UWCの概要

資 料 第 1
UWCの概 要
2014年1月
(公社)UWC日本協会
Ⅰ.UWCのプロジェクト
UWC(United World Colleges)は、世界各国のUWC National Committees が選
抜・派遣した生徒(日本の場合、派遣時、高校2年生)を中等教育期間終了前の
2年間受け入れ、国際感覚豊かな人材を育成することを使命としている。
UWCの本部はロンドンにあり、その運営は常任理事会(UWC Executive Board)
があたっている。国際理事会(UWC International Board of Directors)と5年毎に開
催される国際評議員会(International Council)は、UWCの運営について助言を行っ
ている。
UWCの最初のカレッジは、1962年にイギリスに開校したアトランティック・カレッジで
ある。その後、ピアソン・カレッジ(カナダ:1974年)、東南アジア・カレッジ(シンガポ
-ル:1975年)、南部アフリカ・カレッジ(スワジランド:1981年)、アドリアティック・カ
レッジ(イタリア:1982年)、アメリカン・ウェスト・カレッジ(アメリカ:1982年)、シモン・ボ
リバル農業専門カレッジ(ベネズエラ:1988年、2012年閉校)、香港カレッジ(香港:
1992年)、レッド・クロス・ノルディック・カレッジ(ノルウェー:1995年)、マヒンドラ・カレッ
ジ(インド:1997年)、コスタリカ・カレッジ(コスタリカ:2006年)、モスタル・カレッジ(ボス
ニア・ヘルツェゴビナ:2007年)、マーストリヒト・カレッジ(オランダ:2009年)、UWCロバ
ート・ボッシュ・カレッジ(ドイツ:2014年)、UWCディリジャン(アルメニア:2014年)が開
校し、現在、世界で14校のカレッジがある。UWCは今後も世界各地にカレッジを
開設していく計画をもっている。UWCは国際感覚豊かな有能な人材を多数養成
しており、国際的な相互理解という点でも大きな貢献を行っている。
Ⅱ.カレッジにおける教育
カレッジでの教育は、世界の多くの大学で入学資格として認められている国際
バカロレア(International Baccalaureate=IB)のカリキュラムにのっとっており、
各国から招聘された優秀な教師陣が授業を行っている。生徒たちはこのIBのディ
プロマを取得すべく、勉学に励んでいる。
一般に各IB科目の要求水準は高く、幅広い知識とともに深い理解力・洞察力
が要求される。これに対して、カレッジ側の生徒への配慮は大変きめ細かい。例
えば、各生徒には担任としてテューターがおり、定期的に勉強の進み具合を話し
合う。また、テューターは、学習方法、進路指導、その他生活一般について生徒
を指導し、良き相談相手となってくれる。授業は少人数のクラスで行われ、活発
な討論を交えた密度の濃いものとなっており、科目によってはゼミ形式が採られ
たり、自主研究が課せられることも多い。また、UWCが国際的な学校であるこ
とから、授業で扱われる問題も国際的なものが多く、授業での活発な討論を通
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じて、教科書からは得られない多くのことを学ぶことができる。こうした環境
の中で、生徒たちの知識と判断力が向上していく。
また、社会への奉仕活動にも熱心に取り組んでいる。IBのプログラムの一環と
して、社会福祉・海難救助・山岳救助・海洋生物調査・森林整備などの活動を
行っている。奉仕活動は通常週2回、午後に行われており、カレッジでの生活に
おいて重要な役割を果たしている。これらの活動はUWCならではのもので、日
本の高校では経験しがたいものが多い。青年期におけるこうした経験は、責任
感や友情を育て、地域社会との交流にも役立っている。また、奉仕活動を通じ
て、生徒たちはカレッジの理想とする国際理解をさらに深めている。
奉仕活動のほかに、各生徒はIBのカリキュラムに従って、芸術系と体育系のアク
ティビティ(日本のクラブ活動に相当)に参加することが奨励されている。
(* 国際バカロレア(The International Baccalaureate=IB)については別紙参照)
Ⅲ.2014年度派遣予定のカレッジ各校の紹介
(1) アトランティック・カレッジ (United World College of the Atlantic)
英国はウェールズの首都カーディフから西に約40km、ブリストル海峡に臨む位置に、
アトランティック・カレッジ(AC)がある。ACは1962年、英国空軍中将ローランス・ダー
ヴァル卿、クルト・ハーン博士、そして初代学長となったデズモンド・ホール氏など
