地球のために、いまできること - NTT東日本

Theme 3
人と地 球のコミュニケーション
地 球のために、いまできること
わたしたちは、美しい地 球を未 来につなぐために情 報 通 信サービスの提 供による社 会 全 体の環 境 負 荷の低 減、
自らの環 境 負 荷 低 減、そして社 員 一人ひとりが日常 生 活に伴って生じる環 境 負 荷の低 減に積 極 的に取り組みます。
環 境マネジメント
NTT 東日本地球環境憲章
「NT T 東日本 地 球 環 境 憲 章」は、N TT 東日本グループが一 体となって地 球
環境保全に取り組むための基本姿勢として制定したものです。
201 0年 度には、基 本 方 針に「生 物 多 様 性の保 全」を追 加し、生 物 多 様 性 保
全の取り組みを強 化しています。
基本理念
人類が自然と調和し、未来にわたり持続可能な発展を実現するため、
NTT グループ地球環境憲章に則り、NTT 東日本はグループ会社と一体
になって、すべての企業活動において地球環境の保全に向けて最大限の
努力を行います。
基本方針
1. 法規制の遵守と社会的責任の遂行
2. 環境負荷の低減
3. 環境マネジメントシステムの確立と維持
4. 環境技術の開発
5. 社会支援等による貢献
6. 環境情報の公開
7. 社員の教育
8. 生物多様性の保全
N T T 東 日 本 地 球 環 境 憲 章の全 文
ht tp://w w w.nt t- east .co.jp/ecolog y/content s/
manage _c har ter.html
環 境 経 営 の3つ の 柱
NT T 東日本グループは3つの柱を軸に環境経営を推 進しています。1つめ
の柱は、情 報 通 信サービスの提 供を通じて社 会 全 体の環 境 負 荷 低 減に貢 献す
ること。2つめの柱は、自らの事業活動に伴って発 生する環 境 負 荷の低 減に努
めること。3つめの柱は、社 員 一 人ひとりが業務の内外によらず日常 生 活に伴っ
て生じる環 境 負 荷の低 減に努めることです。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
68
人と地球のコミュニケーション
N T T 東 日 本 グ ル ープ 環 境 経 営 推 進 体 制
200 8年 度より、全 社 的な環境経営施策推進ワーキンググループ体 制を構
築し、取り組みを強 化しています。
NTT 東日本グループ環境経営推進体制
環境経営施策
推進ワーキンググループ体制
・目標設定
・施策策定
・進捗管理
代表取締役社長
支店
グループ
本社
経営会議
CSR委員会
地球環境保護推進小委員会
事務局:ITイノベーション部
グリーン推進室
NTT東日本グループ会社
環境マネジメントシステム
環境マネジメントシステム(EMS)の構築と運用
法規制等の遵守や電力使用量削減等の環境負荷低減に向け、1999年に初
めて資材調達センタがISO14001を取得して以来、本社各組織および全17支
店グループにてISO14001の認証を取得し、社員カバー率100%を達成して
いましたが、2011年度はさらにNTT 東日本が運営する5つの病院と健康管理
センタがISO14001の認証を取得しました。 医療組織でISO14001の認証
を取得している組織の割合はわずかですが、NTT 東日本が一丸となって環境に
取り組むうえで、病院においても同様にEMSの構築を進めてまいりました。こ
れにより、2011年度に発足した東北復興推進室を除きNTT 東日本のすべて
の組織で認証取得を完了したことになります。東北復興推進室についても、環
境負荷低減に向けEMSを構築し、2012年度中の認証取得をめざしています。
運用については全社目標に基づいた共通目標を組織ごとに設定し、マネジメ
ント水準の向上を図っています。
さらにNTT 東日本グループ全体でも、ISO14001をはじめ中小規模向けの
環境マネジメントシステムであるエコアクション21認証・登録制度 *1やグリー
ン経営認証 *2などにより、社員カバー率100%に向け推進しています。
NTT 東日本グループISO14001(中小規模向けEMS 含)社員カバー率
NTT東日本
(%)
100
用 語 解 説
NTT東日本グループ
*1. エコアクション21認証・登録制度:中小事業者でも取り組み
やすい環境経営のしくみのあり方について環境省が策定した
エコアクション21ガイドラインに基づき、取り組みを行う事業
者を審査し、認証・登録する制度。
80
60
40
*2. グリーン経営認証:地球にやさしい運輸事業をめざして、交
通エコロジー・モビリティ財団が認証機関となり、グリーン経
営推進マニュアルに基づいて一定レベル以上の取り組みを
行っている事業者に対して審査の上認証、登録を行う制度。
20
0
つなぐ
2007
2008
2009
2010
2011
病院組織への拡大
201 2年3月、N T T 東日本が運 営する5つの病 院と健康 管 理センタが、医 療
機関としては先 進 的な環境経営の取り組みであるI S O14 0 0 1認 証 取 得を完
了しました。 各 病 院および健 康 管 理センタでは、環境負 荷 低 減に向けて医 療
廃棄物の削 減・適 正 処 理、エネルギー使用量の削減、地 域 清 掃 活 動 等に取り
組んでおり、今 後も環 境に配 慮した医 療サービスの提 供をめざし取り組みを進
めていきます。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
社 員の声
NTT 東日本伊豆病院 看護部 看護部長
塩田 美佐代
医療人、
そして社会の一員として
当然の取り組みを
ISO14001は製造業等を対象にしたものと思って
いたことから、最初はわたしたち医療機関に取得が必
要なのか疑問に思っていました。勉強を進めるうち、こ
れまでに当院が行ってきた、感染防止の取り組みや廃
棄物処理の進め方、節電等がISO14001の考え方に
合致していたことがわかり、
自信がつきました。今では、
わたしたちは医療人である前に社会人であり、環境へ
配慮をして当然なのだという自覚も生まれています。
人と地 球のコミュニケーション
69
つなぐ力
人と地球のコミュニケーション
社員教育の実施
環境 問 題に対して社 員一人ひとりが自ら考え、行 動することを目標に全 社 員
を対象とした環 境 教 育を実施しています。
環境 教 育にあたっては、(1) 全 社 員 向け研 修、(2) 核 要 員 養 成に向けた研 修、
(3) 経 営 層 向け研 修、に階層化して実施しています。 全 社 員 向け研 修につい
ては、これまで組 織ごとに研修やゴミ処 理 施 設 等の見 学を行ってきましたが、
自 然 体 験 研 修の様 子
2008年 度からはeラーニングによるN TT 東日本グループ全 体の環 境 経 営、
環境活 動の内 容について学習する機会を設けています。また、核 要 員 養 成に
向けては財 団 法 人キープ協会の協力を得て自然体験型 研 修を実 施し、より高
い環境意 識の醸 成を図っています。
公 益 財 団 法 人キープ協 会
ht tp://w w w.keep.or.jp/ja /
グリーンガイドライン
事業 活 動を行うために多くの製 品や部品を調達しますが、それらを使 用した
り廃棄したりする際に、環境に負荷をかけることが考えられます。 製 品 調 達、
建物設 計、研 究 開 発 等の事 業 活 動に伴う環 境 負 荷を低 減するために「グリー
ンガイドライン」を定めています。
また、2 0 1 0年5月より、N TTグ ル ー プ8社は地球温 暖 化 防 止 活 動 の 一 環
として、N T Tグループが使 用するルータ・サーバ等のI C T 装 置の開 発・調 達
にあたっての基 本 的 考え方を定めた「N TTグループ省エネ性 能ガイドライン」
グリーンガイドライン
ht tp://w w w.nt t- east .co.jp/ecolog y/content s/
corp_ guide.html
を制定し、運 用を開 始しました。 今後も、各種グリーンガイドラインに沿って
N T T 東日本 調 達 活 動
ht tp://w w w.nt t- east .co.jp/purchase/
NT T 東日本は、サプライヤ各 社 様とともに継 続して環境 問 題に取り組んでい
N T Tグループ省エネ性 能ガイドライン
ht tp://w w w.nt t .co.jp/kank yo/management /
guideline/energ y.html
きます。
NTT 東日本グループアクトグリーン21
社員 一 人ひとりが日常で生じる環 境 負 荷の低 減に努め、
「地 球 市 民としての
責任」を果たすために、2 0 0 9年6月より開始した社 員 参 加 型 環 境 活 動「N T T
東日本グループアクトグリーン2 1」
は、順 調に活 動の輪を広げています。
「e c o
