研耐委第 2-2 号

研耐委第2-2 号
(研耐委第1-8号 改)
京都大学原子炉実験所研究用原子炉(KUR)
新耐震指針に照らした耐震安全性評価
原子炉建屋及び機器・配管系の耐震安全性評価
平成22年11月9日
京都大学原子炉実験所
1.原子炉建屋の耐震安全性評価
2.機器・配管系の耐震安全性評価
1
1.原子炉建屋の耐震安全性評価
(1)原子炉建屋の波及的影響評価の方針
2
原子炉建屋の波及的影響の観点からの耐震安全性評価方針
★波及的影響とは、指針によって耐震クラスの上位の分類に属するものは、
下位の分類に属するものの破損によって波及的破損が生じないことと定義さ
れている。
★原子炉建屋には放射性物質を閉じ込める機能を要求しておらず、耐震クラ
スはBクラス相当と考え、建屋内に設置されている原子炉を止める、冷やす機
能が要求されるSクラス相当の機器・配管系に波及的影響が及ばないことを
確認する。評価方法を以下に示す。
基準地震動Ssに基づく原子炉建屋入力地震動の評価
原子炉建屋の地震応答解析
保有水平耐力による安全性評価 (せん断ひずみも参照)
上記した波及的影響の観点からは、入力地震動に対して原子炉建屋が保有水平耐力
を超えても大きな破損に至らなければ安全評価上問題はないが、ここでは保有水平耐
力を評価基準値として採用した。また念のため、せん断ひずみも参照することとした。
3
(2) 地震応答解析用原子炉建屋のモデル化
4
原子炉建屋等の各層水平変位計算用の地震応答解析モデル
RF
RFL
r= 28 m
3FL
生体遮へい体
2FL
18.05m
3F
使用済燃料
貯蔵プール
2F
1FL
5.35m
1F
B1FL
スウェイばね
B1F
ロッキングばね
原子炉建屋断面図
耐震壁付ラーメン構造モデルに置換
(静的荷重増分解析モデル)
N
原子炉棟
Y
X
原子炉建屋
生体遮へい体
28m
原子炉建屋及び原子炉棟
(付属建物)平面図
円筒壁を等価な正16角形の
耐震壁付ラーメン構造モデ
ルに置換し、せん断耐力式
「(社)日本建築学会「建築耐
震設計における保有耐力と
変形性能(1990)」」を適用し
たモデルから荷重増分解析
により荷重と水平変位の関
係を求めた。
解析コード:3次元立体解析プ
ログラム「BUILDING 3D」 (日建
設計所有)を使用。
地震応答解析用
せん断質点+基礎SRモデル
・原子炉建屋と原子炉棟の一部が
基礎部分で繋がっているが、1階
床より上では伸縮継ぎ手により切
り離されているため、両建物は連
成モデルとして扱わない。
・原子炉建屋は5質点系基礎SR
モデルとして地震応答解析を行う。
・原子炉棟は基礎固定モデルとし
て地震応答解析を行い、原子炉建
屋地下部分に作用する付加水平
力を算出する。
5
原子炉建屋の復元力特性のモデル化
復元力特性設定手順(原子力発電所耐震設計技術指針(JEAG4601-1991) による)
Q
Q3
Q2
K3
層せん断力
K2
Q1
K1
δ1
δ2
δ3
δ
① 荷重増分解析の第1ステップにおける剛性(初期剛性)を第1分枝剛性K1とする。
② Q-δ曲線の接線剛性が第1分枝剛性K1の85%に到るとき、そのステップにおける層間
変位を、第1折点の層間変位(δ1)と定める。
③ 予備地震応答解析により想定した最大応答の層間変形角に至るときの(Q, δ)を(Q3,
δ3)として、そのステップにおける接線剛性を第3勾配K3とする。
④ 荷重増分解析により得られたQ-δ曲線とTri-Linear型のカーブが、(Q3, d3)に達する
点でエネルギー等価となるように第2折れ点(Q2, d2)を求め、第2勾配K2を定める。
⑤ 履歴則は最大点指向型とする。
各層の静的弾塑性解析結果
と置換復元力特性による層せ
ん断力と層間変位の比較
壁のせん断ひび割れ発生点は、壁の一部
がせん断応力度Fc/15に達した時とする。
6
原子炉建屋の水平地震応答解析モデル諸パラメター
階
R
重量
(kN)
5,840
3
5,046
2
6,239
1
57,043
Q1
(kN)
X方向
K2
(kN/cm)
Q2
(kN)
K3
(kN/cm)
3.900 132,060
4,462
87,933
8,388
6.600
70,889
7,282
42,772
7.550
56,126
6,973
32,296
階高
(m)
K1
(kN/cm)
5.350 528,770
B1
99,335
回転慣性(kN・m2)
33,694 298,115
Q1
(kN)
Y方向
K2
(kN/cm)
Q2
(kN)
K3
(kN/cm)
53,338 137,460
5,730
87,098
9,113
72,591
13,492
16,431
81,843
8,679
48,468
13,321
47,869
17,666
9,899
87,352
