開かれた研究開発 今後の社会経済の発展のために、情報通信の果たすべき役割は 成果発表、外部機関との研究交流 重大と考えられます。当社は、研究開発やその成果の普及を通じて 技術開示などによる成果の普及 わが国の情報通信の発展に努めるとともに、世界の情報通信にも 寄与することを考えて、右のような活動を精力的に展開しています。 標 準 化 活 動 2001年度フォーラム・シンポジウム一覧(開催順) 場 所 開催月日 名 称 第12回NTTサイエンスフォーラム 2001.4.3 東京厚生年金会館大ホール NTTコミュニケーション科学基礎研究所10周年記念 オープンハウス2001 2001.6.7∼6.8 NTT京阪奈ビル NTTオープンラボ第3回シンポジウム 2001.10.9 NTT武蔵野研究開発センタ NTT R&Dフォーラム2001 in 厚木 −人間と情報の明日を拓く− 2001.10.15 NTT厚木研究開発センタ NTT R&Dフォーラム2001 in 横須賀 −ブロードバンド時代のコンテンツ流通ソリューション− 2001.10.17∼10.18 NTT横須賀研究開発センタ 電脳フェスティバル2001 2001.10.27 NTT横須賀研究開発センタ つくばフォーラム2001 2001.11.1∼11.2 NTT筑波研究開発センタ NTT R&Dフォーラム2001 in 武蔵野 −HIKARIが拓く情報流通社会− 2001.11.6∼11.7 NTT武蔵野研究開発センタ ■光マーケットクリエーション 当社では、自由で豊かな社会の実現に向けた「光マーケットクリエーション」に取り組んでいます。光マーケットクリエーションとは、 NTT R&Dとさまざまなパートナー企業・団体とが連携して、光ネットワークの持つ高速・広帯域、双方向、複合メディア融合といった特長を 活かした新しい情報流通サービス「光ソフトサービス」を創り出し、世の中のお客さまに提供して評価していただくことにより、NTT R&D自 らが、光の需要開拓を図り新たな市場を創造していく活動のことです。 NTT R&Dは、 2001年度末までに、 12件の光マーケットクリエーション活動を発表し推進してきました。コンテンツホルダー、 サービスプロバイダー、 情報家電メーカー、 医療機関や教育機関など多方面の有力企業・団体の方々とともに、 光ソフトサービスのビジネスモデル構築に取り組んでいます。 また、お客さまに光ソフトサービスの素晴らしさを体感していただく場所として、お客さまの自宅だけでなく、当社やパートナー企業のシ ョールーム、東京丸の内のオフィス街に開設したHIKARIブロードバンドショールーム「LuceMare・丸の内(2002年1月まで)」など、さ まざまな場所や機会を提供してきました。 光マーケットクリエーション活動は、光コンテンツからスタートし、光コマース、光コミュニティ・コラボレーションのサービスカテゴリーに展開 してきました。また、BtoB*1サービスからBtoC*2サービスへ、片方向サービスから双方向性を活かしたサービスへと活動を広げています。NTT R&Dでは、光ソフトサービスを支える基盤の研究開発を強力に推進し、パートナー企業・団体の方々とともに、光マーケットクリエーションを展開 しています。 (光ソフトサービス推進プロジェクト) *1 BtoB: Business to Business *2 BtoC: Business to Consumer 2001 4 5 6 7 8 9 10 年度 11 12 1 2 3 ⑫ インタラクティブシネマ(角川書店、NTT) ⑪ テレワーク支援(保健同人社、NTT) ⑩eライフアメニティ サイバービジネスワールド (NTT西日本) (福岡市立こども病院、九州システム情報技術研究所、NTT西日本、NTT) ⑨ 映像配信共同実験(スカイパーフェクト・コミュニケーションズ、NTT) ⑧ 次世代eコマース(日立製作所、松下電器産業、NTT) ⑦ 遠隔芸術教育(京都精華大学、NTT) ⑥ 次世代番組ガイドサービス(東京ニュース通信社、NTT) FTTH金沢トライアル ⑤ LuceMare・丸の内(NTT) ④ ディジタル交通広告(東急エージェンシー、NTT) ③ ブロードバンド企業ポータル(日本航空、NTT) ② ディジタル広告素材統合管理サービス(アドダム、NTTデータ、NTT) ① 光ソフトサービス開発に向けた共同研究(シャープ、大日本印刷、NTT) Biportableトライアル 光コンテンツ ●光マーケットクリエーションの展開 36 光コマース 光コミュニティ・コラボレーション ■第12回NTTサイエンスフォーラムの開催 2001年4月3日、東京厚生年金会館において第12回NTTサイエンスフォーラムを開催しました。 第12回目を迎える今回は、 「常識をくつがえす炭素の不思議−ナノテクノロジーへの挑戦−」をテーマに、飯島澄男氏(名城大学理工学部教 授) 、シーズ・デッカー氏(デルフト工科大学応用物理学部教授)による基調講演に続き、国内の有識者の方々によるパネル討論を行いました。 