学園だよりNo.115 - 湘南学園

第115号
湘南学園だより
(1) 平 成 2 3 年 1 0月1日発 行
湘南学園だより
発 行
湘 南 学 園
学 園 だより
編 集 部
八月三〇日、幼小中高のほぼ全教
員一〇六名︵PTAからの役員三名
を含む︶が参加して、学園始まって
以来の第一回全学教育研究集会が
開かれ、幼・小・中高各パートから
5本の実践が発表されました。
実践報告は、どれもこどもたちに
対する人間的なあたたかい働きか
けを通して、わかるよろこびやでき
たという達成感を与え、自立をうな
がしていくもので、湘南学園の教育
の素晴らしさを改めて実感するこ
とができました。
ま た、同 時 に 行 わ れ た 通 信 交 流
は、先生方が時間をかけ身を削るよ
う に し て 発 行 し て い る 通 信 をB4
版一枚にまとめて発表交流しよう
というものでした。幼小中高全体で
学 級 通 信・学 年 通 信・教 科 通 信 四
九種類がまとめられ、参加者に手渡
されましたが、はじめて見る通信も
あり、ワクワクしながら拝見しまし
た。湘南学園の旺盛な教育活動を如
実に示すものだと思いました。
第 一 回 教 研 に 対 す る び っ し り と
書かれた感想は、﹁幼小中高しっか
りつながっていたことが実感でき
た﹂︵幼︶、
﹁中学に上がる前に、より
確かな基礎力と学習習慣を身につ
けられるようにしたい﹂︵小︶、﹁小学
校はなんて豊かな実践をしている
のか!﹂︵中︶、﹁同じ教員室の同じ教
科の先生が、こんなに生徒に寄り添
い、科学的・具体的な指導をしてい
ることを今日はじめて知った﹂︵高︶
など実践報告に対する感動や共感
で綴られていました。また、湘南学
園が総合学園として、人間性豊かな
教育実践を通して、各パートが理解
しあい、ひとつになることをじつは
多くの参加者が切実に求めていた
ということが熱くひしひしと伝わ
ってきた教研にもなりました。
教 研 成 功 の た め に ご 努 力 い た だ
い た レ ポ ー タ ー・司 会 者 そ し て 参
加者のみなさんに心からお礼申し
上げます。
学園長 仲本正夫
新たな一ページひらいた湘南学園第一回全学教研
No.115
平 成 2 3 年 1 0月1日発 行 (2)
湘南学園だより
第115号
﹁高等学校三年生 英語の指導に
ついて﹂
︱学習意欲を育てる︱
報告者 中高英語科
木下 貴志先生
中学校高等学校
﹁教科指導を通して中学二年生の
学習意欲を育てる﹂
報告者 中高数学科
里吉 正先生
﹁スタートした小学校新校舎での
ICT機器を使った教育づくり﹂
︱高まるこどもたちの学習意欲︱
報告者 メディアセンター担当
前川 貴宏先生
小学校
﹁比を使って大仏の顔の大きさを
求める﹂
︱修学旅行の体験を豊かな学びに
つなぐ︱
報告者 六年いすず組担任
西 真由子先生
幼稚園
﹁意欲を高める保育とは﹂
︱心のよりどころとなる保育と
は︱
報告者 年少組担任
稲川 仁美先生
学園は一つ│第一回全学教研開催
八月三十日という新学期準備で
多忙な中、中高ホールを会場に、
幼稚園、小学校、中学校高等学校
各パートの専任教員が一同に会し
て、湘南学園第一回全学教研が開
催されました。
湘南学園では従来もパートごと
に、旺盛な教育活動を行ってきま
したが、パート間での交流と連携
が必ずしも充分ではないとの指摘
が保護者からもされてきました。
総合学園である以上その良さを
教育実践内容にも生かしていくこ
とが求められています。その意味
で今回このような取り組みが行わ
れたことは、パートをこえて、学
園にとっての大きな一歩であると
評価しています。
各報告の概要
当日は幼稚園から一本、小学校
から二本、そして中学校高等学校
から二本と、あわせて五つの意欲
的な実践報告が行われました。金
馬国晴横浜国立大学准教授、仲本
学園長のお二人に共同研究者とし
て参加いただき、半日間に渡って
活発な質疑応答を行いました。以
下簡単に五人の先生方の報告内容
をご紹介いたします。
なお今回の共通テーマは﹁学習
意欲﹂でした。
各報告の概要は次の通りです。︵報告
者の敬称は略させていただきます。︶
幼稚園では夏休み期間中に全員
がテーマに沿ったリポートを作
成、研究会を実施しました。その
中から選ばれたのが稲川リポート
です。三歳児の実践ではていねい
に共感的に、園児の心に寄り添い
ながら、﹁安定した心の土壌を満
たしてあげることが、この時期な
によりも大切なこと﹂と具体的に
報告されました。四歳児、五歳児
の実践では﹁忍者遊び﹂などを通
じた豊かな遊びの世界の中で、子
どもたちの自発性を育てる実践。
また友達との関わりを大切にし
て、生活の中で園児が発見した事
柄の中から探究心を育てる実践が
語られました。
小学校西リポートでは、三泊四
日の京都奈良修学旅行の体験をも
とに、国語、社会、そして算数の
教科学習と結び付け、﹁豊かな学
力﹂という小学校の教育課題に迫
ろうとした実践報告でした。算数
の﹁比﹂の学習として﹁奈良の大
仏﹂の顔の大きさを、グループの
共同学習で求め、実物大の顔を模
造紙で表しました。
子どもたちの意欲を高める﹁学
びあい﹂の教育の在り方を追及
し、また総合学習の視点を大切に
した、湘南学園小学校らしい取り
組みでした。
前川リポートは小学校メディア
センターの立ち上げの中心になっ
て取り組んできた経験をもとに報
告したものです。
小学校ではすでに一年生からメ
デ ィ ア の 授 業 で は 全 員 がP C を 使
って学んでいます。メディアセン
タースタッフの援助を受けなが
ら、電子黒板を活用した授業実践
は、予想より早く定着しつつあり
ま す 。 ﹁I C T 機 器 の 導 入 で 何 か
が劇的にかわるわけではない。し
か しI C T 機 器 を 利 用 し て 、 教 師
が楽しみながら授業をすること
で、学習意欲は高まる。﹂ことを
具 体 的 な 例 を あ げ 、 実 際 にI T を
活用したプレゼンテーションで示
しました。
中学校里吉リポートでは﹁基本
第115号
湘南学園だより
(3) 平 成 2 3 年 1 0月1日発 行
は授業です。自信を持って授業を
するためにはしっかりとした教材
研究と、生徒との信頼関係が大
切﹂とまず﹁文字式の計算﹂を例
に生徒の興味関心を高める工夫の
ある授業を紹介しました。
続いて定期試験の結果を分析
し、課題のある生徒を、小グルー
プにわけて生徒の理解に応じた教
材を用意し、学力補充に取り組ん
だティームティチングの取り組み
を発表しました。朝の時間を活用
した粘り強い努力を示した報告で
した。
高等学校木下リポートは難関大
学、上位大学での出題が多くなる
傾向にある﹁自由英作文︵小論
文︶、内容要約﹂の指導をめぐっ
ての取り組みが、報告の中心とな
りました。英語学習の中でもとり
わけ難しい課題である﹁自由作
文﹂という課題について、一人ひ
とりの課題が何か、ということを
明確にして、極めて具体的に、て
いねいに指導した報告でした。
﹁大学入試で問うのは論理とはど
ういうものなのかを理解している
か﹂﹁なぜ学ぶのか、それはより
良く生きる力を養うため﹂と視点
を明確にした実践の報告でした。
全学教研に参加して
今回の教研では、参加していた
だいた先生方一人ひとりから感想
をいただきました。その中のごく
一部ではありますが、ご紹介させ
ていただきます。
五本の実践報告に感動するばかり
貴重な時間を過ごすことができ
たように思います。全体を通し
て 、5 名 の レ ポ ー タ ー の 方 の 実 践
報告を伺いながら感動することば
かりでした。それは、他パートの
取り組みの実践を知ることができ
たからですが、それ以上に、先生
方の子どもたちへの熱意を本当に
ひしと感じることができたからで
す。
普段知ることの出来ない小学校
の先生方、中高の先生方の教育へ
の熱意には感嘆と感動の連続でし
た。今回全学教研を通して、改め
