2009年 環境報告書 日本カーリット株式会社

2009年 環境報告書
『持続可能な社会』を築くために
日本カーリット株式会社
目 次
ごあいさつ
P2
会社概要/
会社概要/経営指標
会社概要…
会社概要 会社概要/事業場及びグループ会社/セグメント及び商品群
経営指標…
経営指標 新中期経営計画「ジャンプ 10」/連結売上高及び営業利益推移
P3
報告書対象期間
経営理念/
経営理念/経営方針
P5
安全・
安全・環境・
環境・品質に
品質に関する経営基本方針
する経営基本方針/
経営基本方針/環境指針
P6
社会(
社会(CSR)
CSR)及び環境・
環境・安全・
安全・品質(
品質(RC)
RC)活動推進のために
活動推進のために
P7
2008 年度環境
年度環境・
環境・安全・
安全・品質(
品質(RC)
RC)活動指針及び
活動指針及び活動テーマ
活動テーマ
P9
2008 年度環境
年度環境・
環境・安全・
安全・品質(
品質(RC)
RC)活動報告
マネジメントシステム
環境保全の
環境保全の推進
P10
P10
P10
①
②
③
④
⑤
地球温暖化防止(炭酸ガス排出量の削減)
環境負荷物質(大気・水質)排出量の削減
廃棄物の削減、リユース・リサイクルの推進
化学物質の適正管理
ISO14001 統合運用への対応
保安防災・
保安防災・労働安全衛生の
労働安全衛生の推進
① 災害ゼロ(労働災害・設備事故ゼロ)に向けて
② リスクアセスメントの実施
③ 事故・災害発生時への対応強化
④ 従業員が働きやすい職場の実現
化学品・
化学品・製品安全の
製品安全の強化
P12
P15
① ISO9001統合運用への対応
② グリーン調達の実施
③ MSDS における GHS 対応の推進
④ 物流及び取扱時の安全教育の推進
⑤ イエローカード・容器イエローカードの運用推進
信頼性の
信頼性の向上
①
②
③
④
P16
環境・安全配慮製品の開発・提供
お客様等ステークホルダーからの環境情報要求への対応
地域社会・お客様とのコミュニケーションの向上と社会貢献活動への参加
環境報告書の公表
お問い合わせ先
わせ先
P19
1
ごあいさつ
当社は、当社グループの企業価値をより高めるため「経済、社会、地域との調和を図りつつ継続的
な成長に努める」ことを理念とし、
「技術革新型企業」
、
「技術躍進型企業」
、
「社会貢献型企業」を目指し
て活動しております。また、コンプライアンスを推進していくことにより、経済、社会、地域との調和
を図った、企業の社会的責任(CSR)を果たし得るものと考えております。そして、それが取りも直さ
ず『持続可能な社会』の構築に通ずると考えております。
当社は、
「21世紀は環境の世紀」と捉え、製品開発から製造、物流、使用、最終消費そして廃棄に至
る、あらゆる場面で環境配慮に真摯に取り組み、
『持続可能な社会』を築いて将来に引き継ぐことが責務
であると考えております。この実現のため、
「安全、環境、品質に関する経営基本方針」を定め、また「環
境指針」により、環境と人々の安全に配慮し、水と緑と自然環境の維持と向上に貢献することを目指し
ております。
当社は、2002年に日本レスポンシブルケア協議会(JRCC)に入会し、レスポンシブルケア(RC)
活動を通じて、研究開発から廃棄に至るまでの全ライフサイクルにわたって、環境保全、保安防災、労
働安全衛生、化学品・製品安全、物流安全等の環境・安全・健康面についての改善活動を行い、その結果を
公表しております。また、お客様そして社会に安心してご使用いただける製品作りに向け、当社製品に
用いる原材料中の有害物質についても取引業者様の協力を得て管理の徹底を推進しております。
そして、品質マネジメントシステム(QMS)ISO9001に加え、環境マネジメントシステム(EM
S)であるISO14001を全社的な活動とするため、新たに2008年4月に開設した北海道営業所
の認証拡大を行い、さらに2009年4月にはグループ会社の関東高圧化学(株)を吸収合併し、新たに
横浜工場として事業展開していくことにより、統合的な環境配慮の活動を一層強化してまいります。
当社は、株主様、お客様、地域社会等のステークホルダーから信頼される企業、さらに魅力ある企業
として持続的な成長を実現していく上において、環境配慮の事業活動が重要であると認識し、環境に配
慮した国際競争力のある製品・サービスを提供することはもとより、製造過程等あらゆる場面で環境に配
慮し、企業価値を高め、社会に貢献する企業を目指してまいります。
本環境報告書は、当社の考え方や活動を皆様にご理解いただけ
ますよう、2008 年度の RC 活動、及び CSR(企業の社会的責任)への
取組みの一端についてまとめたものです。
今後とも、一層のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げ
ます。
2009 年 6 月
代表取締役社長
2
伊 佐 功
会社概要/
会社概要/経営指標
会社概要
◎会社概要
商 号
所在地
日本カーリット株式会社
〒101-0024 東京都千代田区神田和泉町 1 番地 神田和泉町ビル
TEL;03-5821-2020/URL;http://www.carlit.co.jp/
設 立
昭和 9 年(1934 年)3月 24 日
資本金
1,205 百万円
売上高(2008 年度) 30,310 百万円(連結)
13,363 百万円(個別)
従業員数
620
名(連結)
250 名(個別)
◎事業場及び
事業場及びグループ会社
グループ会社
事業場
グループ会社
グループ会社
本社
事・営業所(大阪・九州・北海道)
群馬工場(広桃発電所)
赤城工場
横浜工場
R&D センター
日本研削砥粒株式会社
カーリット産業株式会社
ジェーシービバレッジ株式会社
株式会社シリコンテクノロジー
第一薬品興業株式会社
ルビコン・カーリット株式会社