8,017
35,954
17,882
26,451
K1
(kN/cm)
57,967 111,042 838,420
63,204 301,029
8,033,930
87,857 212,100
8,033,930
※上部構造の減衰定数は歪みエネルギー比例型、3%とする。
原子炉建屋の使用コンクリートと鉄筋の許容応力度
評価施設・設備
使用材料名等
普通コンクリート
規格
FC180
建屋
鉄筋(高張力鋼)
SSD49
評価基準値(N/mm2)
(短期荷重時或いはそれに準ず
る耐震計算用許容値)
圧縮
12
引張
1.2
せん断
0.9
圧縮
295
引張
295
コンクリートの健全性につ
いて、昭和55年以降に行っ
たコアサンプリング圧縮試
験の結果、設計基準値を満
足している。またコンクリート
の中性化深さの検査におい
ても鉄筋かぶり厚さに比べ
て十分小さいことを確認して
いる。
7
原子炉建屋SR地盤バネのパラメター設定手順
入力地震動評価の際に
等価線形化
使地用
たメ地
盤パラメタ
盤し
パラ
ター
を用いる
GL
GL . 0m
●
GLGL-7.3m
-6.7m
(基礎底位置)
基礎底レベル
(入力地震動設定)
GL.
-181m
GL-184m
(地震基盤上面)
(解放基盤面
)
解放基盤面
設定レベル
P
●
U
地盤ばね=P/U
P:加振力(水平,回転)
U:変位
4.0E+09
4.0E+07
水平
回転
3.5E+09
3.0E+07
2.5E+07
2.0E+07
1.560E+07 (Y方向)
1.531E+07 (X方向)
KH =
1.321E+07
1.5E+07
1.0E+07
5.0E+06
回転地盤ばね [kN・m/rad]
実部 虚部 固有振動数(X)
固有振動数(Y)
3.5E+07
水平地盤ばね [kN/m]
基礎の動的インピーダンスは容積法
を用いた動的サブストラクチャー法に
基づく手法(文・福和,2006)により算出。
地盤バネ算出用の地盤モデルは、基
準地震動による地盤地震応答解析時
の有効せん断ひずみから求めた等価
なS波速度および減衰を用いる。
KR =
2.760E+09
3.0E+09
2.5E+09
2.0E+09
1.544E+09 (Y方向)
1.512E+09
1.5E+09
(X方向)
実部 虚部 固有振動数(X)
固有振動数(Y)
1.0E+09
5.0E+08
CH
0.0E+00
0
1
2
3
4.001
3.918
4
5
6
振動数 [Hz]
CR
0.0E+00
7
8
9
10
0
1
2
3
4.001
3.918
4
5
6
振動数 [Hz]
7
8
9
10
動的地盤ばねと地盤ばね定数、地盤減衰係数の設定(Ss-2,EW成分入力、地盤非線形解析時)
地盤バネ定数と減衰係数の算出は原子力発電所耐震設計技術指針(JEAG4601-1991)に基づき
求める。指針によれば,地盤ばねの剛性は振動数ゼロの静的状態における実数部の値となり,
減衰係数はSRモデルの1次固有振動数に対する虚数部の値と原点を結んだ直線の勾配となる。
等価減衰定数は複素地盤バネの実部と虚部の比から求まる。
8
原子炉建屋地盤の水平・回転バネの値
CASE-H1
水平地盤ばね定数
KH (kN/m)
水平地盤減衰定数
CH (kN・s/m)
回転地盤ばね定数
KR (kN・m/rad)
回転地盤減衰定数
CR (kN・m・s/rad)
X方向
Y方向
1.32E+07
1.32E+07
6.22E+05
(42%)
6.21E+05
(42%)
2.76E+09
2.76E+09
6.14E+07
(25%)
6.14E+07
(25%)
原子炉建屋水平地震応答解析モデルの固有周期
( )内は固有振動数(Hz)
モデル
方向
5質点SRモデル
SRモデル
X
Y
1次 (s)
(
)
T1
0.255 (3.918)
0.250 (4.001)
2次 (s)
T2
0.156
0.149
3次 (s)
T3
0.087
0.078
4次 (s)
T4
0.049
0.041
9
原子炉建屋 屋根版の水平地震応答解析モデル
屋根版は有限要素(板要素)モデルを
用い、建屋地震応答解析による最上
階の応答波形を屋根版応答解析の
入力とする。応答解析は弾性応答解
析とする。
境界条件:周辺固定
原子炉建屋屋根版の水平方向地震応答解析モデル
解析コード「3次元弾性有限要素解析プログ
ラムmidasGen」を使用。
原子炉建屋 屋根版の鉛直地震応答解析モデル
7.0E+07
実部
虚部
固有振動数
上下地盤ばね [kN/m]
6.0E+07
5.0E+07
4.190E+07
4.0E+07
3.0E+07
KV =
2.463E+07
2.0E+07
1.0E+07
CV
0.0E+00
0
原子炉建屋・屋根版の上下地震応答解析モデル
