PDFファイル - 医薬品医療機器情報提供ホームページ

( 9 1 ) P I - C R H - 0 0 1 7 S
*2014 年 9 月 1 日改訂(第 2 版)
2014 年 5 月 30 日作成(第 1 版)
PI-CRH-0017S
承認番号:22600BZX00062000
高度管理医療機器
機械器具 (51) 医療用嘴管及び体液誘導管
アブレーション向け循環器用カテーテル
JMDNコード:35855000
Arctic Front Advance 冷 凍 アブレーションカテーテル
再使用禁止
*
モデル番号
2AF234
2AF284
【警告】
1. 日本不整脈学会の定める医師及び施設基準に従って本品を使用
すること。
2. 左心房の冷凍アブレーション処置の訓練を受けた医師本人又は
その監督下においてのみ本品を使用すること。
3. 空気塞栓症の発生を防ぐため、本品、構成品の前進又は後退は
ゆっくりと行うこと[空気塞栓症が生じると、血管が閉塞されて組織
梗塞に至り、深刻な結果を招く可能性がある。]。
4. 操作中のカテーテルには加圧冷却剤が含まれる。このガスが機器
の不具合又は誤使用により循環器系に放出されると、ガス塞栓症
を発症するおそれがある。使用者は[使用方法に関連する使用上
の注意]の各項目に従って本品を取扱うことで、ガスの漏出リスクを
最小限に抑えること。また、コンソールからシステムエラーが表示さ
れた場合は手技を継続せず、エラーメッセージの指示に従うこと。
5. カテーテルを人工心臓弁(機械式又は組織性のもの)に通さないこ
と。カテーテルが人工心臓弁に絡まり、心臓弁が損傷して、弁閉
鎖不全又は心臓弁の早期故障を招くおそれがある。
6. 本品による過度の冷却を行わないこと[肺静脈狭窄、食道損傷、及
び横隔神経麻痺の発生リスクが高まる。]。
7. 本品による冷凍アブレーション処置後に食道損傷及び心房食道
ろうを発症する可能性がある。当該事象の発生リスクを低減するた
めに適切な予防策を講じること。また、当該事象を疑う症状を認め
た場合は適切な検査及び治療を行うこと。
8. 本品による冷凍アブレーション処置後に肺静脈狭窄症を発症する
可能性がある。処置後も呼吸困難等の患者の臨床症状に注意
し、患者へも情報提供を行うこと。また、必要に応じて慢性期まで
のフォローアップ実施や画像診断による検索も考慮すること。有症
状の肺静脈狭窄を認めた場合は適切な処置を行うこと。
9. 本品には、内径 12Fr の FlexCath Advance ステアラブルシースを
併用すること。その他のシースを使用すると、カテーテル又はバ
ルーンセグメントが破損するおそれがある。
10. 本品にねじれ又は損傷があるか、真っ直ぐに伸ばせない場合に
は、そのバルーンカテーテルを使用しないこと。
バルーン径(mm)
23
28
有効長(cm)
95.0
95.0
2. 原材料(血液又は体液に接触する主な原材料)
ポリカーボネート、ポリエーテルブロックアミド、硫酸バリウム、色素、白
色インク、ウレタン、HDPE、アクリル化ウレタン
[原理等]
心臓組織の冷凍アブレーション手技に用いるバルーンカテーテルで
あり、バルーンは二重構造になっている。インナーバルーンは伸縮性
がなく、十分に拡張した場合でもその径は固定されている。正常状態
では、アウターバルーンは常に真空下にあり、インナーバルーンと密
着している。
【使 用 目 的 、効 能 又 は効 果 】
本品は、心臓組織の冷凍アブレーション手技に用いるバルーンカ
テーテルであり、薬剤抵抗性を有する再発性症候性の発作性心房細
動を治療する際に使用する。
【品 目 仕 様 等 】
1. 高圧 N2O ガス注入に対する耐久性
正常動作圧力において、2 分間の拡張と 4 分間の冷凍アブレーション
を 16 回繰り返したとき、バルーンの完全性が損なわれないこと。
2. 引張強度
試験部位
インナーバルーンの遠位及び近位接合部
アウターバルーンの遠位及び近位接合部
インナーバルーン及びアウターバルーンの
遠位及び近位接合部
電気ケーブルと近位ストレインリリーフとの間
シャフトと Y ブロックとの間
【禁忌・禁止】
1. 適用禁忌
