東日本大震災への取組 - 公益財団法人 東京都区市町村振興協会

一万八九三九人の死者・行方不明者という大き
m ︶により、岩手・宮城・福島の被災三県で
とその後に襲った大津波︵最大遡上高約四〇
ニチュード九・〇という巨大地震︵最大震度七︶
た東日本大震災は、国内観測史上最大のマグ
二〇一一年三月一一日一四時四六分に発生し
周期地震動により約一三分間にわたる揺れを記
も、最大震度五強を観測し、超高層ビルでは長
一方、震源地から遠く離れた東京において
課題があり、息の長い支援が求められています。
風評被害などのため、被災者の自立には多くの
厳しい雇用情勢や農畜産物出荷制限、土壌汚染、
には、五万戸以上の仮設住宅も完成しましたが、
の応援キャンペーンなど、ソフト・ハードに亘っ
災害廃棄物の受入れ、風評被害にあった農作物
ほか、避難者への各種相談や交流の場の提供、
から積極的に支援活動を行ってきました。この
金や食糧・水等の支援物資送付等震災発生直後
東日本大震災への取組
な被害をもたらしました。また、沿岸部では集
録しています。都内でも七人が死亡し、一一七
特別区長会
東京都市長会
東京都町村会
落や市街地が滅失し、道路・橋梁、港湾・漁港・
人が負傷しています。全半壊一七七棟を含む
出典︶三月一二日付警察庁緊急災害警備本部
た支援を行っています。
空港、上下水道・ガス・電気等の生活・産業基
宣言が発せられるという大惨事となりました。
によって放射性物質が拡散し、原子力緊急事態
電力福島第一原子力発電所の原子炉建屋の爆発
盤も壊滅的な被害を受けました。さらに、東京
制限など都民生活に多大な影響を受けました。
リン不足、放射性物質による水道水の乳児飲用
不足に伴う計画停電、電車の間引き運転やガソ
は大混雑となりました。翌週以降も、電力供給
る人が相次いだことも加わり、都内の幹線道路
九・四万人を受け入れましたが、徒歩で帰宅す
及び区市町村は帰宅困難者を一時待機施設で約
なり、鉄道も全線で運休となったため、東京都
また、高速道路閉鎖に伴い一般道路が大渋滞と
二九一カ所の道路被害等が報告されています。
四二〇〇棟超の住家被害、九区での液状化被害、
の一翼を担うというものです。この申し合わせ
ながら、連携して被災地を全力で支える諸活動
今後も国や東京都をはじめ、関係機関と協力し
た。その要旨は、二三特別区は、区民とともに、
せ、翌一七日に区長会会長の声明を発表しまし
る全ての支援協力を全力で行うことを申し合わ
区長会総会において、被災地に対し、考えられ
特別区長会では、震災直後の三月一六日特別
を超えました。
今回の大震災では、被災自治体の多くの庁舎
が被害を受け、住民情報やその他の重要情報も
流出するなど、行政機能に大きな支障が生じま
した。そのため、災害直後から、国や全国市長
会・全国町村会の他、基礎自治体による被災地
への支援活動が続いています。また、二〇一二
年二月現在日本赤十字社には三〇九七億円の義
援金が寄せられ、被災三県で延べ九三万人を超
問わない被災地支援が行われています。一〇月
える民間ボランティアが活動するなど、官民を
*2
*1
*3
○職員派遣
被災地への職員派遣︵二〇一二年一月三一日現
三月八日現在、五三自治体に五八七二人となり、
に被災自治体に派遣した個別分を合わせると、
各区が区長会を通して派遣した連携分と独自
在六〇自治体延六八五九人、左頁参照︶
、義援
今回の大震災に対して、都内六二区市町村は、
ざまな節電対策を実施しました。
*3
特別区長会
このため、地震・津波・原発による避難者は最
さらに、国は七月一日から、大口電力需要家に
を踏まえて、以下の活動を行っています。
大で、三県で三六・八万人、全国で三八・六万人
対して一五%の節電を要請し、各自治体はさま
出典︶東京都防災ホームページ
出典︶全国社会福祉協議会
* 3 * 2 *1
*1
8●
62区市町村による被災3県への職員支援状況(平成24年1月4日現在)
凡 例
青森県
1∼50
51∼100
九戸村
軽米町
岩手県
洋野町
101∼150
201∼250
二戸市
251∼300
久慈市
一戸町
八幡平市
301∼500
葛巻町
岩手町
滝沢村
501∼700
野田村
普代村
田野畑村
岩泉町
701 以上
秋田県
国立市
宮古市
千代田区、港区、新宿区、墨田区、江東区、品川区、世田谷区、杉並区、豊島区、
荒川区、練馬区、江戸川区、国立市
大船渡市
中央区、板橋区、 飾区、小金井市、羽村市
北上市
小金井市
遠野市
武蔵野市、調布市
一関市
墨田区、豊島区
陸前高田市 中央区、豊島区、青梅市、町田市、国立市、東大和市、羽村市、西東京市
盛岡市
雫石町
矢巾町
宮古市
紫波町
釜石市
文京区、台東区、北区、荒川区、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青
梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村
山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、
武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市
大 町
千代田区、新宿区、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、
昭島市、調布市、町田市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、
福生市、狛江市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、
あきる野市、西東京市、瑞穂町、日の出町、檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、
新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、小笠原村
山田町
花巻市
遠野市
大 町
北上市
釜石市
金ケ崎町
西和賀町
盛岡市
住田町
奥州市
岩泉町
昭島市
滝沢村
中央区、江戸川区
大船渡市
一関市
陸前高田市
平泉町
宮城県
宮城県
豊島区、八王子市、青梅市、小平市、東村山市、東久留米市、あきる野市
仙台市
全23区、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、
町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、福生市、狛江市、清瀬市、
東久留米市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、瑞穂町
石巻市
千代田区、中央区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、中野区、杉並区、
豊島区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、 飾区、江戸川区、八王子市、武蔵野
市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小平市、日野市、東村山市、
国立市、狛江市、多摩市、羽村市、八丈町
塩竈市
中央区
気仙沼市
全23区、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、小平市、
日野市、東村山市、東大和市、武蔵村山市、稲城市、あきる野市、西東京市
名取市
目黒区、渋谷区、杉並区、練馬区、江戸川区
角田市
目黒区
中野区
栗原市
あきる野市
大崎市
台東区
新宿区、中野区、練馬区、八王子市、稲城市
山元町
品川区、目黒区、大田区、中野区
松島町
港区、新宿区、台東区、墨田区、目黒区、大田区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、
練馬区、 飾区
涌谷町
美里町
色麻町
石巻町
大郷町
大衡村
山形県
南三陸町
女川町
大和町
東松島市
松島町
富谷町
仙台市 利府町
多賀城市
塩竈市
七ヶ浜町
川崎町
名取市
蔵王町
大田区、中野区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、檜原村、立川市、府中市、
東松島市
町田市、東大和市、東久留米市、西東京市
亘理町
登米市
加美町
村田町
大崎市
気仙沼市
栗原市
多賀城市 府中市、国分寺市
岩沼市
岩手県
秋田県
宮城県
七ケ宿町 白石市 角田市
福島県
岩沼市
柴田町
大河原町
仙台湾
亘理町
山元町
丸森町
七ケ浜町 渋谷区、中野区、府中市
大郷町
青梅市
福島県
美里町
足立区、 飾区
福島県
女川町
墨田区、江東区、世田谷区、中野区、杉並区、豊島区、板橋区、練馬区、足立区
福島市
千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、江東区、品川区、目黒区、大
南三陸町 田区、世田谷区、渋谷区、北区、荒川区、足立区、 飾区、八王子市、立川市、昭
島市、調布市、町田市、小金井市、日野市、狛江市、羽村市、西東京市、日の出町
会津若松市 日野市
いわき市
宮城県
山形県
白河市
棚倉町
小野町
石川町
鮫川村
●9
玉川村
古殿町
群馬県
三春町
郡山市
浅川町
栃木県
尾村 浪江町
双葉町
田村市
本宮市
須賀川市
南相馬市
猪苗代湖
檜枝岐村
泉崎村
矢吹町
中島村
相馬市
二本松市
鏡石町
下郷町 天栄村
飯舘村
磐梯町
大玉村
西郷村
南会津町
伊達市
川俣町
猪苗代町
会津若松市
柳津町
昭和村
会津美里町
只見町
三島町
金山町
桑折町
福島市
北塩原村
西会津町
新潟県
喜多方市
会津坂下町
湯川村
国見町 新地町
大熊町
川内村 富岡町
平田村
いわき市
葉町
広野町
飾区
荒川区、江戸川区、青梅市、稲城市
港区、江東区、大田区、世田谷区、渋谷区、練馬区、足立区、八王子市、立川市、
武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、調布市、町田市、小平市、日野市、
東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久
留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市