有志の尽力により、最初に設立されたUWCの学校である。当初は男子生徒のみ
で開校し、カリキュラムも英国の教育制度に沿ったものであったが、1969年に男女
共学となり、1971年からは国際バカロレアのカリキュラムを採用した。
ACの中心となる建物は13世紀に建てられた古城で、現在ここには大ホール、
食堂、図書室、集会場などが置かれている。まわりには近代的な校舎、実験室が散
在し、生徒は授業ごとにそれぞれの教室に移動する。生徒数は約300人、国籍は70
カ国にわたっている。また、生徒全員のための寄宿設備として7つのハウス(寮)
がある。各ハウスの収容人数は約50人で、原則として1階に男子生徒、2階に女
子生徒というように分かれており、簡単なキッチンがついた団欒のための部屋
(デイルームと呼ばれる)がある。各ハウスには寮監督の教師とその家族が住み、
生徒の学習や生活面の指導を担当している。他の主な施設としては、生徒たち
の憩いの場であるソーシャル・センターやアート・センター、屋内・外プール、テニス
コート、沿岸パトロール基地、牧場などがある。
(2) ピアソン・カレッジ
(Lester B. Pearson United World College of the Pacific)
カナダ太平洋岸、アメリカとの国境に近いバンクーバーからフェリーで1時
間半南下すると、バンクーバー島のヴィクトリア市に到着する。そこからさら
に車で1時間、ペダー湾に面したピアソン・カレッジ(PC)が視界に入ってくる。PC
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は1974年に設立されたカレッジで、設立に尽力したカナダ元首相でノーベル平
和賞を受賞した故レスター・B・ピアソン氏の名前を冠している。生徒数は約
200人、国籍は5大陸80カ国にわたっている。
PCの特色は、カレッジを単に従来の意味での「学校」としてではなく、ひと
つの共同体、もしくは「村」として運営していることである。また、生徒の自
由とそれに付随する責任を最も重視しているため、カレッジには規則と名のつ
くものは存在しない。
カレッジの寮は「ハウス」と呼ばれ、カナダの有名な建築家R・J・トム氏の
設計により、教師と生徒が家族的な雰囲気で、勉強や生活ができるようになっ
ている。ハウスは周囲の美しい自然にマッチした山小屋風の建物で、5棟から
なっている。うちひとつは、日加両国の友好親善を図るために日本政府と企業
の支援により建設されたもので、「ジャパン・ハウス」と名付けられている。
それぞれのハウスは、1階に女子生徒、2階に男子生徒というように分かれ
ている。また、ひとつの部屋にはなるべく異なる文化圏の生徒を入れることを
原則としている。このほか、デイルームと呼ばれる居間、洗面所、洗濯室、教
師とその家族の部屋がある。デイルームは昼間は教室、夜は生徒たちの団欒室
となる。また、22時30分以降は他の生徒の部屋への訪問は禁じられ、それ以後
の用談、懇親等はデイルームなどを使用することになっている。
(3)
アドリアティック・カレッジ(United World College of the Adriatic)
アドリアティック・カレッジ(AD)は、ベニスから車で2時間ほどのドゥイノ村にある。
ドゥイノはアドリア海に面した閑静なリゾート地で、スロベニアとの国境にも近い。
ADは1982年、UWCで初めて英語圏外の国に開設されたカレッジである。
そのため、他のカレッジとは異なるいくつかの特徴が見られる。そのひとつは、
生徒総数約200名のうち約3割をイタリア人が占め、イタリア語が必須科目となって
いることである。しかし、IBでイタリア語を選択するかどうかは本人の自由であ
る。また、ADにはカレッジというまとまった領域がないのも大きな特徴である。
カレッジ独自のキャンパスはなく、校舎、図書館、寮などの施設は村の中に点在し
て、ドゥイノ村自体があたかもカレッジであるかのような雰囲気を醸し出している。
カレッジでの朝食はそれぞれの寮のキッチンでとり、昼食と夕食は食堂でと
ることができる。運動場やプールといった設備はないが、地域のグラウンドや
体育館、プールを使用できる。また、夏になれば、カレッジ専用のビーチで泳
ぐこともできる。
寮は6つある。個人の家を改築したものもあり、それぞれの寮が独自の雰囲
気をもっている。寮にはハウスマスターがいて、生徒の生活を指導しているが、
厳しい規則はほとんどなく、生徒は自分の家にいるようにのびのびと生活して
いる。
ADがドゥイノという村の中に存在することの意味は大きい。村人と接する機会
が多く、カレッジ自体が外界と孤立することなく、イタリア社会のなかに自然に溶
