 400,046
406,031
373,395
2.8
4
347,093
1.5
0.4
300,000
6
390,509
←対前回増減率(右目盛)
350,000
8
2
0
△2
△1.5
△2.9
△3.8
250,000
△4.4
△4
△6
△7.0 △8
200,000 1970
75
80
85
90
95
2000
05
△10
10
(年)
注:2005年の数値は、2010年の分類に組み替えた「新産業分類特別
集計結果」の値を使用している。
以下、産業構造-2、同-3の図表も同様。
資料:総務省「国勢調査」
第1次産業
1970年
第2次産業
1975年
23.9
1980年
19.4
1985年
17.5
40.6
30.3
31.1
30.4
1990年 14.2
31.4
1995年 12.2
30.6
2000年 10.3
28.9
2005年 9.9
2010年 8.5
第3次産業 (%)
28.0
31.4
25.6
45.5
0.2
49.4
0.1
51.8
0.3
53.9
0.5
56.8
0.5
59.4
1.3
1.9
62.6
23.4
3.8
64.4
分類不能の産業
資料:総務省「国勢調査」
(産業構造−3)就業者数の業種別推移
(人)
140,000
農林漁業
120,000
サービス業
100,000
卸売業、小売業、宿泊業、
飲食サービス業
80,000
製造業
60,000
建設業
40,000
情報通信業、運輸業、郵便業
20,000
公務(他に分類されるものを除く)
金融業、保険業
10,000
5,000
0
不動産業、物品賃貸業
電気・ガス・熱供給・水道業
鉱業、採石業、砂利採取業
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010(年)
注:各調査年で基準となる産業分類が異なる場合があり、単純な時系列比較はできない。ここでの業種名は2010年の分類による。
注:グラフ中の○印は各分類ごとの表示期間中の最大値を示している。
資料:総務省「国勢調査」
56
0.0
57
0.2
0.6
7.1
107,500
365,131
4,391,281
0.4
1.2
14.2
50,326
1,675
4,988
56,989
農業
林業
漁業
0.1
9.5
23.7
63,381
5,842,027
14,642,678
0.1
10.0
21.3
377
39,842
85,312
製造業
卸売業、小売業
1.1
22.5
692,591
13,886,738
0.5
21.8
2,148
87,134
金融業、保険業
不動産業、物品賃貸業
サービス業
0.5
25.6
15.7
9.8
0.1
9.9
0.9
0.2
8.8
295,145
15,957,225
10,485,635
5,440,516
31,074
2,980,831
214,142
48,619
2,718,070
全 国
2005 年(H17 年)
構成比
3.8
3,170,769
1.1
2.2
5.0
1,117,932
1,514,281
3,664,043
小計
0.5
100
320,919
61,681,642
0.5
100
1,819
400,046
284,473
14,123,282
9,626,184
4,474,946
22,152
2,381,415
176,885
68,553
2,135,977
5.2
14,262
4.1
3,219,050
5.4
2.7
(8.1)
0.5
23.7
16.1
7.5
0.0
4.0
0.3
0.1
3.6
構成比
1.8
2.5
6.0
4,012
8,325
17,334
1.2
2.4
5.0
1,113,768
1,512,975
3,423,208
1.9
2.5
5.7
373,395
7,009
233,817
100
1.9
62.6
4.0
61,530,202
1,167,533
41,424,613
2,085,318
4.7
7,0
100
1.9
67.3
347,093
13,194
223,375
100
3.8
64.4
59,611,311
3,460,298
39,646,316
2,016,128
376,986
3,405,092
1.0
3,506
16,420
1.1
4.4
6,127,782
13.8
47,886
8.7
15,181
2,635,120
5.0
17,330
4.3
3.4
2,198,515
3.5
12,088
3.8
100
5.8
66.5
3.4
5.7
0.6
10.3
4.4
3.7
注:2005年の数値(徳島県・全国)は、2010年の分類に組み替えた「新産業分類特別集計結果」の値を使用している。
注:1990年と2005年・2010年では、基準となる産業分類が異なるため単純な比較はできない。( )の数値は参考値。
注:2005年以前の調査における労働者派遣事業所の派遣社員は、産業大分類「サービス業(他に分類されないもの)」下の産業小分類「労働者派遣業」に分類されていたが、2010年は派遣先の産業に分類されており、
時系列比較には注意を要する。
資料:総務省「国勢調査」
合 計
59.0
36,421,356
53.9
215,707
14,924
5.4
3.3
668,297
4,289,239
1.5
5,561
20,210
複合サービス事業
2,062,814
5,331,814
11.4
42,632
医療、福祉
3.8
2,674,606
5.0
15,342
2,329,659
3.4
18,557
公務(他に分類されるものを除く)
0.5
23.4
15.2
8.1
0.0
8.5
0.8
0.2
7.5
全 国
2010 年(H22 年)
構成比
(107,678) (28.8) (17,204,093) (28.0) (105,042) (30.3) (16,645,710) (27.9)
1,902,215
3.2
2.3
7,812
3.1
2.2
1,910,478
8,033
4,172
8,202
18,691
12,685
サービス業(他に分類されないもの)
1,762
81,147
52,888
28,094
165
29,377
2,664
837
25,876
徳島県
(79,303) (21.2) (14,424,239) (23.4) (70,953) (20.4) (13,227,498) (22.2)
9,804,290
16.4
15.4
53,619
17.5
16.2
10,760,196
60,612
14,197
教育、学習支援業
0.5
25.9
17.0
8.8
0.1
4.8
0.3
0.1
4.4
構成比
(単位:人、%)
(17,624) (4.7) (4,783,605) (7.8) (18,100) (5.2) (4,845,764)
1,626,714
1.1
3,838
2.6
0.9
1,612,836
3,427
1,914
95,726
58,757
36,741
228
36,834
3,531
576
32,736
徳島県
生活関連サービス業、娯楽業
学術研究、専門・技術サービス業
3.2
1,969,207
2.7
22.4
10,659
宿泊業、飲食サービス業
卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業
運輸業、郵便業
情報通信業
13,801,675
6.0
3,674,717
5.0
20,011
情報通信業、運輸業、郵便業
19.6
0.5
333,614
0.5
1,999
78,414
33.3
20,548,086
31.4
125,531
小計
電気・ガス・熱供給・水道業
鉱業、採石業、砂利採取業
建設業
小計
構成比
6.4
1990 年(H2年)
全 国
3,918,650
徳島県
構成比
12.6
大 分 類
分 類 不 能 の 産 業
第3次産業
第2次産業
第1次産業
産 業
(産業構造−4)就業者数の中・長期的推移
(産業構造− 4)にて、2010 年の就業者数から見た徳島県の産業構造を全国と比較すると、
徳島県の第1次産業の就業者比率は 8.5%と、全国の 4.0%を 4.5 ポイント上回っている一方、
第3次産業は 64.4%と全国の 66.5%を 2.1 ポイント下回っている。第2次産業についてはほ
ぼよく似た構成比となっているが、これを業種別に見ると、徳島県の建設業が全国の同比
率を 0.6 ポイント上回っている反面、製造業の比率は逆に全国を 0.9 ポイント下回っている。
第3次産業についても業種別に見てみると、情報通信業や運輸業、郵便業、また卸売業、小
売業やサービス業
(他に分類されないもの)などは全国の構成比が徳島県を上回る反面、医
療、福祉や教育、学習支援業などでは徳島県が全国を上回っており、特徴的である。
2010 年の徳島県の業種別就業者数は卸売業、小売業が約 5 万 4 千人
(構成比 15.4%)と最も
多く、以下製造業が約 5 万 3 千人
(15.2%)、医療、福祉約 4 万 8 千人
(13.8%)
、建設業約 2 万
8 千人
(8.1%)
、農業約 2 万 6 千人
(7.5%)
と続く。一方全国の上位も卸売業、小売業
(16.4%)
、
(産業構造−5)就業者数の増減と増減率
産 業
(単位:人、%)
増減(1990→2010)
大 分 類
徳島県
−24,450
農業
全 国
増減率(1990→2010) 増減(2005→2010)
徳島県
全 国
−1,782,673 ▲ 48.6 ▲ 45.5
徳島県
−6,860
増減率(2005→2010)
全 国
徳島県 全 国
−582,093
▲ 21.0 ▲ 21.4
第1次
林業
−838
−38,947 ▲ 50.0 ▲ 36.2
261
産 業
漁業
−2,324
−188,246 ▲ 46.6 ▲ 51.6
−867
−37,257 ▲ 24.6 ▲ 17.4
ー 27,612 ー 2,009,866 ▲ 48.5 ▲ 45.8
ー 7,466
ー 599,416 ▲ 20.3 ▲ 20.1
−212
−41,229 ▲ 56.2 ▲ 65.0
−63
−8,922 ▲ 27.6 ▲ 28.7
小計
鉱業、採石業、砂利採取業
19,934
45.3
41.0
第2次
建設業
−11,748
−1,367,081 ▲ 29.5 ▲ 23.4
−8,647
−965,570 ▲ 23.5 ▲ 17.7
産 業
製造業
−32,424
−5,016,494 ▲ 38.0 ▲ 34.3
−5,869
−859,451 ▲ 10.0
ー 44,384 ー 6,424,804 ▲ 35.4 ▲ 31.3 ー 14,579 ー 1,833,943 ▲ 15.2 ▲ 11.5
小計
電気・ガス・熱供給・水道業
−237
−49,141 ▲ 11.9 ▲ 14.7
情報通信業、運輸業、郵便業
※−1,911
※ 1,171,047 ※▲ 9.5 ※ 31.9
情報通信業
運輸業、郵便業
(※2010 年は「情報通信業」と「運輸業、
郵便業」とを合算して比較)
卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業
卸売業、小売業
第3次
産 業
宿泊業、飲食サービス業
▲ 8.2
☆−7,461
−152
(476)
−2,334
不動産業、物品賃貸業
1,864
▲ 7.9
▲ 3.6
(62,159) (2.7) (1.3)
411
13,878
12.0
0.9
65
48,281
0.5
1.5
☆−574,177 ☆▲ 9.5 ☆▲ 4.2 (−8,350)(−1,196,741)(▲ 10.5)(▲ 8.3)
(☆2010 年は「卸売業、小売業」と「宿泊業、 −6,993
飲食サービス業」とを合算して比較)
−1,357
金融業、保険業
−10,672
−955,906 ▲ 11.5
▲ 8.9
−240,835
▲ 7.3
▲ 6.6
−456,232 ▲ 21.9 ▲ 23.2
123
−1,306
1.5
▲ 0.1
60.8
−160
−4,164
▲ 3.8
▲ 0.4
421,177
86.8
* 17,908 * 2,758,972 * 20.6 * 19.9 (−2,636) (−558,383)(▲ 2.4)(▲ 3.2)
サービス業
学術研究、専門・技術サービス業
−221
−8,263
▲ 2.8
▲ 0.4
生活関連サービス業、娯楽業
−597
−131,144
▲ 4.7
▲ 5.6
−1,227
−39,486
▲ 6.6
▲ 1.5
5,254
795,968
12.3
14.9
教育、学習支援業
医療、福祉
複合サービス事業
(*2010 年は「学術研究、専門・技術サービス業」、
「生活関連サービス業、娯楽業」、「教育、学習支援業」、
「医療、福祉」、「複合サービス事業」、「サービス業
(他に分類されないもの)」を合算して比較)
サービス業(他に分類されないもの)
▲ 1.0
公務(他に分類されるものを除く)
−161
−46,686
小計
7,668
3,224,960
3.6
分 類 不 能 の 産 業
11,375
3,139,379
625.3
合 計
ー 52,953 ー 2,070,331 ▲ 13.2
58
▲ 2.3
−2,055
−291,311 ▲ 37.0 ▲ 43.6
−3,790
−884,147 ▲ 18.8 ▲ 20.6
257
−69,190
1.7
▲ 3.3
8.9 ー 10,442 ー 1,778,297
▲ 4.5
▲ 4.3
2,292,765
88.2
196.4
▲ 3.4 ー 26,302 ー 1,918,891
▲ 7.0
▲ 3.1
978.2
6,185
製造業
(16.1%)
、医療、福祉
(10.3%)
、建設業(7.5%)の順である。
(産業構造− 4、5)
にて、徳島県の長期的な就業者数の変化を全国と比較すると、バブル景
気
(1986.12 ∼ 1991.2 / 51 か月)の 1990 年から直近 2010 年までの 20 年間では、全国は約 207
万人減少し増減率が▲ 3.4%だったのに対し、徳島県では約 5 万 3 千人減少の同▲ 13.2%と、
就業者の落ち込みが顕著に表れている。また産業別増減では、全国、徳島県とも、第1次
産業がこの間に5割近く減少したほか、製造業や建設業を含む第2次産業もそれぞれ3割
以上減少するなど、ほぼ似た傾向で推移しており、ともに第3次産業
(全国+ 8.9%、徳島県
+ 3.6%)
へ労働力が移動した様子がうかがえる。中でも、サービス業が全国、徳島県とも2
割程度のプラスと増加数が目立っており、第1次、第2次産業から放出された労働力で賄
われたかたちとなっている。
一方、全国と徳島県における就業者数の変化を 2005 年から 2010 年までの 5 年間で見ると、
全国の増減率は▲ 3.1%、徳島県は▲ 7.0%となっている。産業別では第1次産業の就業者が
全国、徳島県とも約2割減少したほか、第2次産業も全国が▲ 11.5%、徳島県が▲ 15.2%と
それぞれ減少している。さらに第3次産業も、就業者はこの間ともに 4%強のマイナスとな
り、第1次、第2次産業に加え、第3次産業でも減少した。徳島県では、これまで増加の
一途だったサービス業が、この 5 年間はマイナスに転じた
(産業構造 -3)。
ここで
(産業構造− 6)に県内の各市町村別の第3次産業就業者比率をクラス分けしたが、
徳島市、北島町、小松島市、藍住町、石井町(比率の高い順)が県平均を上回っており、経
済のサービス化がより進行している様子がうかがえる。
(産業構造−6)第3次産業就業者比率(2010年)
(%)
鳴門市
∼45
板野町
阿波市
上板町
石井町
美馬市
三好市
吉野川市
藍住町 北島町 松茂町
50∼55
55∼60
徳島市
60∼64.4
東みよし町
つるぎ町
45∼50
神山町
佐那河内村
三好市
小松島市
勝浦町
上勝町
阿南市
那賀町
美波町
牟岐町
海陽町
注:
(第3次産業就業者数/市町村別総就業者数)
×100(%)
資料:総務省「国勢調査」
59
64.4∼
(=徳島県平均値)
■県内総生産から見た産業構造
2001 年度以降の産業構造の変化を県内総生産の業種別推移から見てみると(産業構造−
7)、総生産額の最も大きい製造業は、そのピークとなった 2004 年度までは増加傾向にあり、
県内総生産全体の推移によく反映されている。製造業における 2003 年度の大きな伸びは、
発
光ダイオード
(LED)を含む電気機械の生産額が急上昇したことなどが要因だが、逆に 2005
年度の落ち込みは、発光ダイオードの単価下落による総生産額の減少のほか、2005 年 3 月で
の日本たばこ産業の工場閉鎖といった要因が挙げられる。また 2010 年度では化学の大幅増
によって再度上向きに転じたが、こうした個別の産業動向は、まさに県内の産業構造の変
化をよく表している。製造業に次いで総生産額の大きいサービス業や不動産業では、この
間安定的に推移している反面、建設業や卸売・小売業、農林水産業などは趨勢的な減少傾
向が見てとれる。
(産業構造− 8)で業種別構成比の推移を見ると、2001 年度以降比率が低下しているのは
建設業や電気・ガス・水道業、卸売・小売業などで、中でも建設業は 2001 年度の 7.2%から
2011 年度は 5.1%と 2.0 ポイント低下した。一方シェアが伸びた業種は、製造業のほか不動産
(産業構造−7)県内総生産(名目)の業種別推移
(億円)
31,000
30,196
30,000
29,312
29,000
30,192
県内総生産
29,169
29,109
28,870
28,743
28,461
28,000
27,000
28,095
28,633
27,809
(7,564)
(7,577)
7,000
製造業
6,000
サービス業
5,000
4,000
政府サービス生産者他
3,000
2,000
1,000
不動産業
電気・ガス・水道業
金融・保険業
運輸業
(2005年∼)
農林水産業
0
卸売・小売業
建設業
運輸・通信業
2001
2002
2003
情報通信業
(2005年∼)
鉱業
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011(年度)
注:分類の見直しにより、2005年以降、従前の「運輸・通信業」が分割され、「運輸業」および「情報通信業」が新設された。
「情報通信業」には、従前の分類における「通信業」に加え、「出版業」(旧「製造業」)や「情報サービス業」(旧「対事業所
サービス」)、「放送業」(旧「対個人サービス」)等が含まれる。
資料:徳島県「2011年度県民経済計算」
60
(産業構造−8)県内総生産における業種別構成比の推移
農林水産業
鉱業
製造業
卸売・小売業
金融・保険業 不動産業 運輸・通信業(∼2004) 運輸業(2005∼)
情報通信業(2005∼) サービス業
0
10
20
30
建設業
電気・ガス・水道業
政府サービス生産者 他
40
50
60
関税や総資本形成に係る消費税等の加算・控除分
70
80
90
100(%)
2001 2.4 0.1
21.5
7.1
5.9
10.1
4.9
10.2
6.1
16.9
14.4
0.4
2002 2.7 0.0
22.1
6.7
5.6
9.9
4.7
10.2
6.1
17.2
14.4
0.4
2003 2.6 0.1
24.8
6.0
5.4
9.4
5.4
9.9
5.6
16.7
13.9
0.2
2004 2.4 0.1
25.1
6.1 5.4
9.1
5.4
10.1
5.6
16.8
13.6
0.3
2005 2.5 0.1
23.2
6.2
5.1
9.1
5.3
4.1 2.6
16.5
14.2
0.5
2006 2.3 0.1
23.7
5.8 4.9
9.1
4.4
17.1
14.4
0.5
2007 2.1 0.1
23.5
2008 2.3 0.1
24.6
4.3 5.0
2009 2.1 0.0
24.0
4.8 4.6
2010 2.3 0.1
26.2
5.0 4.6
8.6
4.0
11.2
2011 2.3 0.1
25.6
5.1 4.7
9.3
4.2
11.2
4.7 4.8
9.0
8.8
8.9
10.6
10.8
4.3 2.6
4.4
10.9
4.5 2.7
18.3
14.5
0.5
3.7
11.2
4.1 2.7
18.5
14.3
0.4
4.3
11.5
3.9 2.7
18.6
14.0
0.6
3.5 2.6
17.7
13.5
0.7
3.0 2.6
17.6
13.9
0.4
(年度)
注:県内総生産は、
関税や帰属利子等を加算・控除するため、
各業種別構成比の合計は100にならない。
注:分類の見直しにより、
2005年以降、
従前の
「運輸・通信業」
が分割され、
「運輸業」および「情報通信業」
が新設された。
資料:徳島県「2011年度県民経済計算」
業、サービス業である。ウェイトが製造業に次いで大きいサービス業は、2009 年度に 18.6%
と 2001 年度に比べて 1.7 ポイント上昇したものの、2010 年度以降は伸び悩んでいる。
(産業構造− 9)
にて直近 2011 年度の県内総生産から見た産業構造を全国と比較すると、第
3次産業においては全国の構成比 74.2%に対し徳島県が 66.4%と全国平均を 7.8 ポイント下
回る一方で、第1次、第2次産業はともに徳島県が全国の構成比を上回っている。特に第
2次産業では、徳島県が 30.7%と全国の 24.2%を 6.5 ポイント上回っているが、これは徳島
県の製造業が 25.6%と全国を 7.1 ポイント上回ることに起因しており、特徴的である。
(産業構造− 9、10)
にて、2011 年
(度)
の国内
(県内)
総生産をバブル景気だった 1990 年(度)
当時と比較してみると、第1次産業は全国、徳島県ともに大幅なマイナスの反面、第3次
産業が飛躍的に伸びており、産業構造の変化が顕著に表れている。
まず全国では、第1次、第2次産業の総生産額はそれぞれ▲ 50.1%、▲ 29.7%と大幅にダ
ウンしているうえ、全産業に占める割合も 2.5%→ 1.2%、36.6%→ 24.2%へとそれぞれ低下
している。反面、第3次産業の増減率は+ 22.7%で、全産業に占める割合も 64.2%→ 74.2%
へと上昇し、第3次産業が日本のGDPの約3/4を占める水準に至っている。
一方、1990 → 2011 年度の徳島県の県内総生産は、産業全体の伸び率が+ 26.4%と全国の
同増減率+ 6.3%を大幅に上回っている。徳島県の第1次産業はこの間▲ 41.3%と、全国の
下落率とそう変わらないものの、第2次産業においては全国の増減率▲ 23.3%に対し、徳島
61
62
6.3
70,611
143,210
電 気 ・ ガ ス ・ 水 道 業
4.5
8.5
16.8
11.7
62.8
192,670
379,793
264,650
1,422,368
不 動 産 業
サ ー ビ ス 業
政府サービス生産者など
険
100
2,265,573
合 計
442,781,000
−14,461,100
284,450,800
40,970,500
70,955,100
43,051,100
30,827,000
58,324,300
100
−3.3
64.2
9.3
16.0
9.7
7.0
13.2
2,910,940
13,761
1,965,591
415,492
481,223
307,490
155,660
263,684
100
0.5
67.5
14.3
16.5
10.6
5.3
503,903,000
3,295,400
365,383,600
54,945,300
88,433,300
54,041,700
30,788,500
74,814,400
26,268,900
2.6
9.1
24,379,100
11,712,400
129,116,300
99,698,600
29,018,100
399,600
6,107,700
831,200
142,700
5,133,800
全 国
4.1
5.1
29.5
23.2
6.2
0.1
2.5
0.3
0.2
2.0
構成比
2005年(H17年)
注:2005 年と 2011 年は同一基準による計数だが、1990 年は体系基準年が異なり、遡及改定されていないため直接比較はできない。
注:全国は暦年ベースでの名目国内総生産
徳島県は年度ベースでの名目県内総生産
資料:内閣府「国民経済計算年報」、
「県民経済計算年報」
−3.1
−70,105
小 計
保
業
102,675
・
売
業
融
金
小
11.9
・
268,759
売
卸
147,937
859,690
676,608
181,102
1,980
71,897
7,928
75,373
6.6
2.5
36.6
26.5
9.8
0.3
2.5
0.4
5,055
58,913
徳島県
情報通信業(2005 ∼)
29,090,400
11,232,400
161,875,300
117,315,500
43,438,600
1,121,200
10,916,100
1,876,100
0.1
1.9
構成比
118,732
1.0
661,200
8,378,800
全 国
運輸業(2005 ∼)
業
3.1
801,907
小 計
信
35.4
554,564
製 造 業
通
24.5
245,203
建 設 業
・
10.8
2,140
鉱 業
輸
0.1
111,402
小 計
運
4.9
23,426
水 産 業
0.5
12,011
林 業
3.4
構成比
75,965
徳島県
1990年(H2年)
農 業
大 分 類
輸入品に課される税・関税、統計上の不突合
(控除)総資本形成に係る消費税、帰属利子
第3次産業
第2次産業
第1次産業
産 業
(産業構造−9)国内総生産、県内総生産の長期的推移
100
0.7
72.5
10.9
17.5
10.7
6.1
14.8
5.2
4.8
2.3
25.6
19.8
5.8
0.1
1.2
0.2
0.0
1.0
構成比
2,863,274
16,733
1,902,641
398,144
503,415
320,758
119,074
266,688
73,548
86,510
134,504
878,502
732,008
145,011
1,483
65,398
6,234
6,062
53,102
徳島県
100
0.6
66.4
13.9
17.6
11.2
4.2
9.3
2.6
3.0
4.7
30.7
25.6
5.1
0.1
2.3
0.2
0.2
1.9
構成比
470,623,200
2,278,200
349,062,600
54,623,900
90,993,500
56,727,700
22,854,400
66,922,600
25,551,400
22,779,400
8,609,700
113,832,700
87,086,700
26,448,000
298,000
5,449,700
688,000
159,200
4,602,500
全 国
2011年(H23年)
100
0.5
74.2
11.6
19.3
12.1
4.9
14.2
5.4
4.8
1.8
24.2
18.5
5.6
0.1
1.2
0.1
0.0
1.0
構成比
(単位:百万円、%)
(産業構造−10)国内総生産、県内総生産の増減と増減率
産 業
増減
(1990→2011)
大 分 類
徳島県
増減(2005→2011)
増減率(2005→2011)
徳島県 全 国
徳島県
徳島県
全 国
農 業
−22,863
−3,776,300
▲30.1
▲45.1
−5,811
−531,300
▲9.9
▲10.3
第1次
林 業
−5,949
−502,000
▲49.5
▲75.9
1,007
16,500
19.9
11.6
産 業
水 産 業
−17,192
−1,188,100
▲73.4
▲63.3
−1,694
−143,200
▲21.4
▲17.2
−46,004 −5,466,400
▲41.3
▲50.1
−6,499
−658,000
▲9.0
▲10.8
小 計
全 国
−823,200
▲30.7
▲73.4
−497
−101,600
▲25.1
▲25.4
−100,192 −16,990,600
▲40.9
▲39.1
−36,091
−2,570,100
▲19.9
▲8.9
製 造 業
177,444 −30,228,800
32.0
▲25.8
55,400
−12,611,900
8.2
▲12.7
小 計
76,595 −48,042,600
9.6
▲29.7
18,812 −15,283,600
鉱 業
第2次
建 設 業
産 業
−657
2.2 ▲11.8
電気・ガス・水道業
63,893
−2,622,700
90.5
▲23.3
−13,433
−3,102,700
▲9.1
▲26.5
運 輸 ・ 通 信 業
−
−
−
−
−
−
−
−
運輸業(2005 ∼)
−
−
−
−
−32,222
−1,599,700
▲27.1
▲6.6
情報通信業(2005 ∼)
−
−
−
−
−1,825
−717,500
▲2.4
▲2.7
−2,071
8,598,300
▲0.8
14.7
3,004
−7,891,800
1.1
▲10.5
−7,934,100
▲23.5
▲25.8
2,686,000
4.3
5.0
第3次
産 業
全 国
(単位:百万円、%)
増減率(1990→2011)
卸 売 ・ 小 売 業
16,399
−7,972,600
16.0
▲25.9
−36,586
業
128,088
13,676,600
66.5
31.8
13,268
業
123,622
20,038,400
32.5
28.2
22,192
2,560,200
4.6
2.9
政府サービス生産者など
133,494
13,653,400
50.4
33.3
−17,348
−321,400
▲4.2
▲0.6
480,273
64,611,800
33.8
22.7
−62,950 −16,321,000
▲3.2
▲4.5
−1,017,200
21.6
▲30.9
−47,666 −33,279,800
▲1.6
▲6.6
金 融 ・ 保 険 業
不
サ
動
ー
産
ビ
ス
小 計
輸入品に課される税・関税、統計上の不突合
(控除)総資本形成に係る消費税、帰属利子
合 計
86,838
597,701
16,739,300 ▲123.9 ▲115.8
27,842,200
26.4
6.3
2,972
県は製造業の高い伸び率
(+ 32.0%)を映して、9.6%のプラスとなっている。また第3次産
業も、電気・ガス・水道業
(+ 90.5%)
やサービス業
(+ 32.5%)
などでは、それぞれ全国の増
減率を上回っており、第3次産業の伸び率は+ 33.8%と全国の同+ 22.7%を 11.1 ポイント上
回っている。全産業に占める構成比では、第1次産業が 4.9%→ 2.3%、第2次産業が 35.4%
→ 30.7%へとそれぞれ低下する一方で、第3次産業は 62.8%→ 66.4%へと上昇し、全国の同
構成比 74.2%には及ばないまでも、全産業の2/3の割合にまで上昇している。
2005 年
(度)
→ 2011 年
(度)における直近6年間の推移においても、産業構造の変化や経済
のサービス化の進展を見ることができる。全国および徳島県とも、第1次産業は農業や水
産業がマイナスのほか、第2次産業では鉱業、建設業がマイナスとなった。また第3次産
業は電気・ガス・水道業や運輸業、情報通信業、金融・保険業などが全国、徳島県ともマ
イナスの反面、不動産業とサービス業ではともにそれぞれプラスとなっている。サービス
業については、全産業に占める割合が全国、徳島県ともそれぞれ上昇している。この間全
国と徳島県が大きく異なる点は、第2次産業における製造業である。徳島県の製造業が6
年間で+ 8.2%増加し、第2次産業の構成比が 29.5%→ 30.7%と上昇したのに対し、全国の製
造業は増減率▲ 12.7%で、第2次産業の構成比は 25.6%→ 24.2%へと低下した。
63
(産業構造−11)事業所(民営)の業種別推移
産業
大 分 類
152
0.4
22
0.1
41
0.1
215
0.5
85
0.2
4,127
9.9
4,902
11.7
9,114
21.8
72
0.2
889
2.1
農業
第一次産業
林業
漁業
小 計
鉱業、
採石業、砂利採取業
第二次産業
建設業
製造業
小 計
電気・ガス・
熱供給・水道業
情報通信業、
運輸業、
郵便業
149
139
99
0.3
0.3
0.2
25
37
33
0.1
0.1
0.1
54
58
57
0.1
0.1
0.1
228
234
189
0.5
0.5
0.4
94
78
73
0.2
0.2
0.2
4,363 4,712 4,716
9.9
10.1
9.9
5,079 5,519 5,429
11.6
11.8
11.4
9,536 10,309 10,218
21.7
22.0
21.4
50
41
42
0.1
0.1
0.1
867
885
929
2.0
1.9
1.9
105
0.2
27
0.1
46
0.1
178
0.4
49
0.1
4,701
9.9
5,067
10.7
9,817
20.7
36
0.1
957
2.0
139
0.3
