乗員速報No 59 143.pdf - Biglobe

2013. 5. 2
羽田
59-143
成田
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5 月 17 日 臨時組合大会 附議事項
夏闘における「賃金に関する要求(案)」を掲載していますが、春闘の「賃金に関する要求」から一部を変更して
います。変更点としては、
① 春闘要求における「副操縦士の職責手当増額」と「変動給保障」に関する要求項目(2)と(3)を、夏闘要求項
目(2)として変更した。
② 春闘要求における「傷病欠時の賃金の取り扱い」に関する要求項目(6)の要求文言を変更した。
③ 上記①の変更に伴い春闘要求項目(4)~(8)の番号を繰り上げた。
以下、
「夏闘要求(案) 賃金に関する要求」
(1) 訓練中断により業務企画職に職変している運航乗務員訓練生が訓練に投入される際に、基本給が減額されること
のないような取り扱いを行うこと。
(2) 職責手当と変動給保障を合わせて、副操縦士 353500 円、機長 403000 円を月例賃金の固定給として増額すること。
現行の賃金制度では、水準の大きな切り下げと乗務時間保障制度の廃止により、以下のような問題が続いています。
・
天候や機材の不具合、あるいは健康状態が悪くても無理をして飛ぶことにもなりかねない安全性低下の問題。
・
事業計画等の影響よって機種間および機種内の不公平感を生じさせている問題。
・
乗務時間にしか変動給が支払われない為に、スケジュールアサインによって賃金が不安定になる問題。
「出来高払いによる不安全要素の排除」「賃金の不安定の防止」「公平性の維持」という観点から出来上がっていた乗
務時間保障制度を廃止した為に、まさに懸念していた問題が浮き彫りとなりました。これらの問題を解決するために
は、賃金の固定給部分を増やして安定性や公平性を担保した賃金水準と制度にする必要があります。
現行の賃金規程の導入にあたっては基本的に全職種において、現在の基本給にはかつての基準内賃金と厚生年金保
険料額補助が移行されており、一時金が年間 4 か月支払われるようになったことで、基本給部分だけを年収で見ると
2005 年水準まで戻っています。一方、乗務にかかわる手当については、かつて固定給として支払われていた乗務手当
(65 時間保障で副操縦士 53 万円、機長 85 万円)が職責手当と変動給に移行され、この事が乗務職の賃金水準の切り
下げと賃金が不安定になることの主たる原因となっており、更には他職種との不公平も生じています。
こうした問題を解決するには賃金を現在より副操縦士で 353500 円、機長で 403000 円増額して 2005 年時点の水準に引
き上げ、この額が固定給として支払われることが生活の安定や機種・個人間の公平性に繋がります。また、その上で
職責手当をどの程度増額するのか、変動給のうち保障される額をいくらにするべきか等について、また制度として乗
務時間保障制度のみならず、賃金支払いに関して今後 FDP の概念を導入することやクレジットアワー制度を検討する
こと等についても、今後は職場の声も反映しつつ労使で議論していく事が必要です。
(3)事業計画の変更等による不利益を乗員に負わせないこと。
①
NCA 出向者と日本航空の乗員の変動給について 4 半期毎に比較を行い、NCA 出向者の変動給が日本航空の乗員の平
均額を下回らない措置を設けること。
②
会社の事業計画上の理由で乗務機会が減少する乗員に対して、少なくとも機種移行訓練中と同等の賃金を支払い、
不利益を生じさせないこと。
(4)職責手当の経験年数 12 年目での昇給頭打ちを改め、13 年目以降も昇給を毎年維持すること。
・2011 年 1 月 1 日以降で経験年数 13 年目以上の者に対して、経験年数 13 年目以降の昇給を含めた職責手当を、2011
年 1 月 1 日に遡って適用し全額遡及支払いを行なうこと。
(5)傷病による乗務離脱後、LOL 受給開始までの期間において、乗務離脱直前三カ月間の平均賃金を下回らないこと。
・2011 年 1 月 1 日から 2012 年 12 月 31 日の期間において、乗務離脱期間中に勤務に就いた者に対して、賃金の日額が
健康保険法に定める標準報酬月額の 1/20 の 2/3 を下回った日についてその差額を支払うこと。
(変更箇所の趣旨説明)
2013 年 1 月 1 日より、乗務離脱時の賃金の取り扱いが一部変更になりました。
1.乗務離脱期間中の賃金および地上業務の取り扱い
対象者:私傷病による乗務離脱期間中に勤務についた場合
対象期間:乗務離脱後 6 ヶ月を限度
賃金:基本給+役職手当の一部(役職発令者のみ)+職責手当相当額+管理職調整手当相当額(機長のみ)
地上勤務の取り扱い:原則として機長に対して、産業医より「乗務不可、但し GJ は可」の意見書が発行された場合。
2.服薬等により乗務等ができないものの、地上業務に従事することが可能な場合の勤務取り扱い
対象者:産業医より「乗務不可」の意見書は発行されていないが、乗務やスタンバイ等は実施できないものの地上
業務に従事可能な健康状態にある者
対象日:対象者が希望し、会社が必要と認めた日
勤務変更の取り扱い:各型式運航乗員部グループに対して、当該日前日正午まで(平日同グループ勤務時間内)に申
し出る
3.機長の乗務復帰訓練時の賃金取り扱い
対象者:乗務復帰訓練において路線運航に従事する機長
対象期間:乗務復帰訓練における訓練開始日から路線訓練終了日
賃金の支払い:基本給+役職手当の一部(役職発令者のみ)+変動給相当額(単価 2209 円)
+職責手当相当額(副操縦士相当)+管理職調整手当相当額(93000 円)
この制度改定が行われる以前は、乗務不可となった際に GJ やシミュレータ訓練や路線訓練等を行った場合に基本給
しか支払われず、病欠した場合よりも賃金が低くなるという矛盾が生じていました。
そして、会社は制度の改定の理由として「逆転現象が生じたことについては課題」「現象面としての矛盾も認識して
いる」と説明しています。しかし、賃金制度に矛盾が生じ、問題が生じていたことを会社として認識しているにも関
らず、病欠となっている時期に有効な制度を適用するという理由で遡及を行わないとしています。
2011 年 1 月 1 日から 2012 年 12 月 31 日の期間において、会社としても「逆転現象」や「矛盾」が生じていたと認識
しているにも関らず一切の遡及を行わない姿勢は認められません。少なくとも当時に有効だった制度との矛盾につい
ては遡及させる必要があります。
(6)機長昇格訓練におけるシミュレータ訓練期間において、機種移行訓練中と同等の賃金を支払うこと。
(7)ロス・オブ・ライセンス補償給付金制度について、過去の経緯を踏まえ、会社の拠出金負担割合を折半すること。
夏闘要求項目(1)、(3)、(4)、(6)、(7)に関しては、春闘からの継続要求となっています。