岡山市入札外部審査委員会及び岡山市水道局入札外部審査委員会の概要 平成18年度第3回岡山市入札外部審査委員会及び岡山市水道局入札外部審査委員会を下 記のとおり開催しましたので,その概要についてお知らせいたします。 記 1 開催日 2 開催場所 3 出席委員(敬称略 泉 4 平成 19 年 2 月 8 日午前 10:00 ~正午 岡山市役所 5 階 照子,井上 契約課入札室 五十音順) 信二,内田 通子,菊池 捷男,水川 武司 事務局 (1) 岡山市 光森契約課長,北原契約課課長代理,佐伯契約課課長代理, 森安契約課課長補佐,難波契約課工事契約係長 (2) 水道局 酒井副水道事業管理者,隅田統括審議監,難波経理課長, 近藤経理課契約係長,青木経理課主任,林経理課主事 5 会議次第 (1)開会 (2)議題 ア 平成 18 年度契約事案の審議について (ア) a 工事契約 「久米東岡山線舗装工事(2)」 b 委託契約 「岡東処理区(18-5 工区)ほか汚水管埋設工事現場監理業務委託」 (イ) 2 6 岡山市 水道局 a 工事契約 「三野浄水場発電機棟他アスベスト除去工事」 b 委託契約 「灘崎西配水場造成工事概略設計その他業務委託」 その他 会議概要 (1) 岡山市契約課 1 ア 工事契約抽出案件 (ア) 工事名 「久米東岡山線舗装工事(2)」 (イ) 契約概要 a 工事概要 車道舗装工 5893 ㎡他 b 工事種別 舗装工事 c 発注課 西部第4地区区画整理事務所 d 工事場所 岡山市西長瀬,中仙道地内 e 工期 平成 19 年 3 月 31 日まで f 許容価格 38,252,000 円(消費税抜き) g 指名通知日 平成 18 年 8 月 4 日 h 入札予定日 平成 18 年 8 月 10 日 i 指名業者数 16 社 j 資格要件等の概要 市内業者であること,第 1 格付業種が舗装 舗装の格付ランクが特A又はAランク 指名停止等でないこと 建設業許可・経審を継続して受けていること k 入札の経過 平成 18 年 8 月 4日 平成 18 年 8 月 10 日 指名通知 岡山県から談合情報が寄せられた。 入札日を延期し通報者に事実確認 平成 18 年 8 月 18 日 指名業者から事情聴取 平成 18 年 8 月 25 日 岡山市適正契約等推進会議を開催し,入札を条件を付け て執行することを決定 平成 18 年 9 月 5日 入札執行。落札者が談合情報と一致したため落札保留 平成 18 年 9 月 8日 岡山市適正契約等推進会議開催。調査の結果,最低価格 で入札した落葉建設に落札決定。 この工事と同じ日に入札参加の指名通知を行なった久米東岡山線舗装工事(3), 及び(4),区画道路8-9号線交差点舗装工事の3件についても談合情報があり, 抽出案件と同様の経過で 9 月 5 日に入札を執行しました。この工事のように落札 を保留し推進会議で落札決定したのが久米東岡山線舗装工事(3)です。そのほか の工事は談合情報と不一致だったため,入札執行時に落札決定しました。 (談合情報について詳細情報を委員に説明した。) (ウ) 主な質疑 Q 岡山市適正契約等推進会議の役割やメンバー構成はどうか。 A 適正契約等推進会議の目的は契約の適正化で,役割は広範囲で多いのは談合通報 に関すること,要綱に記載されている所掌事務としては,暴力行為,暴力団の関与 の排除に関すること,他に業者を対象とした啓発などの役割があります。談合通報 2 に関することは,調査をするかどうか,するのであればどのように調査するのかで す。メンバーは財政局担当の助役を会長として,委員としては各局長級と主な幹部 で構成されています。その下に総務部会,渉外部会,服務部会を設けておりそれぞ れ役割が決まっております。総務部会が談合通報の調査を行っています。渉外部会 は対外的な交渉を行い,服務部会が職員の服務に関することを行います。総務部会 は財政局長が部会長で,財政局統括審議監,財政課長,契約課長,工事検査課長が 委員です。総務部会で大半の談合情報に関する調査を行います。 