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けこんでいるからである。
(4) アメリカン・ウェスト・カレッジ
(Armand Hammer United World College of the American West)
アメリカン・ウェスト・カレッジ(AW)は、ニューメキシコ州のアルバカーキから北へ
150km、車で3時間ほどのロッキー山脈の中腹の町モンテズマに位置する。その名
の通り、アメリカの実業家故アーマンド・ハマー氏の尽力により1982年に設立された。
生徒総数は約200人、国籍は70カ国以上に及ぶ。
AWは、100年ほど前にホテルとして建てられたモンテズマ城を中心に、その周
囲に4つの校舎と購買部などが置かれたキャンパスセンター、4つの寮(男性寮2、
女性寮2)、さらにテニスコート、バスケットボールコート、サッカー場、Hot Springs
(温泉)など各種設備が整っている。また、それぞれの寮のデイルーム(居間)には
台所用品や洗濯機、乾燥機、アイロンなど、生活に必要なものが一通り揃ってい
る。寮ごとのミーティングやパーティーもここで開かれる。
海のないAWでの野外活動の中心は山岳活動である。特にSearch & Rescue
Team(山岳救助隊)は、近くの山で遭難した人の救助に大きく貢献している。週
末には各種のスポーツ大会、キャンプ、スキーツアーなどがあり、自由に参加でき
る。
さらに、学業やスポーツだけでなく、生徒の国際社会に関する幅広い知識の習
得にも重点を置いており、これに関係した行事が多い。例えば、各分野の専門
家を招いたり、生徒自身が自国の現状や問題点について語るなどして、毎週違
ったテーマで討論会を開いている。
地域の人々との交流は、他のカレッジと同様、社会奉仕活動や文化活動を通じ
て行っているが、“Get-Away Family”と呼ばれるプログラムもある。これは、生徒
一人ひとりが近くの町にホストファミリーを持ち、週末など暇な時にホストファミ
リーを訪れ、自由に交流を深めるというプログラムである。
(5) 香港カレッジ (Li Po Chun United World College of Hong Kong)
香港カレッジ(HC)は、香港の実業家 リー・ポー・チュン氏と香港政府の協力によ
り設立され、1992年9月に開校した。カレッジは静かな住宅街である新界(ニュー・
テリトリー)の沙田地区にあり、緑に囲まれたカレッジからは、美しいトロ湾を望むこ
とができる。
現在、約230名の生徒がカレッジに在籍し、IBにのっとった教育を受けている。
生徒の約30%は中国人で、残りは世界中から集まった生徒たちである。20名余
の教師も世界中から招聘され、校内にある住居で家族とともに生活している。
授業は全て英語で行われるが、非中国語圏からきた生徒は、第2外国語として
中国語を学ぶことを奨励されている。カレッジでの社会奉仕活動は、恵まれない
子供たちの施設や老人ホームの訪問が行われている。課外活動では、水泳、ヨット、
カヌー、クロスカントリー、登山、オリエンテーリングなどのスポーツが行われている。
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また、3月のプロジェクト・ウィークには、生徒の半数以上が中国旅行に出かけてい
る。
カレッジには、カフェテリア式の食堂、キャンパスストア(購買部)、テニスコート、グ
ラウンドなどの設備が整備されている。また、プール、図書館、コンピュータ装備
のAVルーム、実験室等が授業や自主学習で利用される。校舎は広々とした近代
的な建物で、中庭に日本庭園をつくることも検討されている。寮は男子寮と女
子寮に分かれており、海外から入学した生徒のほとんどが入寮している(寮は4
人部屋)。
(6) マヒンドラ・カレッジ(The Mahindra United World College of India)
マヒンドラ・カレッジ(MC)は、ムンバイ(旧ボンベイ)近郊の学術・文化都市プーネ
から車で1時間ほどの風光明媚な山々とムラ川を望む地に、インドの実業家ヒンド
ラ家からの基金により、1997年9月に設立された。現在生徒数は約200名で、イン
ド人の生徒が2~3割を占め、70を超える国から生徒が集まっている。
MCは生徒の住居を、中庭とベランダを持つインドの伝統的な家としている。ま
た、自然石で壁を葺くなど、建築材料やカレッジのレイアウトにインド古代建築の伝
統を反映させている。全体の仕上がりや、洗面所・浴室、キッチン、実験室は現
代的で最新鋭のものとなっている。気候は地中海型で、冬は温暖であり、モンス
