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2010
CSR
REPORT
日本ペイント
CSR 報告書2010
2010
CSR
REPORT
Contents
03 『CSR報告書2010』
の発行にあたって
04 会社概要
05 CSR対談 企業が存続するために求められるCSR経営のあり方と組織の活性化
特集
08
船底塗料
「LF-Sea」
世界的な課題となっている船舶運航時のCO 2排出削減に貢献する
低燃費型船底塗料のさらなる発展を目指します
10
大阪物流センター
100年以上の歴史を刻んだ大阪工場が
環境に配慮した物流センターに生まれ変わりました
12
社会貢献活動
善き隣人として社会に貢献することもCSR活動の柱の一つです
マネジメント
14 日本ペイントグループのCSRの取り組み
環境報告
18
環境方針と環境マネジメントシステム
19
環境会計
20
2010年度を到達点とする環境目標に向けて
22
環境配慮型商品
24
化学物質の総合管理
26
VOC削減の取り組み/PRTRの取り組み
27
地球温暖化防止への取り組み
28
廃棄物の削減とゼロエミッションの取り組み
29
グリーン購入・調達
社会性報告
30
従業員とのかかわり
32
労働安全衛生
34
お客さまとのかかわり
35
社会とのかかわり
39
02
社員のCSR意識調査
NIPPON PAINT CO.,LTD.
編集方針
本報告書は、広く当社のステークホルダーの皆さまに対し、経営理念である「社業を
通じて社会公共の福祉に貢献する」を基本としたCSR活動をご理解いただくこと
を目的に編集しています。
また、本報告書はステークホルダーの皆さまとの重要なコミュニケーションツール
と位置づけており、皆さまからいただく貴重なご意見は、当社CSR活動の取り組み
強化につなげていきます。
編集にあたっては、環境省の「環境報告書ガイドライン(2007年版)」と「GRIサス
テナビリティリポーティングガイドライン」を参考とし、前回報告書に対するアン
ケートなどからのご意見を編集に反映させています。
第三者による検証につきましては、明確な基準の確立がなされた時点で採用する予
定です。
対象範囲
日本ペイント株式会社単体を中心に、環境・社会・経済の3側面における活動を報告
しています。
また、製造工場を持つ国内関係会社5社をはじめとして、国内・海外関係会社の活動
についても一部報告しています。
対象期間
2009年度(2009年4月1日〜2010年3月31日)の事象について報告していま
す。一部記載については、2010年4月以降の事象も対象としています。
発行
2010年6月(前回発行2009年6月、次回発行予定2011年6月)
表紙について
1903(明治36)年、大阪で開催された政府主催の
「第五回内国勧業博覧会」で一等賞銀牌拝領を記念し
て作られた看板です。この博覧会は海外諸国からの出
展もあった、事実上、日本初の万国博覧会でした。西
洋風建築物やメリーゴーラウンドといったアトラク
ションもあり、連日大にぎわいだったそうです。
『CSR 報告書 2010』発行にあたって
日本ペイントグループの CSR 活動を広く皆さまにお伝えすることを目的として、2000 年に『環境
報告書』を発刊、2006 年からは『CSR 報告書』として年 1 回発行してまいりました。本年『CSR 報
告書』として第 5 号をお届けできますことを大変うれしく思っております。まずは、本書にご関心をお
持ちくださいました皆さまに感謝申し上げます。
さて、当社では CSR は企業活動そのものであると認識するとともに、当社グループの事業活動を通じ、
さまざまな社会問題に対処することが「企業市民」として果たすべき使命と考え、海外を含むグループ全
体で取り組みを進めております。また、その実現には、すべてのステークホールダーの皆さま、そして
社会から揺るぎない信頼を得られる企業となることが不可欠であると認識いたしております。
ご高承の通り、わが国の温室効果ガス排出量削減に関しましては、2009 年 9 月 22 日の国連気候変
動首脳会合において、2020 年までに 1990 年度比 25%削減することを骨子とした目標が発表されま
した。当社グループにおいても産業界の一員として、低炭素社会の実現に向けて貢献していこうと、関
連業界との連携を図りつつ最大限の努力をしてまいる所存です。
地球規模での持続可能な社会の実現、すなわち、地球温暖化防止やそのための低炭素社会の実現など
に向けた取り組みが一段と本格化するなか、環境配慮型商品の投入に一層注力し、廃棄物や環境負荷物
質の削減などに積極的に取り組んでまいります。
2008 年後半より発生した世界同時金融危機の影響が実体経済へ波及し、未だに各方面で尾を引いて
おり、当社も例外ではありません。しかしながら、先に述べましたさまざまな取り組みを強力に推進す
るためにも、企業基盤をさらに強固なものとするべく、
昨年 2009 年度よりグループを挙げ、経営計画 「サバ
イバル・チャレンジ」 を遂行しております。私に課せら
れた最大の責務はこの推進役であると認識いたしてお
ります。
本『CSR 報告書 2010』を通じ、
日本ペイントグルー
プの環境や社会に対する取り組みをご理解いただくと
ともに、忌憚のないご意見を賜りますれば幸甚でござ
います。
2010 年 6 月
代表取締役社長
会社概要
(2010年3月31日現在)
沿革
商
号
日本ペイント株式会社
本
社
〒531-8511 大阪市北区大淀北2-1-2
創
資
本
主
要
事
創業以来、塗料工業のリーディング・カンパニー
業
1881年(明治14年)3月14日
として常に研究開発、技術の蓄積に努め、あらゆる
金
277億1千2百万円
産業の広範な用途に優れた塗料と塗装システムを
業
各種塗料および表面処理剤、電子部品材料、
お届けしてきました。
さらに長年培った塗料技術を応用し、ファイン
化学工業製品の製造・販売
国内グループ会社
15社
海外グループ会社
48社
極的に参入しています。
▶売上高
▶経常利益
単体
(年度)
1,206.8
'09
'08
'06
'05
500
1,000
1,500
2,500
'05
(億円)
▶総資産
連結
(億円)
1,845.4
'08
2,041.3
2,888.1
'06
2,108.1
2,993.8
'05
500
1,000
1,500
2,000
1,627
'05
2,436.9
2,500
3,000
(億円)
0
20
30
65.8
40
50
60
70
80
(億円)
ファインケミカル分野 6%
その他
塗料分野 26%
5,814
1,640
'06
10
6,102
1,667
'07
連結
5,759
1,691
'08
2,487.7
'07
1,707.1
1.675
'09
0
▶2009年度分野別売上高構成
(連結ベース)
単体
(年度)
1,981.4
2,698.9
'09
04
200
74.7
28.1
'05
100
67.0
42.4
'06
122.9
113.6
50
56.2
'07
▶従業員数
単体
(年度)
0
58.7
87.3
13.6
18.0
'08
68.3
連結
41.5
'09
93.0
113.0
0
単体
(年度)
36.5
'06
3,000
連結
128.3
'07
2,080.0
2,000
15.8
'08
2,258.1
1,232.9
55.5
'09
2,592.1
1,334.4
▶当期利益
単体
(年度)
2,396.2
1,383.5
'07
連結
2,165.5
1,285.1
0
ケミカル、エレクトロニクスなど新規分野へも積
自動車用
塗料分野 31%
工業用
汎用塗料
塗料分野 分野 17%
20%
5,633
3,994
1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000
※今号より従業員は正社員数を記載
(人)
▶国内グループ会社
▶海外グループ会社
日本ペイント販売株式会社
NIPPON PAINT (THAILAND) CO., LTD.
日本ペイント工業用コーティング株式会社
ASIA INDUSTRIES LTD.
GUNAG LI CHEMICALS (SHANGHAI) CO., LTD.
大和塗料販売株式会社
NIPPON PAINT PHILIPPINES, INC.
NIPPON PAINT (CHENGDU) CO., LTD.
GUANGZHOU NIPPON PAINT CO., LTD.
エーエスペイント株式会社
NIPPE TRADING (SHANGHAI) CO., LTD.
NIPPON PAINT (H.K.) CO.,LTD.
日本ライナー株式会社
NIPPON PAINT MARINE (CHINA) LTD.
DAIHAN AUTOMOTIVE COATINGS CO., LTD.
ニッペホームプロダクツ株式会社
NIPPON PAINT MARINE (ZHANGJIAGANG) CO., LTD.
DAIHAN BEE CHEMICAL CO., LTD.
日本ペイントプラント・エンジニアリング株式会社
NIPPON PAINT MARINE (TAIWAN) CO., LTD.
NIPPON PAINT (MALAYSIA) SDN. BHD.
株式会社エヌピーカラープラザ
NIPPON PAINT MARINE (KOREA) CO., LTD.
PAINT MARKETING COMPANY (M) SDN. BHD.
日本ペイント防食コーティングス株式会社
NIPPON PAINT MARINE (SINGAPORE) PTE., LTD.
NIPPON PAINT (SINGAPORE) CO., PTE., LTD.
ニッペトレーディング株式会社
NIPPON PAINT MARINE (H.K.) CO., LTD
NIPPON PAINT (INDIA) PTE., LTD.
日本ファインコーティングス株式会社
NIPPON PAINT MARINE (MALAYSIA) SDN. BHD.
NPT MARKETING CO., LTD.
日本ペイントマリン株式会社
TUNG YANG CHEMICAL CO., LTD.
NIPSEA MANAGEMENT COMPANY PTE. LTD.
日本ビー・ケミカル株式会社
NBC (ASIA) CO., LTD.
NIPSEA TECHNOLOGIES PTE., LTD.
ニッペグラフィックス株式会社
CHANGCHUN DUN YANG NBC CO., LTD.
NIPPON PAINT (USA) INC.
株式会社エコシステムズ
NBC (PANYU NANSHA) CHEMICAL CO., LTD.
NPA COATINGS INC.
TIANJIN NBC CO., LTD.
NIPPON PAINT RESEARCH INSTITUTE (AMERICA) INC.
NBC (WUHAN) CO., LTD.
NB COATINGS, INC.
NBC (NANJING) CO., LTD.
NB COATINGS CANADA, INC.
NB (SHANGHAI) TRADING CO., LTD.
NB COAITNGS DE MEXICO SDERL DE CV
BNB COATINGS INDIA LIMITED
NB COATINGS USA, LLC
NIPSEA CHEMICAL CO., LTD.
NIPPON PAINT (EUROPE) LTD.
NIPSEA CHEMICAL (SHANGHAI) CO., LTD.
NP AUTOMOTIVE COATINGS (EUROPE) LTD.
NIPPON PAINT (SHANGHAI) CHEMICAL CO., LTD.
NIPPON BEE RESEARCH AMERICA, INC.
NIPPON PAINT (CHINA) CO., LTD.
NIPPON PAINT BOYA SANAYI VE TICARET LIMITED COMPANY
NIPPON PAINT CO.,LTD.
代表取締役社長
摂南大学副学長
酒井 健二 奥林 康司氏
CSR対談
企業が存続するために求められる
CSR 経営のあり方と組織の活性化
厳しい経済環境の中、環境経営や社会貢献、地域貢献など日本ペイントの CSR 経営は
どのような道を進むべきか—。また、2011 年 3 月に創業 130 周年という節目を迎えるにあたり、
今後も社会から存続を許される企業であるために、どのように組織を活性化していくべきか—。
当社 寝屋川事業所に隣接する摂南大学の副学長であり、経営学博士である奥林康司氏に貴重なご意見をいただきました。
企業市民としての感覚が浸透している
ことが CSR の基本
うか。
酒井 当社の創業者、茂木重次郎が明治14年(1881
く物をつくり、サ ービスを提 供すればよいというだけで
年)に海軍の求めに応じ、日本初の船舶用国産洋式塗料
なく、その地域で生活している人々の生活を多方面で支
の製造を開始しました。ここから日本の塗料工業の歴史
えたり、豊かにしていく社 会 的 存 在でもあるという発 想
が始まりましたので、当社の来歴はそのまま日本の塗料
が必要です。
工業の歴史でもあると自負しております。この歴史ある
環境報告書からCSR報告書の形で企業活動が多く報
当社をよりよい形で次世代へ引き継いでいくことが、私
告されるようになったのも、そういった発 想 の 転 換があ
の最大の責務です。経営学がご専門である奥林先生は、
るような気がします。つまり環境問題が世界的な問題と
企業が存続していくためには何が必要だとお考えでしょ
奥林 企業の存在価値や意義を考えたとき、経済的に安
NIPPON PAINT CO.,LTD.
05
酒 井 当 社 は 海 外 でも 事 業を展 開して いますが 、この
“ 基 本 ”ができな け ればどの 国 で 事 業 をやってもうまく
いかない。先生がおっしゃるように、シンプルですがそこ
に原理原則があるのでしょう。
実は、私は入社してすぐ、摂南大学のお隣にある寝屋
川事業所の研究所に配属されました。古い話ですが、当
時、昼休みに大学の敷地内でよく気分転換をさせていた
だいたことを思い出します。今も摂南大学と当社はさま
ざまな交流を行っていますが、地域貢献というのも、同じ
地域にいるものとして良好な関係をつくっていくことが
基本ではないでしょうか。
奥 林 地 域 社 会 の 中 で の C S R は 、おっしゃる通り日 常
的 な 言 葉 で 言 えば「 善 き お 隣 さ ん 」という感 覚 が 基 本
になります 。お 隣 さんと信 頼 関 係 で 付 き 合 い ができる
というのを、C S Rでは「 企 業 の 社 会 的 責 任 」という言 葉
で表 現する。そ の 前 提は「コーポレート・シチズンシップ
(Corporate Citizenship)、企業市民」なのです。会
社という法人であっても一般市民と変わりないという感
なり、どの企業もCO 2 排出削減や温暖化防止に取り組ん
覚が組織の中に浸透していることが大切ですね。
できましたが、その活動を突き詰めて考えていくと、企業
酒井 発想の転換というわけではないのですが、私は社
は人間にとってどんな役割があったのかということまで
員に「会社の仕事は、あなたとあなたのファミリーのため
問い直されてきたのだと思います。企業が利益を上げる
にやりなさい」と言い続けています。組織の根幹は「個」
ことで社会の発展に貢献し、豊かにするという従来の考
が中心で、その「個」が豊かにならなければ企業として成
え方から、物 質 的には豊かにしたけれど、生 活 面で将 来
り立たない、と考えるものですから。
に禍根を残すことになるのであれば、会社の社会的な存
奥林 コーポレート・シチズンシップというのも結局、会
在意義とは何だろうかという視点へと移行していったの
社組織の中にいようが家庭にいようが同じ個人であり、
でしょう。そこからコーポレート・ソーシャル・レスポンシビ
正しいものは正しいと言えるのが組織のあり方だと思い
リティ
(CSR)が企業経営において重視されるようになっ
ます。そこに思 いを至して、いかに経 済 活 動を組み立て
たのだと思います。
ていくかというのが、企業が社会の中で生き残るための
酒井 CSRは環境側面、社会的側面、経済的側面から論
本分でしょう。日本ペイントは130年の歴史を持ってお
じられることが多く、当社はそれぞれの側面において目
られる組織ですから、そういうカルチャーのDNAがあっ
指す方向を定め、CSR経営を推進しています。この3つ
て、それを常に活 性 化している。それが老 舗といわれる
の中でも化学メーカーとしては、環境経営は特に重要で
企業なのでしょう。
あると考え、環境に配慮した商品を提供することが第一
の使命であると認識しております。また、さまざまな環境
への取り組みも積極的に展開しています。ISO14001
06
組織を活性化するための「個」の確立
は業界初で全社一括登録しましたし、労働安全衛生への
酒 井 ここ数年、当社は企業風土改革に取り組んできま
取り組みはとりわけ高い評価をいただいており、グルー
した。今年度はこれまでにない人事ローテーションを行う
プ会社へはもちろんのこと、顧客の皆さまへも当社が長
など、あらゆる層の社員に仕事のやり方をしっかり見直す
年培ってきたノウハウを公開するなどしています。
よう求めています。しかし、残念ながら当社の現状はぬる
ただ、私はCSRの基本は、「人に迷惑をかけない」「地域
ま湯体質であると言わざるを得ません。現在の経営環境は
や社会に貢献する」というような、日本古来の文化にごく
たいへん厳しいものです。企業として存続するためには、
ごく当たり前にあったことだと考えています。
まず社員一人ひとりの考え方が変わらなければならない
奥林 シンプルですがそれが基本ですね。御社の行動指
と、
事あるごとに社員に訴えています。
針に「信義誠実」という言葉があります。これは非常に単
企業の原点は「個」であり、企業が活性化するためには個
純明快で、
しかも分かりやすい。コンプライアンスやコー
人が人生や仕事に対する生きがいを深く考えてもらわな
ポレートガバナンスをいう前に、
「信義誠実」の原則で皆
くてはなりません。
が行動すれば不祥事など起こり得ないと思います。
奥 林 酒井社長は海外も経験されて、欧米の「個」の自立
NIPPON PAINT CO.,LTD.