46
0.1
64
0.1
249
0.5
57
0.1
4.946
10.7
4,642
10.0
9,645
20.8
37
0.1
998
2.2
115
0.3
34
0.1
58
0.1
207
0.5
55
0.1
4,769
10.7
4,055
9.1
8,879
19.9
34
0.1
988
2.2
情報通信業
運輸業、郵便業
21,500 22,655 23,503 23,631 22,582 21,102 20,348
51.4
51.6
50.2
49.4
47.6
45.5
45.5
卸売業、小売業、
宿泊業、飲食サービス業
卸売業、小売業
宿泊業、飲食サービス業
第
三 次 産 業
462
1.1
719
1.7
8,878
21.2
金融業、保険業
不動産業、物品賃貸業
サービス業
540
604
645
678
708
681
1.2
1.3
1.3
1.4
1.5
1.5
870 1,093 1,229 1,488 1,556 1,563
2.0
2.3
2.6
3.1
3.4
3.5
9,123 10,180 10,926 11,665 12,095 11,996
20.8
21.7
22.9
24.6
26.1
26.8
学術研究、
専門・技術サービス業
生活関連サービス業、
娯楽業
教育、学習支援業
医療、福祉
複合サービス事業
サービス業
(他に分類されないもの)
小 計
合 計
(単位:所、%)
1999年
2004年
2012年
2006年 2009年(確報)
1975年 1978年 1981年 1986年 1991年 1996年(簡易) 2001年 (簡易)
32,520 34,105 36,306 37,402 37,406 36,496 35,610
77.7
77.7
77.5
78.2
78.9
78.7
79.7
41,849 43,869 46,849 47,809 47,401 46,390 44,696
100
100
100
100
100
100
100
(前回調査比)増減率(%)
0.8
4.8
6.8
2.0
△0.9
△2.1
△3.7
119
118
120
259 (農業・林業)
0.3
0.3
0.3
0.6 275/0.7
26
24
18
37(格付不能)
0.1
0.1
0.0
0.1 6/0.0
56
47
43
38
68
0.1
0.1
0.1
0.1
0.2
337
192
185
176
364
0.9
0.4
0.5
0.4
0.9
15
42
33
28
22
0.0
0.1
0.1
0.1
0.1
4,688 4,345 4,128 4,088 3,581
9.6
10.9
10.9
10.5
10.1
3,661 3,195 3,047 2,941 2,915
7.8
8.5
8.0
7.8
7.3
8,391 7,573 7,203 7,051 6,511
19.5
19.0 18.3 17.5 17.4
31
24
35
30
30
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
(1,138)
(1,203)
1,051 (961)(968)
2.4 (2.4) (2.5) (3.0) (3.0)
264
234
280
228
0.7
0.6
0.7
0.6
874
734
923
733
2.3
1.9
2.3
1.8
19,309 (17,522)(16,972)(16,549)(14,785)
44.8 (44.0)(43.2)(41.1)(39.5)
12,531 12,061 11,549 10,187
27.2
30.7
28.7
31.5
4,991 4,911 5,000 4,598
12.3
12.5
12.4
12.5
704
629
690
646
697
1.9
1.6
1.7
1.6
1.6
1,614 1,765 1,720 2,391 2,280
6.1
4.4
5.9
4.4
3.7
11,836(11,143)
(11,563)(12,006)(11,650)
27.4 (28.0)(29.5)(29.8)(31.1)
1,335 1,240
3.3
3.3
3,884 3,697
9.9
9.6
1,028 1,090 1,078 1,050
2.8
2.7
2.6
2.8
1,987 2,179 2,487 2,573
6.9
6.2
5.6
5.0
323
388
331
500
0.9
1.0
0.8
1.3
7,797 7,794 2,834 2,767
7.4
7.0
19.6
19.9
34,537 32,067 31,876 32,874 30,588
80.1
80.5 81.2 81.6 81.7
43,120 39,825 39,255 40,289 37,436
100
100
100
100
100
△3.5
△7.6
△1.4
2.6
△7.1
注:公務、事業内容等不詳を除く。
注:2001年以前と2004年∼2006年、また2009年以降では、それぞれ基準となる産業分類が異なるため単純な比較はできない。
( )の数値は比較のための参考値。下段は構成比
(%)
を示している。
注:2009年以降の「経済センサス」では、従来の事業所・企業統計調査と比べ事業所・企業の捕捉範囲を拡大しており、両者の数値は単純に比較できない。
資料:総務省「事業所・企業統計調査報告」、「2009年経済センサス-基礎調査」
、「2012年経済センサス-活動調査(確報)」
64
■事業所数から見た産業構造
徳島県の産業構造を事業所数
(民営)から見ると
(産業構造− 11)
、直近の 2012 年は第1次
産業の事業所構成比が 0.9%、第2次産業が 17.4%、第3次産業が 81.7%であり、第3次産業
の事業所比率は上昇の一途をたどっている。なお全国の構成比は、第1次産業が 0.6%、第
2次産業が 18.7%、第3次産業が 80.7%となっており、徳島県と比較して第2次産業の事業
所構成比が 1.3 ポイント高い。
次に、1975 年以降の事業所数の推移を見てみると、1986 年までは増加傾向で推移したも
のの、同年の 47,809 事業所をピークに反転し、以後趨勢的に減少傾向が続いている
(2009 年
の経済センサス−基礎調査では、従来の事業所・企業統計調査と比べ、商業・法人登記等
の行政記録を活用して事業所・企業の捕捉範囲を拡大しており、両者の数値は単純に比較
できない)
。ピークの 1986 年と比較が可能な 2006 年とを比べると、この 20 年間で 8,554 事業
所、率にして 17.9%も減少している。また 2009 年と 2012 年の直近 3 年間の比較では、県内
事業所は 7.1%減少しており、医療、福祉
(+ 3.5%)、金融業、保険業
(+ 2.0%)の2業種を除
きすべてマイナスとなった。特に建設業(▲ 12.4%)や卸売業、小売業
(▲ 11.8%)
などでは大
幅な減少となっている。なお
(産業構造− 12)では、公務を含む全産業の事業所数の推移を
示したが、1986 年の 50,299 事業所をピークに、以後減少傾向が続いている。
(産業構造−12)徳島県の事業所数(全産業)の推移
(所)
60,000
7.9
3.2
50,000
40,000
42,165
(%)
10.0
前回調査比増減率(右目盛り)
43,866 44,178
46,196
49,332 50,299 49,793 48,787
6.8
41,295 42,113-
4.6
4.0
2.0
2.0
0.7
30,000
6.0
4.0
2.0
0.0
△1.0
△2.0
20,000
△2.0
△4.0
△6.0
10,000
0
8.0
45,498
△6.7
1969
1972
75
78
81
86
91
96
2001
△9.2
06
△8.0
△10.0
09
(年)
注:公務を含む全産業(事業内容等不詳を除く)
注:2009年経済センサス基礎調査は、従来の事業所・企業統計調査と比べ事業所・
企業の捕捉範囲を拡大しており、両者の数値は単純に比較できない。
資料:総務省「事業所・企業統計 調査報告」、「2009年経済センサス−基礎調査」
■移輸出・移輸入から見た産業構造
移輸出・移輸入とは県域を越えた生産物取引を表しており、県内で生産された財・サービ
スを県外へ移出あるいは国外へ輸出することを移輸出、反対に、生産物を県外から移入あ
るいは国外から輸入することを移輸入という。
徳島県の 2005 年における移輸出額は 1 兆 9,687 億円であり、そのトップの産業は化学製品
で 21.6%(4,258 億円)を占め、以下、パルプ・紙・木製品が 11.1%(2,185 億円)
、飲食料品
が 10.4%(2,057 億円)
、電気機械 8.0%(1,574 億円)
、電子部品 7.4%(1,462 億円)
と続く。移
65
(産業構造−13)移輸出と移輸入の上位10部門(2005年−34部門分類)
(2)移輸入
(1)移輸出
農林水産業
4.2%
その他
15.8%
商業
4.9%
化学製品
21.6%
移輸出額
1兆9,687億円
運輸
5.0%
商業
13.4%
一般機械
5.5%
その他
33.2%
飲食料品
8.5%
移輸入額
2兆2,747億円
パルプ・紙・木製品
11.1%
対事業所サービス
8.1%
化学製品
7.4%
飲食料品
10.4%
電子部品
電気機械
7.4%
8.0%
その他の製造工業製品
4.8%
電力・ガス・熱供給業
6.0%
情報通信
5.5%
運輸
4.9%
輸送機械
4.0%
石油・石炭製品
5.2%
一般機械
5.0%
資料:徳島県「2005年徳島県産業連関表」
(産業構造−14)産業別の県際収支額(2005年−34部門分類)
(億円)
3,000
2,566
計3,060億円の移輸入超過
2,000
1,328 1,247
1,000
1,166
854
334
0
126
28 9
0
0
▲1,000
▲14 ▲23 ▲36 ▲37▲39▲47▲57 ▲91
▲125 ▲192▲205
▲262 ▲371▲374
▲397▲421▲466
▲675
▲803
▲1,032
▲1,189
▲1,779
▲2,081
▲2,000
▲3,000
商業
対事業所サービス
石油・石炭製品
情報通信
鉱業
輸送機械
情報・通信機器
その他の製造工業製品
対個人サービス
非鉄金属
鉄鋼
教育・研究
窯業・土石製品
運輸
精密機械
金属製品
水道・廃棄物処理
66
一般機械
繊維製品
分類不明
不動産
建設
金融・保険
公務
事務用品
その他の公共サービス
医療・保健・社会保障・介護
農林水産業
飲食料品
電力・ガス・熱供給業
電気機械
パルプ・紙・木製品
電子製品
化学製品
注:県際収支=移輸出額−移輸入額で算出。
資料:徳島県「2005年徳島県産業連関表」
輸出の中で、製造業全体の移輸出額は 1 兆 4,567 億円と、移輸出全体の 74.0%を占めている。
また、製造業は移輸出率が 86.8%となっており、生産した製品のそのほとんどが県外に移
輸出されている。一方の移輸入額は 2 兆 2,747 億円であり、うち商業が 13.4%(3,046 億円)、
飲食料品 8.5%(1,931 億円)
、対事業所サービス 8.1%(1,848 億円)
、化学製品 7.4%(1,691 億
円)、情報通信 5.5%(1,248 億円)
と続いている
(産業構造− 13)。
移輸出から移輸入を差し引いた県際収支(産業構造− 14)を見ると、徳島県は県内の生産
物を県外に販売する移輸出に比べ、県外の生産物を購入する移輸入の方が多く、3,060 億円
の移輸入超過となっている。県際収支を産業別に見ると、化学製品の 2,566 億円を筆頭に、
パルプ・紙・木製品、電子部品などの9部門が移輸出超過であるのに対し、移輸入超過は
商業の 2,081 億円以下、対事業所サービス、石油・石炭製品、情報通信、輸送機械など 23 部
門となっている。
■開業率と廃業率
新しい技術や豊かな創造力をもつ新規開業企業の登場は、新しい産業や事業を生み出す
と同時に、既存企業との競争を促し、経済社会全体の新陳代謝を進める効果があり、産業
構造の変化に大きく影響する。一方廃業も、寿命を終えた企業の市場からの退出は、産業
の再活性化につながるため、必ずしも悪いことではなく、むしろ廃業に伴う経済的損失を
上回る効果が、新しく開業する企業によってもたらされるかどうかが重要である。
開業率の推移を見ると
(産業構造− 15)、全国の開業率は 2006 ∼ 09 年では年平均 2.6%、
09 ∼ 12 年は同 1.8%と、2004 ∼ 06 年の同 6.4%と比べると急落している。これは 2009 年以
降の経済センサスにおける新設事業所の定義が、従来の事業所・企業統計調査と異なるこ
とから、開業率が過小に算出され得ることが要因とみられる
(従来の事業所・企業統計調査
では、調査区内で新たに捕捉した事業所を新設事業所と定義したのに対し、経済センサス
では事業所の開設時期によって新設と定義している。このため事業所が他の調査区から移
転してきた場合、前者では新設事業所となるが、後者では開設時期によって新設又は存続
事業所に分けられ、新設事業所が従来よりも少なくなる可能性がある)
。同様に、徳島県の
開業率も 2006 ∼ 09 年では同 2.4%、09 ∼ 12 年は同 1.7%と急落しているが、過去からの推移
を見ると、徳島県は全国の開業率を常に下回っており、今後の産業活性化のために新規開
業の促進が必要である。次に廃業率は、全国は 2009 ∼ 12 年の間は年平均 6.0%と高止まっ
ており、廃業率が開業率を上回る逆転現象が 1989 ∼ 91 年以降継続している。一方、徳島県
の廃業率は近年上昇傾向にあり、2006 ∼ 09 年には同 5.9%にまで上昇した。
徳島県の開廃業率は業種によって高低のばらつきはあるものの、全国との比較では開廃
業率とも全国平均を下回っており、いわゆる少産少死の特徴と言える(産業構造− 16、17)。
(元木秀章)
67
(産業構造−15)全国および徳島県の開廃業率の推移(民営事業所、
非1次産業、
年平均)
(%)
8.0
全 国
7.0
7.2
5.9
6.0
5.0
4.0
3.0
4.7
4.0
3.6
3.8
4.6
4.1
6.4
6.0
2.6
2.0
1.8
1.0
0
(%)
8.0
1981∼86
86∼89
89∼91
91∼94
94∼96
96∼99
99∼2001
01∼04
04∼06
5.5
5.5
6.0
4.0
3.0
06∼09
4.5
3.9
3.9
3.5
3.5
4.4
4.5
09∼12 (年)
3.1
2.9
3.6
2.7
5.9
5.4
3.3
2.4
1.7
1.0
1981∼86
86∼89
89∼91
91∼94
94∼96
96∼99
廃業率
5.0
3.8
3.4
3.1
2.0
0
開業率
徳島県
7.0
5.0
廃業率
4.2
4.1
3.7
6.5
6.4
4.7
4.7
4.2
6.4
6.7
99∼2001
01∼04
04∼06
06∼09
開業率
09∼12 (年)
注:新設事業所の定義が異なるため、2009年経済センサス−基礎調査に基づく2006年∼2009年以降の開業率は、過去の数値と単純に
比較できない。また開業事業所と廃業事業所との定義の違いにより、開業率と廃業率とを単純に比較できない。
資料:中小企業庁「中小企業白書」、総務省「事業所・企業統計調査」、「経済センサス−基礎調査・活動調査」
、徳島県「徳島県の商業2008」
(産業構造−16)2009年∼2012年 産業分類別の開・廃業率 (産業構造−17)2009年∼2012年都道府県別の開・廃業率
(民営事業所、年平均) (民営事業所、非 1 次産業、年平均)
開業率
(%)
産 業 分 類
廃業率(%)
(%)
(%)
全国
徳島県
全国
徳島県
順位
都道府県名
開業率
順位
都道府県名
廃業率
全 産 業(公 務 を 除 く)
1.8
1.7
6.0
5.4
1
沖 縄 県
2.61
1
宮 城 県
8.42
非 農 林 漁 業(公 務 を 除 く)
1.8
1.7
6.0
5.4
2
福 岡 県
2.18
2
東 京 都
7.01
鉱 業,採 石 業,砂 利 採 取 業
0.6
─
6.5
4.6
3
神奈川県
2.14
3
岩 手 県
6.98
建
設
業
0.8
0.5
5.5
5.7
製
造
業
0.7
0.7
5.4
4.5
22
徳 島 県
1.66
27
香 川 県
5.49
電気・ガス・熱供給・水道業
1.7
─
4.3
5.4
28
香 川 県
1.60
28
高 知 県
5.49
情
2.0
2.2
9.2
5.3
29
高 知 県
1.60
31
徳 島 県
5.43
37
愛 媛 県
1.47
36
愛 媛 県
5.35
45
富 山 県
1.32
45
富 山 県
5.11
46
福 井 県
1.29
46
新 潟 県
4.98
山 形 県
1.28
47
山 形 県
4.98
報
通
信
業
運
輸
業,郵
便
業
1.2
0.9
5.8
3.8
卸
売
業,小
売
業
1.9
1.6
6.3
5.8
金
融
業,保
険
業
2.3
1.4
6.7
4.8
不 動 産 業,物 品 賃 貸 業
0.8
1.0
5.1
4.8
学術研究,専門・技術サービス業
1.7
1.2
6.7
5.5
宿 泊 業,飲 食 サ ー ビ ス 業
3.2
3.6
7.9
7.8
生活関連サービス業,娯楽業
1.8
1.5
5.3
4.5
教 育,学 習 支 援 業
2.3
2.2
6.3
6.0
医
祉
3.3
2.7
4.0
3.9
複 合 サ ー ビ ス 事 業
0.4
0.5
2.2
1.1
サービス業(他に分類されないもの)
1.5
1.3
5.4
4.8
療
,
福
注:開廃業率については、中小企業庁「中小企業白書2013年版」の
開廃業率の定義に基づき算出した。
資料:総務省「2012年経済センサス−活動調査」
68
47
全国平均
1.82
全国平均
6.02
注:開廃業率については、中小企業庁「中小企業白書2013年版」の
開廃業率の定義に基づき算出した。
資料:総務省「2012年経済センサス−活動調査」
農業
■農業の特徴
徳島県は一級水系・吉野川や那賀川流域を中心に、温暖な気候など恵まれた自然環境や
京阪神に近いという地理的条件を活かし、野菜、果実、米、畜産など多種多様な農業生産
が行われている。徳島県の経済は、県内総生産の割合から「0.5%経済」と言われているが、
農業に関しては、農業就業人口(販売農家)並びに農業産出額の全国に占める割合は1%
を超えており(農−1)、2011年県内総生産に占める農業の割合も1.9%と全国1.0%の1.9
倍であり、農業の重要度は高い。
農林水産省の「世界農林業センサス」によると、2010年の徳島県の1経営体当たり経営
耕地面積は93aで、全国平均の219aに比べ小規模ではあるが、露地野菜や施設園芸などを
中心に農地を有効活用した生産性の高い農業経営が営まれている。全国平均と比べて野菜
と果樹のウエイトが高く、単一経営経営体の部門別割合でみると、野菜(露地+施設)は、
13.1%で全国より4.6ポイント高く、果樹も11.3%で全国より2.3ポイント高い。
また、徳島県は京阪神地域など大都市消費圏に対する生鮮食料の重要な供給地となって
おり、なかでも野菜は48%が京阪神市場に出荷されており、京阪神主要7市場における販
売額のシェアは9.4%を占める(農−7、8)。
■農業構造
「世界農林業センサス」によると、徳島県の2010年の総農家数は35,797戸であった。
そのうち販売農家は21,529戸(60%)であり、残り14,268戸(40%)を自給的農家が占
めている。販売農家の減少は顕著で、10年前に比べて25%減少している。また、農業就業
人口(販売農家)は38,311人で、10年前に比べて24%減少するとともに、65歳以上の高
齢者が60.9%を占めており、高齢化が一段と進んでいる(農−2)。
徳島県では、新規就農を目指す人たちを支援するため、「農山漁村ふるさと回帰プロジ
ェクト」を進めており、技術の習得や農地、住宅などの相談に総合的に対応する「徳島県
新規就農相談センター」、農業の基礎知識を学ぶことができる「アグリビジネススクール
(農業大学校)」、農業法人で働きながら農業技術の研修ができる「農の雇用事業」など、
支援体制が整備されている。「アグリビジネススクール」の就農準備関連講座には2013年
度119人が受講しているほか、同年度からは経営面に重点を置いた講義を行う経営コース
(農業法人経営講座、6次産業化講座)も開始している。就農後は県の「農林水産総合技
術支援センター」や「地域農業支援センター」、各市町村の「農業委員会」、「農業協同
組合」などが技術指導や融資相談、農地の斡旋などの支援を行っている。その結果、2012
69
年の新規就農者は121人と前年に比べ26人増加しており、内訳は新規学卒者が12人、U
ターン者が62人、新規参入者が47人となっている。さらに、認定農業者や農業法人など
経営感覚に優れた経営体の育成も積極的に進められており、 2013年3月末の認定農業者
は2,191人、農業法人は146経営体となっている。また、農地法の改正などを背景に企業
の農業参入が増加しており、2014年1月末現在、徳島県では建設業などから23法人が、
全国では1,828法人(改正農地法による参入1,392法人、改正農地法施行前436法人)が
農業参入している。
2011年の徳島県の耕地面積は30,900haで、前年に比べ200ha減少している(農業−3)。
一方、耕作放棄地は担い手の減少や高齢化などにより、中山間地域を中心に年々増加して
おり、 2010年の「世界農林業センサス」によると4,464haに達している。
(注)認定農業者
「農業経営基盤強化促進法」に基づき、効率的で安定した魅力ある農業経営を目指す農業
経営改善計画(5年間の経営目標)を作成し、市町村長の認定を受けた農業者又は農業
法人。
(注)農業法人
農業を営む法人の総称。大別すると、農地を必要とする「農業生産法人」、養豚や養鶏
のように農地を必要としない施設型の「一般農業法人」があり、それぞれに「会社法人」
と「農事組合法人」がある。農業経営の法人化のメリットとして、税や金融面での優遇
措置や取引信用力の向上、雇用保険等の適用による農業従事者の福利の増進などが挙げ
られる。 農業法人という言葉が使われ出したのは、1957年に徳島県勝浦町のみかん農家
が有限会社を設立したのが発端であり、1962年に「農業生産法人制度」が発足した。
■農業生産
徳島県の2011年農作物の作付延べ面積は28,300haであり、稲が46.6%、野菜が25.7%を
占めている(農業−3)。農業産出額は1,004億円で、米が13.5%、野菜が35.1%、畜
産が26.4%であり、特に野菜、いも類、果実、花きを合わせると58.1%となり、全国平均
を17ポイント上回ることから、近郊農業の特色である園芸作物のウエイトが高いことかわ
かる(農−4)。畜産は「阿波牛」「阿波ポーク」「阿波尾鶏」を中心に生産振興を進め
ており、特に「阿波尾鶏」の出荷羽数( 2012年度)は203万羽と、地鶏の出荷羽数では
日本一を誇っている。また、2012年の農産物の出荷量をみると、春夏にんじん、阿波尾鶏
(地鶏)、カリフラワー、生しいたけ、すだちが全国第1位、乾ぜんまい、洋ラン(切り
花)、れんこん、ゆずが第2位、にんじんが第3位、夏秋ししとう、ししとうが第4位、
ふき、夏秋なす、たけのこ、かんしょが第5位など、全国に誇る農産物が数多く生産され
ている(農業−5)。
70
2011年の野菜類・市場向け販売額は453億円で、京阪神市場が48%を占め、続いて京浜
市場が16%、県内市場が15%となっている。また、果実は70億円で、京阪神市場が36%、
県内市場が32%、京浜市場が14%を占めている(農業−7、8)。また 全国各地で賑わ
いを見せる農産物直売所については、徳島県内でも2013年12月末現在で104施設が開設
されており、売上額が10億円を超える大規模直売所も出現している。
■ひろがる「とくしまブランド」戦略
徳島県では、農林水産業の振興を図るため、2004年度から全国に先駆けて農林水産物の
ブランド化に取り組んでいる。その結果、市場における単価の向上、市場占有率、消費者
の認知度向上など、一定の基準を満たした県産農林水産物30品目をブランド品目として育
成している。さらに2011年度からは、もうかる農林水産業の実現を目指し、生鮮市場から
広く食品分野全般をターゲットに、生産地と消費地の間で情報・モノ・カネが活発に循環
する取り組みを進める「ひろがる『とくしまブランド』戦略」を展開している。
【ブランド品目】
品 目
品目数
品 目 名
野 菜
13品目
なると金時、にんじん、生しいたけ、カリフラワー、れんこん
なす、いちご、ほうれんそう、なのはな、レタス、ねぎ
ブロッコリー、鳴門らっきょ
果 実
4品目
すだち、ゆず、みかん、なし
花 き
2品目
シンビジウム、ゆり
畜産物
3品目
阿波尾鶏、阿波牛(牛肉)、阿波ポーク(豚肉)
水産物
8品目
鳴門わかめ、アワビ類、はも、養殖あゆ、ちりめん
養殖スジアオノリ、鳴門鯛、アオリイカ
【ひろがる「とくしまブランド」戦略の主な取り組み】
①とくしま特選ブランドの育成など「消費感度の高い産地づくり」
②加工・業務用需要に対応した産地づくりや農商工連携、6次産業化など
「新農業ビジネスの創出」
③海外輸出の拡大やとくしま安²農産物(安²GAP)の推進など
「ブランド力の加速的向上」
④クチコミ応援隊の育成など「ブランド応援隊による情報戦略」
⑤とくしまブランドを支える「生産基盤の強化」
⑥ブランド力の強化に向けた「研究開発・新技術の普及」
⑦ブランド産地を支える「担い手の育成・確保」
71
■「とくしまブランド」の輸出
徳島県では生産者や流通業者、県などが連携し、積極的に「とくしまブランド」の輸出
拡大に取り組んでいる。2013年1月には、徳島県産品の更なる輸出促進を図るため、輸出
国・地域、輸出品目の重点化や輸出品目、輸出量の拡大などを盛り込んだ「とくしま農林
水産物等海外輸出戦略」が策定されており、台湾やシンガポール、タイ、香港、マレーシ
ア等に向け、なると金時、コシヒカリ、阿波尾鶏などが輸出され、輸出先、輸出品目は年々
拡大している(農業−6)。
■植物工場
徳島県では優れた農業技術が培われており、光源のLEDや省エネルギーに欠かせない
リチウムイオン電池、養液栽培の液肥を生産する企業が集積していることから、地域特性
を活かした徳島独自の「植物工場」の開発と普及が期待されている。そのなか、2009年に
は先進的な農業者やエネルギー関連企業、大学、農業団体、徳島県で構成する「とくしま
植物工場推進検討会」を設置するなど、産学官が連携して積極的に「植物工場」の導入、
普及を進めており、2013年12月末現在、県内では3か所の植物工場で「リーフレタス」や
「いちご」などが生産されている。
■農商工連携・6次産業化
徳島県では高品質で多種多様な農林水産物が生産されるとともに、優れた技術を有する
中小企業が数多く存在している。こうした強みを活かし、農業・商業・工業の連携による
新商品や新サービスの開発を積極的に支援するため、「農商工連携ファンド」25億円を創
設し、地域経済の活性化に取り組んでいる。公益財団法人とくしま産業振興機構が窓口と
なり、このファンドにより2008年度8事業、2009年度2事業、2010年度7事業、2011年度
9事業、2012年度13事業、2013年度10事業に対し支援を行っている。
また、農林水産業の成長戦略として、加工や流通分野を取り込むことによって、所得の
増大を図る6次産業化に対して大きな期待が寄せられている。2010年12月には「6次産業
化法」が施行され、多くの事業者が「総合化事業計画」の認定を取得している。また地域
ファンドの設立も続いており、6次産業化への関心が高まっている。
■「とくしまマルシェ」
徳島県産のこだわりの農産物や加工食品を販売する「とくしまマルシェ」が2010年12月
にスタートし、毎月最終日曜日に開催されている。徳島県産農林水産物などの魅力を発信
する場として、また、新しい農業ビジネス創出の場として大きな期待が寄せられている。
(岩野倫子)
72
(農業−1)農業の概況
徳島県
全国に占める割合
年 次
21,529戸
1.3%
2010年
農 業 就 業 人 口(販 売 農 家)
38,311人
1.5%
2010年
耕
30,800ha
0.7%
2012年
1.2%
2011年
販
売
農
家
地
農
数
面
業
産
積
出
1,004億円
額
資料:農林水産省「世界農林業センサス」
「作物統計」
「生産農業所得統計」
(農業−2)販売農家
(1)内訳
1990年
7,440
1995年
6,756
2000年
6,517
2005年
6,667
3,436
2010年
7,023
2,726
0
6,314
22,446
6,098
19,683
4,378
5,000
36,200
32,537
17,906
28,801
14,259
(2)就業人口
}
24,362
11,780
10,000
21,529
15,000
20,000
25,000
30,000
65歳未満
1990年
21,942
30,430
24,707
23,343
2000年
0
43,772
23,321
10,000
20,000
64,176
50,669
25,882
14,990
2010年
38,311
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000(人)
資料:農林水産省「世界農林業センサス」
(農業−3)耕地面積と耕地利用率
(万 ha)
(%)
∼
∼
110.1
27.1%
41.5%
0
1995
∼
∼
稲
1
野菜
2
31.4%
∼
∼
3
3.7
その他
作付延べ面積・耕地面積
4
99.4
耕地利用率
99.1
98.2
96.6
96.3
95.3
94.3
93.6
92.3
91.6
3.2
3.2
3.2
3.14
3.13
3.11
3.09
28.2
28.1
27.6
27.6
27.9
27.4
27.7
25.6
25.7
耕地面積
3.4
3.3
3.3
29.5
29.3
28.9
120
110
100
90
80
27.8
27.7
27.2
26.8
26.3
26.0
25.4
25.3
42.7
43.0
43.9
45.0
45.6
46.4
47.0
46.8
47.0
46.6
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011(年)
資料:農林水産省「作物統計」
73
耕地利用率
5
40,000(戸)
55,137
27,326
17,890
2005年
35,000
65歳以上
42,234
1995年
専 業
第1種
兼業
第2種
(農業−4)農業産出額及び部門別構成比の推移
(億円)
2000
1500
農業産出額
1,189
農業産出額
1,201
1,082
1,094
1,052
1,025
1,052
2002
2003
2005
2006
2007
2008
1000
1,001
1,002
1,004
2009
2010
2011(年)
500
0
2004
農業産出額の部門別構成比の推移
(年) いも類 6.6%
2002 米 13.2%
花き4.6%
果実 9.9%
野菜 37.0%
その他 2.6%
畜産 26.1%
2003
15.6
2004
13.8
7.0
35.5
9.6
4.2
27.5
2.4
2005
13.8
6.6
35.8
9.3
4.5
27.3
2.7
2006
13.1
7.5
9.5
3.9
27.7
2.6
2007
13.2
8.5
27.0
2.2
6.6
38.3
4.3
9.0
35.7
35.8
9.4
2.1
24.1
3.9
2008
13.7
8.2
35.8
9.6
3.7
26.5
2.5
2009
13.4
7.8
36.1
9.4
3.8
27.1
2.4
2010
12.1
36.5
11.1
3.8
27.1
2.2
26.4
2.0
7.2
13.5
2011
7.6
0
35.1
20
11.5
40
3.9
60
100(%)
80
資料:農林水産省「生産農業所得統計」
(農業−5)出荷量全国順位 10位以内の主な品目と全国シェア(2012年)
全国シェア
(%)
品 目
順位
30.7
ふ
阿 波 尾 鶏(地 鶏) 24.3
夏
春 夏 に ん じ ん
第1位
カ リ フ ラ ワ ー
13.2
第5位
生 し い た け(※) 12.3
全国シェア
(%)
品 目
順位
秋
な
き
4.8
冬
す
4.6
第9位 な
3.2
さ や え ん ど う
2.7
秋 冬 だ い こ ん
3.2
2.6
4.7
洋 ラ ン(鉢 物)
3.5
第8位 ま つ た け(※)
1.9
第10位 だ
ん
2.2
温 州 み か ん
2.0
れ
ん
こ
ん
11.5
第3位 に
ん
じ
ん
8.2
夏 秋 し し と う
5.6
注:すだちは実質全国順位第1位、ゆずは第2位であるが、
し
4.6
統計が廃止されたため除外している。
う
3.2
す
3.1
ブ ロ ッ コ リ ー
と
ス
3.4
第6位 ブ ロ イ ラ ー
し
タ
か ん し ょ(※)
乾 ぜ ん ま い(※) 24.1
第4位
レ
た け の こ(※)
第2位 洋 ラ ン(切 り 花) 16.0
第7位
全国シェア