ーン期もほどよい降雨量となっている。1年中を通じてアウトドアの生活を楽しむ
ことができる。
インドのような発展途上国においては、自然資源の保存と再利用が重要であり、
そのためにMCでは持続的発展の追求を最重要テーマとしている。廃棄物のリサイ
クルや再植林プログラム、水耕栽培、代替エネルギーの利用などが、社会奉仕活動
の重要な部分を占めている。また、インドの豊かな歴史と、この地に深く根差し
た哲学や文化を様々な機会を通して学ぶことができる。
MCは、農業に従事する近隣社会との交流にも力を入れている。キャンパス内の
広々とした空き地を利用して、農園をつくっている。近隣の農民の指導を受けなが
らカレッジの農園を耕し、野菜を栽培し、牛や馬などの家畜を育てている。他方、
近隣の子どもや大人たちに教えることにより、地域社会からの協力を得る。こ
のように、お互いが教えあい、学びあうことにより、双方向の交流を行う。
MCはチャレンジを求める生徒たちに、多くの機会を提供できるであろう。
(7) コスタリカ・カレッジ(United World College Costa Rica)
コスタリカ・カレッジ(CR)は、北をニカラグア、南をパナマに挟まれたコスタリ
カ中央部の首都サン・ホセ市郊外の農園地帯に立地している。
コスタリカは中米で最も安定した民主主義国であり、1948年に世界で始めて
国軍を廃止した国としても知られており、中南米諸国から多くの留学生を受け
入れてきている。CRの前身は、2000年に児童の保護・育成を行なう国際NGOの
SOS Kinderdorf International が、南米の恵まれない子どもたちを支援するために、
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コスタリカに、アフリカのガーナに続く世界で2番目の支援センターを設立し
たことに始まる。CRは、支援センターを卒業した若者に、世界中の同世代の若
者との交流の機会を与えつつ、高等教育への門戸を開くために、2006年に設立
された。
カレッジの所在地は、コスタリカの主要農産物であるコーヒー・プランテー
ションの跡地で、周囲をバナナ・唐辛子・ブーゲンビリア・生姜などの商品作
物農園に囲まれている。自然を活かした5ヘクタールの敷地には、15の教室と
8つの寮などが建てられている。
教育プログラムは国際バカロレアだが、CRでは、UWCで唯一、授業が英語と
スペイン語の完全バイリンガルで行なわれている。国内に紛争を抱える中南米
諸国出身の生徒が多いこともあり、倫理・道徳的に強固な信念をもたせること
を主眼に据えつつ、平和教育、多文化尊重、環境保護活動の3点に重点的に置
いている。
(8) マーストリヒト・カレッジ(United World College Maastricht)
マーストリヒト・カレッジ(MR)は、2009 年に、既存の二つのインターナシ
ョナル・スクールの統合によって設立された。マーストリヒト市東部に立地し
ており、2013 年秋には、新キャンパスが完成し、初等部から高等部の全生徒が
通学する学校と学生寮が同じ敷地内に建設された。新キャンパスは地熱発電や
雨水の再利用等、環境へのインパクトやエネルギー消費量等に配慮したものと
なっている。
MR の生徒数は現在、525 名。大半が通学生で、初等部に 285 名、中等部に 115
名、高等部に 115 名が在学している(2013 年秋までに 950 名に増やす予定)。
初等部から高等部までの全学生がコミュニティ・サービス・プログラムに参加
する。カレッジは都市に立地しているため、学生が参加するコミュニティ・サ
ービスは非常に多岐にわたる。コミュニティ・サービスには学生のみでなく教
師も参加し、学生の監督にあたっている。MR は、オランダのコミュニティ・サ
ービス・センターとして、オランダ教育省と協力しながら、カレッジの学生の
みでなく、他校の学生も対象に、大胆なコミュニティ・サービスを展開してい
く予定である。
(9) UWCロバート・ボッシュ・カレッジ(UWC Robert Bosch College)
2014 年秋に開校予定の UWC ロバート・ボッシュ・カレッジは、20 世紀のド
イツの起業家・教育者で、後に世界的な自動車部品メーカーとなった「ロバー
ト・ボッシュ社」を創設した故ロバート・ボッシュ氏の生誕 150 周年を記念し
て設立計画が始まった。ボッシュ氏は、クルト・ハーン氏と同様、教育を通じ
国際相互理解と国際協調を信じていた。
カレッジはドイツ南西部のフライブルグ市に立地し、学校の建物は、ロバー
ト・ボッシュ社・同財団からの4千万ユーロの寄附金により、14 世紀に建てら