株式会社ジャペックス
◎セグメントと
セグメントと商品群
セグメント
売上高シェア
(2008 年度)
商品群
● 産業火薬類;含水爆薬(ハイジェックス),硝油爆薬 ANFO,導爆線
信号用火工品;自動車用緊急保安炎筒(ハイフレヤー,スーパーハイフレヤー,ス
ーパーハイフレヤープラス+ピック),道路作業用信号炎管(ロードフレヤー),鉄
道用信号炎管
● 工業薬品;塩素酸ソーダ,亜塩素酸ソーダ(シルブライト),過塩素酸塩,,過よう素
酸ソーダ,過塩素酸,,標準燃料
● 農業薬品;除草剤(デゾレート,ハービアウト,クズコロン),農業用殺菌剤(ジー
ファイン),木材保存剤(ハチクサン),家庭園芸用肥料(アミグロー)
● プラント;次亜塩素酸発生装置(ハイポセル),二酸化塩素発生装置,電極(エクセ
ロード)
● 受託合成,危険性評価試験
36.9%
電子材料;TCNQ 錯体(COS),イオン導電体(PEL,CCA),機能性色素(CIR),導電性高
分子材料(ピロール,アニリン),過塩素酸リチウム,イオン液体(CIL),電気二重
層キャパシタ用電解液(KKE)
● 高機能性コンデンサ(PC-CON),シリコンウェハー
18.5%
● 清涼飲料ボトリング
39.9%
●
化学品
●
電子材料
ボトリング
その他
● 研削材,不動産
4.7%
3
経営指標
◎新 3 ヵ年中期経営計画「
中期経営計画「ジャンプ 10」
10」(2008 年度~
年度~2010
2010 年度)
年度)
当社グループは、中期経営計画「ステップアップ07」(2005年度~2007年度)の成果を踏まえ、2010年度を最終年
度とする新3ヵ年中期経営計画 「ジャンプ10」を策定いたしました。
“創造的技術フロンティア拡大で新たな成長期へ”のコンセプトのもと、当社グループ一体となって、新技術に
より事業領域を拡大し既存事業の付加価値を増強することによって事業基盤の拡充を図り、新たな成長をめざして
まいります。
最終年度(2010年度)の経営指標は、以下のとおりです。
【売上高】
370億円
(個別 180億円)
【経常利益】
35億円
(個別
27億円)
【売上高営業利益率】
9%
(個別
14% )
【総資産経常利益率】
9%
(個別
8% )
新中期経営計画「ジャンプ 10」は、次の 4 つの方針を柱に進めております。
1.既存事業の原価低減強化と付加価値増強
2.新規製品・新規事業の拡大
3.海外、特にアジアでの事業展開
4.人と、社会と、地球に優しい環境作りをめざし、常に顧客・社会に貢献する企業をめざす
◎連結売上高及び
連結売上高及び営業利益推移
(百万円)
2004 年度
26,838
-
1,343 5.0%
1,276 4.7%
連結売上高
連結営業利益
連結経常利益
百万円
2005 年度
29,347
-
2,079 7.1%
1,956 6.7%
売上高推移
2006 年度
28,187
-
2,198 7.8%
2,383 8.5%
2007 年度
30,829
-
2,249 7.3%
2,471 8.0%
百万円
営業利益推移
35,000
5,000
30,000
4,000
25,000
3,000
その他
その他
20,000
15,000
10,000
2008 年度
30,310
-
1,386 4.6%
1,676 5.5%
ボトリング
2,000
ボトリング
電子材料
1,000
電子材料
化学品
化学品
0
2004 2005 2006 2007 2008
5,000
-1,000
消去
0
2004 2005 2006 2007 2008
-2,000
(図中、
「消去」はグループ内取引のため消去される金額)
報告書対象期間
原則として 2008 年度(2008年 4 月~2009 年 3 月)の活動及びデータ、ならびに一部それ以前の取組みや本報
告書発行直前までのものを含んでおります。
◇参考とした
参考としたガイドライン
としたガイドライン
環境省「環境報告ガイドライン(2007 年度版)」
4
経営理念/
経営理念/経営方針
経営理念
私たちカーリットグループは、
経済・社会・地域との調和を図りつつ、継続的な成長に努め、
企業価値をより高めてまいります。
経営方針
私たちカーリットグループは、環境に配慮し、
社会・市場のニーズに応える
技術革新型企業
特色ある製品技術
世界トップレベルの
顧客・社会に貢献する
技術躍進型企業
社会貢献型企業
新製品の開発・革新技術の供給
商品の提供・情報の共有化
をめざしてまいります。
『持続可能な
持続可能な社会』
社会』の構築
5
安全、
安全、環境、
環境、品質に
品質に関する経営基本方針
する経営基本方針/
経営基本方針/環境指針
安全、
環境、
、品質に
安全、環境
品質に関する経営基本方針
する経営基本方針
経営理念のもと、
「安全」
、
「環境」
、
「品質」を重視し、社会に役立つ製品を開発、生産、提供しま
す。
1.安全
●
無事故、無災害を目指し、従業員と地域社会の安全を確保します。
化学物質の取扱に関する安全を確保し、従業員、物流関係者、お客様等、関係する人々の安
全を図ります。
2.環境
製品の開発から廃棄までの全ライフサイクルにわたる環境負荷を低減します。
これらを通し、環境の保全に努めます。
3.品質
お客様が満足する品質の製品を開発・提供します。
時代の変化に即応し、新しい技術を開発することにより製品のさらなる品質向上に努めます。
〈本活動推進の
本活動推進の基本〉
基本〉
本活動の推進にあたっては、全社的推進体制を構築し、PDCAサイクルを回して継続的改善に
取り組みます。
環境指針
日本カーリットは「21世紀は環境の世紀」と捉え、爆薬、信号用火工品、工業薬品、農薬、電
子材料、機能性材料、試薬・医薬部外品原材料、化学装置及び清涼飲料水のボトリング事業に関す
る製品の開発から製造、流通、消費、廃棄までの各段階において環境と人々の安全に配慮し、水と