(%)
品 目
順位
資料:中国四国農政局徳島地域センター・徳島県農林水産部
74
い
こ
(※)生しいたけ、乾ぜんまい、たけのこ、
まつたけは生産量。かんしょは収穫量。
(農業−6)県産農林水産物の主な輸出実績
輸出先
品 目
2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
10,000
17,110
19,760
12,400
10,500
16,090
8,145
6,955
ん
1,200
2,400
1,800
200
150
200
80
310
春 に ん じ ん
−
2,890
2,300
3,150
2,700
90
560
220
カ リ フ ラ ワ ー
−
−
−
−
−
−
978
−
な
な
45
135
75
15
15
34
−
−
な る と 金 時
だ
台 湾
い
こ
の
は
み
か
ん
−
1,400
1,600
−
−
−
−
100
す
だ
−
ち
−
54
32
10
10
48
76
鳴 門 わ か め
−
20
80
13
31
36
20
7
コ シ ヒ カ リ
−
−
−
2,000
2,000
800
600
600
キ
ツ
−
−
−
−
−
−
−
100
菜
−
−
−
−
−
−
−
300
な る と 金 時
−
−
400
300
530
−
228
315
だ
ん
−
−
1,200
−
−
−
1,150
1,000
春 に ん じ ん
−
−
200
300
−
−
5
39
ゆ
ず
−
−
8
3
−
−
6
−
ち
−
−
−
2
10
−
59
−
ハ ウ ス み か ん
−
−
−
180
−
174
−
11
な
し
ャ
ベ
白
い
す
シンガポール
香 港
だ
−
−
−
−
550
−
−
−
松
菜
−
−
−
18
12
−
−
−
小
ネ
ギ
−
−
−
9
15
−
−
−
め
−
−
−
−
32
8
−
−
ミ ニ ト マ ト
−
−
−
−
12
27
−
−
オ
ラ
−
−
−
−
−
16
−
−
生 し い た け
−
−
−
15
12
17
6
−
コ シ ヒ カ リ
−
−
−
9,000
19,400
23,300
38,020
38,750
な る と 金 時
−
−
−
250
200
150
250
−
す だ ち 果 汁
−
−
−
少量
−
−
−
−
な る と 金 時
−
−
−
−
40,910
51,605
19,570
31,813
ハ ウ ス み か ん
−
−
−
−
−
1,570
−
663
貯 蔵 み か ん
−
−
−
−
−
1,120
1,270
690
い
ち
ご
−
−
−
−
−
872
197
447
愛
宕
柿
−
−
−
−
−
784
234
645
キ
ウ
イ
−
−
−
−
−
−
260
606
な
し
−
−
−
−
−
−
700
526
牛
肉
−
−
−
−
−
−
5,724
8,450
鶏
−
−
−
−
−
2,200
1,236
2,960
−
−
−
−
−
−
250
835
−
−
−
−
−
−
24
84
阿
マレーシア
こ
小
え
タ イ
(単位:kg)
数 量
だ
ま
ク
波
尾
な る と 金 時
な
し
注:東京都中央卸売市場(大田市場)、大阪市中央卸売市場本場、県内、愛媛県等の輸出業者への聞き取り調査などによる。
コシヒカリ
(精米)
はJA全農とくしま取り扱い分
資料:徳島県農林水産部
75
(農業−7)青果物販売市場構成(2011年)
(1)野菜類
(2)果実類
その他県外市場
(4%)
県内市場
(15%)
四国県外市場
(4%)
県内市場
(32%)
販売金額
453億3,108万円
(100.0%)
北陸市場(2%)
中国市場
(3%)
(85%)
中京市場
(8%)
(48%)
販売金額
70億3,303万円
(100.0%)
(36%)
(68%)
四国県外市場
(6%)
九州市場
(1%)
京浜市場
(16%)
北陸市場(1%)
中国市場
中京市場 (7%)
(3%)
資料:徳島県「とくしまの農林水産業」
京浜市場
(14%)
(農業−8)主な卸売市場における青果物の出荷数量・金額と県産シェア(2011年)
(1)野菜類
区 分
総 量
うち徳島県産
本県産比率
数 量(t) 金額
(百万円) 数 量(t) 金額(百万円) 数 量
(%)
金 額
(%)
徳 島 市 中 央 市 場
58,920
12,921
31,463
7,628
53.4
59.0
京 阪 神 主 要 7 市 場
971,155
207,547
57,540
19,567
5.9
9.4
大 阪 市 中 央 市 場 本 場
317,964
71,652
19,830
6,865
6.2
9.6
大 阪 市 中 央 東 部 市 場
135,614
25,331
6,662
2,060
4.9
8.1
大 阪 府 中 央 市 場
159,639
32,683
8,461
3,160
5.3
9.7
神 戸 市 中 央 市 場 本 場
91,118
18,626
7,164
2,755
7.9
14.8
神 戸 市 中 央 東 部 市 場
21,496
5,290
2,717
1,071
12.6
20.2
尼 崎 市 中 央 市 場
22,964
4,511
2,076
602
9.0
13.3
京 都 市 中 央 市 場
222,360
49,454
10,630
3,054
4.8
6.2
東 京 都 中 央 市 場
1,529,997
339,346
18,793
4,680
1.2
1.4
名 古 屋 市 中 央 市 場
398,148
83,165
9,824
2,357
2.5
2.8
資料:徳島県「とくしまの農林水産業」
(2)果実類
区 分
総 量
うち徳島県産
本県産比率
数 量(t) 金額
(百万円) 数 量(t) 金額(百万円) 数 量
(%)
金 額
(%)
徳 島 市 中 央 市 場
20,053
5,854
7,947
2,476
40
42
大 阪 市 中 央 市 場 本 場
152,527
50,665
2,860
1,693
2
3
大 阪市 中 央市場(東部市場)
60,111
14,901
507
278
1
2
大 阪 府 中 央 市 場
71,914
19,532
923
385
1
2
神 戸 市 中 央 市 場 本 場
35,469
9,851
572
142
2
1
神 戸市 中 央市場(東部市場)
10,880
3,635
107
36
1
1
東 京 都 中 央 市 場
467,259
155,290
420
138
資料:徳島県「とくしまの農林水産業」
76
林業
徳島県は温暖で降水量も多いことから、樹木の生育環境に恵まれ、県土面積の 75%が森
林に覆われている。森林面積のほとんどが民有林
(94%)で、その 62%を人工林が占めてお
り、うち 73%はスギである(徳島県林業戦略課調べ)。また、民有林の 86%が私有林であ
り、全国平均(83%)をやや上回っている。1ha 以上の山林を保有している林家は 15 千戸
余りであるが、うち 53%が3ha 未満の保有で小規模零細となっている(2010 年世界農林業
センサス)。また、就業者について、2010 年国勢調査によると、約3分の1が 60 歳以上と
高齢者の比率は依然高いが、長らく減少が続いてきた総数は前回調査と比べ増加している。
素材生産量をみると、2012 年も前年より増加し、273 千㎥となった。内訳は 93%が針葉樹
で、そのうち 90%をスギが占めている。県内で生産された素材丸太は、主として柱、板な
どの建築用材として製材されている。
徳島県では、
「林業再生プロジェクト(2005 ∼ 2006 年度)」および「林業飛躍プロジェ
クト(2007 ∼ 2010 年度)」に取り組んできた。これにより、生産面では高性能林業機械の
導入などにより生産量・生産性がともに大幅に向上したとともに、加工面では多様な木材
産業が立地する本県の特性を活かし、良質材、低質材、小径・端材を無駄なく利用する態
勢が進められた。
2011 年度以降は、10 年後の県産材の生産・消費量の倍増を目標に掲げ、「次世代林業プ
ロジェクト」が進められている。このプロジェクトにより、川上の林業生産分野では、こ
れまでの間伐材に加え主伐材の生産も振興するとともに、川中の木材加工分野では、人工
乾燥機の導入など製材品の品質向上や、これまで連携のなかった家具・住宅設備分野との
連携を推進している。さらに、川下の木材加工分野では、「県産材倍増10UP運動」によ
り、公共部門での率先利用に加え、民間部門においても積極的な利用を呼びかけている。
上記プロジェクトの推進に追い風となる動きとして、住宅建材販売大手のナイス(本社:
横浜市)が、小松島港明石埠頭港湾関連用地(県有地)での大型製材工場の建設を決定し
ている。2014 年度中の稼動を予定しており、県産材加工の一大拠点として、県内林業の生
産拡大に資することが大いに期待されている。
県では、事業活動等により排出される温室効果ガスの削減に対し、森林整備等により埋
め合わせする「カーボンオフセット」を用いた「とくしま協働の森づくり事業」を 2009 年
6月よりスタートさせた。企業・団体および個人・グループからの寄附金により植栽、間伐
等の整備を行われるが、参加した企業・団体は、CO ₂ 吸収量証明書の交付、WEBによる
PRなどのメリットが受けられる。環境保全への意識が高まるなか、企業・団体・個人等に
よる当事業への参画は着実に増加している。 (蔭西義輝)
77
(林業−1)林業就業者
(林業−2)森林管理形態の割合
(人)
3,500
60歳以上
50∼59歳
40∼49歳
30∼39歳
20∼29歳
15∼19歳
3,229
3,000
2,527
2,500
2,000
林野庁所管
18,399
(5.9%)
森林総合研究所
14,486
(4.6%)
他省庁
210
(0.1%)
1,675
1,500
846
500
0
1980
1985
1990
1995
2000
837
604
私有林 255,143
(81.3%)
2005
民有林 295,284
(94.1%)
(年)
2010
資料:総務省「国勢調査」
資料:徳島県林業戦略課「平成25年度 みどりの要覧」(2013年3月末)
(林業−3)素材生産量
300
250
186
(林業−4)素材需要量
広葉樹
その他針葉樹
ヒノキ
スギ
(千㎥)
176
164 167 170
公有林
25,621
(8.2%)
森林総数
313,894ha
1,255
1,000
200
国有林
18,610
(5.9%)
その他 35(0.0%)
195
207 201 210
その他
北洋材
米材
南洋材
国産他県材
国産自県材
(千㎥)
800
273
700
233
691 688 704 699
648
600
588
500
527
409
400
150
458
431
480
300
100
200
50
0
100
2002 03
04
05
06
07
08
09
10
11
0
12(年)
資料:農林水産省「木材統計」
04
05
06
07
08
09
すぎ
ひのき
60,000
83.2 82.4
5,000
72.3
67.9
3,000
20,000
2,000
10,000
09
10
11
12
(年度)
注:すぎ 径 18∼30cm 長 4m、ひのき 径 18∼22cm 長 4m
0
66.8
51.9
52.9
60
58.2
50
50.6
2002 03
04
05
06
07
資料:国土交通省「建築着工統計」
78
70
58.1
1,000
資料:徳島県林業戦略課「平成25年度 みどりの要覧」
80
75.3
4,000
30,000
(%)
90
6,000
40,000
95 2000 05
12 (年)
木造住宅 木造以外 木造住宅比率
(戸)
50,000
90
11
(林業−6)新設住宅建設着工件数の推移
(円/㎥)
1980 85
10
資料:農林水産省「木材統計」
(林業−5)素材価格の推移
0
2002 03
08
09
10
11
40
12(年)
水産業
水産業は、大別すれば海面漁業と内水面(河川・湖沼)漁業に区分され、さらに海面漁業
は、海域や使用する船などによって沿岸漁業、沖合漁業、遠洋漁業に区分されている。
徳島県の漁場は、内海の播磨灘海域、外海と内海の影響を受けている紀伊水道海域、外海
の太平洋海域という3つの異なる海域を持っている。また、吉野川をはじめ多くの河川を有
しているため、魚介類の収獲量に比べその種類は豊富であり、漁業生産は高級魚介類を中心
とした多品種少量型が特徴である。
こうした環境のもと、
鳴門わかめのブランドで有名な「わかめ類(養殖)
」が全国1位、
「養
殖あゆ」が同6位の収穫量を誇っているほか、「はも」は京都市中央卸売市場における取扱
量が 2006 年から 2009 年、2011 年、2012 年が同1位となっている。今後さらに県内外の消費
者の信頼を得て、県産の魚介類が選ばれ購入されるようになるためには、品質や供給力の向
上に加えてブランド力の強化は欠かせない。徳島県は、「ひろがるとくしまブランド戦略」
(実施期間:2011 年度∼ 2014 年度)のなかで、水産物では、鳴門わかめ、アワビ類、はも、
養殖あゆ、ちりめん、養殖スジアオノリ、鳴門鯛、アオリイカを「ブランド品目」として
選定し、ブランド力のさらなる向上に取り組んでいる。また、地産地消推進の一環として、
学校給食等への採用にも力を入れている。さらに、この戦略では、他にも、生産者と商工業
者の連携促進による新商品開発・販売活動活性化、「徳島の活鱧
(いきはも)PRキャンペー
ン」の継続開催、藻場の造成、新規漁業就業者数の増加などを進めることを掲げており、水
産業の活性化をめざす計画となっている。
ところで、2011 年の海面漁業
(養殖業を含む)
の生産量は 29,524 t、内水面漁業(養殖業を
含む)の生産量は 1,053 tとなっており、5年前と比べ、海面漁業が 6.7%減、内水面漁業が
28.4%減少している。
漁業経営体数も毎年減少傾向にあり、2003 年に 2,183 あったものが 2008 年には 1,863 と、
5年間で 14.7%減少している。経営組織は、個人が 95.5%を占め、会社や共同経営はごく僅
かであり、零細な経営規模のものが多い。また、後継者不足による高齢化も進み、60 歳以上
が占める比率は 2000 年の 41.8%から 2010 年には 51.5%となった。国を挙げて進めている商
工分野との連携を深めた「第六次産業」の振興のためにも、若年層の就業増が急務である。
こうしたなか、県立農林水産総合技術支援センター水産研究所では、ワカメ、ノリなどの
生産技術開発、魚介類の育成場の造成、藻場造成技術の開発、漁業調査船「とくしま」を
用いた海洋観測などに取り組んでおり、「もうかる農林水産業」の実現に向け重要な役割を
担っている。
(蔭西義輝)
79
(水産−1)収穫量が全国上位の魚類等(2012年)
収穫量(t)
徳島県
全 国
シェア
%
6,842
18,457
36.5
うなぎ(養殖)
361
22,006
1.6
6
あゆ(養殖)
405
5,420
7.5
6
いせえび
72
1,120
6.4
6
しらす
2,576
48,084
5.4
6
あわび類
64
1,259
5.1
7
たちうお
433
9,734
4.4
順位
種類
1
わかめ類(養殖)
5
(水産−2)京都市中央卸売市場における県産はもの取扱量
資料:徳島県「2013グラフで見る とくしまの農林水産業」
取扱量(t)
シェア
%
年
2002
徳島県
全 国
88
618
14.3
順位
2
2003
44
547
8.1
5
2004
92
593
15.6
3
2005
77
549
13.9
3
2006
245
655
37.5
1
2007
215
689
31.2
1
2008
218
683
31.9
1
2009
165
637
25.9
1
2010
141
584
24.2
2
2011
217
611
35.5
1
2012
139
561
24.7
1
資料:京都市中央卸売市場第一市場年報
(水産−3)漁業就業者数の推移
(人)
7,000
60歳以上
50∼59歳
40∼49歳
30∼39歳
20∼29歳
15∼19歳
6,319
5,714
6,000
4,988
5,000
4,737
4,019
4,000
3,271
2,664
3,000
2,000
1,000
0
1980
1985
1990
1995
2005
2000
2010(年)
資料:総務省「国勢調査」
(水産−4)経営体の推移
(1)海区別経営体数の推移
(2)部門別経営体数の推移
(経営体)
(年) 太平洋南区 瀬戸内海区
00
875
01
827
1,528
02
802
1,480
03
834
1,349
04
782
05
764
06
722
08
734
1,589
1,328
1,284
1,247
1,129
(年)
2,464
2,355
2,282
2,183
2,110
2,048
1,969
1,863
00
1,881
01
1,794
02
1,755
03
1,761
04
1,687
05
1,643
06
1,566
08
1,491
注)経営体:1年間における漁業従事日数30日以上の世帯または事業所
海区区分:伊座利と椿泊の境で、太平洋南区と瀬戸内海区を分けている。
資料:徳島農林水産統計協会「徳島農林水産統計年報」
80
養殖業(経営体)
海面漁業 2,464
583
2,355
561
2,282
527
2,183
422
423
405
403
372
2,110
2,048
1,969
1,863
(水産−5)
海面漁業・養殖業の漁業種類別漁獲量及び収穫量割合
その他魚類養殖(2.0)
その他(0.3)
船びき網
ぶり養殖
(15.7)
(11.5)
海
海
面
小型
面
のり類
底びき網
こんぶ類 養
2011
(9.0)
もずく類
小型定置網
漁
29,524 t
養殖
(4.6)
(16.9) 殖
(100.0%)
(53.8)
わかめ類養殖
(23.2)
中・小型
まき網
(2.2)
業
業
(46.2)
その他
(11.8)
採貝・採藻
(1.7)
刺網
(1.1)
資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」
(水産−6)海面
(1)生産量
(2)生産額
(千トン)
50
43
40
20
30
40
34
20
14
34
17
20
23
20
20
2002 03
04
10
0
(億円)
250
海面養殖業
海面漁業
17
05
200
32
17
32
17
31
16
31
17
29
16
30
海面養殖業
海面漁業
180 181
139
148 148 145
140 137
48
60
57
58
112 110 100
91
88
91
2002 03
05
06
07
150 68
71
146
46
16
100
50
15
15
15
14
12
14
06
07
08
09
10
11(年)
0
04
160
75
63
64
87
77
73
08
09
10
85
11(年)
資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」
(水産−7)内水面
(1)漁業漁獲量
(2)養殖収穫量
その他
貝類
その他魚類
あゆ
(トン)
1,200
1,049
1,000
800
2,500
767
186
200
2002 03
2,180
04
05
1,433 1,388
1,500
445
400
0
2,410 2,362
2,000
558
600
ます類
うなぎ
あゆ
(トン)
3,000
83
83
06
07
08
1,234 1,232
1,000
260 249 228
1,056
961
825
500
09
10
11
(年)
注:2006年から販売を目的とした漁獲量(遊漁を除く)を計上。
資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」
81
0
2002 03
04
05
06
07
08
09
10
11(年)
建設業
建設産業は建設投資の急激な減少により非常に厳しい状況に直面してきた。しかし、東日
本大震災以降、震災復旧・復興事業のうえに、最近は国土強靱化関連などの公共工事も加
わって需要が増加しており、労務費や資材費の高騰に悩まされる状況となってきた。さら
に、2020 年の東京五輪開催が決まったことから、建設需要がなお一層活発化する可能性が
高い。一方で、公共事業の増加が国・地方の財政悪化を加速させるという懸念も強く、PFI
など民間のノウハウや資金を活用する手法も必要と言われている。
また、今後社会資本の老朽化が深刻な問題となってくることが予想され、民間においても
住宅などのリフォーム需要の増加が見込まれており、従来とは異なるノウハウや経験、技術
力が必要とされることから、担い手の育成も重要である。
■地位
県内総生産
(名目)
に占める建設業の割合は、1990 年代は 11%前後で推移していたが、1999
年度に 10%を切り、2011 年度は 5.1%(1,450 億円)となっている。これは、国内総生産にお
ける割合(5.6%)を下回っている。一方、国内総支出に占める公的固定資本形成
(公共投資)
の構成比が 4.4%であるのに対し、県内総支出に対する構成比は 5.6%である。
■事業所・従業者
建設業は、軽微な工事のみを請け負って営業する場合以外は許可が必要であり、一つの都
道府県のみで営業する場合は知事の許可が、複数の県で営業する場合には国土交通大臣の許
可が必要である。徳島県内の建設業許可業者数は、2012 年度末 3,213 で、1999 年度末
(4,469)
をピークに緩やかに減少を続けている。許可業者の 99%が知事許可
(3,170、他に大臣許可
43)となっており、徳島県の建設業はきわめて地域限定的といえる。 経済センサス
(活動調査 2012 年)によれば事業所数 3,581、従業者数 22,577 人で、全産業に
占める割合は、事業所 9.6%(全国 9.6%)
、従業者 7.4%(同 6.9%)で、従業者の割合が全国
より若干高い。従業者 29 人以下の中小事業所は 3,489 で 97.4%(同 96.8%)
、その従業者数は
18,546 人で 82.1%(同 72.2%)となっている。事業所の内訳は、総合工事業が 1,849 か所で全
体の 51.6%(同 42.1%)
を占め、主に下請けとして一部の工事を行う職別工事業が 25.5%(同
31.9%)
、電気工事や管工事を行う設備工事業が 21.2%(同 24.4%)
となっている。
国勢調査
(2010 年)で就業者の年齢構成を見ると、建設業就業者の平均年齢は 48.9 歳で全
産業の 47.2 歳よりやや高い水準であるが、50 ∼ 59 歳が 28%、60 歳以上が 23%で、50 歳以上
が半数を超えている。
82
■建設投資額
建設総合統計で毎年の出来高を見ると、1998 年度をピーク
(5,719 億円)
にして大幅な減少
が続いてきたが、最近は下げ止まっている。2012 年度は総額 2,338 億円で、ピークの 1998 年
度と比較すると約 4 割の水準である。
このうち、民間工事は 1,095 億円で、1996 年度のピーク時
(3,152 億円)
と比較すると約 1/3
にまで減少し、公共工事についても 1,243 億円で、1998 年度のピーク時
(3,098 億円)と比較す
ると約4割に減少している。民間と公共工事の比率は 47 対 53 となっているが、全国では 59
対 41 なので、徳島県は公共事業に対する依存度が全国より高い。なお、公共工事の内訳は
土木 80%、建築 20%で、全国平均
(土木 85%)と大差はない。
なお、民間建築の6∼7割を占めている居住用の出来高は 600 億円で、ピーク
(1996 年度
1,800 億円)
の 1/3 に落ちている。
■元請・下請、新設・維持補修
2011 年度、徳島県に本社を置く業者の元請完成工事高は 1,415 億円、下請完成工事高は
778 億円で、ピーク
(元請完成工事高 1996 年度 3,260 億円、下請完成工事高 1998 年度 2,608 億
円)から、元請完成工事高は 4 割、下請完成工事高は 3 割の水準にまで減少している。なお、
下請工事完成高/完成工事高を見ると、これまで徳島県は全国より高めに推移してきたが、
2011 年度の徳島県は 36%で、全国とほぼ同水準であった。
完成工事高を新設工事と維持・補修工事に分けると、新設工事高が大きく減少している
のに対し維持補修工事の減少幅は小さいため、1990 年代維持補修の割合は2割程度であっ
たのが、最近は3割程度に高まっている。
■新設住宅着工
新設住宅着工
(2012 年度)
は、3,578 戸
(前年比+ 5.7%)
、 床面積 379,144㎡(前年比+ 6.9%)
で、戸数・床面積とも最近のピークであった 1996 年度(9,431 戸、 床面積 1,017,526㎡)の約
1/3 の水準である。着工戸数の内訳は、持家 2,355 戸(66%)
、貸家 1,015 戸(28%)
、分譲 178
戸
(5%)
、給与住宅 30 戸
(1%)で、全国
(35%、36%、28%、1%)と比べると分譲より持家
として建築される割合が高い。 分譲マンションは、1980 年代後半に急増したが、1990 年度
(1,299 戸)
をピークにその後急激に落ち込み、2012 年度は 56 戸である。
■倒産
徳島県下の倒産で、ここ数年最も件数が多いのが建設業であり、2013 年は、13 件、負債
額 28 億円で、件数で 39%、負債額では 42%を占めている
(東京商工リサーチ調べ)
。ただし、
公共工事の増加もあって、倒産自体は減少傾向にある。
(竹中淳二)
83
(建設−1)建設業許可業者
(1)業者数の推移
(2)資本金規模の割合
4,500
1億円以上
0.4%
5千万円∼1億円
2.6%
4,000
個人
18.4%
2千万円∼5千万円
17.7%
3,500
2013年度
当初
3,213
3,000
1千万円∼2千万円
21.8%
∼
∼
0
1993 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
(年度)
500万円未満
20.0%
500万円∼1千万円
19.0%
資料:徳島県「徳島どぼく一覧」、国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について」
(建設−2)建設業の県内総生産と構成比
(建設−3)総支出に対する公的総資本形成・民間
住宅資本形成の割合
(億円)
2,500
県内構成比
(%) (%)
12
8
国内構成比
2,000
7
10
6
8
5
1,500
3
4
2
500
0
公的総資本形成
6
4
1,000
徳島県
国 内
2
1
2001 02
03
04
05
06
07
注:国内構成比は暦年
資料:徳島県統計課「県民経済計算年報」
08
09
0
0
10 11
(年度)
民間住宅資本形成
2001 02
03
04
05
06
07
資料:徳島県統計課「県民経済計算年報」
08
09
10 11
(年度)
(建設−4)建設投資額(出来高ベース)と公共工事比率
(億円)
(%)
7,000
70
6,000
徳島県
5,000
公共工事比率
4,000
民間(居住用以外)
3,000
民間(居住用)
2,000
1,000
0
60
50
全国
40
30
公共(建築)
20
公共(土木)
10
0
1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012(年度)
資料:国土交通省「建設総合統計」
84
(建設−5)事業所・従業者
(1)全産業に占める建設業事業所・従業者比率(民営事業所、2012年)
(単位: か所、人)
全 国
徳島県
事業所数
従業者数
事業所数
従業者数
全 産 業
5,453,635
55,837,252
37,436
306,064
建 設 業
525,457
3,876,621
3,581
22,577
構 成 化
9.6%
6.9%
9.6%
7.4%
(公務を除く)
(2)建設業の業種内訳(民営事業所) (単位: か所、人)
事業所数
従業者数
2009年
2012年
2009年
2012年
構成比
建設業
4,088
3,581
100.0%
25,646
22,577
100.0%
総合工事業
1,947
1,849
51.6%
13,957
13,461
59.6%
4
1
0.0%
10
2
0.0%
一般土木建築工事業
252
164
4.6%
2,979
1,841
8.2%
土木工事業(舗装工事業を除く)
880
856
23.9%
6,676
6,706
29.7%
48
40
1.1%
462
480
2.1%
建築工事業(木造建築工事業を除く)
389
415
11.6%
2,437
2,779
12.3%
木造建築工事業
310
261
7.3%
1,095
1,251
5.5%
64
112
3.1%
298
402
1.8%
1,184
913
25.5%
5,523
3,843
17.0%
管理、補助的経済活動を行う事業所
舗装工事業
建築リフォーム工事業
職別工事業(設備工事業を除く)
管理、補助的経済活動を行う事業所
大工工事業
構成比
-
1
0.0%
-
1
0.0%
208
193
5.4%
713
560
2.5%
95
72
2.0%
756
520
2.3%
104
55
1.5%
646
306
1.4%
31
21
0.6%
88
89
0.4%
左官工事業
112
77
2.2%
370
224
1.0%
板金・金物工事業
112
74
2.1%
329
198
0.9%
塗装工事業
178
158
4.4%
746
750
3.3%
床・内装工事業
148
119
3.3%
606
386
1.7%
その他の職別工事業
196
143
4.0%
1,269
809
3.6%
957
759
21.2%
6,166
4,981
22.1%
とび・土工・コンクリート工事業
鉄骨・鉄筋工事業
石工・れんが・タイル・ブロック工事業
設備工事業
管理、補助的経済活動を行う事業所
電気工事業
-
3
0.1%
-
17
0.1%
448
399
11.1%
2,479
2,256
10.0%
86
71
2.0%
1,091
740
3.3%
353
215
6.0%
1,834
1,145
5.1%
機械器具設置工事業
46
44
1.2%
570
632
2.8%
その他の設備工事業
24
27
0.8%
192
191
0.8%
-
60
1.7%
-
292
1.3%
-
60
1.7%
-
292
1.3%
電気通信・信号装置工事業
管工事業(さく井工事業を除く)
建設業 内格付不能
建設業 内格付不能
資料:総務省統計局「経済センサス∼基礎調査(2009年)、活動調査(2012年)」
85
(建設−6)完成工事高
(1)徳島県内施工工事の元請完成工事高
(2)徳島県業者の元請完成工事高
(%) (億円)
70
3,500
(億円)
7,000
6,000
公共依存度
5,000
徳島
4,000
3,000
全国
民間
2,000
公共
1,000
60
3,000
50
2,500
40
2,000
30
1,500
30
20
1,000
20
10
500
0
0
1996 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
(年度)
(3)徳島県業者の下請完成工事高と比率
(億円)
3,000
比率=
公共依存度
60
50
民間
維持・補修の割合
公共
40
10
0
0
1996 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
(年度)
(建設−7)新設住宅着工戸数
下請工事完成高
完成工事高
2,500
徳島
2,000
(%) (戸)
7,000
60
6,000
50
全国
4,000
30
1,000
20
500
10
総数
5,000
40
1,500
(%)
70
持家
3,000
2,000
貸家
1,000
0
0
1996 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
(年度)
資料:国土交通省「建設工事施工統計調査報告」
0
分譲
給与
1999 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
(年度)
資料:国土交通省「住宅着工統計」
(建設−8)業種別倒産(2013年)
(1)件数
(2)負債総額
サービス業
194百万円
サービス業
4件
運輸業
2件
33件
運輸業
300百万円
建設業
2,812百万円
建設業
13件
小売業
3,004百万円
小売業
10件
6,683百万円
製造業
卸売業 2件
2件
卸売業
243百万円
資料:東京商工リサーチ徳島支店
86
製造業
130百万円
製造業
製造業の県内総生産
(2011 年度名目)は 7,320 億円で、徳島県全体
(2 兆 8,633 億円)の 1/4 余
り
(25.6%)を占める重要な産業であり、構成比は 10 年前
(2001 年度 21.5%)と比較すると 4.1