とか確立というコンセプトは深く理解しておられるよう
したが、スポーツに限らず何かに打ち込むことで人とぶつ
ですね。日本は、良くも悪くも集団主義が高度経済成長を
かり合いながら学んでいく。私はそれを「肌感覚の教育」と
支えてきました。それがバブルを経験して経済至上主義の
呼んでいます。
「大学では先生から教えてもらおうと思う
価値観で崩壊せざるを得なかった。その中で新しい社会の
な、むしろ友だちから学び取れ」と学生には言うのですが、
個人の行動原理というのはどこに求めるのかといったと
肌感覚の知識なり、友だちとの会話なり、そういうものか
きに、日本では「個」の確立はまだ定着していません。その
ら吸収する能力が弱くなっているのが心配です。
一方で、
「個」の確立が悪く理解されると、利己主義、自己中
酒 井 それは会社でも同じですね。私が若いころは、仕
心主義になってきます。
事が終わってからの居酒屋での議論から学ぶことが多
私たちの大学に限らず、若い人たちの行動を見てみます
かった。残念ながら今はそのような場があまりなく、先
と、集団とかグループで行動するというのは難しくなって
生のおっしゃる「肌感覚の教育」ができていないように
きている気がします。例えば3人である課題のレポートを
感じます。
書くというケースでも、3人が仕事を分担してしまって、
奥林 結局、人を育てるというのは肌感覚のぶつかり合い
そこには何の相互交流もない。昔の言葉で言えば、3人の
です。私が一番苦労するのは大学院での若手研究者の養成
連帯責任ということでチームとして共通の基盤なり理解
ですが、ゼミの報告などで納得できなければとことん議論
があった上で、それぞれの役割を分担するというのが理解
します。裸のぶつかり合いみたいなところで初めて心が触
できない。そんな彼らが組織の中に入ってきたときに一体
れ合う。その心の触れ合いによって、だんだん変わってく
どうなっていくのかというのが、これからの大きな社会問
るような気がします。
題でもあり、組織の課題でしょう。
お互いがぶつかり合って成長していく組織というのは
酒 井 その共通の解は、やはりコミュニケーションで
伸びていきます。人材教育として型にはまったものではな
しょうね。人間本来の機能であるお互いの目と目を見なが
く、人間の側面を出せるような人と人との触れ合い、社員
ら気持ちを伝えるということがうまくできず、疎外されて
と社員の触れ合いが一番重要です。最終的には信頼関係が
いっているような感じがします。集団の中で自分の意見、
あった上でぶつかり合うことがお互いを伸ばす基本だと
主義主張を言うべきで、その中で「YES」
「NO」をはっきり
思います。人間の信頼関係なりお互いの心の触れ合いの上
言うことによって、妥協点を見い出すなり、意見の一致を
に、最先端の科学的な知識とか理論をまいてやると、どん
見るなりができるわけで、大いに葛藤することが組織を活
どん花開くようになる。そのためにも今取り組んでおられ
性化します。
る基盤づくりが一番重要だと思います。
奥 林 活性化する組織の理想は、個人それぞれが生き生
酒井 今日のお話で、大いに意を強くしました。奥林先生
きとして仕事をやることに充実感を持つことでしょう。
には「お隣さん」のお立場で、今後とも助言を賜りますよう
酒井 組織といっても一つ一つの行動は個人の責任であ
お願いいたします。
り、自分が成すべきことは掘り下げなければならない。会
社は場と環境を与えますが、あくまでも「主役はあなた方
だ」というのが私の考えです。これが理解できないとあつ
れきになり、矛盾を感じる。その結果、やりがいのない会社
となり、責任をほかに転嫁する組織になってしまいます。
たった1回きりの人生をなぜ無為に過ごすのか。大いに議
論を交わし、もっと活性化して自らの生きがいや家族を大
奥林 康司氏(おくばやし こうじ)
摂南大学副学長・経営学部教授、神戸
大学名誉教授、日本学術会議連携会
員、放送大学客員教授。経営学博士。
1944年生まれ。1968年神戸大学大
学院経営学研究科修士課程修了。
『官
民の人的資源論』
( 放送大学教育振興
会)、
『 入門 人的資源管理』
( 中央経済
社)、
『 経験から学ぶ 経営学入門』
(有
斐閣ブックス)など著書・共著多数。
事にしてもらいたい、というのが私の思いです。
CSRのあり方も、ここに原点があります。行動指針の一
つである「信義誠実」、あるいは経営理念の「共存共栄」のよ
うに、この会社を通じて社会に貢献するのだという思いに
つながるのです。
肌感覚の教育が成長していく組織を生む
酒 井 私は学生時代、体育会活動の空手に打ち込んでい
ました。今にして思えば、そこで学んだものは学業以上に
大きかったという気がします。
奥 林 それは素晴らしいことです。私も剣道をしていま
NIPPON PAINT CO.,LTD.
07
特集 1
世界的な課題となっている船舶運航時の
CO 2排出削減に貢献する低燃費型船底塗料
のさらなる発展を目指します
日本ペイントマリン(株)が 2007 年に発売した「LF-Sea(エルエフシー)」は、
船舶運航時の燃費向上と CO2 排出削減に貢献できる画期的な船底塗料として高い評価を得ています。
その低燃費性能をさらに向上させ、CO2 排出削減に貢献できる発展型塗料の開発に着手しています。
燃費10%削減を目標に
「LF-Sea」の
発展型塗料を開発
08
トは、船 舶 の 燃 費 向 上とCO 2 排 出削
国土交通省の平成21年度(2009年
減に貢献できる船底塗料として「LF-
度)
「 船舶からのCO 2 削減技術開発支
Sea」発 展 型 塗 料 の 開 発 を推 進して
援 事 業 」の 補 助 事 業にも 採 択されま
います。現在発売中の「LF-Sea」は従
した。
国連の国際海事機関(IMO)の調査
来 型 防汚塗料よりも約4% の 燃 料消
によると、タンカーやコンテナ船など
費量削減が期待できることで、お客さ
国際物流を担う船舶が排出するCO 2
まから高い評価を得ています。発展型
塗装するだけで
CO2 排出削減が実現できる
量は 約8.7億トン
(20 07年 調 査 )に
ではさらに約6%削減を向上させ、約
海洋生物はできるだけエネルギー
及び、これは全 世 界 の C O 2 排 出 量 の
10 % 削 減を目標としています。この
を使わないで泳げるように進化してき
約3 %にも 相当します。現 在、国 際 船
目標 を 達 成し、すべ ての 国 際 海 運 船
ました。例えば、マグロは皮 膚 表 面を
舶は地 球温暖 化防止を目指した京都
舶に「LF-Sea」発展 型 塗料が 採用さ
粘 膜で覆うことで、また、イルカは平
議 定 書 のCO2排出規制の対 象外に
れた場 合、2007年 の CO 2 排 出量を
滑で弾力性のある皮膚で海水との摩
なっていますが、地球環境を考える上
基準とすると約8,700万トンの削減
擦抵抗を減らしています。
で、船 舶 の CO 2 削 減は 大きな 課 題 で
効果が見込めます。
航 行 中 の 船 舶は、空 気や海 水 の 抵
す。特に、海洋国である日本の責 務は
この 開 発 は、株 式 会 社 商 船 三 井に
抗を受 けて います 。中 でも 海 水との
非常に大きいと言えるでしょう。
協 力をいた だ いて2013 年 3月の 完
摩 擦 抵 抗は船が受ける抵 抗 の 5 0 〜
日 本 ペ イントマリンと日 本 ペ イン
成 、実 用 化 を目 指して い ま す。ま た、
8 0 % を 占 め 、海 水 摩 擦 を 低 減 する
NIPPON PAINT CO.,LTD.
A Special Feature
ことは燃費の低減に直接寄与します。
特集 1
国際船舶のCO 2 排出削減について
きます。そのため、世界中の海運関係
「LF-Sea」は、海中をより速く泳ぐマ
は、EUをはじめ日本政府もIMOに規
者から大きな期待が集まっています。
グロやイルカからヒントを得て開発さ
制案を提案するなど世界的な取り組み
日本ペイントマリンはその期待に応え
れた、まったく新しいタイプの低摩擦
が始まっています。
「LF-Sea」やその
られるよう、開発パートナーの協力を
型船底塗料です。そのメカニズムの一
発展型塗料は、船底に塗装するだけで
得ながら早期の実用化に取り組んでい
つは、右図のように塗膜の凹部に水を
C O 2 排出削減効果が発揮できること
きます。
キャッチすることで、凹 凸を減らし摩
から、既存排出船舶にも容易に適用で
擦 抵 抗を少なくしています。同 時に、
船舶が航行すればするほど塗膜が平
滑になるという「自己研磨性」を兼ね
■ LF-Sea のメカニズム
ることで、さらに摩擦抵抗を減少させ
ます。
塗膜
塗膜
塗膜
塗膜
船底塗料のもう一つの重要な機能
は、貝類や藻類の付着を防ぐという防
汚性です。船底がいくら平滑であって
塗膜表面に水をキャッチすることで凹凸を減らし摩擦抵抗を少なくする
も、貝や藻が付着すると重量や水流抵
てしまいます。日本 ペイントマリンは
▶
抗の増加でエネルギーを大きくロスし
担当者の声
日本ペイントマリン株式会社 「LF-Sea」開発担当
1990年に世界に先駆けて錫(すず)
を使用しない船底用防汚塗料「エコロ
フレックス」を発売し、防汚性能でも世
界トップレベルの技術を有しています。
「LF-Sea」にもその最先端の防汚性
能が適用されています。
2007年から本格的に市場に投入
された「LF-Sea」は、燃費向上とCO 2
削減に貢献することから、世界中のお
さらに CO2 排出削減に貢献できる塗料を
良い製品を作っても、
それが市場で受け入れられなければ意味がありません。
「LFSea」は「CO 2 排出量が減る」
「燃費が良い」
ということが数字ではっきりと実感してい
ただける塗料で、
採用がどんどん増えています。リピートが増えているのは、
やはり使っ
ていただいたお客さまがその良さを実感していただけているからだと思います。ハー
ドルは高いですが、さらに燃料費を
抑えて CO 2 削減に貢献できる発展
型塗料をお客さまにお届けできる
よう、開 発担当者一同、士気はま
客さまから多大な評価をいただき、す
すます高まっています。当社はすず
でに約230隻の船舶に採用されてい
フリーの防汚塗料「エコロフレック
ます(2010年3月現在)。今回開発に
着手している「LF-Sea」発展型塗料
は、現行の「LF-Sea」と同じメカニズ
ムを精密設計することにより、さらなる
ス」、膜厚を目視判定できる「NOA
シリーズ」など、業界をリードする
製品を次々と市場に投入してきまし
た。この流れを今後も継続し業界を (左から)研究開発部研究開発第 1 グループ
松田 雅之、島田 守、南 晴康
リードしていきたいと思っています。
高機能化を目指しています。
開発ご協力先の声
当社では、新造船にさまざな CO 2 排出削減技術を運航船舶に取り込む
努力を続けています。一方で、すでに運航している船舶に新たな設備・技
術を取り入れていくことは容易ではありません。その中で、低燃費型塗料
「LF-Sea」は、船底塗料塗り替えドック時に通常の塗料から変更するだけ
で CO 2 排出削減効果を得られる点で、非常に大きな期待をしています。今
回の「LF-Sea」発展型塗料も、当社の進めている近未来の環境配慮型船
舶の構想「船 舶維新」において、低燃費・低 CO 2 排出技術の核になると
考えています。現行の「LF-Sea」はすでに数隻に採用させていただいてい
ますが、今回の共同開発を推進していく中で、サンプル数を今後増やして、
「LF-Sea」および「LF-Sea」発展型の定量的な評価につなげたいと考えて
います。日本ペイントグループには、今後も高い技術力でユーザーの声を反
映したより高品質・高機能な製品の提供を期待しています。
株式会社商船三井
技術部 計画・開発グループ
グループリーダー 川越 美一様
NIPPON PAINT CO.,LTD.
09
特集 2
100 年以上の歴史を刻んだ
大阪工場が環境に配慮した
物流センターに生まれ変わりました
旧大阪工場の跡地に、環境に配慮した建屋と最新鋭の物流システムを
備えた「大阪物流センター」が完成しました。日本ペイントではその機能を活用し、
商品供給の迅速化などによるお客さまサービスの充実と物流の効率化による CO 2 排出削減を目指します。
塗料販売に必要な
すべての機能をそろえた
“ワンストップサービス”
を提供
野 の 塗 料 約 5,0 0 0 品目を 在 庫して
止し、誤出荷を防ぎます。これらの 最
います。
新物流システムにより、お客さまが商
塗 料 の 販 売 で は「営 業 」
「受発注」
品を引き取りに来られた際にも1時間
「保 管」
「 輸 送 」のほか、お 客さまが希
以内で商品の引き渡しが 可能になり
本 社に隣 接 する旧 大 阪 工場 は 、
望される色合 いに調 整 する「 調 色 」、
ました。
1905年の操 業開始から2009年 4
塗 装 後 の 色 や 質 感 が わ か るサ ン プ
月に生 産 活 動 を 停止するまで、10 0
ル を 作 る「 塗り板 作 成 」な どの サ ー
年以 上にわたって当社の 生 産 活動に
ビ スも 必 要 に なりま す。大 阪 物 流 セ
※1 RFID:電波を用いてさまざまなモノを識別・管理す
るシステム
※2 QR コード:バーコードよりも小さなスペースで多くの
情報を収納できる 2 次元コード
おいて重 要な 役 割を果 たしてきまし
ンターはそのすべての 機 能を集 約し
た。日本ペイントでは、都 心部に位置
てい るので、1カ所で「カタログから
し阪神高速 道 路 へ のアクセスも良い
商 品 ま で 」すべ ての も の が そろいま
という好立 地 を 生 かし、大 阪 工場 の
す。約5,000品目に及ぶ豊富な 品ぞ
跡地を西日本 地区の 物流拠 点として
ろえと合わせて、お 客 さ ま の 利 便 性
大 阪 物 流センター の 建 設にあたっ
活用するために物流センター の 建 設
がこれまで以 上に向上することが 期
ては、建屋の屋根にCO 2排出削減に貢
を進めてきました。
待されます。
献する太陽熱高反射塗料「ATTSU-
2 0 0 9 年10月に完 成した 大 阪 物
また、大阪物流センターは、在 庫管
9F」、外壁に超低汚染型塗料「ファイ
流センターは、近畿地区にあった日本
理やセンター内の物流の制御に先進
ン4Fセラミック」を塗装するなど、当
ペイントグル ープの 9 つ の 物 流 拠 点
のIT技術を使って商品を識別・管理す
社 の 最 先 端 技 術 の 塗 料 を 使 用して
と4つの調色工場を集約し、新たに建
る「RFID」※1や「QRコード」※2を使用
環境に配慮しました。また、
「 RFID」や
設した 立体 自動 倉 庫 には建 設 用、重
しています。RFIDは倉庫へ の入出庫
「QRコード」を活用したペーパーレス
防 食 用、工 業 用、自動 車 新車用、自動
などを自動で指示し、QRコードは品
化により、伝票の枚数を大幅に削減し
車補修用、船舶用など、さまざまな分
物を選び出す際や検品時のミスを防
ています。
物流効率化による
CO2 排出削減を目指します
物流効率化によるCO 2 排出削減量
は、本格的な稼働開始から数カ月しか
経過していないため定量的な数字は
まだ把握できていませんが、次のよう
な効果が期待できます。
大阪物流センター概要
利用敷地面積:1.4 万m2
竣 工 日 :2009年10月26日
総 工 費 :25 億円
常 時 在 庫 量 :3,500t
(危険物 2,000 t /非危険物 1,500t)
主な在庫商品:汎用(建築・重防食)
、工
業用、自動車新車用、自動車補修用などの
商品(約 5,000 品目)
10
NIPPON PAINT CO.,LTD.
