平成16年度長崎県食品衛生監視指導計画(素案)

平成16年度長崎県食品衛生監視指導計画(素案)
趣
旨
平成13年9月に国内で初めての牛海綿状脳症(BSE)感染牛が発見され、また、輸入
食品からの残留農薬や残留動物用医薬品等の検出、食肉等の偽装表示、乳業メーカーの大
規模食中毒事件、いわゆる健康食品による健康被害の発生など消費者の食に関する不安や
不信は高まっています。
これらの事件を契機に、今後の食品安全行政のあり方として、消費者の健康保護の最優
先やリスク分析手法の導入等の意見が出されました。
こうした状況の中、国においては、平成15年5月に、国民の健康保護を基本理念とす
る「食品安全基本法」を制定しました。この法律により、食品の安全性の確保に係る施策
の実施に当たっては、リスク分析の手法を導入するとともに、国及び地方公共団体、食品
関連事業者の責務、消費者の役割が規定されました。
さらに、同月、食品衛生法も大きく改正され、国及び各自治体においては、食品衛生に
関する施策等について、国民への情報提供や意見交換(リスクコミュニケーション)の促進
を図ることや国民からの意見を反映した食品衛生監視指導計画を策定し実施することとな
っています。
第1
基本方針
県は、県民の生活にとって重要な課題である食品の安全確保を図るため、平成15年2
月に「 長崎県における食品の安全・安心確保基本指針」(以下「基本指針」という。)を
策定し、食品の生産から消費までの総合的な安全対策に取り組むこととしました。この基
本指針に基づき平成15年12月には、「施策の実施スケジュール」を策定したところで
す。
こうした中、食品衛生法(昭和22年法律第233号)(以下「法」という。)が改正さ
れ、国の食品衛生に関する監視又は指導の実施に関する指針(以下「指針」という。)が
示されました。
このため、「基本指針」に基づく「施策の実施スケジュール」や国の「指針」に基づき、
食品、添加物、器具又は容器包装(以下「食品等」という。)の安全性を確保するため、
食品衛生に関する監視指導(法第19条第1項に規定する職権及び食品衛生に関する指導
の職務、と畜場法(昭和28年法律第114号)第19条第1項に規定する事務及び職務並
びに食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成2年法律第70号)(以下
「食鳥処理法」という。)第39条第1項に規定する事務及び職務をいう。以下「監視指
導」という。)の計画を本県の実情を踏まえて毎年度策定し、これに従い重点的、効率的
かつ効果的な監視指導を実施します。
- 1 -
《総括的事項》
1
監視指導計画の範囲
本計画は、長崎県内全域(長崎市及び佐世保市を除く。)を対象とします。
2
監視指導計画の期間
平成16年4月1日から平成17年3月31日までの1年間とします。
3
監視指導の根拠法と内容
(1) 法及び長崎県食品衛生に関する条例(以下「条例」という。)の各基準等につ
いての適合を確認し、その遵守を徹底します。
(2) と畜場法の各基準等についての適合を確認し、その遵守を徹底するとともに、
適切にと畜検査を実施します。
(3) 食鳥処理法の各基準等についての適合を確認し、その遵守を徹底するとともに、
適切に食鳥検査を実施します。
4
県、食品等事業者(法第3条第1項に規定する者をいう、以下同じ)及び消費者の
役割分担
以下の役割分担を踏まえ、県は食品等事業者がその責務を果たし、安全な食品等を
供給しているか否かを確認するため、監視指導を実施するとともに、県民に対して食
品衛生に関する情報提供を行い、意見の交換(リスクコミュニケーション)の促進を
図ります。
(1) 県の責務
食品の安全性の確保に関する施策を策定し、実施します。
(2) 食品等事業者の責務