て幼小中高のつながりの大切さ、
そしてそれらの取り組みを知るこ
とで一丸となって進むことができ
るという情報交換の大切さを感じ
ました。今後も学園の教員の一員
として、熱意を持って保育に取り
組んでいきたいと考えています。
︵幼A︶
小学生がどこまで学力をつけなけ
ればならないのか改めて実感した
本学園で学園生活を送っている
三歳から十八歳までの一人の人間
が成長する道標がよく分かった研
修でした。幼稚園の稲川先生の報
告は日々の生活の中での小さな発
見と変化を見逃すことなく、保育
に取り組んでいる様子が伝わって
きました。小学校の西先生と前川
先生の報告からは、児童の次の授
業への期待感が高まっている様子
が伝わってきました。小さな達成
感がひとつひとつ積み重なること
が、児童の意欲となるのでしょ
う。
中高の里吉先生の報告の中の
〝 基 礎 学 力 の た め に は〟興 味 ぶ か く
拝聴した。小学生がどこまで学力
をつけなければならないのかを改
めて実感した。木下先生の報告は
英語科だけにとらわれない人と人
とがつながる深い内容だったと思
います。
︵小B︶
子ども達の持つ力を引き出せる
関わりを、どうしていくのか、課
題も見えてきた
どの先生も目の前にいる子ども
達にとって何が必要なのかを考え
関わられていることに感動しまし
た。その上で金馬先生の講評にも
あったように、楽しい知的好奇心
をどう持たせていくか、それは子
ども達がどう生きていくかという
ことにつながっていくのではない
かと思います。ともすれば難関校
を突破することが注目されがちで
すが、大学の課題でもある﹁自分
が何をして生きていくのか﹂とい
うことを考える関わりも必要だと
改めて痛感しました。
︵中J ︶
学園︵総合学園である湘南学
園︶にとっても歴史的な日だった
自分の身近な湘南学園の中に今
まで知らなかった優れた実践があ
ることに気づき、それをとっても
うれしく思います。今日は学園名
とっても歴史的な日だったと思い
ます。実はパートを超えた取り組
みを知っただけでなく、同じ教員
室内の同じ教科の先生がこんなに
生徒達に寄り添ってそして科学
的・具体的な指導をされているこ
とを今日はじめて知りました。僕
も初心に帰って科学的な指導を模
索してガンバローと思いました。
︵高C︶
※いずれの文も紙面の都合で一部
割愛させていただいています。
︵文責 小 斉木︶
平 成 2 3 年 1 0 月 1 日 発 行 (4)
湘南学園だより
第115号
夏 休 み を 間 近 に 控 え た7 月 2 日
と﹂の大切さについて生徒諸君に考
から物事を見たり考えたりするこ
が作られていることに気付いて欲
編集者の考えのもとに番組や報道
たことを紹介し、取材している目、
聞が全く異なった評価を下してい
の初先発の結果に対して、
2つの新
野球日本ハム球団の斎藤佑樹投手
題に入られましたが、まずは、プロ
敵な学校だったそうです。その後本
した。
伝えられて講演会は終了となりま
への謝辞と生徒へのメッセージが
最 後 に 仲 本 学 園 長 か ら 鈴 木 先 生
も丁寧に答えていただきました。
出されましたが、鈴木先生にはとて
なった経緯は?﹂といったものまで
か﹂、さらには﹁NHKに入ることに
第3回松ぼっくりフォーラム
鈴木健次氏講演会開催される
︵土︶に、第3回松ぼっくりフォーラ
周年
ーム湘南学園﹂として森ビル社長・
園、
PTA、後援会が一体となり﹁チ
です。昨年は同窓会に加えて湘南学
して招き、講演会を行うというもの
されている著名な卒業生を講師と
園の在校生に向けて、社会でご活躍
配を揺るがしかねないという脅威
る一方、権力者にとっては自分の支
努力すれば情報を得ることができ
=情報化社会﹂では、貧しい人でも
有力な力の源泉となっている時代
されました。現代のように﹁情報が
うことを知る必要についても強調
て、事実がゆがめられかねないとい
感 想 も 非 常 に 積 極 的・前 向 き な も
ーモアあふれる内容に、生徒諸君の
たが、鈴木先生の軽快な話し方とユ
ないか﹂と危惧することもありまし
く理解できないものになるのでは
生1年・2年の生徒たちには﹁難し
生徒を対象とするだけに、特に中学
齢の生徒、理解力に大きな差がある
1 年から高校2 年までの幅広い年
実行委員会は、今回の講演会は中学
今 回 の 講 演 会 を 準 備 し た
森稔氏の講演会を開催することが
があり、権力の側から情報をコント
のが多かったと思います。﹁複眼的
しいと呼びかけました。また、受け
できましたが、今年も﹁チーム湘南
ロールする傾向が強いと話された
な思考﹂ということを、様々な情報
とる側の第一印象や先入観によっ
学園﹂の取り組みとして準備され開
後、﹁報道の裏側をある程度知った
ム が 開 催 さ れ ま し た。こ の 企 画 は、
催されました。
上で情報を上手に使うこと﹂、﹁見え
湘南学園同窓会が、とりわけ湘南学
今回講師としてお招きしたのが、
きたいというような感想が少なか
森稔氏と同じく湘南学園中学校第
らずあり、今回の講演の重要な成果
を受けとる際にも、そして身近な人
大切さを話されました。ウォーター
間関係を考える際にも活かしてい
えてもらうことを内容としました。
ゲート事件やロッキード事件、さら
ているだけではダメで、複眼で得ら
講演会の冒頭に、中高校長山田先
れた情報を分析して考えること﹂の
授、元NHKディレクターの鈴木健
生より今回の企画の趣旨が話され、
こ こ に 幾 つ か の 生 徒 の 感 想 を ご
次氏です。鈴木先生の豊富なご経験
いと話をまとめられました。
をもとに、中学1年∼高校2年の約
その後の質問の中で、﹁たくさん
紹介させていただきます。
であったと思います。
鈴木先生は、まず、ご自身が湘南学
の情報がある中で、どうすれば正し
には原発事故にまで言及されなが
園の中学生であった頃の話をされ
いものを取り入れることができる
ら、じっくりと真実を見極めて欲し
なったのです。
ました。学年1クラスの小さな学校
同時に鈴木先生の紹介が行われま
テ ー マ は﹃複 眼 的 思 考 の す す
だったが、自由でのびのびとした素
した。大きな拍手の中で登壇された
め﹄・・・ちょっと難しそうなテー
業﹂としてご講演してもらうことと
マですが、﹁いろいろな立場・視点
9 0 0 名 の 生 徒 に 対 し て﹁特 別 授
一期卒業生であり、大正大学名誉教
80
第115号
湘南学園だより
(5) 平 成 2 3 年 1 0 月 1 日 発 行
に残った。私も気が弱いから、すご
です。人間は変わるという言葉が心
・分 か り や す く て お も し ろ か っ た
すごく安心できました。︵中2女子︶
たです。でも鈴木先生の話を聞いて
からなくて不安ですごくこわかっ
接してしまうとことがあるのです。
象 で こ う い う 人 だ!と 決 め つ け て
うことです。私は周りの人を第一印
手 を 見 て み る よ う に し よ う!と い
納得のいかない結果になってしま
とかん違いがおこってしまったり、
ざいました。複眼的にものを見ない
・今 日 は 貴 重 な お 話 あ り が と う ご
話していただいて、未来にやくだて
に今も残っています。長年の経験を
鈴木先生がいった言葉は、私の心
いました。
考で見ることは、すごいいいなと思
て思いこんでしまうから、複眼的思
り人間は、先入観、第一印象で決め
れのペースで大人に変わっていく
っしゃっていたように、人はそれぞ
しようと思いました。鈴木先生がお
けど、大切なことだと思うので努力
難しいことではあると思います。だ
増えるかなって思います。なかなか
のいい所も沢山見つけられて友達
だけど色々な視点から見れば、相手
とがおこるのですね。私もまだ将来
くりしましたが、人生には色々なこ
業が決まったということにはびっ
いました。フグとうな重で自分の職