A Special Feature
特集 2
● 従 来あった13の 物 流 拠 点・調色 工場
▶
を 集 約したことに より、これら の 拠
点 間 の 輸 送(横もち 輸 送 )が 不 要に。
これにより月間で約1,10 0トン分 の
輸 送 が なくなり、年 間 で 約27トンの
C O 2 排出削 減 効 果
(輸 送 量は2007
担当者の声
さらにお客さまに喜ばれる物流センターに
受注グループでは、お客さまからの注文に伴う
受注業務から、塗料の製造や調色加工品の発注業
年 を 基 準 としたも ので、輸 送 距 離 を
務まで担当しています。日本ペイントを含む 3 社の
10kmとした場合の概算)
受注拠点を集約し、西日本地区最大の拠点として
●小型のトラック2 台 分 の 荷 物を 大 型
のトラック1台で輸送するというよう
に、従 来 に 比べ 荷 物 を まとめて 輸 送
できることによるCO 2 排出削減効果
●13 の 拠 点 で 使 用して い た 電 力 な ど
したことによるCO 2 排出削減効果
大阪物流センターの稼働後は、以前に
比 べ お客さまによる商 品 の 引き取り件
数が大幅に増えています。需要地に近い
の注文に対し、希望納期通りに商品をお届けできる
よう手配することが私たちの使命です。満足してい
ただけるサービスを提供するには、まだまだ課題が
多いですが、力を尽くしてよりよい物流センターにし
ていきたいと思っています。
▶
のエネルギー消費が拠点集約で減少
2010 年 1 月から本格稼動しました。お客さまから
中神 晋雄
引き続きCO2 排出削減にも努めます
物流グループでは、塗料の入出庫、保管、出荷
を担当しています。
新物流センター設 立の目的の一つである物流効
率化による CO 2 排出量削減は、実感として効果が
いお客さまには特に好評をいただいて
上がっていると思います。特に、大阪市内に立地し
流システムと豊富な商品の品ぞろえ、利
マネージャー
担当者の声
という利 便 性は急ぎ商 品を引き取りた
いるようです。日本ペイントは、最新の物
大阪物流センター
受注グループ
ているため、塗料販売店の方が配達途中に気軽に
商品を引き取りに来られるケースが多いのが大阪物
流センターの特長とも言えるでしょう。今後はさらに
便性の高い立地といった大阪物流セン
物流効率化を進め、お客さまの利便性向上、CO 2
ターの特長を積極的に活用し、今後もお
削減に努めていきます。
大阪物流センター
物流グループ
マネージャー
西村 佳奈子
客さまサービスの一層の向上と物流効
率化によるCO 2 排出削減など環境への
貢献を目指していきます。
NIPPON PAINT CO.,LTD.
11
特集 3
善き隣人として社会に貢献することも
C S R活動の柱の一つです
日本ペイントグループは地域に密着した社会貢献活動を行っています。
善き隣人として地域社会の皆さまに受け入れていただくことは、社会貢献活動の基本と考えています。
日本ペイントグル ープの 経営 理 念
「共存共栄を基 本理念とし、社業を通
飾ら れて、自 分 の 絵 を 楽し み に 通 る
“塗料を使った社会貢献 活動”とし
小 学 生 はもちろん 、楽し め る 歩 道 橋
じて社会公共の福祉に貢献する」は、
て、落 書き消し塗 装 の協力、古くなっ
として近 隣 住 民 の 皆さんに歓 迎して
来 年 創 業13 0 周 年 を 迎 える 当 社 に
た歩 道橋 の塗り替えなども行ってい
いただいています。
ま す。どの 活 動 も「きれいに なった 」
このほか、教 員の民間企業研 修、中
脈 々と 流 れる思 想 で す。この 理 念 が
12
ア」です。
C SR 活 動を推 進 するにあたっても、
「 雰 囲 気 が 明 るくなってそ ば を 通 る
学 生の職 場 訪 問 学 習、大 学 生の 会 社
さまざまな活動展 開の 礎となってい
の が 楽し み に なった 」
「 治 安 も よく
見 学 の 受 け入れ、近 隣 の 清 掃ボラン
ます。日本ペイントグループの社会貢
なった 」な ど、好 評 を い た だ いて い
ティアなども積極的に行っています。
献 活 動も、
「 社 業 を 通じて」地 域 社 会
ます。
日 本 ペイントは 、社 員 が 会 社 に 誇
の 皆 さまに喜んで いた だくことを基
歩 道 橋 の 塗り替 えにお いては 、大
りをもって参加でき、地域の一員とし
本に展開しています。
阪 府より「 産・官・学 連 携 事 業 」とし
て地 域発 展に貢 献できる「善き隣人
塗料メーカーである当社 が 継 続し
て、2 年 連 続 感 謝 状を い た だ き まし
として 社 会 に 貢 献 する」活 動 を 今 後
て 取り組 んで い る の が、事 業 所ごと
た 。事 業に参 加した 地 元 の 高 専 学 生
も行っていきます。
に会 社と 労 働 組 合 が 協 力し、地 元 の
や 大 学 生 には 、カラ ー デ ザイン や 塗
公 園や 幼 稚 園・小 学 校 など公 共 施 設
装の楽しさを実感してもらえ、また歩
の 塗り替 えをする「 塗 装 ボ ラン ティ
道橋を使う小 学生の 絵 のプレートが
NIPPON PAINT CO.,LTD.
※個々の詳しい活動については、P.35 〜 38
の「社会とのかかわり」をご参照ください。
A Special Feature
落書き消し、清掃で地元の方々と交流
新鬼怒橋橋脚の落書き消しボランティア
特集 3
公共土木施設の塗り替え協力
栃木工場では毎
2008 年 2 月 に
年 秋に鬼 怒 川河
開 通 式が 行われ
川敷の清掃ボラン
た、インドネシアの
ティアを行っていま
ジョグジャカルタ近
す。2009 年度は、
郊の村に日本で使
河川敷にある新鬼
われなくなった歩道
怒橋橋脚の落書き
橋を橋として 再 利
消しも行いました。
用するプロジェクト
きれいになった東大阪市「池島地下歩道」
鬼怒川河川敷は市民の憩いの場所となっており、スポーツやバー
に塗料を提供したのを機に、大阪府の枚方土木事務所や八尾土
ベキューが盛んで、多くの人が訪れます。地域の美観を保つ活動
木事務所管轄の公共土木施設に塗装協力を続けさせていただい
は、近隣の皆さまに喜んでいただけますので、今後も毎年活動し
ています。
ていきます。毎回 3 分の 1 ほどの工場従業員が参加してくれますが、
国道の橋土台や、地下歩道の落書き消し、歩道橋の塗り替え
ボランティア活動を通じて従業員同士の親睦も図ることができますし、
など、地域の皆さまは本当に喜んでくださり、担当者として大変やり
落書き消しでは地元の皆さまとも交流できました。 世話役としては、
がいを感じます。また、皆さん「塗装って楽しい」と言ってくださる
皆が気持ちよく参加できるよ
のも、塗料会社の人間とし
う心配りをして、参加者を増
てはとてもうれしいことです。
やしていきたいと思います。
日本ペイント販売(株)
販売本部法人営業部
栃木工場安全防災課 石松 亮
西郡 孝志
労働組合によるボランティア活動
大阪市立中大淀幼稚園塗装ボランティア
地元の皆さまに喜んでいただける活動を
日本ペイント労
中学生の職場
働組合は、会社と
訪 問 学 習、教員の
協力して地元の公
民間企業研修受け
共施設の塗装ボラ
入れなど、
当社に来
ン ティアや、 ごみ
られた中 学 生や先
拾いなどの清掃ボ
生が満 足いただけ
ランティアを推進し
るようなプログラム
ています。私 が 所
を組むのは骨の折
教員の民間企業研修
属する大阪支部では、毎年 8 月に本社ビルの目の前で行われる
れる仕事でしたが、「ためになった」「塗料ってこんなところにも使
「なにわ淀川花火大会」の清掃ボランティア、近隣の幼稚園や小
われているのですね」「民間企業を知ることができた」などの感想
学校の塗り替えボランティアを行っています。社員の中には、実
を聞くとお役に立ててよかったと思います。
際に塗装作業を初めて行う参加者も多く、皆楽しく汗を流して
歩道橋塗り替えボランティアでは、学生さんが受けるカラーデザ
帰っていってくれます。
イン指導に同席したり、塗装をサポートしたりと私自身も勉強させ
今後も労働組合は、会社と協力して地域に貢献できる活動、
てもらいました。 社会貢献活動担当としてさまざまな方と触れ合え
そして、社員、組合員に
たことは、自分 の 視 野
喜んでもらえる活 動を続
も広がりとても貴重な経
けていきます。
験となりました。
日本ペイント労働組合 大阪支部支部長 寺島 淳悟
総務部
風間 りな子
NIPPON PAINT CO.,LTD.
13
マネジメント
日本ペイントグループの CSR の取り組み
日本ペイントグループは、企業の社会的責任を果たすべくCSR 活動に注力しています。
日本ペイントグループのCSR
グループを挙げて、社員一人ひとりが十分にCSRを
日本ペイントの経営理 念と経営ビジョン、行動指 針
理解し自主的に取り組んでいくことが重要と考え、環
に基づいた「CSRの方向性 」を制定し、CSR活動に取
境整備に努めています。
り組んできました。
経営理念
日本ペイントグループは共存共栄を基本理念とし、
社業を通じて社会公共の福祉に貢献する
経営ビジョン
●価値ある塗膜を提供するスペシャリ
ティケミカルカンパニーとしてグロー
バルに成長する
●環境保全と資源エネルギー低減に貢
献するエコカンパニーとして信頼さ
れる企業となる
行動指針
●信義誠実 (Credibility)
●顧客志向 (Customer-oriented)
●進取の気性(Creativity)
(Challenge)
●積極果敢 ●親和協力 (Collaboration)
日本ペイントグループの
CSR経営の目指す方向
0 年度計画、長期計画を実現する。
これをタイムリーに安定的に
1 環境と安全性に十分配慮して社会に有用な製品・サービスを開発し、
提供することにより、消費者・顧客の満足と信頼を獲得する。
2 すべての事業活動において、
日本ペイントグループ
のCSR
(1)国内外の法令や企業倫理を順守する。
経
(2)公正、透明、
自由な競争ならびに適正な取引を行う。
従業員の人格
・
多様性を尊重する
とともに、安全で、生きがい働きがいのある職場環境を確保し、
3
済
「能力にはチャンスを、成果には報酬を」
を基本に、
ゆとりと豊かさを実現する
(人間力の発揮)。
4 国際的な事業活動において、
(1)現地の文化を尊重し、現地経済・社会との協調・融和を図り、善良な企業市民として規律ある
行動をとる。
(2)現地の労使法規・労働慣行について十分理解し、
良好で適切な労使関係を確立する。
1 当社グループが社会的に有用な存在であるためには社会との双方向コミュニケーションが重要と
の認識に立ち、
(1)企業情報を適時・公正に開示する。
(2)株主はもとより、広くステークホルダーとのコミュニケーションを積極的に行う。
(3)一方、個人情報・顧客情報の保護には十分配慮する。
社
会 2 「地球市民」
「地域市民」
として、地球・人類・地域に影響を及ぼす社会的な課題の改善・解決に
貢献する。
3 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは一切関係を持たず、
接近があれば断固として拒否する。
1 環境問題への取り組みは、当社グループの存在と活動に必須の要件であることを認識し、
環
境
14
(1)
すべての事業活動において、地球環境の保全と生態系の保護を配慮し、
エネルギー・資源の
節約に努める。
(2)環境に負荷の少ない商品開発と、
負荷軽減のための技術開発を進めるとともに、商品の開発
から廃棄に至るすべての段階で環境・安全・健康に関しての配慮を行う。
(3)操業にともなう環境への負荷の減少と地域住民、従業員の安全と健康の確保に努める。
NIPPON PAINT CO.,LTD.
●CSRとは
「本 業(当社の事 業すべ
て)」で社 会に貢 献する
こと
●CSR活動とは
・C S Rを果 た すた めの
活動
・ス テ ー ク ホ ル ダー か
らの期待に応える活動
・安全・コンプライアンス
確保のための活動
●コンプライアンスとは
単なる法 令 順 守 ではな
く、業界規範、社会的規
範、社内規定などの順守
を含め広く捉える
マネジメント
CSR経営推進体制とリスクマネジメント活動
クマネジメント活動を現 場で自主的に行うとともに、
CSR経営を推 進するにあたっては、CSR経営にお
ける内部統 制の重要性を踏まえた体制を構築してい
C S R 委 員 会 や 各 機 能 部 門 が モニタリングや 情 報 伝
ます。内 部 統 制 が 適 切に機 能 するために 必 要 なリス
達、統制環境の整備などを通じサポートしています。
CSR経営の推進体制
内部監査室
内部監査室
環境品質本部
安全環境部
環境品質本部
品質保証部
安全環境部
品質保証部
総務部
総務部
人事本部
付議・報告
CSR 委員会
(委員長:社長)
CSR 委員会
(委員長:社長)
地球環境委員会
内部統制
最高責任者
内部統制
(社長)
最高責任者
地球環境委員会
モニタリング・情報伝達・
統制環境・リスク評価
モニタリング・情報伝達・
統制環境・リスク評価
(社長)
コンプライアンス委員会
A
コンプライアンス委員会
情報システム部
コントロール・モニタリング
P
P
A
リスク
P
マネジメン
ト D
A
C
リスク
マネジメント D
C
P
CSR委員会
A
リスク
C ト D
マネジメン
C
リスク
マネジメント D
C
A
A
リスク
マネジメント D
P
内部統制環境整備とリスクマネジメントの支援を担当
しています。両委員会は、関連 法令などの専門知識を
危機管理体制
C
A
P
P
リスク
マネジメント D
P
C
リスク
マネジメント D
C
C
A
A
リスク
マネジメント D
P
C
リスク
マネジメント D
各事業
現場
各事業
現場
C
有するメンバーで構成され、CSR委員会を補佐します。
CSR委員会
委員長:社長
CSR委員会
事務局:総務部
委員長:社長
事務局:総務部
全社の重要リスクの評価と対応を進めています。
「地球
ンス委員会」は「地 球 環境委員会」担当以 外の領域の
A
C
リスク
マネジメント D
る内部統制環境整備とリスクマネジメントを統括し、
備とリスクマネジメント支援を担当し、
「 コンプライア
リスク
C ト D
マネジメン
コントロール・モニタリング
P
リスク
マネジメント D
P
社長を委員長とするCSR委員会は、活動の基本とな
環境委員会」は、安全・環境にかかわる内部統制環境整
A
C
P
A
リスク
P
マネジメン
ト D
A
コントロール・モニタリング
C
リスク
マネジメント D
P
A
事業(本)部
(関係会社経営層)
事業(本)部
(関係会社経営層)
P
リスク
P
マネジメン
ト D
A
リスク
C ト D
マネジメン
経営管理部
情報システム部
リスク
P
マネジメント D
リスク
D
マネジメン
C ト
コントロール・モニタリング
A
A
経営レベル
C
モニタリング・情報伝達・
統制環境・リスク評価
モニタリング・情報伝達・
統制環境・リスク評価
経営管理部
経営レベル
P
A
人事本部
コンプライアンス
リスク点検報告
コンプライアンス
リスク点検報告
監査
モニタリング
監査
モニタリング
取締役会
(経営会議)
取締役会
(経営会議)
付議・報告
地球環境委員会
全社的内部統制環境の整備
全社的重大リスクの評価と統制
全社的内部統制環境の整備
全社的重大リスクの評価と統制
コンプライアンス委員会
地球環境委員会
コンプライアンス委員会
安全・環境にかかわる領域のリスク
マネジネントの支援と全社的内部統制
安全・環境にかかわる領域のリスク
環境整備を担当
マネジネントの支援と全社的内部統制
環境整備を担当
地球環境委員会担当以外の領域の
リスクマネジネントの支援と全社的内部
地球環境委員会担当以外の領域の
統制環境整備を担当
リスクマネジネントの支援と全社的内部
統制環境整備を担当
制の整備とともに運用訓練を行っています。
「危機管理規定」「
、本社対策本部運営要領」
「 現地対
海 外 事 業 展開に伴うカントリーリスクや、現 地の自
策本部運営要領 」を定め、社内および周辺地域で発生
然災害リスクに対しては「海外派遣者安全・衛生基準」
する災害被害に適時迅速に対応できるマネジメント体
を定めて対応しています。
NIPPON PAINT CO.,LTD.