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れたカルトゥジオ修道会の建物を改築したもので、最新の教育設備を有する。
同カレッジでは、ロバート・ボッシュ氏及び同財団の精神に則り、環境問題、
特に革新的技術を通じた生態系の保全やサステナビリティを重視している。
2014 年秋より、毎年 100 名の生徒を迎える予定(内、25 名はドイツ国内の生徒)。
*また、同校はドイツの Fraunhofer Institute と連携し、環境変化等に適応する持
続可能な未来都市の有り方について研究する“Morgenstadt Initiative"に参加して
いる。同イニシアティブでは、東京が持続可能な都市の有り方を考える上で示
唆を与える6つのグローバル都市の一つとして選ばれているため、2014 年度派
遣生については、東京出身であることを条件としている。
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Ⅳ.UWCの組織
(1) UWC会長 (UWC President)
UWC会長は、1995年からヌール・ヨルダン王妃が務めている(前任はチャール
ズ英国皇太子)。UWC会長はUWCの国際組織、すなわち国際評議員会・理事会、
各国国内委員会、各カレッジを大所高所から積極的に指導する。
(2) 国際評議員会 (UWC International Council)
アトランティック・カレッジの成功により、他の国々からもこのようなカレッジ設立
を要望する声が多く出された。そこで、1967年に各国の著名人を集めて国際評
議員会が組織され、英国のマウントバッテン伯爵がその初代会長となった。その後、
1978年にチャールズ英国皇太子が、1995年にはネルソン・マンデラ前南アフリカ共和
国大統領が就任した。現在は、ヌール・ヨルダン王妃が務めている。同評議員
会は5年毎に開催され、UWCの事業と運営に関して助言を行っている。
(3) 国際理事会 (UWC International Board of Directors)
国際理事会は、有識者や各カレッジの校長、卒業生ネットワークの代表などから
構成されるUWCの運営組織である。具体的には、UWCの運営、運営に関する政
策の立案・実施、UWCの各カレッジへの協力・支援などを行っている。わが国から
は、過去に、小笠原敏晶 ジャパンタイムズ会長および盛田昌夫 ソニー業務執行役
員SVPが国際理事を務めた。
(4) UWC国内委員会 (National Committee)
各国に設立されたUWC National Committee(国内委員会)は、UWC 国際評議員
会の一部を構成し、各国におけるUWC活動の普及、UWCに派遣する生徒への奨
学金の募金、および各カレッジに派遣する生徒の選抜・派遣に関する責任を負う。
<UWC日本協会(UWC Japan National Committee)>
UWC日本協会は、UWCの日本国内委員会として1972年に設立され、当時の経
団連会長であった植村甲午郎氏が初代会長に就任した。同会は1975年に社団法
人ユナイテッド・ワールド・カレッジ日本協会に改組、2012年4月1日より公益社団法人
に移行している。
1978年にはソニーの盛田昭夫会長が第2代会長に、1995年にはUWC国際理事
であるジャパンタイムズの小笠原敏晶会長が第3代会長に、1999年に全日本空輸の
野村吉三郎社長が第4代会長に、そして2007年には朝日生命保険の藤田讓社長
(当時)が第5代会長に選任され、現在に至っている。設立以来、UWC日本協会
は、UWCの日本での窓口として、UWCの趣旨に賛同し、日本協会の会員となって
いる会員企業(現在52社)から奨学金の原資となる寄附金を集めるとともに、奨
学生の選考、派遣に関する業務などを行っており、これまでに501名の生徒を全
世界のUWCのカレッジに派遣している。設立当時から、経団連が事務局を務
めている。
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Ⅴ.UWC国際本部・事務局と2014年度派遣予定の各カレッジの所在地
UWC国際本部・事務局 (UWC International Office)[UWCIO]
Lynton House, Tavistock Square, London WC1H 9LT
United Kingdom
TEL +44-171-388-2066
FAX: +44-171-388-3166
[E-mail] uwcio@uwc.org
[Internet] http://www.uwc.org/
(1) United World College of the Atlantic[AC]