1) 心室での使用[カテーテルが腱索に入って抜けなくなる危険性
がある。]
2) 活動性全身感染症の患者
3) 心臓内でカテーテル操作を安全に行えないおそれのあるその
他の疾患(例:心臓内の壁在血栓症)
4) クリオグロブリン血症の患者
5) 肺静脈にステントが留置されている患者
2. 併用禁忌
本品と使用可能な冷却剤(亜酸化窒素)以外は使用しないこと。
3. 使用方法における禁忌・禁止事項
1) 再使用禁止[ディスポーザブル製品のため。]
2) 再滅菌禁止[現場での再滅菌を想定して設計されていないため。]
3) 改造禁止[意図した機能を保てなくなるため。]
引張強度
30.8N 以上
15N 以上
30.8N 以上
15N 以上
30.8N 以上
【使 用 可 能 な冷 却 剤 の仕 様 】
1. 冷却剤
種類:
化学式:
純度:
参考情報:
液化亜酸化窒素
N2O (CAS 登録番号:10024-97-2)
湿度<50ppm 時に 99.5%
1atm における沸点-88.48℃
【操 作 方 法 又 は使 用 方 法 等 】
1. バルーンカテーテルの接続
1) オートコネクションボックス(コンソール付属品)をコンソールに
接続する。
2) 乾燥した環境で、滅菌済みの同軸アンビリカルケーブル及び
電気アンビリカルケーブル(いずれもコンソール付属品)を本品
に接続する。
3) 同軸アンビリカルケーブルをコンソールに接続し、電気アンビリ
カルケーブルをオートコネクションボックスに接続する。
【形 状 ・構 造 及 び原 理 等 】
1. 構成品及び種類
1) バルーンカテーテル本体
2. バルーンカテーテルの挿入
1) 適切なイントロデューサを用いて血管へのアクセスを作成した
後、経中隔シース及びニードルを用いて左心房の経中隔へア
クセスする。
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(3) 以下の手順により、バルーンカテーテル内を吸引して真空
にする。
a. ストップコックのハンドルを回して排液方向のフローを閉じる。
b. シリンジの 60cc の目盛くらいまでプランジャを引く。
c. プランジャを回してシリンジをロックする。
d. ストップコックのハンドルを回して送液方向のフローを閉じる。
e. ストップコックからシリンジを取り外す。
f. プランジャを回してシリンジのロックを解除する。
g. プランジャを押し込み、シリンジを空にする。
h. ストップコックにシリンジを接続する。
i. 上記 a.~i.までの手順を繰り返し、再度カテーテル内を吸
引する。
(4) バルーンを拡張させる。
a. ストップコックの送液方向のフローが閉じていることを確認
する。
b. ストップコックからシリンジを取り外す。
c. シリンジに 30~50cc の生理食塩水を満たす。
d. ストップコックにシリンジを接続し、バルーンカテーテルに
生理食塩水を注入してバルーンを拡張する。
e. ストップコックのハンドルを回して排液方向のフローを閉じる。
(5) バルーンを収縮させる。
a. バルーンカテーテルのハンドルにあるプッシュボタンを前
方向に進めると同時にシリンジのプランジャを引き生理食
塩水を回収する。
2) 標準的な診断用ペーシングカテーテルを配置し、左心房の解
剖学的構造を可視化して、使用するバルーンカテーテルを選
択する。
3) 肺静脈(PV)の径と形状、周囲の解剖学的構造等を考慮してバ
ルーンカテーテルを選択する。
推 奨 バルーンカテーテル
モデル
2AF234
2AF284
拡張時のバルーン径(mm)
23
28
PV 径(mm)
10~21
16~30
4) 本品をガイドワイヤ又はマッピングカテーテルに沿ってシース
に挿入する。
5) 放射線透視下で、ガイドワイヤ又はマッピングカテーテルを標
的肺静脈まで進める。ガイドワイヤ又はマッピングカテーテルに
沿って本品を左心房に進める。
3. 留置位置の確認
1) バルーンを左心房で拡張し、カテーテルを標的肺静脈口に留
置する。
2) 完全に閉塞できたかどうか、造影剤を注入してバルーンの留置
位置を確認する。
4. 冷凍アブレーション
1) コンソールのスクリーン上で治療時間を設定する(初期値は
