http://kawakita.or.jp 社会医療法人河北医療財団河北総合病院広報誌 ● No.132 ●特集入退院支援センター開設臨床の現場から ▶ 婦人科疾患の腹腔鏡手術 9 2014年月号 ● 特集入退院支援センター開設患者さんが安心して退院し、自宅に帰るために 2014 年 6 月より、『自宅に帰ろう』をキーワードに入退院支援センターを開設しました。医師 1 名・看護師 3 名・医療ソーシャルワーカー 8 名・事務 2 名の総勢 14 名のスタッフで構成され、専門職同士が効果的に連携・協力し、患者さんの退院に向けた準備などを行っています。なぜ、入退院支援センターが設立されたのか？入退院支援センターが設立された理由は二つあります。治療を長引かせることなく良質な医療を提供することを目的とした制度です。そのため、当院も、皆さんの治療に必要な最短期間で、治療終了と同時に退院が迎えられるように支援しています。一つ目は、当院が地域医療支援病二つ目は、杉並区の救急医療ベッド院であり、救急指定病院及び DPC が人口に比較して不足しており、患者（包括評価制度）の対象病院となっさんが自宅から離れた病院に運ばれてていることです。DPC（Diagnosis いる現実があります。地域医療支援病 Procedure Combination）とは、「診断院として、できる限り救急医療を必要群分類」という意味で、疾患別に理想とする方々に入院できるベッドを確保とする入院日数を設定し、医療機関がし、当院の役割を果たしたいと考えております。地域の皆さんが入院できるベッドの確保にご協力ください。入院時からお話を伺います入退院支援センターでは、入院時に入院前の生活をお聞きして、退院時に看護師・医療ソーシャルワーカーたちが話し合い。このようにスタッフは常に連携を図っています 2 かわぴたる No.132（ 2014年9月号）ハードルとなり得る病気や持病、介護される方の状況や金銭面などの問題点入院と同時に退院準備が始まります退院までの流れ入院退院治療症状・治療期間の判断と説明今後の療養方針を検討退院に向けた指導入院前の生活の聞き取りを確認します。そして、その方の状況を踏まえて入院する病棟と協働し、治療終了に合わせて退院できることを目指しています。入院されると、病気に対して、患者さんはもとよりご家族の心配も深ま退院前カンファレンス退院準備本院 1F リハビリテーション科東館健康生活支援室点滴治療室本館総合案内河北救急医療センター正面玄関入退院支援センター（医療社会相談室）ります。心配なことや不安なことを患者さん・ご家族で抱え込むのではなく、との連携を深めていきたいと考えてい起こり得る問題を明らかにして、現実ます。的な解決策を一緒に考えていきたいと思っています。退院・介護・治療などに不安があるときは、入退院支援センターがお話を伺いますので、入院病棟のスタッフに、お声をおかけください。入院時には入院前の生活状況の確認、退院時には生活する場での注意点などを共有して、顔が見える連携を目指します。地域と病棟との橋渡しができるよう、頑張ってまいります。地域とつながっていくためにまた、入退院支援センターの設立をきっかけに、地域とより密接な関わりができるよう、今後はケアマネジャー入退院支援センター長河北総合病院副院長すぎむらよういち杉村洋一かわぴたる No.132（ 2014年9月号） 3 臨床の現場から婦人科疾患の腹腔鏡手術患者さんにとって一番安全で負担の少ない治療法を選択します当院では、手術を必要とする婦人のうしゅ術の後の痛みも少なく、入院期間も科の良性疾患（子宮筋腫、卵巣嚢腫短く（5 ～ 6 日間）、早期に日常生など）の患者さんに対し、できるだ活に復帰することができます。また、け多くの腹腔鏡手術を提供できるよ手術中に臓器に直接触れることが少う努めています。なく乾燥もしにくいので、手術後の腹腔鏡手術は直径 5mmや12 mm 癒着（臓器がくっつくこと）が起の筒をおなかに入れて、その中にカこりにくく、腸閉塞などの危険性がメラを挿入し、炭酸ガスでスペースを少ないという利点もあります。作って外からは見えないおなかの中をしかし、腹腔鏡手術にも限界があモニターに映しながら行う手術です。り、すべてのケースに適応するわけ腹腔鏡手術のメリットは、開腹手ではありません。腹腔鏡手術にこだ術に比べて傷が小さいことです。