ポスター完成!! - 場のチカラプロジェクト

ポスター完成!!
横 な ぐ り の 雨 の 中、九 月 二 十 五、二
にはこだわりを見せるあまり、夜おそ
るのもポスターづくりの醍醐味だ。中
﹃ポスターをつくろう﹄講座
十六日に引き続き、
三宅島大学では﹃ポ
ス タ ー を つ く ろ う﹄講 座 が 行 わ れ た。 くまでの作業にいたるグループもある
が、それもまた、楽しみのひとつであ
[email protected]
http://ashitaban.net/
第 十 八 号
材させていただいた民宿を訪れる。そ
してつくったポスターを見せたときの
女将さんの笑顔をみて、 ﹁ああ、やっ
。
…
てよかった﹂と思うのだ。これからも
﹃ポスターをつくろう﹄はつづく
︵丸本 智也︶
つくってたのしい
食べておいしい
キーをつくろう!﹂が開かれる。
十二月三日十時∼十二時アカコッコ
会話に花が咲いた。
ただのクッキーではない。好きな色
た。阿蘇では田中さんも取材に参加し
﹃ポ ス タ ー を つ く ろ う﹄は ポ ス タ ー
で 好 き な か た ち を つ く れ る、 ﹁食 べ
館にて、三宅島大学講座﹁三宅島クッ
をつくることが終わりではない。一晩
ており、島民ならではの視点と話題で
と、ポスターに込めたこだわりを話し
思い、このポスターをつくりました。﹂
きでパワフルなところを表現したいと
んは﹁女将さんのどんなときでも前向
阿蘇の取材をおこなった笹野結衣さ
金曜日
られる粘土﹂を用いての講座だ。食べ
http://vanotica.net/38k_u/posters.html
民 宿 の 女 将 さ ん を 取 材 し、写 真 と
12 月 2 日
かけてつくったポスターを持って、取
閲覧ができます。
る。
されたすべてのポスターは、 以下 URL より
キャッチコピーをもちいたポスターと
『ポスターをつくろう』 第一弾、 第二弾で制作
し て 表 現 す る こ と で、そ の ひ と の 魅 力
を再発見する、というものである。
二 日 の 昼 ご ろ、島 民 で あ る 田 中 耕 介
さんとあしたばんスタッフを含めた九
名 で 取 材 が 開 始 さ れ た。取 材 さ せ て い
取
※ 材 順︶
た だ い た 民 宿 は、お し ど り、ペ ン シ ョ
ン サ ン ト モ、阿 蘇、夕 景︵
の 四 つ で、グ ル ー プ に わ か れ て 二 時 間
程度、お話をうかがった。
取 材 を 終 え た グ ル ー プ は、ア カ コ ッ
コ館やスタッフの滞在場所である伊豆
避 難 施 設 で ポ ス タ ー 作 り を お こ な う。
写 真 や 言 葉 の 選 び 方 か ら、色、配 置
な ど、い た る と こ ろ に 受 講 者 の こ だ わ
り が に じ み 出 る た め、で き あ が っ た ポ
スターから作成者の人となりを想像す
制作:笹野 結衣•田中耕介•丸本 智也
られる粘土とは、カラフルで思い思い
のものをつくれる粘土の一面とオーブ
ントースターに入れると芳ばしい薫り
とともに焼きあがるというクッキーの
一 面 を 併 せ 持 っ た 材 料 の こ と で あ る。
星やハートといったおなじみのかたち
はもちろん、クリスマスツリーのよう
な細かい装飾にこだわったクッキーも
つくることができる。インパクトのあ
る色だが、口に入れるとほどよい甘み
が広がる。
粘土なんて小学生以来触っていない
な ん て 方 も 多 い の で は な い だ ろ う か。
私もそのうちのひとりだった。最初の
うちは思うように生地がまとまらずイ
メージ通りの色をつくるのにも苦戦し
ていたが、粘土の感触を手のひらいっ
ぱいに満喫しているうちにわくわくし
た気持ちが湧きあがってきた。このな
つかしくて新鮮な感覚をぜひ味わって
い た だ き た い。﹁親 子 で 参 加 で き る 講
座がほしい﹂という声にも応え、子ど
もから大人までたのしめる講座を目指
している。
ひとりひとり違う色とかたちに焼き
あがるクッキーをいっしょにつくりま
せんか。島のみなさまにお会いできる
ことを楽しみにしています。
︵三島 麻里江︶
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授業名﹃三宅島クッキーをつくろう!﹄
一二月三日︵土︶
特になし
アカコッコ館
午前十時から正午まで
場所
持ち物
̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶
この﹃あしたばん﹄は、加藤文俊研究室が三宅島大学リサーチの一環で制作しています。
阿蘇の女将さん
第 十 八 号
018
2011 年 ( 平成 23 年 ) 12 月 2 日 金曜日
1
三宅島エッセイ
島びより
今回の﹃島びより﹄は、十二月一日
に三宅島に初上陸した二人のメンバー
による渡航紀だ。この日、わたしたち
の乗り込んだ﹁さるびあ号﹂は条件付
き運航となっていたが、無事着岸する
ことができ、冬の三宅島にたどり着く
ことができた。
島の洗礼
根岸 明子
︵慶應義塾大学 四年︶