白河市
世田谷区
相馬市
江東区、足立区、江戸川区、稲城市、羽村市
二本松市
新宿区、 飾区
田村市
中野区
南相馬市
世田谷区、杉並区、板橋区、日野市、羽村市
川俣町
江東区
鏡石町
江東区
下郷町
西東京市
猪苗代町
豊島区
広野町
港区、新宿区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、
中野区、杉並区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、 飾区、江戸
川区
葉町
千代田区、中央区、港区、新宿区、墨田区、江東区、足立区
双葉町
江東区、中野区、杉並区、豊島区、板橋区、練馬区
浪江町
千代田区、中央区、港区、新宿区、品川区、中野区、杉並区、豊島区、板橋区、
練馬区、 飾区、八王子市、武蔵野市、青梅市、府中市、調布市、町田市、
小平市、日野市、国立市、福生市、東大和市、清瀬市、武蔵村山市、稲城市、
西東京市
塙町
新地町
多摩市
矢祭町
富岡町
江東区、品川区
矢吹町
三鷹市
平田村
中央区
茨城県
尾村
町田市、国分寺市
今後も継続して派遣していく予定です。
ます。
民・事業者への周知など積極的に取り組んでい
路灯等での節電をはじめ、区報等を通じた区
います。
を得て対応方針を決定し、以下の活動を行って
長会としての対応を協議し、多摩二六市の了解
被災地に対する人的支援は、各市が市長会と
○職員派遣
国︶
・ 放射線量測定充実について︵区長会↓都、
○緊急要望
して派遣したもの、更には各市が独自に派遣し
町村に一〇六二人の派遣を行いました。今後も
たものを合わせると、二月末日現在、三三県市
・ 学校等における放射線量の安全基準の設
定について︵区長会↓国︶
・ 現行の﹁災害救助法﹂に規定されていな
引き続き派遣していく予定です。
多摩二六市全体で四月末までに総額八億円を
い基礎自治体間の災害支援及びその財政
・﹁被災者生活再建支援法﹂の適用外である
目標として、市民及び企業・団体など、地域の
○災害義援金の送付
二三区の住宅被災世帯への支援と法改正
総力を結集して募金活動を展開しました。四月
措置の制度化について︵市区長会↓国︶
への働きかけについて︵区長会↓都︶
三〇日までの集計で、各市が個別に日本赤十字
被災地に送付しました。
社などを通じて一三億八千万円の災害義援金を
・ 給食用牛乳の放射性物質測定検査の結果
数値公表について︵区長会↓国︶
○災害廃棄物の受入れ
町村が活用することを条件に総額一〇億円の義
結しました。一二月に二工場での試験焼却を実
二〇一一年一一月二四日に四者で基本合意を締
の要請を受け、特別区長会で受入を確認し、
物資を送付しました。
紙オムツ、土のう袋、自転車などの様々な支援
飲料水、毛布、マスクや消毒薬などの衛生用品、
各市から独自に又は東京都を通じて、食料品、
○災害支援物資の送付
援金を特別区で拠出し、各区でも独自に二六自
施し、法令等に適合した処理が確認できました。
○要望活動
宮 城 県 女 川 町 長、 宮 城 県 及 び 東 京 都 か ら
治体に義援金︵二九億円余︶を送っています。
二〇一二年二月に住民説明会を開催し、三月以
・ 計画停電に対する緊急要望︵市長会↓国︶
○義援金及び物資の送付
また、五〇自治体に食料品、乳幼児・衛生用品
降二〇一三年四月まで稼働中の全清掃工場で順
特別区長会では、被災6県に対し、県内の市
や避難所用品等の様々な物資を送付していま
東京都市長会は、震災から二日後の三月一三
措置の制度化について︵市区長会↓国︶
い基礎自治体間の災害支援及びその財政
・ 現行の﹁災害救助法﹂に規定されていな
会↓都︶
・ 放射線量の測定等に係る緊急要望︵市長
す。
○被災者への主な直接支援
二三区内に三七カ所の避難所を開設し、避難
住宅︵三九一戸︶や駐車場を提供するほか、避難
者への各種相談等の支援を行っています。
対策会議を開催し、被災地に対する人的・物的
け、市長会議において受入を行うことを確認し
東京都環境局から災害廃棄物の受入要請を受
○災害廃棄物の受入れ
夏季の電力危機に向けて区長会では、率先し
支援や災害義援金の募集の実施など、東京都市
日︵日︶に会長、副会長、監事及び顧問による
た取組みを申し合わせ、庁舎及び区立施設・街
○節電対策
■東
東京
京都
長長
会会
都市市
次受入れていきます。
被災地で健康支援活動を行う保健師
10 ●
トピックス
○職員派遣
して行っています。
的支援を含めて様々な支援活動を、現在も継続
○義援金等の送付
ています。
題について意見交換をし、被災地支援に活かし
人的支援については、東京都と連携して効果
ており、現在も義援金の募集を継続して行って
り、日本赤十字社などを通して被災地へ送付し
対して保健師二人を含む七九人の派遣をしまし
います。また、東京都町村会は、岩手県、宮城
各町村において一億円を上回る義援金を募
た。現在も宮城県多賀城市へ下水道管橋渠の災
県、福島県の各町村会に対して各二〇〇万円、
的に職員派遣を行い、岩手県と宮城県の市町に
害復旧業務に職員派遣を行っています。
︵二月
茨城県、栃木県、千葉県の各町村会に対して各
五〇万円ずつ計七五〇万円の見舞金を贈呈しま
二一日現在︶
このうち、岩手県大 町へは、東京都町村会
各町村において、食料品、衣類、土のう袋な
した。
し、町民窓口業務、罹災証明申請発行事務、が
どの様々な物資を宮城県の市町などに送付しま
として四月二一日から六月二〇日まで、第一次
れき撤去の意向確認などの支援を行いました。
した。また、昨年一一月には、東京都町村会か
○支援物資の送付
また、四月二八日には、岩手県大 町へ東京都
ら岩手県大 町へ雪かき用スコップを八〇〇本
隊から第一五次隊まで町村職員六九人を派遣
町村会会長が訪問し、大槌町が抱える様々な課
提供しました。
ました。一一月二四日には宮城県女川町、宮城
県及び東京都との間で、宮城県女川町の災害廃
○被災者への主な直接支援
緊急要望︵町村会↓国︶
・ 放射線量の安全基準値の早期設定を求める
・ 放射線量測定の充実について︵町村会↓都︶
○要望活動
極的に取り組んでいます。
の節電や広報紙を通じての町村民への周知に積
電力危機に対処するため、庁舎、町村施設で
○節電対策
難者の支援を行っています。
ともに、各種相談や住民サービスを提供し、避
どで被災地の避難者受入︵二二四人︶を行うと
各町村において、町営住宅や民間賃貸住宅な
棄物処理に関する基本合意書を締結しました。
東京都町村会
東京都町村会では、震災後、三月一四日に各
町村長に対して、被災地への物的支援・義援金
の募集の実施などに積極的に取り組むように、
協力依頼を行いました。
また、三月三一日には、被災者の生活支援や
被災地の復旧・復興に向けた支援活動が本格化
することに伴い、人的支援を効果的、効率的に
行うためには、東京都と各区市町村との連携の
町役場(2011年5月撮影)
大
下で総力を挙げて取り組むことが重要であると
各町村長あて協力依頼を行いました。なお、人
● 11
支援物資保管所での仕分・管理業務(2011年4月撮影)
京都墨田区、東京都大田区、長野県岡谷市、大
れます。現在の加盟都市は、埼玉県川口市、東
本サミットは、おおよそ二年に一度、開催さ
内需要の伸び悩
ト化の進展、国
産業構造のソフ
可欠です。また、
大田区
阪府東大阪市、兵庫県尼崎市の六都市です。本
み、ものづくり
第八回中小企業都市サミット
︵おおたサミット︶の開催について
中小企業都市サミットは、中小企業が高度に
サミットで話し合われた内容は﹁宣言文﹂とし
人材の不足、事
中小企業都市サミットについて
集積する都市の自治体及び商工会議所の代表が
てまとめ、それに基づき政府等に対し政策提言
中小企業都市サミットについて
一堂に会して、各都市の成り立ちや立地条件の
業承継・事業引
住工混在による
継 ぎ の 困 難 性、
の方向性検討の指針となるとともに、
﹁宣言文﹂
操業環境の悪化
など、ものづく
り中小企業をめ
ぐる構造的な問
題は、深刻さを
開催しました。第一回の東大阪サミット︵平成
ト︶を、平成二三年八月四日・五日に大田区で
第八回中小企業都市サミット︵おおたサミッ
各産業集積都市のこれからのあり方、今後のも
復興、不況からの脱却、構造的な問題の解決、
日本のものづくり産業の震災の影響からの早期
加盟六都市は、産業集積の意味を改めて考え、
増しています。
九年五月開催︶から一四年目を迎え、大田区で
ました。
験を持ち寄りテーマに関し、首脳会議をいたし
のづくり産業のあり方などを、互いの知識や経
た日本のものづくりの再興に取り組むことが不
こそ各都市の力を結集し、中小企業支援を通じ
東日本大震災における被害は甚大であり、今
す。
今回のテーマは﹁ものづくり日本の再興﹂で
の開催は二回目となります。
第八回中小企業都市サミット︵お
おたサミット︶のテーマついて
います。
図る貴重かつ意義のある提案活動の場となって
を通じて、我が国の中小企業の振興、活性化を
本サミットは、各都市における中小企業振興
を行っています。
サミット(首脳会議)
相違を踏まえながら、中小企業が直面している
共通課題について議論し、中小企業問題を地域
から発信するものです。
宣言文調印後の首脳集合写真
12 ●
トピックス
首脳会議における議論について
介します。
首脳会議における議論の内容を、一部、ご紹
今回の主要なテーマである震災復興について
は、
﹁いざという時に、都市間交流として同業
種の交流は重要。それにより災害復興支援もで
きる。
﹂という発言がありました。震災復興に
おいても都市間・企業間ネットワークは重要で
あり、宣言文に﹁都市間・企業間ネットワーク
を促進し、サプライチェーンの再構築と強化に
つなげる。
﹂と盛り込まれました。
産業空洞化も主な課題の一つです。国内需要
の伸び悩みや過度な円高などにより産業空洞化
が進んでいます。
﹁働く場所がなくなってくる
だけでなく、治安の問題にまで影響があるかと
思う。産業空洞化対策について、強く政府に提
言したい。
﹂との発言があり、政府等への提言に
﹁産業空洞化対策の実施﹂が盛り込まれました。
また、六都市では、中小というよりも小規模
談会を利用していかなければならない﹂という
まで力が回らない。こうした中で、展示会や商
六都市の地元経営者が今後のものづくりに
催しました。併催イベントは、
以下のとおりです。
加できるイベントを含め、様々なイベントを開