緑豊かな自然環境の維持と向上に貢献することをめざします。
1.環境目的
当社は、地域社会の一員として環境活動に積極的に取組み、地域住民の安全と環境保全に
努め、環境改善に貢献する企業として環境管理重点テーマを作成して環境負荷を低減するとと
もに、地球環境の汚染予防に努め、継続的な環境マネジメントシステムの向上をめざします。
2.環境に
環境に関する責務
する責務
社長を総責任者とし、事業のあらゆる場面において環境に関連する法規制及び当社が同意す
るその他の要求事項を順守し、環境管理基準を忠実に維持するとともに、実績値の低減に努め
ます。また、環境・安全に著しい影響を及ぼすような事態や状況には、責任を持って迅速に対
処します。
3.環境活動の
環境活動の推進
社長を総責任者とし、環境管理重点テーマ達成のため、部門毎に環境目標を設定し、全社一
体となって、年間サイクルで効果的な環境保全活動を推進します。
定期的な監査と自主管理を行い、PDCAによる継続的なレベル向上に努めます。
6
社会(
社会(CSR)
CSR)及び環境・
環境・安全・
安全・品質(
品質(RC)
RC)活動推進
活動推進のために
推進のために
社会(
社会(CSR)
CSR)及び環境・
環境・安全・
安全・品質(
品質(RC)
RC)活動の
活動の推進体制
社 長
経 営 会 議
内部監査室
安全衛生防災監査委員会
品質・環境委員会
環境安全品質保証部
事業本部
安全衛生防災委員会
工場品質・環境委員会
(緊急事態発生時)
コンプライアンス委員会
危機対策本部
法 務 部
営業部門
生産部門
省エネ委員会
R&D センター
管理部門
グループ会社
7
コンプライアンス及
コンプライアンス及びリスク管理
リスク管理の
管理の推進
当社は、新会社法(2005 年 7 月改正、2006 年 5 月施行)に基づいて、2006 年 5 月、当社グループが「業務の有
効性・効率性」
、
「財務報告の信頼性」
、
「事業活動に関わる法令等の遵守」
、
「資産の保全」を達成するため、
『内
部統制システムに関する基本方針』を決定いたしました。
2006 年 5 月に制定した「内部通報に関する取扱い規程」では、コンプライアンス経営を強化するため、内部監
査室を窓口として内部通報した従業員の保護を行なうこと、また、2007 年 1 月に一部改正した「内部情報管理
規程」では、公正・公平な事業活動を行なうため、インサイダー取引の防止及び企業機密の漏洩防止を明確にし、
当社グループの役員及び従業員に周知いたしました。
また、
2007年2月には、
「人権を尊重した安全で明るい職場の実現」
、
「法令を遵守した公正・公平な企業活動」
、
「環境に配慮した商品開発とお客様の満足の実現」
、
「環境重視の事業活動」
、
「機密情報の厳正管理」
、
「情報の
適時開示による信頼関係の構築」
「地域社会への貢献」からなる『コンプライアンス憲章』を制定し、当社グル
ープ一人ひとりの行動規範として周知いたしました。またコンプライアンス委員会を設置し、
『コンプライアン
ス憲章』で謳っている「法令、社内規程、その他の社会規範」を遵守する公正・公平で健全な企業活動の実践を
めざして活動しております。
RC 活動の
活動の推進
品質・環境委員会は、製品安全、環境安全、品質保証、輸出審査(
「外国為替及び外国貿易法」における戦略
物資等)
、及び品質マネジメントシステム(QMS)及び環境マネジメントシステム(EMS)の効率的かつ円滑な運営
をめざし、また、各工場の個別案件につきましては、工場品質・環境委員会で活動しております。
また、安全衛生防災監査委員会は、各工場の安全・衛生・防災活動を効率的に行うために定期的に開催してい
る安全衛生防災委員会の活動と一体的に運営され、災害・事故発生の未然防止、再発防止、及び衛生上の問題
への対応が妥当であるかどうかの監査を行うとともに、工場の安全巡視を実施し、安全・衛生・防災の確保に努
めております。
監 査
◎内部統制監査
内部統制システムの運用状況について定期的に監査を実施し、被監査部門に対する問題点の指摘を行い、業務
の継続的改善を図っております。
◎ISO 監査
EMS(ISO14001)、QMS(ISO9001)についての内部(品質・環境)監査を年 2 回、外部審査機関による監査を年 1 回
実施し、監査結果についてマネジメントレビューを行い、次年度の経営方針、部門方針・目標・実施計画に反映
させて、PDCA サイクルを回し、継続的改善を図っております。
◎安全衛生防災監査
安全衛生防災監査委員会は、年 2 回、各工場の安全・衛生・防災活動状況及び工場巡視の監査を行い、監査結
果を社長に報告し、社長示達により次の安全・衛生・防災活動へつなげ、継続的改善を図っております。
8
2008 年度環境
年度環境・
環境・安全・
安全・品質(
品質(RC)活動指針及び
活動指針及び活動テーマ
活動テーマ
環境・
環境・安全・
安全・品質(
品質(RC)
RC)活動指
針
主な活動テーマ
活動テーマ
① 地球温暖化防止(炭酸ガス排出量の削減)
1.環境保全
環境保全の
保全の推進
環境にやさしい原材料の調達、プロセスの改
良、省エネルギー等の改善活動を通じて、地球温
暖化防止の推進、及び有害排出物質・廃棄物の削
減、リユース・リサイクルの推進に努め、事業活
動における環境負荷を低減します。
⇔
③ 廃棄物の削減、リユース・リサイクルの推進
④ 化学物質の適正管理
⑤ ISO14001 統合運用への対応
2.保安防災
保安防災・
防災・労働安全衛生の
労働安全衛生の推進
作業者の安全への意識向上、及び安全面から製
造プロセス、設備設計、運転方法を検討・改善す
ることにより、事故・災害発生の防止に努め、従
業員及び地域社会の安全を確保します。また、従
業員が安心して働ける職場を作ります。
⇔
③ 事故・災害発生時への対応強化