検定」*1については、2 0 1 1年度は3,5 0 0名 以 上の社 員が合 格し、環 境デー
や環境月間 等を通じた清掃活動には延べ3 7,0 0 0名 以 上が参 加しました。
特に、2 0 1 1年 度の夏には、社員の家庭において「節 電ライフコンテスト」*2
を実施し、家 庭においても節 電 促 進に取り組みました。
これからも、社 員 一 人ひとりの取り組みにつながる各種 施 策を展 開していき
ます。
NTT 東日本グループアクトグリーン21
全社員が参加する施策
職場での取り組み
・マイバッグ利用
・マイカップ利用
・エコドライブ
・3アップ4ダウン運動
・ボトルキャップ回収
・ノー割箸化(会社食堂) (エレベータ利用自粛) 等
会社による支援
●
家庭(個人)の取り組み
eco検定推奨
節電コンテスト実施による
各家庭での節電意識の醸成
●
2011年度合格者数
3,500名以上
地域社会貢献/協働
社員によるグリーンポテト
栽培活動を実施
●
(秋に実施した収穫祭には
近隣保育園児を招待)
● 環境デー等に
地域清掃活動を実施
(1)トップによる意識啓発等…環境経営に関するトップメッセージを順次発信
(2)環境デー(毎月5日)、環境月間(毎年6月)
(2009年6月より)
しくみ
しくみ
考え方
環境デー
継続的運用施策の活性化
(毎月5日)
環境月間
(毎年6月)
取り組み内容等
◇毎月環境デーを中心とした清掃活動の実施
⇒2011年度においては、NTT東日本グループにおい
て、のべ37,000名以上が地域清掃活動に参加。
◇社内省エネ点検 等
環境施策を重点的に実施
◇アクトグリーン21諸施策の集中展開
(2011年度はeco検定対策教材の提供・受験推奨)
(3)全社員への環境教育による意識向上・知識付与
CSR研修(推進担当者等)、eラーニング(全社員)等
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
用 語 解 説
*1. eco 検定:環境社会検定試験。 東京商工会議所 が 主催 す
る環境問題への取り組みに関する検定。
*2. 節電ライフコンテスト:東日本大震災に伴い、社員の家庭に
おいても可能な限りの節電に取り組むため、電気使用量の削
減率を競う、節電行動推進のための施策。
人と地 球のコミュニケーション
70
人と地球のコミュニケーション
つなぐ
「Hama Boom Boom!プロジェクト@NTT 東日本 神奈川」
の取り組み
NTT 東日本 神 奈 川 支 店では、生 物 多 様 性の保 全、およびミツバチの飼 育に
より街を活 性 化させることを目的として、
「Ham a Boom B o o m!プロジェクト」
と共同で、N T T 横 浜ビル屋 上にてミツバチの飼育を開始しました。 横 浜 中 華
街エリアでは初めてとなる活 動です。
「H a ma B o o m B o o m!フ ゚ロ シ ゙ェ クト@ N T T
東日 本 神 奈 川」
の皆さん
養 蜂 活 動の指 導・トレーニング
「Ha m a B o o m B o o m!プロジェクト」のスタッフと社員ボランティアによる
サークル(
「H a m a B oom Boom!プロジェクト@ NTT 東日本 神 奈 川」
)が週 末
に活動し、月に1〜2回のペースで採 蜜を行っています。採 蜜の他、ビル屋 上に
ブルーベリー等の受 粉・蜜源植物を置くことで屋上緑化を実 施したり、ミツバ
チの活 動 状 況をライブカメラによりライブ配信しています。
今後も、養 蜂 活 動の継 続により「人と人の結びつきの場の提 供」
「つながり
の充実・強 化」
「街の活 性 化」に貢 献し、地 域をつなぐ取り組みを推 進していき
巣 箱の中のミツバチを取り出した様 子
採 蜜したハチミツ
養 蜂をしている小 屋
ミツバチの活 動は
「光 H O U S E
YO KO H A M A」
でライブ配 信 中
ます。
他のミツバチ関 連する活 動としては、N TT 東日本 東 京 支 店グループが環
境の共 生をめざす「銀 座ミツバチプロジェクト」に参 画しています。社 員ボラン
ティアによって、N T T 東日本ビル屋 上に「ビーガーデン」を設 置し花を植えて
おり、銀座 近 隣の緑 化に貢 献しています。
社 員の声
つなぐ力
NTT 東日本 - 神奈川 西湘営業支店
第一サポート担当 主査
富田 卓司
ミツバチの魅力がつなげる人と街
10年位前から植物の受粉等の際のミツバチの役割
に関心があり、養蜂関連の本を読んでいましたので、こ
のプロジェクトに参加しました。
ミツバチの巣箱の中を検査するなど等、実際の作業
は時が経つことを忘れるくらい楽しいのですが、巣箱の
ミツバチを傷つけないようにしたり、経験不足から女
王蜂を見つけられなかったりといろいろ苦労をしていま
す。ミツバチとのふれあいを楽しみながら、一つひとつ
経験を重ね、はやく手際良く作業ができるようになれた
らいいなと思っています。
今後は、見学会等で説明できるだけのスキルを身に
つけ、特に近隣の子どもたちにミツバチの魅力を話し
たいと考えています。
養蜂活動
ht tp://w w w.nt t- east .co.jp/kanagawa/content s/
apiculture.html
つなぐ
地域のクールスポットの取り組みに参加
NTT 東日本神奈川支店グループの西湘営業支店では、地域の各家庭の節
電のために、地元・小田原市の各団体、企業が街中での避暑地となる場所(クー
ル・スポット)を提供する取り組みに参加しました。
各家庭におけるピークタイム時の節電寄与と地域経済の活性化を図る取り
小 田 原クールスポット
組みに参加することにより、環境負荷低減と地域のコミュニケーションを推進し
ています。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
71
人と地球のコミュニケーション
つなぐ
花いっぱい運動
NTT 東日本茨城支店グループでは、地域社会貢献活動の一環として、毎
年、春と秋に「公園の花いっぱい運動およびクリーン作戦」に取り組んでおりま
す。この活動は、2002年度より開始して今年で11年目を迎えます。 昨年の
11月には、2年前から参加いただいている水戸女子高校インターアクトクラ
公 園でのクリーン作 戦の様 子
ブ、水戸ローターアクト( 大学生およびロータリーメンバ)に加え、水城高校の
インターアクトクラブの生徒さんも加わり、水戸市と土浦市の3公園において、
NTT 東日本茨城グループの社員・家族・退職者等とあわせ活動史上最大の
総勢330名の参加メンバーにより、企業と市民グループが一体となって公園清
掃と季節の花の植花を実施しました。2012年6月はさらに多い440名の参加
応募をいただきましたが、あいにくの大雨により中止となり、翌日、弊社の担当
花 壇への植 栽の様 子
者で花壇に2,100鉢のベゴニア・赤サルビア・青サルビアの苗を植えました。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
72
人と地球のコミュニケーション
主 要 行 動 計 画( 基 本 プ ロ グ ラム )
「温 暖 化 対 策」
「紙 資 源 対 策」
「廃棄物対策」については、地 球 環 境に与え
る影響が特に大きい要 素としてとらえ、それらに対し主 要 行 動 計 画目標を設 定
しています。
NTTグ ル ー プ が 2 0 2 0年 度 に 向 け た 新 た なN TTグ ル ー プ 環 境ビ ジョン
「T HE G R E E N VI S I O N 2 0 2 0」を発 表したことに伴い、N T T 東日本グルー
プにおいても2 0 1 0年 度に、2 0 2 0年 度に向けた中 長 期目標である新たな主
要行動目標を策 定しました。
温暖化対策
紙資源対策
2020年度におけるCO₂排出量を
2008年度比25%以上削減する。
2020年度における紙の総使用量を
2008年度比35%以上削減する。
廃棄物対策
2020年度における全廃棄物合計
の最終 処分率を1.5%以下に低減
する 。撤 去した 通 信 設 備 廃 棄 物 、
土木廃棄物のゼロエミッション※1
を継続する。
※ 左 記の目 標は、東日本 大 震 災による各 種 影 響を考 慮してい
ない目 標 数 値となっています。
※1 国 連 大 学が 提 唱した構 想。産 業から排 出される廃 棄 物や
副 産 物が、
他の産 業の資 源として活 用され、全 体で廃 棄 物
を出さない生 産をめざすもの。N T T 東日本グループでは、
最 終 処 分率1% 以下をゼロエミッションと定 義。
新たな主 要 行 動目標は、N TT 東日本グループ各 社を含めた、N T T 東日本
グループ全 体を対 象としており、実 績の収 集・管 理についてもN T T 東日本グ
ループ全 体を把 握して、一体となった改善に取り組んでいます。
2008
実績
2009
実績
(万t-CO₂)
120
104.3
100
