RAYLASE ガルバノスキャナー導入ガイド

RayLase ガルバノ加⼯システム導⼊ガイド
本資料はレイレーズ社(ドイツ)のガルバノスキャナーの導⼊を検討されている⽅向けの基本知識を記述した
ものです。
1.システム基本構成例
下記構成図は典型的なガルバノシステム構成例になります。⻘のアイコンはレイレーズよりの購⼊品で、
⾚のアイコンはお客様準備になります。
LM (laser modulation)
LM_GATE信号
パーソナルコンピュータ
※
D-SUB 9pin
※
レーザシステム
コントロールボート(PCI)
SP-ICE card
ガルバノ
XY2-100プロトコル※:D-SUB 25pin
スキャナ
D-SUB 9pin
マーキングソフトウエア
weldMARK 2.0
F-theta レンズ
電源ユニット
Voltage: ±15〜±18V
お客様準備
レイレーズ供給
レンズリング
コレクション(補正)ファイル※
Current 2.5A〜3A,RMS, max. 10A
X軸、Y軸で計2台必要です。
レイレーズ供給も可能です。
・パーソナルコンピュータにはコントロールボードをセットするPCIスロットが必要になります。
・レーザー制御信号は、Laser Modulation(トリガー) ,LM_GATE(ゲート), FPS (第1のパルス抑制) および
アナログパワー信号でコントロールします。
・XY2-100はガルバノスキャナーの⾼速シリアル通信プロトコルでレイレーズはこれをベースに
ガルバノスキャナーをコントロールしています。
・外部シグナルからのマーク開始、終了をサポートしています。
・コレクション(補正)ファイルはミラー、F-thetaレンズを経由して発⽣する樽型の歪みを補正する
データファイルです。
2.加⼯イメージ
ガルバノ原理
ガルバノスキャンユニットはX軸のミラーとY軸のミラーで偏向することによって2次元のワークエリアの任意のポ
ジションを照射することが出来ます。この加⼯エリアはSP-ICEでは16bitの分解能をもっています。
※18bitの分解能をもつ、SP-ICE2は現在開発中です。
ガルバノスキャナーヘッド
レーザ、コリメーター
ガルバノ X-軸
レーザ⼊⼒アパーチャー
QRコードの微細加⼯例
ガルバノ Y-軸
補正前の樽型の歪み
携帯電話ボタン加⼯例
加⼯エリア 16bitの分解能 (65,536 x 65,536 bits)
例:加⼯エリア100x100mmの場合は約1.52μmの分解能になります。
加⼯エリア
F-thetaレンズの選定やスキャナタイプ(2D,3D)により変わります。
2Dスキャナー例: f =100 70mmx70mm, f=200 140mmx140mm, f=300 210mmx210mm
3Dスキャナー例(ワーク可変) : 100mm x 100mm 〜 300mm x 300mm,
200mm x 200mm 〜 600mm x 600mm
600mm x 600mm 〜 1,500mm x 1,500 mm
対応波⻑
YAG 1,064nm、倍波 532nm、3倍波 355nm、広帯域 400nm〜1,064nm、Diode 800nm〜980nm、CO2 10,600nm
各波⻑専⽤のガルバノシステムになります。※ミラーに各波⻑⽤のコーティングを⾏い、熱耐久性のある光学接着剤で取り付け
ますので、交換不可です。購⼊時にご使⽤の波⻑をご指⽰ください。
波⻑別使⽤⽤途
10.6um(CO2) 主に加⼯機やマーキング⽤途で使⽤されます。 波⻑が⻑いため、ガラスなどにも吸収されやすく透明体への印字
に適しています。
1064nm (Nd:YAG) 汎⽤マーキング⽤途で使⽤され、樹脂材を始め⾦属材へのマーキングやトリミングなどの加⼯⽤途で使⽤さ
れます。⾦属表⾯でのレーザ光の反射率が低く、エネルギー損失が抑えられ、⾦属への加⼯がしやすくなります。