④ 従業員が働きやすい職場の実現
① ISO9001統合運用への対応
⇔
② グリーン調達の実施
③ MSDS の GHS 対応の推進
④ 物流及び取扱時の安全教育の推進
⑤ イエローカード・容器イエローカードの運用
推進
① 環境・安全配慮製品の開発・提供
4.信頼性の
信頼性の向上
法令・社会規範等を遵守し、環境、安全、品
質、
コスト等あらゆる面において社会から信頼さ
れる製品を提供します。また環境配慮・安全にお
ける諸活動に参加し、
社会とのコミュニケーショ
ンの充実に努めます。
① 災害ゼロ(労働災害・設備事故ゼロ)の実現に
向けて
② リスクアセスメントの実施
3.化学品・
化学品・製品安全の
製品安全の強化
原料・製品に関する法規制情報を速やかに収集
するとともに、
リニューアルした有害危険性情報
等を、従業員、物流関係者、お客様にフィードバ
ックして安全性をより高め、
製品取扱時、
流通時、
廃棄時における事故・災害の発生を防止します。
② 環境負荷物質(大気・水質)の削減
⇔
② お客さま等ステークホルダーからの環境情
報要求への対応
③ 地域社会・お客様等とのコミュニケーション
の強化
④ 環境報告書の公表
9
2008年
2008年度環境・
環境・安全・
安全・品質(
品質(RC)
RC)活動報告
マネジメントシステム
当社のレスポンシブル・ケア(RC)活動は、
日本レスポンシブル・ケア協議会(JRCC)作成のレスポンシブル・ケア
コード(2004 年 4 月)に準拠して活動しております。また活動の一環として国際規格である ISO9001、ISO14001
を、当社(全社)及び下記グループ会社で取得し、環境パフォーマンス、製品の安全等に取り組んでおります。
2008 年度は、新設した北海道営業所の拡大登録を行ないました。
2009 年度は、横浜工場(グループ会社の関東高圧化学(株)を 2009 年 4 月に吸収合併)についての運用拡大を
予定しております。
取得年月
登録番号
対象組織
対象範囲
ISO9001
1999/4/1
JSAQ-462
ISO14001
2001/12/1
JSAE-452
当社(全社(横浜工場を除く)),カーリット産業
(株)業務部
赤城工場;発炎筒、硝安油剤爆薬、含水爆薬
の開発及び製造)。
群馬工場;過塩素酸リチウム、過塩素酸アン
モニウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ソー
ダ、塩素酸ソーダ、亜塩素酸ソーダ溶液、次
亜塩素酸ソーダ、プラスチック用添加剤、金
属電極、TCNQ錯体、電荷調整剤の製造。
導電性付与剤、近赤外線吸収色素、ポリピロ
ールコンデンサ原料、キャパシタ用電解液の
開発及び製造
当社(全社(横浜工場を除く)),ジェーシービバレ
ッジ(株)渋川工場,カーリット産業(株)
当社及び関連会社における爆薬、信号用火工品、
工業薬品、農薬、機能性材料及び化学装置の研究
開発、製造及び販売、並びに清涼飲料水のボトリ
ング事業において、
① 排ガス、排水及び化学物質の漏洩による環境汚
染の防止
② 化学物質の適正管理
③ 燃料及び電力エネルギーの原単位削減
④ 省資源
⑤ 産業廃棄物の削減及び分別処理
なお、その他のグループ会社では、ISO9001、ISO14001 を個別に取得して同様に環境パフォーマンス、製品
の安全等に取り組んでおります。
環境保全
環境保全の
保全の推進
① 地球温暖化防止
(炭酸ガス
炭酸ガス排出量
ガス排出量の
排出量の削減)
削減)
CO2排出量の推移 (注1)
(t/Y)
120%
60,000
当社のエネルギー源は、買電、重油等燃料
100%
50,000
及び自家発電力からなり、クリーンエネル
買電
80%
40,000
ギーである自家水力発電所(出力 3,360KW)
燃料
にて群馬工場の消費電力の約 1/3 を賄い、C
60%
30,000
買電+燃料
O2発生を抑制しております。また、電力多
40%
20,000
90年比
消費型製品である塩素酸ソーダの電解製造
20%
10,000
工程の最適化や装置定期メンテナンス等に
よる生産効率の向上によって使用電力を削
0%
0
90 95 00 01 02 03 04 05 06 07 08 年度
減、及び省エネ型の製品開発や小型環流ボ
イラー化への転換を通して、エネルギー消費量の削減を図っております。
2008 年度の買電量(原油換算)は前年比 88.9%で 11.1 ポイント減、また重油等燃料は同 95.9%で 4.1 ポイント
減となりました。しかしながら、東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所停止の影響により買電の CO2換算係数が
増えたため、CO2排出量は前年度比 108%と増加いたしました。
2008 年度 CO2排出量は、1990 年度比では 43.9%で 56.1 ポイント減となり、日本化学工業協会の削減目標 10%
を大幅にクリアしております。
(注1) CO2排出量は、2002 年度よりグループ会社ジェーシービバレッジ(株)渋川工場の買電分を含んでいます。
10
② 環境負荷物質
環境負荷物質(
荷物質(大気・
大気・水質)
水質)排出量の
排出量の削減
(t/年)
大気汚染物質排出量の
大気汚染物質排出量の削減
大気汚染物質(SOx,NOx,ばいじん)の排出量を低
減するため、ボイラー燃料を C 重油から環境負荷の
より少ない A 重油に切替え、また小型環流ボイラー
運転方法の見直しや標準化による効率的な運転を実
施した結果、2008 年度では SOx 20.6t(1990 年度比
15.7%),NOx 1.5t(同 6.8%),ばいじん 0.1t(同
1.8%)となり、1990 年度と比べ大幅な削減を達成して
おります。
●
大気汚染物質排出量の推移
140
120
SOx
NOx
ばいじん