Q 8 月 25 日に推進会議を行ったとあるが,これは総務部会ということか。 A これは委員会です。 Q 委員会は何人で行ったのか。また,総務部会ではどのような話になったのか。 A 31 人です。 入札が迫るので,まず延期しました。3 案を提示いただきました。①設計図書の 金額をやり直しして,現状の入札を中止してはどうか。②入札延期を中止に変更し て,公募型として発注する。③現状のままで入札するという案です。 ①の問題点は,規程で示された基準を満たしており,原則的には準市内業者を追 加する事案にならないのではないか。それから,今後の談合情報について明らかに 談合と断定できない場合でも指名業者の追加や変更を行うのが前例になるおそれが あること。②の問題点は,設計変更等に多大な時間がかかり,工期が不足し,年度 内での完成が難しくなる点でした。③については,談合情報に一定の信憑性がある と考えられるため事情聴取したけれども談合の事実がつかめなかったとして,入札 執行したとなるのは仕方ないがもうひとつ工夫ができないかとの意見が出されまし た。落札者が通報どおりという場合が考えられ,その場合に,談合があったとみな される可能性が大であると推測できる点を考慮して,ご審議いただきました。最終 的な結果としては,現状のままで入札するということで決定しましたが,通報内容 と同じ結果であった場合,どうするかもこの時点で決めております。それは,的中 した場合には,再度推進会議で検討するということです。 Q ②の公募にする問題点ですが,公募にするためには,設計変更が必要なのか。 A 見直しを含めて公募にしようという案でした。 Q 設計変更と公募型採用についての繋がりは何か。 A 設計内容の見直しと直接的に繋がりはないが,公募要件の金額に達していないので, 工事を合併するなどをしないといけないからです。当時は,7,000 万円以上が公募型 入札の条件でした。 Q 指名業者の追加変更が必要になるとのことでしたが,これはどういう繋がりがある 3 のか。 A 2,000 万円を超えると,Aランクは市内全ての業者を指名しているため,もう業 者がいないということになります。 Q この指名している業者には,準市内業者,市外業者は入っていないのか。 A 入っていません。 Q 最初の段階で準市内業者を入れなかった理由は何か。 A 市内業者から優先して指名をする方針だからです。 Q 委員会では,市内業者と準市内・市外業者とで差をもうけているが,談合情報があ り準市内業者と市外業者を加えたらどうかと意見が出たが結果的にそれは採用されな かったということか。 A そうです。 Q 市内業者に限る選定をやめて,準市内業者も市外業者も入れて,枠組みを広げて, もっと沢山の人が入れるように,具体的に言えば公募の金額を下げることを考えない のか。 A 公募の金額を段階的に下げています。全国の動きに合わせて,今年の 7 月からは 2,500 万円まで下げる予定です。現在は 5,000 万円以上です。 Q 公募のルールでイレギュラーな事例については,要件を除いて対応することはでき ないか。また,落札率が 77.0 %については,談合調査後であるから入札額を下げ てきた可能性も考えられるが,談合調査がなかったら落札率が 90 %かもしれない。 よく調査をしなければならないと思うがどうか。 A 最初の質問についてですが,そういうルールにすると,今後の影響が大きく公募に しても最大 16 社なら,指名競争入札と同じであまり意味がないという意見もありま した。また,次の落札率 77.0%の質問についてですが,そのとおりと思います。今 後も適切な競争が行われるような仕組みづくりを考えていかなければと思います。 Q 委員会での議論の内容,プロセスが知りたい。 A 入札後の検討内容ですが,内訳書の提出を求め,その内容を検討しました。結果に ついては,入札記録をご覧いただければと思いますが,入札結果に不自然さがなかっ たので,スムーズな進行になって落札決定したと思います。 