食品の安全性の確保については、第一義的な責任を有していることを認識し、
法第3条に規定されている事項の的確な実施が求められます。
(3) 消費者の役割
食品の安全性の確保に関する知識と理解を深めるとともに、食品の安全性確保
に関する施策について意見を表明するよう努めることで、食品の安全性の確保に
積極的な役割を果たすことが期待されます。
5
食品群ごとの食品供給工程(フードチェーン)の各段階における監視指導
食品の安全性を確保するためには、農林水産物の生産から食品の販売に至る一連の
食品供給の工程(フードチェーン)の各段階において、食品の安全を確保するための
規制(以下「食品安全規制」という。)の実施等の必要な措置が適切に講じられるこ
- 2 -
とが重要です。そこで、監視指導については、農林水産物の採取から食品の消費者へ
の販売までの各段階において、食中毒等の食品衛生上の危害の発生状況等を分析及び
評価した上で、重点的、効率的かつ効果的に実施します。
6
生産段階における食品安全規制担当部局との連携
監視指導は農林水産物の採取段階以降の食品安全規制であるため、農林水産物の生
産段階の食品安全規制を実施する農林水産担当部局等と連携して監視指導を実施しま
す。
第2
1
実施体制
監視指導の実施体制に関する基本的な事項
県は、監視指導計画に基づき必要な監視指導が実施できるよう、県立8保健所及び
食肉衛生検査所に食品衛生監視員、と畜検査員を配置します。
食鳥検査業務については、県が委任した財団法人長崎県食鳥肉衛生協会において実
施します。
また、保健所、衛生公害研究所及び食肉衛生検査所に試験検査に必要とする機器等
の整備を図ります。それぞれの役割分担は、別表1のとおり。
2
厚生労働省及び他の都道府県等との連携確保に関する事項
(1) 本県における監視指導計画に基づく監視指導を効果的に実施するため、長崎市
及び佐世保市と連携して監視指導を実施します。
(2) 広域流通食品の監視指導及び広域的な食中毒の発生や違反食品発生時には、厚
生労働省、地方厚生局、他の都道府県等と緊密な連絡体制を確保し、敏速かつ的
確な対応を図ります。
(3) 総合衛生管理製造過程の承認を受けた施設への監視指導の実施に当たっては、
厚生労働省九州厚生局と連携して実施します。
3
農林水産部局等他部局との連携確保に関する事項
本庁では「基本指針」に基づき設置された「長崎県食品安全・安心推進本部」にお
いて、食品等の安全・安心に係る総合的な検討事項について、検討・協議を行い食品
等の安全・安心の確保に努めます。
また、保健所では「基本指針」に基づき設置された「長崎県食品安全・安心地方推
進本部」において、食品等の安全・安心に係る地域内での検討事項について、検討・
協議を行い食品等の安全・安心の確保に努めます。
- 3 -
4
試験検査実施機関の体制の整備等に関する事項
保健所等の試験検査実施機関については、信頼性確保部門による内部点検の定期的
な実施及び外部精度管理調査を定期的に受検することで、これらの機関の技術向上及
び信頼性確保のための取組を行うとともに、必要な検査機器の整備、検査員等の関係
職員に対する技術研修の実施等に努めます。
登録検査機関へ試験検査を委託する場合には、委託契約に基づき、受託者としての
業務の適正な管理を求め、必要に応じて試験検査の実施状況を確認するとともに、随
時、登録検査機関の精度管理の実施状況を確認するよう努めます。
第3
1
実施方法
一般的な共通監視事項
(1) 法等に基づく施設基準、管理運営基準、規格基準、表示の基準等に適合するこ
とを確認し、その遵守を徹底します。
(2) 施設内外の清掃保持や従業員の健康管理等の一般的衛生管理事項の実施状況を
確認し、適切な衛生指導を実施します。
