Red Hat Enterprise Linux 5 PRIMERGY で仮想マシン (VM) をご利用になるための留 意事項について説明しています。 2009年10月13日 版 本書をお読みになる前に ■ 本書の表記 ● 本文中の記号 本文中に記載されている記号には、次のような意味があります。 お使いになる際の注意点や、してはいけないことを記述しています。必ずお 読みください。 ハードウェアやソフトウェアを正しく動作させるために必要なことや、お使 いになる上で参考になる情報を記述しています。必ずお読みください。 → 参照ページや参照マニュアルを示しています。 本書で提供の情報が対応するバージョンを以下のマークで示しています。 Ķįı ĶįIJ Ķįij ĶįĴ Ķįĵ RHEL5.0 の情報であることを意味します。 RHEL5.1 の情報であることを意味します。 RHEL5.2 の情報であることを意味します。 RHEL5.3 の情報であることを意味します。 RHEL5.4 の情報であることを意味します。 ■ 商標 Linux は、Linus Torvalds 氏の米国およびその他の国における登録商標あるいは商標です。 Red Hat および Red Hat をベースとしたすべての商標とロゴは、米国およびその他の国における Red Hat, Inc. の商標ま たは登録商標です。 その他の各製品名は、各社の商標、または登録商標です。 その他の各製品は、各社の著作物です。 All Rights Reserved, Copyright FUJITSU LIMITED 2007-2009 Red Hat Enterprise Linux 5 2 PRIMERGY 仮想マシン (VM) 留意事項 ■ 本書では、 仮想マシン (VM) の構築 ・ 運用にあたって、 留意すべき事項 について説明します。 ` 本書の内容と異なった設定・運用を行った場合、正常に動作しない場合があります。 1. snmpd が /var/log/messages へ出力するメッセージ Ķįı ĶįIJ ● 説明 本メッセージが表示されても、仮想マシンコンソールおよび vi コマンドの動作に影響はあり ません。エラーメッセージにより画面表示が乱れた場合には、「Ctrl+L」コマンドなどにより 再描画を行ってください。 ● 対応しなかった場合の影響 管理 OS 上で動作している snmpd が、/var/log/messages へ以下に示す不明なメッセージを出力 します。管理 OS 上の動作には影響ありません。 netsnmp_assert __extension__ ({ size_t __s1_len, __s2_len; (__builtin_constant_p (rowreq_ctx->data.ifentry->name) && __builtin_constant_p (ifentry->name) && (__s1_len = strlen (rowreq_ctx>data.ifentry->name), __s2_len = strlen (ifentry->name), (!((size_t)(const void *)((rowreq_ctx->data.ifentry->name) + 1) (size_t)(const void *)(rowreq_ctx->data.ifentry->name) == 1) || __s1_len >= 4) && (!((size_t)(const void *)((ifentry->name) +1) - (size_t)(const void *)(ifentry->name) == 1) || __s2_len >= 4)) ? __builtin_strcmp (rowreq_ctx->data.ifentry->name, ifentry->name) : (__builtin_constant_p (rowreq_ctx->data.ifentry->name) && ((size_t)(const void *)((rowreq_ctx>data.ifentry->name) + 1) - (size_t)(const void *)(rowreq_ctx>data.ifentry->name) == 1) && (__s1_len = strlen (rowreq_ctx>data.ifentry->name), __s1_len < 4) ? (__builtin_constant_p (ifentry>name) && ((size_t)(const void *)((ifentry->name) + 1) - (size_t)(const void *)(ifentry->name) == 1) ? __builtin_strcmp (rowreq_caaa ● 対処方法 仮想ブリッジの操作後(network-bridge スクリプトなどを使用)は、必ず snmpd の再起動を実 施してください。メッセージを抑止したい場合は、管理 OS の /etc/rc.local ファイルに以下の 内容を記述してください。設定を有効にするためには、管理 OS の再起動を実施してくださ い。 