2011年1月号 - 千葉明徳学園

千葉明徳短期大学保育創造学科月刊通信
2011年1月31日
月歩学歩
Geppo-gappoと読んで、それは、
月日を歩く、学んで歩く、ゲッポガッポしながら今を生きる ということ?
特集
「実習を通して育っ
ていく学生の姿」
1年生の皆さんが一年
を通して(4月から11月ま
で)月一回のペースで保育
現場に実習に入り、子ども
たちや現場で働く保育者達
との関わりを通じて体験的
に保育を学んでいます。そ
して、そこで得られた経験
や思い、気づき等を「保育
内容演習」という授業の中
で丁寧に振り返ったり話し
合ったりして、独自の保育
皆様、大変遅くなりましたが、2011年に welcome です。気がついたら
もう2月に突入しており、「明けましておめでとうございます」と言える時
期ではありませんが。『月歩学歩』の12月∼1月号は合併号になるはずでし
たが、教員の年末年始はとにかく忙しく、原稿どころではなくなってしまっ
たようです。今更12月のことを取り上げても…という感じですね。お待たせ
してしまって申し訳ありません。さて、11月末を以って1年生の通年実習が
終了し、そして1月末から保育所(保育園)での本格的な実習、更に2月から
3月にかけての施設実習が行われています。なので、今回のメインテーマは
実習の話でまとめてみました。
その他の内容
保育現場で年々外国籍の保
護 者 を 持 つ 児 童 が 増 えて お
り、子どもや保育に関する最
小限のこと等をせめて英語で
言えるような保育者がいれば
という想いが強いでしょう。
そこで2年生の英語教育に関
する報告を赤松直子先生が寄
せてくれました。
観を築き上げたり、更に自
らの有り様
に つ いて 学
ん だ り して
きました。
今回は片川
先生による
レポートを
お届けしま
す。
「20歳の頃」のコーナーに丹野禧子先生が登場
し、絵を描くことに対する熱い想いを綴ってくれま
した。
7∼9ページ
本学の関連フィールドの一つである「ほっとステー
ション親子」は、保育者養成校における地域子育て
支援の事業として10年に及ぶ実績があり、年間を通
じて実に多くの親子が訪れています。この「ほっとス
テーション親子」の活動について、担当保育者の松
原 寿 子 さ ん が 紹 介 してく れ ま し た 。
10∼11ページ
5∼6ページ
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千葉明徳短期大学保育創造学科月刊通信
2011年1月31日
とり、その学生なりの学びがありましたが、今
特集:「実習を通して
育っていく学生の姿」
回はその成長が著しいと思われた一人の学生の
姿を紹介します。
杉山結香さんは、私が担当するクラスのメン
片川 智子
バーの一人です。これまでの授業では、決して
4月から継続的に幼稚園で実習をさせていた 意欲的と言える学生ではありませんでした。実
だきながら、「体験→振り返り→深める」とい 習でも、本人なりに気持ちを持って取り組んで
うサイクルで学び続けていた1年次の幼稚園実 はいましたが、十分にそれが表わせずにいるよ
習が11月で終了しました。月歩学歩でも何度か うでした。
ご報告した通り、この実習は、学内での授業
そんな彼女は、5歳児のクラスでの部分実習
「保育内容演習」と連動しながら進められてい で、「お宝ゲーム」という、子どもたちがグ
ます。実習終盤には「部分実習」を経験し、そ ループ毎に協力し合いながら、自分の陣地によ
の後「保育内容演習」の授業を通して1年間の り多くのお宝を集めるというゲームを行うこと
実習を振り返り、総まとめをしてきました。
になりました。どのように子どもたちに聞いて
そこで、主に「部分実習」の取り組みから見え
もらうか、少し複雑なルールをどう子どもたち
た学生の成長と、実習での体験を時間をかけて に分かるように説明するか、ルールが守られな
考えてきた学生の学びの2つの姿を紹介するこ い時にはどうするのか、子どもたちが協力し合
とで、この実習と授業での学びの一端をご報告 えるようにする工夫はあるか…そして何より、
します。
子どもたちが期待をもってゲームに取り組み、
楽しめるためには何がポイントになるのか等な
部分実習での取り組みから
ど、活動のはじまりから終わりまで、考えなけ
11月下旬に実施した最後の実習では、一日 ればならないことはたくさんあります。
のうち一部の時間を 担任の先生 になったつも しかし、部分実習の計画に取り掛かった当
りで保育を展開する、「部分実習」を経験しま 初、彼女は自分が子どもの前に立つということ
した。
を、どこか甘く見ているようでした。計画を立
学生たちは、「子どもたちが楽しめるために てる時にも、丁寧な検討もせず「終わった」と
はどうしたらいいのか」を考えながら、その時 言い、私が「これでは無理だよ。どう子どもに
間の計画を立て、必要な準備をして臨みまし 説明するの?」と半ば叱っても、実感はないよ
た。活動の内容や展開、予想される子どもの姿 うでした。そんなやりとりをしながら、何とか
や、保育者としてのかかわり方を考えて作成す 形だけは整え、実習園の先生に直接見ていただ