240 秒)。
2) バルーンを拡張した状態で、コンソールのスクリーン上の
「CryoAblation」ボタンを押し、冷凍アブレーションを開始する。
3) 『Achieve マッピングカテーテル』(承認番号: 22600BZX00063000)
を本品のガイドワイヤルーメンから挿入し、本品のバルーン遠
位端から肺静脈内に配置させることで、冷凍アブレーションが
終了時するまでの心電位を当該肺静脈内において継続的に
測定することができる。この方法によって肺静脈病変を横断す
る心電位の進入又は進出が冷凍アブレーションによって切断さ
れていることを評価し、標的部位における電気的隔離の良否を
判断する指標とすることができる。
b. ストップコックのハンドルを回し、カテーテル注入口への
流れを閉じる。
2) シースを通して本品を抜去する。
6. 併用医療機器
本品は、『メドトロニック CryoConsole』(承認番号: 22600BZX00061000)
専用の冷凍アブレーションカテーテルである。本品を用いた冷凍アブ
レーションを実施するために必要な併用医療機器は、以下のとおりで
ある。
4) 冷凍アブレーション中はコンソールの画面上で温度を観察し、
温度が 10℃に達したら、本品のプッシュボタンを進め、バルー
ンが収縮するまで維持する。温度が 20℃に達するとバルーン
は自動的に収縮する。
5) 必要に応じて、同じ肺静脈の異なる位置にバルーンを再配置
し、追加の冷凍アブレーション治療を実施する。
6) ガイドワイヤ及びマッピングカテーテルを用いて、本品を次の
標的肺静脈口に配置し、同様に冷凍アブレーション治療を実
施する。
製造販売
業者
心臓用カテーテルイ 22600BZX00064000 日本メドト
FlexCath Advance
ステアラブルシース
ントロデューサキット
ロニック株
メドトロニック
汎用冷凍手術ユ
22600BZX00061000 式会社
CryoConsole
ニット
Achieve マッピングカ
心臓用カテーテル型 22600BZX00063000
テーテル
電極*
Freezor MAX 冷凍アブ アブレーション向け 22600BZX00060000
レーションカテーテル
循環器用カテーテル
心臓・中心循環系用 カテーテルガイドワ
**
イヤ
*
医療機関が備える心臓カテーテル用検査装置との適合性が確認されてい
る、その他の心臓用カテーテル型電極も含む。
** 外径 0.81mm(0.032 インチ)又は 0.89mm(0.035 インチ)
販売名
5. バルーンカテーテルの抜去
1) すべての治療が完了し、バルーンが収縮していることを確認す
る。必要に応じ、以下の手順によってバルーンを収縮させる。
(1) マニュアルリトラクションキットを開封し、シリンジとストップ
コックを組み立てる。
(2) バルーンカテーテルへ同軸コネクタを接続する。
a. コンソールのスクリーン上の「Release Vacuum」を押す。
b. バルーンカテーテルから電気アンビリカルケーブル及び
同軸アンビリカルケーブルを取り外す。
c. マニュアルリトラクションキットの同軸コネクタとバルーンカ
テーテルの同軸コネクタを接続する。
一般的名称
承認番号
[使用方法に関連する使用上の注意]
1. 使用前の注意
1) 血栓形成による脳卒中の発生リスクを低減するため、冷凍アブ
レーション処置前に適切な抗凝固療法を行うこと。
2) 肺静脈径等の解剖学的特性を考慮し、適切なサイズのバルー
ンを選択すること[バルーン径が肺静脈入口部のサイズに対し
て小さい場合に、肺静脈管状部を冷却することで肺静脈狭窄
を生じるなどのリスクがある。]。
3) 使用前に滅菌包装及び本品を点検し、滅菌包装又は本品が
損傷している場合には、その製品を使用しないこと。メドトロニッ
ク営業担当者に連絡すること。
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4) 本品にねじれ又は損傷があるか、真っ直ぐに伸ばせない場合
には、そのバルーンカテーテルを使用しないこと。
5) 本品のシャフト又はバルーンセグメントの形をあらかじめ形成し
たり、曲げたりしないこと[本品のシャフトを曲げたりねじったりす