107.5
2010
実績
NTT 東日本グループにおけるCO₂排出量
101.7
2011
実績
2020
目標
93.3
目標
2008年度比
25%減
80
60
40
20
0
2009
実績
2008
実績
電力
(億kWh)
※2
排出係数
(kg/kWh)
電力起因のCO₂
(万t)
社用車のCO₂
(万t)
ガス・燃料のCO₂
(万t)
CO₂排出量合計
(万t)
2010
実績
2020 (年度)
目標
2011
実績
※ 各項 目ともN T T 東日本グループ各 社 合 計の数 値。
2008年度実績 2009年度実績 2010年度実績 2011年度実績
22.3
0.440
98.0
2.7
3.6
104.3
23.0
0.441
101.5
2.6
3.4
107.5
23.4
0.406
95.2
2.6
3.9
101.7
22.6
0.387
87.7
2.3
3.3
93.3
※2 排 出 係 数は、
N T T 東日本グループが各 電 気 事 業 者ごとに
使 用している電 力 量に応じて、
各 電 気 事 業 者が毎 年 公 表し
ている排 出 係 数を加 重 平均した値です。
2020年につ いては 電 気 事 業 連 合 会 が 東日本 大 震 災 前
に公 表した2020年 度 目 標 の 排 出 係 数0.3 3k g / k W hを
用いて算 出しています。
CO₂排出量については、電力削減に最大限の努力を行い、電力量が初の減
少に転じた結果、2011年度のCO₂排出量は前年度比で△8.2%、2008年度
比で△10.5%の削減となりました。
NTT 東日本グループにおける紙使用量
(t)
50,000
40,000
34,383
32,591
30,731
2008
実績
2009
実績
2010
実績
30,000
28,352
20,000
目標
2008年度比
35%削減
10,000
0
2011
実績
2020 (年度)
目標
※3 事 務 用 紙はN T T 東日本グループ各 社 合 計の数 値。
2008年度実績 2009年度実績 2010年度実績 2011年度実績
電話帳
(t)
電報
(t)
※3
事務用紙
(t)
※4
請求書
(t)
28,178
26,455
24,749
22,793
514
2,860
2,831
472
2,935
2,729
429
2,940
2,613
413
2,617
2,529
※4 当 社の顧 客 情 報 管 理システムを元に定 期 的に発 行される
請 求 書 等。
※ その他チラシ、
パンフ等については別 途 集 計 予 定。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
73
人と地球のコミュニケーション
紙使用量については、ペーパーレス会議等の推進や請求書用紙の削減等の紙
使用量削減施策を実施し、2008年度比△17.5%の削減となりました。
全廃棄物最終処分率
(%)
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
目標値1.5%以下
1.5
1.2
1.0
2008
0.8
2009
2010
2011 (年度)
NTT 東日本グループにおける廃棄物量
撤去通信設備
建築廃棄物
土木廃棄物
オフィス廃棄物 ※
トータル
( 全廃棄物 )
排出量 ( 万 t)
最終処分量 ( 万 t)
最終処分率 (%)
排出量 ( 万 t)
最終処分量 ( 万 t)
最終処分率 (%)
排出量 ( 万 t)
最終処分量 ( 万 t)
最終処分率 (%)
排出量 ( 万 t)
最終処分量 ( 万 t)
最終処分率 (%)
排出量 ( 万 t)
最終処分量 ( 万 t)
最終処分率 (%)
2008年度
10.9
0.00288
0.0%
9.4
0.24
2.5%
9.7
0.10
1.0%
1.1
0.06
5.1%
31.8
0.47
1.5%
2009年度
12.5
0.00035
0.0%
2.8
0.11
4.0%
8.3
0.04
0.5%
1.0
0.04
4.1%
25.3
0.25
1.0%
2010年度
11.4
0.00038
0.0%
12.4
0.31
2.5%
6.9
0.01
0.2%
1.0
0.01
1.3%
32.5
0.38
1.2%
2011年度
12.4
0.00004
0.0%
7.1
0.19
2.7%
6.6
0.01
0.2%
0.9
0.01
1.3%
27.1
0.21
0.8%
※ 2010年度以前は、
NTT 東日本本社・支店および地域会社の値
最終 処 分 率については、撤 去した通 信 設 備において高いリサイクル率を維
持し、オフィスにおける廃 棄 物のリサイクルを推 進したことから、全 廃 棄 物にお
ける最 終 処 分 率は1%以 下となりました。
詳細プログラム
NTT 東日本グループでは、環境負荷低減に向けたさまざまな活 動に取り組
んでいます。
主要 行 動 計 画目標 ( 基本プログラム)に設定されている「温 暖 化 対 策」
、
「紙
資源対 策」
、
「廃 棄 物 対 策」については、それぞれ「詳細プログラムとして実 行
すべき管 理 項目を細 分 化して、取り組みを進めています。 詳 細プログラムの
一つひとつの確 実な取り組みが全 体目標の達 成に結びつきます。
温暖化対策
主要行動計画目標
(基本プログラム)
実行管理項目
電力
2020 年度における CO₂ 排出量
を 2008 年度比 25%以上削減
ガス・燃料
2010 年度
実績
2011 年度
実績
CO₂ 排出総量
95.2 万 t-CO₂
87.7 万 t-CO₂
CO₂ 排出総量
3.9 万 t-CO₂
3.3 万 t-CO₂
CO₂ 排出総量
2.6 万 t-CO₂
2.3 万 t-CO₂
詳細プログラム
TPR 運動の推進
ガス・燃料の使用量の削減
(灯油、軽油、A 重油、LPG、都市ガス)
管理指標
紙資源対策
業務用車両
自動車からの CO₂ 排出量の削減
事務用紙
事務用紙の使用量削減・環境に配慮した紙材料の使用 紙使用量
2,940t
2,617t
2,529t
2020 年度における紙の総使用量 請求用紙
を 2008 年度比 35%以上削減
電話帳
料金請求用封筒および料金請求用明細書用紙の使用量
紙使用量
削減・環境に配慮した紙材料の使用
2,613t
環境に配慮した紙材料の使用
環境配慮紙材料の使用率
100%
100%
電報用紙
環境に配慮した紙材料の使用
環境配慮紙材料の使用率
99%
100%
廃棄物対策
土木工事
土木工事関連産業廃棄物の削減と適正処理
2020 年度における全廃棄物合
計の最終処分率を 1.5%以下に低 建築工事
建築工事関連産業廃棄物の削減と適正処理
減。撤去した通信設備廃棄物、土
撤去通信設備 撤去通信設備の削減と適正処理
木廃棄物のゼロエミッション継続
2011 年度も同 1.5%以下に低減
オフィス内
オフィス内廃棄物の削減と適正処理
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
土木工事廃棄物最終処分率
0.2%
0.2%
建設工事廃棄物最終処分率
2.5%
2.7%
撤去通信設備最終処分率
0.0%
0.0%
オフィス廃棄物最終処分率
1.3%
1.3%
人と地 球のコミュニケーション
74
人と地球のコミュニケーション
事 業 活 動 と 環 境 と の 関 わり
環境負荷の全体像
環境への取り組みを効果的、効率的に推進するため、事 業 活 動におけるエ
ネルギー・資 源 消 費 量と環 境 負 荷の全 体 像を把 握しています。
お客さま
利用
紙資源
古紙
純正パルプ
CO₂総排出量
93.3 万 t-CO₂
2.1 万t
0.8 万t
電力起因
ガス・燃料起因
非常用燃料起因
社用車起因
提供
エネルギー等
22.6 億kWh
電力
ガス(都市ガス・CNG) 861 万m³
217 t
ガス(LPG)
82 Kl
灯油
2,224 Kl
軽油
3,141 Kl
重油
7,547 Kl
ガソリン
374 万m³
水
調達
リデュース
3R* リユース
リサイクル
廃棄物量
オフィス廃棄物
撤去通信設備
建築廃棄物
土木廃棄物
設置
通信設備※
エネルギー資源
プラスチック原料
金属
建築材料
87.7 万t-CO₂
3.17 万t-CO₂
0.16 万t-CO₂
2.29 万t-CO₂
6 万t-C
4 万t-C
5 万t
10 万t
運用
保守
範囲:NTT東日本グループ
0.9 万t
12.4 万t
7.1 万t
6.6 万t
リサイクル量
最終処分量
26.8 万t
0.2 万t
※ N T T 環 境エネルギー研 究 所による試 算値
用 語 解 説
3R:リデュー ス(Reduce)
・リユ ー ス(Reuse)
・リサ イク ル
(Recycle)の頭文字をとった、ゴミと資源に関わる環境問題の
解決に有効なキーワード。リデュースは、無駄なものを買わず、
買っ
たものは長く使い、ゴミそのものを減らす取り組み。リユースは、