100
80
60
40
20
0
90 95 00 01 02 03 04 05 06 07 08 年度
水質汚濁物質排出量の
水質汚濁物質排出量の削減
電子材料事業等への展開やボトリング事業への参
入といった事業形態の変更に伴う COD(注2)増加対策
として、2003 年度に排水処理設備を増強し、汚濁物
質排出量を大幅に削減いたしました。その後は日常
的な水質監視と異常値の速やかな把握と是正を行っ
た結果、2008 年度の COD 排出量は前年より 3.4t削
減し、2001 年度比 20.1%、79.9 ポイント減の大幅な
削減を達成しております。
●
COD排出量の推移
t/Y
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
00
(注2) COD・・・化学的酸素要求量といい、主として、有機性物質
による水質汚濁の指標として用いられ、数値が高い
ほど水の汚染度が高いです。
01
02
03
04
05
06
07
08 年度
③ 廃棄物の削減、
削減、リユース・
リユース・リサイクルの
リサイクルの推進
廃棄物全体の発生量は、新規製品の立ち上げや工場再配置計画の実施に伴う不要物の処分により増加
傾向にありますが、増加分の内大きな割合を占める有機廃液は焼却処分され、がれきなどの埋め立て処
分が減少した事により過去の処分量と比較して大幅に減少しております。
2008 年度の最終処分量は、前年度より 4t増加していますが、2004 年度比 18%と大幅に減少し
ております。今後とも、引続き分別の徹底や包装材料などのリユース・リサイクルの推進を図ってまい
ります。
廃棄物の状況(t)
年度
02
03
04
05
06
07
08
廃棄物発生量
732
724
1,045
1,081
1,127
1,180
1,297
再資源化量
63
194
15
96
51
30
41
11
最終埋立処分量
110
101
274
162
73
46
50
廃棄物量の
廃棄物量 の 推移
t
1,400
1,200
廃棄物
発生量
1,000
800
再資源化
量
600
400
最終埋立
処分量
200
300
30%
250
25%
200
20%
150
15%
100
10%
50
5%
0
0
02
03
04
05
06
07
最終埋立処分量の
最終埋立処分量 の 推移
t
08
年度
最終埋立
処分量
最終埋立
処分率(注3)
0%
02 03 04 05 06 07 08 年度
(注 3) 最終埋立処分率は、廃棄物発生量に対する最終埋立処分量の百分率です。
④ 化学物質の
化学物質の適正管理
適正管理
(注 4)
当社は、事業活動に係る化学物質に関する法令および規制情報(以下「規制化学物質等」
)に関する法令
の適用確認と最新情報調査を常時行ない、
「規制化学物質等」の適正管理及び関連法令の遵守を図っておりま
す。
また、その他事業活動のあらゆる場面で受ける法規制、例えば、PRTR 法(特定化学物質の排出・移動量の把握)
による化学物質の管理、MSDS による製品情報の伝達、化審法による新規化学物質の届出、PCB 特措法による蛍
光灯の安定器などの PCB の管理、廃棄物処理法による特別管理産業廃棄物のマニフェスト管理などを適法、適
正に行なっております。今後とも一層の化学物質の適正管理を進めてまいります。
(注 4) 当社の事業活動に係る「規制化学物質等」…
化審法(第 1 種・第 2 種特定化学物質,第 1 種監視化学物質)、毒劇法(毒物,特定毒物)、安衛法(製造禁止物質)、農薬取締法(販売
禁止農薬)、日本グリーン調達調査共通化協議会(JGPSSI)(ガイドラインレベル A,レベル B)、RoHS 指令(特定有害物質)、ELV 指令(有
害物質規制)、POPs 条約物質(残留性有機汚染物質)、PIC 条約(特定有害化学物質)、モントリオール議定書(オゾン層破壊物質)
⑤ ISO14001 統合運
統合運用への対応
への対応
環境マネジメントシステム ISO14001 は、工場区域だけでなく営業部門も含めた全社システムへと拡大し、
PDCA サイクルを回して運用しておりますが、2008 年度は、新たに開設した北海道営業所も認証拡大いたしま
した。
2009 年度は、当社横浜工場に運用拡大し、全社システムの統合的な環境活動の強化を図っていく予定でおり
ます。
保安防災
保安防災・
防災・労働安全衛生の
労働安全衛生の推進
① 災害ゼロ
災害ゼロ(
ゼロ(労働災害・
労働災害・設備事故
設備事故ゼロ
事故ゼロ)
ゼロ)の実現に
実現に向けて
労働災害ゼロ
労働災害ゼロの
ゼロの実現に
実現に向けて
当社は『無災害が最優先』と考え、2008 年度安全衛生防災目標を掲げて、スローガンの周知徹底、及び無災
害時間記録表の掲示などの安全意識の高揚によるゼロ災運動を各工場で展開、活動いたしました。
●
12
2008 年度 安全衛生防災目標
1.スロ-
スロ-ガン
“一人一人かけがえのない人 安全作業でゼロ災害”
2.目
標
① 無災害記録の継続(1 年間休業災害 0 件)
② 安全巡視の 5S 関係指摘事項半減
3.個別活動テーマ
個別活動テーマ
① 安全活動テーマ
・基本作業を守り、安全の基礎を確立しよう
・リスクアセスメントを推進し、災害の芽を摘もう
② 安全衛生活動テーマ
・5S 活動で快適職場を作ろう
・積極的に体を動かし、健康を確保しよう
③ 防災活動テーマ
・日常の点検整備で災害を未然に防ごう
・火薬類や危険物の安全な取扱いに習熟しよう
また、労働災害ゼロに向けて、全従業員が参加する小集団グループを中心として、以下の 5 つの活動を日常
的、継続的に行い、従業員一人ひとりが災害の未然防止と作業環境の改善に向けて取り組んでおります。
①「始業時、終業時ミーティング」…始業時、終業時ミーティングにおいて、その日の作業内容、申送