かしたらもっと楽しそうだなと思
話しするのが上手で、普通にお話と
かりました。鈴木先生はさすがにお
うことがあるということがよくわ
くその言葉がひびきました。やっぱ
て い け た ら い い な と 思 い ま し た。
の職業の展望は無いのですが、どん
うに、それまえに色々な経験を積ん
なことが人生でおこっても良いよ
で、複眼的にものをみる というこ
の だ ろ う と 私 も 思 い ま す。だ か ら、
きく視野を広くして見ることがで
人をぱっと見で決めつけないで大
きるようになりたいと思っていま
とを少しでもできるようになれた
︵中1女子︶
ものごとをいろいろな面から見る
・私 は 今 回 の 講 演 会 を 聞 い て い て
︵高1女子︶
いろな視点から見ると自分の考え
のっていた。こうやって物事をいろ
っと違う視点から見た斎藤投手が
と思います。でも、他の記事にはも
っとだめだったことを記事にする
た。例 え ば 斎 藤 投 手。私 だ っ た ら き
そうです。鈴木先生はとてもユーモ
でも新しい可能性を開いてくれる
考えは、勉強でも部活でも人間関係
で、新しい世界が見えてくるという
た。様々な視点から世界を見ること
考に新しい考えを与えてくれまし
・今 回 の 講 演 は 自 分 の 今 ま で の 思
ち、豊かな経験を積み、雄々しく社
達 が、確 か な 学 力 と 広 い 視 野 を も
とともに、今後も学園に通う子ども
た鈴木先生に、あらためて感謝する
んのヒントを与えてくださいまし
生徒たちに、生きる上でのたくさ
︵高2女子︶
す。
方だけでなく、他の人はどう感じて
アのある方でとても楽しく講演を
らいいです。
ことも大切なんだなあと思いまし
いるのかもわかりました。進路のこ
︹中高 山口吉英︺
したいと思います。
会に巣立っていけるよう、﹁チーム
とについても、質問の答えを聞いて
湘南学園﹂が努力することをお伝え
ございました。
聞くことができました。ありがとう
︵中3男子︶
いて、今からあせって夢を決めなく
ても大学に入っておいしい物につ
分を変えてみようかなと思いまし
た。それは今回のテーマでもありま
・私は今回の講演を聞いて、1つ自
すが、複眼的に、多くの視点から相
られて決めてしまうくらい軽くて
友達がもう夢や行きたい大学など
もいいのかなと思えました。周りの
を決めていて、でも自分はなにもわ
平 成 2 3 年 1 0月1日発 行 (6)
湘南学園だより
第115号
こどもたちの輝き
桜の咲く四月、初めての集団生活
に大 きな不 安 と緊 張を抱 えながら、
保護者の方と一緒に門をくぐったこど
もたち。表情も硬く、体もコチコチ。
一
度足が止まると、そこから一歩進むの
には時 間 がかかることも・・・。そ
んな体 と心 をときほぐしていかれる
よう、四月はスキンシップをとり、〝私
と先生〟という、一対一の関わりを大切
にし、保育者に親しみと安心感を持
てるようにしていきました。
また、園での楽しいこと・興味を持
てるものをこどもたちと一緒に見つけ
ていかれるように、
一人ひとりのこども
の気持ちを受け止め、一緒にひとつの
ことを感じ、身近な存在になれるよ
うに働き掛けていきました。
年少組担任 藤田さつき
自分のやりたいものが見つかってく
ると、こどもたちの目は輝きを増し、
生き生きとしてきます。
特に、自分たちの手によって様々に
形を変えていかれる砂場は、こどもた
ちにとって魅 力 的 な 環 境のひとつで
す。
ここではまた、保育者がこどもた
ちの気 持ちを惹 きつけるべく工夫 を
していきます。
四月の砂場は、すぐに遊具を手に
とって遊び始める子もいれば、遊具を
片手に、保育者や友達がしていること
をジーッと眺めている子など、その姿
は様々です。子ども同士、となりに居
合わせても、そこにはあまり会話は
みられません。楽しそ う な 大 人の模
倣をみながらあそび始めるこどもた
ちです。
そこで、保育者自身が裸足に
なって砂や水の感触を味わい、感じた
ことを言葉にしたり、どろだんごをつ
くってベンチに並べて﹁いらっしゃいま
せ﹂・・・。
そんな姿 をみせていきな
がら、﹁ぼくも!﹂
﹁わたしも!﹂
﹁やっ
てみたいな!﹂という気持ちを引き出
していかれるような楽しい雰囲気をつ
くっていきます。
ある日、大きな穴を掘って、
﹁ここに 水 を 運 んでいれてみよ う か
な。﹂と呟くように話をしました。
こ
の一言に、こどもたちの気持ちにエンジ
ンがかかりました。
何度も何度もバケツで水を運んで、穴
の中に水がどんどんとたまっていくこ
とを楽しんでいます。
そして、裸足に
なって足を水の中に入れてみたり、体
ごとどろんこになっていきながら、砂や
水の感触を味わっていたこどもたちで
した。
今度は、
バケツの他に、大きなたらいを
用意して、
水
「を運びたいんだけれど、とっても
重たいの。誰か力を貸してくれるお友
達いるかしら。と」話をすると、
﹁ぼくも!﹂
といわんばかりに、男の子
も女の子も快く力を貸してくれまし
た。﹁ワッショイ!ワッショイ!﹂
運びながら元 気な掛 け 声 もつけてい
き ました。
そんな楽しそ うな声 を聞
きつけて、周りにいたこどもたちも仲
間に加わってきます。
そのうちに、保
育者が加わらなくてもこどもたちが
一緒になって運ぶ姿がみられました。
隣りにいる子はまだ名 前 も知らない
お友達。
﹁○○○ちゃん、
ありがとう!﹂
﹁○○○くん、力持ちだね﹂
保 育 者が一人ひとりの名 前 を声にだ
して呼ぶことで、○○ちゃんっていう
名前のお友達がいるんだな・・・
と、友達への興味を広げていくきっか
けにもなっていきます。
それ以上に、こどもたちは自 分の名
前を呼んでもらえることがとても心
地よいのです。
一日の中でたく さんた
くさん子 ども 達の名 前 を 声にして、
笑顔で心を通わせる時︵場︶
を、意識
して心掛けています。
第115号
湘南学園だより
(7) 平 成 2 3 年 1 0月1日発 行
またある日は、タイヤの階段を三段つ
けた大 きな大 きな砂 山 をつくってお
き ました。もも広 場 と称した砂 場の
変化に子ども達の魅力は更に膨らみ
ます。
﹁ヤッホー!﹂
山のてっぺんで声がし ま す。
こどもた
ちは何度も登っては降り、そのうち登
った山の上からジャンプをしたり と、
繰 り 返 し 繰 り 返 し 楽 しんでいま し
た。
ワクワクと楽しい時間の中で、本
来こどもたちがもっている、もっともっ
とやりたいという 気 持ちを様々な場
面で引き出していきながら、次の日の
原動力へとつなげていきます。
入 園 当 初のこどもたちの重たかった
足取りは、日に日に自ら前へと進んで
いかれるようになっていきました。
そして、リズムのある繰り返しの生活
の中で、降園時間になったら、大好き
なお家の方がお迎 えに来てくれると
いうことを知ったこどもたちは、安心
して幼稚園生活の中での楽しみを見
つけていかれるようになっていき まし
た。
そんなこどもたちも一学 期 を終 え
るころには、お友 達 と片 言の言 葉を
交し合ったり、先生やクラスの友達と
一緒にダンスを踊ったり、手遊びをした
り、絵本を見る時間を楽しみにした
りする姿がみられるようになっていき
ました。朝・帰 りの支 度 を自 分で行
おうとする気持ちも大きくなってき
ています。
そんな一人ひとりの心の成長には、目
を見張るものがあります。
集 団 生 活のスタートである幼 稚 園の
生活が、こどもたちにとって安心した
生 き 生 き と し た も のに な る よ う
に・・・。
そして、こどもたちの目が、いつもいつ
も輝いていられるようにと、願っていま
す。
そう願いながらも、こどもたちから一
番、元気という大きな力を常にもらっ
ているのは、私たち、保育者なのかも
しれません。
こどもたちの計り知れぬ
力をたくさん発見できる毎日に感謝
をしながら、保育を進めていきたいと
思います。