ポイント高くなっている。経済センサス
(2012 年。公務を除く)によれば、事業所数は 2,915
で県内全体の約 8%、従業者数は 55,253 人(18%)である。
出荷額は 1 兆 6,400 億円(2011 年、従業者 4 人以上の事業所)で、業種別出荷額とその特化
係数は(製造 -1)
、業種別構成比は
(製造 -2)のとおりである。化学の事業所は 44 で製造業全体
(1,424)の 3%であるが、従業者は 8,991 人で 19%、出荷額は 5,870 億円で 36%、付加価値額は
3,579 億円で 46%を占めている。次いで電子が多いが、4 人以上の計数秘匿のため 30 人以上
の事業所でみると、出荷額は 1,969 億円(従業者 9%、出荷額 12%、付加価値額 15%)となっ
ている。他に出荷額1千億円以上
(4 人以上の事業所、以下同じ)は、電気機械 1,661 億円(4
人以上、同 7%、10%、8%)
、食料品 1,430 億円
(同 16%、9%、7%)
で、従来ずっと 1 千億円
を超えていた紙パは 995 億円であった。なお、全国で最も出荷額の多い輸送機器
(50.6 兆円)
は、徳島県は 193 億円である。
1事業所当たりの従業者数をみると、徳島県は 33.4 人で、全国平均 32.0 人とほぼ同じであ
るが、電子 609.1 人
(全国 82.2 人)
、化学 204.3 人
(同 66.9 人)、電気機械 73.1 人
(同 46.5 人)
、紙
パ 55.1 人(同 27.9 人)
となっており、徳島県における出荷額が上位の業種においては、食料品
(徳島 22.2 人、全国 35.0 人)
を除いて 1 事業所当たりの従業者規模は全国平均よりも大きい。
従業者 1 人当たりでみると、出荷額は 34.5 百万円で全国平均 38.1 百万円より少ないが、付
加価値額は 16.5 百万円
(全国 12.3 百万円)で、山口
(17.9 百万円)
、和歌山
(17.6 百万円)に次い
で全国第3位となっている。
なお、かつて地場産業といわれた家具や木材は地位の低下が続いているものの、出荷額の
特化係数は高い。ただし、出荷額や付加価値額の県内シェアは僅かであり、従業者1人当た
りの出荷額や付加価値額は全国平均を下回っている。
ところで、徳島県においてもコア技術を磨き、優れた業績を上げている企業も少なくな
い。そうした企業の経営者にインタビューしたところ、一流企業を顧客として持ち、その顧
客や展示会をマーケティングにうまく利用しながらコア技術の高度化を図ってきたといっ
た点が特徴として浮かび上がってきた。ただし、企業間ネットワーク
(自社に不足する資源
をお互いに補完しあう関係の構築)は一般的とはなっていない。技術は自社で開発して製造
工程はできるだけ内製化し、技術的な問題については、大学などの研究機関を比較的うまく
利用してきたようである
(
「徳島経済」2009 年冬号 Vol.83 参照)。
87
(製造−1)
出荷額とその特化係数
(2011年)
4.0
特化係数=
当該項目の県内構成比
当該項目の全国構成比
化学
3.5
1.2
3.0
電子
電気
繊維
1.5
その他
1.0
0
プラ
0.8
ゴム
窯業
0.6
0.4
汎用
食料
プラ
金属
生産
0.5
特化係数
特化係数
パルプ
家具
2.0
0.0
1.0
木材
2.5
その他
1,000
2,000
生産
飲料
印刷
0.2 皮革
業務
0.0
金属
輸送
鉄鋼
0
200
3,000
出荷額
出荷額
4,000
400
600(億円)
5,000
6,000(億円)
注:電子は、従業者30人以上の事業所
製造品が複数の品目にわたる事業所の場合、最大の製造品出荷額に分類されることに注意が必要。
(製造−2)
業種別構成比
(2011年、従業者30人以上の事業所)
(%)
100
90
32.4
80
8.5
50
5.3
8.4
6.1
4.6
7.9
10.6
40
4.9
30
6.8
4.7
6.9
20
23.6
10
0
35.4
13.5
4.7
7.7
4.1
15.5
24.8
6.7
4.5
5.1
5.4
38.8
14.4
徳島
全国
事業所数
徳島
全国
従業者数
5.3
6.0
5.1
6.6
5.7
4.2
4.2
8.0
7.7
徳島
電子・デバイス
6.0
50.2
12.4
出荷額
全国
6.3
輸送用機械
電気機械
19.5
9.8
6.5
13.7
29.7
17.4
7.3
16.4
その他
16.7
5.0
7.1
5.0
4.6
7.9
10.8
12.1
6.1
60
28.2
8.4
6.9
70
7.9
9.5
13.2
20.3
9.6
生産用機械
はん用機械
プラスチック
化学
紙・パルプ
家具
繊維
食料品
徳島
全国
付加価値額
注:「出荷額 」
・
「 付加価値額」の徳島県の輸送用機械は、その他に含む。
(製造−4) 労働生産性とその内訳
(推移)
(製造−3) 労働生産性
(2011年)
(100万円/人)
(付加価値額/従業者数)
30
50
化学↑
(30.4,39.8)
電子
20
35
徳島
30
電気
計
15
プラ
0
0
徳島
全国
40
その他
5
付加価値額
付加価値率=─────
出荷額
45
25
10
(%、百万円/人)
25
生産
飲料
鉄鋼
汎用
パルプ
金属
食料
輸送
木材
窯業
ゴム
皮革
印刷
業務
繊維 家具
5
10
15
全国
出荷額
1人当たり出荷額= ────
従業者数
20
15
10
付加価値額
労働生産性= ─────
従業者数
5
20
25
0
30
95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11(年)
注:電子は、従業者30人以上の事業所
(製造1∼4)資料:経済産業省「工業統計調査」、総務省「経済センサス∼活動調査∼」
88
■製品ランキング
徳島県の工業製品のうち、出荷額が大きいもの、全国に占める比率が高いもの、出荷額
の都道府県別順位が高いものを、
(製造− 5)
にまとめた。ただし、出荷額秘匿の品目が除か
れていることから、実際はもっと多い。
リスト中、
「他に分類されない無機化学工業製品」は具体的な品目は不明で、2011 年は前
年比 163 億円増加している。
「炭酸飲料」
、
「その他の清涼飲料」は滋養飲料やスポーツドリ
ンクが該当していると思われ、
「その他の製造食料品」、
「他に分類されない菓子」には栄養
食品、栄養調整食品が含まれると思われる。
「その他の環式中間物」は具体的に何を指して
いるかは不明。
出荷額で上位を占める製品を産出している企業としては、
「医薬品製剤」の大塚製薬グ
ループや富田製薬、
「発光ダイオード」の日亜化学工業、
「リチウムイオン蓄電池」のパナソ
ニック、「大人用紙おむつ」のリブドゥコーポレーション、
「ラジアル玉軸受」のジェイテ
クト、
「ブロイラー加工品」の丸本などが挙げられる。
(県内に本社があるものについては、
「特色ある県内企業」の項目参照)
。
徳島県発行の『徳島県の商工業 2009』によると、地場産業とは、①地元資本をベースと
する同一業種の中小企業が一定の地域(概ね県内)に集積しつつ、②地域内に産出する物産
等を主原料として、また、蓄積された経営資源(技術、労働力、資本等)を活用して、他地
域からの原材料の移入を加え、③これらを加工し、④その製品の販路として、地域内需要
のみならず地域外需要を指向するもの、とされ、5 カテゴリーで 23 業種
(業種というよりは
個別の製品に近い)
が選定されている。
(製造−5)
に見える「果実缶詰」
、
「足袋類」、
「宗教
用具」のほか、
「建具」
(31 事業所、出荷額 85 億円、全国シェア 4.1%)
「木製机・テーブル・
いす」
(13 事業所、出荷額 33 億円、全国シェア 2.4%)
などが該当するが、業種としてみた場
合、産地としての集積力は失われてきている。
木工関係
食品関係
繊維関係
機械・金属関係
その他特産品
木製家具、仏壇、木製建具、銘木
野菜果実缶詰、野菜漬物、清酒、味噌、加工海草(わかめ)
縫製品、敷物 一般機械器具、金属製品
水産練製品、足袋、醤油・ソース、阿波しじら織、大谷焼、手漉和紙
粘土瓦、半田素麺、竹製品、藍染め
■工業用地と工場立地
他県から徳島県に進出してきた大規模工場の多くは、県や市町が造成した工業用地に立
地し、県内の有力企業も工業用地を利用して事業を拡張していることが少なくない。工場
立地は地元の雇用吸収、自治体の財政収入増加に大きく貢献している。
徳島県内における本格的な工業団地の造成は、
「徳島東部地区(指定当時 4 市 11 町村)
」が
89
(製造−5)徳島県の出荷品目
(2011年)
(1)
出荷額が上位の品目──100億円以上
出荷額
(百万円)
品 目
165211
281211
162949
165111
259411
149931
091911
091212
259415
101111
099939
289929
097919
101119
163429
医薬品製剤(医薬部外品製剤を含む)
発光ダイオード
他に分類されない無機化学工業製品
医薬品原末、原液
ラジアル玉軸受(軸受ユニット用を除く)
大人用紙おむつ
ブロイラー加工品(解体品を含む)
肉製品
玉軸受・ころ軸受の部分品
炭酸飲料
その他の製造食料品
他に分類されない電子部品・デバイス・電子回路
他に分類されない菓子
その他の清涼飲料
その他の環式中間物
徳島県
全 国
279,273
177,009
94,746
86,244
39,783
29,740
22,502
22,388
17,671
17,657
15,315
12,822
11,426
11,171
10,358
6,522,488
299,437
647,165
512,020
391,918
104,458
446,593
692,371
282,590
271,982
1,418,912
1,785,510
640,377
344,270
357,749
全国比
(%)
4.3
59.1
14.6
16.8
10.2
28.5
5.0
3.2
6.3
6.5
1.1
0.7
1.8
3.2
2.9
全国順位 産出事業所数
8
1
1
1
3
1
5
11
6
5
27
32
21
10
10
13
3
7
3
4
3
9
6
7
4
41
5
7
3
3
(2)
出荷額の対全国比が高い品目──10%以上
出荷額(百万円)
品 目
281211
149931
118419
093112
165111
116311
118112
162949
132111
259411
発光ダイオード
大人用紙おむつ
その他の靴下
果実缶詰(瓶詰・つぼ詰を含む)
医薬品原末、原液
織物製乳幼児服
足袋類(類似品、半製品を含む)
他に分類されない無機化学工業製品
宗教用具
ラジアル玉軸受(軸受ユニット用を除く)
徳島県
全 国
全国比
(%)
177,009
29,740
1,460
4,848
86,244
1,044
354
94,746
4,670
39,783
299,437
104,458
7,514
26,976
512,020
6,621
2,247
647,165
38,797
391,918
59.1
28.5
19.4
18.0
16.8
15.8
15.8
14.6
12.0
10.2
全国順位 産出事業所数
1
1
1
1
1
3
2
1
2
3
3
3
4
8
3
3
5
7
28
4
(3)
出荷額の全国順位が高い品目──1位・
2位
出荷額(百万円)
品 目
281211
149931
118419
093112
165111
162949
118112
132111
117111
095112
発光ダイオード
大人用紙おむつ
その他の靴下
果実缶詰(瓶詰・つぼ詰を含む)
医薬品原末、原液
他に分類されない無機化学工業製品
足袋類(類似品、半製品を含む)
宗教用具
綿織物製下着
精製糖(国内産の甘味資源作物から一貫して製造加工したもの)
徳島県
全 国
全国比
(%)
177,009
29,740
1,460
4,848
86,244
94,746
354
4,670
904
171
299,437
104,458
7,514
26,976
512,020
647,165
2,247
38,797
14,753
62,788
59.1
28.5
19.4
18.0
16.8
14.6
15.8
12.0
6.1
0.3
全国順位 産出事業所数
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
3
3
4
8
3
7
5
28
3
3
(4)
計数秘匿品のうち、
出荷額全国シェア1∼2位の品目
(2008年)
(
(1)
∼
(3)
で記載した品目を除く)
品 目
綿・スフ・麻織物精練・漂白・染色
リチウムイオン蓄電池
厚形スレート
塩
トリクロルエチレン
合板機械(繊維板機械を含む)
合成繊維紡績糸織物精練・漂白・染色、麻風合成繊維織物機械整理仕上
全国順位
1
1
1
1
2
2
2
品 目
フェロマンガン
歯ブラシ
ゴム草履・スリッパ(スポンジ製のものを含む)
ユリア樹脂
高級アルコール(還元、蒸留)
その他の繊維板
シリコマンガン
注:従業者4人以上の事業所
(1)∼(3)の全国順位は、秘匿の県を除いた順位
資料:経済産業省「工業統計調査」、「我が国の工業」(2011 年)
90
全国順位
2
2
2
2
2
2
2
(製造−6)
県内主要産業団地
(完売)
団地名
所在地
全体面積
今 切
工業団地
徳島市
68.5
松 茂
工業団地
松茂町
79.2
鴨島中央
工業団地
吉野川市
13.7
土 成
工業団地
阿波市
19.9
大潟新浜
工業団地
阿南市
25.8
辰 巳
工業団地
阿南市
126.0
ブレインズ
パーク徳島
徳島市
8.4
鳴門複合
産業団地
鳴門市
30.6
ソフトパーク
板野町
い た の
15.6
那賀町
24.9
わじき工業団地
(単位:ha)
(2013年12月現在)
主 な 立 地 企 業
事業主体
企 業 名
立地面積
主要製品名及び業務内容
18.2
大
塚
製
薬
㈱
医療薬品
11.2
徳島県製薬工業団地協同組合
化学薬品、医療薬品、漢方薬
11.2
大 鵬 薬 品 工 業 ㈱
医療薬品
徳 島 県
10.1
大
塚
化
学
㈱
化学薬品、医薬品
開 発
4.8
大
塚
食
品
㈱
食料品
事 業 団
0.7
㈱ キ ョ ー エ イ
配送センター
0.3
三
木
産
業
㈱
化学・医療原料
0.2
塩 野 義 製 薬 ㈱
薬品
17.7
三
洋
電
機
㈱
2次電池
15.2
サ ン ス タ ー ㈱
歯磨、歯刷子、シャンプー、
リンス、化粧品
11.0
㈱ 大 塚 製 薬 工 場
治療薬、栄養薬品
4.9
大
塚
化
学
㈱
レトルト食品
4.0
㈱大阪特殊鋼管製造所
シームレス、溶接鋼管
3.2
ス ミ テ ッ ク 鋼 管 ㈱
引抜鋼管
1.7
四 国 ヤ マ ト 運 輸 ㈱
配送センター
徳 島 県 大
1.3
塚
倉
庫
㈱
医療品保管
開 発 共
0.9
栄
造
機
㈱
各種移送機
事 業 団 ㈱ニチレイ・ロジスティクス
0.7
冷凍2次加工
0.7
㈱ ワ イ・ジ ー・ケ ー
釣糸
0.6
ト
ク
ヤ
マ
㈱
セメント
0.5
太 平 洋 セ メ ン ト ㈱
セメント
その他 ㈱島本製作所(スチールドア)
㈲島製作所(鋳造用金型)
芙蓉工業㈱(産業機械)
㈱マシンパーツ(一般機械器具)
8.9
㈱
大
真
空
徳
島
事
業
所
水晶振動子
徳 島 県
2.0
徳 島 昭 和 精 機 ㈱
プラスチック用金型
5.2
帝
國
製
薬
㈱
パップ剤、プラスター剤、漢方薬
2.9
西
精
工
㈱
ナット、ベアリング
1.9
山
本
光
学
㈱
ゴーグル、ヘルメット
1.9
合成樹脂成型品
徳 島 県 近 藤 化 学 工 業 ㈱
1.6
太 陽 フ ァ ス ナ ー ㈱
ステンレスねじ
0.9
オ
リ
ジ
ン
㈱
応接セット、ダイニングセット
0.9
キ シ ダ 化 学 ㈱
試薬、無機試薬
0.8
平
野
金
属
㈱
防火戸枠、防火戸
4.4
阿
波
製
紙
㈱
自動車エアフィルター、工業用特殊紙
3.9
ノヴィルパブリックワークス㈱
鋼構造物
2.3
南
化
成
㈱
希度類高純度酸化物
阿 南 市 阿
2.1
日立化成ポリマー㈱
合成樹脂
1.4
大潟運輸団地共同組合
運輸業
1.1
㈱
精
研
回転研磨材、床ずれ防止機器
51.2
王 子 ネ ピ ア ㈱
ティッシュ、トイレットペーパー
46.5
日 亜 化 学 工 業 ㈱
LED、蛍光体、蛍光体原料等
10.8
倉
敷
紡
績
㈱
綿合繊加工布
5.0
徳 島 県 ㈱ 山 本 鉄 工 所
各種油圧プレス機器
1.8
藤
崎
電
機
㈱
精密機械、自動制御盤
1.5
㈱
タ
カ
ノ
ブ
木製品製造
0.2
並 木 精 密 宝 石 ㈱
サファイア素材
4.4
ジャストシステム㈱
ソフトウェア研究・開発
0.8
エンジニアリング業
地域振興 港 テ ク ノ シ ス テ ム ㈱
0.7
㈱徳島健康科学総合センター
産業高度化施設
整備公団
0.4
㈱
金
剛
リース業及びソフトウェア開発
0.1
光
設
計
㈱
エンジニアリング業
4.0
大 塚 テ ク ノ ㈱
LEDリードフレーム
3.4
㈱ 大 塚 製 薬 工 場
栄養薬品、
医療薬品
1.6
㈱ ワ イ・ジ ー・ケ ー
釣糸
鳴 門 市 ㈱
1.3
泉
製
作
所
プラスチック製容器
0.4
㈱
松
山
資
材
非鉄金属卸
その他 ㈲海洋(鉄加工品)
ナイトライド・セミコンダクター㈱(LED)
㈲ナカエンジ(産業ロボット) ㈱アプロサイエンス(タンパク質研究受託)
ソフトウエア開発
1.5
テ ッ ク 情 報 ㈱
電気通信エンジニアリング
1.2
板 野 町 日 本 コ ム シ ス ㈱
産業機械
1.0
ダ イ ト ー 工 業 ㈱
4.0
県 立 総 合 教 育 セ ンター
那賀町土地開発公社 大
12.6
医薬品製剤
塚
製
薬
㈱
91
(製造−6)県内主要産業団地
(完売)
(つづき)
(単位:ha)(2014年2月現在)
立地面積
(立地数)
3.1
3.1
3.0
3.1
団 地 名
所在地
全体面積
(ha)
事業主体
西長峰工業団地
阿波市
18.2
徳島県
ハイテクランド 徳 島
徳島市
14.4
徳島市
(37)
なるとソフトノミックスパーク
鳴門市
8.4
鳴門市
(9)
主な立地企業
企 業 名
主要製品及び業務内容
水 島 プ レ ス 工 業 ㈱ 自動車部品
船 場 化 成 ㈱ プラスチック製品
メ テ ッ ク ㈱ 精密表面処理
レ ン ゴ ー ㈱ 段ボール
㈱
四
電
工 電気工事
㈱ 松 下 印 刷 印刷・出版
四国 建 設コンサルタン
ト㈱ 設計・測量
日 新 器 械 ㈱ 医療器械販売
㈱ エ ヌ テ ッ ク プレス機製造
橋
野
鉄
工 鉄鋼工業
㈱ 海 部 製 作 所 一般機械器具
㈱ 徳 岡 造 船 輸送用機械器具
共 栄 通 商 ㈱ 化学工業薬品販売
㈱ ワ コ ー ラ イ ン 運送業
㈱ ワ イ・ジ ー・ケ ー 釣糸
注: は徳島県へ進出企業 資料:徳島県企業支援課
(製造−7)募集中の産業用地
(2013年12月現在)
全体面積 分譲面積
所在地 事業主体
(ha) (ha)
団 地 名
分譲価格
(㎡あたり)
主な立地企業
企 業 名
主要製品及び業務内容
㈱リブドゥコーポレーション 大人用紙おむつ
㈱
成
和 発泡スチロール
徳島県食糧卸協同組合 精米
㈱ ア ス テ ィ ス 医療用薬品卸売
四 国 ア ル フ レ ッ サ ㈱ 医療用薬品卸売
丸 協 運 輸 ㈱ 運送業
貞 光 食 糧 工 業 ㈲ 食肉(鳥)加工
第2小山北工業団地 つるぎ町 つるぎ町
10.6
0.8
11,250円
徳島空港臨空用地 松茂町
11.8
2.7
分譲・賃貸借
流通センター、店舗等
54
2.3
賃貸借
ナ
イ
ス
㈱
流通センター、倉庫等
徳島県
徳島小松島港赤石地区 小松島市 徳島県
製材
注: は徳島県へ進出企業
資料・お問い合わせ:徳島県企業支援課(088-621-2156)
、徳島県運輸政策課(088-621-2327)
(製造−8)産業団地以外の主な徳島県進出企業
所在地
企 業 名
所在地
企 業 名
徳 島 市
四 国トー セ ロ ㈱
フィルム
勝 浦 町
キ ン キ サ イン ㈱
清涼飲料水
徳 島 市
新 日 本 理 化 ㈱
高級アルコール
勝 浦 町
㈱
ナ
カ
テ
ツ
玉軸受
徳 島 市
鶴
見
曹
達
㈱
高純度液化塩化水素
阿 波 市
㈱
十
川
ゴ
ム ゴム製品等
徳 島 市
東
亞
合
成
㈱
カセイソーダ
阿 波 市
四
国
部
品
㈱
徳 島 市
㈱
土
佐
電
子
電気機械器具
美 馬 市
パナソニックヘルスケア㈱
医療用機械器具
徳 島 市
ハリマ化成ポリマー㈱
ロジン変性樹脂
三 好 市
池
ポリエチレン袋等
徳 島 市
日 清 紡 績 HD ㈱
スパンデックス
三 好 市
㈱リブドゥコーポレーション 大人用紙おむつ
徳 島 市
日 立 化 成 ポリマ ー ㈱
合成樹脂
北 島 町
四国化成工業㈱
塩素化シアヌル酸
鳴 門 市
大
塚
化
学
㈱
硝酸カリウム、
臭化カリウム
北 島 町
大 鵬 薬品 工 業 ㈱
医薬品
鳴 門 市
大
商
硝
子
㈱
硝子容器、ポリ容器
藍 住 町
光 洋シーリングテクノ㈱
オイルシール
㈱ ジ ェ イ テ ク ト ベアリング
小松島市
主 要 製 品
田
福
助
主 要 製 品
㈱
自動車用組電線
合板
藍 住 町
小松島市 リ ン テ ッ ク ㈱
加工紙
藍 住 町
シ ミ ズ 精 工 ㈱
ベアリング保持機
小松島市
エ ヌ・アンド・イー ㈱
MDF
(繊維板)
板 野 町
大
塚
製
薬
㈱
医薬品
小松島市
日本 製 紙 パピリア㈱
特殊紙
板 野 町
徳
島
産
業
㈱
ポン酢、
ドレッシング
阿 南 市
王
子
製
紙
㈱
洋紙、パルプ
石 井 町
日
本
ハ
ム
㈱
ハム、
ソーセージ等
阿 南 市
日
本
電
工
㈱
フェロアロイ
㈱
日
新
資料:徳島県「徳島県企業誘致ガイドマップ」、「徳島県企業誘致ガイド」
92
国から新産業都市の地域指定を受けた 1964 年頃から目立つようになった。この地域指定に
もとづき、今切(徳島市)
、辰巳
(阿南市)
、松茂(松茂町)
などの大規模工業団地が計画され、
なかでも今切工業団地は、1969 年度末の造成完了までにすべての売却が確定した。1980 年
代後半以降は、松茂や辰巳のほか、大潟新浜工業団地
(阿南市)や土成工業団地
(土成町)へ
の進出も相次いだ。橘湾には国内最大規模
(四国電力と電源開発合わせて 280 万キロワット)
の出力をもつ石炭火力発電所が建設され、2000 年 6 月から営業運転を開始、同年 12 月以降
フル稼働している。
立地件数の推移をみると、1990 年に 48 件、マリンピア沖洲の分譲があった 1994 年には 47
件の立地があったが、それ以降は減少傾向が続き、2002 年には 4 件と調査開始以来最低と
なった。その後も低調に推移してきたが、2011 年は 12 件、敷地面積も 23.6ha と大きな立地が
あった。2012 年は 18 件 46.1ha と前年を超えたが、電気業
(14 件 34.5ha)を除くと4件 11.6ha、
2013 年上期は 11 件 19.8ha(電気業を除くと 3 件 1.4ha)
であった。
2000 年∼ 2012 年の立地件数 111 件のうち 3/4(83 件)が県内企業で、県外から立地した企
業
(28 社)
の本社は、東京 11 件、大阪 7 件、愛媛・兵庫各 3 件、その他 4 件となっている。
なお、西永峰工業団地にレンゴーの進出が決まり、県営の工業団地はすべて完売となった
ほか、ハイテクランド徳島、なるとソフトノミックスパークもすべて進出企業が決まった。
現在募集中の産業団地は
(製造− 7)
に示したとおり、第2小山北のほか徳島空港臨空用地と
小松島市のふ頭・港湾関連用地のみである。
(製造−9)工場立地の推移(件数、面積)
50
面積
(ha)
件数
100
件数
40
80
面積
30
60
20
40
10
20
0
70
75
80
85
90
95
資料:経済産業省「工場立地動向調査」
93
2000
05
10
0
12(年)
■市町村別製造品出荷額等
(製造− 10)
に製造業の市町村構成比を示した
(2012 年速報)
。出荷額で 1,000 億円を超える
のは、徳島市
(4,855 億円)
、阿南市
(2,651 億円)
、鳴門市
(2,514 億円)
、松茂町(2,140 億円)
で、
これら4つの市町で徳島県全体
(1 兆 6,779 億円)
の7割を越える。
この4市・町の出荷額を 2000 年と 2012 年を比較すると、徳島市は 1.3 倍になっているも
のの 2007 年をピークに増加が止まっている。阿南市
(旧那賀川町、羽ノ浦町を含む)も5%
増加しているものの 2008 年のピーク
(3,987 億円)からは 1,336 億円減、鳴門市は日本たばこ
の撤退もあって 2005 年に前年比 944 億円減と半減したが、2006 年を底に急回復し 2012 年は
2006 年の約 2.4 倍、2000 年比は 1.1 倍となった。電子部品の従業者数が急増していることか
ら、日本たばこ跡地に立地した日亜化学工業の貢献と思われる。松茂町は 2003 年に前年比
1.7 倍と急増しその後伸び悩んでいるものの 2.0 倍になっている。
徳島市は、出荷額 4,894 億円
(2011 年、以下同じ)で県内全体の 3 割を占める県内最大の工
業地である。なかでも化学の出荷額は徳島市の約 3/4、徳島県製造業全体の2割余りを占め
る。食料品
(出荷額 243 億円)
のほか、生産用機械
(139 億円)
、木材木製品(124 億円)
、プラス
チック(103 億円)が 100 億円台で続いている。産業別出荷額は秘匿となっている場合も多い
ので従業者数をみると、阿南市は、化学工業(3,147 人)
と電子部品
(2,961 人)
で同市製造業従
業者(9,070 人)の約 2/3 を占め、食料品
(7.9%、719 人)
、紙パ
(7.5%、678 人)と続いている。
鳴門市は化学
(1,653 人)と電子部品
(1,032 人)で同市(5,313 人)の半分を占め、プラスチック
(9.9%、524 人)
、食料
(9.7%、516 人)
、紙パ
(6.6%、353 人)、繊維(6.4%、341 人)と続いて
いる。 (竹中淳二)
(製造−10)製造業の市町村構成比(出荷額順、2012年)
(%)
100
21.7
80
60
40
2.4
4.0
3.7
6.7
2.0
6.5
3.4
2.1
9.5
10.4
15.6
2.3
3.4
3.1
5.2
1.7
4.1
5.7
6.0
9.0
1.7
2.0
2.3
2.5
2.6
3.0
4.5
12.8
15.0
10.5
10.5
2.6
2.3
2.4
3.9
1.9
3.3
7.2
2.2
2.7
2.2
2.9
1.0
3.9
5.6
7.2
16.8
20.0
12.9
17.1
9.2
1,362
事業所数
21.7
2.8
3.3
4.1
4.9
1.8
5.1
4.4
2.0
7.8
23.1
40.7
27.5
20.0
9.7
23.9
20
0
9.4
12.1
11.1
15.8
7.2
1.2 1.3
2.4
2.0
4.0
2.1
3.4
28.9
22.8
34.0
16.2
8,393(億円)
8,201(億円)
2,021(億円)
47,416(人) 16,779(億円)
粗 付 加
原 材 料
現金給与
従業者数
製 造 品
価 値 額
使用額等
総 額
出荷額等
資料:徳島県統計戦略課 「工業統計(2012年速報)」、「推計人口(2013.1.1)」
94
774,793(人)
人 口
その他
北島町
石井町
美馬市
阿波市
板野町
小松島市
藍住町
松茂町
鳴門市
阿南市
徳島市
卸売・小売業
■商業の役割
生産者と消費者を結びつける流通の仕組みには、大きく分けて、直接流通と間接流通の2
種類がある。前者は、生産者から消費者に直接販売する仕組みであり、農家から一般消費者
に野菜や果物を直接販売する「産直」方式などがそれにあたる。後者は、生産者と消費者と
の間に別の第三者が介在し、まず生産者から第三者に販売がなされ、その第三者から(場合
によると第2、第3の第三者を経由して)消費者に販売される仕組みをいう。一般に、生産
者と消費者の間に介在する第三者のことを商業者と称し、流通のうち商業者が担当している
部分、すなわち卸売・小売業の役割を商業と呼んでいる。
卸売・小売業の構造が大きく変化している。少子高齢化の影響と人口の急激な減少によ
り、消費支出が伸び悩む中で転換期を迎えている。さらにインターネットを通じた生産者の
自社製品直販や消費者の通信販売による購入、ネットショッピングの普及など、ICTの進
展が生産者、消費者の行動を変化させており、商業機能に大きな影響を及ぼしている。
■卸売業の特徴
徳島県内の卸売業
(2012 年)の商店数は 2,073 店、従業者数は 15,423 人、年間商品販売額は
約 7,426 億円となっている
(卸小売−1)
。
卸売業の規模を全国平均と比較してみると、一店あたり従業者数は全国平均を下回ってお
り、全国平均を 100 とすると 72 の規模となっている。また、一店あたりの販売額は 36、従
業者一人あたりの販売額は 50 とそれぞれ全国平均の半分以下の規模であり、販売額の面か
らも小規模といえる。
業種別に見ると、商店数、従業者数、年間商品販売額とも飲食料品卸売業の占める割合が
最も高く、特に年間商品販売額では全体の約4割を飲食料品卸売業が占めており、全国と比
較しても特徴的である。これは徳島県には各種商品卸売業や機械器具卸売業が相対的に少な
いことと農水産物の移出県であることを反映している。次に高い割合を占めるのが、建設材
料・鉱物・金属材料等卸売業、その他の卸売業、機械器具卸売業となっている。その他の卸
売業には、医薬品などが含まれており、これらは徳島県の消費構造を反映している。このよ
うに、卸売業は地域の産業構造や消費構造と連動して発展するという一面を持っている(卸
小売− 2)。
卸売業は縮小しておりその背景には、業界全体に生じている合併等による再編や近年の流
通経路の短縮化などがある。流通経路の短縮化には、一次卸、中間卸、最終卸と多段階にわ
たる流通経路から中間卸などが排除されるケースや、小売業がメーカーから直接仕入れたり
95
海外から直輸入したりする、いわゆる中抜きといったケースがある。また徳島県の卸売業者
は、県内の小売業者を主な販売先としていることから、小売業者の衰退が中小の卸売業者を
転廃業に追い込んでいるケースも見受けられる。
(卸小売−1)卸売業の概要(2012年)
商店数
(店)
従業者数
(人)
年間販売額
(百万円)
2,073
15,423
742,550
資料:総務省統計局「経済サンセス」
(卸小売−2)卸売業の業種別概要(2012年)
項 目
実数(店)
業 種
各
0.5
1,587
0.2
繊 維 ・ 衣 服 等 卸 売 等
67
4.3
332
2.9
9,359
1.3
業
463
30.0
3,799
32.9
276,764
38.7
建設材料、鉱物・金属材料等卸売業
354
22.9
2,515
21.8
157,433
22.0
機
械
器
具
卸
売
業
319
20.7
2,458
21.3
114,055
15.9
そ
の
他
の
卸
売
業
330
21.4
2,375
20.6
156,518
21.9
卸
売
構成比(%) 実数(百万円) 構成比(%)
61
品
卸
実数(人)
0.6
料
品
構成比(%)
年間商品販売額
10
食
商
従業者数
業
飲
種
商 店 数
売
資料:総務省統計局「経済サンセス」
■小売業の特徴
徳島県内の小売業
(2012 年)の商店数は 8,114 店、従業者数は 43,479 人、年間商品販売額は
5,768 億円となっている
(卸小売−3)
。
小売業の規模を全国平均と比較してみると、一店あたり従業者数は全国平均を下回ってお
り、全国平均を 100 とすると 75 となっている。また、一店あたりの販売額は 64、従業者一人
あたりの販売額は 86、売場面積あたりの販売額は 70 とそれぞれ全国平均を下回っている。
業種別に見ると、商店数、従業者数、年間商品販売額、売場面積のいずれも飲食料品小売
業とその他の小売業の占める割合が高く、全体の6∼7割をこれら2業種が占めている
(卸
小売−4)
。
(卸小売−3)小売業の概要(2012年)
商店数
(店)
従業者数
(人)
年間販売額
(百万円)
売場面積
(㎡)
8,114
43,479
576,817
966,087
資料:総務省統計局「経済サンセス」
96
(卸小売−4)小売業の業種別概要(2012年)
項 目
商 店 数
従業者数
年間商品販売額
売場面積
(%)実数(㎡) 構成比(%)
実数(店) 構成比(%) 実数(人) 構成比(%)実数(百万円)構成比
業 種
業
18
0.3
829
2.5
32,351
5.8
72,828
7.5
織物・衣服・身の回り品小売業
795
12.4
2,790
8.4
35,871
6.4
130,241
13.5
各
種
商
品
小
売
飲
食
料
品
小
売
業
1,989
31.1
12,098
36.5
155,173
27.8
287,388
29.7
機
械
器
具
小
売
業
852