ると、内部の構造が損傷して本品の故障のリスクが上昇する場
合がある。遠位部のカーブを曲げると、本品が損傷する可能性
がある。]。
2. 使用中の注意
1) 使用前の準備
(1) 本品を患者の体内に挿入する前に、ハンドルのレバーを
引き戻して、屈曲機構が動作することを確認すること。
(2) 本品を挿入又は抜去する前に、必ずハンドルのレバーを
使ってバルーンセグメントをまっすぐにすること。
(3) ルーメン内の血液凝固を防ぐため、最初の挿入前にガイド
ワイヤルーメンをフラッシュし、その後は処置の間中頻繁に
ガイドワイヤルーメンをフラッシュすること。造影剤/生理食
塩液の 50/50 混合液を注入した後は、都度生理食塩液で
ガイドワイヤルーメンをフラッシュすること。
(4) 本品のハンドル又はコネクタ(同軸アンビリカルケーブル及
び電気アンビリカルケーブルとの接続部)を液体に接触さ
せないこと。これらの構成品が濡れた状態になると、正しく
機能せず、コネクタの完全性が損なわれるおそれがある。
2) 操作に関する留意事項
(1) カテーテル処置によって、不整脈が誘発されるおそれがある。
(2) 使用中に本品にねじれ又は損傷が生じた場合には、その
製品を摘出して新品と交換すること。
(3) 本品を操作する際には十分に注意すること[不注意に
よって穿孔又はタンポナーデなどの傷害が生じるおそれ
がある。]。
(4) 本品は蛍光透視ガイド下で前進させること。
(5) 本品がその他のカテーテル、機器、又はワイヤと絡まらな
いようにすること[カテーテルが絡まると、外科的インターベ
ンションが必要となる場合がある。]。
(6) 抵抗がある場合は特に、本品の前進又は後退に余分な力
をかけないこと。
(7) 組織損傷のリスクを減らすため、ガイドワイヤ又は円形マッ
ピングカテーテルを越えて本品を前進させないこと。
(8) 血管アクセスでの挿入中に適切なサポートを確保するため、
ガイドワイヤ又は円形マッピングカテーテルが本品に挿入
され、バルーン部分を通っていることを確認すること[これを
怠ると、本品が破損するおそれがある。]。
(9) バルーンの安定性とサポートを向上させるため、円形マッ
ピングカテーテルを肺静脈内の適切な位置に留置するこ
と。安定したバルーン位置が得られない場合は、円形マッ
ピングカテーテルをガイドワイヤに交換すること。
(10) 円形マッピングカテーテルをガイドワイヤに交換する前に、
本品を FlexCath Advance ステアラブルシースに引き戻す
こと。
(11) シースの内側ではバルーンを拡張させないこと。本品の破
損を避けるため、拡張させる前に蛍光透視法又は視覚に
よる近位側シャフトマーカーを使って、バルーンが完全に
シースの外側にあることを常に確認すること。
(12) 本品が肺静脈の内側に位置しているときはバルーンを拡
張させないこと。バルーンは必ず心房で拡張させてから、
肺静脈入口部に配置すること[バルーンを肺静脈内で拡張
させると、血管損傷、肺静脈狭窄、及び横隔神経損傷を生
じるおそれがある。]。
(13) 透視下でバルーンが円形を保持し、カテーテルを軸として
その直線上に配置されていることを確認すること[バルーン
を必要以上に押し付けて冷却すると肺静脈狭窄の発生リ
スクが高まる。]。
(14) 冷凍アブレーションの実施回数に留意し、過度の実施を
控えること[製造元ではカテーテル 1 本につき最大 16 サイ
クルの冷凍アブレーション後における耐久性までしか検証
されていない。]。
(15) 右肺静脈に冷凍アブレーションを適用している間は、継続
的に横隔神経ペーシングを行うこと。
(16) 神経損傷を避けるため、横隔膜が位置する腹部に手を置
き、横隔膜収縮の強さの変化又はキャプチャ不全につい
て評価すること。横隔神経がキャプチャできない場合、蛍
光透視法を使用して、横隔膜の動きを頻繁にモニタリング
すること。
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(17) 横隔神経の損傷が認められた場合、すぐに冷凍アブレー
ションを止めること。
(18) カテーテルが凍結して組織に付着している状態では、カ