企業が多い中、
﹁小規模企業は、なかなか営業
発言がでました。この発言を受け、
﹁展示会や
大企業技術ニーズと中小企業のマッチング
る﹁産業集積都市の変遷エリア﹂
六都市の変遷を航空写真、地図などで紹介す
介する﹁プレゼンブース﹂
ついて議論する﹁パネルディスカッション﹂
プレゼンブース
商談会等の開催や出展支援により取引機会の拡
ものづくり教室
自治体、商工会議所等が産業支援施策等を紹
パネルディスカッション
大を図る。
﹂と宣言文に盛り込まれました。
併催イベントについて
おおたサミットでは、一般の区民の方々が参
﹁オープンイノベーションマッチング﹂
ものづくりの楽しさを実感できる﹁ものづく
り教室﹂
大田区内の中小企業を回る﹁区内ものづくり
バスツアー﹂
これらの併催イベントに加え、第一四五回直
木賞を受賞した池井戸潤氏の著書﹃下町ロケッ
ト﹄の販売とサイン会が開催されました。この
著書はものづくりのまち、大田区を舞台に、ロ
ケット部品の特許を持つ中小企業と大企業との
戦いを描いたもので、技術力が自慢の大田区の
中小企業を勇気づけるストーリーとなっていま
す。
また、併催イベントには、六都市に加え、産
業のまちネットワーク推進協議会︵産業集積都
市が連携し、共同調査、情報交換を通じて産
業振興施策の新たな展開を図ることを目的とし
た協議会︶の参加都市を始め、産業が高度に集
積する約三〇の都市が参加しました。併催イベ
ントに参加された都市にとって、このおおたサ
ミットが、今後の中小企業支援を考えていく上
で、何かの参考になれば幸いです。
併催イベントを含め、おおたサミットには、
約一六〇〇名の方々が来場され、お陰様で盛況
のうち終了することができました。
政府等への提言の手交について
おおたサミットにてとりまとめた﹁政府等へ
の提言﹂を、八月一〇日に、六都市を代表して
松原大田区長が、髙原中小企業庁長官︵当時︶
● 13
オープンイノベーションマッチング
に手渡しまし
た。
﹁政府等へ
の提言﹂に盛り
ある。各都市とも、官民が一体となって、積
極的に中小企業支援に取り組んできた。各都
市における集積の形態は異なるものの、産業
要性を訴えまし
業への支援の重
範囲にわたり大きな打撃を受けた。その影響
大震災により、我が国のものづくり産業は広
前
<文 >
平成二三年三月一一日に発生した東日本
は、第八回中小企業都市サミットを通じて、
我々中小企業都市連絡協議会加盟六都市
集積はものづくり企業に多くの価値をもた
た。大田区では
は被災地の直接被害に留まらず、サプライ
産業集積の意味を改めて考え、日本のものづ
第八回中小企業都市サミット
がんばろう中小企業 大田宣言
中小企業都市連絡協議会
従業者一〇人未
チェーンの寸断、原子力発電所の事故、電力
くり産業の震災の影響からの早期復興、不況
うお言葉をいただきました。政府等への提言が
らは、
﹁真摯に受け止めさせていただく﹂とい
これらの提言に対し、髙原中小企業庁長官か
業は生き残りをかけ、あらゆる経営努力を続
業が急増するなど厳しい事態となった。各企
小企業は一気に苦境に追い込まれ、倒産・廃
三年前に米国で起きた金融危機を契機に、中
取り巻く環境は、厳しい状況が続いていた。
震災前にあっても、ものづくり中小企業を
をリードし続けることができるように、我々
いくものである。我が国のものづくりが世界
とを目指し、その維持・発展に全力で努めて
を再認識し、その力が如何なく発揮されるこ
我々は産業集積の持つ機能やその重要性
してきた役割は大きい。
服する過程においても、この産業集積が果た
らし、過去、ものづくり中小企業が苦難を克
満の企業が八割
供給不足、大企業等の生産機能の海外シフト
からの脱却、構造的な問題の解決、各産業集
込まれた事項に
を占め、他の加
の相次ぐ表明など、日本のものづくり産業の
積都市のこれからのあり方、今後のものづく
加え、小規模企
盟都市でも従業
土台を揺るがすものとなっている。
一つのきっかけとなり、より有効な中小企業支
けたが、急激な円高や諸外国の競合企業の台
は、以下の活動を、行政・商工会議所が一体
造のソフト化の進展、国内需要の伸び悩み、
我々中小企業都市連絡協議会加盟六都市
ンである。
宣
<言 >
ものづくり中小企業は日本経済のエンジ
寄り議論を重ねてきた。
り産業のあり方を、互いの知識や経験を持ち
援につながっていけばと考えます。
頭に伴い、苦境から抜け出すことができない
今後の中小企業都市サミットにつ
いて
となって取り組むことを、ここに宣言する。
次回は、墨田区にて中小企業都市サミットを
開催する予定です。来年度以降、六都市で、次
なお、現在の加盟都市は六都市ですが、もし、
ものづくり人材の不足、事業承継・事業引継
題に関しても、深刻さを増している。産業構
新たに他の都市が加盟していただければ、新た
ぎの不全、住工混在による操業環境の悪化な
策の重点目的とする。東日本大震災における
な知識や経験が加味され、よりよい中小企業都
中小企業都市連絡協議会加盟六都市をは
被害は甚大であり、今こそ各都市の力を結集
においては、ものづくり中小企業の発展を政
小企業都市サミットに興味を持たれる自治体が
じめ本サミット参加都市は、日本の産業を支
ど解決すべき難問が山積している。
ございましたら、大田区産業振興課までご連絡
し、中小企業支援を通じた日本のものづくり
いただければ幸いです。
えるものづくり中小企業が集積する都市で
市サミットになるのではないかと考えます。中
回サミットの内容を検討していきます。
ものづくり中小企業をめぐる構造的な問
状況にあった。
者一〇人未満の企業が大部分を占めます。
政府等への提言の手交
14 ●
トピックス
外国との経済連携の検討を含め、海外
や中小企業政策に取り組んでいただきたい。
に、省庁の枠を超えて産業集積の維持・発展
さらに、ものづくり中小企業の発展のため
加速していただきたい。
市場の開拓を促進しつつ、中小企業経
とりわけ、政府等に対して以下の施策の実
五 成長するアジア市場をはじめとして、
中小企業都市連絡協議会加盟六都市では、
営の国際化を図る。
の再興に取り組むことが不可欠である。
以下の方向性に沿って、積極的に行動を展開
三.中小企業の経営強化の推進
施を提言する。
○産業空洞化対策の実施
二 国際的に競争力を有する企業となる
援、過度な円高の是正、国内への企業立地の
頼回復、法人税減税、安定した雇用確保と支
地域ブランド、さらには日本ブランドの信
ための経営者や技術者の人材育成を促
○中小企業の継続的かつ安定的な操業環境
洞化対策を徹底的に実施する。
環境対策補助制度の創設などによる産業空
環境配慮型集合工場の建設、
省エネルギー・
促進を図り、産業集積を維持する。
経営支援を推進する。
四 地域金融機関と連携しつつ、企業の
円滑に推進する環境を整備する。
三 中小企業の事業承継や事業引継ぎを、
進する。
で、高付加価値化を促進する。
化や知的財産の利活用を推進すること
一 企業の研究開発力・商品開発力の強
することをここに宣言する。
一.震災後の新たなものづくり体制の整備と
企業支援
一 省エネルギー化や環境対応型の設備
投資、さらには、環境関連の新技術開
発などを積極的に推進し、電力需給対
策に貢献する。
二 都市間・企業間ネットワークを促進
し、サプライチェーンの再構築と強化
につなげる。
三 事 業 継 続 計 画 (Business Continuity
の確保
供給、原材料の安定的な確保及び買占めの規
中小企業への安定的な電力・エネルギーの
四.産業集積の維持・発展
価値型企業を支える企業、研究機関等
一 国内外の高付加価値型企業、高付加
策定を促進し、災害に強い企業づ
Plan)
くりを支援する。
促進するなど被災地のものづくり産業
制など中小企業の継続的かつ安定的な操業
環境を確保する。
三 工場の操業環境整備と住宅との調和
支援する大規模なものづくり補助事業制度
中小企業の研究開発、試作、販路開拓等を
○ものづくり支援制度の拡充
を促進し、住工共生のまちづくりを進
など中小企業税制を抜本的に見直す。
投資に関する減税、事業承継税制の要件緩和
中小企業軽減税率の拡大、設備投資や人材
○中小企業税制の抜本的見直し
応する支援を実現する。
りの新たな展開を図る企業や景気変動に即
また、低利融資制度の拡充を図り、ものづく
の創設と簡易かつ機動的な運用を実現する。
政
<府等への提言 >
今の経済状況を打開するためには、デフレ
める。
や創業者の成長を支援する。
二 ものづくりの新たな展開を図る企業
の立地促進を図る。
四 継続的な支援策の実施、企業連携を
の再構築に共に取り組む。
二.中小企業の取引拡大の推進
一 企業の新規顧客開拓力を強化する。
二 展示会や商談会等の開催や出展支援
により取引機会の拡大を図る。
三 各都市の地域ブランドや特徴ある製
品・技術のPRを推進し、取引機会の
四 産学官連携、大企業とのマッチング、
経済からの脱却が是非とも望まれている。対
拡大を図る。
中小企業間連携の促進により、環境・
策の強化に取り組んでいただきたい。
んでおり、風評被害対策を含めた復興支援を
また、東日本大震災の復興は日本全体が望
新エネルギー・医療福祉など今後成長
が見込まれる新分野への展開を支援す
る。
● 15
東京都市長会 平成
年度政策提言
円滑な人間関係を築けないなど、心の不安定な
東京都市長会
企画政策室
摘されています。
言﹁多摩のスポーツ振興をめざして︱︱子ども
東京都市長会では、平成二三年二月に政策提
につながるとともに、体を動かす爽快感により
体力の強化や肥満解消などの生活習慣病の予防
体力や運動能力を高め、病気から体を守る基礎
子どもにとって、体を活発に動かすことは、
地域に仲間が増えることで、地域のイベント
として参加してもらうのも良いことであり、
的にスポーツを実践していた方には、指導者
睦を深めることが近道であるとともに、専門
ポーツクラブなどに参加し、共に汗をかき親
地 域 の 友 人 や 仲 間 づ く り に は、 地 域 の ス
の体力向上からアスリート誕生への期待 そし
ストレスが発散され、心身共に、より健康な状
子どもの存在も問題となっています。
てより活力あるまちへ︱︱﹂を発表しました。
に も 参 加 し や す く な り、 ス ム ー ズ な 地 域 デ
の誕生を期待するとともに、地域とアスリート
動への導き、さらに将来的には、アスリート