手わることで患者さんへの負担（手術時間が長くなる、出血が多くなる、 ■ 腹腔鏡手術のイメージカメラ腸や膀胱、尿管を損傷するなど）が増すようなことがあってはなりませかんし鉗子ん。この方法が適切ではないと判断した場合には、従来法である開腹手ガスで膨らませる術を選択します。患者さんにとって一番安全で負担の少ない治療法を選択させていただきます。ごみぶちひでと産婦人科部長　五味淵秀人開腹手術のきず 4 腹腔鏡手術のきずかわぴたる No.132（ 2014年9月号）せたまりこ科長　勢多真理子ひなた陰になり日向になり皆さんを支える、縁の下の力持ちたちをご紹介！河北の達人病理診断科病院を支えるプロフェッショナル No.2 臨床検査技師正確な標本作製で“病理診断”を支えるがんなどの病気を診断する際にきる標本作製をしています。行われる“ 病理診断 ”は、患者さ臨床検査技師は、標本作製のほんの患部や病変から組織や細胞をか、細胞診検査や病理解剖などの採取し、顕微鏡で観察して細胞レ業務も担っています。患者さんとベルで診断を行います。この診断直接対面することはほとんどありに不可欠なのが、病理診断科の臨ませんが、その仕事は、患者さん床検査技師が手作業で作る顕微鏡を治療する医療の現場で、病気の標本です。診断や治療方針・手術の方法など標本を作製する際には、検査の決定に際し、重要な部分を担っ対象の組織が入ったパラフィンブています。ロックを 3μm* ほどに薄切しま＊μm：マイクロメートル。1μm＝0.001ミリメートルはくせつすが、細胞の密度が高い場合は薄く、密度が低いものは厚く切らないと診断しやすい標本になりません。臨床検査技師は、検査する組織の状態によって薄切の方法を工夫しながら、正しい病理診断がで仕事の現場から ▲正確に診断できる標本を作製するため、組織の状態に合わせて薄切を行うかわなのぶひろ病理診断科医技主任・臨床検査技師　川名展弘臨床検査技師は、病気を早期発見するための健康診断にも関わっています。しかし、日本の健康診断受診率は 2 割～ 3 割と他の先進諸国に比べて低いのが現状です。健診受診率が上がれば、より早期に発見できる病気も増えます。健康のため、より多くの方に健診を受けていただきたいです。かわぴたる No.132（ 2014年9月号） 5 ツアーNo. 3 杉並区内の河北医療財団の施設をご紹介します。ドイガ施設河北医療財団施設ツアーマタニティー・レディーススクエアツアーガイド：産婦人科はがやよい師長　羽賀弥生妊産婦さんが安心して過ごせる女性専用の病棟です 2013 年 7 月に河北総合病院新館このマタニティー・レディーススクの産婦人科外来が、産科と婦人科にエアの病棟は、妊婦さんが出産のため分かれて「マタニティースクエア」「レに入院します。出産で入院される方のディーススクエア」として、リニューア視線で、マタニティー・レディーススルオープンしました。クエア内をご案内します。いよいよお産！パパママ教室で習ったことを思い出して… 3. ここは陣痛室です 1. 通い慣れた産科外来ではなく、病棟へシャワールームでは「手ぶらでお産セット」のアメニティ類を、パウダールームでは無料ドライヤーをお役立てください娩！いよいよ分 4. 分娩室の天井には青空・白い雲・緑の木の葉 *^ ^ * 産後 ≪入院生活は≫ 7. 午後のティータイムサービスと、産後 3 日目のお祝い膳 2. ナースステーションには、妊婦健診からなじみの看護師・助産師がいます　6. 赤ちゃんは新生児室へ 8. 体調が良ければシャワーも翌日から使えます。さあ今日からは赤ちゃんとともに家族での生活がスタートです。でも困ったときは連絡くださいネ頑張れ！ 5. 産後、お母さんはお部屋へ住所〒166 - 0001 東京都杉並区阿佐谷北1- 7 - 3 （代）電話 03 - 3339 - 2121 ・初診の方は、本院受付窓口へお越しください。・紹介状をお持ちの方は、地域医療室＜ 03 - 3339 - 2121 （代）＞へお電話ください。・他院から紹介でのご出産や里帰り出産の方は、34 週・35 週までの受診をお願いします（合併症などがない方の場合）。かわぴたる No.132（ 2014年9月号）り中杉通 ●マタニティー・レディーススクエア 6 退　院神明宮世尊院杉並第一小学校三菱東京 UFJ銀行北口河北総合病院本院分院薬局西友美容院阿佐ヶ谷駅至荻窪マタニティー・レディーススクエア神作歯科医院河北サテライトクリニック JR中央本線至高円寺準備運動・整理運動～アキレス腱～けんやってみよう！