る「指導案」を何度も書き直したり、実際に試 き、ご指導いただくことになりました。
してみたり、必要なものを作ったり…。当日に 担任の先生に見ていただいた後すぐに、彼女
近づくにつれて、緊張や焦りとともにその真剣 が私のところに飛び込むようにやって来まし
度も増し、授業のない時間や放課後にも仲間と た。そして、先生から厳しくご指摘を受けたこ
相談し合い、作業に取り組む姿が多く見られて とと、その内容を話し始めました。話しなが
いました。このような状況の中で、学生一人ひ ら、なぜ厳しく言われてしまったのかというこ
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千葉明徳短期大学保育創造学科月刊通信
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とを、感じ取っているようでした。先生に質問 り、スタートラインからどんどん前に出てしま
されても適切な答えが出来なかったことから、 う子がいて、注意してもダメで、ぐだぐだになっ
如何に自分が活動に対するイメージがもててい てしまいました。
なかったのか、ということを噛みしめているよ 最後に集まって「楽しかった?」と聞いた
ら、「楽しくなかった」という答えが返ってき
うに見受けられました。
それからの杉山さんは、何度も私のところに たので、悔しいのと情けない気持ちで泣きたく
指導案を持ってきて、自ら書き直しを続けまし なりました。その後、先生が「お姉さん先生た
た(指導案はA3にびっしり、という多さで ちが一生懸命用意してくれたのに、そんな風に
す!)。はじめの頃は、私から指摘を受けて 言われたらどんな気持ち?」と子どもたちに
も ちょっと直して終わり だったのに、「これ 言ってくれて、子どもたちは「楽しかった」と
で子どもに分かるかな?」「この説明では分か 言ってくれました。本当かな…とも思ったけれ
りにくいから、見本を見せてはどうか」等、自 ど、それでも言ってくれたことが嬉しかったで
分なりに工夫をし、確認にやってきました。そ す。
の表情、姿からは、本気さや真剣さがひしひし その後の、先生との反省会で、先生から子ど
と伝わり、大切にしたいと思いました。実習当 もたちがこれから何をするのか分かるようにす
日の朝も、ギリギリまで担任の先生に細かな相 ることや、落ち着いて聞けるように話し方のメ
談をしていました。彼女が、頭の中で必死にシ リハリをつけること、スタートラインを別に書
ミュレーションをして臨もうとしているのが分 くと良かったこと等、色々なことを教えてもら
いました。
かりました。
そうして迎えた部分実習の時間。結果は、彼 (本人の話を再現できるよう意識して片川が文
女の思うようにはいかないものでした。この時 章にしました)
の様子を、実習後の授業で彼女は次のように語 ----------------------------------------------------------りました。
実習当日直前まで、準備に頑張って取り組み
-----------------------------------------------------------
ましたが、スロースタートだったために時間的
子どもたちが集まって、これから何をするの にも準備不足であることは否めませんでした。
かも分からないうちに説明を始めてしまったの けれど、最終的には本気になって自らの意志で
で、子どもたちはずっと落ち着きませんでし 取り組んだからこその、 悔しい・情けない と
た。説明を聞いて、子どもたちから「つまらな いう思いだったのだろうと思います。そして、
い」「やりたくない」などと言われてしまっ その感情に裏打ちされる形で、先生からいただ
て、どうしようと困ってしまいました。それで いたアドバイスを実感をもって自分の課題とし
も、何とか説明をしました。私たち(実習生3 た様子が伺えました。
名)が見本を見せたら分かってくれたので、そ
今回の、杉山さんの姿から、自分の意志が基
こは良かったと思いました。
ゲームは、自分の円(陣地)にお宝を集めよ 盤となることで、具体的に行動し、結果を真
うと一生懸命やっていたので、良かったのです に受け止められるのだということ、そして知識
が、その分「お宝は一人一個」とか、「お宝を を自分の課題として身につけていく、自己変容
投げない」というルールを守らない子がいた
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を伴った 学び になるのだということを実感し
言葉の重み
ました。
金子 成奈
部分実習後の授業では、他の学生たちから
も、
6月の実習で、Aちゃんと遊ぶことが多かっ
子どもたちに楽しんでもらいたいと準備した たが、Aちゃんは私の名前を覚えていなかった
のに、当日は自分に必死になってしまって、子 ようなので、遊びの途中で私がAちゃんに「ほ
どもたちが楽しんでいる表現を受け止めること んとに覚えてない?」と聞くと、Aちゃんは笑
も出来ず、中途半端な対応になってしまった。
顔で「覚えてない」と言った。少しだけ寂しい