St.Donat’s Castle, Llantwit Major, Vale of Glamorgan, Wales CF61 1WF
United Kingdom
TEL: 44-1446-799000
FAX: +44-1446-799013
[Internet] http://atschool.eduweb.co.uk/atlantic/index.html
(2) Lester B. Pearson United World College of the Pacific[PC]
650 Pearson College Drive, Victoria, British Columbia
Canada V9C 4H7
TEL: +1-250-391-2411
FAX: +1-250-391-2412
[Internet] http://www.pearson-college.uwc.ca/pearson/
(3) United World College of the Adriatic[AD]
Via Trieste 29, 34013 Duino (Trieste), Italy
TEL: +39-040-373-9111
FAX:
[Internet] http://www.uwcad.it/
+39-040-373-9225
(4) The Armand Hammer United World College of the American West[AW]
PO Box 248, Montezuma, New Mexico 87731-0248, U. S. A.
TEL: +1-505-454-4200
FAX:
[Internet] http://www.uwc-usa.org/
+1-505-454-4274
(5) Li Po Chun United World College of Hong Kong[HC]
10 Lok Wa Sha Lane, Sai Sha Road
Sha Tin, New Territories, Hong Kong SAR
TEL: +852-2640-0441
FAX:
[Internet] http://www.lpcuwc.edu.hk/
- 9 -
+852-2643-4088
(6) The Mahindra United World College of India[MC]
Village Khubavali, Paud
Taluka Mulshi, District Pune 412 108, India
TEL: +91-2029-43258
FAX:
[Internet] http://www.muwci.net/
+91-2029-43260
(7) United World College Costa Rica[CR]
Santa Ana Centro, de la esquina sureste de la Iglesia Catolica, 400 mts al norte,
San Jose, Costa Rica
TEL: +506-2282-5609
FAX:
[Internet] http://www.uwccr.com/
+506-2282-1540
(8) United World College Maastricht[MR]
Nijverheidsweg 25, 6227 Al Maastricht, The Netherlands
TEL : +3143 3674666
[Internet] http:// www.uwcmaastricht.com
(9) UWC Robert Bosch College
Gauchstr. 1 79098 Freiburg, Germany
TEL : +49 (0)761 429 635 26
[Internet] http://www.uwcrobertboschcollege.de
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
公益社団法人 UWC日本協会(UWC Japan National Committee)
東京都千代田区大手町1-3-2 経団連社会広報本部内
TEL: 03-6741-0163
FAX: 03-6741-0351
[E-mail] [email protected]
[Internet] http://www.keidanren.or.jp/japanese/profile/UWC/index.html
United World Colleges(UWC)日本卒業生会ホームページURL
http://uwc-japan.org/
以
- 10 -
上