15
マネジメント
日本ペイントグループの CSR の取り組み
2009年度の具体的な活動
ンデミック)に対応し、対 策本部を立ち上げ、感 染状況
CSR委員会では、
「 日本ペイントグループのCSR経
の 把 握、感 染 予防・拡 大 防止 策の 実 施、対 策備品の 手
営の目指す方向」に基づいて、重 点的に取り組むべき
配、社 員の啓発などを行いました。幸い今回の新型イ
テーマ21件(経 済7件、社 会8件、環 境6件)を2009
ンフルエンザは弱毒 性で 企業 活動に対する影 響はあ
年度 実 行テーマに選 定しました。これらは、地 球 環 境
りませんでしたが、2010年 秋 以 降に予想される第2
委員会、コンプライアンス委員会が中心となって、関係
波の流行や別の強 毒 性インフルエンザ発 生に対する
部門とともに取り組みました。
( 詳細はP.17に記載)
備えを継続して行います。
2009年度は、2008年度に引き続き、CSR活動全
ま た、2 0 0 8 年 度 にグル ープ 全 体 に 対して 行った
般に対し社内報などでしっかりとした情報共有化を行
「CSRアンケート」を再度 実 施しました(詳 細はP.39
を参照)
。
結果は2010年度の活動に反映させるととも
うなどの取り組みを行いました。
に、
完了した重点テーマのフォローアップに活用します。
2 0 0 9 年 度、最 も深 刻 な 問 題として 取り組 んだの
は、
「 新型インフルエンザ対策」です。世界的な流行
(パ
当社グループのコーポレート・ガバナンス
共通の価値観・行動指 針として当社グループの健全
当社は、監査役会設置会社として取締役会が取締役
な企業風土の醸成に努めています。
の職務の執行を監督し、監査役が取締役の職務の執行
②重要な関係会社に対しては、当社の取締役または執
を監査する体制を取っています。
また、当社を親会社とするグループのコーポレート・
行役員を取締役として選任し、当社の経営方針の徹
底を図っています。
ガバナンスについては次の方針で取り組んでいます。
①経営理念、経営ビジョン、行動指針を当社グループの
株主総会
選任・解任
選任・解任
監査役会
監査役 5人
(うち社外監査役 3人)
会計監査人
選任・解任
監査
取締役会
・会社法で定められた事項や経営にかかわる重要事項の審議・決定
・当社グループの経営方針・中長期戦略の決定
取締役(任期1年)7人 ・取締役の職務の執行の監督
(うち社外取締役0人) ・執行役員・関係会社役員の執行状況の監督
監査
代表取締役社長
選任・解任 指示・監督
執行役員会
付議・報告
経営会議
内部監査室
付議・報告
CSR 委員会
地球環境委員会
コンプライアンス委員会
報告
方針・指示
各事業部門・機能部門/各関係会社
16
NIPPON PAINT CO.,LTD.
内部監査
執行役員:
業務執行・目標達成の責任
マネジメント
CSR実行重点テーマ(2010年度テーマと2009年度テーマの実施状況)
当社グループが重点的に取り組むCSR実行テーマをCSR委員会で決定し、全社で取り組んでいます。
領域 分類
2010年度の重点テーマ
実行テーマの
担当委員会※2
2009年度の重点テーマ
1
健康影響物質を含む製品の低減(ホルム
アルデヒド・有機溶剤・重金属など)
地球
健康影響物質を含む製品の低減(ホルム
アルデヒド・有機溶剤・重金属など)
○
P.20〜21を参照
1
クレームの原因究明と対策
地球
クレームの原因究明と対策
○
重大クレームの特定と原因究明を実施
し、再発防止につなげた
※1
経済
完了
2009年度重点テーマの実施状況
関連
ページ
P.22〜23、26
コンプラ
出荷証明書問題への対応
○
これまで講じてきた対策の実施状況を
モニタリングした
2
コンプラ
下請法の順守
○
国内グループ各社の状況調査を行い、
必要な対策を実施した
コンプラ
情報管理の不備から発生する問題
への対応
コンプラ
派遣・契約・請負問題への対応
○
国内グループ各社の状況調査を行い、必
要な対策を実施した
CSR
新型インフルエンザ対策
○
世界的な流行(パンデミック)に対応
し、対策本部を立ち上げ、感染状況の把
握、感染予防・拡大防止策の実施、対策
備品の手配、社員の啓発などを行った
P.16、33
地球
化審法への適正対応
社内審議会で法改正対応策を立案し推
進した
P.24
地球
化審法への適正対応
2
情報管理の不備から発生する問題
への対応
2
グループ社員のモラルアップ
コンプラ
2
モニタリング体制の確立
コンプラ
3
1
化審法への適正対応
1
環境
次年度継続
2
2
社会
2009年テーマ
パソコンの使用・管理レベルの向上策
を実施するとともに、中期対策を立案
した
○
○
○
MSDS改訂など適正に対応した
P.24、26
1
省エネ法への適正対応
地球
省エネ法への適正対応
○
2010年4月1日施行に向け、社内体制の
整備を行った
P.27
1
REACHへの適正対応
地球
REACHへの適正対応
○
REACH輸入量集計システムを導入し
適正対応した
P.25
1
顧客安全
地球
顧客安全
○
工業用ユーザーを中心とした安全教育
を実施し、主に顧客の塗装ラインをは
じめとする塗装工程においての安全情
報提供を行った
P.34
1
災害の再発防止のための情報浸透
システム
地球
災害の再発防止のための情報浸透
システム
○
国内外グループ各社との安全にかかわ
るコミュニケーションシステムを構築 P.32~33
した
2
地域美化の推進
CSR
地域美化の推進
○
地域の塗装・清掃活動や塗料メーカー
の特長を生かした活動に取り組み、延
べ1,300人超が参加した
2
反社会的勢力への対応
反社会的勢力への対応
○
契約書における反社会的勢力排除条項
の検討を行ったが、計画未達に終わっ
た
1
環境配慮型商品の開発・販売
地球
環境配慮型商品販売比率の向上
○
P.20〜21を参照
P.22〜23、26
1
CO2排出量の削減
地球
CO2排出量の削減
○
P.20〜21を参照
P.27
1
エネルギー消費量原単位の削減
地球
エネルギー消費量原単位の削減
○
P.20〜21を参照
P.27
1
ゼロエミッションの推進
地球
ゼロエミッションの推進
○
P.20〜21を参照
P.28
1
PRTR対象物質の総排出量低減
地球
PRTR対象物質の総排出量低減
○
P.20〜21を参照
P.26
○
自主基準「グリーン基準」と「グリーン
調達ガイドライン」により推進した
P.29
コンプラ
1
グリーン調達の実施
地球
1
ワーキング・グループの設置によ
る次期中長期レスポンシブル・ケ
ア目標の策定
地球
※1 P.14 の「日本ペイントグループの CSR 経営の目指す方向」の分類による
※2 CSR:CSR 委員会、地球:地球環境委員会、コンプラ:コンプライアンス委員会
グリーン調達の実施
P.12~13
P.35~38
●完了テーマについても今後 PDCA が回るよう、追加対策や担当部門での継続実施を行っていきます。
NIPPON PAINT CO.,LTD.
17
環境報告
環境方針と環境マネジメントシステム
環境方針に基づいた環境マネジメント体系のもと、
Plan(計画)
、Do(実施)
、Check(評価)
、Action(見直し)の活動を行い、継続的な改善につなげています。
環境方針(レスポンシブル・ケア方針)
●レスポンシブル・ケア活動とは、
基本方針
日本ペイントは、色彩・景観の創出と素材・資源の保護という社業を通じ、環境美化・環境保全
に対して積極的に貢献することを理念として、自らの使命と責任を自覚し、社員一人一人、社内全
組織が連携して環境問題に取り組み、世界人類、地域社会、顧客との相互信頼に基づいた美しい
環境づくりに寄与する活動をめざす。
そのために、全ての事業活動において以下の方針を定める。
1. 全ての事業活動(製品及びサービスを含む)において、地球環境の保全と生態系の保護を配
慮し、エネルギー・資源の節約に努める。
2. 環境に負荷の少ない商品開発と、負荷低減のための技術開発を進めるとともに、商品の開発
から廃棄に至る全ての段階で、環境・安全・健康に関しての配慮を行う。
3. 操業に伴う環境への負荷の減少と、地域住民、社員の安全と健康の確保に努める。
化学物質を取り扱う事業者が、開
発から廃棄にいたる全ライフサイク
ルにおいて、環境・安全・健康面(環
境保護・保安防災・労働安全衛生・
化学品安全)の対策を実行し、改
善を図っていく自主管理活動です。
活動方針
1. レスポンシブル・ケア活動の狙いは次のとおりとする。
①国際的動向を踏まえたレスポンシブル・ケア管理システムの確立 ②化学物質の総合安全管理によるリスク低減
③事業活動にかかわる環境・安全の確保
④国際活動及び化学品取引の環境・安全の確保 ⑤社会からの信頼向上
2. 日本レスポンシブル・ケア協議会に参加して、協調・協力しながら、毎年、計画・実施・報告・
見直しの管理サイクルを回す。
3. 国内外関係法令及び当社が同意したその他の要求事項を遵守するとともに、国内外の動向を配
慮し、自己決定・自己責任の原則に基づき、科学的事実及び科学的方法論による化学物質の
総合安全管理を継続的に改善実行する。
4. 基本方針及び活動方針は、全従業員とグループ各社(関係会社)に周知させるとともに、社会
の理解を得るように公開する。
●日本ペイントは、1995 年の日本
レスポンシブル・ケア協議会設立
時から会員として活動を続け、レス
ポンシブル・ケア活動の塗料版で
あるコーティング・ケアにも参加し
ています。
コーティング・ケア
2009年度 環境組織体制と取り組み概要
Plan
環境目的・目標の立案
Do
EMP立案、実施と運用
Check
点検と是正、修正
地区活動
本社
栃木工場
東京事業所
千葉工場
寝屋川事業所
愛知工場
大阪事務所
岡山工場
広島工場
日本ファインコーティングス(株)吹田工場
地球環境委員会
製品とサービス
自動車塗料事業本部 サーフ事業部
工業用塗料事業本部 調達本部 オートリフィニッシュ事業部
ファインプロダクツ事業部
日本ファインコーティングス
(株)
日本ペイントプラント・エンジニアリング
(株)
当社が1999年3月に全社一括でISO14001を認
証取得して以降、国内主要関係会社においても2007
年度までにISO14001認証取得を完了しています。
2009年度はEMP(環境マネジメントプログラム)
活動の 各 個人へ の浸 透や現 場における自主自立を目
18
NIPPON PAINT CO.,LTD.
Action
マネジメントレビュー
CSR 委 員 会
委員長:社長
環境マネジメントシステム監査
外部審査
内部環境監査
安全および品質トップ診断
外 部 審 査:日本化学キューエイ
(株)
(JAB 認定 MS 承認機関)
内部環境監査:内部環境監査員による自主監査
安全および品質トップ診断:
環境品質本部管掌役員が診断
者となり、各サイトを診断する
独自監査システム
地球環境委員会
EMP進捗結果などの集約
を実施しCSR委員会に上
申する。
的に内部環境監査手法の改革に取り組みました。
今 後は 環 境 だけでなく、レスポンシブル・ケア活 動
すべてを包括したマネジメントシステムの構築を目指
し、より本来業務に則した活動となるよう、これまで以
上に効率化と有効化を図っていきます。
環境報告
環境会計
当社は事業活動における環境保全コストと効果を把握して公表しています。
集計の考え方
め、これらにかかわるコストを含まず集計しています。
環境省「 環境会計ガイドライン
(2005年度 版)」を
経 済 効果 の算 定については、貨幣単位で把 握でき
参 考として、2009 年度の日本ペイント株 式 会 社(単
る「リサイクルによる収入」
「 省エネ活動による費用削
体)における環境保全コストを集計しています。
減」
「 廃棄 物減量化活動による処理 費 用の削減」など
なお、2008年度の工場再生プランに伴う人員再配
置および設備移設などにより、環境保全コストのうち
を経済効果として集計しています。仮定的計算による
みなし効果や社会的効果などは集計していません。
人件 費および 減 価 償 却 費をとらえることは困難 なた
環境保全コスト
投資額 (単位:百万円)
費用 (単位:百万円)
管理活動コスト
32
(4%)
研究開発コスト
85
(17%)
合計
501
事業エリア内コスト
216
(27%)
合計
810
事業エリア内コスト
416
(83%)
研究開発コスト
562
(69%)
環境保全効果(削減量)
項 目
硫黄酸化物[SOx]排出量
(t)
大気汚染物質 窒素酸化物[NOx]排出量
(t)
ばいじん排出量
(t)
水質汚濁負荷量[COD]
(t)
エネルギー総使用量[熱量換算]
(GJ)
二酸化炭素[CO2]排出量
(ton-CO2)
水使用量
(千m3)
外部委託廃棄物排出総量
(t)
経済効果
削減量※
−1.6
−1.2
−0.35
−1.0
−33,510
−2,618
−55
−2,095
項 目
リサイクルにより得られた収入額
資源投入に伴う費用節減
環境負荷および廃棄物排出費用の節減
その他の費用の節減
(単位:百万円)
経済効果
35
105
10
4
※削減量は「2009年度−2008年度」
で計算
2009年度のまとめ
維持しました。また、省エネルギー型の設備更新や昨
2009年度の環 境保 全コストの設備 投 資額は5億
年より継続しているボイラー関連の投資により、エネ
100万円でした。研究開発にかかる環境保全コストは
ルギー使用量の削減や大気汚染物質の削減に寄与し
減少したものの、その他の環境保全コストについては
ました。
NIPPON PAINT CO.,LTD.
19
環境報告
2010年度を到達点とする環境目標に向けて
「2010 長期経営計画」に基づいて 2010 年度を到達点とする環境目標を設定し、
各年ごとの目標とともに取り組んでいます。
項目
関連ページ
環境保全とエネルギー資源の節約を目的とした事業活動
廃棄物の最終(埋め立て)処分量を削減する
・最終処分量をゼロとする
資源循環
地球温暖化防止
環境負荷の低減
操業における安全
確保と環境保全
2010 年度の目標
・最終埋め立て処分量ゼロ
・1990年度比99%削減する
・廃棄物ゼロエミッションを
維持、向上する
・廃棄物ゼロエミッションを
維持、向上する
P.27
P.26
CO2排出量を削減する
・1990年度比14.5%削減する
・1990年度比 16.0%削減する ・1990年度比16.0%削減する
PRTR対象化学物質およびVOC排出量を削減
する
・2000年度比35%削減する
・2000年度比35%削減する
・
目的とした製品およびサービス
環境負荷低減の商品開発 技術開発を
P.22〜23
P.26
P.18
・外部審査
「第3回更新審査後第2回維
持審査」を受審し適合維持す
るとともに環境マネジメン
トシステムの改善を行う
・内部環境監査実施によるス
パイラルアップ
制
NIPPON PAINT CO.,LTD.
・製品出荷量中のVOC比率を2001年度比50% ・2001年度比50%削減する
・2001年度比45%削減する
削減する
・用途限定物質の使用量をゼロにする
・用途限定物質の使用量をゼロ ・2005年度比60%削減する
にする
・使用禁止物質を特定顧客先においてもゼロに ・使用禁止物質をゼロにする
・使用禁止物質をゼロにする
する
P.18
P.35〜38
品質保証
・比率を95%にする
・
(社)日本化学工業協会の「レ
スポンシブル・ケア」活動と
(社)日本塗料工業会の「コー
ティング・ケア」活動への参
画
・各地区において積極的に交
流実施
体
ISO14001
・2000年度比25%削減する
P.32〜33
環境配慮型商品の販売数量比率を100%にする ・比率を100%にする
環境配慮型商品を
開発・普及させるこ
とにより、地球温暖
化防止、土壌汚染防
止、水質汚染防止な
ど環境負荷の低減
と生態系の保護
2009 年度の目標 P.28
・廃棄物ゼロエミッションの質的向上
情報公開と
社会貢献
20
2010 年度を到達点とする環境目標
・品質保証体制の強化
PL問題への対応を確実に行
い、訴訟ゼロを継続する
環境報告
[判定基準] ○:目標達成 △:目標の80%以上 ×:目標の80%未満
2009 年度の結果
判定
2009 年度の目標達成に向けた具体的取り組み
・99.9%削減(1.3 t)
○
・再資源化率100%を維持
○
・栃木工場において直接埋め立て処分量および(株)エコシステムズ(廃塗料・廃溶剤の再資源化事
業を行う関係会社)で発生する産業廃棄物の中間処理(再資源化)後の間接埋め立て量ともにゼ
ロ達成
・全サイトで社内廃棄物ゼロエミッション維持
・マテリアルリサイクル化や有価物処理化など質的向上に注力
・29.7%削減(30,124ton-CO2)
○
・製造工程改善による省エネ促進や、電力・ガス使用量の見える化による省エネ意識向上で削減
・54%削減(70t)
○
・製品の水性化促進と製造ラインでのVOC使用量削減、放出量の抑制への取り組み強化
・新PRTR自動算出システムの導入活用により、より現実に即した集計・算出実施
・休業災害:1件、関係会社1件
・物的事故:2件
・発火・発煙事故:4件、関係会社1件
×
△
×
・安全巡回の頻度向上と危険予知トレーニングの強化、各種委員会活動実施
・輸送上の重大事故:0件
・海外訪問支援:17サイト
○
○
・比率92%
×
・41.6%削減
×
・56%削減(1,024t)
△
・224t
×
・レスポンシブル・ケア、コーティング・
ケア活動の実施
○
・
(社)日本塗料工業会および(社)日本化学工業協会や日本レスポンシブル・ケア協議会の各種委員
会、部会に参画し情報および意見交換を実施
・各地区での対話交流、清掃活動
○
・各地区で情報公開を実施、地域への貢献活動への参画
・
「第3回更新審査後第2回維持審査」で
適合と判断され認証登録更新
○
・12月に外部審査機関による「第3回更新審査後第2回維持審査」を受審し、コメントのみの指摘で
欠点はなく適合の評価を得た
・全サイ
トおよび製品・サービス部門で実施
○
・全社合計で軽欠点15件、コメント146件の指摘項目が抽出され是正および修正処置が完了。
良いコメントも26件あり全社に横展開を実施
・訴訟ゼロ
○
・すべて製造現場以外での発火事故であり、製造現場以外での危険予知能力向上に対する対策を
今後実施
・海外支援の継続実施
・景気後退の影響を受け、顧客先での設備投資を伴う塗料切り替えが進まなかった。また、鉛・クロ
ム系JIS指定品の市場要求が高く廃止できない状況
・環境配慮型商品比率未達と同様の理由により低VOC商品の販売が伸びず未達
・コールタール含有船舶塗料の販売中止に伴い大幅に削減できたが、顧客都合によるクロム系薬
剤廃止が進んでいない
・2008年同様に該当物質含有塗料の代替品のJIS取得完了しているが市場要求量が減らず未達。
(長期耐久性機能が要求される用途などに限定されており、エコタイプへの切替促進など削減に
向けた活動を継続)
NIPPON PAINT CO.,LTD.