夏の西校舎リニュアール工事
小学校教頭 鈴木 努
その後も、くり返し検討がなさ
れ、細部にわたって議論が行われ
ました。
結果的には、西校舎について
センターや教室棟が完成しまし
今年四月には、小学校メディア
教室は、新校舎とまるで同じと
ました。
もにリニュアールすることになり
は、既存の躯体を残し、内外装と
た。現在は、改築二期工事に入
いうわけにはいきませんが、なる
と思っています。
今後、様々な機会にご覧頂けたら
様にも使用していただきますが、
十月のバザーでは、保護者の皆
ってくれればと思っています。
いく上でのより良い環境条件とな
スなど子どもたちの活動を広げて
す。今後、教室やオープンスペー
広がりのある活動空間となりま
会、音楽の授業など、今後様々な
ペースは、クラス集会や学年集
ムとなっています。それぞれのス
周辺域を一体化させたプレイルー
ペースとなり、一階は、旧玄関と
ーター室を取り払い、オープンス
旧校長室や旧会議室、旧コンピュ
となりました。また、二階には、
新校舎教室とは、遜色のないもの
りや先生コーナーなど、見た目も
教室廊下側の半オープンなつく
ます。
べく同じ仕様のものに近づけてい
1F 教室
り、来年の八月に体育館・屋上プ
2F 教室
ール・音楽室・図工室・児童用玄
関などの完成を目指しています。
この夏休みには、西校舎のリニ
ュアール工事が行われました。
︵I T 関 連 や 付 帯 工 事 は 、 来 夏 と
なります。︶
小学校校舎改築については、着
工前の約三年前から教職員を中心
に研究・研修が進められ、保護者
や児童の意見なども取り入れ、検
討してまいりました。特に西校舎
については、どのようにするの
か。建て替えるのか、または、そ
のまま利用するのか。専門家も交
えながら論議を進めました。
建設全体のコンセプトとして
は、児童が学習しやすい環境・地
域や近隣に対しての配慮・工期の
短縮やコストの削減なども含め、
様々な視点から話し合われまし
た。特に近隣に対しては十分な配
慮をもとに対話を中心に進めまし
た。
2F オープンスペース
1F プレイルーム
平 成 2 3 年 1 0月1日発 行 (8)
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第115号
第115号
湘南学園だより
(9) 平 成 2 3 年 1 0月1日発 行
体験する喜び、驚きと感動
五年光輝組 中許竜宏
︿はじめに﹀
湘南学園小学校の﹁総合学習﹂は、
知識だけでなく、直接体験や具体的
な活 動 を通して五感で学びとり、心
で感じ取ることを目指しています。
国 語や算 数の授 業 を行っていく 中
で、
子ども達から出てくる何気ないつ
ぶやき。そのつぶやきをきっかけに﹁気
づき﹂があり、
その﹁気づき﹂が新たな
発 見や 疑 問 、問 題 提 起などにつなが
り、授 業が大 き く 展 開していくこと
もあります。外に飛び出しドッジボー
ルをしたり 、
クラスの出 来 事について
話し 合いをしたり 。その時の子 ども
達が何を求めているのかを探り、
その
時になくてはならない大 切な時 間 と
して設定しています。
その中で、
重要視したいことの一つが
﹁本物﹂に触れることです。
﹁本物﹂に
触れ、
それを知ることで、﹁本物﹂を自
分 達で創 りたくなり ま す。その思い
や願いが意 欲 的に物 事を探 求してい
く大きな力となります。このように、
児 童の興 味 、関 心に基づいた活 動 を
組み立て、学んでいくことの楽しさや
喜びを十分に味わわせられるような
学習が展開されています。ここでは五
年 生﹁ 総 合 学 習 ﹂の実 践 を紹 介した
いと思います。
︿きっかけのつぶやき﹀
﹁先生、
マグロをもう一度食べてみた
いな。﹂そんな一言が本マグロのかぶと
焼 き をするきっかけでした。
マグロの
頭の大 きさにま ずビックリ。そして、
脳天部分の丸い穴を発見。
マグロを引
き上げる時に船上で暴れて作業員に
怪我やマグロ本体にキズをつけないよ
うに気絶させた跡だと知るとまたビ
ックリ。炎をあげながら、
パチパチと焼
けるマグロの香ばしいにおいと音 。そ
して、
口の中に入れた瞬間の子ども達
の満面の笑み。骨をいつまでもしゃぶっ
ている子もいました。
五年 生では、社 会 科で水 産 業を学
びます。遠 洋 漁 業 を学 習し、自 分 達
でマグロについて本で調べました。各ク
ラス、
マグロがどれくらい大きいのか実
物 を作 り ました。桃 李 組は、模 造 紙
に原 寸 大のマグロ6種 類 を描 き まし
た。ひれの大きさや色にこだわりまし
た。暁 組は、
3Dで原 寸 大マグロを作
りました。乗っても壊れない丈夫なマ
グロでクラスのマスコット的存在になり
ました。最後に制作した光輝組は、
は
え縄 漁 船の船 尾 を作 り、
そこから教
室いっぱいにはえ縄を張り何本もの針
を作りました。そして、
教室前方の壁
からマグロの原 寸 大 頭 をはえ縄に掛
からせました。
自 分 達で調べた内 容 を各クラスの表
現方法で造形しました。
学 習はそれだけでは終 わらず、
三
崎 漁 港の見 学に出かけました。実 際
に本 物のマグロがセリにかけられてい
ました。見たこと、
聞いたことに驚き、
市場の空気を感じました。
マグロを制
作したことでより身近なものとなり、
感じたことすべてが学 習 となり まし
た。そして、
最後のマグロのかぶと焼き
につながります。
︿お米の学習﹀
藤沢市で1980年から有機農業
を始められた相原農園の相原さんの
お力をお借りして、
お米を育てていま
す。
﹁米作り﹂で、
教科書に書かれてい
る 農 家の仕 事 を 実 体 験 していき ま
す。田んぼが少し離れている場所にあ
るので、
じっくりと観 察できるように
ペットボトルに自分だけの稲も植えま
した。田んぼの中に入って感じる泥の
感覚、苗を植える時の工夫、
田んぼに
いる生 き 物 達 。まさに五感 を通して
の学 習 となっていま す 。そして、相 原
さんとの出会い。相原さんという人物
を通して伝わる農 業の厳しさと食べ
物への愛情、
そして﹁命﹂
の大切さ。作
業 をする子 ども達の目は真 剣で、流
れ落 ちる汗は、本 当に爽やかに映 り
ます。
︿体験する喜び、
驚きと感動﹀
体 験を通した学 習は、知 識の習 得
だけではなく習得する過程を通して
学びたい意欲や態度、
学び方を培いま
す。そして、体 験は、発 見の喜びを知
り、
達成した時の感動を与え、
時には
残念な結果を目にすることもありま
す。しかし、
そのすべてが豊かな心 情
を 育てま す 。実 際に体 験 し、本 物に
触れることから生じる喜びや感 動は
計 り 知れません。このような生 きた
体験こそが、湘南学園小学校が目指
す﹁ 人 間 力 ﹂を育てるのではないかと
考えています。
﹁ 先 生、
お米 を鳥から守らなきゃ!﹂
自 分 達で植 えた稲 を守るため、また
子 ども 達の試 行 錯 誤が始 まっていき
ます。
平 成 2 3 年 1 0月1日発 行 (10)
湘南学園だより
第115号
﹁相談室に足を運んでみませんか?﹂
提案します。
もと関わっていけばいいのか、
具体的に
う 方 針 を 立て ま し た 。早 寝 と 早 起
の話し合いで、
少し様子を見守るとい
れますか? 大 雑 把にいう と次の4
SCってどんな仕 事 をすると思 わ
仕事をするの?
スク ー ルカウンセラ ーって 、どんな
ておしっこへ行く回数も増えていると
チとするようになったそうです。そし
へいくんはここ1カ月ほど、目をパチパ
お母さんからのお話によると、
りゅう
からじっくりとお話をうかがいます。
こんなときSCは、
まず保護者の方
保護者の方へのカウンセリング
子どもに何か問 題が生じたとき、
は重要な課題になります。
など先生方と状況を共有すること
何か気になることはあるかどうか?