くぼたゆきお監修：河北リハビリテーション病院セラピー部部長窪田幸生運動の秋、皆さんの中にもランニングなど、運動をする方が増えてくると思います。ついつい頑張り過ぎてしまうと、起こりやすいのがアキレス腱の断裂です。アキレス腱は体の中で最も太い腱です。ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつないでいるため、走る、跳ぶ、回転するなど、ちょっとした運動でも負荷がかかりやすい場所です。アキレス腱の体操をすることで、けがを予防し、筋肉痛を軽減することもできます。運動前の準備体操として、また運動後のケアとして、ぜひお試しください。 1 正座の状態から左足を立てます。立てた膝を胸で押しながら体を前に倒します。その際、片方の足だけに体重を乗せるのではなく、両足に均等に体重を乗せて倒してください。反対の足も同様に行いましょう。立てた足のアキレス腱左足を立てる 2 ストレッチポイント壁に両手をつき、そこに頭を近づけます。左足のつま先を壁に向けて前に出し、ゆっくりと体を前に倒して右足を伸ばします（ 20 ～ 30 秒程度）。反対の足も同様に行います。伸ばした足のアキレス腱ストレッチポイントらまた、。んせまい構始めてもレッチだけでもいずれかのスト OK です！ ❶ ❷ のどちらか ★すべての運動時、呼吸は止めずに行ってください。 ★反動をつけて行うのではなく、ゆっくりと、やさしく行ってください。かわぴたる No.132（ 2014年9月号） 7 K A W A K I T A TOP I CS ☆河北医療財団の活動や取り組みなどをお知らせするコーナーです。 11 月は、日曜・月曜の連休が 2 週あるため、河北総合病院・河北総合病院分院・河北サテライトクリニックは、 11月 2 4 日（月）は休まず診療いたします。また、JR高円寺駅前の健診センター（河北健診クリニック）も、休まず健診業務をいたします。入場無料今年のテーマは『安全・安心ライフの勧め』です。今年もテーマに沿った講演やシンポジウムを開催します。また、お子さんも楽しんでいただける催し物や、模擬店、体力測定などいろいろ企画中です。ぜひお立ち寄りください。 ◦日時：2014 年11月 9 日（日）10：00～16：00 お問い合わせ（月～土 9 : 00～16 : 30 around 杉並健康ライフ2014事務局　☎ 03 - 3339 - 2121（代）河北健康教室祝日除）第20回介護シリーズやさしい健康講座「介助と福祉用具」介護する方へ、実技体験を通して理学療法士がアドバイスします。 ◦日時：2014 年9月18 日（木）15：00～16：00 ◦会場：河北総合病院　本院1階　リハビリ訓練室　◦ 参加費：無料やってみよう！でおなじみ演！窪田技師長が講 ◦講師：窪田幸生（リハビリテーション担当技師長兼河北リハビリテーション病院セラピー部部長） ◦内容：1．からだの負担を減らす介助方法　2．起き上がり、移乗の介助方法 3．福祉用具の紹介お申し込みお問い合わせ（月～土 9 : 00～16 : 30 河北総合病院健康生活支援室　☎ 03 - 3339 - 2121（代） 表紙の言葉「落ち葉の行方」ふわこういちろう／風の吹くまま河北総合病院の『理念と目的』理念 ● 社会文化を背景とし　地球環境と調和したよりよい医療への挑戦目的 ● 質の高い　恕（おもいやり）のある医療を行うとともに　地域の健康向上に寄与する祝日除）あちらへふわりこちらへふわり「かわぴたる」へのご意見、ご感想をお寄せください皆さまからのお声を、誌面作りの参考にさせていただきたいと思います。電話、eメール（右縦書き部分参照）で受け付けています。皆さまからのお声を心よりお待ちしております。発行責任者：河北博文　発行：社会医療法人河北医療財団河北総合病院　広報室　〒166-8588 東京都杉並区阿佐谷北1-7-3　☎03-3339-2121 （代） e-mail : [email protected] ◦会場：阿佐谷地域区民センター杉並区阿佐谷南1- 47 - 17（ JR「阿佐谷」駅南口徒歩3分）年6回発行（1月・3月・5月・7月・9月・11月）！今年も開催します No.132　2014.9 11月24日（月・振替休日）は、休まず診療いたします