もたちの体力・運動能力の向上からスポーツ活
間関係のあり方や相手の立場に立った気持ちを
を考えた行動ができるようになることから、人
ミュニケーションを図りながら、まわりの状況
屋外における異年齢の集団での外遊びは、コ
この提言は、特に子どもに焦点をあて、子ど
との結びつきによる活力のあるまちづくりを行
図表1:提言の基本的考え方(概念図)
持つなど、豊かな人間性が形成されるとともに、
子供会や地域のスポーツクラブに参加し、ス
‫܇‬ƲNjƷ˳щȷᢃѣᏡщ
ؕஜႎ៲˳ᢃѣƷ‫ܭ‬ბ
żឥȷ৲ȷៃŽ
い、多摩地域全体でのスポーツ振興を図ること
を目的としています。
ポーツや団体のルールなどを守ることで、フェ
アプレー精神や社会規範の育成につながると思
˳щȷᢃѣᏡщӼɥ
われます。
ǹȝȸȄ‫ڜ‬ѕ
背景の二つめは、団塊の世代が定年退職を迎
え、生活の軸が働く場から地域へとシフトする
Ū ʴႎ᝻เƷ෇ဇ
Ტ‫ע‬ΨǁƷ‫ׅ࠙‬Უ
Ū LJƪƷ෇ࣱ҄
ᇤ২щӼɥ
背景︱︱なぜ、今、スポーツ振興
なのか
背景の一つとして、文部科学省の﹁体力・運
同時に、仕事以外の新たな生きがいを見いだす
ことで、地域との関わり合いや友人、仲間づく
動する﹂
、
﹁しない﹂の二極化や﹁走る・投る・
必要が生じていることです。また、団塊の世代
動能力調査﹂によると、子どもの体力・運動能
跳ぶ﹂などの基本的な運動能力の低下、肥満な
には、メタボリックシンドロームなどの生活習
りなど、地域での居場所づくりが課題となると
どによる生活習慣病の増加への懸念がありま
慣病や医療費や介護費用の増加などの問題も指
力は、昭和六〇年ごろから低下傾向にあり、
﹁運
す。また、キレる、社会のルールが守れない、
ǢǹȪȸȈᛓဃ
態を保つことができます。
はじめに
﹁多摩のスポーツ振興をめざして﹂
22
16 ●
トピックス
ビューを果たすことができると考えられます。
す。
提言の概要
■提言の概要
特に東京の子どもの体力・運動能力の現状は
危機的な状況で、全国的にも低いレベルにあり、
三つめとしては、少子・高齢化、核家族世帯
や単独世帯の増加による家族形態の多様化・個
﹁走る﹂
、
﹁投げる﹂
、
﹁跳ぶ﹂
、といった基本的
の提案
弱まっていることから、地域コミュニティによ
な身体運動ができない子どもたちがいる現状
○ 学校における課外時間での取組み
1
子 ど も の 体 力・ 運 動 能 力 向 上 に 向 け て
るセーフティ・ネットの強化の必要性が高まっ
から、子どもたちに基礎的な身体運動を確実に
始業前や休み時間を活用し、楽しみ
その向上が求められています。
ていると言われていることです。その対策とし
身に着けさせるとともに、総合的な体力・運動
ながら、週一回以上児童や生徒に体を
人化などにより、地域社会における共助の力も
て、家族間のコミュニケーションを基に、地域
能力の向上を図ることを提言の基礎としていま
動かす機会をつくり、体力・運動能力
の向上をめざす。
⑴
学校丸ごと体力向上
住民が一体となって防犯・防災などに取り組み、
す。
その基礎の上に、スポーツという領域に導く
安心で良好な地域コミュニティを形成する必要
があります。
○ 放課後における体力アップ総合運動
ラグビー、水球などのスポーツにより、
とともにスポーツの奨励につなげ、競技力の向
児童・生徒が楽しみながら体を動かす
また、外国人登録者数は年々増加し、言葉や
クラブの設置
また、アスリートや高レベルの指導者を貴重
工夫を取り入れ、週一回、放課後三〇
上へと発展させることで、アスリートの誕生が
な人的資源として、いかにスポーツ振興施策に
分∼一時間程度、校庭、体育館などで
文化の違いによるさまざまな問題も発生してい
活かしていくかということも重要なポイントと
鬼ごっこなどの伝承的な遊びやタグ
なってきます。スポーツ活動の底辺拡大による
総合運動クラブを実施する。
期待できるものと考えています。
参加することで、家族も練習の見学、試合の応
子どもが、子供会や地域のスポーツクラブに
﹁押し上げる力﹂
、さらには、高レベルの指導に
○ 市内合同体育大会の実施
ます。同じ地域に住む住民として、お互いを理
援など、
地域に出ていくようになり、
監督やチー
よる﹁引き上げる力﹂によりアスリート誕生の
競技内容を工夫し、市内全児童・生
解し合い、問題を解決していくには、良好なコ
ムメイトの家族、地域住民と世代を超えた異年
機会の増加という、全体の構造が循環するもの
ミュニケーションが欠かせません。
齢間交流が始まるなど、スポーツを通じて、顔
と考えています。
運動能力の向上であり、その施策が継続されな
この循環の中軸にあるものは、子どもの体力・
生徒の意欲を高め、大会に向けた始業
加という目標を設定することで、児童・
徒が出場できる大会を開催し、大会参
の見える地域コミュニティの形成・再生に役立
つと考えられます。
また、スポーツは世界共通のルールで行われ、
た練習などで体を動かす機会を増やす。
前、休み時間、放課後の時間を活用し
これらの課題に取り組むきっかけとして、平
○ 体育の授業におけるチームティーチ
ければなりません。
ミュニケーションツールとして適しており、ス
成二五年開催の東京多摩国体が絶好の機会であ
言葉の壁を超えた交流が図れることから、コ
ポーツを通じた国際交流が図られることは、文
り、これを契機に地域の活性化につながる新た
み立て・指導ができるよう、体育の授
童・生徒のレベルに合わせた授業の組
準備による授業時間への影響や各児
ングの導入
化の違いから生じる課題の解決につながると思
なスポーツ振興が展開されることを期待してい
ます。
います。
このような自治体が抱える課題を解決するた
めに、スポーツは有効なツールの一つと言えま
● 17
間をフル活用でき、質の高い授業を行
導入し、チームワークにより、授業時
業に二人体制のチームティーチングを
ぶなど、地域住民の憩いの場となるよ
大人が子どもに遊びを教え、一緒に遊
また、自治会や周辺住民に呼びかけ、
る。
の卵を地域全体で支える仕組みを整え
るために活用することで、アスリート
子どもの体力・運動能力向上のために
∼子どもの体力向上推進本部の設置∼
覧でき、指導者同士や選手との交流の
ツクラブなどのスポーツ関係機関も閲
ジュニア選手、体育協会や民間スポー
指導者バンクの登録者や多摩地域の
○ コミュニティサイトの構築
うにする。
各学校で実施された体力・運動能力
は、地域特性を活かしながら様々なアイ
拠点となる会員制コミュニティサイト
⑶
サポート体制の整備
えるようにする。
調査について、各調査種目の数値結果
ディアを出し、学校、家庭、地域などで
を構築する。
○ 学校における体力通信簿
を年度ごとに蓄積、記入できる通信簿
の総合的な施策を図る必要がある。そこ
を作成する。毎年度、児童に結果を振
で、従来の部署の枠組みを超えた、子ど
∼体力・運動能力の見える化∼
り返らせ、次年度に向けての目標を自
もの体力向上推進本部を設置する。
として、指導者の指導力向上のための
また、サイトの波及的・発展的な形
ら考え、通信簿に記入させる。得手・
前年度結果より著しく数値が上昇した
ポーツ選手との交流会、指導者交流会
や指導者のための各種相談会、プロス
研究会、講習会の実施、ジュニア選手
市を表彰・紹介するとともに、ユニーク
などのイベントを実施する。
⑷
表彰制度の創設
な取組みを実施し、今後に期待ができる
不得手な運動を学校、児童・生徒、家
市についても表彰・紹介することで、各
庭が把握することで、連携した具体的
また、学校全体の調査種目の数値を、
市におけるさらなる体力・運動能力向上
取組みへとつなげる。
全国や東京都との平均値と比較、公開
⑶
多摩総合スポーツセンターの設置
図り、競技力向上を図る一助とする。
するための活動資金とするなどの支援を
金を設け、将来のアスリート選手を応援
各市においてスポーツ振興に資する基
⑵
スポーツ振興基金の創設
することで、常に当該校の体力・運動
への機運を高める。
けての提案
2
将 来・ 次 世 代 の ア ス リ ー ト の 誕 生 に 向
能力値が分かるようし、学校を挙げて
の取組みにつなげる。
⑵
街なか丸ごと遊びの空間
○ 安全、安心遊び場作り事業
道 路 の 一 定 区 間 を、 休 日 の 数 時 間、
○ 道路の遊び場化事業
安心な遊び場を提供する。
見守る仕組みを作ることで、より安全、
に、公園や遊び場で地域住民が児童を
有することで、指導者とジュニア選手
し、市内のスポーツ関係機関で情報共
をリストアップし、データベース化を
各市の地域内にいるスポーツ指導者
∼指導者バンク∼
○ 指導者のデータベース化
例えば、平成二六年度に整備予定の武
る。
多摩総合スポーツセンター﹂
︶が必要であ
二六市のスポーツ振興拠点の設置
︵
﹁
︵仮称︶
まとめていく場としての総合的な多摩
ためには、スポーツ関係の施策を統括し、
ち、総合的に推進し、その効果を高める
多摩地域全体として一定の方向性を持
区域外の市民等の自動車や自転車の乗
のマッチングへの活用や学校や地域の
蔵野の森総合スポーツ施設を活用した拠
⑴
指導者ネットワークの構築
り入れを禁止して遊び場とすることで、
スポーツクラブが外部指導者をみつけ
児童が外遊びを積極的に行えるよう
子どもが体を動かす場を増やす。
18 ●
トピックス
点の設置など検討する。
3
応援するきっかけづくりに向けた提案
アスリートの応援のため、その選手の
⑴
応援情報の発信
情報を収集するといっても、誰がどこで
どんな活躍をしているかを詳細に知るこ
とは至難の業である。しかし、選手の家
族や親戚、ご近所、学校などでは話題と
じめとする選手を、地域全体で応援する
ベントに出場する地元の小・中学生をは
立を予定しています。
﹁多摩・島しょスポーツ振興事業助成金﹂の設
めに、東京都町村会とともに平成二四年度から
待しています。
ポーツ振興と地域の活性化につながることを期
いただくことで、多摩・島しょ地域におけるス
各市町村において、この助成制度を活用して
ような仕組みに発展させる。
おわりに︱事業化へ向けて
東京都市長会では、本提言を実行していくた
市町村が行うスポーツ振興に資する新規事業で、次の
①∼③のいずれかに該当し、(財)東京市町村自治調査
会理事長が必要と認める事業。
① 継続的な子どもの体力・運動能力向上に資する事業
助成対象事業 ② 子どもの競技力の向上に資する事業