環境をしっかり整えられなかったために、楽 と思ったが、気にしないことにして、その日は
しんでいた子どもたちの集中を途切れさせてし 子どもたちと園庭で遊んだ。担任の先生との反
まった。
省会の時、そのことを先生に聞いてみると、
子どもに楽しんでもらうポイントをはっきり 「覚えられていないのはどうしてだと思う?」
させていなかったために、時間配分が中途半端 と聞かれ、そこで私は、5月の実習の時には狭
になってしまい、どの内容も十分に体験しても い範囲でしか子どもと関われていなかったこと
らえなかった。
に気付き、子どもたちが私のことを覚えてくれ
時間は予想以上に掛かってしまったけれど、 ていなくて寂しいと思うのは間違いだったこと
いくつかの見本を用意しておいたことで、子ど に気付いた。私がAちゃんや他の子どもたちに
もたちのイメージが膨らんだようで、先生にも 覚えてもらえるよう努力をしなければいけな
褒めていただけて嬉しかった。
かったのだと分かり、自分がとても恥ずかしく
等など、たくさんの実感を伴った学びが聞かれ なった。
ました。
そして、7月の実習の朝。Aちゃんが私のと
ころにまっすぐに来て、「私、先生のこと覚え
実習での子どもとのかかわりから
たよ。名前も言えるよ。」と言った。私はとて
授業の最終日、「一年間の実習で、強く印象 も嬉しくて「ありがとう!私もAちゃんのこと
に残ったエピソード」というテーマでレポート 覚えてるよ。」と言うと、Aちゃんは嬉しそう
を書き、自身の学びとして紹介し合いました。 に、でもどこかほっとしたように笑っていた。
成長する子どもの姿、子どもの気持ちに寄り添 それを見て、更に嬉しく思った半面、何故だか
うこと、様々な場面を重ねて子どもを理解する これで良かったのかなと申し訳なくも思った。
こと、ねらいをもって環境設定すること等な 覚えていなかったAちゃんが悪い訳じゃないの
ど、具体的な実習でのエピソードとともに、そ に、と思った。※
れぞれの学びが挙げられました。そこで書かれ Aちゃんの顔がほっとしたような顔になった
た、一つのレポートを紹介します。数回の実習 のは、6月の時に私が「覚えてないの?」と
で体験した出来事を、その後もことあるごとに 言ったことが原因なんだろうと思い、結果的に
思い返しながら考えてきたことで、一つの明確 無理矢理に私を覚えさせてしまったのだと思っ
な学びとなっています。
た。私が何気なく出してしまった私の思いをA
ちゃんが聞いて、その思いに合わせようとさせ
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てしまった。Aちゃんの思いと関係なく、私の 学びは、仲間の心にも響き、仲間の学びにも
思いに合わせてしまった。とても心に引っ掛か なっていきます。金子さんがこのレポートを紹
る出来事で、考えさせられる出来事だった。子 介した時、聞いていたメンバーが、息を飲んだ
どもの気持ちが分からないまま、子どもが私に り笑ったりと感情を伴って真剣に受け止めてい
合わせてしまうことがないように気をつけたい たことが印象的でした。
と思った。
∼中略(もう一つ、自分が掛けた言葉が子ど これらの学びは、実習園の先生方がご指導く
もに影響を与えた事例が書かれています。金子 ださり、見守り、励ましてくださったから可能
さんらしい素直で素敵な内容ですが、紙面の都 になったことです。「部分実習」を中心とした
合上割愛します)∼ (2つの事例を通して) 杉山さんの姿勢の変化は、先生に直接ご指導い
Aちゃんの時も感じたけれど、言葉の重みを感 ただいたことが契機となりました。そして、そ
じた。私は、言葉を受け取る子どものことを全 の後も部分実習がしやすいように支えてくだ
く考えていなかった。言葉を受け取る子どもの さっていました。実は、ゲームを行う園庭で実
ことを考えて声を掛けないといけないと気づい 習生が最終準備をしている間、担任の先生が子
た。
どもたちに、実習生が皆のために一生懸命準備
(括弧内は片川による)
してくれたこと、きっと実習生たちはドキドキ
緊張しているだろうということ、だから皆実習
7月の実習後の時点では、金子さんはこのレ 生の話をよく聞いて楽しんでね、というような
ポートでの途中(※の部分)までの気づきで終 ことをお話してくださっていました。また、金
わっていました。実習レポートにも、「何故だ 子さんの学びも、先生の問い返しによって、自
か引っ掛かる」と書かれているのみでした。し 分の関わりに目を向けるよう促されたことから
かし、この 引っ掛かり は、金子さんにとって はじまっています。直接的に、間接的に支えて
「覚えてもらったかどうか」ではない、とても いただきながら、 育てていただいている こと
重要なポイントでした。これはきちんと考える を実感しています。
必要があるのではないか、と、彼女はずっとA
ちゃんとの出来事を念頭においていました。実 先生方にも、子どもたちにも力を貸してもら
習での体験、先生からの助言、学校での振り返 いながら、学生は学んでいます。私は、このこ
り、他科目の授業…さまざまな事柄が関連し とに感謝すると共に、このような学生の体験を