テーテル、シースもしくはアンビリカルケーブルを引っ張ら
ないこと、又はコンソールを移動させないこと[組織損傷を
招くおそれがある。]。
(19) バルーンを左心房から抜去する前に収縮させて経中隔
シース内に引き戻すこと。バルーンがシース内に引き戻さ
れていない状態、拡張した状態、又は中隔穿刺部位で拡
張中の状態であるときに中隔を通過させると、重篤な中隔
損傷を生じるおそれがある。
3) 併用機器に関する留意事項
(1) カーディオバージョン又は除細動の前に、本品との接続を
電気的に切ること[電気的接続を切らないと、本品の交換
が必要であることを示すシステムメッセージが表示される場
合がある。]。
(2) RF ジェネレータの電源を入れるか RF エネルギーを送出す
る前には、本品をコンソールから取り外すこと[冷凍アブレー
ションカテーテルは RF エネルギーを送達できるよう設計さ
れていないため、RF 電流により本品のエラーメッセージ及
び不必要なカテーテル交換を引き起こす可能性がある。]。
【使 用 上 の注 意 】
1. 重要な基本的注意
1) 使用環境
(1) 冷凍アブレーション処置は、必ず十分な設備のある施設に
て行うこと。
(2) 冷凍アブレーション処置は必ずメドトロニック社製のコン
ソールの添付文書に記載されている使用環境条件下で行
うこと[本機器を使用環境条件の範囲外で動作させると、冷
凍アブレーション処置の開始又は終了を行えないおそれ
がある。]。
(3) カテーテルによるアブレーションを行う前には、必ず処置
に伴う放射線被曝の可能性を十分に考慮し、被曝を最小
限に抑える手段を講じること[過度の被曝によって、急性放
射線障害並びに身体的影響及び遺伝的影響のリスク上昇
を招く可能性がある。]。
2) 使用後の注意
(1) 使用済みのカテーテル及び滅菌済みの構成品は、すべて
施設で定められた手順に従って廃棄すること。
(2) 冷凍アブレーション処置を受けた患者の臨床状況を監視
すること。監視対象と期間は症状により異なるが、医師の
判断により適切な術後管理を行うこと(参照:『カテーテルア
ブレーションの適応と手技に関するガイドライン』§1)。
(3) 血栓形成による脳卒中の発生リスクを低減するため、冷凍
アブレーション処置後も適切な抗凝固療法を行うこと。
3) 併用機器
(1) 本品とは、メドトロニック社製のコンソール、構成品、及び当
社指定の冷却剤タンクのみを併用すること。他のコンソー
ル又は構成品の安全性及び使用については検証が行わ
れていない。
(2) コンソール及び冷凍アブレーションカテーテルには、絶縁
機器(IEC 60601-1 に準拠した CF 形装着部をもつ機器ま
たは同等のもの)を接続すること。また、接続機器から患者
への漏れ電流が 10µA を超えないこと[患者の負傷または
死亡に至るおそれがあるため。]
(3) 本品を、RF ジェネレータに接続したり、RF エネルギーの送
出に使用したりしないこと[冷凍アブレーションカテーテル
は RF エネルギーを送達できるよう設計されていないため、
RF 電流により本品の不具合又は患者に危害を生じるおそ
れがある。]。
(4) コンソールを使って本品のバルーンを拡張又は収縮するこ
とができない場合に備えて、処置の間、マニュアルリトラク
ションキットを手元に置いておくこと。
(5) 万一、通常の方法でバルーンの拡張・収縮を行えない場
合は、マニュアルリトラクションキットを使い、バルーンを拡
張・収縮させること。なお、Thawing(解凍)期間が終了する
前に(20℃に達する前に)、コンソールのフロントコントロー
ルパネルの停止ボタンまたは画面上の「Deflate Balloon」
ボタンを押すか、もしくはフットスイッチを踏み込むことで、
バルーンを強制的に収縮できるが、通常処置では使用し
ないこと[Thawing(解凍)が完了する前にバルーンを収縮す
ると、組織損傷を招くおそれがある。]。
PI-CRH-0017S
として、26 の施設(米国 23、カナダ 3)で実施された。1 種類以上の試
験対象の AF 治療薬(フレカイニド、プロパフェノン、又はソタロール)