③ スポーツを通じた地域活性化事業
(施設整備等に係る経費及び市町村の職員人件費、また、
自治調査会の他の助成金を充当している事業は助成対
象外。)
なっていることは間違いない。
一市町村につき年間200万円以内。(総事業費の10 /
10助成)
そこで、応援のための情報を共有でき
る仕組みとして、個人情報保護の配慮の
もと、市のホームページに専用ページを
図表2:多摩・島しょスポーツ振興事業助成金の概要
設け、活躍している選手の近況などを投
稿するような方法により、みんなで応援
するきっかけ作りを行う。
日ごろスポーツをしていない市民に、ス
⑵
地元選手応援・観戦ツアー
ポーツの楽しみ方を知ってもらうために、
スポーツを﹁観る・応援する﹂ところか
ら始めたい。そこで、まず、東京多摩国
体を契機に、スポーツに興味を向けるた
め、地元選手応援・観戦ツアー、例えば、
平成24年度から平成26年度
助 成 年 度
多摩・島しょ地域の市町村(各市町村単独助成)
助成対象者
東京都の選手が出場する競技会場を巡る
観戦ツアーを設定してみてはどうか。
また、選手の応援のみならず、各市を
アピールするために、観光スポットなど
も含めた観戦ツアーを、旅行会社とタイ
アップして実施する。
● 19
さらに、東京多摩国体の応援にとどま
らず、各種のスポーツ大会やスポーツイ
目
額
成
助
的
スポーツ振興を通し、少子化、高齢化への対応や地域
経済の活性化等、多摩・島しょ地域のまちの活性化へ
導き、ひいては地域の魅力を高めるため、多摩・島しょ
民の体力・運動能力向上や地域全体のスポーツ人口の拡
大など、市町村が実施するスポーツ振興に資する事業を
支援することを目的とする。
二時間で、おおむね週五便の運航となっている。
父島から母島までは、定期船ははじま丸で約
航している。
小笠原村総務課
企画政策室
3
小笠原諸島の自然
れ、新しい村づくりが進められてきた。
国の特別措置法のもと様々な公共事業が推進さ
戦後二三年間にも及んだ空白を埋めるために、
れ、島民の帰島がようやくかなうことになり、
昭和四三年六月、小笠原諸島は日本に返還さ
生活を強いられた。
への帰島は許されず、慣れない土地での苦しい
り帰島を許されたが、他の大多数の島民は故郷
ることになり、昭和二一年、欧米系の島民に限
敗戦により、小笠原は米軍の占領下に置かれ
が内地へ強制疎開させられた。
して残された八二五人を除く全島民六八八六人
る。昭和一九年、戦局の悪化により、軍属等と
太平洋戦争により大きな転機を迎えることにな
原の最盛期を迎えたが、豊かで平和な小笠原は、
世界自然遺産に登録された小笠原諸島
1
小笠原村の概要
1 小笠原村の概要
小笠原諸島は、太平洋上の広大な海域に散在
する三〇余りの島々の総称である。北から聟島
列島、父島列島、母島列島、火山︵硫黄︶列島
の四つの列島及び西之島、南鳥島、沖ノ鳥島の
三つの孤立島からなっている。南鳥島は日本の
最東端、沖ノ鳥島は最南端に位置している。
そのうち、一般住民が居住しているのは、父
島と母島のみで、硫黄島には自衛隊、南鳥島に
は自衛隊・気象庁の施設があり、その職員等の
みが業務目的で常駐している。
父島は、東京の南約一〇〇〇キロメートルに
2 小笠原村の歴史
2 小笠原村の歴史
小笠原諸島は一五九三︵文禄二︶年、信州深
あり、その広さは千代田区の二倍余りの約二四
平方キロメートルで、母島は父島の南約五〇
志城主小笠原長時の孫、小笠原貞頼により発見
小笠原諸島は、一度も大陸とつながったこと
キロメートルにあり、その広さは二一平方キロ
のは江戸時代後期の一八三〇︵文政一三︶年、
がない﹁海洋島﹂である。生物が陸を通って移
3 小笠原諸島の自然
小笠原は、亜熱帯海洋性気候に属しており、
欧米人とハワイの先住民で、その後、江戸幕府
り住むことができないため、空や海を越える
されたと伝えられている。人が最初に定住した
気温の変化が比較的少なく、父島の平成二〇年
や明治政府の調査、開拓により一八七六︵明治
き、島の環境に合った生物が生き残り、さらに
度の年間平均気温は二三度で、一年を通じ、雪
大正から昭和初期には、亜熱帯気候を活かし
適したものへと進化していった。小笠原では、
ことのできた限られた生物だけが島にたどり着
た果樹や野菜の栽培が盛んになり、漁業ではカ
現在も進行中の進化の過程が見られ、種が分化
九︶年には国際的に日本領土として認められた。
ツオ、マグロ漁に加え、捕鯨やサンゴ漁などを
する過程を良好に保存している﹁進化の実験場﹂
が一四六六ミリメートルに対し、父島はやや少
東京から父島までは、定期船おがさわら丸で
中心に栄え、人口も七千人余を数えるなど小笠
ない一二七六ミリメートルとなっている。
二五時間三〇分かかり、おおむね六日に一便就
や霜が見られることはない。年間降水量は東京
メートルである。
定期船おがさわら丸と父島の街並み
20 ●
トピックス
と言える。
こうして独自の
進化を遂げた結
果、小笠原は、小
さな島の中に世界
でもここしかない
固有の生物が数多
く 生 息 し て お り、
固 有 種 の 割 合 は、
植物で三六パーセ
ン ト、 昆 虫 類 で
二 八 パ ー セ ン ト、
陸産貝類で九四
パーセントにもなっている。
また、小笠原諸島は、島が誕生し成長して
こともできる。
たちと一緒に泳ぐ
できるし、イルカ
通じてみることが
コウクジラは年間
況によるが、マッ
る。また、海の状
チングが見られ
たきつけるブリー
ジラが体を海にた
けては、ザトウク
る。冬から春にか
び締約国に対し勧告され、ユネスコの世界遺産
世界遺産登録がふさわしいかどうかユネスコ及
際自然保護連合︶による現地調査等が実施され、
であり、
自然保護の専門機関であるIUCN︵国
計画を提出する。そして、ユネスコの諮問機関
来に渡って遺産価値を保全していくための管理
て、遺産としての価値が記載された推薦書、将
載された案件の中から条件の整ったものについ
コ世界遺産センターへ提出し、暫定リストに記
う予定案件等を記載した暫定リストをユネス
ては、締約国は、将来世界遺産に登録申請を行
世界自然遺産に登録されるための手続きとし
委員会で正式に世界遺産への登録の可否が決定
される。
そして、
海にでれば、
真っ青な色の海が広がっ
﹁地球の進化﹂を知る手がかりにもなっている。
でき、大陸がどのように作られてきたかを示す
にあって観察が難しい岩石を陸上で見ることが
アイランドから名付けられている。通常は海底
ため、小笠原の古名である無人島、洋名ボニン
ナイト﹂と呼ばれ、小笠原で最初に発見された
発生したマグマが冷えて固まった岩石は﹁ボニ
山活動により、列島が形成されたが、このとき
海プレートの下に沈み込みを始め、マグマの火
四八〇〇万年前、太平洋プレートがフィリピン
世界遺産条約︵
﹁世界の文化遺産及び自然遺産
世界自然遺産に登録されるためには、まず
物多様性﹂のうちいずれかを満たす必要がある。
の評価基準﹁自然景観﹂﹁地形・地質﹂﹁生態系﹂﹁生
世界自然遺産に登録されるためには、次の四つ
の価値を備えている複合遺産の三種類がある。
観などの自然遺産、文化遺産と自然遺産の両方
同じく顕著で普遍的な価値を有する生態系や景
的な価値を有する記念物、遺跡などの文化遺産、
が世界遺産である。世界遺産には、顕著で普遍
の世代に引き継いでいくべき貴重な宝物、それ
人類共通のかけがえのない財産として、将来
その後、地元の行政機関・関係団体からなる
それらの解決は今後の検討課題であるとされた。
分な保護担保措置がとられていないことから、
外来種対策を早急に講じる必要があるほか、十
いる点が評価されたものである。しかしながら、
が生息・生育し、特異な島嶼生態系を形成して
た。選定理由としては、多くの固有種・希少種
る可能性が高い地域として、候補地に選定され
も世界自然遺産条約に定める登録基準に合致す
おいて、知床・琉球諸島とともに、小笠原諸島
補地に関する検討会﹂が開かれ、この検討会に
平成一五年、国の設置した﹁世界自然遺産候
4
世界自然遺産に登録されるた
めには
ている。小笠原の海の色は、
ライトブルーと言っ
の保護に関する条約﹂
︶を締結する必要があ
地域連絡会議や専門家からなる科学委員会を開
5
日本で四番目の世界自然遺産
登録へ
たらいいのか、明るい青色をしている。晴れて
り、締約国は二〇一〇年八月現在、日本を含め
催して多くの議論を行い、推薦書や管理計画の
5 日本で四番目の世界自然遺産登録へ
いれば、その青がより際立つ。小笠原だけの色、
一八七カ国にのぼっている。
きた過程を観察できる貴重な場所である。約
ザトウクジラの豪快なブリーチング(環境省)
二五時間半かけないと見られない色をしてい
● 21
母島列島のみに生息する特別天然記念物のハハジマメグロ
薦書を世界遺産委員会事務局に提出した。
約に基づく世界遺産一覧表に記載するための推
するとともに、平成二二年一月には世界遺産条
記載した我が国の暫定リストをユネスコに提出
組みを強化し、平成一九年一月に小笠原諸島を
検討を進めるとともに、外来種対策などの取り
外来植物の分布図を提出することを内容とする
地域︶としての機能を有することを認めること、
バッファーゾーン︵遺産区域への影響を抑える
と、遺産区域の周囲にある小笠原国立公園を
Nより、海域公園地区を遺産区域に編入するこ
調査から二か月後の平成二二年九月、IUC
書簡が届けられた。関係団体と調整するととも
に、地域連絡会議を開催し、一一月にIUCN
の書簡の内容を認める形で回答文を提出した。
そして、平成二三年五月にまとめられたIU
CNの評価報告書において、小笠原諸島は﹁世
界遺産への登録が適当﹂と評価され、この評価
結果を受けて、平成二三年六月二四日、パリで
開催された第三五回ユネスコ世界遺産委員会に
おいて小笠原諸島の世界自然遺産への登録が決
定された︵正式な登録日は六月二九日︶
。日本
では屋久島︵鹿児島県︶
、白神山地︵青森・秋
田県︶
、知床︵北海道︶に次いで四番目の快挙
であった。この世界遺産委員会では、小笠原諸
島の世界遺産が登録された後、委員会の議長よ
り日本に対し、登録のお祝いと地震・津波に対
するお悔やみの言葉も述べられた。
IUCNの二人の専門家による現地調査が実施
登録に向けた審査として、平成二二年七月に
係者の来島や電話取材があり、テレビ、新聞、
だろうと思っていたが、実際は数多くの報道関
れる記者も少なく、ニュースになることもない