あって、ちょっとした 引っ掛かり が彼女の明 しっかりと学びとして深められるようにしてい
かなければならないと思っています。
確な学びに結びついたのだと思いました。
「言葉の重要性」や「子どもの思いを尊重し
てかかわること」等は、大切なこととして、
様々な授業で取り上げることです。しかし、言
葉として知っていることと、体験を通して実感
していることとは、違います。学生たちは、実
習で体験したことから 自分の 学びを創ってい
ます。そして、実感をもって語られるそれぞれの
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千葉明徳短期大学保育創造学科月刊通信
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業が全く無用でした。「英作文の答えを白板に
2年生
書いて。」「ここの答えは何かしら。」「絵本
「オーラル・コミュニケー
しら自主的に前に出てやってくれました。そし
を読む人はいるかな。」そう話すと、すぐ誰か
ションⅡ:保育英語 Ⅱ」
て、教室ではお互いに教えあい、常に助けあう
様子がよく見受けられました。学生のモチベー
ションの高さ、積極性、互いを高めあう姿、元
担当教員: 赤松 直子
気な笑い声にいつも包まれる、そんな授業風景
でした。
保育英語を簡単に説明すると、ビジネス英
語、科学英語、あるいは看護や医学英語などと
同じく、専門分野のための英語(ESP=English
for Specific Purposes)です。保育者を目指す
学生のために特別にデザインした授業実践を
行 っ て い ま す。 一 般 的 な 英 語 教 育
(GeneralEnglish)とESPはどこが違うのか。あ
る 学 者 は こ う 表 現 して い ま す。 " i n t h e o r y
nothing, in practice a great deal."「その理
論においては変わりはないが、実践においては
大いに異なる。」
保育英語も、テキストに沿って訳読もあれば
学期末にどの学生もこの授業から学んだこと
をしっかり語るレポートを書きました。ここに
掲載する学生たちはその中でも不安に満ちて学
習をスタートさせていました。しかし、最後に
はその不安をやがて自信につなげていきます。
そして、外国語を学ぶ、本当の楽しさを自ら発
見しました。それが私の喜びでもあります。 保育英語の授業に対する感想
英文作成もします。発音、リスニング、会話練
習を含め、単語や熟語など様々な表現を学習し
ます。辞書の引き方、発音記号の読み方、予習 ■ 森春菜さん
の方法など学習方法も学びます。一般的な英語
最初は、先生が英語しか話さなくて、やって
学習と基本的には同じ学習方法でしょう。しか 行けるか不安だった。でも、歌をうたったり、
し、何を学習しても、どこを切りとっても保育 手遊びしたり、作ったりすごく楽しくて、あっ
に関係するものが学びに織り込まれています。 という間に終わってしまった。周りの友達が助
たとえば、ダイアログなら保育者と子どもの会 けてくれたり、教えてくれたりしたから、ここ
話、英文作成なら園児への声かけ、訳読は保育 まで頑張れたんだと思う。英語がいっぱい話せ
実習生の日記を読む、リスニングでは幼稚園の るようになったわけじゃないけれど、発音だっ
お誕生会の様子を聞きとります。また、学習し たり、少し読めるようになったかなと思う。
たことがそのまま将来の職場や子どもたちとの
英語の楽しさを感じられた授業でした。
関わりのなかで生かせるような実践的な学びを
初めて辞書をひいて単語の意味を調べた。す
意識しています。
ごく時間がかかったけど辞書の方がいいと先生
今年度、私がこのような気持ちになったのは が言ってくれたから、自分のペースで頑張れた
初めてですが、ある時授業中に教室を飛び出し から、のびのび学べました。
たくなり、そして廊下に出て大声で叫びたくな 絵本を読ませてもらったり、劇でウサギやか
りました。「みんな、来て。」「この学生た いじゅうの役をやらせてもらえて、みんなと英
ち、本当にすばらしいよ。一生懸命に英語を勉 語が楽しめた。英語話せたらもっと楽しいんだ
強している。」と自慢したくなったのです。授 ろうね。かっこいいしね!頑張る機会があった
業で私が学生を指名して解答を求めるという作 らやりたい。
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千葉明徳短期大学保育創造学科月刊通信
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てあげたいと思いました。
英語の劇もとても新鮮で、表現の仕方は本当
■ 鈴木 美昴さん
今まで英語を勉強したことはあったけど、保 に様々でたくさんあるのだなと思いました。
育英語というのは初めてで、学ぶことが全く新 授業を受けて一番変わったことは、英語が楽し
鮮で楽しかったです。 幼児語の英語があった い ! って 思 っ た こ と で す。 木 曜 日 の こ の 時
り、手遊びを英語でやったりなど保育と関連し 間、大好きでした!