いらなくなったものでも捨てずにもう一度使う取り組み。リサイク
ルは、いらなくなったものを分類して集め燃料や材料として再利用
する取り組み。
環境効率性
環境・経済活動両面における効率性を定量的かつ長期的に把握するため、
環境効率性を評価指標として取り入れています。具体的には、
「電力購入量」
「紙使用量」
「廃棄物最終処分量」の3つの環境負荷要素について、
(売上高
/環境負荷発生量)を指標として評価しました。(範囲:NTT 東日本)
電力購入量の環境効率性は低下傾向が続いていますが、電力削減の取り組
みにより改善をめざします。紙使用量の環境効率性は、順調に向上しています。
NTT 東日本 電力購入量の環境効率性
NTT 東日本 紙使用量の環境効率性
(百万円/千kWh)
(百万円/t)
100
80
96.3
100
93.4
90.1
90.2
89.0
80
60
60
40
40
20
20
0
2007
2008
2009
2010
2011
(年度)
0
54.6
58.4
60.8
66.0
67.8
2007
2008
2009
2010
2011
(年度)
NTT 東日本 廃棄物最終処分量の環境効率性
(百万円/t)
1,000
800
964.3
600
400
869.2
587.7
488.2
200 333.8
0
2007
2008
2009
2010
2011
(年度)
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
75
人と地球のコミュニケーション
環境会計
事業 活 動における環境への取り組みコストとその効 果を可 能なかぎり定 量
化するしくみとして、環境会計を導入しています。
201 1年 度の「N T T 東日本グループ環 境 会 計」は、環 境 保 全コストとして
の投資 額5 4億 円、費 用 額8 1億円に対して、経済的効果は1 5 8億 円となりま
した。
(単位:百万円)
環境省ガイドライン分類
経済的効果
おもな取り組み内容
投資額
費用額
おもな内容
金額
(1)事業エリア内コスト
—
5,448
5,820
—
14,207
①
公害防止コスト
アスベストの撤去と適正
処理、PCB 使用物品の適
正保管および処分
0
315
—
—
②
地球環境保全コスト
通信電力・空調設備の省
エネルギー化、
業務用車両の低公害車化
5,395
59
③
資源循環コスト
通信設備、建築・土木工事、
オフィス廃棄物処理
テレビ会議システムの導入
・省エネルギーに伴
う費用削減額
・リサイクルにより
得られる収入額
53
5,446 ・通信設備等のリ
ユースによる新規
購入費用削減額
・電子化に伴う郵送
費削減額
(@ ビリング等)
(2)上・下流コスト
電話帳リサイクル、
@ ビリング運用
0
114
(3)管理活動コスト
ISO14001 認証取得、
環境対策人件費
1
2,146
—
(4)社会活動コスト
地域清掃活動
0
4
—
5,449
8,085
合計
75
14,133
1,552
—
—
15,759
減 価 償 却 費は含めておりません。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
76
人と地球のコミュニケーション
持 続 可 能な社 会の実 現に向けた環 境 経 営の推 進
基
勢勢
基本
本姿姿
情 報 通 信サービスの提 供により社 会 全 体の環 境 負 荷 低 減に貢 献するとともに、自らの事 業 活 動や社 員 一 人ひと
りの日 常 生 活における環 境 負 荷の低 減にも積 極 的に取り組みます。
今 期 の 成 果 と 来 期 に 向 け た 取り組 み
わたしたちが提 供している「フレッツ光」を中 心としたI C Tサービスは、お客さまの生 活の利 便 性
向 上に寄 与するとともに、人や物の移 動を減 少させることで、環 境 負 荷の低 減についても大きな
貢 献が期 待できます。 さらには、お客さまの節 電 意 識の高まりに対して、ご家 庭の消 費 電 力がひ
と目でわかる「フレッツ・ミルエネ」の提 供を始めさせていただく等、お客さま一 人ひとりの環 境 負
荷 低 減への取り組みを支 援するI C Tサービスの提 供を進めていきます。
一 方で、I C Tサービスの提 供に必 要となる事 業 設 備の電 力 使 用 量 等の環 境 負 荷 低 減にも努め
ており、2 0 1 1年 度は電 力 需 給 状 況が全 国 的にも逼 迫したことから、オフィスおよび通 信 設 備とも
に最 大 限の節 電に取り組みました。 結 果としてN T T 東 日 本 保 有ビル全 体で、2 0 1 0年 比 総 量とし
て、△3.6%以 上の電 力 使 用 量 削 減を実 現しました。
今 後も、お客さまの生 活と地 域 社 会に密 着した事 業 特 性を活かし、持 続 可 能な社 会の実 現に向
けた環 境 経 営を推 進していきます。
低 炭 素社 会 の 実 現に向けて
情報通信サービスの利用によるエネルギー削減
情報 通 信サービスの普及は、情報通信機器の増加等により電 力 消 費 量の
増加をもたらす反 面、生産活動等の効率化や人やモノの移 動を減 少させる等、
資源・エネルギー利 用の効 率 化を図ることによって、社 会 全 体のエネルギー
使用量を削 減する効 果が期待できます。N TT 東日本グループにおいても、さ
まざまなサービスを提 供することで、社 会 全 体のエネルギー削 減に貢 献してい
ます。
つなぐ
電力見える化サービス「フレッツ・ミルエネ」の提供
NTT 東日本は、これまでも低炭素社会の実現に向けI C Tサービスの提 供 等
による環 境 負 荷 軽 減に取り組んできました。また、今 回の東日本 大 震 災に伴
い、企業のみならずご家庭内においても、さらに効 果 的かつ長 期 的な節 電の取
り組みが求められています。
これらの背 景を踏まえ、N TT 東日本は、ご家庭の消費 電 力 量や電 力 会 社が
提供する電 力 供 給 情 報を見える化することで、ご家庭内の節 電およびC O₂削
減をサポートする事 業を2 0 1 1年7月からトライアル提供してきましたが、本 格
サービスとして広く利 用したいというニーズが高いことを踏まえ、2 0 1 2年1月
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
77
ITイノベーション部
グリーン推進室 担当部長
中川 尚文
人と地球のコミュニケーション
下旬より、
「フレッツ・ミルエネ」として提供開始しました。
「フレッツ・ミルエネ」は、
「分電盤計測器」
、
「電源タップ」により収 集する家
庭内の消 費 電 力 量、および電力会社の電力供給情報等を「光 iフレーム」やパ
ソコン、スマートフォン等に表 示するサービスです。家 庭 内の消 費 電 力 情 報を、
分・時 間・日・月ごとにグラフ表 示することで、ピーク(節 電ポイント)がわか
るため、無 駄な電 力が把 握でき、利用者の節電・節約行 動を促 進します。
社 員の声
つなぐ力
NTT 東日本
コンシューマ事業推進本部 ブロードバンドサービス部 アライアンス担当
小島 量
エネルギーの見える化で、成し得ること
いままでは電力会社からの請求書でしか知ることの
できなかったご家庭の消費電力量をわかりやすく見え
る化すること、さらに具体的な節電・節約行動をサポー
トすることをめざして工夫してきました。 目標達成機
能や、他のフレッツ・ミルエネユーザと節電を競い合え
るランキング機能等はユーザーの皆さまからも好評を
いただいています。 社会的な目標である節電への一
助として非常に有意義な仕事をすることができたと感
じております。
フレッツ・ミルエネをさらに魅力的なサービスとする
ことでより多くの方にサービスをご利用いただき、また、
それをとおしてICTを活用した低炭素社会の実現に貢
献していきたいと考えています。
「フレッツ・ミルエネ」
イメージ図
※ 光 iフレームでの情報閲覧の場合は、別途光 iフレームとフレッ
ツ・マーケットのご契約が必要です。
(別途契約料、工事費、月額利用料がかかります)
つなぐ
PC 省エネサポート
家庭やオフィスで使用される機器の中でも消 費 電 力が高いパソコンについ
て、20 1 0年1 1月より「フレッツ光メンバーズクラブ」の会 員 様 向けに手 軽に節
電仕様にカスタマイズできる「P C 省エネサポート」を提 供していましたが、東
日本大震 災に伴う節 電 意 識の高まりから、2 0 1 1年7月より「フレッツ光」をご
「P C 省エネサポート」
の画 面イメージ
利用のすべての皆さまを対象に無料提供を開始しています。
ツールをインストールするだけで導 入 可 能な本サービスは、パソコンを使 用
する人の使 用 頻 度や時 間を学 習し、1 5分 単 位で電 源を調 整する等、最 適な節
電をサポートします。これにより、1日あたり平 均 約4 3W h ※の節 電を実 現しま