21
環境報告
環境配慮型商品
環境に配慮した商品・技術開発に取り組んでいます。
一般業務販売用太陽熱高反射塗料「THERMOEYE(サーモアイ)」
地球温暖化防止とヒートアイランド現象の緩和対策と
やすい 情 報 提 供を心 掛け、色 見 本 帳には全 色に日射
して、太陽熱高反射(遮熱)塗料が注目されています。太
反 射 率を 明 記し、塗 料 の 色を 選 ぶポイントを 紹 介し
陽熱高反射塗料は太陽光線の50%を占める赤外線を
ています。さらには、戸建て住宅向け、工場向けの専用
効率よく反射させることで塗装面の温度上昇を抑え、
ウェブサイトを開 設し、遮 熱 効 果予 測ソフト(特 許取
塗るだけで空調費やCO2排出を削減します。
(図1)
得)などのコンテンツを提供しています。
「THERMOEYE(サーモアイ)」は、太陽熱高反射塗
図1
施工前
料を一般業務販売用に展開した新ブランドで、開発に
あたり、当社の遮 熱 責任施工事 業である「AT TSU-9
太陽
遮熱塗料
従来塗料
(アッツ-ナイン)」の高性能技術をフル投入しました。
熱エネルギー
従来の塗料より遮熱性能を向上させるため、下塗り
塗料に高い反射性能を付与するとともに、上塗り塗料
には新たな顔料 技 術「赤外線 透 過 混色」を採用。上 塗
り層で反射できない赤外線を透 過させることで、下塗
り塗料の遮熱効果を最大限に発揮させることにより、
塗膜トータルで反射性能を向上させました。
( 図2)
その優れた遮熱性能は、
「 環境省の環境技術実証事
熱エネルギー
より多く太陽光
エネルギーを反射する
図2
サーモアイ仕様
サーモアイ仕様
サーモアイ仕様
従来型太陽熱高反射塗料仕様
従来型太陽熱高反射塗料仕様
従来型太陽熱高反射塗料仕様
太陽からの赤外線
太陽からの赤外線
太陽からの赤外線
太陽からの赤外線
遮熱上塗り
遮熱上塗り
サーモアイ
サーモアイ
遮熱上塗り
遮熱上塗り
サーモアイ
サーモアイ
シーラー・プライマー
シーラー・プライマー
シーラー・プライマー
シーラー・プライマー
反射
反射
業」においても実証されています。
また、太陽熱高反射塗料の紹介にあたっては分かり
太陽
施工後
反射層が上塗りだけ
反射層が上塗りだけ
吸収
吸収
※サーモアイ 4F・Si・UV・ヤネガードの標準仕様の場合
落書き防止・貼紙防止塗料「ニッペビラカットクリーン」
昨今、落書き増加は、社会問題となっており、街の景
防止機能に加え
「貼 紙防止機能」も付与させることが
観を損なうため、住民にとっては深刻な問題です。自治
でき、落書きや貼紙に悩む自治体などから注目を集め
体も落書き防止の条例を制定したり、落書き防止塗装
ています。
の 経 費を一 部負担するなどさまざまな 対 策を行って
います。また、当社も地域貢献活動の一環として、各地
で落書き消しのボランティア活動を行い、街の美 観保
護に取り組んでいます。
そ のような 社 会 問 題 に 対し、当 社 は優 れ た 落 書 き
除去 性能をもつ、特殊シリコンフッ素変性樹脂系クリ
ヤー
「ニッペビラカットクリーン」を開発しました。歩道
橋や地下道など構造物の各塗装仕様に1回塗り重ねる
だけで、ラッカースプレーなどで書かれた落書きをガ
ムテープやシンナーで除 去できるほか、落書きの上に
「ニッペビラカットセラシート」を塗付することにより、
乾燥後、シート状で塗料とともにはがせます。
さらには、専用の骨材を使用することにより、落書き
22
NIPPON PAINT CO.,LTD.
ニッペビラカットセラシートにより落書きを簡単に落とせる
環境報告
新世代の最高峰自動車補修用クリヤー「naxイージス
(3:1)RSクリヤー」
2005年に発 売した作 業 効率や高品 質を 追 求しつ
売当初から好調な売れ行きを見せています。
つ、
環 境 負荷をできるだけ少なくする自動車補修用塗
※ 3 つのコンセプト
料「e(イーキューブ)
」
シリーズ。
「EASY」
「EXCITING」
EASY:作業性や調色性の向上、塗装時間の短縮を目指す
3
「ECOLOGY」
という3つのコンセプト※からなる同シリー
ズに
「naxイージス(3:1)RSクリヤー」
が加わりました。
EXCITING:最 新技 術 の 導入により、高 隠 ぺい 性、仕 上 がりのよ
さを目指す
ECOLOGY:VOC 排出量の低減など環境の改善を目指す
従 来、この 分 野での環 境 配 慮といえば VOC 排出量
削減が主でしたが、当社は業界を先駆けてCO 2 排出量
削減にも取り組み、下地から上 塗りクリヤー塗装に至
るすべての塗装工程で、環境負荷低減を実現できる商
品をそろえています。
「naxイージス(3:1)RSクリヤー」は、強制乾燥時にお
ける塗装ブース設 定 温 度の 低温化と乾燥時間の大幅
短縮を実現した、環境配慮の新世代最高峰クリヤー塗
料です。エネルギーコスト改善やCO 2 排出量削減に貢
献するとともに、作業性も併せて向上、非常に滑らかな
外観に仕上がるという塗料の特長も評価いただき、発
ネジ・小物部品向け完全クロムフリー電着塗装「パワースクエア200」
自動車や工業機械、建物などさまざまに使われるネ
EUが発 令した「ELV指令」
( 廃棄自動車が環 境に与
ジ、ボルト、ナットなどの締結部品をさびから守るには、
える負荷を低 減するための 指 令)や「RoHS指 令」
(電
従来、六価クロムによるメッキ処理が主流でした。これ
子・電気機器における特定有害物質の使用を制限する
に代わる手法として、重金 属を使 用しないカチオン電
指令)などに対応して環境に配慮し、高防錆性を発揮す
着塗料をベースに、塗膜粘性制御で先端部まで均一に
る
「パワースクエア200」は、小物部品の耐用を延ばし、
被覆し、さらに塗 膜 表面の摩 擦 抵抗を下げ て、先 端か
環 境へ の 影 響も軽 減 できる防 錆処 理として市場でも
らのさび発生抑制ならびに締結時のすべり性を付与し
好評をいただいています。
た塗料が「パワースクエア200」です。小さい部品を塗
※バレル・スパイラル塗装:網状の筒やらせん状のハネが仕込まれ
た筒内に部品を入れて電着塗装する方法
装するのに適した、バレル・スパイラル塗装 装置 ※によ
り、量産性向上にも対応しています。
塩水噴霧評価試験(35℃・5%食塩水×時間)
試験時
塗膜
ネジ先端部断面写真
亜鉛鉄メッキ
+
リン酸亜鉛
+
電着塗料
200 時
800 時間
白さび発生
1,500 時間
赤さび発生
(注)白さびとは、亜鉛めっきの犠牲防食機能であり、赤さびのように鉄
素材部分が腐食して出現したものではありません。
NIPPON PAINT CO.,LTD.
23
環境報告
化学物質の総合管理
塗料は化学物質を含んでおり、これらが環境に与える影響や安全性を常に念頭に置き、
化学物質の総合的かつ適正な管理に努めています。
化学物質の管理について
ニケーションの 観 点から顧客に対して正確なMSDS
当 社では 従 来 から各種のデー タベースを 利 用して
(Material Safety Data Sheet, 化学物質安全性
さまざ ま な化 学 物 質 管 理 情 報システムを構 築し、化
データシート)、物 質 情 報シートなどの 提 供はますま
学 物 質の管 理に役 立てています。特に、リスクコミュ
す重要だと考えています。
日本ペイントグループの化学物質管理情報システムの概略図
環境・化学物質規制
日本ペイントグループ
サプライヤー
原料供給
顧 客
環境配慮型製品開発
購 買
研究開発
生 産
物 流
販 売
製品納入
・原料仕様書
・商品仕様書
・MSDS
・MSDS
・検査表
・検査表
化学物質管理情報システム
必要に応じ
リスク評価
・物質情報シート
リスク管理
リスクコミュニケーション
必要に応じ
・物質情報シート
・技術情報シート
物質情報 DB
設計情報 DB
製品・原材料 DB
暴露情報 DB
・法適合証明
環境安全関連データ集計
VOC / PRTR 対象物質/廃棄物/ CO2
外部情報
会社報告
官庁申請・報告
業界報告
・法令の制定・改正
・化学物質の危険性・有害性
改正化管法への対応
今回の改正に併せてMSDSの第3項に、条例で規制さ
2008年11月21日に化学物質把握管理促 進法
(化
れ自治 体が独自に選 定したPRTR対 象物 質を載 せる
※ が改 正されました。
管法)
届け出対 象物質は354 物
ことにしました。これは、お客さまからの要望も多いた
質から462物質に増加し、MSDS記載対象物質につ
め、新たに記載することにしたものです。
いても従 来の435物質から562物質になりました。
2010年4月1日の改正PRTR制度の施行から、新規リ
ストによる集計も必要となります。
また、2010年3月31日以前は、旧リストによる集計
が必要となります。このため改正MSDS制度が施行さ
れた2009年10月1日から当面は新旧の両リストが必
要となります。
当社では、施行日に間に合うようにシステム改 定や
「MSDS 第 3 項(組成、成分情報)」の
化管法対象物質の表記イメージ
●新規の PRTR 対応表
物質
化管法の対象物質特定
(新規リスト)
自治体独自制定の
PRTR 物質特定
化管法の対象物質特定
(旧リスト)
自治体独自制定の
PRTR 物質特定
●旧 PRTR 対応表
物質
物質データベースの更新を行い、MSDSの第3項に新
旧両方のリストが併記されるようにしました。さらに、
24
NIPPON PAINT CO.,LTD.
※正 式には「特 定化学 物 質の 環 境へ の 排出量 の 把 握等及び 管 理の
改善の促進に関する法律」。化管法、PRTR 法とも呼ばれる。
環境報告
台湾化学物質規制への対応
ジュール案を提 示した上で、既存化学 物質インベント
台湾で新規化学物質届け出制度導入の動きがあり
リ登録申請に向け対応しています。
(2011年6月予定、
「 既存化学物質リスト」の公布、新規
台 湾 へ の 出 荷 実 績 製 品 、輸 出予 定 品 の 製 品 、半 製
化学 物 質申告 作 業 の開始)、日本ペイントグループ で
品、原 料に含有されるすべての 化学 物 質のリストアッ
は、関連事業部門、関係会社、台湾関係会社と協力し、
プを実 施し、購入 原 料については、購入 原 料メーカー
次のような取り組みを実施しています。
に登録依頼を、また半製品やCAS No. が明確な化学
各 事 業 部 門 、各 関 係 会 社、台 湾 各 関 係 会 社に化 学
物 質 規 制 制 度 導入に関する情 報を 通 知し、対応 スケ
REACH規制への対応
物質については、台湾関係会社を通じて登録申請を実
施、または実施予定としています。
2009 年度の REACH プロジェクト取り組み内容
当社が取り扱う塗料にはさまざまな化学 物 質が含
まれていますが、多くの塗料が中国、東 南アジア各国
や米国、欧州に向けて輸出されます。
そん な 中 、欧 州( E U )にお いて2 0 0 8 年 6月1日か
ら運 用が 開 始され たRE ACH 規 制(Registration,
(1)本登録期限 2010 年 11 月末の物質の
登録
自社登録作業
(3)追加の予備登録実施
原 料メーカ ーと
の協業
Evaluation, Authorisation and Restriction of
Chemicals)では化学物質(調剤中の物質も該当)を
年間1トン以上製造、または輸入する事業者に対し、登
録手続が義務付けられています。
当 社グル ープ にお いては 、前 年 度 から引き 続 きグ
ローバルレベルでのREACHプロジェクトチーム活動
を実施しています。
(2)輸出状況や計画、原料登録状況などを
考慮した登録作業実施
原料メーカーへの OR※1を通した予備登録/
登録依頼
(1)製品、半製品、原料などの EU 輸出入量
把握システムの構築
対応システム構築 (2)お 客 さまから の SVHC※2 含 有 調 査 に
対 応 し た MSDS シ ス テ ム 連 動 の
SVHC 情報シート作成システムの構築
※ 1. Only Representative:唯一の代理人。REACH 規制で定め
られた欧州域内の代理人
※ 2.Substances of Very High Concern:高懸念物質
REACH 規制スケジュール
施行 登録
TOPIC
開始
REACH規制
旧法:67/548/EEC
新規物質
登録(1事業者あたり1t/年以上の物質。
データやCSRなどの提出)
SIEF(Substance Infomation Exchange Forum
既存物質
予備登録
(6カ月)
登録猶予期間①
≧1,000t/年
≧1,000t/年・R50/53
≧1t/年・CMR
施行∼3.5年
施行後11年間)
登録猶予期間②
≧100t/年
施行∼6年
経済産業省は、たび重なる外為法違反事件を懸念
登録猶予期間③
≧10t/年
≧1t/年
施行∼11年
物質・調剤
し、輸出業務に携わる企業などに対し厳正な輸出管理
を要請しています。その一環として自主的に輸出管理
認可候補・認可(付属書 ⅩⅣ)
認可
体制の整備および厳正な輸出管理を行う「輸出管理
制限(付属書 ⅩⅦ)
76/769/EEC
制限
社内規程※(コンプライアンス・プログラム)
」
(CP)
SDS添付(Safety Data Sheet)危険有害性分類物質、PBT・vPvB物質
情報
伝達
GHS表示(純物質) 成形品
CP を策定整備して同省へ提出し、
2010 年 2 月に「CP
消費者の要求を受けてから45日以内
2010/12
2008/6 2009/6
2011/12
2013/6
2015/6
の策定を奨励しています。これに伴い当社グループで
輸出に関する業務を担うニッペトレーディング
(株)
が、
SVHC 0.1%以上含有/≧1t/年
情報提供
2007/6 GHS表示(混合物)
【EC当局】SVHC
物質リストの開示
届出
ニッペトレーディングの
「輸出管理社内規程」
を
経済産業省が受理
2018/6
の内容および実施状況が確実である」という受理票を
受け取りました。塗料業界においては、CP の受理票
を受けたのは同社が初めてです。
※「輸出管理社内規定」は企業以外でも策定の動きが
広 まり、2010 年 4 月 か ら「 輸 出 管 理 内 部 規 定 」
と名称が変更されました。
NIPPON PAINT CO.,LTD.