532nm(⼆倍波) シリコンウエハなどへのソフトマーキング⽤途、微細加⼯での使⽤。
355nm(三倍波)LCDの印字、リペア加⼯、VIAホール加⼯(プリント基板の⽳加⼯)
※ただし、実際に波⻑の違いだけでなくレーザ機器のパワー、繰り返し周波数の違いによってもマーキングや加⼯の仕上がりは
異なりますので、考え⽅の参考にしてください。
オプション
MOTF(マークオンザフライ)・・・ベルトコンベアなどの機械の動きに同期してマーキング
Master/Slave構成・・・複数(4台まで)のスキャンヘッドを使⽤した構成
IPGインターフェースボード・・・IPG社types B, B1, B2, D・ D-SUB 25のレーザを専⽤のインターフェイス。
オートキャリブレーション(AC)・・・ゲイン・オフセットドリフトを修正し、300μradの再現精度を 50μradに改善します。
ロードリフトオプション(LD)・・・⽔冷でロングタームドリフト(25h)の再現精度を200μradに改善します。
ハイスピードオプション(HS)・・・軽量ミラー(Be等)を採⽤し、標準よりも⾼速なマーキングが可能になります。
各軸のドリフトデータの例 ※Drift per axis
※WD 100mmの
場合
Repeatability :
Long-term Drift over 8 hours:
ロードリフトオプション(LD):
オートキャリブレーション(AC):
20μrad
2μm
<300μrad
30μm
200μrad
20μm
50μrad
5μm
3. レーザ設定
ご使⽤になられるレーザに合わせてドライバーを設定できます。CO2, YAG等のレーザの種類やパルス、
CWや繰返し等の設定項⽬をウィザードに⼊⼒する形で設定できます。
テンプレートに登録されているレーザーの設定(下記参照)や個別のレーザ向け
にカスタマイズの設定ができます。
テンプレートに登録させているレーザリスト:
Lee800シリーズ、Synrad48(Evo100)シリーズ、Coherent (K, GEM, G)シ
リーズ、Laser Photonics Fantomシリーズ、Universal UL/ULCシリーズ、
Laserline DioScan、Rofin SCxシリーズ、IPG (パルス系)、SPI-Laser(Basic,
RM-Type, Extended Fiber)
レーザのタイプ
繰返し周
波数のレン
パルス or CW
ジ
⼊⼒電圧と
ON/OFFの
時間の割合
ティックル信号
繰返し周波数のレンジ
出⼒変更のディレイ
レーザ制御でSP-ICEより出⼒される信号の例
Laser Modulation (トリガー信号)
LM_GATE (ゲート信号)
LMとLM_GATEの組み合わせ(イメージ)
Analog output (パワー制御)
0V 〜 10V
First pulse suppression(FPS機能)
⽴ち上がり数パルスに現れるパルスエネルギーの過剰上昇を抑える機能です。
4. ソフトウエアの概要( weldMARK2.0)
weldMARK2.0を使⽤することによって、QRコード、バーコード、画像、⽂字列、基本図形(線、ポリ
ゴン)、CAD図⾯(DXF)、⽳あけ等の加⼯をオブジェクトとして配置することにより、簡単に⾏えます。
・システム組み込み
API(マーキング⽤のコマンド群)を利⽤して、VC++、VB等の開発環境でCOMserverアプリケーションを
作成できる、SDK(ソフトウエアデベロップメントキット)もご利⽤になれます。
バーコード
写真や絵
QRコード
基本図形
CADからインポートした図
形
基本図形の塗りつぶし
ドリリング
weldMARKに配置した、バーコードや⽂字列、図形などのオブジェクトの位置、回転、スケール、サイ
ズ、等の変形を⾏うことが出来ます。
加⼯速度やレーザーパワー、各種ディレイ、塗りつぶし処理など詳細な加⼯設定をすることが出来ます。