頻尿は学校でもみられたか? 他に
様子はどうなのか? 目のパチパチや
いき ま す 。りゅうへいくんの学 校での
任と共有し、
子どもへの理解を深めて
ウンセリングでお 聞 きした内 容 を 担
保 護 者の方が希 望 するときは、
カ
先生方との話し合い
相談室に足を運んでみませんか?
事は前進していくようです。
でもない﹂と考 え、苦 悩 することで物
者の方を中 心に﹁ああでもない、
こう
も特効薬や魔法はありません。保護
おさまりつつあります。どんなことで
を始めました。目のパチパチや頻尿も
ばらく すると彼はけろっとして登 校
と過ごすことをお 勧めし ました。し
平日の夕 方や休日は家 族でゆったり
き、食 事の時 間に気 をつけて、
そして
ンセリング、
②保護者の方へのカウンセ
つの仕事をします。①子どもへのカウ
いいます。私は、﹁いつから、
どのような
もちろん、
相談室で話されたことは
スクールカウンセラー 山下直樹
域の専 門 機 関 との連 携、
です。ここで
リング、③ 先 生 方 との話し合い、④ 地
すべて先 生 方と共 有されるわけでは
ありません。話してほしくないな
親は子どもと、子どもは親 と向 き 合
という内容は、相談室のみで他に
う必要が生じてきます。同じように、
担 任 も 子 どもや 保 護 者の方 と向 き
経緯で症状が出始めたのか?﹂
﹁今後
合って話す必要が生じてくるのです。
保護者の方がりゅうへいくんにどのよ
うになっていってほしいのか?﹂など、
い
げながら、
お話したいと思います。
ろいろな角度からお話をうかがってり
は、
ある架空の子どもについて例をあ
目をパチパチするりゅうへいくんの
伝わることはありません。ですか
かりではなく、ご自身のこと、他
ら子どものことが気になるときば
のご家族について、なんでも結構
互いに向き合うことは、
必ずしもスム
向 き 合 えないまま非 難しあったり不
ーズに成し遂げられるわけではなく、
満を感じたりしてバラバラになったま
護 者の方の言 葉 を途 中でさえぎった
り することはあ り ませんから、どう
です。相談室でお話になりません
ゅうへいくんを理 解していきます。保
ぞご自 由に思いをお話しいただけた
か ? 今 年 度 は 合 計3 人 で カ ウ ン
りゅうへいくんは小 学一年 生の男の
子です。夏休み明けのある朝、
突然り
す。SCはこうした関係の﹁学校内外
まつな がっていか ないことが あ り ま
こと
ゅうへいく んは﹁ 学 校へ行 き た く な
すという体験は少ないものです。カウ
らと思いま す 。実は思いを 自 由に話
セリングを担当いたします。湘南
どうしたものかとお母さんは思いま
学園のみなさんがより安心して、
い!﹂と家で泣きながら訴えました。
が難しい出 来 事や、苦 手 意 識 を感じ
のつなぎ的存在﹂です。理解すること
学校生活を送ることができるよ
感 情や否 定したい思いなどにも寄り
う 、 私 た ちS C は 相 談 室 で み な さ
ンセリングでは保護者の方の揺れ動く
守っていく存在です。
ることに対して、
SCは支えながら見
したが、
ちょっと無理してでも登校さ
添いながらお話をうかがいますから、
せようとしました。けれども、
りゅう
繰 り 返してお話 をうかがう う ちに、
んをお待ちしております。
ん。そんなことが1週 間 続 き ました
りゅうへいくんはその後 …
あれだけ 泣いて登 校 を嫌がったり
へいくんはどうしても動こうとしませ
ゅうへいくん。SCとお母さん、
担任と
複 雑にからみあった感 情が次 第にほ
うにして信 頼 関 係 を 築いたう えで、
ぐれてくることかと思います。そのよ
保 護 者の方にはご家 庭でいかに子 ど
し、担 任の勧めでお母さんは、
SCで
ある私とお話しすることになりまし
から、困ったお 母 さんが 担 任に相 談
た。
1.2
Km
6.5
11
教頭 柳下誠一
このようなことを踏まえ学園では、
防災対策を一から見直し、改善を図っ
て行く事が最も重要と考え、検討し
てまいり ました。津 波の襲 来 を 踏 ま
えた津波警報の発令に際しては、避
難場所を各校舎の3階以上の高い場
所に避難することが、生徒の安全確
保に繋がり ます。様々な情 報を参 考
にしますが、自然の力は想定を大き
く超えた災害になることも今回の災
害で知りました。判 断 力や機 転を養
うための訓練をあらゆる場面を想定
し、実施していくことが今後の大きな
課題と考えています。
今回の避難訓練は、7月5日︵火︶
3校時の授業中に大地震が起き、藤
沢市内に大津波警報が発令されたこ
とと仮定し、大津波による被害から
生徒の安全を確保する為の訓練を実
施しました。方法としては、クラス・
テクノ・メディア・センターの各エリア
3・4階の教室や廊下・スクエアーに、
授 業を行っている各エリアの1階・2
階・アリーナやグランドの体 育 な ど
授業中の生徒を、各授業担当者が、
誘 導 して 避 難 す る という 訓 練でし
た。
授業担当者は、専任教師と非常勤
講 師の先 生 方に もご協 力 を お 願い
し、授 業 場 所 から 避 難 場 所に移 動
し、待機するということでした。安全
を第一に考 えると共に敏 速な行 動 と
互いに協力し合い、助け合って行動す
ることを目的としました。
そして、待
機場所に避難完了した後、正確な人
数の確認をすることでした。
この訓練
は、生徒達だけでなく、教職員の訓練
でもありました。
移動の順番は、大津波警報発令後
1階の教室や体育の授業から移動開
始し、3分後に2階の教室が、決めら
れた経路を通り、3・4階の避難待
機 場 所へ混 乱なく 移 動 するというこ
とでした。
移 動 開 始から全 員の避 難 完 了 ま
での所要時間は6分間、授業担当者
による点呼確認・報告までの所要時
間が2分間、従って、合計9分間で避
難 開 始 から 全 員の安 全 確 認 まで行
うことができました。
今 回 初めて津 波 を 想 定 した避 難
訓練を実施しましたが、中学1年生
から高 校3年 生 までの生 徒 諸 君 も、
東日本大震災の教訓を踏まえ、真剣
に誘 導 指 示に従って行 動していまし
た。
こうした訓練を繰り返すことで、
いつどこで起きるかわからない災害や
事故に対して、各自がその場の対応
能 力 を身につけることにも繋がると
考 えています。如 何なることが起こっ
た時も、
﹁自分の身は自分で守る﹂﹁よ
り冷静で的確な判断の下、互いに助
け 合 う﹂といった精 神 を学び、今 後
様々な場 面でも、冷 静かつ沈 着に判
断し、的確な行動を取ることができ
る人 間に成 長して欲しいと願ってお
ります。
3月 日の当日は、部活動を行って
いた生 徒 約100名が、教 職 員や近
隣住民の方々と共に、一夜を過ごしま
した。緊急避難時に必要な防災関連
の用具等の準備については、様々な不
備や 補 充について確 認 することが出
来ました。全学を挙げて必要な物品
の充当を急ぎ、万一に備えるよう追加
購入していきたいと思います。
災害用防災用具として、新たに購
入した用具は以下の物品です。
防災用備蓄毛布・コンパクトブラン
ケット・非 常 用トイレ・救 急 用 品セ
ット・懐中 電 灯・特 定 小 電 力トラン
シーバー・放射能測定器・緊急地震
速報器
節電についての中高の取り組み
現在中高では、電気の無駄遣いを
極 力 減らす 努 力 をしています。廊 下
の照明は消す、教室内の温度は室温
計の数値が 度となるように冷房を