25
環境報告
VOC削減の取り組み/PRTRの取り組み
VOC(揮発性有機化合物)削減に取り組むとともに、
化学物質の環境リスクを低減するため、化管法に基づいた排出量の把握と報告を行っています。
2009 年度の目標と結果
目標
結果
●環境配慮型商品の販売比率を95%にする
● P R T R 対 象 物 質および V O C 排 出 量を
2000年度比25%削減する
(114t以下)
●92%
●2000年度比54%削減(70t)
VOC削減の取り組み
などの商品開発を促進しています。さらに、ステークホ
当社は2010年度環境配慮型商品販売比率100%
ル ダー の 皆 さ ま
を目標に掲げて、VOC(揮発性有機化合物)削減に取り
との 情 報 交 換 や
組んでいます。
共同作 業により、
そのために、素材保護や耐久性延長といった塗料そ
な お一層 のVO C
のものの性能を向上させ、VOC含有量が低い塗料とし
排 出 削 減 に 取り
て、ハイソリッド塗料や水性塗料、粉体塗料、無溶剤塗料
組んでいきます。
環境配慮型商品販売比率の推移
(%)
100
87 92
79
72
80
58
56
60
48 53
39 41
40
20
0
'00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
(%)
100
87
79
92
72
▶メチルブチルケト80
ン
▶トルエン
▶キシレン
56 58
60
48 53
(t)
(t)
39 41
100 (t)
100
100
40
自動算出システム”
を利用し、
より現実に即した算定を
80
80
20
80
0
60
60
60
'00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
50.1物質には有用でありながら、
49.4 49.9 45.6
48.8 50.8 45.8 46.2
実 施しています。また、各 調色サービスステーション
化学
環境リスクを伴う
40
40
40
22.0
18.3
17.0
16.3
14.8 でのPRTRについても2002年度から導入している
14.8
13.8 13.2
13.9 14.7 14.3当社は
20
20
14.7
20
14.2 14.0 14.7 15.6 15.2 19.6 18.9 18.4
ものがあります。このリスクを把握するために、
6.6 5.5
(%)
100(%)
0
0
0
87 92
100
'00 '01 '02 '03 '04 '05
'06ン'07 PRTR集計支援システムを利用し、
'08 '09(年度)
'00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 ▶キシ
'09(年度)
'00 '01
'03 '04トン
'05
'06 72'0779
(年度)
▶メチルブチルケ
▶トルエ
レン
80 '02
79'08 87'0992
精度の高い情報を
2009年度および今後の取り組み
化管 法で定められた354
種 類の 化学 物 質と、
( 社)日
(t)
(t)
100
80
60
40
20
0
100
80
60
40
20
0
▶ブチルアルコール
▶酢酸ブチル
本化学工業協会が追加指定した126物質の計480物
80 (t)
100
60
60 39 41
4080 39 41
4060
20
20
040
020'00 '01
14.7
0'00 '01
53
53
48
48
58
58
56
56
72
集計しており、今後とも化管法順守とともに正確な情
49.9 45.6
48.8 50.8 45.8 46.2 50.1 49.4
(t)
(t)
100
100
22.0
報把握に努めます。
質を対象に毎年調査を実施し、
報告しています。
18.3 14.2 14.0 14.7 15.6 15.2 19.6 18.9 18.4
13.8 13.2
13.9 14.7 14.3 14.8 16.3 17.0 14.8
'02
'03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
80
80
6.6 5.5
'02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
60'05 '06 '07 '08 '09(年度)
60
'00 '01 '02 '03 '04
※ '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
'00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
なお、当社は2008年度導入した独自の新
“PRTR
40
40
▶ブチルアルコール
▶酢酸ブチル
17.6 16.8 13.3 13.2 15.8 13.9 15.0 13.2
13.0 16.0
20
20
環境排出量の多い 5 物質(過去
2 年間の実績に基づくもの)
8.5 7.9 7.4 8.7 9.0 11.0
(t)
5.1 4.7
3.4 (t)
3.5
100
100
0
0
▶メチルブチルケトン
▶トルエン
▶キシレン
80
80
'00
'01
'02
'03
'04
'05
'06
'07 '08 '09(年度)
'00 '01 '02 '03
'04
'05
'06
'07
'08
'09
(年度)
▶メチルブチルケトン
▶トルエン
▶キシレン
(t)
(t)
100(t)
100
80
80
60
48.8
60
48.8
40
40
20
20
0
0 '00
'00
60
100(t)
100
40
80
17.6 16.8 13.3 13.2 15.8 13.9 15.0 13.2
80
20
603.4 3.5
50.8 45.8 46.2 50.1 49.4
49.9
0 49.9 45.6
60
50.8 45.8 46.2 50.1 49.4
'00 45.6
'01 '02 '03 '04 '05 '06 '0740
'08 '09(年度)
40
22.0
13.8 13.2
20
22.0 13.9 14.7
13.8 13.2
13.9 14.7
20
'01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
'01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
▶ブチルアルコール
▶ブチルアルコール
(t)
100(t)
100
80
80
60
60
40
40
17.6 16.8 13.3 13.2 15.8
20
17.6 16.8 13.3 13.2 15.8
20
0
0 '00 '01 '02 '03 '04
'00 '01 '02 '03 '04
0
0
60
40
20
0
8.5
'00
14.3 14.8
14.3 14.8
'00 '01 '02 '03 '04
'00 '01 '02 '03 '04
100 (t)
100 (t)
80
16.0
80
7.9 7.4 8.7 9.0 11.0 13.0
5.1 4.7 60
60
'01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
40
40
16.3 17.0 14.8
20
14.7
16.3 17.0 14.8 6.6 5.5
20
14.7
6.6 5.5
0
0
'05 '06 '07 '08 '09(年度)
'00
'05 '06 '07 '08 '09(年度)
'00
18.3 14.2 14.0 14.7 15.6 15.2 19.6 18.9 18.4
18.3 14.2 14.0 14.7 15.6 15.2 19.6 18.9 18.4
'01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
'01 '02 '03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
▶酢酸ブチル
13.9 15.0 13.2
13.9 15.0 13.2 3.4
3.4
3.5
3.5
'05 '06 '07 '08 '09(年度)
'05 '06 '07 '08 '09(年度)
▶酢酸ブチル
(t)
100(t)
100
80
80
60
60
40
40
20
8.5 7.9 7.4
20
8.5 7.9 7.4
0
0 '00 '01 '02
'00 '01 '02
PRTR 調査対象化学物質の
マテリアルバランス
(物質収支)
シート
8.7
8.7
16.0
9.0 11.0 13.0
16.0 5.1
9.0 11.0 13.0
5.1
大気排出
除去処理
大気排出
除去処理
69.7
0.7 0.7
69.7
4.7
4.7
'03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
'03 '04 '05 '06 '07 '08 '09(年度)
2009年度調査対象物質は、
(社)日本化学工業協会
0.13%
取り扱い合計
標 を 上 回 る2 0 52,060.5
00
調査対象物質(化管法対象の354物質含む)で2008
100%
年度比54%削減の
年度同様480物質であり、当社該当物質数は85物質
70tとなりました。
水域排出
で2008年度より2物質減少しました。
新“PRTR自動算出システム”の活用による集計作業
の 結 果、年間 化 学 物 質 排 出
(算 定 )量は2009 年度目
取り扱い合計
52,060.5
0.000
NIPPON PAINT CO.,LTD.
100%
0.00%
0.00%
製 品
製 品
50,698.8
合成樹脂
塗料生産
合成樹脂
塗料生産
50,698.8
97.38%
水域排出
下水道
廃棄物
0.000
0.0
201.9
下水道
0.00%
0.0
97.38%
リサイクル
1,089.4
廃棄物0.39%リサイクル
0.00%
2.09%
201.9
1,089.4
0.00%
0.39%
2.09%と は、
※ PRTR(Pollutant 0.00%
Release and
Transfer
Register)
大気排出
除去処理
大気排出
除去処理
化学物質がどこからどれぐらい環境中に排出されたかを把握し、
69.7
0.7
69.7
0.7
0.13%
0.00%
集計し、公表する仕組み
0.13%
0.00%
取り扱い合計
取り扱い合計
52,060.5
52,060.5
100%
100%
26
0.13%
(単位:t)
水域排出
水域排出
0.000
0.000
0.00%
0.00%
合成樹脂
合成樹脂
塗料生産
塗料生産
下水道
下水道
0.0
0.0
0.00%
0.00%
廃棄物
廃棄物
201.9
201.9
0.39%
0.39%
製 品
製 品
50,698.8
50,698.8
97.38%
97.38%
リサイクル
リサイクル
1,089.4
1,089.4
2.09%
2.09%
環境報告
地球温暖化防止への取り組み
喫緊の課題である地球温暖化防止に向けて、当社は京都議定書の目標値である
CO2 排出量 1990 年度比 6%削減を上回る活動を続けています。
2009 年度の目標と結果
目標
結果
●CO 2排出量を1990年度比14.5%削減する
●1990年度比29.7%削減
(30,124 ton-CO2)
2009年度の取り組み
でVOC削減にも寄与している大阪事業所の事例を紹
CO 2 排出量に関して、省エネ法 ※1や温対法 ※2 を踏ま
えて自主的に設 定した1990年度 対比14.5%削減と
介します。
大阪事 業所では各種作 業に不 可欠な「排気ファン」
いう目標に対し、2009年度は29.7%削減となり、目
へのインバーター制御を導入し、設備稼働状況に応じ
標の倍以上の削減率を達成しました。
て自動的に過剰風量運転を抑制することで、年間を通
この数値は、各サイトの省エネ活動の継続成果もあ
じて省エネを図っています。
りますが、景気後退による生産量減が大きく影響して
インバーター制御による省エネは、工場のかくはん・
いることも背景にあります。しかし、2009年度の排出
分散設備や研究所の排気にも多く利用されています。
量 原単位は2008年度と同レベルに維 持することが
無駄なエネルギーを抑制し、かつVOC・悪臭も極力排
できました。
出しないという特性があるため、今後もさらなる工夫
通常、生産が著しく減少すると排出量原単位も悪化
で利用を拡大しCO 2 削減に貢献していきます。
するものですが、各サイトで生 産にかかわる省エネ活
設置概略図
動はもちろんのこと、蒸気・エアーの漏れ対策、ブース
・
仕込みふたが開 ( = 排気要 ) 状態のタンクが少ない時は、イン
バーターでファンを省エネ運転して過剰風量を抑制する。
乾燥設備・集じん設備への運転管理注力、エアコン・電
灯のさらなる省エネ提 案および投資など、徹 底した不
混合タンク
リミットスイッチ
溶剤洗浄槽
要エネルギー削減活動を行ったことにより、着実に成
果が現れました。
溶解タンク
1990 年度比 CO2 排出量関連指数の推移
原単位指数
1.1(指数)
1.0
1.00
0.9
0.89
0.8
0.89
CO22排出指数
0.99
0.97
0.88
0.87
0.89
0.86
0.7
0.6
1.03
’
07
1.02
排出口
消臭装置
0.76
0.74
’
90 ’
05 ’
06 生産量指数
’
08
排気
ファン
インバーター制御盤
0.70
0.69
’
09(年度) 1990 年度比 CO2 排出量削減率の推移
3(%)
0
-3
-6
-9
-12
-15
-18
-21
-24
-27
京都議定書の目標レベル
当社の目標レベル
大阪事業所の
インバーター制御盤
-10.9
-13.4
-13.9
’
90 ’
05 ’
06 ’
07
-23.6
’
08
今 後 も 省エネ法 の 改 正に伴 い 、これまで重 点 的に
-29.7
’
09(年度) ●大阪事業所の事例紹介
2009年度は設備使 用電 力のインバーター制御に
よる省エネが多くのサイトで実施されました。その中
省エネを進めてきた生 産拠 点を中心とした重 点サイ
ト以外に、営業所などの中小サイトにおいてもエネル
ギー使用量を把握し、さらなる省エネ活動を推進して
いきます。
※1:エネルギーの使用の合理化に関する法律
※2:地球温暖化対策の推進に関する法律
NIPPON PAINT CO.,LTD.
27
環境報告
廃棄物の削減とゼロエミッションの取り組み
廃棄物について徹底した分別を行い、可能な限り再資源化に努めることで発生量を抑制し、
環境負荷の低減につなげています。
2009 年度の目標と結果
目標
結果
●最終処分量を1990年度比99%削減する
(14t以下)
●1990年度比99.9%削減
(1.3t)
● 廃 棄 物のゼロエミッション
(再資源化率
100%)
を維持向上する
●100%維持
2009年度の取り組み
200 4 年度 以 降 継 続しているゼロエミッションを
を図りました。また、排出された 廃 棄 物が 持つ資 源的
価値を最 大限に有効利用するため、リサイクルなどで
2 0 0 9 年 度 も全社で 維 持 することが で きました 。ま
有価物として売却する取り組みを推進しました。
た、ゼロエミッションの質の向上として、廃棄物の分別
※1 廃 棄 物 の 焼 却 の 際 に生じる熱や 蒸 気 エネル ギ ー の 回 収・利 用
の徹底を図り、サーマルリサイクル ※1からマテリアルリ
※2 廃 棄 物を原 料として再 利用するもので、サーマルより上位のリ
サイクル法
サイクル ※2 への転換を推進し、環境負荷の一層の低減
各サイトの取り組み
る廃溶 媒の削減と、副効果として経 費削減、重 油 購入
工場・技 術 部門では、廃溶 剤の 燃料化、廃缶・段ボー
費 用削減にもつながりました。また、岡山工場 の廃 棄
ル・金属くずなどのリサイクル、塗料のサンプリング量
物削減の取り組みが評価され、岡山県知事よりエコ事
の削減などを行いました。また、事務部門では、ゴミの
業所として再度認定※されました。
分別徹底、印刷用紙の削減など地道な活動を続けてい
ます。
❶栃木工場
工場内の廃溶剤・廃塗料を再資源化する
(株)エコシ
ステムズ経由の廃棄 物を燃料化することで、マテリア
ルリサイクルを行いました。その結果、最終処分量をゼ
ロにすることができました。
また、原料袋を複数回使用できる大容量袋に切り替
えたり、ポリ容器洗 浄排水の再 利用、さらには洗 浄工
程 の改善、蒸留再 利 用や 溶 剤再生装置の 運 転 条 件変
更で収率アップ を図るなど、廃 棄 物 発 生 量・排水の大
ゼロエミッション事業所認定証
グリーン購入事業所認定証
※初回は2005年(平成17年)に認定
❸愛知工場
試験塗装ブースからの排水を、工場内の排水処理設
備により社内で処 理しました。また、自動車の電 着塗
幅削減を実現しました。
料のカチオン(陽イオン)排水もドラムドライヤー設備
❷岡山工場
ボイラー副生液燃焼システムで、廃溶媒を助燃剤と
物や処理コストの削減につなげました。
で社内処理化を行うなどし、社内から排出される廃棄
して利用しました。それにより樹脂合成工程で発生す
廃棄物最終処分量の削減
用するなど、直 接 埋 め立 てだけで なく間 接 埋 め立 て
(処分量14t以下)ことを目指し、活動してきました。具
をなくす活動を行いました。その 結果、1990年度 比
体的には、廃棄物排出から最終処分されるまでのルー
28
トを明 確にするとともに廃 棄 物を 資 源として有 効利
2009年度は処分量を1990年度比99%削減する
NIPPON PAINT CO.,LTD.
99.9%削減(最終処分量1.3t)を達成できました。
環境報告
グリーン購入・調達
原材料の購入および調達において自主基準を設け、環境負荷低減活動を行っています。
グリーン基準と調達
する調査を継続して実施しています。
商 品 開 発 にあたって、当 社 は 原材 料 調 達 時 から環
調 査 の 結 果、2009 年度の当社 基 準を 満たした事
境 負荷 低 減 を前 提に管 理しています。開 発 段 階 から
業所数は133に上りました。今後も当社グリーン調達
新 商品 の 配 合 決 定にお いては「グリーン基 準」を、資
基準の周知を継続し、さらなる環境管理レベルの向上
材 調 達では「グリーン 調 達 ガイドライン」を自主基 準
を図ります。
として定め、これら自主基準に基づいた商品開発を進
めています。
また、取引先から得た環境配慮型原材料情報は、当
社技 術 者に適切に提 供しています。2008年度は82
この取り組みの一環として、原材料購入金額月500
件の 情 報提 供があり、2003年度からの累計で899
万円以 上の取引先と製 造委託先に対し環境管理に関
件となりました。
グリーン購入法に基づく特定調達品目
グリーン購入法の対象品目となります。
グリーン購入法における「環境物品等の調達の推進
に関する基 本 方針」の変 更が2010年2月5日に閣議
決定され、
「 公共工事の特定調達品目」に「高日射反射
なお、従来からの特定調達品目も取りそろえており
ます。
詳しくは担 当営業またはお客さまセンターにお問
い合わせください。
率塗料」が新たに登録されました。
当社においては下表 の品目が今回新たに加わった
お客さまセンター:電話 03-3740-1120(東京)
06-6455-9113
(大阪)
工業用塗料分野
シリーズ名
ATTSU-9(4F) シリーズ
ATTSU-9(F) シリーズ
ATTSU-9(Si) シリーズ
ATTSU-9 ROAD(W) シリーズ
用途
屋根・屋上
屋根・屋上
屋根・屋上
屋上駐車場
塗料タイプ
4 フッ化フッ素樹脂塗料
水性フッ素樹脂塗料
シリコン樹脂塗料
水性アクリルエマルション塗料
・色相により対象外となる場合があります。
汎用塗料分野
工 程
上塗り
下塗り
TOPIC
製品名
サーモアイ 4F
サーモアイ Si
サーモアイ UV
サーモアイヤネガード
サーモアイシーラー
サーモアイプライマー
・屋根・屋上が対象となり、壁面への適用は対象外です。
・サーモアイ 1 液 Si・サーモアイ水性 Si は対象外です。
・下塗り・上塗りの組み合わせで対象となりますので、
セットでご使用ください。
・組み合わせで使用しない場合は対象外になります。
原材料調達先とのコミュニケーションよる品質向上活動
当社は、原材料由来の品質異常を極力低減するとともに、双方の化学物質管理やグリー
ン調達への取り組みなどについて相互理解を深めることを目的として、原材料調達先の
製造現場との直接コミュニケーションによる品質向上活動を行っています。
2009 年度は 17 社(うち海外 1 社)を訪問し、製造現場で視察や意見交換を行いました。
このように、原材料調達先とのコミュニケーションを密にし、相互理解と協力の下、
お客さまによりよい品質の商品を提供できるよう活動しています。この活動は今後も継
続し、不具合の改善、品質の一層向上、さらにグリーン購入の活性化につなげていきます。
品質向上活動における社内会議
NIPPON PAINT CO.,LTD.