(3) 記録の作成、保存の指導及び確認を行います。
2
重点監視事項
(1) 食中毒予防対策に係る重点監視事項(食品群ごとの食品供給工程(フードチェ
ーン)の各段階における重点監視事項を含む。)
ア
サルモネラ食中毒対策
(ア) 鶏卵の集荷施設、販売施設での温度管理、破卵等の検卵の徹底、さらに衛
生的な取扱い等の確認・指導を行います。
(イ) 集団給食施設、菓子製造施設及び飲食店等での食鳥卵や食肉の衛生的な取
扱いの徹底、十分な加熱の徹底の確認・指導を行います。
イ
ノロウイルス食中毒対策
(ア) 集団給食施設及び飲食店等の従事者の健康状態のチェックの実施を指導し
ます。
(イ) 加熱して食べる食品の十分な加熱の徹底について指導します。
(ウ) かき取扱い業者に対する情報提供を行います。
ウ
腸炎ビブリオ食中毒対策
(ア) 魚介類の販売施設、加工施設、飲食店等での衛生的な取扱い及び温度管理
の徹底の確認・指導を行います。
(イ) 県内流通品の収去検査を実施します。
エ
ふぐ毒による食中毒対策
(ア) 鮮魚市場では、有毒魚介類の排除の徹底を指導します
- 4 -
(イ) ふぐ処理施設での有毒部位排除の徹底と衛生的な処理の確認・指導を行い
ます。
オ
麻痺性貝毒による食中毒対策
(ア) 採捕海域の衛生状況の確認を行います。
(イ) 二枚貝の採捕海域毎に毒化の確認検査を行います。
カ
腸管出血性大腸菌食中毒対策
(ア) 生食用野菜、果実等の衛生管理の徹底・指導を行います。
(イ) 加熱して食べる食品の十分な加熱の徹底について指導します。
(ウ) 食肉の衛生的な取扱いや十分な加熱の徹底及び生食自粛の指導を行います。
(エ) 従事者の健康状態のチェックの実施を指導します。
(2) 表示に係る重点監視事項
ア
「生食用かき」の採捕海域等及び「ふぐ加工品等」についての適正表示の徹
底を確認します。
イ
アレルギー物質を含む食品に関する表示の徹底を図るため、製造者及び加工
者による使用原材料の点検及び確認、製造時の混入防止対策の徹底について指
導します。
(3) 食肉・食鳥肉に係る重点監視事項
、、、
ア
枝肉、中抜とたい等の微生物検査による衛生的な処理の実施の検証を行いま
す。
イ
認定小規模食鳥処理施設における処理可能羽数の上限の遵守の徹底の確認を
行います。
食肉処理施設における微生物汚染の防止の徹底の確認・指導を行います。
(4) その他の重点監視事項
3
ア
衛生管理体制が確立されているかの確認・指導を行います。
イ
製造者及び加工者による異物の混入防止対策の徹底の確認・指導を行います。
施設への立入検査に関する事項
(1) 立入検査の方向性
「基本指針」に基づく施策の実施スケジュール(別表2)により、監視指導に
当たっては、年度毎に重点監視対象業種を明確化するとともに、監視指導内容の
充実に努め、食品の安全確保を図ります。さらに、各施設に対しては、HACC
P手法を取り入れた自主管理体制の構築を促進します。
(2) 保健所
各業種毎に、過去の食中毒の発生状況、製造・販売される食品の流通の広域性
及び営業の特殊性などを考慮して、以下のとおり4ランクに分類します。
- 5 -
Aランク
3回以上/年
監視業種(施設)
Bランク
危害の発生頻度が高く、大量調理、広
域流通食品の製造・販売施設等
2回以上/年
監視業種(施設)
危害の発生頻度は高いが、大量調理に
該当しない業種
危害の発生頻度が中程度で、食品が広
域流通している業種
Cランク
1回以上/年
監視業種(施設)
危害の発生頻度が低く、大量調理に該
当しないが、食品が広域流通している
業種
Dランク
1回以上/2年
監視業種(施設)
危害の発生頻度が非常に低く、大量調
理、広域流通食品でない業種
監視回数については、監視の重要度が高い業種ほど年間の監視回数を多く設定す