り、安全上の注意点等をお互いに提起し確認することにより、職場の課題や問題点を先送りせず
に、全員で共有化し、解決へと結びつけます。
②「5 S」活動…整理・整頓・清掃・清潔・しつけの面から、職場でのトラブルやミスを減らし、作業の効
率性と安全性を高めます。
③「指差呼称」活動…作業者が作業の対象について、指差呼称することにより、思い込みや勘違い等に
よるヒューマンエラーを防止し、確実・安全に作業します。
④「提案活動」…職場における改善の課題や問題点を把握し、それらを解決するための提案を行い、課
題解決に向け、意識・活動の共有化を進めます。
⑤「ヒヤリ・ハット、KY」活動…作業時や通勤時のヒヤリとしたこと、ハッとしたことを提案・紹介
し、他の従業員に周知・徹底を図り、どのようにしたら安全に対処できるかを、一緒に考え、共
有化します。また、作業前にその作業の危険に対する感度を上げる事を話し合い、対策を考え作
業員全員が実践する安全活動です。
設備事故ゼロ
設備事故ゼロの
ゼロの実現に
実現に向けて
当社では、各工場において、安全衛生防災委員会による安全パトロールを定期的に実施し、工場内の設備・
機器類の巡回監視を行い、問題箇所の指摘とその改善を行い、設備事故の未然防止活動を行なっております。
また、ISO14001 での環境方針、環境目標、
「著しい環境側面」からの部門別目標の設定・進捗管理により、
環境・安全についての PDCA サイクルを回して活動しております。
同様に、グループ会社の工場においても、事故防止に向け、環境・安全のための活動を行なっております。
当社では、2008 年度は、個々の工程について「リスクアセスメント」を実施し、設備事故の防止に取り組み
ました。
●
2008 年度重大事故につきまして
年度重大事故につきまして
2008 年 4 月、当社グループ会社の関東高圧化学(株)横浜工場研究棟で人的被害を伴う爆発事故が発生いたし
ました。周辺地域の皆様、お客様はじめ、関係者の皆様には多大のご迷惑をおかけし深くお詫び申し上げます。
今後かかる事故を二度と起こさないよう再発防止策を対処中であります。
●
② リスクアセスメントの
リスクアセスメントの実施
2008 年度は、当社群馬工場および赤城工場における個々の工程・設備等について、潜在危険(危険性または有
害性)の特定-見積-評価-その低減措置,並びに有効性確認といった一連の「リスクアセスメント」を実施
し、
「潜在危険調査表」の作成、危険有害要因(ハザード)及び対策案の作成をいたしました。これに基づき、
13
作業方法、定期点検の見直しを行い、リスク低減に努めました。2009 年度では、さらに、リスク低減策の有効
性を確認し、PDCA サイクルを回して効果的に運用していく予定でおります。
また、有害性が問題となっている石綿(アスベスト)に関する調査は完了し、対応可能なものについては既に
処分が終了しております。今後も建家等の解体に際しては、法令を順守して適正に処分してまいります。また、
その他の有害物質の取り扱いに関しても作業者への十分な教育と有害物質の適正な管理を行なっております。
以上のように、有害物質による作業者及び近隣住民の方々への悪影響を取り除く諸対策を進めております。
2008 年度の当社労働災害度数率(注5)及び労働災害強度率(注6)を示します。2008 年度の群馬工場及び赤城工
場での休業災害は 0 件でありました。
労働災害強度率
労働災害度数率
5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
当社
化学工業
00
01
02
03
04
05
06
07
当社
化学工業
00
08 年度
01
02
03
04
05
06
07
08 年度
(注 5)労働災害度数率とは 100 万時間当たりの被災者の発生頻度を表しています。
(注 6)労働災害強度率とは、1,000 時間当たりの災害の軽重を表しています。
③ 事故・
事故・災害発生時へ
災害発生時への対応強化
保安防災につきましては、群馬工場(R&D センター及びカーリット産業(株)を含む)では消防法に基づき、ま
た赤城工場では火薬類取締法に基づき、火災など各種災害の発生防止策、及び災害発生時への対応策を策定し、
工場毎に消防計画書を作成し地域消防に届出を行なっております。
各工場では、年 2 回、地域消防・警察等と連携した定期総合防災訓練を各々実施しております。この防災訓
練では、地域消防・警察等や本社危機管理本部との緊急時連絡体制の確認、また地域消防参加のもと社内防災
活動を視察、講評していただき、より有効な防災体制の構築に取り組んでおります。
その他、現場毎に、消火器・消火栓等の確認と併せて、個別に定期的な消火訓練を行なっております。
従業員による初期消火訓練(群馬工場)
地域消防からのポンプ車操作の指導(赤城工場)
また、本社及び同居グループ会社につきましては、
「本社防火管理規程」に基づき保安防災体制を整備する
とともに、ビル管理会社自衛消防隊と共同し防災活動に取り組んでおります。その他の事営業所もビル管理会
社の指導のもと防災活動に取り組んでおります。
グループ会社の工場におきましても、同様に、各々保安防災体制を構築し、定期的に防災訓練を実施してお
ります。
14
④ 従業員が
従業員が働きやすい職場
きやすい職場の
職場の実現
当社は、
「コンプライアンス憲章」で「人権を尊重した安全で明るい職場の実現」を決め、従業員に周知し
て差別のない職場作りを進めておりますが、労働災害ゼロで行なっている「始業時、終業時ミーティング」や
「5 S」活動等は「安全衛生防災委員会」の中でも積極的に取り上げ、安全・安心な職場作りに向け、従業員
一人ひとりが取り組んでおります。
化学品・
製品安全の
の強化
化学品・製品安全
① ISO9001 統合運用への
統合運用への対応
への対応