講演やパネル討論では、科学技術の高度化・地球環境・エネルギー・医療などの問題の解決に貢献することが期待される21世紀のキーテクノ ロジーとして、ナノテクノロジーの現状と将来をさまざまな角度から探り、参加い ただいた700名を超える皆さまに深い感銘を与えました。 NTTサイエンスフォーラムは、基礎研究の振興と科学技術の発展に寄与すること を目的に、電話100周年を記念して1990年より開催してまいりましたが、2001 年5月18日の第36回NTTサイエンスフォーラム運営会議にて第12回をもって終 了することが決定され、今回が最後のNTTサイエンスフォーラムとなりました。 ●基調講演 (シーズ・デッカー氏) ●パネルディスカッション模様 ■NTT R&Dフォーラム2001の開催 2001年10月から11月までの間をNTT R&Dフォーラム月間として厚木、横須賀、筑波、武蔵野の各研究開発センタにおいてNTT R&Dフ ォーラム2001を開催しました。 まず、10月15日、NTT厚木研究開発センタにおいて「人間と情報の明日を拓く」をテーマに豊かなIT社会を創造する光ソフトサービスと ユビキタスサービスを支える3つのコアテクノロジーとサイエンスの最新の研究成果について紹介しました。 10月17日、 18日、 NTT横須賀研究開発センタでは、 豊かな情報流通社会の実現に向け 「ブロードバンド時代のコンテンツ流通ソリューション」 をテーマ に、 NTTグループの情報流通ビジネスの展開を促進することを目的に開催し、 コンテンツ流通プラットフォームなど最新の研究成果を紹介しました。 11月1日、2日には、NTT筑波研究開発センタにおいて、 「光ソフトサービスを実現するブロードバンドアクセスネットワーク」をテーマに開催し ました。研究所のR&D成果の紹介のみならず、関連産業界やNTTグループの各社のブロードバンド時代への最新の取り組み状況を紹介しました。 11月6日、7日の2日間にわたりNTT武蔵野研究開発センタでは、「HIKARIが拓く情報流通社会」をテーマとして開催しました。ここでは、 NTTがけん引するHIKARIブロードバンド時代の情報流通社会に向けた研究開発活動の着実な取り組み状況をNTTグループだけでなく、マー ケットクリエーションのパートナー企業、ユーザ、マスコミの皆さまに広くご理解していただくことを目的に開催しました。 各会場にご来場をいただいた延べ約14,000名の皆さまには、各種講演会、展示会、意見交換会などを通じてNTTグループ事業の競争力の 源泉であるR&Dの先進性と総合力を実感していただきました。 ●NTT R&Dフォーラム2001 in 厚木 特別講演模様 ●NTT R&Dフォーラム2001 in 横須賀 ガイダンス ●つくばフォーラム2001 講演模様 ●NTT R&Dフォーラム2001 in 武蔵野 講演模様 ■環境経営の質的向上を目指した取り組み 環境経営とは、環境に配慮しつつ企業の持続的な発展を目指す経営を意味しています。 環境負荷の低減 NTTグループでは、NTTグループ地球環境憲章に基づき、法規制の遵守はもとより ISO14001に準拠した環境マネジメントシステムの構築やTPR*活動によるCO2排出削減 などを行っています。これら環境経営のさまざまな取り組みについてさらに質的な向上を 図るため、研究所はLCA(ライフサイクルアセスメント)を基盤とした技術開発を進めるとと もに、 グループ会社の環境施策に対する技術的な支援を行っています。 LCAとは、製品について原材料の調達から製造、使用、廃棄にいたるまでのすべてのラ 環境保護における 地域貢献 エコプラザの設置、 地域環境保護活動 の展開 環境技術の 研究開発 省エネルギー技術、 資源リサイクル技術 温暖化防止 環境にやさしい サービスの提供 資源・エネルギー消費、 廃棄物の削減 情報流通サービスの LCA評価 イフサイクルで発生する環境負荷を定量的、科学的に分析、評価する手法であり、NTTが 提供する情報流通サービスの創出および展開に対する環境への影響評価においても有力な TPR活動、 環境マネジメント システムの構築 環境情報の公開 社 会 貢 献 ツールと考えています。まず、情報流通サービスのLCA評価技術を確立し、その評価技術 を応用した環境会計、グリーン調達、環境ラベル(タイプⅢ)などの導入を推進します。 環境経営の質的向上 (環境経営推進プロジェクト) * TPR: Total Power Revolution ●LCAを基盤とした環境技術開発 37 ■技術誌の発行 研究開発成果などを広く周知することを目的として、以下の3種類の技術情報誌を刊行しています。 ①NTT技術ジャーナル(和文、月刊) ②NTT R&D(和文、月刊) ③NTT REVIEW(英文、奇数月刊) NTT技術ジャーナルは、 NTT R&Dは、NTT研 NTT REVIEWは、NTT NTTグループにおける 新技術・新サービスの開 究所の研究開発成果を 中心に、NTTグループ 技術ジャーナルとNTT R&Dに掲載された記事 発状況から各種事業展 の研究成果・開発技術 を中心に、NTTグルー 開を幅広く紹介する技 術情報誌です。一般の方 を専門家向けに紹介す る研究開発論文誌で プの技術開発動向・事 業動向を海外向けに紹 向けに最新の技術動向 がわかりやすく解説され す。情報通信各分野の 専門知識を体系的に得 介する唯一の英文広報 誌です。 ています。 ることができます。 (2001年度の特集) (2001年度の特集) IMT-2000が拓くモバイルマルチメディア、 ポータルサービスとその高度化技術、NTT のHIKARIビジョンなど (2001年度の特集) 石英系プレーナ光波回路(PLC)、HIKARI ルータ、コンテンツ流通基盤技術など 石英系プレーナ光波回路 (PLC) 、 IMT-2000 が拓くモバイルマルチメディア、NTTの HIKARIビジョンなど ■特許・技術開示 広範な分野にわたる研究開発成果 としての技術について、積極的に特 許などを取得するとともに、産業界 国内特許 外国特許 特許・実用新案の出願状況 (件) 3,500 3,000 においてもタイムリーに活用できる 2,500 よう、適正価格で提供しています。 2,000 1,500 1,000 500 0 ●主な技術移転項目 1999 2000 2001年度 2000年度 1999年度 2001 ●光ファイバ歪み遠隔計測システム ●40Gbit/s光通信用高速IC ●高能率音声符号化ソフトウェア (TwinVQ) ●似顔絵作成支援 ●超多目的ICカード システムプログラム ●MU形光コネクタ ●超高速LiNbO3 光変調器作製技術 ●ADM 10Gbit/s形 高速終端中継装置 ●高速暗号認証ライブラリ ■対外論文発表件数 (件) 研究所の研究開発成果は、国内外の専門 3,000 家会議や専門学術誌において活発に発表さ 2,500 れています。これは、情報通信分野の研究 1 9 9 9 年 度 2 0 0 0 年 度 2 0 0 1 年 度 開発の活性化と、学術・技術の発展に大き 2,000 く寄与していると考えられます。 1,500 1,000 500 0 国内学術誌 38 外国学術誌 国内学会講演 学術的国際会議 (年度) ■標準化活動 広範な情報通信の技術分野を網羅する研究開発活動を背景に、 ●ITU-Tへの寄書状況(1997∼2000) 日本12% ITUやISOをはじめ、近年活発化しているフォーラムなど各種標 準化関連団体の標準化活動に積極的に参画し、NTTの企業活動の NTT 6% 一翼を担うとともに、世界の情報通信の秩序ある発展を目指して います。 ●ITU/TTCなどの標準化機関への参加(2001年度実績) 国際役職者 延べ 約 80名 国際活動者 延べ 約310名 国内委員 延べ 約380名 諸外国 88% ●国際標準化会合への参加(2001年度実績) 約2,600人日 (事前検討、準備作業は含みません) ITU-T(旧CCITT) および総務省資料から推計。 4年ごとの集計のために (1997∼2000)のデータが最新のものです。 ITU活動への積極的な活動が評価され、2001年度には、日本ITU協会より、 以下の表彰を受賞しました。 (財) 日本ITU協会 日本ITU協会賞 功績賞、国際活動奨励賞 ■2001年度の主な表彰受賞 団体および賞名 件名および受賞者 文部科学省 文部科学大臣賞 マルチメディア移動通信のための広帯域無線システムの研究 梅比良正弘 逓信協会 前島賞 超高精細画像通信システムの研究開発 小野定康、他 電子情報通信学会 業績賞 WDM伝送用光ファイバ増幅器の広帯域化に関する先駆的研究 須藤昭一、他 日本電気協会 澁澤賞 通信ビルの接地系ルート探査ツールの開発グループ 倉本昇一、他 文部科学省 注目発明表彰 カード認証システムおよび方法および記憶媒体 西村眞次、他 電波産業会 電波功績賞 HiSWANaを用いたブロードバンドアクセスシステムの開発・実用化 北條博史、他 発明協会 全国発明表彰発明協会長賞 光通信用変調器集積型分布帰還レーザの発明 吉國裕三、他 電気科学技術奨励賞(オーム技術賞) 文部科学大臣奨励賞 大容量光通信システムに向けた半導体光変調器の研究開発 小高勇 ラットの大脳皮質および海馬において低マグネシウム刺激により誘起される一過性のグルタ ゴードンリサーチ会議 スローマグ賞 ミン酸放出と神経電気活動の多点計測 鳥光慶一、他 ■研究開発要員数 ■研究開発費 (人) (億円) 5,000 2,500 4,000 2,000 3,000 1,500 2,000 1,000 1,000 500 1999 2000 2001 (年度) 1999 2000 2001 (年度) 39
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