ることが必要であり、平成14年度の監視実績(約12,000件)を参考にして、総
延立入件数が平成14年度実績を下回らないように業種(施設)毎の標準(目安と
なる)監視回数を別表3のとおり設定します。
(3)
食肉衛生検査所
ア
と畜検査員は、と畜場法に基づいて対象獣畜を1頭毎に検査し、食用に適さな
い食肉の排除を行います。
イ
と畜場及びと畜場に隣接する食肉処理施設の監視については、食肉衛生検査所
において、法等に基づく施設基準の適合、管理運営基準等についての遵守及び一
般的衛生管理事項の実施状況等を毎日確認・指導します。
(4)
(財)長崎県食鳥肉衛生協会
ア 検査員は、食鳥処理法に基づいて対象食鳥を1羽ごとに検査し、食用に適さ
ない食鳥肉の排除を行います。
イ
食鳥処理場については、施設設備の衛生管理について、指導・助言を行います。
また、衛生的管理事項について、指示を行います。
4
食品等の収去検査等に関する事項
(1) 食品等の収去検査の方向性
県民の食生活の安全を確保し、健康の保護を図るため、県立8保健所、衛生公
害研究所及び食肉衛生検査所において、県内で製造又は販売される食品等の検査
を実施し、不良食品の流通を防止するとともに、食品等による健康被害の未然防
止を図ります。
(2) 食品等の検査実施計画
ア
県内において生産、製造、加工等される食品を含め、広域流通食品等を中心
- 6 -
に、過去の違反事例や食中毒の事故例、立入検査結果及び当該施設における衛生
管理状況を踏まえ、違反の可能性が比較的高いと考えられる食品等及び項目に重
点を置いた検査を実施します。食品等の収去検査計画は、別表4のとおり。
イ
主に県内で生産流通する農水産食品等への農薬、抗生物質等の残留する不良食
品の流通防止に重点を置いた検査を実施します。重点実施検査計画は、別表5の
とおり。
5
一斉取締りの実施に関する事項
(1) 春期食品等の一斉取締り(4∼5月)
春の行楽シ−ズンにおいて、多彩な行事が各地で開催され、食品が多量に流通
することから、これらの食品の製造、販売業者に対し監視指導を強化し、行楽期
における食品等の安全確保を図ります。
(2) 夏期食品等一斉取締り(7∼8月)
食中毒が多発する夏期において、厚生労働省が示す方針を踏まえて、監視指導を
重点的に実施します。特に、食品の適正表示の徹底、サルモネラ、カンピロバクタ
ー、腸炎ビブリオによる食中毒防止対策等の監視指導を重点的に実施します。
(3) 年末食品等一斉取締り(12月)
多種多様な食品が大量に流通する年末において、厚生労働省が示す方針を踏ま
えて、監視指導を重点的に実施します。特に、ノロウイルス及びフグ毒による食
中毒防止対策の徹底等の監視指導を重点的に実施します。
(4) 特定の違反事例等による一斉取締り
特定の違反事例が頻発するなど、食品衛生に係る問題が発生し、かつ、全国一
斉に同一の事項を対象とした監視指導の実施が必要な場合は、随時、厚生労働省
が示す方針を踏まえて、監視指導を実施します。
6
違反を発見した場合の対応に関する事項
(1) 立入検査時に違反を発見した場合の対応
ア
違反している状況を発見した場合は、極力その場において改善指導を行いま
す。
イ
違反が軽微であって直ちに改善が図られるもの以外の法及び条例違反につい
ては、書面にて改善指導を行います。
ウ
法違反に係る食品等が現存する場合には、当該食品等が販売の用に供され、
又は営業上使用されないよう、廃棄、回収等の措置を速やかに講ずるとともに、
必要に応じ、営業の禁止若しくは停止の措置を行います。
(2) 収去検査の結果、違反を発見した場合の対応
ア
当該食品等について、販売の用に供し、又は営業上使用されないよう、廃棄、