す。さらに、消 費 電 力 量 等を毎日お知らせし、週や月ごとにグラフ化してチェッ
クすることが可 能です。
今後も、
「フレッツ光」をご利 用いただくお客さまの家 庭およびオフィス内の
サービスを充 実させることで、地 球 環 境に配 慮した社 会の実 現をめざします。
・
「フレッツ光」の環境効果
※ 2010年6 〜 7月実施の、
ひかりモニターにおけるトライアル結
果により集計。なお、お客さまのパソコン利用条件等によって、
1日あたり約43Whの節電を実現できない場合があります。
※1 2012年7月1日より、
組 織 名 称が
「N T T 情 報ネットワーク総
NTT 東日本では、光ブロードバンドサービス「フレッツ光」の普 及 拡 大に積
合 研 究 所」
に変 更となりました。
極的に取り組んでいます。「フレッツ光」により、便 利で快 適な通 信 環 境をご提
供するとともに、社 会 全体の環境負荷の低減にも寄 与することができます。
「フレッツ光」を家 庭で利 用した場 合
NTT 情 報 流 通 基 盤 総 合 研 究 所 ※1が、
の環境効 果を試 算 ※2しました。
電子メールやメールマガジン、音 楽のダウンロード、ネットバンキング等の
サービスについて、
「フレッツ光」を利 用した場合と、郵 便・新 聞 等による情 報
収集、店 舗での物 品の購 入 等、従来の手段を利用した場 合のC O₂排 出 量を比
較しています。
フレッツ光(戸 建タイプ)を使用した場 合、排 出されるC O₂は従 来 手 段に比
べて約4 6%、マンションタイプの場 合は約3 9% 削 減されます。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
78
人と地球のコミュニケーション
フレッツ光のCO₂排出削減効果
201
従来手段
フレッツ光(戸建タイプ)
50
(93kg-CO₂/年)
122
フレッツ光(マンションタイプ)
0
46%減
108
100
※2 試算にあたっては、各家庭における1回線あたりの(1)イン
39%減
ターネットの平均利用時間と(2)各種サービスの利用状況
のデータを使用して比較しています。(1)については総務省
の通信利用動向調査および国勢調査に基づくデータを、
(2)
についてはインターネット上でのアンケート調査結果を使用
しています。
(79kg-CO₂/年)
150
200
CO₂排出量(kg-CO₂/年)
・
「テレビ会議」の環境効果
情報通信を活用してテレビ会議を実施することで、経費の削減を図るととも
に、環境負荷の低減にも寄与することができます。たとえば、人の移動に関わ
るCO₂排出量の削減や、会議資料の電子化による紙資源の利用削減が期待さ
れます。
NTT 情報流通基盤総合研究所 ※1が、東京-大阪間で新幹線移動をせずテ
レビ会議を活用した場合の環境効果を試算 ※2した例では、年間約48%のCO₂
が削減されます。
CO₂排出削減効果
1,998
出張会議
1,043
テレビ会議
0
500
1,000
48%減
(955kg-CO₂/年)
1,500
※1 2012年7月1日より、
組 織 名 称が
「N T T 情 報ネットワーク総
合 研 究 所」
に変 更となりました。
2,000
※2 試算にあたっては、参加者(出張者)2人が、2時間の会議を
(kg-CO₂/年)
つなぐ
月2回(年24回)実施したケースで比較しています。
「ひかり電話」を活用した高画質テレビ会議システムや
パソコン等を使用した簡易 Web 会議サービスについて
企業を中心にテレビ電話会議システムへの需要が高まる中、NTT 東日本で
は高画質(フルハイビジョン)
テレビ会議を可能とする「ひかり電話ナンバーゲー
ト」の提供を2010年6月より開始しました。本サービスを活用したテレビ会議
システムについては、NTT 東日本グループにおいても59拠点を接続・運用し
ています。
簡 易 Web会 議サービス
NTT 東日本グループ内に新たに設置したテレビ会議システム特徴
また、NTT 東日本では、会議に伴う移動時間やコスト削減のため、パソコン
および市販のカメラとマイクを使い、自席や打ち合わせ卓等場所を選ばず手軽
に利用できる簡易 Web 会議サービスを導入しています。
インターネット経由で接続でき、社内に限らず、お客さまや在宅勤務者と日々
「ひかり電 話ナンバーゲート」
を利 用したフルハイビジョン映 像で会 議 出
席 者の表 情まで共 有
●
●
資 料 共 有システムにより完 全ペーパレス会 議を実 現
・資 料は、
説 明 者 側とページ連 動を実 施
・直 感 的なパソコン操 作で資 料の先 読み、
メモ等を実 現
の連絡に利用したり、パソコンの画面を共有しながら打ち合わせしたり、さまざ
まな場面で使用可能です。2011年度の1年間で約2,000回の利用がありま
した。
NTT 東日本グループではこれらのテレビ会議システム、Web 会議サービス
を活用し、CO₂排出量の削減や紙使用量の削減につなげています。
ひかり電 話ナンバーゲート
http://flets.com/hikaridenwa/numbergate/index.html
・ネットショッピングの環境効果
ネットショッピングを利 用することで、店 舗に出かけて購 入する場 合と比 較
し、C O₂排 出 量の低 減に寄与することができます。
200 5年 度 情 報 通 信 技 術(I C T)の 環境効率ガイドライン(日本 環 境 効 率
フォーラム)の計 算 手 法に基づき、2 0 0 6年 度にN TT 環 境エネルギー研 究 所
環境推 進プロジェクトが試 算したところ、店 舗での商 品 購 入と比 較し、年 間 約
9 4%のC O₂が削減されます。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
79
人と地球のコミュニケーション
ネットショッピングのCO₂排出削減効果
17.8
店舗での商品購入
94%減
1.1
ネットショッピング
0
(16.6kg-CO₂/年・回線)
5
10
15
※ 音楽・映画・書籍およびチケットを『インタネットよりダウンロー
20
ド(映像はストリーミング)によってコンテンツを入手する場合』
と想定し比較しています。
(kg-CO₂/年・回線)
つなぐ 「びっくり
!エコ100選」に協賛
NTT 東日本グループでは、2008年より「びっくり!エコ100選」に協賛し、出
展しています。協賛・出展をスタートしてから5年目を迎えた2012年は、フレッ
ツ・ミルエネのパネル展示、および小学生を対象に、
「実験! 通信ってエコ?!」
をテーマとし、電話やインターネットの通信技術とエコとの関係についてのワー
クショップを実施しました。
「実 験! 通 信ってエコ?!」
ワークショップ
「びっくり!エコ1 0 0選」
ht tp://w w w.eco10 0.jp/
省エネ・省電力の取り組み
NTT 東日本グループの事業活動におけるCO₂排出量の90% 以上は、
オフィ
スや通信設備の電力使用に伴うものです。そのため、低炭素社会の実現に向
けて、省電力化が重要なポイントとなり、NTT 東日本グループ一丸となって節
電に取り組んでいます。
NTT 東日本グループ電力使用量推移
(億 kWh)
25
22.3
23.0
23.4
22.6
2008
2009
2010
2011 (年度)
20
15
10
5
0
・通信設備における取り組み
NTT 東日本グループにおける電力購入量は、通信設備によるものがその大
部分を占めています。 電力削減のため、ネットワーク設備の更改・統廃合や、
空調設備の更改および運転台数適正化等のトータルパワー改革(TPR)運動 *
施策に加えて、通信サービスの確保を前提としたうえで、通信機械室の空調改
善に最大限取り組みました。
つなぐ
用 語 解 説
トータルパワー改革(TPR: Total Power Revolution)運動:
NTTグループ独自の電力エネルギー削減に向けた活動。
データセンターの省エネ化への取り組み
データセンターは、ご利用されるお客さまの設備効率化および省エネルギー
化に寄与する面がある一方、近年のIT 装置の高密度化および高発熱化に伴い、
データセンターの消費電力量は今後ますます増加することが予想されますの
で、NTT東日本では、データセンターの消費電力を抑える取り組みを推進して
います。
その取り組みの1つとして、消費電力の半分程度を占める空調システムに着
ラッ
目し、
アイルキャッピング※の導入を進めています。アイルキャッピングとは、
ク列間の通路を壁や屋根で区画し、
IT装置への給気 ( 低温)とIT装置からの排
アイルキャッピング
(N T T 東日本データセンター)
気(高温)を物理的に分離して効率的な空調環境を実現する気流制御技術で
あり、データセンターにおける省エネルギーと高信頼を両立することが可能な
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