遺産決定の電話を受ける森下・小笠原村長
遺産看板を囲んで遺産登録を喜ぶ村民
東京から二五時間半かかるという地理的条件
された。世界遺産の価値をあらわす言葉とし
雑誌、その他町の広報誌にまで取り上げられる
を考えると、小笠原の世界遺産登録は取材に訪
て﹁顕著で普遍的な価値﹂という言葉があるが、
こととなった。
良かったようである。
情がある。
﹂と発言しており、調査員の印象は
調査員の一人は﹁この島には顕著で普遍的な友
南島全景。1日の上陸人数が100人に制限されている。
22 ●
トピックス
6
今後の小笠原の課題
6 今後の小笠原の課題
り検討事項となっている。
7
小笠原を訪れる皆様へ
7 小笠原を訪れる皆様へ
ら身を守る方法を知らない。一八三〇年に小笠
変化に弱く、人によって持ち込まれた外来種か
な外来種が侵入する危険性がある。また、個々
唯一の交通機関である船によって本土から様々
大陸とつながったことがない﹁海洋島﹂である。
先にも述べたように、小笠原諸島は、一度も
原に人が住み始めると、小笠原の外から、本来
の小笠原の島々もそれぞれ特徴的な生態系が成
争相手の少ない環境で生きてきたため、環境の
海洋島である小笠原諸島の生物は、外敵や競
小笠原にはいない外来種が持ち込まれるように
このため、竹芝から父島への渡航ルートであ
立しているため、島の間での生物の移動にも注
生きものを捕食したり、すみかを奪ったりして、
るおがさわら丸内には、植物や動物、土のつい
なった。外来種は、荷物にまぎれたり、食用や
小笠原の本来の生態系を変化させていった。小
たものなどを持ち込まないようポスター等によ
意する必要がある。
笠原固有の生きものの多くは、こうした外来種
る呼びかけが行われている。また、父島の外来
ペットとしてやってきた後、野生化し、固有の
から身を守ることが出来ず、大きな影響を受け
種の母島への侵入を防ぐため、靴底を洗浄する
父島の歩道の入口には、靴底や服、荷物に付い
ている。このため、小笠原本来の生態系を守る
植物を食べるノヤギ、海鳥を襲うクマネズミ、
た小さな虫や種、土を落とすための粘着ロー
マットが母島の港に設置されている。そして、
昆虫を襲うグリーンアノール、もともとの植物
ラーやマットが設置されており、島内での外来
ために、外来種の駆除が行われている。
の住みかを奪うアカギなどを駆除し、失われた
小笠原には、小笠原にしか生息していない固
種の拡散を防止している。
ため、国、都、村、地域団体等が協力しながら
有の動植物を観察できる森・山のツアーや、ド
自然環境を取り戻し、健全な生態系への回復の
事業を行っている。世界遺産委員会の決議にお
には、自然を守るための様々なルールを守って
ルフィンスイム、ホエールウォッチングなどの
このように既に侵入してしまった外来種対策
いただきながら、二五時間かけなければ見るこ
いても、この外来種対策を継続するよう要請さ
については、一定の対策が取られているが、新
とのできない小笠原の自然を楽しんでいただき
海のツアーが充実している。小笠原を訪れた際
しい外来種の侵入があると、脆弱な生態系が一
たい。
れている。
気に壊れてしまう可能性がある。世界遺産登録
になり、観光客が増加するなかで、どのように
新たな外来種の侵入を防ぐかが大きな課題であ
● 23
母島入島時の靴底洗浄(東京都)
イルカと泳ぐドルフィンスイム
東京都市長会・特別区長会・東京都町村会
財団法人東京市町村自治調査会・公益財団法人特別区協議会
本プロジェクトの内容をより多くの方に知っ
持ってもらうため、次のとおり、多摩産材で作
より多くの人に無駄なレジ袋を減らす意識を
立・公表しました。
月三日の﹁共同宣言﹂に基づき、東京で暮らす
ていただけるよう、みどり東京・温暖化防止プ
成したレジカウンター用啓発スタンドを、申し
と平成二四年二月の計二回配布しました。
私たちにとって大きな課題である温室効果ガス
ロジェクトのクリアファイルを作成し、各市区
○レジ袋削減キャンペーン
の削減やみどりの保全について、東京都内の全
球温暖化防止に関する諸施策を実施する上で必
温室効果ガス排出量は、各自治体における地
準算定手法の共有化推進
○都内市・区・町・村の温室効果ガス排出量標
ました。
ホームページ︵ECOネット東京 ︶に掲載し
トをみどり東京・温暖化防止プロジェクトの
平成二二年度事業報告等を紹介するパンフレッ
ていただけるよう、平成二三年度事業の概要と
本プロジェクトの内容をより多くの方に知っ
◆事業パンフレットの作成
込みに応じ、東京都内の店舗等に配付しました。
市区町村が連携・共同して取り組む事業です。
平平
成成
二三
度年
の主
業な事業
二年三
度な
の事主
今年度の主な事業を、共同宣言の三つの骨子
ごとに紹介します。
Ⅰ
CO 2削減につながる活動の普及・省工
ネ ル ギ ー の 促 進・ 温 室 効 果 ガ ス の 排 出 抑
制
○みどりの保全・地球温暖化防止に向けた普及・
啓発の推進
WEBとFAXにて申込を受け付けました。
申込は、都内コンビニエンスストアを含め、
様々な店舗から多数いただきました。
◆アンケート
節電対策用として、グリーンカーテンが期待さ
抑制する手段のひとつとして、また、今年度は
地球温暖化対策における建築物の温度上昇を
ました︵ http://all62.jp/
︶
。
また、今年度は島しょ地域の九町村について
法に基づき、各自治体の算定数値の更新を行い
区市共通版の温室効果ガス排出量標準算定手
のち、効果を記入のうえ返送していただきまし
同封し、啓発スタンド設置後しばらく経過した
啓発スタンドを送付する際に、アンケートを
れていることから、グリーンカーテン用のタネ
その特性に応じた温室効果ガス算定手法を確
す。
た。また、集計結果は報告書で公開していきま
︵ゴーヤの種︶を各市区町村に平成二三年五月
要不可欠な基礎データです。
◆申込受付
町村に配布しました。
◆クリアファイルの作成・配布
主催
企画・運営
オール東京 市区町村共同事業
﹁みどり東京・温暖化防止プロジェクト﹂について
オール東京 市区町村共同事業﹁みどり東京・
62
温暖化防止プロジェクト﹂は、平成一九年一〇
62
◆グリーンカーテン用のタネの配布
62
62
24 ●
トピックス
62
ための技術を論理的に学ぶと共に、地球温暖化
普及啓発効果の高い展示イベントを実施する
﹁身体の健康づくり﹂を、科学的に検証した新
動や食事や睡眠等の生活リズムの改善といった
の健康づくり﹂
、あるいはウォーキング等の運
しみながら、リフレッシュや癒しという﹁心
森林セラピーとは、森林浴を誰でも気軽に楽
防止に対する意識の醸成を図ることを目的と
○市区町村職員共同研修の実施
し、展示イベントプロデュース研修を行いまし
しいアプローチから提供するものです。
に昔からあるありのままの風景を楽しみながら
フットパスとは、イギリスを発祥とした地域
田区麹町︶にて開催。
の再発見・創造を体感していただくものです。
歩き、地域の文化・歴史・産業・景観等の資源
都民を対象とした東京の自然を体験・再発見
参加者は深まる秋の自然を楽しみつつ、参加
○体験型一般公開講座
平成二四年一月二七日︵金︶弘済会館︵千代
た。
3講座合計156名参加。
することを目的として森林セラピー︵奥多摩町・
講座名
実施日
実施場所
当日参加人数
対 象
実施団体
フットパス
11月8日(火)の1日間
町田市
66名
18歳以上の都内在住・在勤・在学者
一般社団法人町田市観光コンベンション協会
市区町村職員と学識者による研究検討委員
62
○みんなで環境を考える共同行動の実施
さを実感・体感しました。
然にふれあい楽しみながら、みどりのもつ大切
各地域の特性を活かした体験活動を通じて、自
対し、助成金を交付しました。子どもたちは、
にした、東京の自然を体験する環境教育事業に
市区町村が実施する都内在住の小学生を対象
○みどり体験交流事業助成金
設定
Ⅲ
人 々 が、 環 境 を 考 え、 行 動 で き る 場 の
ベント・会議等でオフセットを実施しました。
セット・クレジットを購入し、参加自治体のイ
によるケース検討を行った他、カーボン・オフ
今年度は研究の実践段階として、参加自治体
き調査研究を行いました。
会において、平成二一年度・二二年度に引き続
者同士の交流も図りました。
森林セラピー
11月4日(金)の1日間
檜原村
24名
18歳以上の都内在住・在勤・在学者
一般社団法人檜原村観光協会
檜原村︶とフットパス︵町田市︶の体験型一般
講座名
実施日
実施場所
当日参加人数
対 象
実施団体
○カーボン・オフセットの研究
森林セラピー
10月31日(月)・11月1日(火)・11月2日(水)の計3日
奥多摩町
上記3日間合計66名
18歳以上の都内在住・在勤・在学者
一般財団法人おくたま地域振興財団
公開講座を実施しました。
講座名
実施日
実施場所
当日参加人数
対 象
実施団体
Ⅱ
みどりの保全と地球温暖化防止対策を
推進するための連携体制の構築
市区町村が実施するみどりの保全、地球温
交付
○みどり東京・温暖化防止プロジェクト助成金
暖化防止の取り組みに対して、助成を行いまし
た。
○エコプロダクツ出展
オール東京 市区町村共同事業及び各市区町
村の実施している環境施
策を、国内最大級の環境
展示会であるエコプロダ
クツ2011に出展しま
した。
平成二三年一二月一五
日︵木︶∼一二月一七日
︵土︶東京ビッグサイト
︵江東区有明︶にて開催。
● 25
62
みどり東京・温暖化防止プロジェクト 体験型一般公開講座
府中水辺の楽校サマー 都民共有の財産である多摩川の自
スクール2011
然を楽しみ学ぶ
小学1 ∼
府中市多摩川
6年生とそ 386人
大丸堰周辺
の保護者
5
羽村市
参加者居住地と八丈島と東京湾の
東京のみどりを比較す 自然・生物・グリーンエネルギー比 9月22日(木)∼
較を通して環境及び生物多様性教 25日(日)
る3泊4日の旅
育を行う
6
小宮ふるさと自然学校 地域との協働による森づくりを通じ
7月26日(火)∼
あきる野市 ∼あきる野市郷土の て、社会全体で森を大切にする心
27日(水)
を養う
恵みの森づくり∼
7
日の出町
自然の大切さを知る日 間伐した竹を活用した苗木作り体
帰り体験
験と森林環境学習
8
檜原村
森を体験することで、自然の形態
8月24日(水)∼
檜原村の自然から学ぼ
を知り、森と地域を体験することで、
26日(金)
う!