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回収等の措置及び再発防止等の措置を講ずるとともに、必要に応じ、営業の禁止
若しくは停止の措置を行います。
イ
当該食品等が長崎県以外で生産、製造、加工等が行われていた場合は、速やか
に当該都道府県等の食品衛生担当部局に連絡するとともに、必要に応じ、連携し
て廃棄、回収等の措置を速やかに講じます。
ウ
広域流通食品等及び輸入食品等の場合には、関係する都道府県等の食品衛生担
当部局又は厚生労働省へ迅速に情報提供し、連携して違反に係る食品等の流通防
止措置、再発防止措置等の必要な措置を講じます。
エ
当該食品等を製造、加工等した者の検査の能力等からみて、継続的に当該者の
製造、加工等する食品等の検査が必要と判断される場合には、命令検査を行いま
す。
(3) 違反事実の公表について
食品衛生上の危害の状況を明らかにし、危害の拡大防止及び再発防止を図るた
め、法又は法に基づく処分に違反した者の名称、対象食品、対象施設等を随時公
表します。措置の内容、違反原因及び改善状況についても、判明次第、公表を行
います。
7
食中毒等健康危害発生時の対応に関する事項
(1) 食中毒発生時の対応
ア
「食中毒処理要領」(昭和39年7月13日付け環発第214号厚生省環境衛生
局長通知)に基づき、平常時における体制を整備するとともに、発生時におい
ては関係部局と連携をとりながら迅速かつ的確な対応調査を実施します。
イ
再発防止対策に資するため、積極的な汚染源の遡り調査の実施等、原因究明
体制の確立を図ります。
(2) 食中毒予防の観点から、食中毒発生状況等について食品等事業者及び住民への
情報提供を図り、食中毒等健康被害の拡大防止の観点から、必要な情報について
可能な限り速やかに公表します。
第4
1
食品等事業者に対する自主的な衛生管理の実施に関する事項
食品等事業者に対する指導事項
以下に掲げる事項などの自主的な衛生管理の向上のため、食品等事業者に対し、監
視指導及び衛生教育等を通じて、自らの責務について啓発を行います。
(1)
食品衛生管理者等の設置
ア
営業者は、施設において食品の製造、加工、調理等を自主的に管理する者と
して、食品衛生に関して相当の知識を有する者(食品衛生管理者又は食品衛生
責任者)を衛生管理に責任を有する者として配置すること。
- 8 -
イ
食品衛生管理者等は、その責務を果たすよう、県等が実施する講習会に参加
し、積極的に情報収集に努めること。
ウ
営業者は、食品衛生管理者等の意見を尊重する責務が追加されたことも踏ま
えて、自己啓発に努めること。
(2)
食品等事業者による自主的な衛生管理の推進
ア
本県が定める「営業の管理運営基準に基づく製品の検査要領」(昭和54年
1月20日付54環第52号通知)に基づく製品検査及び原材料の安全性確認
等の自主検査の実施を推進すること。
イ
食中毒等発生時の原因究明及び被害拡大防止を図るため、「食品等事業者の
記録の作成及び保存に係る指針(ガイドライン)」に基づき、食品の製造販売
等に係る記録を作成し保存すること。
ウ
集団給食施設、仕出し屋・弁当店、旅館・ホテル等の大量調理施設にあって
は、「大量調理施設衛生管理マニュアル」による自主衛生管理を実施すること。
2
食品等事業者向け衛生講習会
食中毒の発生状況、法律等の施行・改正の概要など食品衛生に関する最新の情報を
提供するため、食品衛生管理者等を含む食品等事業者及びその従業員を対象に、食品
衛生講習会を実施します。
3
HACCP手法による衛生管理の啓発普及
食品の安全性確保には、HACCP手法の概念を取り入れた衛生管理が有効なこと
から、製造者及び加工者にHACCP手法の導入を積極的に推進します。
4
優良な施設の公表
衛生管理状況が他の模範となる優良な施設について、保健所長表彰、知事表彰を実