13.3
4,560
13.8
109,466
19.6
107,627
11.1
そ
の
他
の
小
売
業
2,561
40.0
11,660
35.2
205,418
36.8
368,003
38.1
業
185
2.9
1,191
3.6
20,637
3.7
無
店
舗
小
売
資料:総務省統計局「経済サンセス」
(卸小売−5)市町村別小売業の概要(2012年)
項 目
市町村
商 店 数(店)
従 業 者 数(人)
徳 島 市
鳴 門 市
小 松 島 市
阿 南 市
吉 野 川 市
阿 波 市
美 馬 市
三 好 市
勝 浦 町
上 勝 町
佐那河内村
石 井 町
神 山 町
那 賀 町
牟 岐 町
美 波 町
海 陽 町
松 茂 町
北 島 町
藍 住 町
板 野 町
上 板 町
つ る ぎ 町
東みよし町
1,936
479
328
659
376
242
306
346
51
16
22
209
80
129
84
103
131
88
164
227
84
81
126
133
11,648
2,269
1,501
2,882
1,721
1,194
1,560
1,296
178
33
50
1,343
182
352
221
294
527
732
1,217
1,908
517
359
430
714
年間商品販売額
(百万円)
224,019
34,104
22,781
44,618
25,986
15,881
24,120
18,375
1,957
22,503
1,592
3,508
2,376
7,305
16,069
20,131
37,678
9,394
7,583
4,508
10,666
売場面積(㎡)
吸引力指数
286,010
66,729
52,000
74,536
63,277
36,090
51,108
35,814
4,215
715
1,091
43,792
6,709
6,692
4,019
6,498
13,085
26,785
48,512
87,631
10,815
9,412
11,738
18,814
114
76
77
80
81
56
103
86
48
117
37
53
70
99
142
123
149
91
82
61
97
注:吸引力指数=(当該市町村の商品販売額÷当該市町村の人口)÷(徳島県全体の商品販売額÷徳島県の総人口)
資料:総務省統計局「経済サンセス」
■大型店舗の立地
2000 年6月から始まった大規模小売店舗立地法に基づく店舗面積 1,000㎡超の大型店の県
内初出店は、愛媛県の大手スーパーのフジ
(本社:松山市)が 2001 年 11 月に北島町にオープ
ンした「フジグラン北島」で、複合映画館
(シネマコンプレックス)
などの娯楽施設を併設し
たショッピングセンターである。その後、2003 年 12 月には香川県の大手スーパーのマルナ
カ
(本社:高松市)
が徳島市西新浜町に大型店を出店したほか、2005 年 7 月には家電量販店の
最大手であるヤマダ電機
(本社:前橋市)
が藍住町に出店するなど、県外資本の進出が相次い
でいる。2014 年1月 14 日現在、78 店舗が出店及び出店予定である
(卸小売− 6)。
2011 年 11 月には、藍住町奥野にイズミ
(本社:広島市)
が 163 の専門店と直営店からなる県
内最大のショッピングセンター「ゆめタウン徳島」
(敷地面積約8万㎡、延床面積 14 万4千
㎡、店舗面積4万㎡、4階建て
(1,2階が店舗、3,
4階が駐車場)
、駐車場約 3,700 台)
を開
店した。
97
(卸小売−6- 1)大規模小売店舗立地法届出(新設)
店 舗 名
2014年1月14日現在
所 在 地
届出受理日
届出事項
新設予定日 店舗面積(㎡)
1.フジグラン北島
北島町鯛浜字西ノ須81番地1
H12.12.4
H13.10.1
18,828
2.京屋家電山城店
徳島市山城西4丁目29-1外
H13.3.5
H13.11.23
3,000
3.ケーズデンキ徳島本店
徳島市北沖洲1丁目61番地1、66番地
H13.7.6
H14.3.14
4,400
4.ディック万代店
徳島市万代町6丁目3番
H13.9.27
H14.6.30
3,220
5.ママの店鴨島店
鴨島町西麻植字麻植市56番地の1の一部他15筆
H13.10.16
H14.7.15
2,003
6.ファッションセンターしまむら阿南店
阿南市向原町天羽畭112外
H14.4.3
H14.12.4
1,232
7.サンシャイン海南
海南町大里松ノ本28-1
H14.9.2
H15.5.15
1,240
8.マルナカ西新浜店
徳島市西新浜町1丁目45番1外
H14.11.27
H15.7.28
16,433
9.キリン堂北島店
北島町江尻字松ノ本5番1外
H15.9.10
H16.5.11
1,744
10.ドラッグストアチャーリー沖浜店
徳島市沖浜3丁目4番1ほか
H16.7.23
H17.3.25
1,815
11.ヤマダ電機テックランド徳島藍住店
藍住町徳命字元村東100番ほか
H16.11.22
H17.7.23
4,287
12.ホームセンターコーナン徳島脇町店
美馬郡脇町字拝原178-1ほか
H16.12.14
H17.8.15
4,969
13.キョーエイ松茂店
松茂町広島字中ハリ8番ほか
H17.2.22
H17.10.29
2,238
14.マルナカ松茂店
松茂町笹木野字八北開拓191-2ほか
H17.4.11
H17.12.12
2,511
15.ディスカウントストア リーダス
徳島市問屋町38番地ほか
H17.7.5
H18.3.9
2,460
16.藍住ファッションモール
藍住町徳命字元村東34-1ほか
H17.7.6
H18.3.7
1,998
17.キリン堂脇町店
美馬市脇町大字猪尻字若宮南112-1ほか
H17.7.19
H18.3.20
1,684
18.フジグラン石井西エリア
石井町高川原字天神544番地1
H17.7.27
H18.3.28
14,017
19.フジグラン石井東エリア
石井町高川原字天神588番地
H17.7.27
H18.3.28
3,435
20.デイリーマート津田店
徳島市津田本町4丁目451-1
H17.9.30
H18.4.20
2,271
21.キョーエイ津乃峰店
阿南市津乃峰町長浜447-1ほか
H17.12.15
H18.8.16
2,162
22.ホームセンターコーナン徳島藍住店
藍住町住吉字千鳥ケ浜66番5ほか
H18.2.24
H18.10.25
16,667
23.大松複合商業施設
徳島市大松町榎原外77-11ほか
H18.2.27
H18.10.28
2,832
24.ゴルフ5徳島藍住店
藍住町徳命字元村東84番2ほか
H18.3.15
H18.11.16
1,443
25.ディオ徳島大津店
鳴門市大津町矢倉字中ノ越1-3ほか
H18.3.15
H18.11.16
1,851
26.コジマNEW北島店
北島町鯛浜西ノ須20番2ほか
H18.5.23
H19.1.24
3,600
27.ヤマダ電機テックランド徳島本店
徳島市中吉野町4丁目2番2ほか
H18.6.23
H19.2.24
6,950
28.スーパードラッグコスモス徳島鳴門店
鳴門市撫養町大桑島字寧岩浜14番5ほか
H18.7.24
H19.3.25
1,323
29.スーパードラッグコスモス石井店
石井町高川原字高川原918番1ほか
H18.7.24
H19.3.25
1,986
30.メディコ21鳴門店
鳴門市撫養町黒崎字松島222番地ほか
H18.8.3
H19.4.4
1,346
31.ケーズデンキ鴨島パワフル館
吉野川市鴨島町牛島166ほか
H18.8.28
H19.4.29
3,884
32.ベスト電器阿波店
阿波市阿波町大道北132番地ほか
H18.10.16
H19.6.17
1,652
33.フレスポ阿波池田
三好市池田町サラダ1612番2ほか
H18.10.27
H19.6.28
7,767
34.シンクス藍住
藍住町住吉字千鳥ヶ浜17番1号ほか
H18.11.15
H19.7.16
6,840
35.コーナン小松島ショッピングセンター
小松島市小松島町字若井崎33番ほか
H19.5.25
H20.1.26
8,392
36.マルナカ大寺店
板野町大寺字平田39
H19.6.11
H20.2.12
2,371
37.コーナンホームストック徳島海南店
海陽町大里松の本44番1
H19.8.23
H20.4.24
1,884
38.スーパードラッグコスモス藍住店
藍住町笠木字西野29-1
H19.10.1
H20.6.2
1,323
39.ノヴィル大松店
徳島市大松町榎原外63-3外
H19.10.11
H20.6.12
5,193
40.スーパードラッグコスモス鳴門南店
鳴門市大津町吉永字中越206番地1
H19.11.22
H20.7.23
1,254
41.ケーズデンキ脇町店
美馬市脇町大字猪尻字建神社下南106番地1ほか
H20.6.17
H21.2.18
3,980
42.ヤマダ電機テックランド松茂店
松茂町広島字小ハリ25番1外11筆
H20.10.10
H21.6.11
3,494
43.ホームプラザナフコ鳴門店
鳴門市里浦町粟津字西開168番1ほか
H21.1.18
H21.9.9
6,670
44.ファミリー両国国府店
徳島市国府町早淵字久保40番地1
H21.3.20
H21.11.26
1,567
45.ディオ小松島店
小松島市立江町字青森1-2
H21.7.6
H22.3.6
2,039
46.スーパードラッグコスモス上板店
上板町椎本字寺ノ前583番1
H21.10.30
H22.7.1
1,497
47.ケーズデンキ阿南店
阿南市日開野町南居内501-1
H21.10.30
H22.7.1
5,302
48.ドラッグコスモス鴨島店
吉野川市鴨島町上下島松元422-2番地
H22.2.26
H22.10.27
1,638
49.ニトリ徳島北店
松茂町広島字小ハリ21-3
H22.4.27
H22.12.28
5.106
注:「新設予定日」とは、大規模小売店舗立地法の新設届出時における新設予定日を表しており、実際の開店日とは一致しない場合がある。
資料:徳島県ホームページ(大規模小売店舗立地法について)
98
(卸小売−6- 2)大規模小売店舗立地法届出(新設)
2014年1月14日現在
店 舗 名
所 在 地
届出受理日
50.ドラッグコスモス国府店
51.ホームセンターコーナン徳島藍住店 農業館
52.ケーズデンキ鳴門店
53.セブン富岡店
54.ドラッグコスモス八万店
55.ゆめタウン徳島
56.ドラッグコスモス鯛浜店
57.ホームセンターコーナン徳島住吉店
58.セブン大林店
59.ドラッグコスモス北島店
60.ドラッグコスモス北佐古店
61.主婦の店西須賀店ドラッグストアセガミ徳島西須賀店
62.ドラッグコスモス阿波店
63.ダイレックス藍住店
64.セブン安宅店
65.キョーエイ福島店
66.ドラッグコスモス住吉店
67.ドラッグコスモス小松島大林店
68.キョーエイ新鳴門店
69. ハローズ小松島店
70.ドラッグコスモス板野店
71.ドラッグストアモリ藍住店
72.ザ・ビッグエクストラ阿南店
73.ドラッグコスモス脇町店
74. ハローズ鳴門店
75.ドラッグコスモス阿南店
76.マルナカ二軒屋店
77. ハローズ北島店
78.ドラッグストアモリ徳島鳴門駅前店
徳島市国府町井戸字高池窪21-3
板野郡藍住町住吉千鳥ヶ浜37番1
鳴門市大津町吉永字長江の越600-1
阿南市富岡町木松2番の一部ほか
徳島市八万町下福万149-5ほか
板野郡藍住町字奥野83番地1ほか
板野郡北島町鯛浜字原151-1ほか
徳島市住吉六丁目89番1ほか
小松島市大林町字宮ノ本75番1ほか
板野郡北島町江尻字松ノ本5番24ほか
徳島市北佐古一番町108-1ほか
徳島市西須賀町東開46番1ほか
阿波市阿波町大道北132番地ほか
板野郡藍住町笠木字東野55番地
徳島市安宅2丁目235番1外15筆
徳島市福島1丁目10番50号
徳島市住吉5丁目120番ほか
小松島市大林町
鳴門市撫養町立岩字七枚249番地ほか
小松島市日開野町35番11ほか
板野郡板野町犬伏字東11番地3
板野郡藍住町勝瑞字新田1番1ほか
阿南市領家町天神前447番1
美馬市脇町1708番地4ほか
鳴門市大津町吉永436-2ほか
阿南市日開野町西居内421番ほか
徳島市南二軒屋町三丁目1番地18ほか
板野郡北島町鯛浜字西ノ須22番ほか
鳴門市撫養町小桑島字前浜254番地ほか
H22.10.7
H22.10.29
H23.1.28
H23.3.7
H23.3.22
H23.4.27
H23.5.31
H23.7.22
H23.7.22
H23.7.29
H23.7.29
H23.8.22
H23.10.3
H23.10.26
H23.12.5
H24.1.6
H24.5.22
H24.5.22
H24.6.26
H25.1.16
H25.2.26
H25.3.5
H25.4.12
H25.5.2
H25.5.8
H25.7.1
H25.8.8
H25.10.15
H25.12.25
届出事項
新設予定日 店舗面積(㎡)
H23.6.8
H23.6.30
H23.9.29
H23.11.8
H23.11.23
H23.12.28
H24.2.1
H24.3.23
H24.3.23
H24.3.30
H24.3.30
H24.4.22
H23.6.4
H24.6.27
H24.8.6
H24.9.7
H25.1.22
H25.1.22
H25.3.1
H25.9.17
H25.10.27
H25.11.6
H25.12.13
H26.1.3
H26.1.9
H26.3.2
H26.4.9
H26.6.16
H26.8.26
1,215
2,681
3,075
1,495
1,655
40,000
1,247
3,775
1,168
1,166
1,324
1,158
1,653
1,159
1,616
1,161
1,654
1,226
1,958
2,241
1,821
1,410
6,663
1,820
3,844
1,860
1,606
2,041
1,298
注:「新設予定日」とは、大規模小売店舗立地法の新設届出時における新設予定日を表しており、実際の開店日とは一致しない場合がある。
資料:徳島県ホームページ(大規模小売店舗立地法について)
■中心市街地の小売業
中心市街地の小売業の振興にあたっては、競合相手となる大型店の進出に対して規制と誘
導がなされる一方で中心市街地の商業を振興していくための対策がなされてきた。
2000 年の大規模小売店舗法廃止
(新たに大規模小売店舗立地法制定)に対しては、中心市
街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律
(中心市街地
活性化法)
が 1998 年に施行された。
2006 年8月に中心市街地活性化法が改正され、これまでに国へ提出された中心市街地活
性化基本計画は白紙に戻った。全国の多くの地域で中心市街地活性化策が効を奏していない
ことから「選択と集中の方針」のもとに、実効性の高い「基本計画」のみを認定し、
「推進
組織」として多様な民間主体が参画する中心市街地活性化協議会を法制化することとなった
が、県内では改正法にもとづく基本計画は策定されていない。
徳島新聞社と徳島県商店街振興組合連合会青年部が内町・新町地区の商店を対象に 2011
年に実施したアンケート調査によると、商店の約8割が最近5年間で顧客数が減少したと
答えており
(
「徐々に減少した
(51%)
」、
「大幅減
(27%)
」
)、5年後の売り上げ予測についても
「減少する」が 51% 、
「横ばい」が 20%、
「上昇する」はわずか6%とかなり厳しくみている。
99
商店街活性化に必要な取り組みは何かについては
(複数回答)
、「空き店舗対策
(63%)
」
、「個
店の魅力向上
(59%)
」
、
「積極的なイベント展開
(48%)」が上位に並んでいる。中心市街地で
は「とくしまマルシェ」をはじめとする様々なイベントが開催されているが、こうしたイベ
ントに対しては、商店の約7割が商店街活性化に「必要だ」と答えている。
2010 年 12 月 26 日から毎月最終日曜日に「とくしまマルシェ」が新町川ボードウォークで
開催されており、中心市街地に活性化をもたらしている。
「とくしまマルシェ」は公益財団
法人徳島経済研究所などが主催するヨーロッパの市場をイメージした産直市で、農業ビジネ
ス、観光、中心市街地の3つの活性化を同時に図る目的で開催されており、来場者数平均
1万2千人超を集めるイベントに定着している。
東京と徳島にアニメ制作スタジオを構える「ユーフォーテーブル」が 2012 年3月にアニ
メ映画館「ユーフォーテーブル・シネマ」を新町地区(東新町一丁目商店街)
にオープンさせ
た。中心市街地には 2006 年9月に映画館が閉鎖して以来6年ぶりの開館である。また中心
市街地で 2009 年より開催されているアニメイベント「マチ☆アソビ」の企画・運営を担う
NPO法人マチ☆アソビが 2012 年5月に設立された。
徳島市と周辺 11 市町村が内町地区
(徳島駅前再開発ビル)に観光情報の発信や特産品を販
売する拠点「とくしま旅づくりネット」を 2012 年4月にオープンさせた。また、徳島市は
2012 年4月に徳島市中央公民館内にあった市立図書館を内町地区(徳島駅前再開発ビル)に
移転オープンさせた。新図書館は旧図書館の3倍の広さで、蔵書数は 1.7 倍に増やす計画で
ある。
西新町においては、徳島市が新町西地区市街地再開発事業を 2012 年 11 月に都市計画決定
した。2013 年 7 月に徳島市は再開発準備組合に加入した。2016 年度末の完成を目指して、
2013 年度末には事業主体となる再開発組合を設立し、権利者への補償額を算定して事業計
画を作成し、基本設計を進める予定となっている。計画区域の総面積は 1.8ha、区域内には
大小2つの新ホールのほか、権利者用の共同住宅
(1∼2階商業施設、3∼5階住宅)
、商業
施設、新町川沿いに周遊船の拠点となる川の駅を設ける。音楽芸術ホールの規模は、大ホー
ル 1,500 席、小ホール 300 席、高さは 29m、総事業費は 169 億円が予定されている。
(大谷 博)
100
サービス業
一国における産業構造の変化では、就業者数、総生産額のいずれにおいても、製造業の比
率が低下し、サービス業の比率が上昇する、いわゆる「経済のサービス化」が進展する。こ
の「経済のサービス化」の基本的な要因は、経済発展による人々の所得水準上昇に伴い、消
費需要の質が変化することにあるが、日本では昭和 40 年代後半の高度経済成長期頃から顕
著に見られるようになった。
近年では、すでに生活必需品のみならず家電製品、自動車等の工業製品は一通り普及し、
社会資本整備も相当進んできている。これにより、物質的な欲求は一応充足され、より個
別、多様なニーズを満たすためのサービスへの欲求が高まり、物の豊かさを重視した時代か
ら、精神的な豊かさにより重点を置く時代へと移り変ってきたのである。
こうした様々なサービス需要に応える供給側の産業として、サービス業は第1次、第2次
産業からの労働力を吸収しながら成長を続け、今後の日本経済を支える重要な産業となっ
た。徳島県においても、経済全体に占めるサービス業のウェイトは高く、地域経済を牽引す
る産業として、その発展が期待されている。
ところで、一口にサービス業といってもその提供する「サービス」は、まさに多種多様で
ある。クリーニングや理容・美容業といった生活関連サービスがあれば、映画館、遊園地な
どの娯楽業や旅行、ホテル・旅館といった余暇関連もある。また、労働者派遣業や警備業、
情報サービス業といった対事業所サービス、さらには医療や介護、社会福祉といった公共
サービスの分野なども、広義においてはサービス業に含まれ、その具体的内容は多岐にわ
たっている。新規参入が比較的容易である反面、流行の変化も激しいことなどがこの産業の
特性と言えよう。
サービス業は、人々の意識や欲求を強く反映する産業であり、その時代のライフスタイル
や生活習慣の変化にも敏感である。近年における核家族化や長寿化の進展、少子化、高学歴
化、女性の社会進出、ITの普及といった社会的変化は、消費者の新たなニーズを生み、こ
れに呼応するかたちで、現在もまた新たなビジネスが誕生している。
■サービス業の範囲と産業分類改定
日本標準産業分類は 1949 年の設定以来、日本の産業構造の変化を踏まえ、その都度改定
が重ねられてきたが、2002 年 3 月の第 11 回改定において、当時のサービス業のウェイト上昇
を背景として、産業大分類の項目数が従前の 14 から 19 に増加された。すなわちこれまでの
大分類「サービス業」が、新設された5つの大分類項目「情報通信業」
、
「飲食店,宿泊業」
、
「医療,福祉」
、
「教育,学習支援業」
、
「複合サービス事業」と、残余の「サービス業」
(他に
101
(サービス業−1)日本標準産業分類の新旧対照表(サービス業関連の変更点を中心に抜粋)
〈第11回改定/2002.3告示、2002.10適用〉
〈第12回改定/2007.11告示、2008.4適用〉
G 情報通信業
37 通信業
H 情報通信業
37 通信業
(H 運輸業,郵便業)
49 郵便業(信書便事業を含む)
(I 運輸業)
(J 卸売・小売業)
57 飲食料品小売業
(K 金融・保険業)
(I 卸売業,小売業)
58 飲食料品小売業
61 無店舗小売業
(L 不動産業)
(J 金融業,保険業)
K 不動産業,物品賃貸業
70 物品賃貸業
M 飲食店,宿泊業
70 一般飲食店
71 遊興飲食店
72 宿泊業
}
L 学術研究,専門・技術サービス業
71 学術・開発研究機関
72 専門サービス業(他に分類されないもの)
73 広告業
74 技術サービス業(他に分類されないもの)
N 医療,福祉
73 医療業
74 保健衛生
75 社会保険・社会福祉・介護事業
M 宿泊業,飲食サービス業
O 教育,学習支援業
76 学校教育
77 その他の教育,学習支援業
75 宿泊業
76 飲食店
77 持ち帰り・配達飲食サービス業
P 複合サービス事業
78 郵便局(別掲を除く)
79 協同組合(他に分類されないもの)
{
N 生活関連サービス業,娯楽業
78 洗濯・理容・美容・浴場業
79 その他の生活関連サービス業
80 娯楽業
Q サービス業(他に分類されないもの)
80 専門サービス業(他に分類されないもの)
81 学術・開発研究機関
82 洗濯・理容・美容・浴場業
83 その他の生活関連サービス業
84 娯楽業
85 廃棄物処理業
86 自動車整備業
87 機械等修理業(別掲を除く)
88 物品賃貸業
89 広告業
90 その他の事業サービス業
91 政治・経済・文化団体
92 宗教
93 その他のサービス業
94 外国公務
}
O 教育,学習支援業
81 学校教育
82 その他の教育,学習支援業
P 医療,福祉
83 医療業
84 保健衛生
85 社会保険・社会福祉・介護事業
Q 複合サービス事業
86 郵便局
87 協同組合(他に分類されないもの)
注:表中のアルファベットは大分類を、2 ケタの数字は中分類を表す。
注:本稿での「サービス業」は、便宜的に、第 12 回改定後の「G情報通
信業」
「L学術研究,専門・技術サービス業」
「M宿泊業,飲食サービ
ス業」
「N生活関連サービス業,娯楽業」
「O教育,学習支援業」
「P
医療,福祉」
「Q複合サービス事業」
「Rサービス業(他に分類されな
R サービス業(他に分類されないもの)
88 廃棄物処理業
89 自動車整備業
90 機械等修理業(別掲を除く)
91 職業紹介・労働者派遣業
92 その他の事業サービス業
93 政治・経済・文化団体
94 宗教
95 その他のサービス業
96 外国公務
いもの)
」の大分類8項目と、
「K不動産業,物品賃貸業」における
「70 物品賃貸業」の中分類1項目とを合算して取り扱っている。
資料:総務省「日本標準産業分類」
(2007 年 11 月改定)を参考に当研究所作成
102
分類されないもの)の計6項目に分割された。その際「医療,福祉」
、
「教育,学習支援業」
は、従前の「サービス業」からの移行、分離であったが、
「情報通信業」や「飲食店,宿泊
業」
、
「複合サービス事業」
、残余の「サービス業」
(他に分類されないもの)は、旧「運輸・
通信業」や「卸売・小売業、飲食店」など、従前の「サービス業」以外からの移行も一部含
まれている。一方で、旧「サービス業」の駐車場業は「不動産業」へ移され、残余の「サー
ビス業」
(他に分類されないもの)
から逆に外れるなど、業種が一部シャッフルされたかたち
となった。
この日本標準産業分類によるサービス業の分類については、その後の 2007 年 11 月の第 12
回改定においても、経済のサービス化進展に伴う産業構造の変化に適合させるため、また同
時に国際的な産業分類との比較を可能とするため、
「学術研究,専門・技術サービス業」と
「生活関連サービス業,娯楽業」の2つの大分類を新設、分離するなど、大幅な見直しがなさ
れており、産業分類における「サービス業」の取り扱いには注意を要する。本稿での「サー
ビス業」は、便宜的に、第 12 回改定後の「情報通信業」
、
「学術研究,専門・技術サービス
業」
、
「宿泊業,飲食サービス業」
、
「生活関連サービス業,娯楽業」
、
「教育,学習支援業」
、
「医療,福祉」
、
「複合サービス事業」
、
「サービス業
(他に分類されないもの)
」の大分類8項
目と、
「不動産業,物品賃貸業」における中分類「物品賃貸業」の1項目とを合算して取り
扱っている
(サービス業− 1)
。
■徳島県のサービス業の特徴
2001 ∼ 2011 年度の県内総生産における業種別構成比の推移を見ると
(産業構造− 8 参
照)
、製造業の次にウェイトの高いサービス業は、好調な製造業に一時期押されるかたちで
比率を下げたものの、2009 年には 18.6%にまで上昇した。
従業者規模別による 2012 年の事業所割合を見ると
(サービス業− 2)
、徳島県は 1 ∼ 4 人規
模が 65.7%と最も高く、次いで 5 ∼ 9 人が 17.2%、 10 人∼ 19 人が 9.3%と続き、従業者規模 10
人未満の事業所が全体の 82.9%を占めている。また全国との比較においては、1 ∼ 4 人規模
の事業所割合が全国の割合よりも高く、相対的に小規模であることが分かる。同様に規模別
の従業者割合では、1 ∼ 4 人規模での割合が 16.4%と最も高く、次いで 10 人∼ 19 人が 15.8%、
5 ∼ 9 人が 14.1%と続き、従業者全体の約半数
(46.3%)
が 20 人未満の規模先に従事している。
全国との比較においては、20 人未満の規模先は全国
(39.5%)より徳島県の割合が高い反面、
100 人以上の大規模先については全国
(29.0%)
の方が 6.3 ポイント高くなっている。
■「事業所・企業統計調査∼経済センサス−活動調査」から見た事業所、従業者の推移
徳島県内サービス業の事業所数、従業者数の推移を 2001 年∼ 2012 年の 11 年間で見てみる
と
(サービス業− 3、4、5)
、事業所数は▲ 1.9%、従業者数は+ 24.9%となっており、いずれ
103
20∼29人 95,655
(4.0%)
30∼49人 66,694
(2.8%)
50∼99人 42,026
(1.7%)
10∼19人 (所)
100∼199人 16,424
(0.7%)
200∼299人 4,650(0.2%)
5∼9人
263,612
300人以上 5,652(0.2%)
461,274
(10.9%)
(19.1%)
派遣従業者のみ
9,624
(0.4%)
10∼19人
20∼29人 509
(3.0%)
5∼9人
1,559
2,877
30∼49人 336
(2.0%)
(17.2%) (9.3%)
50∼99人 247
(1.5%)
100∼199人 83
(0.5%)
70
80
90
100 200∼299人 24
(0.1%)
(%) 300人以上 21
(0.1%)
派遣従業者のみ
79(0.5%)
200∼299人 1,124,720
(4.6%)
(人)
(サービス業−2)従業者規模別による事業所割合、従業者割合(2012年、民営)
〈事業所割合〉
全 国
1∼4人
1,453,859(60.1%)
徳島県
1∼4人
10,973(65.7%)
0
10
20
30
40
50
60
〈従業者割合〉
1∼4人
5∼9人
3,044,400
3,017,732
(12.5%) (12.4%)
全 国
1∼4人
21,793
(16.4%)
徳島県
0
10
10∼19人 20∼29人 30∼49人 50∼99人 100∼199人
3,546,368 2,276,384 2,500,038 2,868,177 2,233,253
(14.6%) (9.4%) (10.3%) (11.8%) (9.2%)
5∼9人
18,735
(14.1%)
20
30
10∼19人
20,903
(15.8%)
40
20∼29人 30∼49人 50∼99人 100∼199人
11,550
12,091 12,555
16,302
(9.1%) (9.5%) (12.3%) (8.7%)
50
60
70
80
300人以上
3,706,292
(15.2%)
300人以上
12,508
(9.4%)
90
200∼299人
6,129
(4.6%)
100
(%)
注:ここでの「サービス業」は、図表(サービス業−1)の範囲と同じ。
資料:総務省「2012年経済センサス−活動調査」
も全国の伸び率を上回っている。この間特に従業者数の伸びが大きく、複合サービス事業
(▲ 9.3%)
と生活関連サービス業、娯楽業
(▲ 0.7%)
を除きプラスとなっている。
中でも「医療,福祉」と「サービス業
(他に分類されないもの)
」における伸びが著しく、
2001 ∼ 06 年および 2006 ∼ 12 年の間で、事業所数、従業者数ともに一貫して増加している。
「医療、福祉」では高齢社会の進展を映し、医療業や社会保険・社会福祉・介護事業が大
幅に増加したほか、
「サービス業
(他に分類されないもの)
」では廃棄物処理業やその他の事
業サービス業
(ビルメンテナンス業を含む建物サービス業や警備業等)などの伸びが大きく
なっている。なお従業者数の伸び率が大きい「教育,学習支援業」については、これまで
「国、地方公共団体等」として調査されていた国立大学法人等が、経営組織の区分変更によ
り、2006 年の調査時点で新設の民営事業所として学校教育に分類されたことが影響してい
る
(同様の理由で日本郵政公社は「複合サービス事業」
(郵便局)
と「運輸業,郵便業」
(郵便
業−信書便事業を含む)
に再分類)
。また労働者派遣業においては、1986 年に施行された労働
者派遣法が、規制緩和の流れの中で派遣対象が広げられ、製造業への派遣が解禁された 2004
年以降急拡大したが、2008 年秋のリーマンショック後の不況に伴う派遣の雇い止め
(派遣切
り)
が相次ぎ、社会問題化したことなどから、派遣労働の市場は急速に縮んだ。さらに 2012
年には改正労働者派遣法が成立し、規制強化で今後も派遣離れが進むと見られている。
一方同じ大分類の中でも、中分類で見れば増・減で明暗が分かれる業種も見受けられる。
例えば「情報通信業」では、この間通信業が事業所数、従業者数ともに大幅なマイナスとな
る中で、情報サービス業
(ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業等)
やインターネット
付随サービス業は一貫して増加傾向にあり、近年のインターネットの爆発的な普及や情報処
104
(サービス業−3)徳島県内サービス業の民営事業所数の推移
産
業
大
分
事 業 所 数
類
2001∼2006
産業中分類(一部小分類を含む)
G
264
▲ 31
▲ 11.6
27
11.4
88
54
▲ 46
▲ 34.3
▲ 34
▲ 38.6
放
送
業
15
18
21
3
20.0
3
16.7
業
56
67
111
11
19.6
44
65.7
インターネット附随サービス業
5
11
12
6
120.0
1
9.1
映 像・音 声・文 字 情 報 制 作 業
58
53
59
▲5
▲ 8.6
6
11.3
不 動 産 業,物 品 賃 貸 業
報
サ
信
ー
ビ
ス
2,076
1,924
2,280
▲ 152
▲ 7.3
356
18.5
業
211
204
196
▲7
▲ 3.3
▲8
▲ 3.9
学術研究,専門・技術サービス業
品
賃
貸
1,193
1,182
1,240
▲ 11
▲ 0.9
58
4.9
関
5
20
21
15
300.0
1
5.0
業
579
576
589
▲3
▲ 0.5
13
2.3
業
29
34
39
5
17.2
5
14.7
業
580
552
580
▲ 28
▲ 4.8
28
5.1
宿 泊 業,飲 食 サ ー ビ ス 業
5,620
5,178
4,598
▲ 442
▲ 7.9
▲ 580
▲ 11.2
術・開
門
発
サ
研
ー
究
機
ビ
ス
告
術
サ
ー
ビ
ス
宿
泊
業
434
404
350
▲ 30
▲ 6.9
▲ 54
▲ 13.4
飲
食
店
4,841
4,507
3,835
▲ 334
▲ 6.9
▲ 672
▲ 14.9
持 ち 帰 り・配 達 飲 食 サ ー ビ ス 業
345
267
376
▲ 78
▲ 22.6
109
40.8