※ アイルキャッピングはNTTファシリティーズの登録商標です。
人と地 球のコミュニケーション
80
人と地球のコミュニケーション
最先端の空調ソリューションです。
また、NTT東日本データセンターではLED照明や太陽光発電、壁面緑化、
遮熱・断熱コーティングの採用により、建物全体の消費電力の削減を進めてい
ます。さらに、北海道データセンターでは、北海道の冷涼な外気を活用して消
費電力を抑える新型の空調設備を導入しています。
今後もこうした取り組みにより、データセンターの消費電力を抑え、環境負荷
低減を図っていきます。
・オフィスビルにおける取り組み
オフィスにおいて使用される電力の削減を目的として、昼休み時の消灯等、
節電施策を実施するとともに老朽照明の更改や長寿命かつ消費電力の低い
LED 照明の導入を行っています。また、屋上緑化や太陽光発電の導入を進め
る等、エネルギーの削減に取り組んでいます。
つなぐ
環境に配慮した研修施設の建設について
NTT 東日本グループでは、
「NTT 中央研修センタ総合リニューアル」の一
環として、研修棟等の 建て替え等に取り組んできました。この中で新5号館(座
学棟)では、採光と発電を両立するシースルー太陽光パネル、吹き抜け階段を
利用し暖かい空気を上部へ逃がすエコダクト、太陽光を反射させることで外光
N T T 中 央 研 修センタ5号 館
を室内に取り込み明るさを確保するライトシェルフ、年間を通じて気温が一定
である地下共同溝の空気を利用し空調効率をあげるクール/ヒートトレンチや
引き違い窓により新鮮な空気を導入できる自然換気、樹木を活用したグリーン
ウォール等、自然エネルギーを利用した設備を導入しています。
またこれらの建物では、NTTグループで開発しその役割を終えた公衆電話
ボックスやコンクリート製電柱、絶縁用玉碍子等の通信設備用資材、建設に
伴って伐採した樹木を建物の建築資材として再利用しています。 その他実習
棟、宿泊棟でも、屋上緑化、太陽光発電、LED 照明、人感センサー、ハイブリッ
ト給湯等、省エネ技術を用いて環境と共生する建築物としています。今後もこ
れらの省エネルギー設備の導入を推進していきます。
つなぐ
屋上緑化の取り組み
NTT 東日本グループでは、屋上緑化等のさまざまなグリーン化を推 進して
います。N T T 東日本 本 社ビル低 層 棟、東京支店芝ビル、十 条ビル、自由ヶ丘
ビル、神 奈 川 支 店 横 浜ビル、川 崎ビル、川 崎 北ビル、藤 沢ビルおよび山 梨 支
店朝気ビルにおいて、屋 上 緑 化に取り組み、そのうちの約 半 数のビルでは、サ
東 京 支 店 芝ビル
ツマイモ水 気 耕 栽 培「グリーンポテト」 の取り組みを行っています。サツマイ
※
モの葉は大きく、幾 重にも重なり合っているため、蒸散作 用や遮 熱 効 果が期 待
できヒートアイランド現 象の緩 和に役 立つとされています。栽 培については社
員が交 替で行うことにより環 境への意 識 向 上へもつなげています。また、神 奈
川支店 川 崎ビルにおいては、緑 豊かなまち川崎をめざした地 域 交 流 活 動の一
環として、近 隣の保 育 園 児を招待してサツマイモ、エダマメの苗 植を実 施する
等、地 域 社 会との交 流にも役立っています。
※ サツマイモ水気耕栽培による屋上緑化システム。液肥を用い
る水気耕栽培システムであるため、耐荷重等の問題が少なく、
ヒートアイランド対策に効果 的な屋上緑化を容易に導入でき
ます。
「グリーンポテト」は、NTTファシリティーズの登録商標です。
つなぐ 「打ち水」
による夏季節電対策の実施
NTT 東日本グループでは、夏 季の電 力 供 給 不 足に配 慮し節 電 対 策の一 環
として、冷 房を控えるために、東京支店グループ管 内の26ビルで打ち水を実 施
しました。
打ち水 大 作 戦の様 子
「打ち水」は、ヒートアイランド現 象の原 因の 1つであるアスファルト・コンク
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
81
人と地球のコミュニケーション
リート等の熱を冷やし、温 暖 化の上 昇を防ぐねらいがあります。また、再 利 用
水を使 用するため、普 段 意 識しない水の利 用のあり方 等をあらためて認 識す
る機会にもなりました。
つなぐ 「緑のカーテン」
による省エネ対策および節電対策
NTT 東日本 東 京 支 店グループ、神奈川支店グループ、茨 城 支 店グループ、
群馬支 店グループ、山 梨 支 店グループおよび北 海 道 支 店グループでは、省エ
ネ対策および夏 季の節 電 対 策として、
「緑のカーテン」を設 置しました。
「緑のカーテン」は、壁や窓をつる性植物で覆うことにより、緑 化という景 観
山 梨 支 店の緑のカーテン
性を向 上させつつ、建 物への直 射日光を遮りエアコンの消 費 電 力を抑えるこ
サーモグラフィ(中 央 部分がグリーンカー
テン。周 囲と比 較し温 度 上 昇が 抑 制さ
れているのがわかります。)
とが可能です。 加えて、冷 房の使 用 抑 制による省エネルギー効 果、建 物に熱
を蓄積させないことによるヒートアイランド緩 和の効 果が期 待できます。
また、茨 城 支 店グループでは、各ビル・部署ごとのグリーンカーテンの発 育
状況についてできばえを競い、また群 馬 支 店グループでは、各 家 庭で生 育した
グリーンカーテンについて評 価するといったグリーンカーテンコンテストを実 施
し、省エネだけでなく社員の意 識 向 上にも役 立てています。
社 員の声
つなぐ力
NTT 東日本-山梨
企画部 事業企画担当 主査
窪田 勝
心にもやさしい省エネ活動「緑のカーテン」
青沼ビルでは、夏の室温上昇を抑える目的から「緑
のカーテン」を栽培しています。今年は、アサガオを育
てており、幅は40mで3階までの巨大な「緑のカーテン」
です。その効果も絶大で、アサガオを通る風の心地よ
さと、午前中のエアコン稼動抑制に大きく貢献してい
るようです。
また、アサガオの水やりは、社員のローテーションで
実施しており、大切に管理し育てています。
また、花も沢山綺麗に咲いており、出勤時の癒しと
なっていることから、来年も「緑のカーテン」を栽培して
ほしいと思っています。
再生可能エネルギーへの取り組み
NTTグループでは、
「つなぐ。 それは、ECO」を合言葉として、グループ一
体となった環境貢献活動に取り組んでいます。その一環として、環境にやさし
い自然エネルギーの普及促進のための施策「グリーンNTT」
を推進し、
ソーラー
システム(太陽光発電)を中心とした自然エネルギーの発電・利用に努めてい
ます。
今後も低炭素社会の実現に向け、自然エネルギーの国内普及・拡大に貢献
するため、NTT 東日本グループにおいても率先して取り組んでいきます。
つなぐ
「グリーンN T T」
http://www.ntt.co.jp/kankyo/protect/greenntt/
index.html
自然エネルギーの利用を促進する
「グリーンNTT」の取り組み
太陽 光 発 電システムを中 心とした自然エネルギーの発 電・利 用を促 進する
施策「グリーンN T T」を推 進する組 織として、
「N TT-グリーンL L P(有 限 責 任
事業組 合)
」を組 織し、太 陽 光 発 電 施 設の運 用を開 始しています。企 業グルー
プのL L Pによる太 陽 光発電の導入と、グリーン電 力 証 書を融 合した環 境 事 業
札 幌 西ビル屋 上の太 陽 光 発 電パネル
は、日本 初の取り組みとなります。グリーンL L Pを通じて、2 0 1 0年 度までに全
国9カ所で1.6M Wの太 陽 光 発 電 施 設を運 用し、2 0 1 2年までにグループ全 体
で約2.1M W 規 模の保 有をめざしています。
NTT 東日本 北 海 道 支 店は、2 0 1 1年1 0月より札 幌 西ビルにおいて、
「N T T グリーンLLP」によって発 電 容 量5 2kWの太 陽 光 発 電 設 備の運 用を開 始しまし
た。推 定 年 間 発 電 量としては約3 3,5 0 8k W h、一 般 家 庭 約1 0世 帯 分に相 当
します。これにより「グリーンN TT」の一 翼を担い、社会の環 境 負 荷 低 減と持
続的発 展に向けより一層貢献していきます。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
82
人と地球のコミュニケーション
業務用車両における取り組み
業務 車 両から排 出されるC O₂を下げるために車両保有 台 数の見 直しを図る
とともに、ハイブリッド車 等の低 公 害 車1 0 0% 化(工 事 用 特 殊 車 両を除く)を
進めています。また、講 習会を随時行い、またエコドライブコンテストに参 加
する等、全 社 的にもエコドライブの取り組みを進めています。
2008
2009
2010
2011(年度)
業務車両におけるCO₂排出量の推移
(万 t-CO₂)
3.0
2.7