施するとともに公表を行い、食品等事業者による自主的な衛生管理の向上促進を図り
ます。
5
社団法人長崎県食品衛生協会への支援及び連携
協会が、実施する次の事業について助言、指導その他の活動を支援します。
(1) 食品衛生指導員活動事業
食品関係営業施設の衛生管理及び改善整備促進、営業許可申請等の事前指導
(2) 衛生教育事業
社団法人長崎県食品衛生協会会長が委嘱する食品衛生指導員の研修、食品関係
営業者及び食品衛生責任者の衛生教育
(3) 食品衛生の広報活動事業
- 9 -
広報誌の発行
第5
1
情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)の実施に関する事項
県民との情報及び意見の交換の実施
本県における監視指導をはじめとする食品衛生行政について、「基本指針」に基づ
き設置された会議の開催やホームページ等の方法を通じて意見交換と情報提供を進め
ます。
(1) 「長崎県食品安全・安心委員会」(以下「委員会」という。)の開催
消費者、生産者、食品関係事業者(製造、流通、販売)及び学識経験者等によ
る「委員会」を開催し、県内の食の安全を確保するための施策等について双方向
の情報交換の促進を行います。
(2) 交流会の開催
消費者と生産者の交流会、食品表示啓発セミナーを通じて、消費者と生産者、
行政間の情報交換及び意見交換を推進します。
(2) 広報媒体等による県民への情報提供
2
ア
県のホームページによる情報提供を行います。
イ
県の広報誌「県政だより」、市町村の広報誌を通じての情報提供を行います。
ウ
ラジオ、テレビの県政番組を通じての情報提供を行います。
エ
食中毒予防等のチラシを作成し、各保健所等で配布します。
計画策定に係る情報及び意見の交換の実施
本監視指導計画の策定の際及び計画の策定後年度途中に大きく計画を変更する場合
は、これを公表し、県民からの意見聴取を行います。
3
監視指導の実施状況等の公表
(1) 監視指導の実施状況及び収去検査結果等の概要については、平成17年6月末
までに公表します
。
(2) 夏期、年末等の一斉取り締まり事業を実施した場合は、年度途中においても、
その実施状況の概要を適宜公表します。
第6
1
食品衛生に係る人材の育成及び資質の向上に関する事項
職員(食品衛生監視員、と畜検査員及び食鳥検査員等)に関する事項
(1) 食品衛生に関する調査研究
食品の製造・加工技術の高度化、食品流通の広域化、食品の多様化に適切に対
応し、的確且つ適切な監視指導を実施するため、業務上の諸問題に関する調査研
究を行います。
- 10 -
(2) 食肉衛生に関する調査研究
食肉の安全確保、衛生管理の向上、症例研究など食肉衛生検査技術の研鑽に努
めます。
(3) 職員に対する研修
監視指導に従事する食品衛生監視員、と畜検査員及び食鳥検査員に対して技術
研修、最新の知見、法令の内容等に係る教育を行うため講習会を開催します。
また、厚生労働省及び関係機関の開催する研修会に職員を派遣して研修に参加
させます。平成16年度は別表6のとおり。
2
食品関係者に関する事項
(1) 食品営業者、従事者及び集団給食施設の調理従事者等に対し、食中毒予防の衛
生講習会を実施します。
(2) 食品衛生管理者については、改正法により責務が追加されたことも踏まえ、適
切にその職責が果たされるよう、講習会や情報提供を実施します。
(3) 食品衛生責任者については、保健所又は社団法人長崎県食品衛生協会が主催す
る講習会受講の促進を図ります。
(4) ふぐの種類鑑別や有毒部位の除去には専門的な知識が必要であることから、ふ
ぐ処理及びふぐ選別講習を実施し、ふぐ処理者及びふぐ選別者の資格を与え、ふ
ぐによる食中毒を防止します。
- 11 -