生 活 関 連 サ ー ビ ス 業,娯 楽 業
4,076
3,911
3,697
▲ 165
▲ 4.0
▲ 214
▲ 5.5
洗 濯・理 容・美 容・浴 場 業
3,336
3,221
2,997
▲ 115
▲ 3.4
▲ 224
▲ 7.0
その他の生活関連サービス業
388
367
332
▲ 21
▲ 5.4
▲ 35
▲ 9.5
業
63
57
48
▲6
▲ 9.5
▲9
▲ 15.8
業
42
48
6
14.3
業
9
10
1
11.1
21
36.2
業
352
323
357
▲ 29
▲ 8.2
34
10.5
ス ポ ー ツ 施 設 提 供 業
82
80
101
▲2
▲ 2.4
21
26.3
場
154
129
129
▲ 25
▲ 16.2
0
0.0
業
1,072
1,079
1,050
7
0.7
▲ 29
▲ 2.7
育
56
65
67
9
16.1
2
3.1
行
葬
儀
結
婚
式
娯
場
楽
遊
戯
教
育 , 学
学
校
習
支
援
教
79
1,016
1,014
983
▲2
▲ 0.2
▲ 31
▲ 3.1
祉
1,913
2,179
2,573
266
13.9
394
18.1
業
1,521
1,577
1,613
56
3.7
36
2.3
生
11
12
12
1
9.1
0
0.0
社 会 保 険・社 会 福 祉・介 護 事 業
381
590
946
209
54.9
356
60.3
業
345
496
323
151
43.8
▲ 173
▲ 34.9
局
30
228
229
198
660.0
1
0.4
協同組合(他に分類されないもの)
315
268
94
▲ 47
▲ 14.9
▲ 174
▲ 64.9
サービス業(他に分類されないもの)
2,336
2,506
2,767
10.4
そ の 他 の 教 育,学 習 支 援 業
医
療
,
医
複
福
療
保
健
合
サ
衛
ー
郵
R
増加率
(%)
237
旅
Q
増減数
(所)
134
技
P
増加率
(%)
268
通
広
O
増減数
(所)
業
専
N
2006∼2012
業
学
M
2012
信
報
物
L
2006
通
情
情
K
2001
ビ
ス
事
便
170
7.3
261
廃
棄
物
処
理
業
96
102
129
6
6.3
27
26.5
自
動
車
整
備
業
523
726
646
203
38.8
▲ 80
▲ 11.0
機 械 等 修 理 業(別 掲 を 除 く)
189
186
159
▲3
▲ 1.6
▲ 27
▲ 14.5
職 業 紹 介・労 働 者 派 遣 業
50
66
87
16
32.0
21
31.8
そ の 他 の 事 業 サ ー ビ ス 業
307
293
355
▲ 14
▲ 4.6
62
21.2
政
体
312
314
433
2
0.6
119
37.9
教
854
812
874
▲ 42
▲ 4.9
62
7.6
そ の 他 の サ ー ビ ス 業
5
7
15
2
40.0
8
114.3
サ ー ビ ス 業 計(大8+中1)
17,034
16,972
16,708
▲ 62
▲ 0.4
▲ 264
▲ 1.6
宗
治・経
済・文
化
団
注:ここでの「サービス業」は、図表(サービス業−1)の範囲と同じ。
資料:総務省「2006 年事業所・企業統計調査(2007 年 11 月改定の新産業分類による特別集計)」
、
「2012 年経済センサス−活動調査」
105
(サービス業−4)徳島県内サービス業の(民営事業所)
従業者数の推移
産
業
大
分
従 業 者 数
類
2001∼2006
産業中分類(一部小分類を含む)
G
4,078
3,874
515
14.5
▲ 204
▲ 5.0
1,418
951
▲ 23
▲ 1.6
▲ 467
▲ 32.9
放
送
業
550
476
536
▲ 74
▲ 13.5
60
12.6
業
824
1,482
1,665
658
79.9
183
12.3
インターネット附随サービス業
24
42
52
18
75.0
10
23.8
映 像・音 声・文 字 情 報 制 作 業
724
660
614
▲ 64
▲ 8.8
▲ 46
▲ 7.0
不 動 産 業,物 品 賃 貸 業
報
サ
信
ー
ビ
ス
5,811
5,394
6,355
▲ 417
▲ 7.2
961
17.8
業
1,320
1,469
1,414
149
11.3
▲ 55
▲ 3.7
学術研究,専門・技術サービス業
品
賃
貸
6,162
5,927
6,310
▲ 235
▲ 3.8
383
6.5
関
62
221
346
159
256.5
125
56.6
業
2,318
2,254
2,477
▲ 64
▲ 2.8
223
9.9
業
194
184
174
▲ 10
▲ 5.2
▲ 10
▲ 5.4
業
3,588
3,268
3,244
▲ 320
▲ 8.9
▲ 24
▲ 0.7
宿 泊 業,飲 食 サ ー ビ ス 業
27,815
26,252
28,019 ▲ 1,563
▲ 5.6
1,767
6.7
術・開
門
発
サ
研
ー
究
機
ビ
ス
告
術
サ
ー
ビ
ス
宿
泊
業
4,251
4,197
4,221
▲ 54
▲ 1.3
24
0.6
飲
食
店
20,812
20,354
20,328
▲ 458
▲ 2.2
▲ 26
▲ 0.1
97.3
持 ち 帰 り・配 達 飲 食 サ ー ビ ス 業
2,752
1,701
3,356
▲ 1,051
▲ 38.2
1,655
生 活 関 連 サ ー ビ ス 業,娯 楽 業
13,841
13,593
13,741
▲ 248
▲ 1.8
148
1.1
洗 濯・理 容・美 容・浴 場 業
7,383
7,035
6,867
▲ 348
▲ 4.7
▲ 168
▲ 2.4
その他の生活関連サービス業
1,942
1,863
1,930
▲ 79
▲ 4.1
67
3.6
業
438
395
249
▲ 43
▲ 9.8
▲ 146
▲ 37.0
業
449
514
65
14.5
業
219
247
28
12.8
231
30.4
業
4,516
4,695
4,882
179
4.0
187
4.0
ス ポ ー ツ 施 設 提 供 業
1,456
1,284
1,268
▲ 172
▲ 11.8
▲ 16
▲ 1.2
旅
行
葬
儀
結
婚
式
娯
場
楽
遊
戯
教
育 , 学
学
校
習
支
援
教
場
2,466
2,647
2,604
181
7.3
▲ 43
▲ 1.6
5,269
7,090
9,131
1,821
34.6
2,041
28.8
育
1,590
3,265
5,370
1,675
105.3
2,105
64.5
3,679
3,825
3,761
146
4.0
▲ 64
▲ 1.7
祉
29,309
37,327
46,956
8,018
27.4
9,629
25.8
業
20,978
24,259
27,698
3,281
15.6
3,439
14.2
生
60
100
192
40
66.7
92
92.0
社 会 保 険・社 会 福 祉・介 護 事 業
8,271
12,968
19,029
4,697
56.8
6,061
46.7
3,724
5,463
3,376
1,739
46.7 ▲ 2,087
▲ 38.2
医
療
,
医
複
福
療
保
健
合
サ
衛
ー
ビ
ス
事
業
56
2,226
1,341
2,170
3875.0
▲ 885
▲ 39.8
協同組合(他に分類されないもの)
3,668
3,237
2,035
▲ 431
▲ 11.8
▲ 1,202
▲ 37.1
サービス業(他に分類されないもの)
15,096
18,617
19,745
郵
R
992
業
そ の 他 の 教 育,学 習 支 援 業
Q
増加率
(%)
1,441
技
P
増減数
(所)
3,563
通
広
O
増加率
(%)
業
専
N
増減数
(所)
2006∼2012
業
学
M
2012
信
報
物
L
2006
通
情
情
K
2001
便
局
3,521
23.3
1,128
6.1
廃
棄
物
処
理
業
910
1,070
1,366
160
17.6
296
27.7
自
動
車
整
備
業
2,003
2,740
2,320
737
36.8
▲ 420
▲ 15.3
785
805
835
20
2.5
30
3.7
職 業 紹 介・労 働 者 派 遣 業
1,496
3,950
2,967
2,454
164.0
▲ 983
▲ 24.9
そ の 他 の 事 業 サ ー ビ ス 業
6,281
6,483
7,849
202
3.2
1,366
21.1
政
体
1,370
1,458
1,969
88
6.4
511
35.0
教
2,196
2,055
2,052
▲ 141
▲ 6.4
▲3
▲ 0.1
そ の 他 の サ ー ビ ス 業
55
56
77
1
1.8
21
37.5
サ ー ビ ス 業 計(大8+中1)
106,099
119,816
132,566
13,717
12.9
12,750
10.6
機 械 等 修 理 業(別 掲 を 除 く)
宗
治・経
済・文
化
団
注:ここでの「サービス業」は、図表(サービス業−1)の範囲と同じ。
資料:総務省「2006 年事業所・企業統計調査(2007 年 11 月改定の新産業分類による特別集計)」
、「2012 年経済センサス−活動調査」
106
(サービス業−5)第3次産業
(大分類別)の民営事業所数、従業者数の推移
2001年
2012年
2001年→2012年(%)
産業大分類
事業所数
従業者数
事業所数
従業者数
事業所数増減率 従業者数増減率
(物品賃貸業
徳島県
全 国
徳島県
全 国
徳島県
全 国
徳島県
全 国
徳島県 全国 徳島県 全国
のみ中分類)
(構成比)(構成比)(構成比)(構成比)(構成比)(構成比)(構成比)(構成比)
3,470
209,393
3,935
201,426
30
1,242
31
電気・ガス・熱
1,017
3.3 13.4 ▲ 18.1 ▲ 3.8
供給・水道業
0.1
0.4
0.1
0.4
0.1
0.4
0.1
0.3
61,633
67,204
268
3,563 1,434,848
264
3,874 1,627,310
8.7 13.4
9.0
▲ 1.5
情報通信業
1.0
2.6
1.2
2.9
0.6
1.1
0.7
1.3
137,647 13,023 2,923,147
135,468 15,028 3,301,682
823
874
6.2 ▲ 1.6 15.4 12.9
運輸業、郵便業
2.2
5.3
2.5
5.9
1.9
4.2
2.3
4.9
14,125 1,774,908 75,717 12,932,746
10,187 1,405,021 61,401 11,746,468
▲ 27.9 ▲ 20.8 ▲ 18.9 ▲ 9.2
卸売業、小売業
28.9
23.6
25.8
21.0
32.8
24.4
27.2
20.1
96,462
88,831
678
9,255 1,625,241
704
9,355 1,589,449
1.1 ▲ 2.2
3.8 ▲ 7.9
金融業、保険業
1.6
3.0
1.6
2.8
1.6
3.0
1.9
3.1
359,058
379,719
2,076
5,811 1,289,535
2,280
不動産業、
6,355 1,473,840
9.4 14.3
5.8
9.8
物品賃貸業
5.8
2.3
7.0
2.6
4.8
1.9
6.1
2.1
1.2
7.1
【再掲】物品賃貸業
32,266
291,474
30,649
294,957 ▲ 7.1 ▲ 5.0
211
1,320
196
1,414
219,527
219,470
1,193
6,162 1,630,017
学術研究、
1,240
6,310 1,663,790
2.1
2.4
3.9 ▲ 0.0
専門・技術サービス業
3.6
3.0
4.0
3.0
2.8
2.0
3.3
2.1
897,083 27,815 5,462,187
711,733 28,019 5,420,832
5,620
宿泊業、
4,598
0.7 ▲ 0.8
▲ 18.2 ▲ 20.7
飲食サービス業
14.6
9.9
13.1
9.7
13.0
9.0
12.3
9.2
535,293 13,841 2,604,116
480,617 13,741 2,545,797
4,076
生活関連サービス業、
3,697
▲ 9.3 ▲ 10.2 ▲ 0.7 ▲ 2.2
娯楽業
8.7
4.7
8.8
4.6
9.5
4.5
9.9
4.5
166,987
161,287
1,072
5,269 1,282,468
教育、
1,050
9,131 1,721,559
▲ 2.1 ▲ 3.4 73.3 34.2
学習支援業
2.7
2.3
3.0
3.1
2.5
1.7
2.8
3.0
260,178 29,309 3,674,368
358,997 46,956 6,178,938
1,913
2,573
医療・福祉
34.5 38.0 60.2 68.2
4.2
6.7
6.6
11.1
4.4
9.4
6.9
15.3
33,825
388,452
33,357
342,426
345
3,724
323
3,376
複合サービス事業
▲ 6.4 ▲ 1.4 ▲ 9.3 ▲ 11.8
0.6
0.7
0.6
0.6
0.8
1.2
0.9
1.1
318,746 15,096 3,280,882
356,156 19,745 4,521,755
サービス業(他に分
2,336
2,767
18.5 11.7 30.8 37.8
類されないもの)
5.2
6.0
6.5
8.1
5.4
4.9
7.4
6.5
17,034 2,525,538 106,099 20,048,812
16,708 2,419,470 132,566 24,317,364
サービス業 計
▲ 1.9 ▲ 4.2 24.9 21.3
(大8+中1)
41.1
36.5
44.4
43.6
39.5
34.2
44.6
43.3
34,555 4,864,817 209,827 38,737,400
30,588 4,401,795 224,308 42,335,272
第3次産業 合計
9.3
6.9
▲ 11.5 ▲ 9.5
79.3
70.5
80.7
75.8
80.1
67.6
81.7
73.3
注:ここでの「サービス業」は、図表(サービス業−1)の範囲と同じ。
注:構成比は各分類の全産業に占める割合を表している。
資料:総務省「2006 年事業所・企業統計調査(2007 年 11 月改定の新産業分類による特別集計)」、
「2012 年経済センサス−活動調査」
理技術の進歩・革新といった時代背景をよく映している。さらに「宿泊業,飲食サービス
業」においては、飲食店が事業所数、従業者数ともに一貫して落ち込む中で、近年では持
ち帰り・配達飲食サービス業が急増してきている。
「生活関連産サービス業,娯楽業」では、
洗濯・理容・美容・浴場業や旅行業においてマイナスが続いているが、その反面、葬儀業や
結婚式場業、娯楽業
(フィットネスクラブ等のスポーツ施設提供業、パチンコホールやゲー
ムセンター等の遊戯場、カラオケボックスや場外券売場等その他の娯楽業)
などは増加傾向
にある。こうした業種は、新規参入が容易で競争が厳しいうえ、その商圏は比較的狭い範囲
に限定されるため、地域の人口動態や家計消費動向に左右されるといった面を持つ。徳島県
はすでに人口減少社会に突入しているが、人口減の著しい地域ほど、今後サービス業も急速
に衰えていく可能性が指摘される。
107
■都道府県別にみた徳島県のサービス業
2012 年の徳島県のサービス業を他県と比較すると
(サービス業− 6)
、人口 1000 人あたりの
事業所数は 21.5 で全国 13 位、
総従業者数に占めるサービス業従業者数の割合も 43.3%で同 17
位と、それぞれ全国上位に位置し、比較的発展していると言えるが、1事業所あたりのサー
ビス業従業者数は 7.9 人で同 37 位と、全国平均の 10.1 人を下回っており、相対的に小規模で
ある。
また、
2010 年の県内総生産に占めるサービス業の比率を見ると、
21.3%で全国平均の 24.9%
には及ばず、全国 34 位となっている。
(サービス業−6)都道府県別にみた徳島県サービス業
人口1000人あたり事業所数 サービス業従業者数/総従業者数 1事業所あたりサービス業従業者数 県内総生産におけるサービス業比率
(2012、
事業所)
(2012、
%)
(2012、
%)
(2010、
%)
(名目)
順位
県 名
事業所数
順位
県 名
割 合
順位
県 名
割 合
順位
県 名
割 合
1
山 梨
22.8
1
沖 縄
52.8
1
東 京
14.7
1
沖 縄
32.1
2
高 知
22.6
2
東 京
50.3
2
神奈川
12.2
2
東 京
32.0
3
沖 縄
22.6
3
神奈川
48.1
3
大 阪
10.9
3
大 阪
29.0
13
徳 島
21.5
17
徳 島
43.3
37
徳 島
7.9
34
徳 島
21.3
45
神奈川
14.7
45
群 馬
37.3
45
秋 田
7.4
45
山 口
18.6
46
埼 玉
14.2
46
三 重
37.1
46
和歌山
7.4
46
三 重
17.4
47
千 葉
14.2
47
富 山
36.2
47
山 形
7.1
47
滋 賀
17.1
−
全 国
19.0
−
全 国
43.6
−
全 国
10.1
−
全 国
24.9
注:ここでの「サービス業」は、図表(サービス業−1)の範囲と同じ。
資料:総務省「人口推計(2012 年 10 月 1 日現在)
」
、
「2012 年経済センサス−活動調査」
注:ここでの「サービス業」は、「県民経済
計算における『情報通信業』と『サービ
ス業』を合算」しており、前掲のサービ
ス業とは業種が必ずしも一致しない。
資料:内閣府「県民経済計算」
(サービス業−7)消費支出の財・サービス区分別構成比の推移
(二人以上の世帯、
全世帯)
耐久財 半耐久財 非耐久財 サービス
〈全国〉
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
(%)
100.0
〈徳島市〉
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
1980年 6.1 14.3
47.0
32.7
1980年 5.7 15.1
46.5
32.6
1985年 6.4 13.3
45.4
34.8
1985年 8.2
44.4
32.0
1990年 6.7 13.6
42.7
1995年 6.6 11.9
41.7
2000年 6.9 10.6
41.7
15.4
37.0
1990年 5.3 16.9
43.0
39.8
1995年 7.1
14.1
40.8
37.9
40.8
2000年 9.8
11.6
40.3
38.2
34.9
2005年 6.6 9.5
41.4
42.4
2005年 7.0 10.0
39.1
43.9
2010年 7.3 8.8
41.7
42.2
2010年 9.4 8.5
38.3
43.8
2011年 6.3 8.8
42.6
42.3
2011年 6.7 8.7
40.0
44.6
2012年 6.5 8.8
42.3
42.4
2012年 8.6
38.5
43.3
9.6
(%)
100.0
注:財・サービス区分は、
消費支出から「こづかい」、
「贈与金」
「他の交際費」及び「仕送り金」を除き、
、
品目分類を再分類し、財(商品)
とサービスに分けたもの。財(商品)については、耐久度により耐久財(車、家電、家具等)、半耐久財(被服、履物、消耗品等)、
非耐久財(食品、飲料等)の3区分に分類している。
資料:総務省統計局「家計調査年報」
108
■家計の消費支出の推移
サービス業の動向を消費の側から見るため、全国と徳島市における消費支出割合の推移を
示した
(サービス業− 7)
。これは家計
(二人以上の全世帯)
の消費品目を財
(商品)
とサービス
に分け再集計したものであるが、1980 年から 2012 年までの推移を見ると、全国、徳島市と
もサービスへの支出割合が3割強から4割強へと、それぞれ 10 ポイント程度増加している。
なお全国では 2004 年、徳島市は 2002 年以降、サービスへの支出割合がおおむね非耐久財
(食
品、飲料等)
と同程度か、あるいは上回って推移している。こうしたサービスに対する消費
側のウェイト増大という面からも、サービス業の発展を見ることができる。
■サービス業の今後
サービス業はしばしば生産性の低い産業と言われるが、これはそもそも小規模事業者が大
半で、展開規模も小さくチェーン化が進んでないことや、市場が地域に限定され競争が不十
分といった要因が指摘される。このほか、他産業と比較してサービス業の人材育成のための
教育やカリキュラム整備が遅れており、優秀な人材確保と育成が課題となっている。
今後有望とされるサービス業は、アベノミクスの成長戦略に盛り込まれた医療、子育て分
野のほか、環境・エネルギーや健康関連、また観光関連産業などが挙げられ、地域経済を牽
引する分野として期待される。
特に環境・エネルギー分野は、近年の環境意識の高まりを映して拡大傾向にあり、東日本
大震災を起因とする原子力災害の影響から、メガソーラーの太陽光発電や風力、地熱、小水
力等の自然エネルギー発電の関心が高まっている。また木質バイオマスやバイオエタノール
等の再生エネルギーに関連した環境ビジネスなども、今後大いに期待されよう。
医療、介護、健康関連分野においては、高齢化の進展により市場の拡大が予想されるが、
介護や世話をする側の人手・人材が慢性的に不足しており、
人材確保が課題となっている。ま
た介護関連の高齢者ケアサービスや宅配などの生活関連サービスといったシニアマーケッ
トのさらなる拡大も見込まれる。さらに徳島県では、2009 年度から健康・医療クラスター構
想を掲げ、
「世界レベルの糖尿病研究開発臨床拠点」の形成を目指しているが、糖尿病予防
も含め、そこから派生する裾野の広い健康医療関連産業の創出に注力している。
観光関連分野では、地域の観光資源を活かしたツアー造成等により、国内はもとより海外
からの観光客誘致にも積極的に取り組み、観光関連産業の活性化に結びつけることが求めら
れる。また今後、富裕層を中心とした高齢者市場で、オーダーメイドのシルバー旅行や介護
付き旅行サービスといった新たなビジネスモデルにも注目される。徳島県は前述の健康・医
療クラスター構想の中で、糖尿病研究開発の進展や臨床体制の充実により、国内外から糖尿
病治療患者の誘客を展望しており、将来的にはメディカルツーリズム
(観光と医療サービス
をセットにした医療観光)
による観光産業への波及に期待が膨らむ。
109
ところで徳島県は、
「いけるよ!徳島・行動計画」の中で、成長分野における企業誘致や
新規雇用の創出に取り組んでいるが、重点施策として多くの雇用を生み出すコールセンター
等の情報通信産業の誘致を積極的に推進しており、2014 年度に ICT 関連企業の新規地元雇
用者数
(累計)1,100 人という数値目標を掲げている。すでに徳島県では、コールセンター等
情報通信関連産業立地に係る助成措置について、補助制度の適用範囲を見直し、通信回線使
用料や賃借料の助成等、内容を大幅に拡充するなどの対応を実施しているが、この優遇制度
適用については、2013 年 12 月時点で 10 社、のべ 13 事業所が操業しており、1,000 人超の新
たな雇用が創出されている
(サービス業− 8)
。この中で、適用 6 例目となるユーフォーテー
ブル有限会社は、同制度初のコンテンツ産業
(音声・映像・ソフトなど情報の内容に関する
産業)
誘致であり、徳島県自体の情報発信力強化につながる業種としても注目される。また、
同制度の適用 13 例目となる株式会社プラットイーズは、徳島県の過疎オフィス事業「とく
しまサテライトオフィスプロジェクト」により県内に進出した企業の中で、初めての適用企
業となった。このサテライトオフィスの取り組みは、県内のブロードバンド環境を最大限に
活かし、過疎集落の空き家となっている古民家や遊休施設を、首都圏のICT企業のサテラ
イトオフィスとして誘致するもので、従来の企業誘致ではなく、いわば人材誘致の視点によ
る新たな集落再生モデルとしても注目が高まっている。オフィス利用者にとっては、リスク
分散や社員のリフレッシュ効果による生産性向上を期待する一方、地域側も新規雇用創出に
加え、地元企業とコラボした新たなビジネスモデル誕生を期待するなど、両者がウイン−ウ
インの関係となっている。
(サービス業−8)情報通信関連産業の誘致優遇制度適用企業(2013 年 12 月現在)
No.
誘致
年月
企 業 名
(本社) 開設先
当初新
規雇用
29人
1 2004.9
㈱テレコメディア
(東京都) 徳島市
2 2007.2
㈱テレネット
(東京都) 徳島市 100人
(元木秀章)
業務内容
コールセンター。電話調査サービスや市場 2006.11徳島工芸村
に拡張移転
アンケート、通販の受注など。
コールセンター。大手通信販売の受信業務
など。
データセンター。
データ入力や集計業務、
紙媒体文書の電子化など。
データセンター。データ入 力やアンケート 徳島市以外での
初の誘致
集 計 、情 報 処 理 業 務など。
第2データセンター。
イベントの来場者情報 東邦ビジネス管理センター
やアンケートの電子化、
データ分析など。 の業務・人員を引き継ぎ
デジタルコンテンツ事業所。
アニメーション 同制度初となる
など映像の企画、制作、管理。
コンテンツ産業
事務処理センター。
グループ各社のデータ「大塚ビジネス
管理や商品の受注管理業務。
サポートセンター」
デジタルコンテンツ事業に関係する公共 「ユーフォーテーブル
的文化施設の整備・運営。
・シネマ」
コールセンター。インターネット加入者へ
のアフターフォロー。
3 2007.12 ㈱ニューエクセレント・データ(東京都) 徳島市
20人
4 2008.10 ㈱徳島データサービス
(徳島市) 三好市
20人
5 2009.3
㈱ニューエクセレント・データ(東京都) 徳島市
32人
6 2009.4
ユーフォーテーブル㈲
(東京都) 徳島市
9人
7 2009.11 ㈱大塚ホールディングス
(東京都) 徳島市
81人
8 2011.4
ユーフォーテーブル(有)
(東京都) 徳島市
3人
9 2011.5
㈱イーソナー
(高知市) 徳島市
10人
10 2011.12 ㈱テレネット
(東京都) 徳島市
80人 第2コールセンター。通信販売の受注業務など。
11 2012.9
(東京都) 徳島市 100人 コールセンター。通信販売の受注業務など。
㈱ダーウィンズ
コールセンター。ジャストシステムから受託 「徳島テクニカル
した顧客向けのテクニカルサポート業務。 サポートセンター」
デジタルコンテンツサービス。メタデータ(番 「神山センター
(東京都) 神山町 10人
組詳細情報)の収集・編集・加工・配信など。 (えんがわオフィス)」
コールセンター。
自社商品の通信販売の 2014.5 (千葉県)小松島市 15人 受注業務など。
操業開始予定
12 2012.9 (株)エヌ・ティ・ティマーケティングアクト (大阪市) 徳島市
13 2012.11 ㈱プラットイーズ
14 2013.12 ㈱サウンドハウス
備 考
50人
110
特色ある県内企業
本県には、独自の技術力などを生かし、特定市場において高い世界シェアや国内シェアを
有する企業が多数ある。
特色のある県内企業の概要を紹介する
(掲載順は次のとおり)
。
株式会社大塚製薬工場
株式会社ナンカイテクナート
株式会社クオカプランニング
日亜化学工業株式会社
坂東機工株式会社
市岡製菓株式会社
ニホンフラッシュ株式会社
株式会社山本鉄工所
株式会社マルハ物産
四国化工機株式会社
鳴門塩業株式会社
馬居化成工業株式会社
阿波製紙株式会社
船場化成株式会社
日新酒類株式会社
株式会社丸本
東光株式会社
丸井産業株式会社
株式会社ジャストシステム
有限会社竹内園芸
徳島カム株式会社
富田製薬株式会社
阿波スピンドル株式会社
株式会社アイリス
株式会社河野メリクロン
アース・バイオケミカル株式会社 株式会社宮崎椅子製作所
日本フネン株式会社
フジスレート株式会社
西精工株式会社
赤松化成工業株式会社
株式会社アイピー
株式会社ヨコタコーポレーション 株式会社和合
○株式会社大塚製薬工場
大塚製薬工場は、さまざまな分野に事業展開している大塚グループの発祥企業であり、臨
床栄養製品を中心とした医薬品、医療機器、機能性食品等の開発、製造、販売を行っている。
1921 年、鳴門の塩田から取れる無機化合物から工業薬品や局方薬品の製造・販売を開始した同
社は、以後、輸液
(点滴注射薬)
に特化し、日本初のプラスチックボトル容器の開発、環境にや
さしいソフトバッグの開発、医療現場での簡便性や無菌性に貢献した多室構造のバッグ製品の
開発などを推し進め、その研究開発の成果は常に日本の輸液の発展を牽引してきた。現在、同
社の輸液は、国内では業界トップの市場占拠率となっている。また、海外でもアジアを中心に
積極的に展開しており、インドネシア、エジプトなどでは高いシェアを誇っている。また、輸
液以外にも経口補水飲料をはじめとするメディカルフーズなど、さまざまなニーズに対応し
た製品を開発する一方、これらの輸液で培った独自技術を生かした受託事業も推進している。
(本社 鳴門市、資本金 8,000 万円、年間売上高 1,029 億円、従業員数 2,365 名)
(大塚グループは、"Otsuka-people creating new products for better health worldwide" を企業理念とし、 世界
の人々の健康に貢献することを目標に事業活動を行っている。親会社である大塚ホールディングス株式会社
〈東証 1 部上場〉とその子会社・関連会社は、大塚製薬株式会社、大鵬薬品工業株式会社、アース製薬株式会
社
〈東証 1 部上場〉
、大塚化学株式会社など国内外に 80 社があり、医薬品、食品、飲料、化学製品や美術陶板
まで様々な事業に展開している。また、県内数ヵ所
(徳島市、鳴門市、松茂町、板野町、鷲敷町など)
に大塚
グループの研究所や工場・事業所があり、その従業員数は 5,800 人を超え、徳島県の経済をけん引してきた。
大塚国際美術館は、大塚グループの創立 75 周年を記念し、企業メセナ活動として鳴門市に設立した、日本
最大の常設展示スペースを有する陶板名画美術館。
)
※大塚ホールディングス㈱社長兼 CEO 樋口達夫氏と当研究所田村の対談を「徳島経済」2010 春 Vol.85 に掲載
111
○日亜化学工業株式会社
当社は、蛍光体、リチウム電池用活物質、LED(発光ダイオード)
の三本の柱で事業の基盤
を構成している。
蛍光体は、照明用、産業用ディスプレイ、X線用などに使用される発光物質で、その品質
には定評がある。
リチウム電池用活物質は、スマートフォン、ノートパソコン、デジタルカメラ等のポータ
ブルな情報機器製品の電源の主体となっているリチウムイオン二次電池の正極材料として
使用されている。また、今後ハイブリッド自動車、電気自動車、ロボット用途等の産業用へ
の展開が期待されており、正極材料の世界トップメーカーとして拡大展開を図っていく。
1993 年に世界を驚かせた青色発光窒化物 LED を開発した後も、蛍光体メーカー独自の発
想により青色 LED と黄色に光る蛍光体を組み合わせることによる白色 LED の開発に成功。
当時の携帯電話機のフルカラー化の波に乗ったこともあり、LED 業界においても一躍トッ
プに躍り出ることができた。主要市場は、従来からの超大型ディスプレイ、モバイル電子機
器、イルミネーション、自動車の各種光源、液晶ディスプレイのバックライト光源などに加
えて、白色 LED の高効率化とともに照明光源として用途が拡がっており、世界的な省エネル
ギーへの貢献が期待されている。当社は高輝度 LED 分野で世界一のシェアを維持している。
現在、海外拠点をアメリカ、ドイツ、オランダ、ロシア、中国、台湾、韓国、マレーシア、
シンガポール、タイ、インド、オーストラリアに置き、世界的に事業展開を行っている。
(本社 阿南市、1956 年設立、資本金 467 億 4,144 万 1 千円、2012 年グループ売上高 2,874 億円、グループ従
業員数 2013 年 12 月現在約 8,250 人)
※常務取締役
(現副社長)
小川裕義氏と当研究所田村の対談を「徳島経済」2009 冬 Vol.83 に掲載
○ニホンフラッシュ株式会社
住宅用室内ドア、収納ユニット、インテリア造作材など、内装システム部材の製造・販売
を行っている。早くからIT活用に積極的で、デザイン、カラー、機能など、ニーズの多様
化、個性化の進んだマーケットに対応した製品をジャスト・イン・タイムに供給するコン
ピュータシステムを構築。それまで1か月近くかかっていた受注から納品までの期間を最短
5日に短縮し、数十万種類に及ぶ内装ドアの多品種少量生産に取り組んでいる。
大手ハウスメーカーやマンション建築業者を主力顧客とし、新規着工マンション向けの内
装ドアのシェアは、1988 年以降国内トップクラス。
2003 年秋、中国江蘇省昆山市に高級ドア製造工場を新設、続いて 2006 年 12 月に山東省青