森や木を好きになるように導く
9
奥多摩町
林業と山のくらし体験
森のなかの活動を通して体験型の
環境教育を行う
①7月29日(金)∼
奥多摩町都民
小学4 ∼
31日(日)
17人
の森、栃寄森
6年生
②9月17日(土)∼
の家
19日(月)
10 神津島村
神津島の自然を知る旅
神津島の自然を体験することで環
境教育を行う
8月16日(火)∼
19日(金)
神津島
小学6年
生
11 三宅村
動物と植物と人命が共
存する三宅島で自然の
三宅島の自然と文化に学ぶ
保護と再生の大切さを
学ぶ2泊3日
8月22日(月)∼
25日(木)
三宅島
小学4 ∼
30人
6年生
7月23日(土)
小学5 ∼
33人
6年生
八丈島
あきる野市戸 小学4 ∼
30人
倉・小宮地区 6年生
小学4 ∼
日の出山荘周
6年生とそ 23人
辺の山林
の保護者
11月26日(土)
27人
を応募対象とし、環境
に関する幅広い活動を
募集しました。
クリエイティブコン
テストは、環境問題へ
の啓発と東京の持つ地
域性、文化性を融合し
てアート・音楽という
表現手法で制作された
作品を募集しました。
◆コンテスト結果
︻環境活動コンテスト︼
応募活動︵応募総数
二五団体︶のうちの、
環境活動コンテストは、東京都内で地球環境
檜原村南郷地
小学4 ∼
18人
区・フジの森
6年生
及び教育の森
環境活動コンテスト
︻クリエイティブコンテスト︼
応募作品︵アート五八作品・ミュージック
一七四作品︶について事前選考を行い、入賞作
品︵アート一二作品・ミュージック二作品︶を
事前選考を通過した入賞一一団体によるプレゼ
府中市
を目的として、
﹁環境活動﹂と﹁クリエイティ
4
小学3 ∼
23人
4年生
TOKYO EARTH WORKERScoll
御岳山宿坊
ンテーションを行い、グランプリ・準グランプ
御岳山での自然体験を通して森の
山の体験「御岳しぜん 役割や多様性を知り、森と自分た 9月17日(土)∼
ちの生活(都市)との関わりについ 19日(月)
体験隊」
て気づく
ブ︵アート作品・ミュージック作品︶
﹂の2部
青梅市
西臨海公園 小学4 ∼
及び 西臨海 6年生とそ 20人
の保護者
水族園
西臨海公園で東京湾の自然と直
接ふれあうことで、都会の中の水と 10月22日(土)
緑の大切さを学ぶ
ection 2012∼みんなで環境を考える共
3
西臨海公園探検隊
リ・特別賞の三団体を決定し、入賞した一一団
江戸川区
門のコンテストを平成二四年二月一二日︵日︶
2
同行動∼
小学4 ∼
30人
6年生
新宿区
体を表彰しました。
新島・
式根島
1
に国分寺市立いずみホールで開催しました。
8月1日(月)∼
4日(木)
参加
人数
対象
り組みについて発表する場を設ける事により、
新島・式根島の豊かな自然を体験
する
実施場所
企業や学校、地域関係団体等の環境に係る取
実施日
保全活動に取り組む、
町内会、
事業者、
業界団体、
新島村自然体験
目的
それぞれの活動を魅力的に応援し、
﹁みんなで
事業名
市区町村、小中学校、高校、大学、任意団体等
番号 市区町村
環境を考える﹂気運及び活動の質を高めること
平成23年度 みどり体験交流事業実施一覧
賞
受賞者
活動名
グランプリ
東久留米市民環境会議くらし部会
エコキッズプラン2011 省エネ・省資源「地
産地消からフードマイレージ」
準グランプリ
特定非営利活動法人 新宿環境活動
ネット
新宿の環境学習応援団「まちの先生見本市」
特別賞
すみだ百花蜜プロジェクト実行委員会
すみだ百花蜜プロジェクト
優秀賞
森林レンジャーあきる野
森の子コレンジャーによる自然環境保全リー
ダーの育成
優秀賞
八王子やまゆり咲かせ隊
優秀賞
一般社団法人 日本スポーツGOMI
拾い連盟
スポーツGOMI拾い大会
優秀賞
みなと環境にやさしい事業者会議
区内事業者による地域での環境普及啓発活動
優秀賞
黒目川クリーンエイド実行委員会
黒目川・河童のクゥのクリーンエイド作戦
優秀賞
板橋環境会議 緑のマップ・プロジェク
緑のマップ・プロジェクト
トチーム
優秀賞
優秀賞
「100万人のゴミ拾い」実行委員会
蓮根駅前通り商栄会
「やまゆりの里」復活をめざして
100万人のゴミ拾い
みえるエコ活動
26 ●
た。
ともにグランプリ・準グランプリを決定しまし
決定し、入賞作品のうちアート・ミュージック
午∼午後一時OA︶とタイアップし、事業の紹
﹁Ra in bow Ear t h﹂
︵毎週日曜日正
FM﹁レインボータウンFM﹂
︵
︶の番組
月二五日まで、江東区エリアのコミュニティ
また、平成二三年八月七日から平成二四年三
町健康フェア実行
ごみ拾い連盟や曙
入賞したスポーツ
活動コンテストで
周辺で、昨年度環境
人と街と緑
TAKUMI
CONCRETE+JUNGLE
優秀賞
Yuko Umehara
生命-いのち-のエネルギー
優秀賞
かみや こうじ
きりかぶまんしょん
コバヤシヨシノリ
分かち合い
上岡秀拓
その場所へ
優秀賞
瑞季
GARDEN
優秀賞
渡部 真智子
これってクールですか?
東京未来
三一日まで、ラジオ﹁インターFM﹂
︵
︶
の番組﹁GREEN STATION﹂
︵毎週土
曜日午前一〇時∼正午OA︶内で、本事業を紹
介するコーナー︵五分程度︶を設け、事業の紹
準グランプリ なるみしお
アイドリング を起用し、事業概要等を表し
79.2
MHz
③WATT SENSE
トークセッション
平成二四年一月二七
日︵ 金 ︶
、ワンドロッ
プカフェ︵千代田区︶
で、節電をテーマに市民ミーティングを開催。
参加者三六人。
○共同行動参加システムの構築、運用・保守
平成二一年度に作成した﹁共同行動参加シス
テム基本計画﹂及び平成二二年度に実施した基
本計画の検証結果に基づき、ホームページを改
修しました。
各自治体ホームページとの自動リンクによる
情報収集のほか、環境に関する旬のトピック
コニュース﹂
、各界の専門家・有識者にインタ
スや、熱意ある環境活動団体を紹介する﹁エ
平成二三年九月一六日︵金︶
、ワンドロップ
Oネット東京 ﹂として、平成二三年一〇月一
を加え、より普及啓発効果の高いサイト﹁EC
ビューでお話をお聞きする﹁エコアカデミー﹂
平成二三年一一月二三日︵祝︶
、立川市曙町
②スポーツごみ拾い大会
クイベントを開催。参加者三五人。
カフェ︵千代田区︶で、
大学生を中心としたトー
考える
〝まちおこし、
社会おこし、
自分おこし〟
﹂
①トークイベント﹁東京から、みんなで環境を
め、三回のサブイベントを実施しました。
コンテストに向けての周知や気運醸成のた
◆サブイベントの実施
ジからもダウンロードできるようにしました。
それぞれ配布しました。
また、
本事業のホームペー
たポスター及びチラシを作成し、各市区町村へ
!!!