2.6
2.6
2008
2009
2010
2.5
2.3
2.0
1.5
1.0
0.5
0
つなぐ
2011 (年度)
山形支店における廃食用油活用の取り組み
NTT 東日本山形支店グループでは「持続可能な循環型社会」をめざした取
り組みとして2008年より廃食用油を収集し、地域のBDF*プラントへ提供して
います。開始当初は社員食堂だけを対象としていましたが、2009年度からは
範囲を広げ社員やOB、社員寮等からも積極的に収集しています。2009年度
収 集された廃 食 用 油
B D Fを使 用している業 務 用 車 両
は578ℓ、2010年度は761ℓ、2011年度は766ℓで、累積で2,105ℓの収集
実績となり、これは、BDF*として業務用車両へ使用した場合、年間走行距離で
ある約7,100kmに値する収集量であり、エネルギーの消費削減にもつながって
います。
こうした廃 食 用 油の収 集 活 動は、社 員 参 加の施 策として浸 透・定 着してき
ています。 今 後もさらに収 集 量の拡 大を図ることで、地 域に根ざした循 環 型
社会の実 現に貢 献していきたいと考えています。
2008
2009
2010
2011(年度)
廃食用油の収集量の推移
(ℓ)
1,000
761
800
766
578
600
400
200
0
用 語 解 説
169
2008
2009
2010
2011 (年度)
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
BDF:Bio Diesel Fuel。使用済み植物性食用油を再生した軽
油の代替燃料のこと。
人と地 球のコミュニケーション
83
人と地球のコミュニケーション
循 環 型 社 会 の 形成に向けて
事務用紙使用量削減に向けた取り組み
事務 用 紙については国の定めるグリーン購入法 *の適 合 製 品の採 用を積 極
的に進めるとともに、N TT 東日本の目標として、
「2 0 1 3年 度 末までに一 人あ
たりの使 用 枚 数を2 0 08年度から半 減する」を目標として設 定し、取り組みを
強化しています。
201 1年 度 は6,9 0 0枚 / 人 の 目標 に 対し、N TT 東日本 グ ル ー プ 全 体 で
5,800枚/人となり、目標 達 成できました。
今後も2 0 1 2年 度および2 0 1 3年 度目標に向けて、さらなる使 用 量 削 減を
進めていきます。
事務用紙の削減実績および目標
0.0
(千 / 人)
10
9.7
9.3
8.1
5.8
5
2007
0
2008
2009
2010
目標
4.9
2011
用 語 解 説
目標
4.4
2012
グリーン購入法:国等の公的機関が率先して環境物品等の調達
を推進するとともに、環境物品等に関する適切な情報提供を促進
する法律。
2013
(年度)
請求書の紙使用量削減に向けた取り組み
個人のお客さまが料 金 請 求 情 報 等をインターネットで確 認できる「@ビリン
グ」※の提 供により請 求 書発行に伴う紙使用量を削減しています。
「@ビリング」契約者数と同サービス提供に伴う紙削減量の推移
契約者数
(t)
400
300
200
100
0
126.3
141.4
2007
194.2
155.8
212.9
172.8
256.7
226.2
292.3
258.2
紙削減量
(万人)
300
250
※ NTT 東日本が提供する無料 Web 明細サービス。パソコン、
200
携帯電話でご利用いただけます。
150
100
「@ビリング」
ht tp://web116.jp/at to/
50
2008
2009
2010
2011(年度)
0
環境に配慮した紙材料使用の取り組み
環境に配 慮した紙 材料としては、古 紙・認証林パルプ・再 利 用 材・未 利 用
材の使 用を方 針 化しています。たとえば古い電 話 帳を回 収して製 紙メーカー
で再生 処 理し、新しい電話帳をお届けする「電 話 帳クローズドループリサイク
ル」の取り組みを実 施しています。
電話帳の紙使用量と古紙配合率の推移
古紙配合率
(万t)
8
6
4
70.1
71.1
3.1
2.8
2
0
2007
2008
80.7
78.8
2.6
2.5
2009
2010
紙使用量
(%)
100
73.5
75
50
2.3
25
2011 (年度)
0
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
84
人と地球のコミュニケーション
廃棄物対策 - 資源有効利用の取り組み
通信 設 備 撤 去、土 木 工 事に伴う廃 棄 物についてはゼロエミッション*を達 成
しており、それぞれ2 0 0 5年度、2 0 0 7年度より継 続しています。建 築 工 事 廃
棄物についても、ゼロエミッションを達成できるよう、リサイクル率 向 上に取り
組んでいます。
オフィス内における廃 棄 物については、I P 系 通 信 機 器のリユースや紙 資 源
の再資 源 化 等により、リサイクル率の向 上に努めています。
また、事 務 用 品の購 入についても、環境負荷低減の観 点からグリーン購 入
を推 進しております。
つなぐ
用 語 解 説
ゼロエミッション:国連大学が提唱した構想。産業から排出される
廃棄物や副産物が、他の産業の資源として活用され、全体で廃棄
物を出さない生産をめざすもの。NTT 東日本グループでは、最終
処分率1% 以下をゼロエミッションと定義。
通信機器等の電池のリサイクルについて
コードレスホン等に使 用される小 形 二 次 電 池には、ニッケル、カドミウム、リ
チウム等の再 資 源 化が可 能な金 属 化 合 物が使 用されています。N T T 東日本
では、1 9 9 4年からニカド電池の回収・リサイクル、2 0 0 1年 以 降はニッケル水
素電池・リチウムイオン電 池についても拡 大し、故障修 理・点 検 時や機 器 購
入時に不 要となった使 用 済み二 次 電 池の回 収リサイクルにより再 資 源 化に取
り組んでいます。2 0 1 1年度には8.6万 個(5.6t)の使用 済み二 次 電 池を回 収
店 頭のリサイクルB O X
しています。
また、お客さまご自身でリサイクル協 力 店 様へ持ち込み、リサイクルB O Xへ
廃棄いただくことで回 収することもできます。
つなぐ
商品梱包の環境負荷低減素材の利用促進について
情報 機 器の包 装・梱 包、緩 衝 剤 等に利 用していた発 砲スチロールの使 用 量
を削減する取り組みを実施しています。N TT 東日本では、一 般 家 庭から廃 棄
される可 能 性の高い家 庭 向けの情 報 機 器の緩 衝 材を、発 泡スチロールから、
リサイクルが容易でリサイクルコストが安 価であるダンボールに変 更してきま
した。また事 業 所 用のファクスや構 内 交 換 装 置 等の大 型 商 品、および精 密 機
器については強 度 的な理 由により代 替 素 材がないため、発 泡スチロールの肉
薄化を図る等、使 用 量の削 減に取り組んでいます。
つなぐ
建築用アスベスト含有吹き付け材の対策状況について
建物に使 用されてきた吹き付け材については、成分分析 調 査によりアスベス
ト含 有の確 認を行っています。
アスベストの含 有が確認された箇 所においては、NTTグループの基 本 方 針
に基づき、計 画 的な除 去や封じ込め等の措置対策を推進するとともに、残 置 部
分については、定 期 的な空気環境測定等、適切な管理を行っています。
つなぐ
PCBの対策状況について
有毒 性が社 会 問 題となったPCB(ポリ塩 化ビフェニル)については、法 令お
よび自社で定めたPCB保 管ガイドラインに従い、適 正に処 理ならびに保 管・管
理を行っています。
2007年 以 降は、国が主 導するP C B 処理施設(日本 環 境 安 全 事 業)におい
て、重 量1 0kg 以 上の高濃度コンデンサ類を中心に無害 化 処 理を進めており、
今後も関 係 官 庁 等と連 携のうえ、P C B 特別措置法に定める処 理 期 限までの
全廃に向けて、処 理を推進していきます。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
85
人と地球のコミュニケーション
つなぐ
利用済み通信機器を回収してリユース&リサイクル
NTT 東日本はN T Tロジスコと連 携し、資源の有効活 用に向けて、2 0 0 4年
2月から、お客さまにレンタルにてご利 用いただいているI P 系 通 信 機 器(光 回
線終端 装 置、AD S Lモデム、ルータ等)のリユースを推 進しています。
2009年度には、回収機器のクリーニング等の見直しにより、従来は外観不良
でリユースできないものでもリユースできるようにした他、お客さまの利便性向
上のため、回収受取可能なコンビニエンスストアを拡大しました。2012年度は、
4社のコンビニエンスストアで回収受取可能としております。