(アミオダロンは試験対象の AF 治療薬には含めなかった。)が奏効せ
ず、アブレーション手技のために紹介された発作性心房細動(PAF)の
被験者を、冷凍アブレーション手技(治験群、ES)又は試験対象の AF
治療薬(対照群、CS)に 2:1 で無作為に割り付けた。被験者に対しては、
心房細動の再発を確認するため、12 か月間のフォローアップにて定
期評価及び症状発生時評価を行った。再発確認の手段としては、定
期的な心電図記録、1 週間ごとの電話モニタリング、患者による電話
モニタリング、並びに 6 か月目及び 12 か月目の 24 時間ホルター検査
を実施した。いずれの被験者についても、試験での治療が開始され
てから最初の 90 日間を空白期間とみなした。
(6) 本品には 0.081cm(0.032 インチ)又は 0.089cm(0.035 イン
チ)のガイドワイヤのみを併用すること[その他のガイドワイ
ヤを使用すると、本品が破損したり、処置に支障を来すお
それがある。]。
(7) 本品には、内径 12Fr の FlexCath Advance ステアラブル
シースを併用すること。その他のシースを使用すると、カ
テーテル又はバルーンセグメントが破損するおそれがある。
(8) FlexCath Advance ステアラブルシースを使用する際は、穿
刺部の出血関連有害事象に十分な注意をはらうこと。
(9) 本品のインナールーメンと互換性のあるメドトロニック社製
の円形マッピングカテーテルのみを使用すること[その他の
マッピングカテーテルを使用すると、本品が破損したり、処
置に支障を来すおそれがある。]。
(10) 本品には心電図の測定機能がないため、コンソールのオー
トコネクションボックスに ECG ケーブルを接続しないこと。
3. 結果
1) 有効性評価項目
(1) 急性期手技の成功(APS)
急性期手技の成功が得られたのは、治験群の 98.2%で
あった。手技を行った 4 本の主肺静脈のうち、電気的分離
が得られたものは 95%を上回っていた。電気的分離を評価
する際には、ペーシングを行って肺静脈-左房間の電気伝
導が遮断されることを、進入ブロックと可能であれば進出ブ
ロックの所見に基づいて確認した。
2. 不具合・有害事象
1) 不具合
本品において発生する可能性があると考えられる不具合事象
を以下に示すが、これに限るものではない。
温度測定不全、バルーンの破損、サーモカップルワイヤの破
損、カテーテル内での液体漏れ
2) 有害事象
死亡
心肺停止
血管閉塞
心タンポナーデ
心房細動
心房粗動
脳血管障害
一過性脳虚血発作
食道損傷*
肺静脈狭窄症
弁損傷
血管迷走神経反射
息切れ
咽頭痛
咳嗽
気管支炎
下痢
視覚変化
穿刺部位からの出血 打撲
感染症
尿路感染症
発熱
疲労感
不安
浮動性めまい
低血圧/高血圧
霧視
造影剤アレルギー
*
心房食道ろうを含む
心筋梗塞
心嚢液滲出
頻拍、徐脈
血栓塞栓症
神経損傷
抗凝固療法に関連する出血
喀血
胸部不快感/疼痛/圧迫感
頭痛
悪心/嘔吐
背部痛
貧血
震え、ふらつき
冷感
2) 安全性評価項目
(1) 主要安全性評価項目
 治験群の安全性被験者で、CPE が 1 つ以上ある者の割合
 いずれかの群の安全性被験者で、12 か月目のフォロー
アップ来院の時点で MAFE がない者の割合
いずれの安全性評価項目とも事前に規定された基準を満
たし、安全性評価は適合と判断された。
(2) 冷凍アブレーション手技事象(CPE)
無作為化によって治験群に割り当てられて治療を受けた
被験者に関するデータは CPE の分析対象とした。事前に
規定された UCB は 14.8%であったのに対して、治験群の
CPE 発生率は 3.1%(UCB 6.3%)であった(p<0.001)。観察さ
れた CPE のうち、心臓損傷は 2 件(周術期の心筋梗塞が 1
件、タンポナーデを伴う穿孔が 1 件)、不整脈は 1 件、肺静
脈狭窄症は 2 件であった。
(3) 重大な心房細動事象 (MAFE)
MAFE の分析では、治験群又は薬物治療のいずれかに無
作為に割り付けられた被験者のうち、それぞれの治療を受
け、治療開始から 12 か月目までのフォローアップが行われ