Q 不自然でないとはどういうことか。 A 失格者が出ていることから,入札をコントロールしていることはないだろうという 4 ことです。 Q 指名通知の公表がよくないのではないか。 A それは知事会が指摘しているところでもありますが,公募型は,入札書投函後に指 名業者を公表しています。 Q 金額の大小はあるだろうが,地場産業の育成はどのくらい大切と考えているのか。 A 地場産業育成をどういう範囲で考えるか人によって考えが違うだろう。今の制度は, 最小単位の中学校区もあるし,ランクが特A上なら市内全域もある。考え方は,変わ りつつあると思っています。また,地場産業の育成との兼ね合いは難しく理想どおり にいかないところがあり,検討が必要と考えています。 (エ) 委員からの意見 ○抽出事案の検討も大切だが,これは今の制度を前提にしたものである。今の制度に 問題がある。制度を変える必要があると考えている。 ○地場産業育成に重きをおく財政支援や市内業者優先の制度はやめた方がよい。平等な 競争に重きをおくことが大切であり今の制度が問題ではないのかと思う。 ○指名業者の公表は入札後の方がよい。事前に分かる方法はできるだけなくした方が望 ましい。また,談合の機会が少なくなるよう公募型の入札を増やして欲しい。 ○談合情報どおりなら証拠不十分でも入札をやり直した方が,透明性が高いと思う。ま た,工事後でそのとおりだったと判明したら,談合情報の信憑性が高いと考えられ, その場合は告発を含めて検討して欲しい。 イ 委託契約抽出案件 (ア) 件名 「岡東処理区(18-5 工区)ほか汚水管埋設工事現場管理業務委託」 (イ) 契約概要 a 業務分類 測量,設計 b 入札方法 指名競争入札 c 発注課 下水道局東部建設課 d 場 所 岡山市上道北方地内外 e 許容価格 非公開 f 指名通知日 平成 18 年 3 月 23 日 g 入札日 平成 18 年 3 月 30 日 h 指名業者数 8社 i 資格要件等の概要 選定資格は,①土木関係建設コンサルタント業務のうち,下 水道部門を国土交通省に登録し,又は希望していること。 ②現場監理業務の施行体制を整えていること。 5 選定基準は,①市内業者と市内扱い業者 ②技術職員数が 5 人以上かつ 1 級又は 2 級土木施工管理技士 が計 3 人以上(本社の場合は総数で,支社の場合は支社の職 員数) 選定のランクは,A及びB その他に,工事の入札で低価格入札工事の現場監理業務であれ ば,職員数 10 人以上かつ 1 級土木施工管理技士が計 3 人以上 j 落札金額 11,000,000 円(消費税抜き) k 落札業者 新協技術コンサルタント株式会社 (ウ) 主な質疑 Q 設計は誰がするのか。 A 下水道局です。 Q 公共工事の中で特殊なものは,設計の段階で業者へ依頼しているはずであるが, その比率はどれくらいか。 A 高い技術力が必要なものが該当すると思います。最近で言えばアスベストの除去 工事などはそうですが比率は分かりません。 Q 市議会からはどんな指摘を受けたのか。 A 平成 17 年度決算委員会で,下水道費特別会計歳入歳出決算についての報告の中 で契約課を中心にして全庁的方針で契約のあり方を検討するべきだと指摘されまし た。 (エ) 委員からの意見 ○入札結果を見ると,1 回目から 3 回目まで同じ業者が最低入札業者であるので, 談合がかなり疑わしい。ではどうするかと言われると,調査は難しいだろう。やは り,制度で談合しにくいようにしていかざるを得ないと思います。 (2) 水道局経理課 ア 工事契約抽出案件 (ア) 工事名 「三野浄水場発電機棟他アスベスト除去工事」 (イ) 契約概要 a 工事概要 発電機棟改修外 b 工事種別 とび・土工・コンクリート工 c 発注課 施設課 d 工事場所 岡山市三野一丁目外 e 工 平成 19 年 1 月 31 日まで 期 6 f 許容価格 98,535,000 円(消費税抜き) g 指名通知日 平成 18 年 7 月 19 日 h 入札日 平成 18 年 8 月 3 日 i 指名業者数 5社 j 資格要件等の概要 とび・土工・コンクリート工事業の特定建設業の許可を有す る市有建築物のアスベスト除去工事に係る資料を提出 水道局に指名願いを提出 平成 18 年度の新規業者でないこと 指名停止等でないこと k 落札金額 80,850,000 円(消費税相当額を含む。) l 契約締結先 藤田建設㈱岡山営業所 (ウ) 主な質疑 Q 設計はどこがしたのか。 