ていたので、とてもためになりました。私は失
敗することが怖くてなかなか挑戦できないタイ ■ 松岡 咲希さん
保育英語を履修する際、とるかとらないかと
プの人間だったので初回の授業で、失敗しても
いい、間違うことは恥ずかしいことではないと ても悩みました。英語は好きだけど、がっつり
先 生 が 話 を してく れて、 失 敗 して も い い か ら の英語は高校以来だし、不安だったから迷った
やってみようという気持ちになれました。そし のを覚えています。今は、とって本当に良かっ
て、英文を読むときにいつもより大きな声が出 たと改めて感じます。
毎 回 楽 しく 出 席 で き た の は 、 先 生 が 楽 しく
せるようになったり、長文は抑揚をつけたりす
やってくださり、ガチガチの英語ではなく日本
ることができました。
失敗を恐れずにやってみたら、英語を話すこ 語も入れて表現していいのだと、自信をつけて
くれたからこそ嫌にならずにやってこられたの
とがとても楽しくなりました。
分からないことは辞書で調べたり、友達に聞 だと思います。それと毎回板書の授業ではな
いたり、また、友達が困っているときは教えて く、これからの私達の道に必要な手遊びや歌、
あげたりなど、周りと協力して楽しく英語を学 お菓子の家づくり、劇などいろいろな形で授業
ぶことができました。英語がもっと好きになり を楽しめたので木曜4限が本当に楽しかったで
す。一緒に受けた仲間もみんな仲良しだし、笑
ました。英語の授業を受けてよかったです。
いっぱなしで、このクラスで受けられて本当に
良かったです。
■ 平岡 綾さん
現場に出て保育英語が少しでも役に立てるよ
最初、「英語」と聞いて文法など、固い感じ
で行うのかと思っていました。しかし、受けて うに頑張りたいです。私が就職する園も英語を
みると違って英語の手遊びや言い回しが 保育 取り入れているので手遊びとか子どもに教えて
あげたいなあと思います。
英語 になったり、とても新鮮でした。
発音もみんなの前で英語を言ったりすること
は、あまり得意ではなく、不安でしたが、毎回
先生が「英語はいろんな発音があるんだから自
信を持って大丈夫!」と声をかけてくださるこ
とで安心しました。
そして、英語を楽しいと思えるようになりま
した。不安なことを「大丈夫」と声をかけても
らうことで安心して受けることができたし、う
れしく思いました。なので、この経験を生かし
て、自分も子供に「大丈夫だよ。」と後押しし
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千葉明徳短期大学保育創造学科月刊通信
2011年1月31日
皆さんに紹介したい本は、実は日本人が書いた
本ではありません。上記の絵本のような楽しく分
かりやすいコンテンツでもないし、子ども向けの
の本でもない。大人、とりわけ子どもに関わりの
ある親と保育者向けに書かれた「遊びの心理学」
です。著者の2人はアメリカで著名な発達心理学
者である女性。今現在アメリカで様々な舞台で
「子どもに遊びを取り戻す運動」にも深く関わっ
ているような人で、名前はキャシー・ハーシュ=
パセックと、ロベルタ・ミシュニック・ゴリンコ
フ(何だか覚え難い外国人の名前です)と言う。
本のタイトルが『子どもの「遊び」は魔法の授業
―アイシュタインはフラッシュ・カードの世話に
なったことは一度もないよ』です。2003年に出
版された本ですが、和訳で出るのに3年もかかっ
たようで、日本での初版が2006年となりまし
た。まじめな研究者が書いた本ですから、学生の
皆さんは 難しい と考えて、なかなか手が出ない
と思いますが、実は難しい内容ではありません。
皆さんが保育実習や教育実習する時に、あるいは
保育者となり、就職した際に(あるいは就職先を
選ぶ際に?)、保育現場の一員として、あるいは
また結婚し、子どもに恵まれた親として数年後
(最短距離で行けば1∼2年後)に決まって直面せ
ざるを得ない問題について書かれた本ではないか
と思います。それはどのような問題かと言うと、
子どもの遊び(子ども主体の活動)と教育(大人
=保育者+保護者主体の活動)についてどう考え
ればよいか、最近の発達研究の立場から「遊び」
と「学び」の関係について良心的に言えることと
は何かを、とても分かりやすいスタイルで語る本
です。(どの教員がライブラリーに入れたのか分
りませんが、誰かに読まれた形跡はありません!
もったいないことです。)
「またまた!あそび」について
在学中はライブラリーから目を離さないで
図書館担当:深谷 ベルタ
幼児向け児童文学として1974年にポプラ社か
ら出版された なかえよしを文、上野紀子絵の
『ねずみくんのチョッキ』という名作絵本があり
ます。この絵本は在学生の皆さんが生まれた約20
年前(1990年代の初め頃)には既にベストセ
ラーだったので、知っている学生も多いのではな
いかと思います。この本は、初版の成功に著者も
味をしめて(?)、結局、27作からなるシリーズ
ものになりました。内容と言えば簡単で、小さい
ねずみくんがお母さんに編んでもらった赤い
チョッキを、ねずみくんの仲間たちが無理矢理着
てしまうためにねずみくんが悲しい想いをした
り、最後にいい想いもしたり…という単純そうで
すが意味深い 事例 、子ども(だけではない?)