夏に島に行っていた仲間の話から、
三宅島は青い海に囲まれた、気持ちの
いいアイランドだと思っていた。島に
着く頃には揺れが大きくなるよ、とい
う話も、まぁ何とかなるだろうと高を
普段の生活を営んでいる。噴火が起き
心感﹂と﹁恐怖感﹂に溢れることにな
ている。
だき、少しずつ、新年への思いを集め
いてきた私たちを落ち着かせた。少し
難所のなかは暖かく、極寒のなかを歩
たどり着いたのは避難所だった。避
非常に怖いのだ。
見ず知らずのところを歩くというのは
の 中、足 場 の 悪 い 大 地 を 進 ん で い く。
の外を観察することはできない。暗闇
た。バスに乗り込み、宿へ向かう。窓
ろうか。﹂という恐怖感がそこにはあっ
ば ん﹄の こ と を 知 っ て い た だ こ う と い
みである。この撮影を通して﹃あした
連のビデオに編集しようという取り組
いを語っていただき、それを繋げた一
させたいこと﹂など、来る新年への思
方 々 に﹁来 年 の 抱 負﹂﹁来 年 こ そ 実 現
プロジェクトの一環として、三宅島の
滞在で新たに行う﹃あしたばん放送局﹄
カードを制作していた。これは今回の
し た ば ん﹄を 紹 介 す る 名 刺 サ イ ズ の
三宅島に渡る前日、私たちはこの﹃あ
︵大西 未希︶
きたい。
場されているか、楽しみにしていただ
力いただけたらと思う。どんな方が登
いる。島をめぐった際には、ぜひご協
チョコをプレゼントさせていただいて
礼として三宅島大学ロゴ入りのチロル
この撮影に参加いただいた方に、お
るのだろう。私たちに、この﹁恐怖感﹂
﹁怖い﹂という
が分かることはない。
雨の中を車で走る。あたりは溶岩で
覆われた黒い大陸。焼きこげた木々。
過去にあった天災の傷跡。﹁高濃度地
区﹂という響きからは、福島の状況を
思い出させる。しかし、そこにちゃん
と人も暮らしている。彼らにとってこ
れが当たり前の景色なのだ。私たちは
彼ら目線で島をみることはできない立
派なストレンジャーであった。
三宅島のひとびとを
島のはずれにあるこの避難所はなぜだ
う思いも含め、ビデオ公開先のURL
めぐろう
か少しだけ私たちを安心させる。それ
等を掲載したカードをお渡ししてい
﹁自 分 が 乗 っ た 船 が ど こ に 着 い た の だ
か り を 通 し て 確 認 す る こ と が で き る。
る。雨がどれほど強いのか、外灯の明
強い向かい風が私たちの上陸を妨げ
ル エ ッ ト さ え 見 る こ と は で き な っ た。
の足元を揺らす。天は真っ暗。島のシ
の大きな巨体を荒波に委ねて、私たち
午前四時半すぎに島に着く。船はそ
︵慶應義塾大学 二年︶
廣野 吉隆
どこかにあった。
気持ちが
てから、この生活を再び手に入れるま
でにどれくらいの苦労があったかは計
り知れないけれど、道端の公衆トイレ
の便座は温かかったし、避難所はきれ
いで快適だし、小学五年生の時にテレ
ビの中で見た真っ白な三宅島の姿はす
ぐに塗り替えられた。
私の日常の世界は、自然を人間が支
配 し て い る。我 が 家 は 埋 め 立 て 地 に
立っており、街路樹は計画的に植えら
れている。山は切り開いて道路が作ら
れ、工場の煙が木を枯らす。今年三月
の地震で自然の脅威を思い知らされは
したが、私たちはまたすぐに忘れてし
まうだろう。今回初めて三宅島に訪れ
て、一番感じたのは、ここは自然が支
配している島だということ。波や溶岩
の前では、人間は成す術がない。お店
に寄る度に見られる笑顔の裏に、常に
自然と向き合って生活する島民の覚悟
を垣間見た気がした。
は﹁島らしさ﹂に欠けるからか。また、
http://ashitabanstaff.blogspot.com/
括っていた。結果、船の二段ベッドの
新しい施設は自分たちの住んでいる場
る。
を め ぐ り、過 去 記 事 に さ せ て い た だ い
所に近い存在だからか。
か言えないことである。私たちはこの
た山下商店の山下広範さんや、この撮
撮影初日の今日、十二月一日は商店
避難所を﹁宿﹂として位置づけている
影を通しお話をした方々等ご協力いた
避難所が安心するなんて私たちにし
が、本当の意味での位置づけには﹁安
にて公開予定
枕元に置いてあったおにぎりが上から
滑り落ちてぺちゃんこになり、港に着
くなり横殴りの強風と雨にもみくちゃ
にされ、手荒い歓迎を受けたのである。
島の自然は穏やかなものではなかっ
た。
早朝は暗くてただ右へ左へ揺さぶら
れてバスで来た道は、昼間に出て見る
と溶岩のせいでくねっているのが分
かった。至る所に黒い焦げたような岩
肌の丘があり、その合間で店や住宅が
「あしたばん編集部ブログ」
三宅島大学は、東京文化発信プロジェクトの東京アートポイント計画事業として実施されます。
こちらのビデオは
第 十 八 号
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ん
ば
た
し
あ
2011 年 ( 平成 23 年 ) 12 月 2 日 金曜日
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