つなぐ
厨房排水の再利用による省エネルギー化の実現
NTT 東日本では、2 0 1 2年1 0月をめどにN TT 品川 T W I N Sビルにおいて、
厨房等から出る排 水を再利用できる厨 房 除 害・中 水 設 備の利 用を開 始する
予定です。 本 設 備の導 入に伴い、浄 水 処 理 方 法が化 学 処 理からバイオ処 理
に変更されたことによる環境負荷への低 減に加え、1日あたり2 1 7m³の水を
削減でき、水 資 源の再 利用のみならず、上 水 製 造および下 水 処 理 時に発 生し
ていたCO₂も削減することができる見 込みです。
また、これらの設 備には、N TTグループのI C Tを活用した遠 隔 監 視システム
を採用し、2 4時 間3 6 5日の監 視 体 制を実 現しています。
ネットワーク浄水システムの特徴
一般的な排水処理設備
ネットワーク浄水システム
グリーンセンシングネットワーク(GSN)
一般の
浄水設備
中水原水
中水原水
トイレ排水
掃除排水等
605円/m³
中水製造
NGN
遠隔
監視
トイレ排水
掃除排水等
605円/m³
下水処理
つなぐ
749円/m³
GSN
厨房
洗面、浴室等
バイオ処理
化学処理
749円/m³
上水道
上水道
厨房
洗面、浴室等
削減
下水処理
給食残渣生ごみのたい肥化
群馬 県 高 崎 市では、給食残渣堆肥化委託事業を行うことで、生ごみの減 量
化と、資 源の循 環 利 用を推 進し、子どもたちの環境教育に役 立てています。
NT T 東日本 群 馬 支 店はこの事 業を受 託、週2回 各 学 校において給 食 残 渣を
回収し、自社で一 次 発 酵、二次発酵を行い、製品化された堆 肥を各 学 校 等の
二 次 発 酵 用コンポスト
花壇や畑で活 用します。7 6校 園、1給 食センターをグループ化により回 収、回
収残渣 量は1日 約1,2 0 0k g、堆肥化量は1日 約1 2 0k gです。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
86
給 食 残 渣から作られた有 機 堆 肥
人と地球のコミュニケーション
生物 多 様 性の 保 全に向けて
生物多様性保全の取り組み
201 0年1 0月、生 物多様性条約第1 0回締約国会議(以 下、C O P1 0)が名
古屋で開 催されました。このC O P1 0においては、
「名古 屋 議 定 書」が採 択さ
れるとともに、生 物 多 様 性の損失を止めるための新目標として「愛 知目標(愛
知ターゲット)
」が採 択されました。2 0 2 0年までに実 効 的で緊 急の行 動を起こ
すとするもので、2 0 5 0年までの中長期目標も含まれています。こうした背 景
の下、NT T 東日本グループにおいても美しい地 球を未 来に「つなぐ」ための取
り組みを実 施していきます。
つなぐ 「アニマルパスウェイ」
の取り組み
NTT 東日本 山 梨 支 店グループは、2 0 0 8年より開 始した財 団 法 人キープ協
会での自然 体 験 型 環 境 研 修をきっかけとして、
「ヤマネ」をはじめとした樹の
枝を道にして暮らす小動物のために、道路により分断された森をつなぐための橋
「アニマルパスウェイ」の設 置に取り組んでいます。「アニマルパスウェイ」は、
アニマルパスウェイの設 置
枝を移 動するヤマネ
参 加 者の皆さん
ビオトープづくりの様 子
電柱とワイヤーで構 成されていること、設置後の改良・メンテナンス・調 査 等
においても、これまで事業 活 動において培ってきた技 術が活かされています。
NTT 東日本グループは、今後も森林に棲息する樹上 性 動 物の生 息 環 境を
はじめとした、森 林 生 態 系を保全するための実 践 的 研 究と国 内・世 界への普
及 を図ることを目的とする「アニマルパスウェイ研 究 会」にメンバーとして参 加
して普及 活 動に努め、生 物 多 様 性の維 持に取り組んでいきます。
つなぐ
トキの野生復帰活動
トキは学 名ニッポニア・ニッポン(N ip p o n ia n ip p o n)といわれるように、
日本を象 徴する鳥とも呼ばれています。 東アジアに広く生 息していましたが、
明治以 降 減 少し、今では「野生絶滅」
(環 境 省レッドリスト)となっている生 物
多様性を考えるうえでも貴重な鳥です。
NTT 東日本 新 潟 支 店グループでは「生物多様性を将 来に引き継ぐための
取り組みを推 進する」活 動の一 環として、トキの野生復 帰への貢 献、佐 渡の
環境保 全 活 動に協 力することとしました。具体的には、2 0 1 1年1 1月にN P O
法人トキどき応 援 団・新 潟 県 環 境 部 県 民 生 活 課 主 催の「エコアイランド佐 渡
C SRツアー」に参 加し、トキのえさ場となるよう、野 生 生 物が生 息し、自然の生
態系が機 能する空 間としてビオトープづくりを行いました。
つなぐ
http://www.pref.niigata.lg.jp/
kenminseikatsu/1321390925522.html
蛍の里づくり
NTT 東日本 山 梨 支 店では、蛍の自生保護に努め、蛍の里として人々に愛さ
れる地 域づくりに協 力し、貴 重な自然 環 境を後 世へつなぐことを目的に、中 央
市豊富 地 区 山 宮自治 会と中央市議会議員の協力要請により、リコー販 売 様
と協同して「豊 富 蛍の里づくりの会」の活 動 支 援を行っています。
ホタル観 賞 会の様 子
201 1年は、2月に蛍の生 息 河 川での清掃活動、6月に1 5 0名の参 加(小 学
生等および父 母)による蛍の鑑 賞 会を行いました。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
http://www.ntt-east.co.jp/yamanashi/society/
creature_firefly.html
人と地 球のコミュニケーション
87
人と地球のコミュニケーション
つなぐ
外来魚防除活動の取り組み
NTT -MEは「三ツ池公園を活用する会 水 辺クラブ(全 国ブラックバス防 除
市民ネットワーク加 入)
」が主催する外来魚防除活動(2 0 0 6年の活 動 開 始か
ら累計 参 加 者 約2 5,0 0 0名、外来魚捕獲累計約2 5万匹)に2 0 1 0年より参 加
しています。 本 団 体の「神 奈 川 県 立 三ツ池公園の在来 水 生 生 物を絶 滅から
外 来 魚 防 除 活 動の模 様
守り、後 世に伝える」という活 動目的に貢 献するため、2 0 1 2年6月には、本 団
体の第8 6回 外 来 魚 防 除 活動に社員4 5名(家 族 含む)が参 加して、アメリカザ
リガニやブルーギルの防 除を行いました。
つなぐ
環境学習支援活動の実施
NTT 東日本 岩 手 支 店グループでは、環境省が環境学 習の一 環として行っ
ている水 生 生 物 調 査の支 援を通じて、地 域の子どもたちの環 境 意 識の醸 成に
取り組んでいます。この調 査は河 川に生 息する水生生物を採 集しその生 息 状
況を指 標として水 質を調べるもので、盛岡市をはじめとした岩 手 県 内の小・中
学生にマイクロスコープ、パソコン等のICT 機 器の提 供を行うとともに、自ら調
査にも参 画しています。
201 1年 度は名 水で知られる岩 泉 町の2校の活 動を支 援し、約1 2名の小 学
生が参 加。「子どもたちに郷 土の良さや自然の大 切さを伝えることができた」
等の評 価をいただきました。
今後も水 生 生 物 調 査の支 援を通じ、子どもたちとともに生 物 多 様 性の保 全
の大切さについて考えていきます。
環 境 学 習 支 援 活 動の様 子
年度
参加学校等
2009 年度
・田野畑村立島越小学校
・岩泉町立大川小学校
・岩泉町立岩泉小学校
2010 年度
・いわて花巻「ちゃぐりんスクー
ル」田んぼの生物調査
・花巻市立小山田小学校
2011 年度
・岩泉町立国見小学校
・岩泉町立釜津田小学校
参加人数(名)
つなぐ 「荒川上流の森づくり」
への参加
わが国の国土の3分の2を占める森林は、多種多様な動植物等の生息・生育
の場となっており、生物多様性を保全するうえで重要な構成要素です。NTT
東日本埼玉支店グループでは、生物多様性保全の観点から、埼玉県が次世
代へ健全な森林を引き継ぐため実施している「荒川上流の森づくり」に参画し、
2010年3月に「埼玉県」
「森林所有者」
「NTT 東日本-埼玉」の三者間で、農
「N T T 東日本ー埼 玉の森 林」
立て看 板
林公社が所有する埼玉県皆野町皆野地内の公社営林で3年間にわたり間伐、
枝打ち等を行っていく協定を締結しました。2011年度より活動を開始し、森、
そして、そこに住む生物たちを未来へつなぐため、継続し活動を続けています。
NTT 東日本グループ CSR 報告書 2012
人と地 球のコミュニケーション
88
間 伐・枝 打ちの様 子
84
約 170
12