た者に関するデータを含めた。分析では、治験群被験者の
MAFE 発生率が対照群被験者に対して非劣性であるかどう
かを判定した。MAFE 回避率の非劣性を判定するための臨
床的有意差(δ)を 10%と設定したところ、治験群被験者の
MAFE 回避率は 96.9%、それに対して対照被験者の MAFE
回避率は 91.5%であった(p<0.0001、差 10%以下の非劣性)。
3. 妊婦、産婦、授乳婦、小児等への適用
カテーテルによるアブレーションを行う前には、必ず処置に伴う放射
線被曝の可能性を十分に考慮し、被曝を最小限に抑える手段を講じ
ること。妊婦に対して使用する前には、十分に注意すること[過度の被
曝によって、急性放射線障害並びに身体的影響及び遺伝的影響の
リスク上昇を招く可能性がある。]。
4. 海外の臨床使用実績から報告されている臨床成績
臨床研究 22 題目に関するメタ解析§2 の結果から報告されている、患
者 1,308 例に発現した有害事象は以下のとおりである(発生頻度順に
列記)§3。
横隔神経麻痺
(4.7%)
心タンポナーデ/心のう液滲出 (1.5%)
肺静脈狭窄
(0.2%)
(2) 治療の成功
主要有効性評価項目である治療の成功が確認されたのは、
治験群の 69.9%、対照群の 7.3%であった。
両群にみられた重篤な有害事象
重篤な有害事象
心房細動
心房粗動
心肺停止
心肺機能不全
心タンポナーデ
心外膜液
心筋梗塞
心房血栓症
深部静脈血栓症
多臓器不全
急性腎不全
急性腎盂腎炎
硬膜下血腫
肺静脈狭窄
くも膜下出血
消化管出血
横隔神経麻痺
回腸炎
血管合併症
(1.8%)
血栓塞栓性合併症 (0.6%)
心房食道ろう*
(0%)
* 臨床研究のうち 3 題目は冷凍アブレーション後の食道検査を少数
症例にて実施し、1 題目では実施例のうち 17%に潰瘍形成が認めら
れた。他 2 題目において食道潰瘍は報告されなかった。
【臨 床 成 績 】
1. 臨床試験の目的
1 種類以上の AF 治療薬が奏効しなかった発作性心房細動を発症し
た 18 歳以上の患者を対象として、Arctic Front 冷凍アブレーションカ
テーテルシステム(FlexCath ステアラブルシース、Freezor MAX 冷凍
アブレーションカテーテル、及び CryoConsole を含む)の安全性及び
有効性について評価すること。なお、試験検体であった Arctic Front
冷凍アブレーションカテーテルは本邦未承認であり、本品とは異なる
モデル(前世代品)である。
2. 試験の範囲、デザイン、及び方法
本試験は、前向き・無作為化・対照比較・多施設・ピボタル臨床試験
4/5
対照群(%)
4.9(4/82 例)
2.4(2/82 例)
1.2(1/82 例)
1.2(1/82 例)
1.2(1/82 例)
1.2(1/82 例)
1.2(1/82 例)
1.2(1/82 例)
1.2(1/82 例)
1.2(1/82 例)
-
治験群(%)
1.2(2/163 例)
0.6(1/163 例)
0.6(1/163 例)
0.6(1/163 例)
1.2(2/163 例)
1.2(2/163 例)
0.6(1/163 例)
0.6(1/163 例)
1.2(2/163 例)
0.6(1/163 例)
0.6(1/163 例)
0.6(1/163 例)
PI-CRH-0017S
重篤な有害事象
虫垂炎
髄膜炎
感染症
気胸
肺炎
敗血症
ウェゲナー肉芽腫症
大腸菌血症
軟部組織出血
血管穿刺部位血腫
喘息
精神状態の変化
無力症
対照群(%)
1.2(1/82 例)
1.2(1/82 例)
1.2(1/82 例)
1.2(1/82 例)
-
【承 認 条 件 】
治験群(%)
0.6(1/163 例)
3.1(5/163 例)
0.6(1/163 例)
0.6(1/163 例)
0.6(1/163 例)
0.6(1/163 例)
0.6(1/163 例)
0.6(1/163 例)
0.6(1/163 例)
1. 心房細動を含む不整脈の経皮的カテーテルアブレーション術に
関連する十分な知識・経験を有する医師により、同術に伴う合併
症への対応ができる体制が整った医療機関において、本品が使