1
2
3
6.262
4
5
6
7
振動数 [Hz]
8
9
10
動的地盤ばねと地盤ばね定数、地盤減衰係数の設定
上下地震応答解析は屋根版、壁および基礎部分を一体と
した有限要素モデルとし、弾性応答解析とする。
地盤バネ算出は前出のSRバネに準ずる。
解析コード「3次元弾性有限要素解析プログラムmidasGen」を使用。
10
原子炉建屋地盤の鉛直バネの値
Case
Z方向
CASE-V1
上下地盤ばね定数
2.463E+07
Kv(kN/m)
上下地盤減衰定数 1.065E+06
(50%)
Cv(kN・s/m)
MIDAS/Gen
POST-PROCESSOR
VIBRATION MODE
MIDAS/Gen
POST-PROCESSOR
VIBRATION MODE
3次モード
1次モード
振動数
(CYCLE/SEC)
10.064056
固有周期
(秒)
0.099364
MPM(%)
DX= 25.889191
DY= 0.381551
DZ= 0.000032
RX= 0.000000
RY= 0.000000
RZ= 0.000000
振動数
(CYCLE/SEC)
6.262509
固有周期
(秒)
0.159680
MPM(%)
DX=
0.000000
DY=
0.000000
DZ= 97.592790
RX=
0.000000
RY=
0.000000
RZ=
0.000000
1次
3次
2次
Mode 1
Mode 3
MAX : 1305
MIN : 305
FILE: 061115_11
UNIT: [cps]
DATE: 03/04/2009
表示-方向
X:-0.483
MAX : 1480
MIN : 305
FILE: 061115_11
UNIT: [cps]
DATE: 03/04/2009
表示-方向
X:-0.483
Y:-0.837
Y:-0.837
Z: 0.259
Z: 0.259
MIDAS/Gen
POST-PROCESSOR
VIBRATION MODE
MIDAS/Gen
POST-PROCESSOR
VIBRATION MODE
2次モード
振動数
(CYCLE/SEC)
10.153009
振動数
(CYCLE/SEC)
8.971597
固有周期
(秒)
0.111463
MPM(%)
DX= 0.000041
DY= 0.000019
DZ= 2.155276
RX= 0.000000
RY= 0.000000
RZ= 0.000000
4次モード
固有周期
(秒)
0.098493
MPM(%)
DX= 0.280500
DY= 18.962387
DZ= 0.000012
RX= 0.000000
RY= 0.000000
RZ= 0.000000
Mode 4
Mode 2
MAX : 1388
MIN : 305
FILE: 061115_11
UNIT: [cps]
DATE: 03/04/2009
表示-方向
X:-0.483
MAX : 1305
MIN : 1651
FILE: 061115_11
UNIT: [cps]
DATE: 03/04/2009
表示-方向
X:-0.483
Y:-0.837
Y:-0.837
Z: 0.259
Z: 0.259
原子炉建屋 屋根版水平地震応答解析
モデルの主要な固有モードと周期
1次
2次
3次
4次
0.1597 0.1115 0.0994 0.0985
(s)
(s)
(s)
(s)
原子炉建屋 上下地震応答解析モデルの
主要な固有モードと周期
11
原子炉建屋外周壁の
変形計算用の
弾性解析モデル
1次:0.1136秒
有効質量比
DX=0.0%
DY=0.0%
DZ= 5.4%
外周壁変形計算用の水平方向
の動的弾性解析用有限要素モデル
(基礎底版で固定条件となっている)
解析コード「3次元弾性有限要素解析
プログラムmidasGen」を使用。
剛床モデルと非剛床モデルの
水平地震応答解析の結果、水
平最大加速度は剛床モデルの
方が大きくなった。
4次:0.0907秒
有効質量比
DX=18.0%
DY= 0.24%
DZ=0.003%
2次:0.0973秒
有効質量比
DX=20.1
DY=0.28%
DZ= 0.0%
5次:0.0900秒
有効質量比
DX= 0.23%
DY= 16.9%
DZ= 0.0%
3次:0.0966秒
有効質量比
DX= 0.18%
DY= 13.2%
DZ= 0.0%
64次: 0.0598秒
有効質量比
DX=47.7%
DY=0.47%
DZ= 0.0%
主要固有モードと固有周期等
12
(3) 原子炉建屋の地震応答解析結果
及び評価結果
13
入力地震動と建屋応答解析方向との対応
入力地震動成分
表層地盤のモ デル
建物応答解析方向
X
Ss-2のNS成分
等価線形
Y
X
Ss-2のEW成分