の世界によくありそうな話であることはロングセ
ラーになった魅力の一つでしょう。1作目はかな
り好評だったために3作目に『また!ねずみくん
のチョッキ』、7作目に『またまた!ねずみくん
のチョッキ』、13作目に『とりかえっこ!ねずみ
くんのチョッキ』、25作目に『だから!ねずみく
んのチョッキ』という具合に、同じテーマへの接
近の仕方を少しずつ変えて行き、結果的に27作か
らなるシリーズものを生み出していった絵本作家
のコンビ(夫婦)によって書かれたものです。
学生達に絵本のことも、もちろん、よく知って
欲しいけれど、私が今伝えたいと思うのは絵本と
は別の事です。何か大事に思えることに対する拘
りについて話したいわけです。私にとってその拘
りの一つは「幼児期の遊び」です。本校の教員の
中で乳幼児期の遊び̶より正確に言えば遊びの大
切さ̶について拘っているのは何も私だけではあ
りません。どの教員も一律に遊びの大切さを認め
ていると思いますが、『月歩学歩』の紙面上、私
が何度か「あそび」をテーマとするエッセイ
(?)なりを書かせていただいているので、「ま
たまた!あそび」というわけで、私も拘りとする
遊びについて書かれた一つの本を紹介したいと
思ったので、あえて「またまた!あそび」という
タイトルにしたというわけです。(導入が長いで
すね。)
子どもが生まれたら知育玩具を扱うビジネスか
らアナタにかかってくるプレッシャー、より賢い
子どもを育てるための教育をどう考えるか?義務
教育の下請け産業を引き受けている幼児教育現
場、あるいは場合により保育現場をどう考える
か?この本を読めば、平均的なアメリカ人の子育
て家庭(親)事情と日本のそれとは意外と悩みを
同じとすることも新鮮に感じるかもしれません。
しかし、地理的に、社会的に、そして文化の面か
ら見てもかなり遠い国同士なのに…なぜ同じ事に
悩むことになったのだろうか?…ライブラリー運
営変更について次号の『月歩学歩』も読んでね!
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千葉明徳短期大学保育創造学科月刊通信
2011年1月31日
看板の前で、拙い言葉で社会の矛盾や不平等
20歳の頃
を語りあった中学校や高校時代の友が大人び
た 口 調 で マ イ ク を 持 って ア ジ 演 説 を して い
丹野 禧子
た。TVに映し出されたデモ隊の中に知り合
いを見つけ胸が苦しくなった。私は一人取り
二十歳の頃、私は岐路にいた。「私にはこ
残されたような焦燥感に打ちひしがれ、必死
れしかない」と幼い頃から思い込んでいた人
に も が いて い た 。 新 宿 の 風 月 堂 は ア ンダー グ
生の目標を諦めなければならないところにき
ランド、アングラと呼ばれた芸術に身を置く
てしまったのだ。
若 者 の 溜 ま り 場 だ っ た 。 1 杯 の コ ー ヒ ーで 何
私は、幼い頃から「絵描きさんになりた
時間も粘り、青臭い芸術論を交し合った。自
い」と言う夢を持っていた。引っ込み思案で
分がいかに表現することに特化しているのか
1人遊びの多かった私は、家の中で絵を描い
確かめたくて合間を見て通った。デッサンを
て過ごすことが多かった。絵を描くことは自
し、油絵を描き、学科の勉強をし、バイトを
分を表現する一番の手段でもあった。幼い頃
した。何故受からないのだろうか。激しい片
からコンクールで賞を貰ったり、高校生では
思いのような日々だった。自分には才能がな
県展に入選したりしていた。そんな簡単にプ
いとも思い始めていた。その思いを消そうと
ロに成れるはずもないのに、自分はプロの絵
しゃにむに絵を描いた。あまりにひどい
描きに成れると思い込んで、自分は芸大に入
怠
感に病院に行くと、医者に「若いのにこんな
れると信じて疑わなかった。試験は3次まで
に身体が疲労している人を見たことが無い」
あった。現役で2次で落ちて他大学に行く気
と言われ、命を削るほど絵を描いた。描きな
がなく、浪人をした。朝は6時に家を出て1
がら自問自答した。「なぜ私は芸大に入りた
2時近くに家に帰る毎日だった。絵の具代、
いのか。入らなければならないと思っている
キャンバス代、研究所代、交通費は自分で出
のか。美術大学はどこでも同じではない
す約束を親としていたのでバイトと絵の勉強
か。」考えて行き着いた答えは、「芸大に行
に 明 け 暮 れて い た 。 絵 の 具 だ ら け の ジ ーパ
くのは良い師に出会うため、絵を描くための
ン、 黒 の 長 袖 の シ ャ ツ、 素 足 に ゴム ぞ う り が
良い環境があること」そこに思いが行ったと
私の1年中の制服だった。美術研究所は地方
き、「そうだ、良い師を見つければ学校へ行
天才の集団だった。どの人も、どの人も各地
く必要も無い」「環境は自分で作れば良い」
方で賞を総なめしているような人達だった。
そう思いながらも「自分に才能がない」と思
そして「1浪、2浪はまだひよこ」といわれ
う気持ちは封じ込めていた。
5年、10年と浪人している人がたくさんい