島
州市にも工場を新設した。また、2008 年 10 月、上海に貿易会社を設立、2013 年 9 月には
江西省宣春市に中国で3か所目となる工場を新設し操業を開始した。営業所も省都を中心に
主要都市 25 か所に拡充するなど、中国でのビジネス展開を強化し、国内外で市場開拓を図っ
ている。
112
2006 年に ISO 14001 の認証を取得。
(本社 小松島市、1964 年設立、資本金 8 億 6,600 万円、年間売上高
(連結)127 億円、グループ従業者数 1,200
人。2008 年2月東京証券取引所市場第二部に上場、県内企業5番目、製造業では初めて。
)
※代表取締役社長高橋栄二氏と当研究所田村の対談を「徳島経済」2013 春 Vol.91 に掲載
○四国化工機株式会社
紙容器やプラスチック容器に、牛乳やヨーグルトなどの液体食品を充填する食品充填包装
機のトップメーカー。機械事業に加え、
「さとの雪」ブランドの豆腐をはじめとする食品事
業や包装資材事業の3事業を展開し『食文化』の向上に貢献している。
機械事業部門の主力製品である紙容器成形充填機及びデザート充填機は乳業界、食品業界
で数々の実績を誇っている。中でも環境にやさしい三角屋根型の紙容器
(牛乳パック等)分野
での充填機の国内シェアは約7割に達する。一方、世界市場にも展開し、海外生産拠点の上
海四国食品包装机械有限公司をはじめ、ドイツ、タイにも駐在員事務所を配して、欧州を中
心に 40 か国以上に輸出され多くの実績を誇っている。
食品事業部門では、
自社製豆腐自動製造機を用いて「さとの雪」ブランドの豆腐類を製造、
全国に展開し、業界トップクラスの日産約 40 万丁の生産を誇っている。1973 年から豆腐製
造を手掛け、その後、業界初の木綿豆腐自動製造機を設置した阿南食品工場を開設、1998 年
には HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point <危険分析重要管理点方式>)対応の
御殿場食品工場を新設して関東市場へ本格進出するなど、ナショナルブランド化に向けた事
業展開を行っている。また、3事業のノウハウを活かした飲料の受託生産にも取り組んでお
り、2007 年にはモデル工場として富士小山食品工場が竣工し、HACCP を基準とした総合的
な品質管理体制で、安全・安心な商品の供給を行っている。
包装資材部門では、環境に配慮した包装資材、口栓など、機能面や素材面で独自性のある
オリジナル包材の開発に積極的に取り組んでいる。2006 年に国内の容器メーカーから紙容器
製造事業の譲渡を受け、開発から生産まで行うことで幅広い事業展開が可能となっている。
3事業が持つそれぞれの技術やノウハウで、シナジー効果を発揮する三位一体の「システ
ム経営」を推進し、
「優良国際中堅企業」を目指している。
(本社 板野郡北島町、1961 年設立、資本金 1 億 4,500 万円、年間売上高 350 億円、従業者数 698 人)
※取締役名誉会長植田道雄氏と当研究所田村の対談を「徳島経済」2010 夏 Vol.86 に掲載
○阿波製紙株式会社
エンジン用濾材、AT 車用クラッチ板用摩擦材、合成繊維紙や無機繊維紙などの特殊紙及び
機能材料の製造及び販売を行っている。エンジン用濾材は、国内の全自動車メーカーに純正
部品として採用されており、国内トップシェアを有している。また、合成繊維紙として開発
した分離膜支持体は、世界的に高まる水処理需要を受けて、現在では世界市場のトップシェ
113
アを占めている
(分離膜:海水の淡水化、超純水の製造などの際、濾過のために使用する)
。
1996 年にはタイに、東南アジア、オセアニア、中東の自動車メーカーにエンジン用濾材な
らびに鉛蓄電池用バッテリーセパレーターを供給するタイ・ユナイテッド・アワペーパーを
設立。
なお同社において現在生産能力の増強のための設備投資をおこなっており、2014 年春から
の稼動を予定。また、2003 年には中国・上海にエンジン用濾材の加工・販売を手がける阿波
製紙
(上海)
有限公司を設立、2005 年に操業を開始した。
近年では注目の炭素系素材を使用した炭素複合製品「CARMIX(カルミックス)
」を開発。
LED 照明用の超軽量放熱フィンや CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などのラインナップ
がある。また、
排水処理分野においては、
MBR(膜分離活性汚泥法)
用浸漬膜ユニット「M-fine
(エムファイン)
」の販売を開始。当社オリジナルのシンプル構造で、省スペース化・ランニ
ングコストの削減等を実現した。現在、実証試験を含め国内外で広く展開を図っている。
(本社 徳島市、1916 年設立、資本金 13 億 8,513 万円、年間売上高 157 億円
(2013 年 3 月末、連結)
、従業者
数 616 人(2013 年 3 月末、連結)
。2012 年に東京証券取引所市場第二部に上場)
※代表取締役社長三木康弘氏と当研究所田村の対談を「徳島経済」2008 夏 Vol.82 に掲載
○株式会社丸本
グループの生産拠点は県南の清流海部川の流れる海部郡海陽町に位置し、徳島の地鶏 「阿
波尾鶏」 をはじめとする鶏の肥育管理から処理加工・加熱に至る一貫システムに加え、牛肉・
豚肉を含めた加工食品やペットフードを中心に、製造・卸売・小売りの事業展開を行っている。
「阿波尾鶏」は 2001 年
(平成 13 年)
に地鶏肉特定 JAS の第一号の認定を受け、その後順調に
推移し、2009 年度は約 206 万羽と地鶏生産日本一の座を 1998 年度から維持している徳島県が
誇るブランド品である。
昨今、食品の「安全・安心・安価な食品」への消費者ニーズがますます高まるなか、これ
に応えるため、HACCP に対応する加工場整備の他、品質管理や商品開発の充実等を図って
おり、現在、加工食品は売上の 55%を占め、主にコンビニエンスストアや外食店舗向けとし
て全国へと拡がっている。販売拠点は本社の他、大阪に加工センター、東京に営業所があり、
全国へ向け販売展開している。
(本社 海部郡海陽町、1964 年創業、資本金 2,000 万円、年間売上高 127 億円、グループ従業者数 600 人)
(グループ企業:オンダン農協、株式会社マルニカンパニー、農事組合法人だんだんファーム等)
※代表取締役社長
(現代表取締役会長)
丸本昌男氏と当研究所田村の対談を「徳島経済」2009 夏 Vol.84 に掲載
○株式会社ジャストシステム
国内におけるソフトウェア開発の代表企業。「ことば」や「ドキュメント」をコンピュー
タで扱うための技術やノウハウの研究を中核とした、ソフトウェア製品の開発と販売、およ
114
び関連するサービスの提供を行う。
日本語ワープロソフト「一太郎」は、発売より 25 年以上経つ現在も多くの方に使われ、電
子書籍作成ツールとしても進化している。また、
日本語入力システム「ATOK」シリーズは、
「Windows」
「Mac」
「Linux」搭載のコンピュータに加え、スマートフォン、携帯電話、ゲー
ム機、カーナビなどの幅広い製品で採用されている。これまでの技術資産を基盤にインター
ネットリサーチサービス「Fastask(ファストアスク)
」やフォトブックサービス「cocoal(コ
コアル)」
、通信教育「スマイルゼミ」などの事業も手掛ける。
(本社 徳島市、1981 年設立、資本金 101 億 4,651 万円
(2013 年 3 月末)
、年間売上高 139 億円
(連結 2013 年 3
月期)
、従業者数 428 人
(連結、2013 年 3 月末)
。2014 年 2 月、上場市場を JASDAQ から東証一部に変更)
○富田製薬株式会社
1877 年に国内で初めて苦汁
(にがり)
から、胃腸薬などの原料となる塩基性炭酸マグネシウ
ムの製造を開始し、1890 年には国内で初めて塩化カリウムの分離製造にも成功した無機化学
工業薬品メーカーのパイオニア。
現在は、ファインケミカルから生活関連まで、粉末透析剤、制酸剤、食塩を柱に幅広い製
品を生産、
スポーツ飲料の成分となるカルシウムやマグネシウムなども供給している。また、
人工腎臓透析液のメーカーとして良質な製品を製造供給するとともに、独自に開発した粉末
型透析剤の製品化を行っている。
2012 年にはR&Dセンターを完成させ、無機物材料の持つ吸着特性を活かした、新しい医
薬品の研究開発に取り組んでいる。
(本社 鳴門市、1955 年設立、資本金 9,600 万円、年間売上高 120 億円、従業者数 409 人)
○株式会社河野メリクロン
シンビジウム
(洋ランの一種)
の品種改良と種苗分野、多用途化で世界最大規模を誇る。品
種登録制度に出願した品種数は累計で 591 品種に及び、鉢物や切花用として国内はもとより、
中国、韓国、南北アメリカ、ヨーロッパなどで、当社作出品種が約 300 万鉢栽培されている。
1993 年に株式会社河野メリクロン販売を設立。1998 年には財団法人徳島河野洋ラン振興財
団を設立し、新品種育成・新技術開発や文化芸術、学術等の振興支援をしている。
1993 年よりシンビジウムの多用途化の研究を開始し、発毛・育毛剤で特許を取得している。
2007 年には経済産業省特許庁の 「知財で元気な企業 2007」 に選定された。現在までに約 40 品
目のランを原材料にした製品開発につながっている。
花のオリンピックといわれ、オランダで 10 年に一度開催される世界最大級の園芸博覧会
「フロリアード 2012」において、当社のシンビジウム「親王」が金賞一席を受賞。10 点満点
中 9.90 という得点は、春・夏・秋の全期間を通じ世界 42 か国 1,779 品種の花々の中での最高
得点となり、世界一の花と評価された。
115
中国にグループ会社として、雲南河野教大農業科技有限公司・華楽種苗有限公司があり、
中国国内はもとより種苗分野の世界戦略の拠点となっている。
現在、ランで出来るものには何にでもチャレンジし事業化を目指す洋ランの総合産業化に
取り組んでいる。
(本社 美馬市、1965 年創業、1977 年設立、資本金 2,100 万円、グループ年間売上高約 42 億円、グループ従
業員数約 355 人)
※代表取締役社長河野通郎氏と当研究所田村の対談を「徳島経済」2011 夏 Vol.87 に掲載
○日本フネン株式会社
防火、防犯、耐震性に優れた分譲マンション及び賃貸マンションの軽量鋼板玄関ドアを主
体に製造・販売している。安全性・機能性・快適性に加えて高い意匠性を追求した製品には
定評があり、マンション・アパート等集合住宅向けスチール玄関ドアの総市場で国内三位の
シェアを持ち、新築分譲マンションの市場においては全国一のシェアを占めている。
統合生産システムの構築により、オーダーメイド商品を既製品と同等の価格で提供できる
価格競争力、豊富な品揃え、短納期の実現が他社との差別化につながっている。
2008 年 6 月に中国江蘇省昆山市に 100%子会社である昆山富耐安全門有限公司を設立し、
海外でのビジネス展開を図り、国内外で市場開拓を進めている。
1997 年に ISO 9001、2002 年に ISO 14001 の認証を取得。
(本社 吉野川市、1974 年設立、資本金 3 億 14 百万円、年間売上高 81 億円、従業者数 282 人)
○西精工株式会社
冷間圧造技術を中心に、ファスナーやパーツ類を製造する総合メーカー。1923 年
(大正 12
年)創業以来、顧客重視の観点に立っての もの造り に徹し、常に顧客価値の創造に努めて
いる。
顧客は自動車業界、航空機産業、電機・半導体、精密機械、ホビー関連と幅広い分野に広
がり、最近は自動車産業で多数使用されている電気抵抗溶接で取り付ける溶接用ナットに替
わり、加圧入カシメにて簡単に取り付け可能な「NCナット」を開発して、省エネ、工程削
減、環境改善面で好評を得ている。
技術面では新素材への挑戦やナノテク技術、革新技術、最新鋭設備の開発等積極的にコア
技術の開発、展開を推進するとともに、企業理念のもと徹底したCF
(顧客第一)
活動と社会
貢献、社員満足を追求している。
2001 年に品質マネジメントシステム、2003 年には環境マネジメントシステムを認証取得。
2011 年に徳島県経営品質賞を受賞、2013 年に年第3回日本でいちばん大切にしたい会社大賞
で、中小企業長官賞受賞。2014 年には日本経営品質賞中小規模部門受賞。
(本社 徳島市、1923年設立、1960年株式会社へ改組、資本金3,000万円、年間売上高48億円、従業者数240人)
116
※代表取締役社長西泰宏氏と当研究所田村の対談を「徳島経済」2012 夏 Vol.90 に掲載
○株式会社ヨコタコーポレーション
明治末期から大正初期
(約 100 年前)
、北海道への「藍反物の販売」や徳島に向けての「鯡
粕の製造・販売」をルーツとし、戦後の「澱粉製造」を経て、1960 年にベアリング旋削加工
会社として横田精工㈱
(現 ㈱ヨコタコーポレーション)
を設立。ベアリング旋削加工から出発
し、その加工技術を高めるなかで、専用旋盤YS -820 型単能機を開発し、業界初の専用機と
して外販に至る。これを機に、各種省力化機械の製作も手がけ、機械部門を設立。1969 年に
は中小企業合理化モデル工場の第 1 回指定を受け、その後 22 年連続指定の後、通産大臣表彰
を受ける。
現在では、ベアリング量産加工においては業界トップクラスに位置づけられるとともに、
各種自動車部品加工にも取り組んでいる。
現・機械部門では、蓄積した設計や技術力を背景に、自動車部品製造ラインにおける各種
組立機や検査機などを受注し、多種多様な工場の自動化ニーズに対応できる体制を構築して
いる。そして、様々な検査の技術開発にも力を注ぎ、自動尿検査機の開発に取り組むなど、
FA 以外への展開も視野に入れている。
その他、内外の環境変化に対応して、ハードオフ・オフハウス等のリユース FC 事業や日
用雑貨・DIY などのホームセンター事業、更にはリフォーム・エクステリアの住宅事業など
へと異業種展開し、これらを包括した経営理念として、
「にんげんいきいき」のひとづくり、
「地域社会に貢献できる企業づくり」を掲げ、経営参画制度などユニークな活動とともに、人
財企業を目指した活動を推進している。
(本社 吉野川市、1960 年設立、資本金 7,260 万円、従業者数 204 名、関係会社:株式会社ヨコタホーム)
○株式会社ナンカイテクナート
1950 年設立以来、高度な技術による品質重視の事業展開で、壁紙をはじめとするインテリ
アからファッション、スポーツ、レジャー製品まで多くの人々の生活をクリエイトしている。
例えば、パンプスやバックなどファッション性の高いレザー製品や生活空間を彩る壁紙など
をプリント・フォーミング・エンボス・コーティングを中心とした技術を駆使し、色・柄だ
けでなく手触り・風合い・凸凹といった微妙な部分まで考慮した独創的なデザインを生み出
している。
1998 年の品質 ISO 9001 取得に続いて、2002 年には環境 ISO 14001 を取得し、品質と環境の
両面に配慮した「人と地球に優しい企業」を目指している。
(本社 鳴門市、1950 年設立、資本金 1 億 5,000 万円、従業者数 189 人)
117
○坂東機工株式会社
自動車のフロントガラスやサイドガラス、また液晶パネルガラスやソーラーパネル用ガラ
スなど、ガラス加工装置を製造販売するガラス加工機の総合メーカーである。
特に自動車用窓ガラスの加工装置は、国内シェア 90%以上、世界シェア 60%以上を有し、世
界の自動車産業界において加工品質の良さと高い生産量で定評があり、現在の国内における
自家用車において使用される窓ガラスの多くが、この加工装置で加工されたガラスである。
また、テレビの液晶パネルや、スマートフォンのタッチパネルなどのパネル業界において
も、このガラス加工技術は生かされており、電気産業界においても高い評価を得ている。
この下支えになっているのが、創業当時からの豊富な経験と高い開発能力や国際的情報収
集能力である。
(本社 徳島市、1968 年設立、資本金 3,600 万円、従業者数 180 人)
(坂東グループ:株式会社坂東ガラス店、 バンドー貿易株式会社、株式会社バンドー、 ビーエスエー株式
会社)
○株式会社山本鉄工所
各種産業用プレス機械のトップメーカー。ベニヤ合板用プレス機では、
いち早くコンピュー
タを導入し、セッティングを簡単にした特徴ある製品を開発し、トップシェアの地位を確保。
世界 30 か国以上に輸出され、各国で高い支持を得ている。
現在は、環境リサイクルプラント製造に力を注いでおり、粗大ゴミ切断機、破砕機、圧縮
機、成形機、減容機、梱包機、破袋機、篩い分け機、アルミ選別機など廃棄物、特に不燃ゴ
ミの中間処理に必要な装置のほとんど全てを自社製造しており、プラント全体の設計、装置
製造、据付・試運転まで一貫して行えることが当社の強みとなっている。近年、環境機器の
当社売上に占める比率は6割に達し、今後さらに上昇する見通しである。
また、プラスチック成形、ゴム加硫、自動車内装成形、トリム、脱水成形等の各種プレス
機、自動省力化装置の分野でも、ユーザーのニーズに合わせたカスタムメイドの装置を製造
しており、国内外で高い評価を得ている。
(本社 小松島市、1917 年創業、1962 年設立、資本金 7,000 万円、年間売上高 40 億円、従業者数 170 人)
○鳴門塩業株式会社
自然に恵まれた美しい海、小鳴門海峡。その綺麗な海の水を原料とし、入浜式塩田が開築
されてから 400 年、今も、この自然の海を守りながら、最も自然に近い方法で、美しい塩(鳴
門の塩)をつくり続けている。
日本で海水から生産される塩の約 99%は膜濃縮煎ごう塩で、当社を含めた4社6工場で生
産されている。
当社は、ISO 9001 のほか、2002 年に医薬品製造許可を取得し、品質向上や商品の差別化に
118
努めている。食品の安全が厳しく問われる今、
「安全・安心・国産塩」をテーマに信頼をさ
らに強め広げていき、日本の食生活をしっかりと守っていくのが社の基本方針である。
(本社 鳴門市、1966 年設立、資本金 4 億 7,600 万円、年間売上高 57 億円、従業者数 169 人)
○船場化成株式会社
包装資材の総合メーカー。主にポリエチレンフィルムを製造。主力商品の「スーパーパ
ワーバッグ」
、
「L−1ポリエチレン」は、通常のポリエチレンフィルムの2割程度強度があ
る特殊高強度フィルム。従来品に比べて薄くしても強度が保てるというメリットがあり買い
物袋、ゴミ袋をはじめ工業用フィルム、食品用フィルムと用途は多岐にわたる。
「カルデコ」は再原料を使用したポリエチレンフィルム、
「カルペーパー」は紙のような風
合いのポリエチレンフィルムで、こうした他社にない「安価・高品質・環境配慮」の高付加
価値商品が売りとなっている。
また工場設備も 国内最大の製膜機 や 国内最速のフレキソ印刷機 を保有し、新たな顧
客開拓を行っている。
(本社 徳島市、1960 年設立、資本金 5,000 万円、年間売上高 35 億円、従業者数 160 人)
○東光株式会社
1968 年に日本で初めてパンティストッキングを製造した女性靴下業界の先駆的企業。1987
年に発売、翌年に全国的なヒットを記録したハードサポートタイプの高級パンティストッキ
ングは現在も高い支持を得続けており、当該市場でも高いシェアを有している。
2001 年には、婦人靴下業界で初めて ISO 9001 の認証を取得。さらに、同社で働く中国人
実習生の品質管理への理解を一層深めるために ISO 9001 マニュアルの中国語訳も完成し
ている。
近年の同社の主力製品は、
「疲れを和らげる」といったメディカル系の機能性ストッキン
グであり、また、リンパ浮腫などの治療用ストッキングなど独創性のある高付加価値商品開
発にも力を注いでいる。2005 年には徳島県より医療機器製造業の許可を取得し、ストッキン
グ業界として初の許可工場となり、全国の医療機関に向けて出荷をしており、更に、2007 年
には医療機器製造販売業の許可を取得し、カスタムメイド商品を中心とした販売を展開して
いる。
(本社 徳島市、1946 年設立、資本金 2 億 500 万円、従業員 140 人)
○有限会社竹内園芸
当社は、トマト、ナス、キュウリなどの果菜
(果実の成る野菜)を中心に約 60 品目、1,200
品種以上の野菜苗および花苗の生産・販売を行う国内有数の育苗業者である。特に野菜苗の
年間生産本数は全国トップクラスで、北は北海道から南は沖縄まで全国の農家・農協・種苗
119
店・量販店等に良質な苗を安定供給している。中でも主力商品となる「接木苗」は高い評価
を得ており、昨今の野菜苗の需要増大を背景に生産量を飛躍的に増やしている。
2008 年春には、野菜苗の需要増大と遠隔地への輸送リスクを軽減すべく、群馬県前橋市郊
外に東日本への生産・販売拠点として群馬農場
(第1農場/ハウス面積 1.8ha)
を設立し本格稼
働を開始、翌 2009 年には最新設備を導入して生産の飛躍的な効率化を実現した。現在は第2
農場
(1.5ha)
が完成し、年間約 500 万本の野菜苗を生産、関東地区に供給している。2011 年に
は上板町に農場
(2.4ha)
を設立。同年、佐賀県神崎市に農場
(1ha)
を購入し 2012 年 2 月から苗
生産を開始したが、さらに本年
(2014 年)
は熊本県菊池郡大津町に 3ha の用地を購入し、九州
での生産体制の一層の強化を図る。
また、地域貢献の一環として、将来を担う子供たちに栽培体験を通して農業に関心を持っ
てもらおうと、近隣の保育園、幼稚園、小学校などに、野菜苗、培土、プランターなどを無
償提供するとともに社員が訪問して、子供たちに野菜の栽培指導を行っている。
当社は、農業発展の観点から将来独立志望の若年者も積極的に受け入れており、社員の平
均年齢は 31 歳と若い。今後ますます発展する伸びしろを持った企業である。
(本社 板野町、1972 年創業、資本金 300 万円、年間グループ売上高 23 億円、グループ従業員数 136 人)
(関連企業 (農)
徳島野菜苗育苗組合、㈱四季彩、㈲徳島シードリング、㈲テイエス・ナーサリ四国)
※取締役竹内勝氏と当研究所田村の対談を「徳島経済」2012 春 Vol.89 に掲載
○阿波スピンドル株式会社
当社は明治元年
(1868 年)
の創業以来、天然繊維用撚糸スピンドルの生産を始め、現在では
国内で使用されている合繊繊維の撚糸および仮撚り用スピンドルのほとんどを供給してい
る。2007 年度には毎分 100 万回転するスピンドルの製造技術が認められ、経済産業省より初
代の「元気なもの作り中小企業 300 社」に認定された。
当社では1分間に 3,000 回転から 100 万回転と、低速から超高速で回転するスピンドルを生
産しており、最近では精密スピンドルユニットやモーターを内蔵したモーター一体型スピン
ドルを開発し、工作機械や電子部品製造装置、検査装置などの分野でも広く利用されている。
国内外の大手合成繊維メーカーで使用される当社の合成繊維加工用のエアジェットノズ
ルは、継続した研究開発の結果、性能を向上させながら空気消費量を従来製品の 1/2 以下に
削減した製品を完成し、環境保護に貢献する製品として使用されている。
AWA ブランドの繊維機械部品は、国内外の繊維機械メーカーに広く利用されおり、中国、
東南アジアやヨ一ロッパ諸国などの 16 か国へ輸出している。
瀬詰工場では、1960 年に株式会社 JTEKT(旧光洋精工株式会社)の委託を受けてベアリン
グ事業部を立ち上げ、現在ではベアリング加工に加えて、幅広い自動車部品の供給を行って
いる。
1999 年からは木製梱包箱に代わる、高強度梱包資材のトライウォールを使用した梱包改善
120
の提案を開始。環境への貢献と梱包時間の短縮を実現し、地域から一層の信頼を得ながら、
創業 150 周年に向けた新しい取組みにチャレンジしている。
(本社 吉野川市、創業 1868 年、1943 年設立、資本金 4,800 万円、従業者数 130 人)
※代表取締役木村雅彦氏・代表取締役会長木村悟氏と当研究所田村の対談を「徳島経済」2011夏Vol.88に掲載
○アース・バイオケミカル株式会社
大塚製薬グループ企業。ペット用ヘルスケア商品や動物用医薬品・部外品、並びに快適な
生活環境を守るための蚊・ハエ等衛生害虫駆除剤の製造・販売を主業務とする研究・開発指
向型企業である。
昆虫の生理活性物質を応用した無公害殺虫剤の研究からスタートし、一貫して環境にやさ
しい独創的な薬剤の開発を目指している。その成果として、昆虫幼若ホルモンを用いた防疫
用衛生害虫駆除剤やペット用外部寄生虫駆除剤、また昆虫フェロモンを用いた農業害虫発生
予察剤などを他社に先駆けて実用化し、市場で高い評価を受けている。
特にペット分野では、動物用医薬部外品として業界初のスポット処理のノミ・ダニ駆除剤、
独自の殺虫剤技術と半導体技術を結合した電子ノミとり器や電池式防虫ファン、海外特許も
取得したデンタルケア商品や機能性フード等を開発し、独創性に富んだ商品を消費者に提供
している。また 2013(平成 25)年より通常のペットフード分野にも進出し、ペット総合メー
カーとしての展開を開始している。
更に、昨今の美容・健康に関する意識の高まりに着目し、美肌効果があるといわれている
プラセンタを配合した食品の販売を行っており、従来の動物用を中心とするラインアップに
加え、新たに人の健康美容食品分野への進出も積極的に取組んでいる。今後とも、自然環境
や地域社会と調和しながら、世界に通用する独創的な商品開発を目指す。
(徳島本部:徳島市、1973 年設立、資本金 4,000 万円、ペットフードおよび犬具等の子会社も含め、年間売
上高 58.4 億円、グループ従業者数 130 名)
○フジスレート株式会社
プレスセメント瓦の製造・販売・施工を主体としてきたが、1999 年度に従来と全く違った
素材の高分子繊維強化セメント瓦を開発、40%の屋根材軽量化を成功させた。物流コストの
大幅な削減が可能となり、関東から沖縄へと商圏が拡大した。さらに、安心・安全・快適と
クリーンエネルギーと屋根ソリューションの融合する開発を進め、屋根断熱システム、屋根
換気システム等、太陽光発電屋根取付システムの開発と製造販売、並びに施工を行っている。
製造される屋根材は、大手ハウスメーカーに採用される他、太陽光発電市場の拡大に伴っ
て、太陽光発電取付システムの屋根ソリューションの販売拡大と設置取付工事を含めた屋根
メンテナンスのニーズが拡大傾向にある。現在一般家庭用ソーラーシステム設置工事におい
て四国では屈指の業者となっている。
121
創業以来 66 年ノウハウを活かして、激増するアジアでの住宅市場ニーズに向け、屋根材の
輸出販売、瓦製造プラント設計、瓦製造機械の海外販売も 2007 年より手がけており、住まい
の快適さをグレードアップしながら、同時に省エネや環境ダメージの抑制に直接つながる商
品作り、屋根施工、窯業建材製造機械の販売を積極的に展開している。
(本社:徳島市、1945 年設立、資本金 5,000 万円、年間売上高 30 億円、従業者数 117 人、工場:松茂町・北
島町 事業所:大阪、和歌山、香川、高知、室戸、海部、みよし町)
○赤松化成工業株式会社
人と環境に優しい食品パッケージの製造。食生活の多様化したニーズに対応し、食品の鮮
度や安全性を保ち、輸送や保管に合ったパッケージを作ることを最優先に、さらに使用する
樹脂などの素材のリサイクルに向けての研究開発にも力を注ぎ、環境問題に積極的に取り組
んでいる。
スーパーマーケットやコンビニの店頭では、消費者に強烈な印象を与えることが重要視さ
れており、これに対応するためそれぞれの食品の形態や特徴を考慮して、その個性を最大限
に引き出すためのパッケージの創出にこだわっている。特に成型製品についてはCAD
(コ
ンピュータ援用設計)により当社独自の新しい成型品を超短期間で開発できるシステムを有
している。
(本社 板野郡松茂町、1975 年設立、資本金 1,000 万円、年間売上高 59 億円、従業者数 107 人)
○株式会社和合
繊維二次製品の販売、レッグニット、インナーウェアの企画製造及びフランチャイズ
チェーンの靴下専門店『Hanako』を全国展開しており、全国の加盟店との情報通信ネット
ワークを構築している。システムの導入によって、受発注業務、品揃え提案等、各種情報を
円滑に処理し管理することができる。これに伴い物流面でも迅速に対応できる体制を整えて
いる。
ここ近年、消費者の価値観が様変わりしたが、消費者のニーズに対応した商品開発、店舗
運営のノウハウや情報の提供、販売促進の支援など、従来の卸売業の枠にとらわれず柔軟な
姿勢でエリアとネットワークを広げている。
こうした実践の積み重ねによって企業経営の発展だけでなく、社会にまで視野を広げ地域
に貢献したいと考えている。また、
「もっと身近に。」をモットーに、大阪支店を拠点とした
全国展開の営業強化へ向けて、より一層の販路拡大及び躍進を目指している。
2012 年2月より FC チェーン『Hanako』の本部を㈱花子本部に移管し、より専門店として
のレベルアップを目指す。また、㈱和合は、サプライヤーとしてオリジナル商品開発に特化
しメーカーとして販路を拡大していこうと考えている。
(本社 徳島市、1971 年設立、資本金 3,750 万円、クループ年間売上高 31 億円、従業員数 100 人)
122
(グループ会社:株式会社花子本部、株式会社一輝、㈱ユメアル)
○株式会社クオカプランニング
ニッチ市場戦略とニッチ市場からの要求にすばやく対応した差別化戦略により、一般消費
者にとって入手困難だったプロ向け食材や道具を、ネットおよび小売店で販売する。商品構
成は「クオカにしか無い商品」であるPB
(プライベートブランド)
を充実させる一方で「ク
オカに無い商品はない」専門店としてのロングテールも実現し、製菓製パンの材料・道具・
焼き型など現在 5,000SKU(在庫保管単位)
を取り扱っている。
インターネットの普及を見越してネットショップを開設し、本格的な食材を小ロットであ
らゆる地域からのニーズに応えるため、メールサポートサービスやお客様からの投稿システ
ム、情報配信、全国均一配送料などの販売方法をとったことにより売上を急伸させた。当社
のホームページには、商品の説明やスタッフのコメントはもとより購入者も意見を書き込ん
でおり、投稿情報は 9 万 7 千件に達している。クオカファン層の広さを示すとともに、きめ
細かく多彩な画面は販売拡大に大きく貢献している。
「ショップ展開」としては、2001 年に初の小売店を高松市に開店、現在は東京「自由が丘
スイーツフォレスト」
、
「アトレ吉祥寺」
、
「日本橋三越」にも出店している。
卸事業である「外販事業」は、簡単でおいしいお菓子ができる「手作りキット」や「食パ
ンミックス」を中心に、GMS
(スーパー)
や大型雑貨店をはじめ多彩なチャネルを通して全
国約 5,000 店舗で販売、新たな顧客層に接することが可能になった。
さらに、2013 年 1 月にはお菓子・パンの教室「クオカスタジオ」を自由が丘にオープン、
プロ仕様の設備・道具・材料を使いプロのパティシエが教える本格的な「レッスン事業」を
立ち上げた。レッスンは、Ustream や Youtube を使って世界中に発信していく。
既存の「ネット通販」
「ショップ展開」
「外販事業」に「レッスン事業」を加た4事業の中
を顧客が回遊する「O2O(Online to Offline)
」を実現し、成長して行く方針である。
(本社 徳島市、2000 年設立、資本金 67 百万円、年間売上高 28 億円、従業者数 83 人)
○市岡製菓株式会社
当社は、徳島県産素材にこだわった菓子作りに取り組んでいる菓子メーカーである。こだ
わりの素材は、2007 年に地域団体商標
(地域ブランド)
に認定登録された甘藷の王様と言われ
る「なると金時」芋、限られた短い時期しか収穫できない幻の果実「阿波やまもも」
、徳島・
木頭の自然が育んだ高品質の「木頭ゆず」
、
「もち麦」
、
「米粉」
、
「阿波乃塩」等。徳島県の農
家から仕入れた素材を使用し、お菓子を通して徳島素材の良さを県内外にPRすることで、
地元農家や徳島県の活性化に役立つことを目指し、商品開発に取り組んでいる。
1988 年、
「お客様の顔を見て直接販売したい」という気持ちから、関連会社に有限会社五
線譜を設立し、1995 年に株式会社五線譜へと組織改編、2002 年に徳島駅地下に自社店舗「な
123
ると金時の美味しいお店 あとりえ市」を出店、2008 年には㈱ハレルヤを設立し、更に BtoC
事業にも力を入れ、繰り返しお客様に満足していただけるようなサービスの提供も追求して
いる。
2010 年には農業法人株式会社阿波食製作所を関連会社として設立。一次産業、二次産業、
三次産業を一体化とした 六次産業 で商品の付加価値・ブランド化を図ることを目指し、よ
り安心安全な徳島の素材を使い、よりお客様に満足していただけるようグループ全体で取り
組める体制を整えた。また、クラスター事業にも積極的に参画し、新しい徳島の特産物を全
国にアピールできるよう商品開発を進めている。
ふるさと徳島の素材にこだわり、安心安全、どこにもない Only One のおいしい商品作り
を続け、地域産業の発展・貢献に尽くす企業であることを目指している。
(本社 小松島市、1949 年創業、1973 年設立、資本金 3,000 万円、従業者数 78 人)
