原子力用光ファイバケーブル(λ=1.31μm)の開発 - 昭和電線

昭 和 電 線 レ ビ ュ ー
78
新
製
品
紹
Vol. 52, No. 1 (2002)
介
原子力用光ファイバケーブル(λ= 1.31μm)の開発
Development of Optical Fiber Cables (λ =1.31μm) for Nuclear Power Plants
1.概 要
表 1 原子力用光ファイバケーブル仕様
項 目
原子力発電所などの原子力プラントにおいては,安全性,
信頼性確保の観点から高度な計測制御システムが必要とさ
れる。これらのシステムにはメタルケーブルの他,光ファ
仕 様
光ファイバ種別
グレーデッドインデックス型(原子力用)
光ファイバ心数
1∼6心
コア径
50 ± 3μm
イバケーブルも使用されているが,特殊環境下で使用され
クラッド径
る事から,難燃性,各種機械特性,環境(温度性能,耐放
光ファイバ心線径
0.9 ± 0.1 mm
射線性能)などの要求特性がある。これら要求特性の中で
光ファイバコード径
2.8 ± 0.2 mm
も特に耐放射線性能は重要であり,従来から耐放射線性能
テンションメンバ
を有した原子力用光ファイバ(SI 型,GI 型)が短波長
125 ± 3 μm
短波長(λ= 0.85 μm)のみの規定であった原子力用光フ
200 kg/km
λ= 0.85 μm
伝送損失
伝送帯域
ァイバ(GI 型)に対し,長波長(λ= 1.3 μm)の特性が
追加された。株式会社東芝殿より本特性を有する光ファイ
14 mm
概算質量
(λ= 0.85 μm)で使用されている。
今回,原子力プラントで使用される機器の変更に伴い,
難燃性 FRP
ケーブル外径
耐放射線性能
バケーブルの開発を委託され,新たに両波長特性対応
3.0 dB/km 以下
λ= 1.3 μm
1.0 dB/km 以下
λ= 0.85 μm
400 MHz ・ km 以上
λ= 1.3 μm
500MHz ・ km 以上
λ= 0.85 μm
γ線の積算線量 1 × 104 rad
λ= 1.3 μm
伝送損失増加量: 2.5 dB/km 以下
(λ= 0.85 μm 及び 1.3 μm)原子力用光ファイバケーブル
を開発した。
3.特 長
2.用 途
(1) 耐放射線性能:原子力用光ファイバ(GA50/125W)
・原子力発電所(原子力プラント)などの計測制御シス
を使用。
(2) 両波長特性(λ= 0.85 μm 及びλ= 1.3 μm)を有
テム
する。
(10Mbps 及び 100Mbps Ethernet に対応)
光ファイバコード
(3) JIS C 3521「通信ケーブル用難燃シース燃焼性試
験方法」:垂直トレイ燃焼試験に適応する。
テンションメンバ
(4) 無誘導性:ノンメタリック型構造
テンションメンバ被覆
(5) ケーブル端末に直接コネクタの取り付けが可能。
1
難燃性介在紐
3
2
難燃性緩衝材
押え巻
外 被
問合せ先:〒 105-8444
昭和電線電
東京都港区虎ノ門 1−1−18(東京虎ノ門ビル)
ñ 通信ケーブルユニット
国内営業技術グループ
電話(03)3597-7131
図 1 原子力用光ファイバケーブル構造図
FAX
(03)3597-7164