用されるよう、関連学会と連携の上で必要な措置を講ずること。
2. 1 に掲げる医師が、適応を遵守し、講習の受講等により、本品を用
いた心房細動を含む不整脈の経皮的カテーテルアブレーション
術に関する手技及び同術に伴う合併症等に関する十分な知識を
得た上で、本品が用いられるよう、関連学会と連携の上で必要な
措置を講ずること。
3. 一定数の症例が集積されるまでの間は、本品を使用する症例全
例を対象として、使用成績調査を行い、医薬品医療機器総合機
構宛て報告するとともに、必要に応じ適切な措置を講ずること。
3) 不具合・有害事象
心肺停止、心肺不全、心タンポナーデ、心嚢液貯留、心筋梗
塞、心房血栓症、心房細動、心房粗動、くも膜下出血、硬膜下
血腫、急性腎不全、多臓器不全、肺塞栓症、肺静脈狭窄、横
隔神経麻痺、肺臓炎、気胸、ウェゲナー肉芽腫症、深部静脈
血栓症、肺炎、虫垂炎、大腸菌性菌血症、注射部位感染、髄
膜炎、急性腎盂腎炎、敗血症、胃腸出血、回腸炎、軟部組織
出血、血管穿刺部位血腫、喘息、低血圧、無力症、精神状態
変化
【貯 蔵 ・保 管 方 法 及 び使 用 期 間 等 】
1. 水のかからない場所に保管すること。
2. 気圧、温度、湿度、風通し、日光、ほこり、塩分又はイオウ分を含
んだ空気等による悪影響のおそれのない場所に保管すること。
3. 傾斜、振動、衝撃(運搬時を含む)等、安定状態に注意すること。
4. 化学薬品の保管場所及びガスの発生する場所には保管しないこと。
5. ラベルに表示された使用期限内に使用すること。
6. 保管温度:15℃~30℃
使用環境:15℃~30℃、海抜 2,400m(8,000ft)未満
【包 装 】
バルーンカテーテル本体:1 本/包装
【主 要 文 献 及 び文 献 請 求 先 】
1. 主要文献
§1
循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2010-2011 度合
同研究班報告)『カテーテルアブレーションの適応と手技に関
するガイドライン』(日本循環器学会、日本小児循環器学会、日
本心臓病学会、日本心電学会、日本不整脈学会)
§2
Andrade, J. G., Khairy, P., Guerra, P. G., Deyell, M. W.,
Rivard, L., Macle, L., et al. (2011). Efficacy and safety of
cryoballoon ablation for atrial fibrillation: A systematic review
of published studies. Heart Rhythm, 8(9), 1444–1451.
§3
Hugh Calkins, et al. 2012 HRS/EHRAECAS expert consensus
statement on catheter and surgical ablation of atrial fibrillation:
recommendations for patient selection, procedural techniques,
patient management and follow-up, definitions, endpoints, and
research trial design J Interv Card Electrophysiol (2012)
33:171-257
2. 文献請求先
日本メドトロニック株式会社 AF ソリューションズ
〒105-0021 東京都港区東新橋 2-14-1
TEL:03-6430-7019
【製 造 販 売 業 者 及 び製 造 業 者 の氏 名 又 は名 称 及 び住 所 等 】
【製 造 販 売 業 者 】
【製 造 業 者 】
日本メドトロニック株式会社
〒105-0021 東京都港区東新橋 2-14-1
製造業者:メドトロニック クライオカテ LP
Medtronic CryoCath LP
製造所所在国:カナダ
【連 絡 先 】
AF ソリューションズ TEL:03-6430-7019
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