if [ -f /etc/init.d/snmpd ]; then /etc/init.d/snmpd status > /dev/null 2>&1 && /etc/init.d/snmpd restart fi Red Hat Enterprise Linux 5 3 PRIMERGY 仮想マシン (VM) 留意事項 2. IPv6 機能について Ķįı ● 説明 仮想マシン (VM) は、IPv6 機能に対応していません。システム利用時には、設定ファイルを 修正して IPv6 機能を抑止してください。 ● 対応しなかった場合の影響 IPv6 機能を抑止しなかった場合、ドメイン0またはゲストドメインのネットワークハングな どの予期しない異常が発生することがあります。 ● 対処方法 ドメイン0 およびゲストドメイン に対して、以下の各設定ファイルを修正して IPv6 機能を 抑止してください。 ゲストドメインの場合 ka 1 ゲストドメイン の /etc/modprobe.conf ファイルに、以下の記述を追加してください。 alias net-pf-10 off 2 ゲストドメイン の /etc/sysconfig/network ファイル、および /etc/sysconfig/ networkscripts/ifcfg-ethn ファイルに対して、以下のどちらかの対処を行ってくださ い。 ・以下の各変数を記述しないでください。 NETWORKING_IPV6 IPV6INIT ・以下の各変数に対して「no」を設定してください。 NETWORKING_IPV6=no IPV6INIT=no 3 設定を有効にするため、ゲストドメイン を再起動してください。 ドメイン0の場合 1 ドメイン0 の /etc/modprobe.conf ファイルに、以下の記述を追加してください。 alias net-pf-10 off 2 ドメイン0 の /etc/sysconfig/network ファイル、および /etc/sysconfig/ networkscripts/ifcfg-ethn ファイルに対して、以下のどちらかの対処を行ってくださ い。 Red Hat Enterprise Linux 5 4 PRIMERGY 仮想マシン (VM) 留意事項 ・以下の各変数を記述しないでください。 NETWORKING_IPV6 IPV6INIT ・以下の各変数に対して「no」を設定してください。 NETWORKING_IPV6=no IPV6INIT=no 3 設定を有効にするため、ドメイン0 を再起動してください。 3. ゲストドメインに割り当てる MAC アドレス Ķįı ĶįIJ Ķįij ĶįĴ Ķįĵ ● 説明 ゲストドメインに割り当てる MAC アドレスは、同一サブネット内で重複しないよう設定し てください。 ● 対応しなかった場合の影響 通信不能障害やネットワークダウンなどの予期しない異常が発生することがあります。 ● 対処方法 特になし 4. NIC の scatter/gather 機能 Ķįı ● 説明 仮想マシン (VM) で使用する NIC の scatther/gather 機能は、ドメイン0にて無効化してくださ い。 ● 対応しなかった場合の影響 ネットワーク通信時に、データが破壊されるなどの予期しない異常が発生することがありま す。 ● 対処方法 ドメイン0において以下の設定を行い、scatter/gather 機能を必ず抑止してください。 ( 手動設定の場合 ) Red Hat Enterprise Linux 5 5 PRIMERGY 仮想マシン (VM) 留意事項 1 ドメイン0において、ifconfig コマンドによって、システムで認識されている ネットワークデバイスの一覧を表示し、デバイス名を確認します。peth <イ ンタフェース番号>として表示されるものすべてが対象です。 system # /sbin/ifconfig -a | grep peth <コマンド実行例> system # /sbin/ifconfig -a | grep peth peth0 Link encap:Ethernet HWaddr FE:FF:FF:FF:FF:FF peth1 Link encap:Ethernet HWaddr FE:FF:FF:FF:FF:FF 上記の実行例では、peth0 と peth1 が対象です。 2 1 で確認したネットワークデバイスに対して、以下の設定をそれぞれ行いま す。 1. ネットワークデバイスに対して scatter/gather 機能を抑止します。 system # ethtool -K <ネットワークデバイス名> sg off <コマンド実行例> peth0 の scatter/gather 機能を抑止します。 system # ethtool -K peth0 sg off 2. ネットワークデバイスの状態を確認します。 