品質マネジメントシステム ISO9001 についても、ISO14001 と同様、工場区域だけでなく営業部門も含めた全
社システムへと拡大し、PDCA サイクルを回して運用しておりますが、2008 年度は、新たに開設した北海道営
業所も認証拡大いたしました。
2009 年度は、横浜工場への運用拡大を行い、全社システムの統合的活動を強化し、顧客満足度のさらなる向
上を図っていく予定でおります。
② グリーン調達
グリーン調達の
調達の実施
2005 年 9 月に制定した「購入品のグリーン調達対応手順」により、グリーン調達への対応を明確にするとと
もに、サプライチェーンの上・下流から情報を収集し、環境負荷の小さい、環境に優しい製品を提供するため
の運用を続けております。また、製品中の環境管理物質については、非含有使用保証書を提出する等、お客様
からの要望にお答えしております。
③ MSDS の GHS 対応の
対応の推進
当社製品をお客様等に安全にご使用いただくため、製品に関する危険有害性情報を MSDS(注7)により提供して
おります。この MSDS は、法令により義務付けられた製品だけでなく、その他の製品についても作成して提供
しております。
また、随時最新の情報を収集し、最新の MSDS を提供するとともに、GHS(化学品の分類及び表示に関する世
界調和システム) (注8)に対応する製品については、当該情報を MSDS に取り込み提供しております。
また、従業員に対しても、製品、及び原料、副生成物等、製造プロセスにかかる化学品について、MSDS を
用いた安全教育を実施し、従業員一人ひとりに危険有害性情報を周知させ、事故や
災害発生の防止に努めております。
また、最新の MSDS については、営業部門からも電子システムを通して参照でき、
お客様等からのご要望に対し、速やかにお答えできるようになっております。
(注 7) MSDS/製品安全データシート/化学物質安全性データシート・・・化学製品の取扱いにおいて安全
を確保するために、必要不可欠な危険有害性を記載した資料。PRTR 法で指定化学物質や指定化学
物質を含む製品を譲渡、提供する際に、MSDS による情報提供が義務付けられています。
(注 8) GHS/化学品の分類及び表示に関する世界調和システム…国連 GHS 小委員会で検討、策定した化
学物質の危険有害性の分類及び情報伝達に関する世界的に統一されたシステム。2006 年に改正さ
れた労働安全衛生法により、ラベル及び MSDS について GHS 対応が義務付けられています。
MSDS
④ 物流及び
物流及び取扱時の
取扱時の安全教育の
安全教育の推進
物流安全につきましては、危機管理の強化と製品の安全輸送を目的として、物流業者に対して、関係法令や
製品の特性、緊急時の対処方法等を周知徹底させるため、MSDS を用いて安全教育や説明会を定期的に行なうと
ともに、相互コミュニケーションにより安全確保に努めております。
また、年 2 回、従業員だけでなくグループ会社や物流業者等も含めて、当社製品である塩素酸ソーダ、過塩
素酸アンモニウム等(消防法危険物)や、ハイフレヤー(自動車用緊急保安炎筒)、ロードフレヤー(信号炎管)の
15
燃焼デモンストレーションを行ない、製品の適正な取扱い方や潜在危険性に対する意識向上・再確認のための
安全教育を推進しております。
塩素酸ソーダの付着した作業着の燃焼デモ(群馬工場)
⑤
信号炎管の大量燃焼デモ(赤城工場)
イエローカード・容器イエローカードの運用推進
イエローカード
当社は、製品の輸送、移動等、物流時の安全を確保するためイエローカード(注
9)
を発行し、適切な取り扱い方法や非常時の連絡先、事故による漏洩時の適切
な処置方法などを輸送業者等に周知させるとともに、製品の輸送時には運転手
にイエローカードを常時携帯させ、安全確保に努めております。
また、イエローカードの携帯が困難な混載便輸送や小量輸送時の安全を確保
するため、容器イエローカード (注 10)の導入を引き続き進めてまいります。
(注 9) イエローカード…製品輸送のトラックの運転席に備え付け、物流過程での緊急事態発生
時に安全・的確に対処できるよう、トラックの運転手等が緊急時に取るべき応急処置や連
絡先を記載した、黄色紙の緊急連絡カード。毒劇法、高圧ガス法で義務付けられています。
(注10) 容器イエローカード/警告ラベル…混載便や小容量を容器輸送する場合、容器・包装品につけるラベルに、国連番号及び指針番号を
追加表示したもので、イエローカードを携行することが困難な場合に用います。RC活動の一環として行なっています。
信頼性の
信頼性の向上
① 環境・
環境・安全配慮製品の
安全配慮製品の開発・
開発・提供
当社は、環境に配慮した製品や交通安全を確保するための製品の開発に積極的に取り組み、様々な製品を皆様
に提供しております。
環境負荷の
環境負荷の少ない、
ない、光・電子,
電子,エネルギーデバイス、
エネルギーデバイス、機能材料等向
機能材料等向け技術・
技術・製品
デジタル家電製品及びコピー機等の情報機器に、当社の有機導電性材料(ピロール、アニリン、PEL 他)、近赤外
線吸収用色素(CIR)、電荷調整剤(CCA)等が使用されており、当社の優れた技術・
製品が環境負荷の少ない高機能性製品の製品化に貢献しております。
また、環境に優しいエネルギーである太陽電池関連の材料開発にも、積極的
に取り組んでおります。
●
●
省エネに
エネに貢献する
貢献する熱線遮断フィルム
熱線遮断フィルム
新たに開発した熱線遮断フィルムは、可視光透過率を損なうことなく、太陽
光の熱線(赤外線)を選択的に吸収、遮断するフィルムで、耐候・耐久性に優れて
おります。自動車や建物の窓ガラスに貼り付けて用い、省エネルギーに貢献し
16
ております。またガラス飛散防止等の安全防災効果も期待できます。
熱線遮断フィルム
●
環境対応製品である
環境対応製品である電気