調 節 する。教 室・特 別 教 室・アリー
ナ等を使用しない時は照明や冷房を
消す、といった節電努力を実践し、電
力 不 足 を 補 う 小 さな 努 力 を 積み重
ねています。
今後夏場だけでなく、年間を通し
て冷暖房、照明等の節電は、学校全
体で取り組みたいと思っています。
11
中高の防災対策について
昨年まで実施していた防災対策の
一貫としての避難訓練は、主に火災・
地震を想定し、各教室から指定の経
路を通りアリーナ1階フロアーに全員
避難しました。
しかし、3月 日の東
日 本 大 震 災に伴 う 大 津 波が被 災 状
況を更に大きく影響し、大災害とな
ってしまいました。今回の大震災を教
訓として、今後直接の影響が懸念さ
れる﹁南関東地震﹂に焦点を当てて、
行うべき各種防災対策を追求してい
ます。
関 東 大 震 災クラスの巨 大 地 震が、
南関東の全域に万が一勃発すると、市
内は﹁液状化の被害﹂﹁地震津波﹂﹁道
路被害﹂等がどうなるかを、藤沢市
防災対策協議会が詳しく予想してい
ます。特に津波については、その襲来
地点も具体的に想定され、全域の予
想を踏まえ
﹁藤沢市・津波ハザードマ
ップ﹂
も公開されました。
湘南学園は、海岸から直線距離で
、海抜 mに位置し、その津波
約
による浸 水 域に全 く 入っていません。
また、本校の立地条件を考えた時に
は、片 瀬 海 岸に約3mの防 波 堤があ
り、海岸と学園の間を走る小田急江
ノ島 線が一段 と高 く 防 波 堤の役 割 を
果たすことも、詳しく関係者から指
摘されています。
27
第115号
湘南学園だより
(11) 平 成 2 3 年 1 0月1日発 行
中高の総合学習
近年の新たな実践より
人 達 と交 流し、その生 活 と願い
を知ります。
・活動内容
﹁生命の誕生﹂聞き取り作文、
ブ
ラインドウオーク、特 別 支 援 学
校や高 齢 者 施 設 訪 問、障がい者
スポーツといった体験学習。
中学2年
・ 生 活 圏にお けるさ まざ まな 産
業や地 域 文 化 を知り、
そこで働
き暮らす人々の生き方や協力か
ら学びます。
・湘南地域の農業・漁業・県内各地
の地 元 商 店 街や観 光 地、開 発か
ら地域の自然を守る取り組みと
いったクラス単位の体験学習。
中学3年
・日本の諸地域におけるさまざま
な問 題や地 域 文 化を知り、
そこ
で暮らし働く人々の取り組みか
ら学びます。
・ 東 京 都 区 内で分 散フィールドワ
ーク︵FW︶。広 島 平 和 学 習 、中
国・瀬戸内方面への研修旅行︵交
流・体験学習︶
。
高校1年
・ 社 会の現 実に目 を広 げ、生 命の
尊 さ をおびやか す 諸 問 題 を 探
り、人 間の尊 厳を大 切にする社
会のあり方について考えます。
・ 愛 と性・社 会 福 祉・人 権・環 境 と
エネルギー等から事 前 学 習 。諸
テーマに分散して自由FW。
高校2年
・国際的な環境問題等に注目し、
その背景やさまざまな立場を探
り、異文化への認識を深め、相互
協 力や 問 題 解 決の方 法 を 考 え
ます。
・ 官 公 庁 ・ 大 学 ・NGO・ 市 民
団体等へのFW。国内4∼5方面
に分散し、民泊も追求する研修
旅行。
高校3年
・ 社 会の諸 分 野を支 えている人々
の生き方に学び、
これからの時代
の中でどう 自 分 を生かし、どう
社 会に寄 与して行かれるか、問
題意識を深めます。
・各界職業人や大学生OBを招い
てのテーマ別座談会。
この間 、毎 年 度 末には教 員 間の実
践 報 告 会 を開いて、全 体の共 有 財 産
として次年度へと継承し、
必要に応じ
て内 容の修 正 も 行って来 ました。ま
た、
毎年の各学年の工夫と努力によっ
て、新しい創 造 的な取 り 組みも 試み
られています。
以下に、近年の新たな取り組みを
ご紹介します。
中3の研 修 旅 行では、
これまでは
4泊 とも 村の施 設であったり、
一般の
宿 泊 施 設でした。2年 前からは高 校
2年 と同 様に、山口県の周 防 大 島に
入 り、学 年 全 員が2∼3人に分かれ
て農家に宿泊し、農作業体験を行う
という﹁ 民 泊 ﹂が行 われていま す。昨
年からは民 泊が2泊 となり、
ご家 庭
の方 との触れ合い、作 業 体 験 も 充 実
したものになっています。
高2では、
毎年、
国際的な諸問題の
中からのテーマ設 定やFWの訪 問 先
探しに苦 慮していました。昨 年から
は全 体のテーマを﹁ 世 界 と人 類が抱
える課 題 ﹂とし、各 班のテーマは国 連
で合意された﹁MDGs
︵国連ミレニア
ム開発目標︶﹂から選ぶこととしまし
た。これによりテーマと目 標、訪 問 先
も明 確になるという 効 果が出ていま
す。
高3では、毎年各 界で活躍する職
業人の方々をお招きしていました。今
年は﹁ 年後の自分を考えてみよう﹂
という視点で、 歳になった本校の卒
業生を招き、
話をしてもらいました。
自分の 年後と重ねてより積極的に
将来を見据えることができました。
生 徒 達は、関 係 する方々とアポ取
りを行ったり、学んだ後にはレポート
化し発 表 するといった課 題に当たり
ます。情報化の流れとともに、
訪問先
のネットでの検索が一般化しています。
発 表 も 情 報の授 業で学んだパワーポ
イント
︵PP︶
を早速駆使するなど、
プ
レゼンテーションスキルも高まっていま
す 。今 年は中3・中2でもPPを使っ
たプレゼン、
中1では発表内容をまと
め、新聞紙面を作成する活動にも取
り組みます。
28
教務主任 服
部基樹
現 行の学 習 指 導 要 領 とともに、他
の学校でも始まった総合学習ですが、
湘南学園の中学高校では 年も前か
ら、系統的に取り組んで来ています。
クラス活動や学校行事も含めた教科
外教育の全体をまとめてカリキュラム
を整 え﹁ 特 別 教 育 活 動︵ 特 活 ︶﹂と総
称しています。
この特活では、
集団活動を基本にメ
ンバーシップとリーダーシップを養いま
す。発 達 段 階を考 慮した6年 間のテ
ーマを元に、
社会に生きる人々から直
接に学ぶ機 会を豊かに設 け、広 く 世
の中や 文 化について考 える場 面 を設
け ま す 。人 生の必 須テーマ、現 代 社
会・人 類の抱 える重 要テーマを学び、
問題意識と認識を豊かにしていきま
す。大学生、
社会人となってからも生
き生きと学び続け、
主体的な人生を
築いて行かれるように、
高い知力を養
う教育を追求しています。
24
各 学 年のテーマ・主な活 動 内 容は
以下のようになっています。
中学1年
・テーマ
さまざまなハンディキャップを持つ
10
10
平 成 2 3 年 1 0月1日発 行 (12)
湘南学園だより
第115号
し 上 げ ま す 。ま ず一つめは、中 学 生の
家庭学習の充実をどのように図るか
という 点です 。学 校の授 業 を大 切に
するとともに、家 庭 学 習を毎日きち
んと行うことによって、学力は向上さ
せられるのだと思いま す 。ところが、
中学生の家庭での学習時間を調査し
てみます と、あ まりに学 習に取 り 組
む時 間が少ないことが分かり ま す 。
現在も、学年や教科担当者が個別に
対 策 を講じていますが、
これは中・高
の教 員 全 体で取り 組んでいかなけれ
ばならない重 要 課 題であると考 えて
います。二つめは、
中学・高校を通して
の進路指導プログラムをどのように組
み立てるかという 点です。これは、昨
年度からの引き続いての課題ですが、
今年度中の完成を目指して、
現在、