委員会と協力して
KERS co llection 2012∼み
優秀賞
優秀賞
開催。参加者三一人。
入賞作品は﹃TOKYO EARTH WOR
Momo
荒川リバーサイド
介や募集告知を行いました。
優秀賞
優秀賞
んなで環境を考える共同行動∼﹄のコンテスト
ちいさなイノチ
◆ポスター・チラシによるPR
東京花
me
当日に発表し、表彰しました。
Lefty
◆ラジオによるPR
優秀賞
優秀賞
平成二三年一〇月一日から平成二四年三月
■ミュージック作品
76.1
MHz
Sukeshi
グランプリ
夢のTOKYO☆TOWN
準グランプリ キタマキ
作品名
受賞者
賞
作品名
受賞者
賞
『共存、僕たちの未来』
とうもりゆみ
グランプリ
介、募集案内等の情報発信を行いました。
日より本格稼働しました︵ http://all62.jp/
︶
。
● 27
62
クリエイティブコンテスト
■アート作品
トピックス
北京市区・県友好代表団が来日
東京都市長会事務局
七日間の日程で、盧
国懿北京市房山区副区長
会は、団員の明るく温かい人柄により、両国の
祈り、交流事務局主催の歓迎会が開かれました。
は、黄八丈で作られた名刺入れ等の記念品が贈
本義次檜原村長を表敬訪問しました。歓迎式で
午前は、檜原村役場に東京都町村会会長の坂
公式日程が始まりました。
を団長とする北京市区・県友好代表団の五名が、
都市事情などの話題で盛り上がり、初日から交
られました。引き続き行われた意見交換では、
ホテル到着後、今回の日中友好交流の成功を
特別区長会・東京都市長会・東京都町村会の三
流の輪が広がりました。その後、東京都庁の展
檜原村の特色などが紹介され、相互の友好を深
平成二十三年十月三十一日から十一月六日の
団体の招きにより来日しました。
望室に行き、眼下に広がる東京の夜景を眺めま
の交流となりました。続いて、木質化された教室
奏やダンスが披露され、和やかな雰囲気の中で
らによる中国語での歓迎挨拶を受けたのち、演
その後、視察先である檜原小学校では、児童
めました。
二日目の十一月一日からは、表敬訪問などの
■表敬訪問と視察
した。
■これまでの経過
東京都区市町村と北京市区・県の交流は、昭
和五十四年三月北京市において調印された﹁東
京都と北京市との友好都市関係の結成に関す
る議定書﹂に端を発しています。そして、昭和
五十六年八月東京都区市町村友好代表団が北京
市を訪問して以来、概ね毎年交互に訪問しあい、
交流を重ねて今回の訪日で通算三十回目となり
ます。
また、交流事務局も、特別区と市町村が二年
東京都市長会会長表敬訪問(昭島市役所)
ずつ分担することになっており、今回は、東京
都市長会が受け持ちました。
■友好交流のスタート
友好代表団の一行は、十月三十一日午後、交
流事務局が出迎えるなか、成田空港に到着しま
した。
飛行機の到着が大幅に遅れたにもかかわら
ず、団員の方々は笑顔で入国され、挨拶を交わ
し交流がスタートしました。
東京都町村会会長表敬訪問(檜原図書館視察)
28 ●
トピックス
や地場産材を使って建設された檜原図書館を視
察しました。
次に板橋区にある三園浄水場では、オゾンや
する感謝と、更なる友好親善を図りたい旨の挨
東区長から、訪中した際の温かいもてなしに対
思い出や現在の北京市の様子、お互いの都市自
活性炭を利用した高度浄水処理施設を見学しま
慢などで盛り上がり、団員同士の交流が繰り広
拶がありました。その後、訪中時の北京市での
ターで、下水を処理している施設を間近に見な
午後には、荒川区にある三河島水再生セン
げられました。
した。
歓迎式では昭島在住の藍染作家が作成した藍染
つとめる北川穰一昭島市長を表敬訪問しました。
がら、高度処理により汚水が浄化される様子を
午後には、昭島市役所に東京都市長会会長を
の壁掛けと市長自筆の扇子が贈られました。そ
見学しました。
四日目の十一月三日は、皇居を見学した後、
の後の意見交換では、昭島市の特色の紹介など
時代祭が開催されており、秋晴れの中、日本ら
地下鉄に乗り浅草まで移動しました。浅草では
長を表敬するため、荒川区役所を訪問しました。
しい風情の中での散策や祭見学など都内の秋を
その後、特別区長会会長の西川太一郎荒川区
その後、国営昭和記念公園内にある日本庭園
歓迎式では荒川区登録無形文化財保持者である
を通して、相互の理解と友好を深めました。
などを見学し、お茶席や盆栽見学などを通して
意見交換では、西川区長から、これまでの中国
五日目から七日目までの十一月四日から六日
■地方視察そして帰国
楽しみました。
その夜は、三団体主催による意見交換会が開
との交流時のエピソードや貴重な体験などが紹
田中作典氏が作成した犬張子が贈られました。
催されました。まず、主催者を代表して東京都
介され、友好を深めました。表敬訪問の後は、
日本の文化を体験しました。
市長会会長の北川穰一昭島市長が﹁東京都の市
までは、二泊三日の行程で、北海道内を視察し
ました。洞爺湖町立火山科学館では、有珠山噴
荒川区立あらかわ遊園を見学しました。
この日の夜は、二十二年度に訪中した市区町
火の様子を説明した中国語のビデオを見るなど
区町村と北京市の区・県は、ともに住民に一番
近い行政団体であります。日々、住民と接して
して、今回の全日程を無事終了しました。
友好交流の目的を果たした代表団一行から
村の代表団との交流会が開催されました。会の
友好の絆を強める機会になるものと信じており
は、
﹁皆様の心温まるおもてなしに感謝いたし
冒頭では、訪中団の団長をつとめた山﨑孝明江
ます。
﹂と挨拶したのち、記念品として東北復
ます。ぜひ北京市にお越し下さい。
﹂という言
おられる皆様が、日本に来られて多くの人々と
興支援の気持ちを込めた、
﹁福島県の会津塗の
葉をいただき、新千歳空港から帰国の途につき
直接交流されることは、相互理解を一層深め、
書類入れ﹂が贈られました。会は終始和やかな
ました。
副団長 北京市順義区副区長
団 長 北京市房山区副区長
張 暁峰
盧 国懿
成
金
高 道 忠
王 暁光
北京市石景山区政府顧問
団 員 北京市平谷区副区長
■平成二十三年度 北京市区・県友好代表団名簿
雰囲気の中、日中双方の参会者の交流が繰り広
げられました。
三日目の十一月二日は﹁水﹂をテーマとした
様々な施設を視察しました。最初に、集中豪雨
などによる都市型水害を防止するための施設と
して、杉並区にある環七地下調節池善福寺川取
水施設を訪れ、ビデオや模型を使った概要説明
北京市人民政府外事弁公室処長 李
● 29
の後、実際に地下約六十メートルにある調整池
を見学しました。
特別区長会会長表敬訪問(荒川区役所)
村議会議長会は、三団体共同事業として、北京
議会議長会、東京都市議会議長会及び東京都町
東京と北京との友好促進を図るため、特別区
めていただき、ご意見をお聞かせ願えれば幸い
くり、経済、文化など様々な分野での交流を深
すものと確信しています。滞在期間中、都市づ
係を促進する上で、必ずや新たな貢献をもたら
善の絆をより確かなものにしていきたいと考え
を深め、東京と北京、さらには日本と中国の親
の機会に多くの関係者とお会いして理解と友情
着実に続けています。短い滞在期間ですが、こ
上げます。北京市は、世界都市としての発展を
東京都特別区・市・町村議会議長会 特別区議会議長会事務局
友好代表団が北京市等を訪問
市区・県人民代表大会︵以下、
﹁人大﹂と表示︶
です。
﹂との歓迎の挨拶がありました。
この日の会見の様子は、北京日報に掲載され、
ています。
﹂と答礼の挨拶を述べました。
との間で友好代表団の派遣︵中国訪問︶と受入
吉岡団長は、
﹁我が国は現在、震災復興に向
け国を挙げて全力で取り組んでいます。被災地
︵日本招待︶を毎年交互に実施しています。
本年度は、派遣の年に当たり、八月二二日か
北京テレビのニュースで放映されました。
二三日は、東城区人大への表敬訪問を行い、
への貴国のあたたかいご支援に心よりお礼申し
を団長とする友好代表団一行一一名が北京市等
馮煕区人大主任をはじめ人大幹部及び政府関係
ら二八日までの七日間、吉岡茂足立区議会議長
を訪問しました。友好代表団の訪中は、今回で
者から歓迎を受けました。
を受けた北京市人大を表敬訪問し、杜德印主任
友好代表団一行は、訪中初日にまず、ご招待
■北京市及び東城区人大への表敬、視察
です。東京は、都市建設・都市管理・環境衛生
標は、世界都市北京の文化の中心地になること
て新しい東城区ができました。東城区の将来目
迎します。昨年七月、東城区と崇文区が合併し
馮煕主任からは、
﹁皆様のご来訪を心より歓
一三回目となります。
をはじめ市人大常務委員会幹部等との会見の席
ことが数多くあります。また、東日本大震災に
などの面で一流の世界都市であり、参考になる
杜主任からは、
﹁皆様のご来訪を心より歓迎
家大劇院を順次視察し、北京市の都市づくり、
ター、前門大通り、北京都市計画展覧館及び国
表敬訪問の後、東花市町コミュニティセン
しています。
﹂との歓迎の挨拶がありました。
が一日も早く困難を乗り越えられることを確信
わがことのように感じています。被災地の皆様
より日本国民が受けた痛みについては、まるで
考えます。今回のご来訪が北京と東京の友好関
さらには中国と日本の友好関係を推し進めたと
接に交流してきたことが両者の友好都市関係、
○年余が経過しました。双方が様々な分野で密
す。北京と東京が友好都市関係を結んでから三
方々にお見舞いの気持ちを表したいと思いま
します。また、東日本大震災により被災された
に臨みました。
北京市人民代表大会表敬訪問
30 ●
トピックス
演劇である京劇などを鑑賞しました。
芸術振興等について説明を受け、夜は伝統的な
る虎丘、寒山寺を視察し、午後は伝統工芸とし
遺産などを巡りました。午前中に名所旧跡であ
州市において、悠久の歴史を有する豊かな文化
中国の持つエネルギーの大きさを実感すること
行き交う車の量の多さなどを目の当たりにし、
ましたが、発展を続ける北京市のまちの様子や
二八日、いよいよ訪中最終日となりました。
奥多摩町議会議長
日野市議会議長
武蔵野市議会議長
世田谷区議会議長
団 員 千代田区議会議長
副団長 立川市議会議長
団 長 足立区議会議長
小澤 一美
鈴木 賢一
田原 茂
きくち太郎
畠山 晋一
小林やすお
堀 憲一
吉岡 茂
通訳
衡
仙波りり子
東京都町村議会議長会事務局長 名倉
特別区議会議長会事務局長 蓼沼 三郎
八丈町議会議長
会議長会友好代表団名簿
■ 平 成 二 三 年 度 東 京 都 特 別 区・ 市・ 町 村 議
めることができました。
通して、日中両国の都市間の友好関係を一層深
はじめ、各視察先での多くの関係者との交流を
友好代表団をあたたかく迎えてくれた人大を
あふれていました。
の姿には、発展を続ける世界都市北京の熱気が
づくりへの取組みなどについて熱く語る各首脳
市の友情を感じました。また、これからの都市
けた我が国にお見舞いの言葉をいただき、北京
各首脳から東日本大震災により甚大な被害を受
北京市及び東城区の人大を表敬訪問した際、
ができました。
展を続ける上海市では、世界環球金融センター、
へ移動しました。世界有数の経済都市として発
二七日は、高速鉄道で蘇州市を出発、上海市
した。
界遺産である環秀山荘、拙政園などを視察しま
て名高い蘇州刺繍の粋を集めた刺繍研究所や世
二四日は、世界遺産である万里の長城及び故
宮博物院を視察するとともに、北京市区・県人
大友好代表団として平成二二年度に日本を訪れ
た方々との交流会に出席しました。
二五日は、午前中に北京オリンピックのメイン
の巣﹄
︶
や、
その隣にある北京国家水泳センター
︵愛
上海市内を視察した後、上海虹橋空港へ向かい、
上海万博中国館などを視察しました。
称﹃ウォーターキューブ﹄
︶を視察しました。こ
友好代表団の訪中は、限られた期間ではあり
■訪中を終えて
午後の便で帰国の途に就きました。
スタジアムとなった北京国家体育場︵愛称﹃鳥
刺繍研究所(蘇州市)
の日の午後、北京市から蘇州市へ移動しました。
■蘇州市及び上海市の視察
二六日は、東洋のベニスと呼ばれる景勝地蘇
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国家大劇院(北京市)