system # ethtool -k <ネットワークデバイス名> <コマンド実行例> peth0 の場合 system # ethtool -k peth0 Offload parameters for peth0: Cannot get device udp large send offload settings: Operation not supported rx-checksumming: on tx-checksumming: on scatter-gather: off ← 抑止(OFF)されていることを確認 tcp segmentation offload: off udp fragmentation offload: off generic segmentation offload: off ( 自動設定の場合 ) 前項の操作を毎回確実に行うために、仮想マシン (VM) のネットワーク起動スクリプトに、 scatter/gather 機能を抑止するための行を追加してください。 </etc/xen/scripts/network-bridge> の設定例 Red Hat Enterprise Linux 5 6 PRIMERGY 仮想マシン (VM) 留意事項 スクリプトの末尾の、'op_start' をコールした直後に、ethtool コマンドを追加します。 … case "$command" in start) op_start ethtool -K ${pdev} sg off ← 追加する行 ;; stop) op_stop ;; status) show_status ${netdev} ${bridge} ;; *) echo "Unknown command: $command" >&2 echo 'Valid commands are: start, stop, status' >&2 exit 1 esac 5. xm network-attach/xm network-detach コマンド Ķįı ĶįIJ Ķįij ĶįĴ Ķįĵ ● 概要 仮想マシン (VM) では、xm network-attach/xm network-detach コマンドは使わないでください。 ● 対応しなかった場合の影響 コマンドを使った場合、ゲストドメインがリブートするなど、予期しない異常が発生するこ とがあります。 ● 対処方法 特になし 6. 仮想ブリッジの STP( スパニングツリープロトコル ) 機能 Ķįı ĶįIJ Ķįij ĶįĴ Ķįĵ ● 概要 仮想マシン (VM) では、仮想ブリッジの STP 機能を有効にしないでください。 Red Hat Enterprise Linux 5 7 PRIMERGY 仮想マシン (VM) 留意事項 ● 対応しなかった場合の影響 STP を有効にした場合、ループが発生するなどの予期しない異常が発生することがあります。 ● 対処方法 特になし 7. ゲストドメイン上でのブリッジモジュール Ķįı ĶįIJ Ķįij ĶįĴ Ķįĵ ● 概要 ゲストドメイン上では、ブリッジモジュールは使用できません。 ● 対応しなかった場合の影響 ブリッジモジュールを使用した場合、ループが発生するなどの予期しない異常が発生するこ とがあります。 ● 対処方法 特になし 8. ゲストドメインインストール時のディスクの初期化 Ķįı ĶįIJ Ķįij ĶįĴ Ķįĵ ● 概要 ゲストドメインをインストールする場合、インストールするディスクを初期化してから、ゲ ストドメインをインストールしてください。 ● 対応しなかった場合の影響 インストール先のディスクにゲストドメインのシステムファイルなどが残っていると、OS の インストールが完全に終了しない場合があります。この場合、ゲストドメイン使用中に kernel panic などの予期しない異常が発生することがあります。 ● 対処方法 特になし Red Hat Enterprise Linux 5 8 PRIMERGY 仮想マシン (VM) 留意事項 9. Red Hat Enterprise Linux 5 のパーティション操作 Ķįı ĶįIJ Ķįij ĶįĴ Ķįĵ ● 概要 管理 OS のディスクパーティションをゲスト OS の仮想ブロックデバイスに割り当てた場合 に、ゲスト OS 上での仮想ブロックデバイスに対するパーティション操作ができない OS があ ります。 ● 対応しなかった場合の影響 ゲストドメインからパーティションが参照できないため、一切の操作ができません。 ● 対処方法 ◆ RHEL5.1 以降の対処方法 仮想ブロックデバイスに対して、ゲスト OS 上で parted コマンドは使用できません。した がって、以下の対処を実施してください。仮想 SCSI デバイスに対しては parted コマンドは使 用できます。 ・ 管理 OS のディスクパーティションをゲスト OS の仮想ブロックデバイスに割り当てる場 合 ゲスト OS 上でパーティション操作を実施せず、ディスク全体 ( パーティション番号がつかな いデバイス ) で使用してください。たとえば、管理 OS の sdc1 をゲスト OS の xvdb に割り 当てる場合には、ゲスト OS では xvdb のまま使用してください。 ・ 管理 OS のディスクをゲスト OS の仮想ブロックデバイスに割り当てる場合 管理 OS で必要なパーティションを作成してからゲスト OS に割り当ててください。たとえ ば、管理 OS の sdd をゲスト OS の xvdc に割り当てる場合には、管理 OS で sdd1,sdd2,sdd3... のようにパーティションを作成すると、ゲスト OS では xvdc1,xvdc2,xvdc3... として使用することができます。 ◆ RHEL5.0 の対処方法 ・ ゲスト OS が RHEL5 の場合には、ゲスト OS 上で parted コマンドは使用できません。した がって、ディスクパーティションをゲスト OS の仮想ブロックデバイスに割り当てた場合、 ゲスト OS 上でディスクパーティション操作を実施せず、そのまま raw デバイスとして使 用してください。 ・ ゲスト OS が RHEL4.5 の場合には、parted コマンドを使用できます。管理 OS の LUN をゲ スト OS の仮想ブロックデバイスに割り当てて、ゲスト OS 上でパーティション操作を実 施してください。 Red Hat Enterprise Linux 5 9 PRIMERGY 仮想マシン (VM) 留意事項 10. ゲストドメインの起動と再起動 Ķįı ĶįIJ Ķįij ĶįĴ Ķįĵ ● 概要 ドメイン0が高負荷の場合に、ゲストドメインの自動起動設定、ゲストドメインの起動 (create) やゲストドメインの再起動 (reboot) を行うと、タイムアウトが発生し、ゲストドメイ ンが起動できなかったり、コアダンプが出力される場合があります。 ドメイン0が高負荷となる代表的な例を以下に示します。 ・ 複数のゲストドメインを同時に起動、または再起動する場合 ・ ドメイン0上で、ゲストドメインのシステムディスクをバックアップ・リストアする場合 ・ ドメイン0上で、ゲストドメインのデータ領域を SAN 経由でバックアップ・リストアす る場合 ・ ゲストドメイン上で、ゲストドメインのデータ領域をネットワーク経由でバックアップ・ リストアする場合 ・ ゲストドメインのインストールを実施する場合 ・ ゲストドメイン上で、OS のパッチを適用する場合 ・ ゲストドメイン上で、ウイルススキャンプログラムを実行する場合 ・ ドメイン0やゲストドメインでディスクやネットワーク用のベンチマークプログラムを実 行する場合 ・ RAID ディスクを再構築する場合 ●対応しなかった場合の影響 ゲストドメインの起動に失敗する場合があります。 ● 対処方法 ドメイン0の負荷が低くなってから、ゲストドメインの起動や再起動を再度実行してくださ い。 ドメイン0の負荷の状況については、xentop コマンドを使用して確認してください。 その後、xm list コマンドで起動や再起動に失敗したゲストドメインの状態を確認し、以下の 対処をしてください。 ・ ゲストドメインが存在しない場合 xm create コマンドでゲストドメインを起動してください。 ・ ゲストドメインが存在する場合 xm destroy コマンドでゲストドメインを強制停止した後、xm create コマンドでゲストドメ インを起動してください。 Red Hat Enterprise Linux 5 10 PRIMERGY 仮想マシン (VM) 留意事項 11. LAN の二重化 ĶįIJ Ķįij ĶįĴ Ķįĵ ● 概要 仮想マシン (VM) において、bonding ドライバはゲストドメインに使用できません。 ● 対処方法 特になし Ķįı ● 概要 仮想マシン (VM) において、bonding ドライバはドメイン0、ゲストドメインともに使用でき ません。 ● 対処方法 特になし 12. ダンプ機能 ĶįIJ Ķįij ĶįĴ Ķįĵ ● 概要 ゲスト OS では、Linux ディストリビューションの提供するダンプ機能 (diskdump、kdump) は 使用できません。 ● 対処方法 ゲスト OS に、diskdump、kdump を導入する設定を実施しないでください。 Ķįı ● 概要 仮想マシン機能 ( 管理 OS およびゲスト OS) では、Linux ディストリビューションの提供する ダンプ機能 (diskdump、kdump) は使用できません。 ● 対処方法 管理 OS および、ゲスト OS に、diskdump、kdump を導入する設定を実施しないでください。 Red Hat Enterprise Linux 5 11 PRIMERGY 仮想マシン (VM) 留意事項 13. ゲストドメイン上の OS ĶįIJ ĶįIJ Ķįij ĶįĴ Ķįĵ ゲストドメイン上に構築する環境は、PV ドメインにしてください。また、サポートするゲス ト OS は以下の表で確認してください。 表:サポートゲスト OS ゲ ス ト OS 管 理 RHEL5.0 O S RHEL5.1 RHEL5.2 RHEL4.5 RHEL4.6 以降 RHEL5.0 RHEL5.1 RHEL5.2 RHEL5.3 RHEL5.4 ○ × ○ × × × × × ○ ○ ○ × × × × ○ ○ ○ ○ × × RHEL5.3 × ○ ○ ○ ○ ○ × RHEL5.4 × ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ サポート × 未サポート Red Hat Enterprise Linux 5 12
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