これが私の二十歳の頃。苦く 重い日々のく
た。私が受験していた頃は、油画科は40倍
り返しだったが、それは今の「私」になるた
近くの競争率だった。1浪目も2次で落ち
めの往還だったのだろう。この後紆余曲折が
た。年子の弟は大学1年になった。意地を
あり、絵を捨てて幼児教育の道に進んだ。
はって他大学は受けなかった。2浪目も落ち
幼稚園の現場についたことで絵筆は折った。
た。短大に行った同窓生は卒業し就職が決
それまでの作品も全部焼いた。心から「絵を
まっていた。結婚し子どもができた友達もい
描きたい」と思うまでにはこの後15年の時
た。あの頃は学生運動が大きなうねりを見せ
間が必要だった。65歳になった今、私は楽
始め、「自分達の力で世の中の不平等を変え
しんで絵を描いている。
ていきたい」「日本の国は本当の意味で自立
して い か な け れ ば な ら な い 」 と 若 い エ ネ ル
ギーがほとばしっていた。大学の構内の立て
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千葉明徳短期大学保育創造学科月刊通信
2011年1月31日
況のお母さんもいて大変さが伝わってきます。
学校関連フィールド
工作や遊具を使って体を動かす遊びを設定した
時には下のお子さんを学生スタッフが見て上の
「ほっとステーション親子」
お子さんとお母さんがじっくり活動できるよう
配慮します。子どもを一人だけ育てているとき
の「大変さ」とちがう「大変さ」がお母さんの
松原 寿子
「ほっとステーション親子」は千葉明徳短期大
学内で開いている子育て支援の場です。学校周辺
の0才から未就園児のお子さんとその保護者が利
用しています。平成10年に「親子教室」として始
まり、どうしたら親子の皆さんが安心して利用で
きるのか、毎年少しずつ形を変えながら進めてき
ました。
笑顔を少なくしてしまっていることもあります。
この場でできる支えをして、またスタッフが育
てるコツを少しずつ話すと笑顔が戻ってきてお
子さんとたちと向き合えるようです。学生との
かかわりを楽しみに来る親子もいます。授業の
都合で学生が参加しない日は「お兄さんとお姉
さんいないね」と子どもが残念そうに話してい
ます。我が子が母から離れ学生と遊んでいる様
平成22年度の様子をお話しします。
子を見て、母以外の人と遊べるようになったの
月曜日10時∼12時「ひよこクラス」
だと成長を喜び、我が子の可愛い笑顔の再確認
(0才児・1才児親子、登録制50組)
前期(4月∼7月)は図書室前の「わくワーク
工房」というお部屋で開室、木のおもちゃに触
をしています。学生にとっても親子にとっても、
とてもいい時間が流れています。
金曜日10時∼12時「あひるクラス」
れながらハイハイやヨチヨチ歩きのお子さんが
ゆったりと過ごし、お母さんも他のお母さんと
の情報交換をたくさんしていました。第一子で
初めての子育てにとまどっている方が第二子・
第三子を持つお母さんと交流することで不安が
解消されているようでした。後期9月からは2号
館211教室で開室、ヨチヨチ歩きだったお子さ
んがトコトコ歩きとなり広いお部屋をあちらこ
ちらへ歩いて探険、お母さんも後を追いかけて
いきますが、広い室内で安全で助かると話して
います。また室内遊具にも挑戦し、からだを
使 って 遊 んで い ま す。 お 母 さ ん や ス タ ッ フ が
「上手、上手」とほめると嬉しくなり何度も挑
戦しています。お母さんの悩みは食事や眠りに
ついてなどですがスタッフと話したり他のお母
さんと話すことで解消しているようです。
(2才児・3才児親子・登録制50組)
昨年度この年齢のクラスへの希望が多くいた
ことを踏まえ22年度はクラスを増やし募集しま
した。パンダクラスと内容は同じで毎回テーマ
があり親子で過ごしています。初めは緊張してい
た様子の親子もお母さんがこの場に慣れ笑顔に
なるとそれが子どもに伝わるのか、子どもも自
分から遊びに参加できるようになってきていま
す。 こ の ク ラス で は 古 山 先 生 の 「 保 育 内 容 演
習」の学生達が11月に子ども向けのオペレッタ
を親子の前で発表し、子ども達はお母さんのお
ひざに座り見入っていました。約10年前にこの
学校を卒業し保育士として働き、お母さんと
なってこのクラスに参加している方が学生の様
子を見て「学生時代を思い出し緊張して見てい
ました」と感想を話していました。
水曜日10時∼12時「パンダクラス
火曜日10時∼12時「ゆったりひろば」
(2才児・3才児親子、登録制50組)
昨年度の赤ちゃんクラスから継続の親子と新
規 の 親 子 が 利 用 して い ま す。 学 生 ( 現 代 社 会
論・小林暉親先生のグループ)も参加していま
す。このクラスは兄弟姉妹を2人連れて参加する
お母さんが多くいます。2人とも目が離せない状
(0才∼未就園児)
発達に心配のあるお子さんのひろばとして予
約制で、少人数でゆったり過ごしています。保