である電気ニ
電気ニ重層キャパシタ
重層キャパシタ(
キャパシタ(エネルギー蓄電
エネルギー蓄電デバイス
蓄電デバイス)
デバイス)用電解液
電気二重層キャパシタ用電解液(KKE)は、低粘性、高電気導電率、使用温度
域が広いなどの優れた特徴を有しております。当該電解液を使用した電気ニ
重層キャパシタは、ハイブリット自動車、鉄道、ヤードクレーンのエネルギ
ー回生等への用途や、電子機器のメモリーバックアップ、複写機、瞬時電圧
低下補償装置の他、風力発電蓄電池の用途が期待され、環境対応型製品の発
展に寄与しております。
●
環境にやさしい
環境にやさしい二酸化塩素発生装置
にやさしい二酸化塩素発生装置及
二酸化塩素発生装置及び薬剤
二酸化塩素による繊維や紙パルプの漂白、水処理での殺菌においては、従
来の塩素漂白、殺菌に比べて、発ガン性物質である THM 等の有機塩素化合物
の発生を抑えることができるため、当社の二酸化塩素発生装置(R8 法、R2P
法)や薬剤(亜塩素酸ソーダ溶液)は、環境に優しい安全な製品として製紙
会社や繊維会社、下水処理場等様々な分野で貢献しております。
二酸化塩素発生装置
●
環境に
環境に優しく、
しく、安全な
安全な農業用殺菌剤(
農業用殺菌剤(ジーファイン)
ジーファイン)
うどんこ病・反転細菌病向け無機系殺菌剤ジーファインの有効成分は、食品添加物として認可されており、
環境に優しく安全な環境保全型農業用薬剤としてご利用いただいております。また、減農薬として有機農産物
の栽培にもご利用いただいております。
●
交通安全確保に
交通安全確保に貢献する
貢献する信号用火工品
する信号用火工品
当社の信号用火工品は、運転者が事故時等に燃焼させて安全を確保する
自動車用緊急保安炎筒(ハイフレヤー、スーパーハイフレヤー)、
高速道路の
事故時や作業時に燃焼させて作業者等の安全を確保する道路作業用信号炎
管(ロードフレヤー)、
また鉄道踏切事故等に用いられる鉄道用信号炎管等、
緊急時の安全を確保するために幅広い場面で用いられております。
また、事故時の自動車脱出用のガラス破壊具を取り付け、事故時での安
全対策を高めた「スーパーハイフレヤープラス+ピック」も好評を博して
おります。
当社は、
作業中の作業員の安全をより確保するための新たな装置の開発、
提供に向けて全力をあげて取り組んでおります。
スーパーハイフレヤープラス+ピック
② お客様等ステークホルダー
客様等ステークホルダーからの
ステークホルダーからの環境情報要望
からの環境情報要望への
環境情報要望への対応
への対応
当社は、お客様等ステークホルダーからの環境情報開示のご要望に対し積極的に対応しております。
昨今、海外向けに輸出される部品・製品につきましては、使用される地域から様々な法的な規制(例えば EU
の RoHS 指令、ELV 指令、POPs 条約物質、PIC 条約等)が出てまいりました。それに伴い、当社の製品を納入し
ているお客様からも当該化学物質の含有の有無についてのお問い合わせも増えております。
17
当社は、お客様の安心・安全が最優先するという考えで、
「購入品のグリーン調達対応手順」に基づき収集し
た最新情報を積極的に提供してまいります。
③ 地域社会・
地域社会・お客様との
客様とのコミュニケーション
とのコミュニケーションの
コミュニケーションの向上と
向上と社会貢献活動への
社会貢献活動への参加
への参加
地域社会・
地域社会・お客様との
客様とのコミュニケーション
とのコミュニケーションの
コミュニケーションの向上
地域社会・学校等の皆様やお客様からの工場見学、地域高校生の工場実習等のご要望につきましては、積極
的にお受けし、当社のご紹介を通じて、地域社会やお客様
等とのコミュニケーションの向上に努めております。また、
地域消防や警察署とも、情報交換等のコミュニケーション
を緊密に行ない、地域社会の防災・安全のために活動して
おります。
また、赤城工場危険性評価試験所では、定期的に開催さ
れる安全工学会主催の「安全工学実験講座」や、個々のお
客様方とのコミュニケーションを通じて、安全工学の重要
性を広くご紹介しております。
また、定期的に開催される地域工業展には、当社をより
一層ご理解いただくため、当社製品の展示や会社紹介を行い、 地域小学生及び父母の工場見学(赤城工場)
地域社会とのコミュニケーションの向上に努めております。
●
「安全工学実験講座」の開催
地域消防との情報交換
製品展示と会社紹介(市技術工業展)
製品展示と会社紹介(赤城ふれあいまつり)
当社は、工場内の緑化増進や環境美化を行なうことはも
ちろんのこと、工場周辺の環境美化活動や、従業員による
定期的な清掃ハイキング等を行ない、地域の環境美化活動
も積極的に努めております。
18
環境美化活動(群馬工場内)
環境美化活動(群馬工場周辺の国道 17 号歩道)活動
従業員の清掃ハイキング
社会貢献活動への
社会貢献活動への参加
への参加
当社は、社会貢献活動の一環として、年2回の「献血」運動への参加や、2005 年から地域図書館への教育用 DVD
の寄贈等を行なっております。
●
「献血」運動への参加
教育用 DVD の寄贈(市図書館)
④ 環境報告書の
環境報告書の公表
当社の社会(CSR)及び環境・安全・品質(RC)活動をまとめた本環境報告書は、お客様等、ステークホルダーの皆
様がいつでもご覧になれますよう、当社ホームページ(http://www.carlit.co.jp)の“「環境への取組み」中「環境
報告書」”において公表しております。
*お問い合わせ先
わせ先
本報告書に関しまして、お問い合わせなどがございましたら、下記窓口へご連絡願います。
〒377-0004 群馬県渋川市半田 2470 日本カーリット株式会社群馬工場内
日本カーリット株式会社 環境安全品質保証部
TEL 0279-23-8812 / FAX 0279-23-8642
19