29
社会性報告
従業員とのかかわり
従業員一人ひとりの活力をより高め、
「総合力」
「グループ力」を発揮できる職場環境づくりを推進しています。
人事制度
組織の活性化と従業員の幸福を実現させるため、さまざまな制度を設けています。
フィードバック
成長
仕事への
適用
評価
目標設定
経営戦略
役割
目標管理シート
学習
Off-JT
役割の明確化
実践
OJT
配置
ローテーション
キャリア・能力
開発計画立案
人事管理マネジメント
採用
人材開発マネジメント
人事処遇制度
果たす役割に
必要な人材像
目指すキャリアに
必要な人材像
を2007年度改定しました。
人事制 度 では、社 員個々の「やる気 」を引き出し、そ
一 般 社 員についても、上司とのオープンな「 話し合
れを総合力にまとめ上げることを目指します。そのた
い」に基づいて目標設 定と評価を行うことで、納得 性・
め、社員に対する経営の考え方を次のように定めてい
透明性のある制度とし、さらに2008年度からは左記
ます。
の考え方を反映した制度改定を行いました。この改定
においては、すべての社員が自分の職 務に自信を持っ
1.経営と社員の信頼関係を大切にし、活性化した企業風土を醸成する
2.
「働きがい」と「実績の向上」をチームワークを通じて実現する
3.社員の能力を最大限に発揮させる
この理念に基づき、基幹職(管理職)の人事処遇制度
定年再雇用制度
少 子高齢化による労働人口の減少と公的年金受 給
て取り組み、
「 やりがい」
「 働きがい」を感じながら従事
し、安心して 家 族 を 養っていける制 度としました 。ま
た、社 員自ら主体 的にキャリアを 考え、自己 実 現を支
援する自己申告制度も設けています。
導入し、ベテラン社員の保有する知識・技術・技能の活
用と後継者育成を図っています。
開始 年齢引き上げへ の対応として定 年 再 雇 用制 度を
働きやすい職場環境
安定した雇用を保証することと安心して働くことの
できる場を提供することは、従業員のためだけでなく、
1.
育児休業制度・介護休業制度
2009年度は、
11人が育児休業制度を利用しました。
2.
障害者雇用
社 会にも貢 献することにつながると考えています。当
2009年度の障害 者雇 用率は1.9%で、法 定 雇 用
社では右のような取り組みを通じ、働きやすい職場環
率の1.8%を上回っています。
境の整備を図っています。
3.
メンタルヘルスケア
社 外 のカウン セラーを 利 用 で きる仕 組 み を 導入
し、社員の心の健康管理にも注力しています。
30
NIPPON PAINT CO.,LTD.
社会性報告
人材開発
●人材育成に関する考え方(理念)
当社は、採用から配置・教育までを一元的に
“育成”と
人材育成は経営と社員にとって最重要テーマである
とらえ、人材開発部が中心となって、人材育成に取り組
1.経営はスポンサーシップを通じて人材育成に責任を持つ
んでいます。特に、全社一丸となって取り組んでいる「サ
2.健全な相互葛藤を通じて質の高いチーム活動ができる人材に育ち合う
バイバル・チャレンジ」においては、
「人」こそ危機を乗り
切るための最 大のファクターであると考え、人材開発
3.徹底的に考え、真因を見つけ、解決にあたる人材に育ち合う
●人材開発部の役割
と人材の活用をトータルで考えながら、さまざまな施
会社と社員の成長
策を展開、サポートしています。
育 成
外部環境
配 置
人材ローテーション
他社に最も差 別化できる企業内部の 経営 資 源は人
内部環境
人材開発部
採 用
していきます。
この制度は、若手社員には育成の観点から視野を広
材であり、人材育成および組 織の活 性化を図るため、
げ てもらい 、中堅 以 降 の 社 員には既 成 概 念にとらわ
2009年度は積極的に人 員のローテーションを行い
れない新たな発想を持って行動し、組織間のコミュニ
ました。2010年度以降もこれを継続し、積極的に実施
ケーションの円滑化を図ることを狙いとしています。
生産人材の強化
考え、自ら
“カイゼン”できる人材を育成する」を重点項
塗料メーカーとして、
「 ものづくり」という原点を見据
目とし、グループ全体の生産部門の中堅社員がそれぞ
え、とりわけ生 産部門における人材育成の強化に取り
れのテーマに取り組みました。その成果をグループメ
組んでいます。2008年度から生産本部と人材開発部
ンバーで 相 互 に 共 有し
が共同で推進してきた
“強い生産”を実現するための生
ながら、生産人材の育成
産強化プログラム活動「現場QA研究会」も2年目が終
とさらなる生 産 力 の 向
了し、生産人材を強化していくための現場風土が整っ
上に取り組んでいます。
てきました。2009年度は「後 継者を育成する」
「 深く
VOICE
現場 QA 研究会
育児経験により以前とは違った物の見方が可能に
2008 年 6 月から 2009 年 5 月まで育児休業を取得しました。当社は子どもを育てながら勤務す
る女性が多く、私が所属する経営管理部にも、現在私を含め 3 人の育児休業取得経験者がいます。
皆さん、職場復帰後活躍していて、休業取得に対する不安はありませんでした。復帰して最もあり
がたかったのは、その人たちのサポートです。どの人も子どもを保育所に預けて働くことが本当に
大変なことであると実感しているため、お互い助け合わなくてはという気持ちが強く、とてもよく
助けてくださいます。夫も積極的に子育てに協力してくれ、そんな周囲の協力や優しさに助けられ、
以前とは違った物の見方ができるようになったと思います。その意味でも育児休業を取得し、子ど
もを持って働いていることは良い経験になっています。
管理本部経営管理部
小林 美樹
NIPPON PAINT CO.,LTD.
31
社会性報告
労働安全衛生
安全な職場環境の確保は企業活動を行う上で最も重要であるという考えに基づき、
独自の安全理念を掲げ、積極的な取り組みを推進しています。
日本ペイントの安全理念
1. 安全なくして会社の繁栄なく、会社の繁栄なくして社員の幸せなし
2. 安全は企業活動の基盤であり、優れた業績の前提である
3. 安全管理の出発点は、人間愛と責任感にある
4. 安全管理の基本は、災害の未然防止と予防管理である
5. 防止できない人災はない。 全ての人災はゼロにすることができる
※ここでいう安全とは衛生、防災、無公害を含めた広義のものを指す
休業災害の状況
20 0 9 年 度、当 社 の 労 働 災害 件 数
(休 業・不休 業 災
害)は2008年度に比べて微増となり、11件(2008年
度9件)でした。
(『CSR報告書2009』記載の11件は集計範囲が
誤っていました)
事 故 の 型 別 で は「 有 害 物 な ど と の 接 触 」が 5 件
(46%)、
「挟まれ・巻き込まれ」が4件(36%)でした。
なお、当社の休業災害度数率は0.29
(前年度0)、グ
ループの国内関係会社では0.67
(前年度0.64)、海外
関係会社では1.98(前年度1.88)となりました。
休業災害度数率
(度数率)
(度数率)
1.5
1.5
1.0
1.0
0.5
0.5
0
0
0.93
0.93
0.92
0.92
0.26
0.26
1.49
1.49
'03
'03
'04
'04
0.88
0.88
0.29
0.29
化学工業
化学工業
1.12
1.35
1.12
1.35
0.99
0.88
0.99
0.88
0.29
0.29
0.28
0.28
'05
'06
'05
'06
塗料製造業
日本ペイント
塗料製造業
日本ペイント
1.44
1.25
1.44
1.10
1.25
0.84
1.10
0.84
1.08
0.72
1.08
0.72
0.29
0.29
0.29
0.29
0.00
0.00
'07
'08
'09(年度)
'07
'08
'09(年度)
日本ペイントグループ休業災害度数率推移
日本ペイント
日本ペイント
(度数率)
(度数率)
3.0
3.0
2.5
2.5
2.0
2.0
1.5
1.5
1.0
1.0
0.5
0.5
0
0
国内関係会社
国内関係会社
1.99
1.99
0.26
0.26
0.29
0.29
1.57
1.57
1.09
1.09
0.28
0.29
0.28
0.29
'03
'03
'04
'04
'05
'05
1.05
1.05
1.48
1.48
'06
'06
2.16
2.16
1.08
1.08
0.00
0.00
'07
'07
海外関係会社
海外関係会社
1.98
1.98
1.88
1.88
0.64
0.64
0.00
0.00
'08
'08
0.67
0.67
0.29
0.29
'09(年度)
'09(年度)
度数率=労働災害による死傷者数÷延べ労働時間数×1,000,000
度数率1.0は、500人規模の事業所で1年間に1件の休業災害が発生する頻度に相当する
労働災害ゼロを目指して
その結果、非製造部門における有害物との接触によ
度は「有害物などとの接触 」の災害件 数が多かったた
る薬傷の災害発生件 数は0件(前年度5件)となり、対
め、2009 年度は保 護 具 着用の 徹 底や 作 業 手順の見
策の成果が現れてきたものと考えられます。2010年
直しなどを実施しました。また、薬品や保護具取り扱い
度も、労働災害の低 減を目指し、安 全 活動を継続して
の教育、職場巡回の内容向上と回数増加などの対策も
実施していきます。
海外関係会社への安全環境支援活動
当社では生 産機能を持つ海外関係会社を対象に安
全巡回を行っています。
32
行いました。
研究開発部門などの非製造部門において、2008年
続して実 施し、各サイトにおいて自ら安 全 活動を強化
できる体質を作り上げることを目指して活動していき
ます。
2009 年度は17サイトを訪問し、火 災防止や重 大
また、安全巡回だけでなく、テレビ会議などを利用し
労働災害
(巻き込まれ、転落墜落)防止、環境保全対 策
て、災害対策・ノウハウの共有を行い、安全意識の向上
などを中心に指導を行いました。今後も安全巡回を継
を図っていきます。
NIPPON PAINT CO.,LTD.
社会性報告
安全環境活動に対する主な表彰
また、
( 社)日本化学工業協会から、以下の事業所が
2009年度に外部から安 全環境活動に対し表彰さ
無災害事業所確認証を授与されました。
れた主な内容を紹介します。
対象サイト
栃木
受賞内容
宇都宮危険物保安協会
刈谷労働基準監督署長、
(社)
刈谷労働基準協会長
愛知
岡山
福岡
NBC ※
労働福祉と
労働災害防止
無災害区分
1位
日本ペイント福岡工場
1
特別
奨励賞
日本ペイント栃木工場
2
日本ペイント岡山工場
2
エーエスペイント
2
高浜市危険物安全協会長
管理の徹底と災害の
表彰
未然防止
※無災害区分
高浜市長
自衛消防隊
区分 1:従業員数 100 人未満で無災害期間 10 年以上
寝屋川 寝屋川交通安全協会
大阪
消防隊競技会
大淀警察署
(社)岡山県消防設備協会
感謝状
無事故無違反
金賞
チャレンジコンテスト
区分 2:従業員数 100 〜 249 人で無災害期間 5 年以上
区分 3:従業員数 250 〜 499 人で無災害期間 3 年以上
無事故無違反
最優秀賞
チャレンジコンテスト
優良防火管理者
表彰
津山圏域消防組合
優良防火管理者
表彰
消防庁
優良危険物関係
事業所
表彰
※日本ビー・ケミカル(株)
安全環境トップ診断
安 全環境トップ 診断は、経営トップに代わり環境品
質本部管掌役 員が、労働安全衛生や環境活動など、レ
スポンシブル・ケア活動における年度ごとの地区活動
を診断するものです。2009年度は国内関係会社を含
めた12サイトを対象として実施しました。また診断内
容の向上を目指し、
「 第1次調査」
「 第2次調査」
「 トップ
診断」の三段階で実施しました。
そ の 結 果、各サイト の 抱 える問 題 点 を 抽 出するこ
とができ、現在は問題に対するフォローアップを実 施
しています。
安全環境トップ診断の様子(千葉工場)
今後も、安 全体質の一層の強化を図るべく、実 施方
法のさらなる見直しや改善を行っていきます。
社員の健康維持に向けた取り組み
2009 年 4月の 新 型インフルエン ザの 流行に関し
て、以下の対策を実施しました。
❶新型インフルエンザ対策本部の立ち上げ
❷海外渡航自粛決定
❸マスク着用やうがいの励行
さらに健 康 面 では、法 律で 定められ た特 定健 康 診
査、および特定保健指導を実施しました。このほか、快
適な職場の実現を目指して分煙化推進やメンタルヘル
スに関する各種研 修の実 施や相談 室の設置なども引
き続き行い、ソフト、ハードの両 面から従 業 員の 健 康
維持に努めています。
❹時差出勤の指示
❺消毒薬・マスクを配備するなど従業員の感染予防対策
NIPPON PAINT CO.,LTD.
33
社会性報告
お客さまとのかかわり
さまざまな角度から顧客志向体制強化に努めています。
「安全キャラバン」活動の継続
計11回行いました。その中には、顧客向け以外に、当
『 C S R 報 告 書 2 0 0 9』特 集 記 事 で 紹 介した「 安 全
社の製品を販売する販売店に対しての安全講習会が
キャラバ ン」の 活 動 を2 0 0 9 年 度 も 継 続して行 いま
2回ありました。メーカーである当社とユーザーであ
した。
る顧客をつなぐ販売店の社員が安全への理解を深め
「安 全キャラバン」は、当社が蓄積してきた静電気の
事故情 報や研究 成果を基にした「 静電 気安 全 教育」、
てもらえることは安全の質向上に大きな意味があり
ます。
また現場における危険物の保管や取り扱いに関するノ
2009年度も多くの受講者から好評をいただき、増
ウハウを社外に公開し、お客さまなどにおける操業安
加した 実 施依 頼すべてに対応 することが できなかっ
全向上を支援する活動です。
たため、次年度以降はさらに内容を深めつつ継続開催
2009 年度は、工 業 用塗料 の顧 客を中心に安 全 講
していきます。
習会や塗装現場診断を実施する「安 全キャラバン」を
顧客向けの安全講習会
販売店社員への静電気実演実習
お客さまセンター
お客さまセンターへのお問い合わせ内訳(2009 年度)
日本ペイントお客さまセンターは、お客さまからの
さまざ まなご 相 談に対し、適 切 で 迅 速 な 対応 を行っ
色彩、調色、
意匠など
5%
その他
17%
ています。お問い合わせやご意 見、ご要望、クレームな
どの各種情報はお客さまセンターで集約し、グループ
の 関 係 部 門 担 当 者に情 報を 伝 えるとともに、デー タ
ベース化して、商品・サービ ス提 供 の 改 善に役 立てて
います。
塗膜の
性能など
29%
環境、安全などに関して
2%
塗装の施工、
仕様に関して
47%
※一人のお客さまの
お問い合わせが
重 複している場 合
があります。
お客さまセンター:電話 03-3740-1120(東京)
06-6455-9113
(大阪)
34
NIPPON PAINT CO.,LTD.