健センターなど他機関とも連絡を取り、ほっと
ステーション親子を利用して頂くよう紹介して
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千葉明徳短期大学保育創造学科月刊通信
2011年1月31日
もらっています。この
トは「手作りおもちゃ」、数カ月前からスタッ
ひろばには保育方法演
フのいる小林研究室は内職工場のようになりま
習・小林暉親先生のグ
す。またスタッフの「お楽しみ」はスタッフが
ループの学生が参加し
色々なものに変身します。何年も通っているお
ています。4月から参
母さんが「今年は何?」と楽しみにしてくれて
加しお子さんとどうか
います。お楽しみ会が終わり帰って行く時にあ
かわったらいいのか、
るお母さんが「パワーをもらって元気になりま
またお母さんと話すことも緊張していましたが
した。楽しかった」と笑顔で感想を話してくれ
最近はお子さんの様子を受けとめながらかかわ
ました。お母さんとお子さんの笑顔をたくさん
り、お母さんともお話ができるようになってき
見ることができました。
ました。通ってくるお母さんはさまざまな悩み
毎年出会う親子の皆さんの乳幼児期の子育て
を抱え来室しますが小林先生やスタッフと話を
に寄り添うことができスタッフとして嬉しく思
することで帰りには笑顔となって帰って行きま
います。お子さんたちの可愛さを感じ、お母さ
す。しかし毎日お子さんと向き合うことが大変
んの子育ての喜びを一緒に感じ嬉しい瞬間がた
な様子も見られ、継続的に支えていく必要があ
くさんあります。時には苦しいつらい様子を聞
ると感じています。
き一緒に涙することもありますが、それを乗り
ほっとステーションの各クラスのプログラム
越えた母の笑顔を見たときにはスタッフとして
は季節に応じた工作、毎月のお誕生会、みんな
また同じ母親として安心し喜びとなります。こ
で楽しむ行事「運動会」などもあります。12
れからも「我が子ってこんなに可愛いよ」とお
月にはクリスマスのお楽しみ会をやりました。
子さんの可愛さをお母さんに伝え、「子育てっ
附属幼稚園のお母さんのアンサンブルサークル
て大変だけど楽しんで」と伝えながらお母さん
の演奏を聴いたり、学生やスタッフのお楽しみ
とお子さんの笑顔がたくさんあふれるような場
を見たり、またサンタクロースの登場でワクワ
作りをしていけるよう努力していきたいと思っ
クドキドキの体験をしました。毎年のプレゼン
ています。
「あそび基礎演習>造形表現」①布で自分を表現してみる、そして②ビジュアルレポートを描く
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カレンダー
2011/1/24∼2/5
保育園/所実習(1年生)
2011/2/18
学びの成果発表会(1-2年生)
2011/2/21∼3/5
施設実習(1年生)
2011/3/10∼3/23
施設実習(1年生)
2011/3/15
卒業式(2年生)
保育実習先巡回訪問中に見つけた面白そうで遊び心あふれる園庭
編集後記
今月号の主テーマは「保育現場で実習して育つ」ということで、
表紙の写真もこのテーマに添って、巡回訪問する保育現場で 発
見 した面白く思えた遊具等の写真の中から選んでみました。
植木鉢のポットのオブジェは厳密な意味では遊具ではありません
が、他の3枚は最近浸透しつつある園庭の見直し運動(?)の成果
だと言ってもよいかも知れません。私は明徳に着任して4年目にな
り、その間に訪ねた保育園や幼稚園の園庭に常に興味津々です。園
庭に入るなり、遊具の数や種類、素材や配置、そして子どもが遊ん
だ痕跡を必ず確認するようにしています。今回の巡回でも面白そう
な手づくり遊具に出会いました。砂場もありながら見事な泥山も
あった保育園。高い木に登れるようにロープや網が装備されたり、
竹の棒が取り付けてあったり。子どもたちが楽しんでいた遊具の一
つは おばあちゃん と名づけられた大きな布袋でした。袋のプロ
ポーションと言い、色と言い、そしてその抱き心地までも何とな
く おばあちゃん らしい手づくり遊具でした。
ある地域では園庭をより充実した遊び環境に変えるために地域住
民、とりわけ日曜大工などが得意な おじいさん先生 の力を町ぐる
みで借りて、遊び心とモノづくりに長けている おじいさん先生 に
よって作られた シンデレラの馬車 や小さな家、そして子どもたち
が遊びに応じて自由に組み立てることのできる板や可動式の玩具を
多く作ってくれていました。他の地域にも広がると良いですね。
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発行:
千葉明徳短期大学
千葉市中央区南生実町1412
Tel:043-265-1613
Fax:043-265-1627
e-mail:
[email protected]
URL:http://
www.chibameitoku.ac.jp/tandai.html
編集: 深谷 ベルタ
(准教授)
得重 直純
(広報及び入試担当)