具
体的な作業に入っています。この進路
指 導プログラムによって、生 徒 諸 君が
自らの進 路について真 剣に考 えると
ともに、
意欲的に学習に取り組んでい
くことができるようになればと、
切に
願っています。
中・高では、
これまで大学合格実績
の向 上 を目 指して、
さまざ まな改 革
を行ってまいりました。今後もこの動
き を止めることなく 、
さらなる前 進
を図りたいと考えております。
学習進学指導主任 野々内治男
大学を始めとして、
それに準じるMA
RCHと呼ばれる難 関 大 学にも、合
わせて四 十 三 名の合 格 者 が 出 ま し
た。また、
これら以 外では、最 難 関 医
科大学である自治医大の合格者が出
たことも、大きなニュースです。この大
学への合格は、
湘南学園では過去なか
ったと思いますが、
そのような前例を
覆しての合 格でした。今 後、
これに続
く後輩諸君が現われることを期待し
ています。理系のことばかりを記して
まいりましたが、
もちろん文系の諸君
もよく頑張ってくれたと思います。そ
のため、
この春の大 学 合 格の結 果は、
全 体 としてはま ず ま ずのものとなっ
たと思います。
ただ細かく 見ていく と、まだ不 十
分な点 もあることは事 実です。たと
えば、文 系 生 徒の国 公 立 志 望 者の数
は決して多いとは言えません。これを
どのようにして増やしていくか、
その
方 策を講じなければなり ません。ま
た、
MARCHレベルの大 学の合 格 者
数 を増やすために、成 績 中 堅 層の生
徒たちをどのように引 き 上げていく
かも考 える必 要があり ます。
いずれ
も簡単に解決できることではありま
せんが、着実に進展させていきたいと
考えています。
そのために、
現在、
学習進学指導委
員 会で検 討していることをご紹 介 申
この春の大学合格結果と今後の重点課題
たいへん遅 くなりましたが、
この春
の大学の合格結果をご報告申し上げ
ます。
卒 業 生一九七名に対して、大 学︵ 準
大学も含む︶
に進学した生徒は一四七
名でした。また、短 大には二名、専 門
学 校には九 名の生 徒 が 進 学 し ま し
た。したがって、
全てを合わせると、
現
役進学率は八〇・二%ということにな
ります。なお、
文系と理系の進学率の
差はほとんどあ り ませんでした。 近 年 は、
﹁ 文 低 理 高 ﹂な ど と言 わ
れ、理系の人気が高まっています。
ニュ
ースでも報じられているように、
ただ
大 学 を 卒 業したというだけでは、就
職が難し くなっていま す 。そのため、
大 学では技 術を身に付けたり、資 格
を取 得 するために、理 系に進 学しよ
う と考 える人が多 くなるわけです。
そのように理 系 志 望 者が増 えつつあ
る中、
湘南学園の理系諸君は、
ほんと
うによく 頑 張ってくれました。国 公
立 大 学には十 名の生 徒が合 格し、進
学しました。特筆すべきは、
この十名
の合 格・進 学 者のうち、
三名がいわゆ
る普通クラスの生徒だったという点で
しょう。最後まで高い目標を掲げて、
あ きらめずに勉 強し続 ければ、道は
開けるということなのでしょう。私立
大 学においても、早 慶 上 理の最 難 関
︻私立大学︼
早稲田大
慶応義塾大
上智大
東京理科大
学習院大
明治大
青山学院大
立教大
中央大
法政大
成城大
成蹊大
明治学院大
︵4・4︶
︵3・0︶
︵ ・1︶
︵7・2︶
︵4・2︶
︵5・3︶
︵9・2︶
︵3・1︶
︵ ・4︶
︵9・5︶
︵3・0︶
︵9・1︶
︵ ・4︶
︵8・2︶
︵5・1︶
︵5・2︶
主要大学合格実績 ︵現役・浪人︶
︻国公立大学︼
︵1・0︶
東北大
︵2・0︶
筑波大
︵1・0︶
千葉大
︵1・1︶
東京大
︵1・0︶
東京工業大
︵1・0︶
東京農工大
︵1・0︶
横浜国立大
︵1・0︶
島根大
︵1・1︶
首都大東京
神奈川県立保健福祉大 ︵1・0︶
︵1・1︶
横浜市立大
︻医歯薬系大学︼
医学系大
歯学系大
薬学系大
12
13
詳細なデータは、学園ホームペー
※
ジをご覧下さい。
13
第115号
湘南学園だより
(13) 平 成 2 3 年 1 0月1日発 行
理事会、新規に 2つの
周年記念事業を決定
様々な懇親会などにも利用でき
○PTAや 同 窓 会・後 援 会 な ど の
活用できる。
るカフェテリアは、湘南学園のキャ
たらなぁ。
周年記念館﹂の中心施設とな
ンパスライフを一段と楽しく豊か
﹁
周年記念事業︵以下﹁記念事業﹂︶と
なものにし、各パートの諸活動を活
となるものです。
設場所や建設費用等は、これから検
してきたものです。
けいく予定です。
金として、学園関係者に広く呼びか
この建設費用は、 周年記念事業募
﹁
周年記念館﹂のもうひとつの
施設となる史料室・同窓会室は、学
園 の 史 料 を 収 集・整 理・保 存 す る
とともに、同窓会の活動拠点として
の同窓会室をもうけようというも
のです。
湘南学園の過去を知り、未
史料室 ―
来を拓くために
建学の精神や歴史をたどり、その
○今、湘南学園のルーツをたどり、
教訓を学びとりつつアイデンテ
の交流を広げたい。
ィティを確立していくことが必
○とくに湘南学園の場合は、保護者
ホールとして教育活動に利用で
と教職員による共同経営という
○視聴覚機器を備えれば、第二中高
○学園生活にうるおいを与え、生徒
日本の私学の中でも独特の経営
要になっている。
募集にも大変強力な宣伝材料と
きるものに。
なるものに。
方法をとってきた学園ですから、
その歴史はとりわけ重要な意味
○中高生にとって、昼休みには友だ
各パートに散在している状態で、
○現在、戦前からの貴重な資料は、
をもっている。
英制度︵仮称︶﹂を創設しようという
保存状態も悪く、このままではそ
れらが散逸してしまう恐れがあ
る。
史資料を整理編纂されてきた同
○鵠 沼 公 民 館 に お い て 藤 沢 市 の 歴
﹁
ついての多数の貴重な資料を学
窓生の内藤喜嗣氏が、湘南学園に
の同期会等にもさまざまな形で
園に対して寄贈したいとの申し
出を受けている。
︵ 2︶史料室・同窓会室の新設
○小 学 校 や 幼 稚 園 の 食 育 給 食 に も
利用できたらなぁ。
○長 期 休 暇 中 の 部 活 動 等 や 卒 業 生
食堂として使えるといい。
○学 園 祭 な ど で は 来 場 者 の た め の
ほしい。
○出 す も に こ だ わ っ た 食 育 の 場 が
ち と 一 緒 に 楽 し く 食 事・談 笑 で
周年記念館﹂︹仮称︺
80
︵1︶カフェテリア︵食堂︶の新設
その1
﹁
りました。
化に向けて検討していくことにな
まえて、﹁実行委員会﹂でもその具体
各 団 体・各 パ ー ト の 要 望 な ど も ふ
きる場があったらなぁ。
キャンパスライフに広がる夢
そのひとつは、カフェテリア︵食堂︶
周年記念館︵仮称︶﹂を建設する
80
ものです。いずれもまだ具体化はこ
優れた人材を迎え励ますための﹁育
というものであり、もうひとつは、
﹁
と 史 料 室・同 窓 会 室 を 兼 ね 備 え た
80
○鵠沼地域の人々にも開き、地域と
して、これまでの小学校改築事業に
員会︵以下﹁実行委員会﹂という︶か
問題もあることから、理事会で決定
討が始まります。
80
してほしいとの要請を受けて検討
周年記念館﹂のコンセプトや建
﹁
ました。これは、創立
加えて、新たに2つの事業を決定し
理事会は、8月末までに、創立
さらに楽しく豊かなキャンパスライフへ!