A 発注課である施設課が全て設計しています。 Q 許容価格は公表しているのか。 A 事前に公表しています。 Q 最低制限価格は公表していないのか。 A 入札書投函後,抽選により決定します。 Q 最低制限価格はどのような流れで決定するのか。 A 抽選機でXとYを決定し,計算式にあてはめて決定します。 Q 最低制限価格の設定がなければ,もっと安い金額で契約できたのではないか。 A 確かに入札結果を見ると,300 万円以上損したことになる。 Q 最低制限価格の制度を設置している主旨は何か。それは手抜きをさせないなどが 理由か。 A そうです。中には入札金額を一桁間違える場合もあります。 Q 最低制限価格の設定のない工事契約はあるのか。 A 建設工事の入札は,最低制限価格を設定する場合と,低入札価格調査対象工事と 2 種類あります。低入札価格調査対象工事の場合は,いわゆる底なしです。金額 により設定が変わります。現在,許容価格が 2 億円以上の大型工事については, 低入札価格対象工事になります。 7 (エ) 委員からの意見 ○手抜きをしないよう監視をすることが重要であり,最高札が落札するような最低 制限価格の制度については見直しが必要であり,最低制限価格をもっと下げる必 要があると考えます ○抽選機を引いての最低制限価格の設定が 70 ~ 80%の中に設定されていること に検討の余地があると考えます。 イ 委託契約抽出案件 (ア) 件名 「灘崎西配水場造成工事概略設計その他業務委託」 (イ) 契約概要 a 業務分類 測量,設計 b 入札方法 指名競争入札 c 発注課 施設課 d 場 所 岡山市灘崎町彦崎字勝負谷 1712 番1他 e 許容価格 非公開 f 指名通知日 平成 18 年 5 月 10 日 g 入札日 平成 18 年 5 月 16 日 h 指名業者数 7社 i 資格要件等の概要 選定資格は,土木関係建設コンサルタント業務の実績高が一 番高く,さらに国土交通省の登録がある業者 選定基準は,市内業者・市内扱い業者,選定ランクはAランク のみで測量についてランクがある業者 j 落札金額 6,500,000 円(消費税抜き) k 落札業者 ケイ・エム調査設計株式会社 (ウ) 岡山支店 主な質疑 特になし (エ) 委員からの意見 ○全体的についてですが,金額が小さければ簡単だから多くの業者ができます。逆に 金額が大きいと,必要な人数や機械も増えてくるので,できる業者が限られて少な くなります。今の制度は,地元業者や中小企業の保護・育成になっており,それが 談合に繋がると思います。そういうのを自由競争にすれば,指名業者数が増え,そ の中の競争で,弱いものが潰れていく場合もあれば,逆に体力を強化して,大きく なる業者もあります。その分,サービスが良くなっていくのです。価格が安くなり, サービスも良くなるのです。それが競争社会の良いところです。 ○現在,委員会では,今の制度を前提にした入札を抽出して説明してもらっています 8 が,それでは制度が良くならないのではないかと思う。検討しただけでは,何も変 わらないので意見をまとめて,市へ提出して,それを採用していただいて,契約が より透明度を高めるような制度に改正することを考えて欲しい。 ○談合を無くしたいという思いは,委員も市も同じ考えです。委員会としてまとまっ た意見が出たということがあれば,市も改革に動きやすくなると思う。平成 18 年 度末にもう一度委員会を開催し委員会としての意見を集約し公表することとします。 9
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