○株式会社マルハ物産
農水産物加工品、主にレンコン・ゴボウ・ニンジン・山菜などを加工、輸入、販売してい
るが、なかでもレンコン加工品は国内トップシェアで、全国約 800 社の取引先に「レンコン
のマルハ物産」として高い信頼を得ている。近年は、消費者の健康志向が強くキノコ製品の
販売量が飛躍的に増加しており、全商品は 1,000 種類を超える取扱いとなっている。
1978 年に中国から初めてレンコン加工品の輸入に挑戦し、1994 年に合弁会社を設立、2003
年には独資公司に改組し、品質管理体制の強化と安定した供給体制を実現した。2003 年から
グループ会社に農業法人を持ち、安全・安心に「よりおいしさ」を加えた事業展開を始めて
いる。耕作地は松茂町内を中心とし、鳴門、北島、川内の休耕田を利用し、蓮根、鳴門金時
などを栽培している。また、徳島産蓮根ペースト・阿波和三盆糖を使用した独自のこだわり
ケーキや、鳴門金時や、蓮根皮ごとペーストと黒ごま餡を使ったスプレッドの販売も行って
いる。
2008 年には、農林水産省他より「農林水産省生産局長賞」を受賞し、経済産業省他より
「第一回農商工連携 88 選」に選定、2012 年農商工連携で「第 33 回食品産業優良企業等表彰」
の農林水産大臣賞を受賞した。
創業当時より人と人とのつながりを大切にし「和と信用を重んずる」を社訓に掲げ、消費
者に「安全・安心・おいしさ」を提供する企業として、
「原点は、こころ」をキーワードに、
新世紀に新たなる挑戦を続けている。
(本社 板野郡松茂町、1958 年創業 ・1974 年設立、資本金 5,550 万円、年間売上高 23.6 億円、従業者数 65 人)
124
○馬居化成工業株式会社
合成樹脂、肥料、飼料・食品添加物などに使用される硫酸マグネシウムの生産で、国内6
割強のシェアを誇る業界最大手企業。創業は約 410 年前
(慶長 4 年)に製塩業を手掛けた時点
に遡る。製塩方式が流架式からイオン交換膜方式へ転換が進むなか、1968 年に他社に先駆け
て硫酸マグネシウムの新しい合成方法を開発し、品質の安定化を図るとともに、大量生産を
可能にした。近年では化学薬品メーカーおよび商社として、主力の硫酸マグネシウム以外の
分野への多角化も進め、クリーンディーゼルに貢献するディーゼル車用 NOx 処理剤「AdB
lue」や動物用医薬品シルキーディップの工業化に成功した。
「まじめでユニーク」な製
品を生み出すクリエイティブなメーカーを目指している。
2003 年7月に ISO 9001、2010 年 10 月に ISO 14001 を認証取得。
(本社 鳴門市、1944 年設立、資本金 3,500 万円、年間売上高 42 億円、従業者数 60 名)
○日新酒類株式会社
江戸時代末期より続く酒造蔵の伝承の技をそのままに 「日々、新たなり」 をモットーとし
た酒造りで清酒・焼酎をはじめ、リキュール、果実酒、本みりんなど、多岐にわたる製品を
届ける四国唯一の酒類総合メーカー。特にリキュール「すだち酎」
、本格焼酎 「鳴門金時 里娘」 など地元特産物を生かした商品開発や育成にも積極的に取り組んでいる。
また、清酒「瓢太閤」は吉野川流域に位置する阿波の酒蔵太閤酒造場で醸造され、全国新
酒鑑評会では通算 15 回金賞を受賞している地酒として県内外で親しまれている。
本社工場は酒造りに最適な地下水が豊富にあり、交通アクセスも良い板野郡上板町に位置
し、自然環境に配慮した最新設備の導入はもちろん、生産ラインを集中させることで高い効
率化を図り、2008(平成 20)年に食品安全マネジメントシステム ISO 22000 を取得した事で、
徹底した品質・衛生管理を実現。よりピュアな酒造りで、さらなる飛躍を目指している。
(本社 板野郡上板町、1948 年設立、資本金 7,500 万円、従業者数 50 人)
○丸井産業株式会社
当社はユーザーの要望に応じて一品一様の各種生産設備、実験設備を、今まで培ってきた
ノウハウを生かし設計・製作している。
各種電池製造設備においては、国内外から高い評価を得ている。その中でもリチウムイオ
ン電池用設備については、研究開発用、実験検証用、少量生産用等あらゆる装置を手がけて
おり、EV自動車、プラグインハイブリッド自動車、定置用蓄電システムに使用されている
大型リチウムイオン電池の製造設備においては、高効率化、自動化、省力化の新しいシステ
ムを開発し、国内で高いシェアを持っている。
このほか、各種自動化装置、医療向け装置を設計・製作している。
今後もクリーンエネルギー分野における設備を斬新なアイデアで創造し、新しいシステム
125
装置の開発を行っていく。
(本社:阿南市、1961 年設立、資本金 1,000 万円、年間売上高 14 億円、従業者数 35 名)
○徳島カム株式会社
カムは機械の回転軸に取り付けられる部品の1つで、回転しながら別の部品に一定のタイ
ミングで動力を伝える働きを持つ。
当社の製品は工作機械や組立機械、印刷機械、食品機械、包装機械など幅広い産業分野に
採用されており、取引先は全国で 500 社を超え、カム専門メーカーとしてオーダーメイドカ
ムの売上高で国内2位である。カムの形状は円盤状のものから円筒形、棒状、歯車状など働
きによって異なり、カムと名前の付くものは何でも受注する。
当社の売りは「日本一早い納期」
。カム設計から旋削、マシニング加工、研削、検査など
の作業工程を一貫して手掛けることで、他社に比べて短納期を実現した。最短2∼3日、通
常2∼3週間でほとんど納品できる。①カム設計技術・ソフトウエア、②価格と品質の 70%
が決まる生産技術・設備、③技術者、技能者の育成、が大切であると考えている。
産業機械は専門メーカーが日本各地にある。各メーカーは独自の技術を持ち、日本や世界
を相手に仕事をしている。カムのような部品も1台につき1個から数個必要なので、細かく
スピーディーな対応で顧客に満足していただき、リピーターになってもらえるよう努力して
いる。
(本社:徳島市、1981 年設立、資本金 1,000 万円、年間売上高 5 億円、従業者数 32 名)
○株式会社アイリス
ショーツやブラジャーなど婦人下着の製造を中国で行い、年間生産量は 210 万着、その約
7割を日本国内の大手下着メーカーなどへ OEM 供給し、約3割を中国国内各地の百貨店の
直営販売店で自社ブランドで販売するほか、約 30 万着の防寒用肌着も生産する。1992 年に中
国・上海浦東開発地区に外国資本として初進出し、婦人下着の現地生産を開始した。2000 年
には、資材調達から生産販売支援機能まで一体化した国際ネットワークの運用を開始するな
ど、業務効率化を推進している。
本業以外にも、上海や西安等で不動産開発、タクシー業、家畜飼料製造販売、車の修理
リース洗車業、広告全般、下着専門店のチェーン展開などを相次いで行うなど、中国での事
業拡大が目覚ましい。
(本社 美馬市、1972 年設立、資本金 2,000 万円、年間売上高 17 億円、従業者数 24 人)
○株式会社宮崎椅子製作所
「日本で作る意味と価値のある椅子づくり」を企業理念に、デザインとクオリティーを重
視した自社オリジナル・チェアーの製作・販売を事業の柱としている。
126
1969 年の創業以来、鏡台用のスツールや椅子を製造してきたが、ライフスタイルの変化や
住環境の充実などにより、鏡台自体の需要が減退してきたことから、1999 年から外部デザイ
ナーを起用して、工場で職人とデザイナーが対等な関係で意見を出し合うワークショップス
タイルで開発を始めた。
その結果 2002 年から 10 年連続でグッドデザイン賞を受賞し、2010 年にはその特別賞「中
小企業庁長官賞」を受賞するなど、日本国内に於いて高い評価を受けてきた。さらに新作椅
子「DC 09」が 2011 年度のドイツ「IF product design award」金賞に選ばれた。こうしたこ
とから海外の家具愛好家からのオファーも増えて来ており、2012 年よりミラノサローネへの
出展を始めた。
地元企業として徳島で作り続ける事に意味を見出している。その為、規模の拡大よりも質
の追求を目指し、人を育て技術を磨く事でオンリーワン企業となり、長く社会に貢献したい
と思っている。
支援・認定履歴として、日本貿易振興機構
(JETRO)
輸出有望案件発掘支援事業で支援決定
(2009 年)
、中小企業庁のグローカル経済PTに認定
(2009 年)
、経済産業省『元気なモノ作り
中小企業 300 社』に選定
(2009 年)
などがある。
(本社 鳴門市、1968 年設立、資本金 1,000 万円、従業者数 24 人)
○株式会社アイピー
大型孵卵機、その他関連の省力化機器、特殊冷凍冷却機器の製造・販売を行う。鶏用大型
孵卵機の生産シェア8割以上で日本一。
孵卵機はひながかえるまでの 21 日間、親鶏に代わって、1時間に1回卵を転がしながら 37
度に温度を保つが、発生が始まると 10 万個の卵が一斉に熱を持ち始めるため孵卵機内を冷や
すことも重要となる。こうして培った温度管理技術は食品の鮮度と味を保つ冷凍冷却機械の
製造に生かされている。
また、中国では外資系孵卵機メーカーとしては世界で初めて上海市に全額出資の上海石井
畜牧設備有限公司
(現在、資本金 1,890 万人民元、従業員数 70 人)
を 1997 年に設立して、主に
中国市場において大型孵卵機の製作販売を拡大し続けている。会社設立から 2012 年度末まで
の大型孵卵機の累積販売台数は 2,343 セットに達し、2012 年売上高は 1,040 万元
(約 15.6 億円 ,
1元= 15 円)
を計上、100,000 卵規模の大型孵卵機のメーカーとしては中国一となっている。
また、アイピーの累積販売台数の 1,277 セットを合わせると合計 3,620 セットとなりアジア
一のメーカーにもなっている。
(本社 徳島市、1975 年設立、資本金 4,800 万円、年間売上高 5.7 億円、従業者数 20 人)
(竹中淳二)
127
起業支援・産学連携
■起業支援
生業を大きくする創業から、いわゆるベンチャーと呼ばれるような起業、新たな創業と呼
ばれるような業態転換、異業種分野への進出、それから多角化なども「起業」と呼ばれるよ
うになっており、こうした起業に対する支援制度が公的機関を中心に用意されている。
徳島県は、かつて時代の過渡期において藍商を苗床に新しい時代を切り開く様々なビジネ
スを生み出した。この起業精神は脈々と受け継がれ、現在も新しい産業の創出に積極的に取
り組んでいる。
●徳島県の 2013 年度施策
とくしま産業振興機構、徳島ニュービジネス協議会、徳島健康科学総合センターなどを
通じて、起業意識の啓発、創業支援、起業家・ベンチャー企業育成支援を行っているほか、
県内中小企業が開発した製品を県が認定または購入するとともに、購入後一定期間モニタリ
ング調査を行い、その結果を還元することにより販路開拓や製品改良等を支援する「お試し
発注購入促進実証事業」や独自の技術やサービスをもとに「オンリーワン企業」として成長
する意欲と可能性を持つ企業を支援する「オンリーワン・チャレンジ支援事業」を展開して
いる。また、独自の技術や経験等を活かして、県内で新たに創業する者等を対象に経営アド
バイス等の各種支援を行い創業の促進を図る「とくしまあったかビジネスパラダイス事業」
やICTを活用したSOHO事業者の創出を促進する「とくしまSOHO支援事業」
、都市
部からのUターン者等が県内で創業する際に、専門家派遣や開業資金の一部を助成する「ふ
るさと回帰事業」などを展開している。
●オンリーワン企業支援事業
< 認定企業 >
2004 年度
アスカ
(上板町、機械部品製造)
祖谷渓温泉観光(池田町、ホテル旅館業)
大利木材(徳島市、木材卸売業)
山本鉄工所
(小松島市、機械製造業)
2005 年度
アネックス
(吉野川市、輸送用機械器具製造業)
東光
(徳島市、繊維製品製造業)
128
多田工業
(徳島市、住宅内装部材製造業)
2006 年度
マストミ
(徳島市、生鮮魚介卸売業)
山菱電機
(徳島市、電気機械器具製造業)
2007 年度
あおき製作
(徳島市、建築材料卸売業)
2008 年度
ワイ・ビー・ケイ工業
(徳島市、窯業・土石製品製造業)
ウェル
(北島町、一般建築工事業)
2009 年度
松浦機械製作所
(徳島市、金属加工機械製造業)
染織館
(徳島市、呉服・服地小売業)
2010 年度
宮崎椅子製作所
(鳴門市、家具・装備品製造業)
2011 年度
新栄鉄工
(阿南市、金属製品製造業)
2012 年度
セルフ(徳島市、サービス業)
●お試し発注購入促進実証事業
お試し発注事業でこれまで対象になった企業は、2004 年度(初年度)
9社、2005 年度9社、
2006 年度 10 社、2007 年度8社、2008 年度5社、2009 年度4社、2010 年度4社、2011 年度4
社、2012 年度7社である。
●とくしまあったかビジネスパラダイス事業
あったかビジネスパラダイス事業の認定を受けた企業は、2007 年度 17 社、2008 年度 22 社、
2009 年度 12 社、2010 年度8社、2011 年度9社、2012 年度 10 社である。
●社団法人徳島ニュービジネス協議会
徳島ニュービジネス協議会は、
「徳島ビジネスチャレンジメッセ」
、
「徳島ニュービジネス
支援賞」や「起業家セミナー」等の各種のセミナー、研究会などを通して、起業を支援する
民間団体で、1996 年8月に設立された。2006 年に 10 周年を迎え、全国の同種の団体中では
トップクラスの約 190 社
(個人を含む)
の会員を擁している。2004 年8月に創業準備オフィス
「エッグルーム」を開設した。創業準備段階の人を対象に創業準備のためのプランニングス
129
ペース(利用無料)
を提供し、起業を考えている人や事業のアイディアを持っている人は、こ
こで専門家のアドバイスや人脈の紹介など、起業に必要な支援を受けることができる。大学
生のインターンシップ受け入れや中・高校生を対象とした起業体験プログラムの実施などの
起業家教育を実施している。
■産学連携
大塚グループ発展の基礎には徳島大学医学部・薬学部との共同研究があったと言われてい
るように、産学連携は経済活性化に大きな役割を果たしている。
●産学連携制度
産学連携に関する制度的な仕組みには以下のようなものがある。
「共同研究」
・・大学と企業が資金を出しあって、対等の立場で行う研究
「受託研究」
・・企業からの委託を受けて、大学の教官が公務として行う研究
「寄附金」・・・学術研究の充実を目的とする経費にあてるべきものとして、企業から大学
が受け入れている
徳島大学での産学連携制度の 2012 年度の利用状況をみると、
「受託研究」は年間 174 件、
「寄附金」は年間 1,281 件に、
「共同研究」は 222 件と、産学連携は活発に行われている
(産学
連携−1)
。また、大学発ベンチャーは 20 社を数える
(産学連携−2)
。
●徳島健康・医療クラスター
「世界レベルの糖尿病研究開発臨床拠点」の形成を目指して、文部科学省の地域イノベー
ションクラスタープログラム
(グローバル型)
の一つに 2009 年度採択された。事業期間は
(産学連携−1)徳島大学の産学連携制度の利用状況
共同研究受入状況
222
240
171
169
348
1,000
180
176
380
160
292
300
1,200
285
174
220
200
192
336
600
982
144
800
140
120
129
138
1,019
963
164
993
625
100
200
400
80
60
0
2008 2009 2010 2011 2012
出典:「徳島大学概要」徳島大学総務部
130
(件)
3000
2,785
2500
4,018
4,000
2000
3,000
1,666
2,000
1,037
1,346
1,000
0
1,009
1,084
1,281
1500
1000
1,119
771
2008 2009 2010 2011 2012
500
0
受入件数
0
5,000
受入額
2008 2009 2010 2011 2012
受入額
受入額
20
200
170
160
150
140
130
120
110
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
受入件数
40
受入件数
100
0
(件)(百万円)
(件)(百万円)
500
400
寄附金受入状況
受託研究受入状況
(百万円)
(産学連携−2−1)国立大学法人徳島大学発ベンチャー企業
番号
企 業 名
設立年月日
2014年2月現在
大学等の関係者
主な製品・サービス
1
ナイトライド・セミコンダクター
株式会社
2000年4月13日
工学部 酒 井 士 郎 半導体の製造販売
2
株式会社言語理解研究所
2002年1月28日
工学部 青 江 順 一 言語理解エンジンのライセンス提供
3
有限会社アイ・テイ・ラボ
2002年8月6日
工学部 久保 清
(学生) 画像ソフトウェアの開発・販売
(寺 田 賢 治)
4
有限会社ワイ・システムズ
2002年8月14日
工学部 松本英志
(学生) 半導体測定装置製造・販売
(酒 井 士 郎)
5
株式会社医用科学研究所
2002年9月2日
工学部 仁 木 登 医用画像処理ソフトウェアの開発・販売
6
株式会社AIA国際高度情報化
研究所
2002年6月3日
工学部 任 福 継 多言語・多機能・多メディア知的シス
テム等の研究開発
7
株式会社ハプロファーマ
2004年3月12日
医薬品、
医薬部外品及び診断薬の
ゲノム機能研究センター
販売並びに輸出入等
板 倉 光 夫 製造、
8
株式会社マイクロバイオテック
2004年8月5日
薬学部 樋 口 富 彦 医薬品の開発
9
有限会社ADAPTEX
2005年1月21日
制御システム開発・販売及び制御
大学院工学研究科
藤 澤 正一郎 コンサルティング業務等
10
株式会社四国皮膚科学研究
センター
2005年7月1日
医薬部外、
化粧品、
検査薬、
医学部・歯学部付属病院 医薬品、
診断薬、
診断機器等
大 浦 一 検査機器、
11
有限会社デジタル出版社
2005年10月1日
医学部 西 田 敏 信 コンピュータソフトウェアの企画開発及びそ
の受託、マルチメディア教材の企画開発及び
その受託、書籍及びCD-ROMの発行等
12
有限会社AEM研究所
2005年12月26日
蛋白質、
酵素に関連する医薬品開発
分子酵素学研究センター
木 戸 博 のための実用化に関する研究及びそ
の研究成果物の売買と、
それに附帯
する一切の業務
13
株式会社KIPS
2007年11月26日
大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 医療機器、環境機器、デバイス製造機
武 田 憲 昭 器等の研究開発及び製造販売、市場
調査及び事業・技術調査・企画委託等
14
株式会社アワジェニック
2008年1月24日
大学院ソシオテクノサイエンス研究部 研究・教育活動支援に関わるコンサル
野 地 澄 晴 ティング業務及び生体構成分子の解
大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 析に関する研究開発業務
林 良 夫
総合科学部 真 壁 和 裕
15
応用酵素医学研究所株式会社
2010年5月25日
大学院ヘルスバイオサイエンス研究部
木 戸 博
千 田 淳 司
鈴 木 宏 一
16
合同会社創医技研
2010年7月15日
大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 有機シリカ粒子の製造及び販売、
有
中 村 教 泰 機シリカ粒子技術のコンサルティング、
バイオ・ナノテク関連素材の製造及び
販売等
17
株式会社INNOVATION
PLATFORM JAPAN
2010年8月6日
産学官連携推進部
知及びビジネスのイノベーションに関
佐 竹 弘 する業務、産学等の連携マッチング
支援に関する業務等
18
株式会社メカノジェニック
2011年4月11日
病院 糖尿病対策センター 生物・医療・医薬に関する研究・技術
船 木 真 理 開発及びコンサルティング等
19
株式会社徳島分子病理研究所
2011年7月26日
大学院ヘルスバイオサイエンス研究部
泉 啓 介
大学院ソシオテクノサイエンス研究部
野 地 澄 晴
副理事(研究担当)
林 良 夫
注:大学等の関係者の所属名は設立当時の名称
資料:国立大学法人徳島大学産学官連携推進部
131
蛋白質、酵素等、生体成分及び微生
物成分に関連する医薬品開発のため
の実用化に関する研究及びその研究
成果物の売買等
1.病理学的検査・診断・教育サービス
2.分子生物学的検査・診断・教育サービス
3.生化学的検査・診断・教育サービス
4.生理学的検査・診断・教育サービス
5.研究、医療、検査、診断用試薬、器具類の開発販売
6.研究、医療、検査、診断用機器、消耗品の開発販売等
(産学連携−2−2)国立大学法人徳島大学発ベンチャー企業
番号
20
企 業 名
株式会社eデバイスラボ
設立年月日
2014年2月現在
大学等の関係者
2012年2月23日
主な製品・サービス
電子機器等に
大学院ソシオテクノサイエンス研究部 半導体・電子デバイス、
大 野 泰 夫 関する技術コンサルティング
上記に係わる調査・研究、
技術・ソフト
ウェアの開発・設計及び情報提供業務
等
注:大学等の関係者の所属名は設立当時の名称
資料:国立大学法人徳島大学産学官連携推進部
2009 年度∼ 2013 年度の5年間、事業規模は各年度3∼5億円で進められている。研究開発
の進展にともない、国内外から研究者・企業関係者が集い、また臨床体制の充実により検診
や治療に多くの人々が訪れ、糖尿病に関する様々な人々が交流するグローバルな拠点となる
「健康・医療クラスターの形成」を目標としている。
研究開発のテーマ
(5つの大テーマ)
「糖尿病克服に向けた先進的臨床研究」
「糖尿病および関連疾患の診断法及び検査・診断装置の開発」
「糖尿病の新規治療法の開発」
「糖尿病および関連疾患の発症・進展を防ぐ食品・医療品素材の開発研究」
「糖尿病の1次、2次予防支援サービスの提供」
健康・医療クラスターの内容
(デュアル・クラスター)
製品クラスター
診断・検査装置事業
食品・医薬品素材事業
創薬・創薬スクリーニング
サービスクラスター
新規治療・診断法の提供
食事、食材の提供
継続的かつ効果的運動療法の提供
医療観光事業
参画機関
(太字は核となる研究機関)
(産)
大塚製薬、アプロサイエンス、日立アロカメディカル、アワジェニック、阿波池田ラ
クーンネット、医学生物学研究所、池田薬草、市岡製菓、一丸ファルコス、川島病
院、キョーエイ、KTT貿易、サインポスト社、さわ、四国化工機、シスメックス、
志まや味噌、谷食糧、デイリーマート、天真醤油、徳島製麹、徳島市農業協同組合、
野田ハニー食品工業、ビーエル、ファルマエイト、深江化成、本家松浦酒造場、マリ
132
ン大王、丸共青果問屋、メカノジェニック、ユネクス、ワイディ、ハス商会、日本漢方医薬
研究所、水穂蒲鉾、徳島データサービス、徳島市医師会、徳島県医師会 等
(学)
徳島大学、徳島文理大学、九州大学、大阪大学、流通科学大学、近畿大学、ペンシ
ルバニア大学、ニューヨーク大学、米国国立加齢医学研究所、ハノーバー医科大学、
中国第二軍医大学、天津医科大学、ミュンヘン工科大学
(官)
徳島県
(徳島県立工業技術センター、徳島県農林水産総合技術支援センター ほか)
事業開始後2年が経過した中間時点での成果として、論文 158 件、特許出願件数国内 22
件・海外7件、試作品 49 件、実用化
(技術移転・事業化・商品化)17 件、製品事業化による
売上額約 6.9 億円、ベンチャー起業数3社、企業誘致1社などがあがっている。さらに 2011
年度時点での製品化実績等は血管内皮機能検査装置
(累計販売額 9.6 億円)、ヘルシー弁当
(累
計販売額 2.5 億円)
などがある。
また、すだち果皮やそば殻などの一次産業からの副産物を利用した健康食品やサプリメント
の開発で県内食品企業 18 社との連携が進んでおり、製品化はすだち塩だれ、すだちちくわ
など8製品に上っている。
(大谷 博)
133
LED(発光ダイオード)
■歴史
LED とは、Light(光)
、Emitting(出す)、Diode(ダイオード)
の頭文字で発光ダイオード
と訳され、電気を流すと発光する半導体である。LED の歴史は意外と古く、1960 年代後半
に赤色が商品化され、その後黄色、橙色、黄緑色と商品化されてきた。そして、1993 年、日
亜化学工業㈱によって高輝度の青色 LED が開発され、その後緑色も実用化されたことによ
り光の三原色
(RGB)が揃い、フルカラーが可能になった。また、1996 年に青色 LED と黄色
蛍光体の組み合わせによる白色 LED が開発されたことによって、LED の市場は急速に拡大
した。
■特徴と用途
エネルギー効率が高い、応答速度が速い、波長の選択性がある、長寿命、有害物質を含ま
ないなどの特長があり、省エネルギーや環境問題の観点からも優れた性質を有している。
LED の応用製品は、信号機や小型液晶バックライト、大型ディスプレイなど表示分野か
らスタートしたが、その特長を生かした応用製品の研究・開発は、農業や漁業、医療などあ
らゆる分野で拡大してきた。
照明分野は、光の特性や高価格がネックとなり普及が遅れていたが、性能の向上と価格の
低下が急速に進んできたところに、東日本大震災後の節電意識の高まりが加わって「LED
電球」の需要が急伸し、LED は省エネ指向の照明というイメージが定着してきた。さらに、
器具に組み込んだ際の発光効率が蛍光ランプを超す勢いで改善が進み、調光や調色も自由な
ことから、シーリングライトや店舗・設備照明においても採用が拡大し、広範囲に普及して
きた。なお、政府は「日本再生戦略」(2012 年 7 月)
で、2020 年までに公的設備・施設の LED
等高効率照明の導入率 100%達成の方針を示した。
■ LED バレイ構想 LED 王国・徳島 ∼光がつなぐ人と未来へ∼
徳島県は、圧倒的な世界シェア(白色 LED 約 1/3)を持つ LED メーカーが立地する優位性
を生かし、
「LED と言えば徳島」という地域ブランドを確立し、LED に関連する産業の集積
を目指している
(LED バレイ構想)
。そして、構想実現のために「LED バレイ構想推進協議
会」がまとめた「行動計画」
(2007 ∼ 2010 年)の提言に沿って、
「地域ブランド化」と「産
業振興」の両面から地域が一体となって取り組んできた。
こうした取り組みの結果、LED 関連企業を 2010 年度末までに 100 社集積させるという徳
島県が掲げた目標は、2009 年9月に半年前倒しで達成した
(2013 年 12 月現在 117 社)
。しか
134
し、集積したこれらの企業は、素材・デバイス分野を除けばニッチな製品を扱っているもの
も多く、また、新たに県外から進出してきた企業も数社にとどまる。2010 年 7 月に実施した
アンケート調査では、回答のあった企業のうち日亜化学工業㈱を除いた 56 社の合計は、LED
関連従事者数約 330 人、売上高約 53 億円であり、開発した製品を、売上げや雇用の増加に結
びつけることが今後の重要な課題として明らかになってきた。
一方で、LED 関連市場が急速に拡大していることから応用製品への新規参入は盛んで、国
内はもとより海外との競争も一段と激化している。そこで、
LED 産業クラスター形成を促進
し、LED 関連産業を徳島県の基幹産業として育成するためには、従来より一層戦略的な計画
が必要であるとの認識から、徳島県は成果目標として、売上高 500 億円、雇用者数 1,000 人、
特許出願 50 件を掲げた「ネクストステージ行動計画」
(2011 年度∼ 2014 年度)を策定し、実
行に移している。
●地域ブランド化
地域ブランド化の例として、LED を効果的に利用した景観照明やモニュメント等を設置
した場所を「光の八十八ヶ所」として認定し、全国にPRする事業を実施してきた
(2013 年
11 月現在 51 か所が認定済みのほか、冬期限定の認定も実施)
。
また、徳島市は LED 技術とアートが出逢う「徳島 LED アートフェスティバル」を 2010 年
4 月に開催、第2回は 2013 年4月に約 55 点の作品を展開し主催者によれば 21 万人の人出が
あった。今後もトリエンナーレ形式
(3年ごと開催)
で、徳島の魅力を発信していく予定であ
る。さらに、徳島市は水際公園の景観整備を行うとともに、このフェスティバルのために著
名作家が制作した LED アート作品
(2010 年:両国橋(逢坂卓郎氏)、ふれあい橋
(たほりつこ
氏)、2012 年:新町橋
(ミシャ・クバル氏))を常設しており、今では町の風景に溶け込んで
いる。また、徳島空港には「光風飛行」をテーマに、枠組みに県産スギ材を使用した大型
LED ディスプレイを設置し映像を流している。
●産業振興
産業振興面では、LED 関連製品の開発支援や利用促進の一環として、産官学が連携して
技術力やデザイン力向上のセミナーを開催し、試作開発や斬新なアイデアの商品化を支援し
ている。また、徳島県立工業技術センターには、全光束測定装置や配光測定装置をはじめ最
先端研究機器を配備してワンストップ LED 性能評価体制の充実を進めており、
「トータル
サポート拠点」として技術力の向上と売れる製品作りを支援する態勢をとっている。
こうした性能評価体制の充実を背景に、徳島県は「とくしまオンリーワン LED 製品認証
制度」を 2012 年に創設し、LED 応用製品の付加価値を高める取り組みを行うとともに、情
報発信拠点として東京・西新宿に県産 LED 応用製品の常設展示場を設置した。
(また、小・
中学生に対しては出前授業・工作教室などの啓発活動を行い、興味を喚起している。
)
資金面では、
「とくしま経済飛躍ファンド」のなかに 40 億円の LED バレイ推進ファンドを
135
官民で設け、先進的な取り組みに対して助成事業を実施している
(助成実績:2007 ∼ 13 年
度 92 件)。
※取り組み例∼歩行者用信号機∼
交通信号機は、2004 年 10 月に LED 式のものが初めて設置されて以来、徳島県は LED 化
を積極的に進めてきた。しかし、LED 化は信号機本体を取り替えるため多大な経費を要す
ることから、必要性の高い車両用の整備を優先し、歩行者用の整備は遅れていた。そこで、
歩行者信号機用 LED 電球を、日亜化学工業㈱の協力も得て徳島県警察本部・徳島県立工業
技術センター・民間
(日本フネン㈱)が共同で開発し、2010 年より生産を開始した。省エネ
ルギーはもとより既存の信号機をそのまま利用できるメリットがあり、環境大臣賞も受賞し
た。地の利を生かした製品開発の一例である。
(歩行者用信号機の LED 化率は、2010 年3月
はわずか 8.9%であったが、2013 年3月に約 59%に進捗した後、同年7月に 100%完了。車
両用の LED 化率は、2013 年 3 月現在 57.4%で全国4位。)
(竹中淳二)
(LED−1)LEDバレイ構想体系図
基本目標「21世紀の光源であるLEDを利用する光(照明)産業の集積」
整備すべき機能(2010年)
➡
構想推進機能
地域ブランド化機能
産業振興機能
インフラ整備機能
行動計画(2007∼2010年:2011年度以降も実施)
1 キャッチフレーズ:LED王国・徳島∼光がつなぐ人と未来へ∼
2
3
4
5
LED地域ブランド化
LED産業の振興・インフラ整備
LED情報受発信の体制づくり
光の話題づくり
LEDショールームシティ
LEDの県民への普及促進
6 研究・新市場開拓の充実
7 LED応用製品の生産システムの構築
8 販売促進
9 人材確保・人材育成
10 インフラの整備
ネクストステージ行動計画(2011∼2014年)
3戦略分野スパイラルによるLED産業クラスターの形成の促進
開発・生産戦略
ブランド戦略
1 とくしまLED認証制度の創設
2 LED応用製品における
「知的創造サイクル」確立
3 情報発信 4 光の話題づくり 5 LED都市づくり
6 LEDに興味を持ってもらうための取組
1 技術支援
2 先端研究
3 技術優位性・オンリーワンLEDの創出
4 ものづくり企業の成長分野への参入支援
推進エンジン
1 関連研究開発地域
先進的なLED
先端的技術開発・発明を目指す人材・研
究所が多数立地し、絶えず世界をリード
し、情報発信し続ける頭脳拠点
(メッカ)
人材育成
とくしま経済飛躍ファンド
光(照明)関連
3 製品の輸送基地
光(照明)関連
川上(素材・部品)
メーカーから川下
(最終財)
メーカーまでの光(照明)関
連企業・工場の集積地
資料:徳島県「LEDバレイ構想」より当研究所作成
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販売戦略
販売力スキルアップ
LED応用製品の展示
公共による調達
展示会・見本市への出展支援
海外展開
LED関連企業等トータルサポート
めざすべき姿(2015年)
2 企業の集積地
1
2
3
4
5
光(照明)関連製品の輸送のための
物流拠点
国への提言
4 地球環境にやさしい地域
豊かな自然と共生する
LEDを活用した省CO2型まちづくり
∼環境首都とくしまの実現∼