80
性化させていくうえでも一大拠点
80
周年実行委
80
ら、 周年記念事業の決定は、財政
80
れからですが、これを受けて、今後
周年記念館﹂︹仮称︺
80
80
80
平 成 2 3 年 1 0月1日発 行 (14)
湘南学園だより
第115号
チーム湘南学園の牽引
同窓会室 ―
車となって活動する同窓会
そ の 2 優 秀 な 人 材 を 迎 え 励 ま す
育英制度の創設
湘南学園では、今春、2名が東大
合格し、また国公立大学や難関私学
や医学部等へも多数進学しました。
一部週刊誌では例年、東大進学校の
紹介をしており、湘南学園もその中
に名を連ねました。
きびしい募集競争の中で、進学実
け優秀な人材に入学してもらえる
績を上げていくためにはできるだ
○同窓会室は、一万数千人の卒業生
ような環境づくりが必要です。その
ひとつとして、 周年を記念して、
がその絆を大切にして交流し、い
つまでも母校を愛していただく
ための活動拠点となる。
○同窓会は、 周年プレ企画として
同窓会はじめ学園関係者に訴えて
取り組む中で、湘南学園・同窓会・
森稔氏や鈴木健次氏の講演会を
協力いただける大口の寄付者を募
は、母校の教育のためにご賛同・ご
なお、この育英制度の基金について
です。
育英制度を創設しようとするもの
園として連携を強めていく牽引
PTA・後 援 会 が チ ー ム 湘 南 学
って いくことにしています。
東日本
八十周年
・実施期間 10年
日︵金︶と決定
・対象者数 10名/年
周年に向けて動き出した
日の実行委員会で
典を2013年 月
られる日として、創立
周年記念式
は、各パート・団体が足並みを揃え
受 け て、9 月
9 月7 日 の 常 任 委 員 会 の 提 案 を
4分野の委員会│
│創 立
2013年 月
記念式典は創立記念日
<参考>県立A高校の育英制度の概要(創設 2 年目)
日︵創立記念
日︶と決定し、4分野の委員会がこ
れまでの議論をふまえてそれぞれ
の分野の具体的な内容の検討を開
始しました。
委員会は次の4つです。
実行委員長 高尾理事長
全体の統括
副実行委員長 仲本学園長
名
全体の統括
氏他6名︶
名
名
各氏他8名︶
長 辻・渡 辺・佐 藤・富 田・北 村
︵委員長 高木副理事長、副委員
・募金委員会
田中・辻・北村各氏他9名︶
︵委員長 仲本学園長、副委員長
・事業委員会
長田辺氏他9名︶
︵委員長 山田中高校長、副委員
・記念誌委員会
名
員 長 榎 本・前 川・斉 藤・田 辺 各
︵委員長 斉木小学校校長、副委
・行事委員会
11
11
13
80
車の役割も果たしている。
○学 園 が 呼 び か け た3・
万円を寄付。
大震災被災者支援募金に同窓会
として
面している中で、約一万人の同窓
○幼 稚 園 や 小 学 校 が 募 集 困 難 に 直
生に向けて年1 回発行する同窓
﹂の発送の際に、
会誌﹁ SEASIDE
募集案内を同封し、同窓生にお子
さ ん や お 孫 さ ん・お 知 り 合 い の
お 子 さ ん の 入 園・入 学 を 呼 び か
・奨学金 一人当たり50万円(最大100万円)
15 80
14
・対象者 東大に合格したもので学費支弁が困難な者
15
80
けでいただいた。
80
11
○○○○育英制度 ○○○○は寄付者名
11
17
11
50
第115号
湘南学園だより
(15) 平 成 2 3 年 1 0月1日発 行
東日本大震災に関連して
藤沢駅まで徒歩で下校しました。
3
月 日 時 分、藤沢市から避難施
設の指定を解除すると連絡が入り、
これをもって避難施設の運営を終
了しました。
③義援金について
東 日 本 大 震 災 の 被 災 者 に 対 し て
当学園も義援金を贈ることとし、児
童・生徒、保護者あるいは同窓会等
関係各位に募金をお願いしました
ところ、幼・小・中高関係者、湘南
学園教職員親睦会、湘南学園後援会
及び湘南学園同窓会等から募金を
いただき、その合計額が8月 日現
在 で 2 百7 3 万 6 千 3 3 6 円 に 達
しました。これを湘南学園幼・小・
中高の名義で、それぞれの公的関係
機関を通じて被災地域の主として
学校関係への義援金として送金い
たしました。皆様の心暖まるご支援
に対し厚く御礼申し上げますとと
もに、今後ともご協力を賜りますよ
う重ねてお願い申し上げます。
④PTA寄付金について
PTAか ら 防 災 用 品 購 入 資 金 と
して400万円が寄付されました。
主な物品として、コンパクトブラン
ケット2000個、毛布400枚、
LED懐中電灯 個、非常用トイレ
1 0 0 0 回 分、カ ロ リ ー メ イ ト
2000個、水︵500 ︶2000
本などです。
PTA保護者皆様のご
厚意に心から感謝申し上げます。
20
校 法 人 か ら
25
学
②災害時の避難施設について
学園は藤沢市との協定により、災
害発生時に被災者の避難施設とし
て体育館を提供することになって
おります。
3月 日 時過ぎ、藤沢
市は湘南海岸への津波の襲来に備
え、当学園に避難施設の開設を要請
してまいりました。
今回は津波対応であるため、協定
に定める体育館ではなく、アリーナ
棟3階の大会議室、中会議室、スタ
ジオを主たる避難場所に、一階ロビ
ー及び事務応接室を予備的な避難
場所として準備しました。使用区分
として3階部分は人のみとし、一階
部分はペット及び飼い主用としま
した。やがて市役所の避難施設従事
職員や近隣住民が学園に集まり始
め、避難者の掌握のため、事務室に
設 置 し た 避 難 者 名 簿 に 住 所・氏 名
の記入をお願いしました。名簿によ
れば避難者は最大時で281名、そ
の内宿泊者は約 名を数えました。
学園長と事務局職員は、開設から閉
鎖まで避難者の対応に当たりまし
た。
7名︵全員男性︶が事務室等に残
留しました。
一方、地震の発生は 時 分で、
児童・生徒の下校にも影響し、小学
校では深夜1 時ごろ最後の児童が
親に引き取られましたが、教諭6名
が教員室等に残留しました。中高に
おいては生徒 名が帰宅できず、男
子は図書室、女子はメディア室に宿
泊し、教員は 名が教員室等に残留
しました。生徒は翌朝教員の引率で
mℓ
︻
理事会報告︼
センターエリア3階中会議室
第1回定例理事会 4月 日
第1回臨時理事会 5月 日
第2回定例理事会 5月 日
第3回定例理事会 6月 日
第4回定例理事会 7月 日
第5回定例理事会 8月 日
①放射線量の測定について
東 日 本 大 震 災 に 伴 う 原 発 事 故 に
より放射能が広範囲に拡散し大き
な問題となっているのは改めて申
すまでもありませんが、当学園の放
射能対策の一環として6月 日、
7
月6日、7月7日の3回、校地各所
の放射線量を測定いたしました。
その結果、プール水、土壌等のヨ
ウ素・セシウムは不検出であり、空
間線量も幼稚園地域では0.
0 4∼
0.0 7 マ イ ク ロ シ ー ベ ル ト / 時、
小 学 校 地 域 で は 0.0 4∼0.0 8
マイクロシーベルト/時、中高地域
で は 0.0 3∼0.0 6 マ イ ク ロ シ
ーベルト/時、本部棟前の排水溝付
近 で は や や 高 く 0.1 2∼0.1 5
マイクロシーベルト/時でありま
した。
一 般 公 衆 が 一 年 間 に さ ら さ れ て
よい人工放射線の限度が1 ミリシ
ー ベ ル ト︵1 千 マ イ ク ロ シ ー ベ ル
ト︶という国際放射線防護委員会の
基準に対し、文部科学省や多くの自
治体が定めた暫定基準値は、一時間
あたりの線量に換算して0.
19マ
イクロシーベルト/時であります。
学園における測定結果はこの基準
値以下ですので、健康への影響は心
配する必要のないことが確認でき
ました。
30
︹主な議題︺
・平成 年度事業報告について
・平成 年度決算報告について
・広報活動の実施状況について
・ 周年記念事業について
・学園だよりの発行について
・防災用具の購入について
・労務交渉について
・放射能モニタリング調査について
・東日本大震災義援金について
・全学教育研究集会について
・次期学園長の選任について
・校︵園︶長理事の選任
・平成 年度事業報告
・平成 年度決算報告
︹主な議題︺
︻評議員会報告︼
センターエリア3階大会議室
第1回評議員会 5月 日
80
27 16 25 28 14 23
28
11
70
96
43
22 22
22 22
平 成 2 3 年 1 0月1日発 行 (16)
湘南学園だより
第115号
14
16
46
12
14
37