社会性報告
社会とのかかわり
「共存共栄」の精神で社会貢献やボランティア活動を進めています。
大阪市より環境表彰
報 告 書としてそ の 数値 を広く公 表してい る。さらに、
日本ペイントの環境経営・活動に対し、
「 平成21年度
地域での落書き消しをはじめとした塗装作業や、清掃
大阪市環境表彰」が授与されました。
活 動 に参 加 するな ど地 域 社 会 へも貢 献してい る」が
「すべての 事 業 活 動(製 品およびサービ スを含む)
表彰事由です。
において、地 球環境の保全と生態 系の保護を配慮し、
2009年12月12日表彰式が行われ、ほかの4団体
エネルギー・資源の節約に努めており、
『 太陽熱高反射
とともに、環境品質本部管掌役員が平松大阪市長から
塗 装 』をはじめとした 環 境に負荷 の 少な い商品 開 発
賞状を手渡されました。
と、負荷低 減のための 技 術開発を進めるとともに、商
品の開発から廃棄に至るすべての段階で、環 境・安 全・
健 康に関しての配慮を行うなど、美しい環 境づくりに
寄 与する企 業 活動を実 施している。また、2010 年度
を 到 達 点とする環 境目標 を 設 定し、目標 達 成に向け
ての努力を続けることで、実績を毎年向上させ、CSR
大阪市からの表彰状
表彰式で平松大阪市長から賞状を
受け取る森田取締役(左)
塗料を使って“いいこと”
しよう
! 「Ecoto project(イーコト・プロジェクト)」
“地 球と子 供 の 未 来 のために 塗 料 を 使って 貢 献 を
体 は 2 0 0 9 年9月に 設 立 さ れ、
「『人 』に 愛 さ れ、
『社
行 い た い”という 考 え から 、2 0 0 9 年 6月「 E c o t o
会 』に愛され、
『 地 球 』に愛される施 工 店 を目指し、お
project(イーコト・プロジェクト)」がスタートしまし
客さまに『 安心・安 全・満 足 』を提 供し、塗 装による社
た 。このプ ロジェクトは 、専用ウェブサイトに登 録し
会貢 献・塗 装 業 界全 体 のレベルアップ を目指 す」全 国
た会員(どなたでも登 録可能)が 積み立てたポイント
から 集 まった 施 工 店 の チ ームで す。塗 料 による 社 会
が11,510(イーコト)ポイントに達 するごとに、抽 選
貢 献プ ロジェクトであ る「イーコト・プ ロジェクト」の
で 幼稚園や 保育園に対し、太 陽 熱高反 射(遮 熱)塗 装
理 念に共鳴し、今回の施工協力が実現しました。
を提 供 するというも ので す。いくつか の イーコト(=
同 団 体 な どの 協 力 を 得 な がら イーコト・プ ロ ジェ
良いこと)、例 えば マイはし 持 参 やゴミ拾 い 、地 域 の
クト は 、今 後とも 非 営 利 な 活 動として 継 続して い き
植樹運 動など会員が 参加したエコ活動をウェブを通
ます。
じて報 告すると30ポイントが 加 算されるなど、プ ロ
ジェクトが 指 定 する「イーコト」を 実 践 する 参 加 型プ
ロジェクトになっています。
Web
イーコト・プロジェクト
http://www.nippe-power factory.com/
ecoto/index.html
このたび 初 めて11,510ポイントが 達 成 され、第1
弾の塗装が 行われました。多数の塗装希望の中、神奈
川県伊 勢原 市三ノ宮の 伊 勢原 山 王 幼 稚園が当 選し、
同幼稚園の本 館屋根500m 2 に2010年3月29日と
30日に太陽熱高反射 塗装が施されました。
施 工には、任意団体の「塗魂(とーこん)ペインター
ズ」
( 原 島 信一 会 長 )が協力してくださいました。同団
美しく太陽熱高反射塗装が施された
伊勢原山王幼稚園本館屋根
日本ペイント販売の担当者と
塗魂ペインターズの皆さん
NIPPON PAINT CO.,LTD.
35
社会性報告
社会とのかかわり
大阪府より歩道橋塗り替え協力で今年も感謝状
2009年度も大阪 府の「歩道橋トライ事 業 」に協力
きました。
し、昨 年に 続 き感 謝 状を いた だきました 。今 回は、日
かわいい 絵も楽しめ、美しくなった歩 道 橋 は、近 隣
本ペイント寝 屋 川事 業 所に近 い 、寝 屋 川市 石 津 元 町
住 民 の 皆 さんから 好 評 を いた だ いています。学 生に
歩 道 橋 を同 事 業 所 隣 接 の 摂 南 大 学 学 生 が20 0 9 年
は塗 装 の 楽しさを感じてもらうことが でき、こうして
11月中旬から塗り替え作業を行い、12月初旬に完 成
多方面に喜んでいただける公共 施 設の美 観保護協力
しました。当社はグループ会社の日本ペイント販 売と
を当社は今後も続けていく予定です。
協 力して、塗 料 提 供やカラーデ ザインのアドバイス、
塗装指導を行いました。
きれいになった歩道橋には、
「 産・官・学連 携事 業 」の
プレートが 設 置され、塗料 提 供・技 術指 導 会 社として
当社の名前が載 せられています。また、歩道橋 の通 路
には近隣の寝 屋川市立石津 小学 校6年生が描いたタ
イル 製 の 絵 も 掲 示されており、作 者 の 小 学 生 たち か
美しく塗り直された石津元町歩道橋
摂南大学の学生による塗装作業
らきれいになった歩道橋へ の感 謝の 作 文も当社に届
近隣道路の清掃美化に対し大阪府より
「アドプト・ロード」の認定
『CSR報告書2009』で、大阪 府「メイクアップロー
2010年1月20日に大阪府枚方土木事務所の大西課
ドOSAK A」プロジェクトの「アドプト・ライト・プログ
長が同事業所を訪問くださり、
認定証をいただきました。
ラム」(道路照明灯の維持管理協力)協賛により日本ペ
イントと日本ライナーが大阪府より感謝状をいただい
たことを紹介しましたが、このたび、同プログラムで照
明灯がともる日本ペイント寝屋川事業所近くの主要地
方道 茨木 寝 屋 川線などを同事 業 所がボランティアで
行っている定 期清掃・美化活動が「アドプト・ロード・池
茨木寝屋川線に設置された「アドプト・
ロード・池田中町」のプレート
清掃・美化活動に参加した寝屋川事
業所の社員
田中町」として大阪府より認定を受けました。
3年連続で教員の民間企業研修に協力
こ の 研 修 協 力 は 、今 後 も 継 続 して 行 う 予 定 で、
2009年7月29日からの3日間、
( 財)経済広報セン
2010年度は、前年より多くの教員をお迎えする予定
ターからの要請を受け、
「 教員の民間企業研修」を行い
です。
ました。この協力は3年連続となります。
今回は、大阪市立平尾小学校、友渕小学校、南港桜小
学 校、西淀中学 校、文の里中学 校、玉津中学 校、第二工
芸 高等学 校から7人の先 生が 参加しました。参加者の
みなさんは、当社の 安 全へ の取り組みや、人材育成の
講 義など、充実したプログラムにたい へん満足してく
ださいました。
36
NIPPON PAINT CO.,LTD.
寝屋川事業所で協力スタッフとともに
記念撮影
安全訓練に取り組む参加者
社会性報告
2009年度も「理科大好き
“なにわっ子”育成事業」に協力
経済産業省と文部科学省が連携して取り組む「社会
2009年度の同育成事 業には29企業・3団体が協
人講師活用型教育支援プロジェクト」の大阪 版「理科
力し、91校(の べ15 4
大好き
“なにわっ子”育成事業」。日本ペイントとグルー
校 )11,6 8 3人の 児 童
プ会 社の日本ビー・ケミカルは2007年、2008年に
が、生きた 理 科 実 験 授
続き2009年度もこの事業に協力しました。
業 を 受 講しました が、
2 0 0 9 年 度 は O B 社 員3人と 現 役 社 員とが 3 組
日本ペイントグル ープ
に なって 講 師 を 引き 受 け、2 0 0 9 年10月2 2日から
は全 体 の 約1割に貢 献
2010年2月25日にわたり、合計で計11校30クラス
したことになります。
1,018人の児童を指導しました。
「水溶液の性質」について講義する日
本ビー ・ ケミカル OB 野末講師 ( 左 )
と日本ペイントの傍田講師
慶應義塾中等部の研修に協力
受講した中学生たち
2009年11月4日、慶應義塾中等部の要請を受け、
は 、楽しく研 修 に参 加
当社東京事業所内東京研 修センターで郊外学習を開
し、今 回 の 学 習を 通じ
催し、中学1年生の男子 生徒24人が参加しました。塗
て普段触れることのな
料や色についての講習、明治記念 館やショールームの
い 塗 料や 塗 装、そして
見学、はけやローラーによる塗装やブックエンドへの
日本ペイントに親近感
粉体塗装などの実習を体験してもらいました。
を持ってもらえたようです。
大淀中学校1年生が職場訪問学習で来社
質 疑 応 答、歴 史 館 見
2009年11月20日、本 社に近い大 淀中学 校の1年
学 など1時 間 ほどの 短
生5人が、職場訪問学習にやってきました。身近な職場
い訪問でしたが熱心に
を訪問することで、自らの育った地域を知り、さまざま
質 問 を する な ど、ど の
な職業について考え、自分の将来について見詰める目
参加者も興味 深く今回
的で大淀中学校から職場訪問の要請があり、本社で受
の職 場訪問に参加して
け入れました。
くれました。
寝屋川事業所の摂南大学への協力
また、2009年8月17日〜28日、同大学の2人の学
2009年7月3日、摂南大学経営情報学部の
「環境マ
生をインターンシップで受け入れ、環境マネジメントシ
ネジメントシステム講座 」が2008年に引き続き日本
ステム関連の経 験をしてもらいました。参加した学生
ペイント寝屋川事業所で開講されました。
からは
「 環境に力を入れている会社であることがよく
前回、好評だったことを受け、企 業 の環 境保 全 活動
理 解 で きた 」と感 想を
を 学ぶ 機 会を再度、寝 屋 川事 業 所が 提 供したもので
もらいました。
す。参加学生は前回の34人から80人に増え、会場の
今後も地域のさまざ
大会議室は満員になりましたが、学生たちは熱心に事
まな要請には精力的に
業 所長による環 境保 全の取り組み説明に耳を傾けて
応えていく予定です。
いました。
ローラー塗装実習を行う中学生たち
中学生たちの質問に対応する社員
地区の環境側面集約作業を行うイン
ターンシップ学生
NIPPON PAINT CO.,LTD.
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社会性報告
社会とのかかわり
栃木工場が国交省下館河川事務所より感謝状
『CSR報告書2009』でも紹介した「新鬼怒橋落書
状を授与しています。
き消し大作戦 」への協力と、毎年 秋に社 員と家族が河
2009年度の 表彰は、7月27日同事務 所内におい
川敷を清掃している活動に対し、国土交通省関東地方
て授与式が行われ、吉岡栃木工場長が代表で出席し、
整 備局下館 河川事務 所から日本ペイント栃 木工場に
ほかの6団体とともに感謝状を受け取りました。
感謝状が贈られました。
同事務 所は、毎年7月の河川愛 護 月間において、河
川愛護意識の醸成を図ることを目的に、河川の大切さ・
楽しさや怖さなど、河川に関する理解と関心を深める
活動や、川とのつながりの中で地域の活性化や地域環
境の美化、子供たちへの環境教育など地域に貢献し、
ほかの模範となる活動を行っている団体・個人に感謝
表彰 式での記 念 写 真(中央左 横が
吉岡工場長)
大阪府八尾土木事務所より落書き撲滅の協力に対し感謝状
2009年9月17日、大阪 府八 尾土木事務所より、同
れ 変 わりました 。塗り替
事務所が落書き撲滅大作戦の一環として行った「アー
えプロジェクトは地元の
トペイントプロジェクト」への協力に対し、感謝状をい
人々にたい へん 好評で、
ただきました。
完 成 披 露 会を 兼 ね た 感
今回、落書きの塗り替えが 行われたのは、近隣に花
謝状授与式にも多くの関
園ラグビー場がある東大阪市の池島地下歩道です。こ
係者が集まってください
の地下歩道は落書きがひどく、治安の面からも落書き
ました。
多くの地元住民が参加した塗り替え作業
消去が望まれていました。
真夏の8月22日と23日、複数の地元自治会、婦人会、
子供会の皆さんが集まり、東大阪市にある近畿大学美
完成披露会で辰谷八尾土木事務所長
から感謝状を授与された日本ペイント
販売上村近畿支店長(左)
術部学生のデザイン指導のもと、塗り替え作業が行わ
れました。落書きのせいで暗いイメージのあった地下歩
道は見違えるように明るく楽しい雰囲気の歩道に生ま
TOPIC
塗り替えで明るくきれいになった東大
阪市の池島地下歩道
CDP2009 に国内塗料製造会社として初めて参加
ステークホルダーが企業に求める情報開示領域はこれまで
財務情報が中心でしたが、
近年は財務情報以外にも年々広がり
います。
当社はこのCDPの調査対象会社が拡大したことに伴
い、
2009年度、
国内塗料製造会社として初めて参加しました。
を見せています。
その中でも、
気候変動に対する取り組み、
アカ
当社はレスポンシブル・ケア活動を通じて、
気候変動などに
ウンティング情報開示や、
それらに対するガバナンス状況など
かかわる取り組みを継続的に実施し、
スパイラルアップを図る
の情報は、
投資家がその企業が投資するに値する企業かどうか
とともに、
これらの活動結果の情報をステークホルダーの皆さ
を判断する重要な情報となっています。
まに積極的に開示していくことで、
持続可能な社会を担うに値
資産総額55兆ドルを管理する475社の機関投資家が連携
する企業として認知されることを目指していきます。
し、
気候変動により企業が直面するリスクおよび機会に関す
る情報開示や具体的な温室効果ガスの排出量の公表を求める
「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト
(CDP)
」
は気候
変動情報開示に対するプロジェクトとして最も広く知られて
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NIPPON PAINT CO.,LTD.
Web
http://www.cdproject.net/
社員のCSR意識調査
当社ではCSR活動の浸透促進と社員の意識調査のため2008年度、2009年度とアンケート調査をグループで実施
しました。調査によって抽出された課題を含め、今後もCSR活動の改善、促進を図っていきます。
■回答状況
2009年度
2008年度
回答率
回答率
当社
63.6%
70.4%
関係会社ほか
45.3%
52.6%
合計
53.8%
60.9%
※役員・契約社員を含む
「CSR活動」の理解は年々増加傾向に
2008年度に新たに定義したCSR活動を「理解している」
「知っていて当然」という意識からか、CSR活動を「上司・
「理解は不十分だが知っている」と回答した人は2008年度
部門長から説明を受けて知った」は30%から23%に低下し
の44%から、2009年度は63%に増加しました。また、
ました。
■「CSR 活動」の理解度
■「CSR活動」を知ったきっかけ
理解不十分だが認知 31%
2008年度
地球環境委員会などの活動 2%
理解 13%
知らない
26%
2008年度
上司・部門長から
30%
社内報掲載記事 62%
他部門・他社の人から 3%
その他 2%
聞いた・見たような気がする 30%
知らない 12%
2009年度
理解 25%
理解不十分だが認知
30%
無回答 1%
地球環境委員会などの活動 2%
2009年度
聞いた・見たような気がする 25%
社内報掲載記事 72%
上司・部門長から 23%
他部門・他社の人から 2%
その他・無回答 1%
職場のCSR 活動は「安全・環境活動」が主流で活性度は少し低下
活動の重点ポイントは「安全・環境対策」が最も多く
CSR活動の活性度は前年度に比べ少し低下気味ですが、
53%、次いで「リスクマネジメント(コンプライアンス)」
63%が「非常に活発」または「活発」にCSR活動が行われ
の39%でした。職場でのCSR活動が「行われていない」は
ていると回答しており、日常業務と一体になった活動が定着
2008年度の4%から2009年度は2%に減少しました。
しつつあります。
■職場のCSR活動の重点ポイント
■職場のCSR活動の活性度
社会貢献 6%
2008年度
リスクマネジメント
32%
非常に活発 8%
2008年度
安全・環境 58%
活発 63%
活動なし 4%
ほとんどなし 2%
その他に重点 1%
社会貢献 3%
2009年度
リスクマネジメント
39%
安全・環境 53%
活動なし 2%
何とも言えない
27%
非常に活発 6%
2009年度
無回答 2%
活発 57%
何とも言えない
34%
ほとんどなし 1%
その他 1%
無回答 1%
理解度チェックの平均正解率は 76.4%
CSRにかかわる基礎知識を問う理解度テストも同時に行い
ました。2009年度の平均正解率は76.4%、全問正解できた
全問正解率18.2%で、年々理解が進んでいるという結果が今
回のアンケートで判明しました。
のは全体の34.3%でした。2008年度は平均正解率72%、
NIPPON PAINT CO.,LTD.
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お問い合わせ先
日本ペイント株式会社 総務部
TEL:06-6455-9141 FAX:06-6455-9278
http://www.nipponpaint.co.jp
このカタログの印刷は、
環境にやさしい
植物性大豆油インキを使用しています。
GP100611T