微細加⼯や素材の表⾯処理から意匠のマーキングなど幅広いアプリケーションをサポートできます。
⾰製品へのマーキング
ペットポトルへのマーキング
⾷品容器のイージカット加⼯
5. スキャンヘッド製品別特徴
実験から産業⽤途など様々な⽤途に向けてラインナップ、ハイパワー仕様で最⾼5,000Wまで対応可能です。
2軸レーザスキャンシステム
MINISCANシリーズ
⼩型、軽量 エントリーモデル、研究、実験等に
レーザー⼊⼒⼝径(アパチャー): 7mm、9mm
SUPERSCANⅡシリーズ
スピード 10〜7m/s
ハイスペックモデル、⼩型、軽量、⾼精度な加⼯向け
レーザー⼊⼒⼝径: 10, 15, 20, 30mm スピード 7〜5.2m/s
※φ10mmモデルは
10m/s
オプション:AC, LD, HS (アパチャー15mmは9m/s、30mmは6m/s)
DIGITAL SCAN シリーズ
フルデジタル、ポジションフィードバック
レーザー⼊⼒⼝径: 10mm、15mm、(20mm、30mmは2013年以降発売予
定)
スピード 10〜7 m/s
TURBO SCAN シリーズ
⼯業⽤途モデル・・・⾃動⾞業界等に⾼出⼒CO2
レーザの組み合わせで使⽤されています。
レーザー⼊⼒⼝径: 10〜 30mm
スピード 8〜4 m/s
3軸レーザスキャンシステム
AXIALSCAN
ワイドスキャンエリアを必要とするアプリケーションに最適
(ビームサイズ20〜30mm径)
CO2レーザ: 100mm×100mm〜1500mm×1500mm
YAGレーザ: 200mm×200mm〜1200mm×1200mm
FOCUSSHITER
Z軸⽅向の可変制御により幅広い加⼯要求に最適
レーザー⼊⼒⼝径: 10〜 30mm
可変範囲: +/-15mm(1064mmf-Theta/f=160mm)
可変範囲: +/-10mm、+/-15mm(10.6µmf-Theta/f=200mm)
6. 3Dスキャナー(AXIALSCANシリーズ)のご紹介
3DスキャナーはXY2軸スキャンヘッドに、直線上に動作するZの3軸⽬を追加したスキャンシステムになります。
3Dスキャナーのメリット
・ワイドなフィールドサイズ
・・・ 〜1,500mm
・フォーカススポットサイズの⼩ささ
・・・2軸スキャナに⽐べ、約半分のサイズ
・加⼯エリア、中⼼と端の差が⼩さい
・・・約10%の差
・フィールドサイズを変更可能
・・・LTM(Z軸)の調整でてきます
・リアル3Dマーキングが可能
・・・3D形状へのマーキング
3D DXFデータより加⼯
FOCUSSHITERは3DスキャナーにF-thetaレンズを合わせて使⽤することでマークフィールドのZ平⾯
をスライス状に移動する加⼯機です。こちらの製品を便宜的に2.5Dと呼んでいます。
7. スキャナー選定に必要な情報について
下記の項⽬の情報を頂けますと、多様なラインナップから最適のスキャナーシステムが選定できます。
・使⽤レーザ (機種:
波⻑(
)
)
出⼒(
)
パルス⻑(
)
) ビーム品質M2(
ビーム径(
)
・マーキング内容
フィールドサイズ(
)
スポット変動(中⼼/端)を重視するか(
加⼯速度(
)
スポットサイズ(
) 許容ドリフト(
)
⽔冷オプション (400W以上のレーザシステム向け
)
オートキャリブレーションオプション(精密加⼯向け
)
MOTF(
) Master-Slave(
)
必要加⼯精度(
) その他(
)
)
・⽤途/アプリケーション
マーキング / カッティング / Engraving(彫刻) / スクライビング / 溶着 / Kiss-Cut(ハーフカット) / ⽳あけ
その他(
)
・素材/マテリアル
⾦属 (
) / シリコン / ⽪ / 紙 (
) / その他(
)
・3Dスキャンシステム⽤
リアル3D加⼯ / 2.5D加⼯
必要なフォーカスレンジ:Z軸トラベル (
サンプルのCAD図⾯ (DXF供給またはラフスケッチで)
メモ欄
)