時刻歴非線形
Y
Ss-2のUD成分
Z
線形
N
原子炉棟
Y
X
原子炉建屋
生体遮へい体
28m
14
原子炉建屋の水平地震応答解析による各層最大応答値
各層最大応答値
地震波
最大応答
加速度
[cm/s2]
最大変位
[cm]
層間変位
[cm]
層間変形
角[rad]
層せん断
力[kN]
層せん断
力係数
転倒モー
メント
[kN・m]
位置
階
RFL
3FL
2FL
1FL
B1FL
階
RFL
3FL
2FL
1FL
B1FL
階
3F
2F
1F
B1F
階
3F
2F
1F
B1F
階
3F
2F
1F
B1F
階
3F
2F
1F
B1F
階
3FL
2FL
1FL
B1FL
基礎底
Ss-2_EW成分
(時刻歴非線形応答波)
X方向
Y方向
1459
1268
1437
1186
1290
1171
983
921
887
864
X方向
Y方向
2.75
1.55
2.68
1.50
2.33
1.35
1.41
1.15
1.13
1.07
X方向
Y方向
0.08
0.06
0.37
0.19
1.02
0.32
0.34
0.10
X方向
Y方向
1/4678
1/6351
1/1768
1/3520
1/738
1/2371
1/1572
1/5549
X方向
Y方向
8,651
7,518
15,550
13,234
23,272
19,950
79,635
73,241
X方向
Y方向
1.48
1.29
1.43
1.22
1.36
1.17
1.07
0.99
X方向
Y方向
33,738
29,319
136,340
116,450
311,870
262,770
731,720
654,340
835,246
749,553
RFL
Ss-2_NS成分
(等価線形応答波)
X方向
Y方向
1416
1230
1353
1119
1235
908
728
718
592
629
X方向
Y方向
1.78
1.11
1.72
1.06
1.49
0.90
0.78
0.66
0.61
0.61
X方向
Y方向
0.08
0.06
0.31
0.18
0.75
0.28
0.18
0.07
X方向
Y方向
1/5047
1/6549
1/2115
1/3595
1/1010
1/2696
1/2908
1/7579
X方向
Y方向
8,286
7,350
14,543
13,017
20,553
18,373
62,276
59,182
X方向
Y方向
1.42
1.26
1.34
1.20
1.20
1.07
0.84
0.80
X方向
Y方向
32,314
28,663
126,940
114,490
280,330
253,180
595,320
550,880
676,279
627,817
は最大応答値を示す
Ss-2 EW波(時刻歴非線形)によるX方向の応答値が最も大きい。
RFL
最大加速度
3FL
最大変位
3FL
2FL
2FL
1FL
1FL
B1FL
B1FL
基礎底
0
500
1,000
最大絶対加速度 (cm/s2)
1,459.1(最大値)
1,500
2,000
基礎底
0
0.5
1
1.13
1.5
2
2.5
2.75(最大値)
3
最大変位 (cm)
RFL
RFL
最大層間変形角
3FL
最大せん断力
3FL
確認保有水平
保有水平耐力
耐力
2FL
2FL
1FL
1FL
B1FL
B1FL
基礎底
基礎底
1/2000
1/1000
1/738 (最大値)
1/666
1/500
0
20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000
最大層間変形角 (rad)
最大層せん断力 (kN)
X方向最大応答分布
(青破線はSs-2NS成分等価線形波, 黒実線はEW成分時刻歴非線形応答波)
15
原子炉建屋各層の復元力モデルと最大応答値
(X方向)
γ=2.1×10-4
RF-3F
18,000
保有水平耐力
20,000
保有水平耐力
層せん断力(kN)
12,000
層せん断力(kN)
γ=5.7×10-4
3F-2F
25,000
15,000
10,000
6,000
YUSA_Ss2_EW
最大応答値
YUSA_Ss2_EW
最大応答値
5,000
置換復元力特性
置換復元力特性
0
0
0.0
0.5
1.0
1.5
0.0
2.0
1.0
γ=1.35×10-3
2F-1F
30,000
2.0
3.0
4.0
5.0
層間変位(mm)
層間変位(mm)
保有水平耐力
100,000
γ=6.3×10-4
1F-B1F
最大せん断ひず
みレベルにおい
ても十分な裕度
を有している。
保有水平耐力
25,000
75,000
層せん断力(kN)
層せん断力(kN)
20,000
15,000
10,000
YUSA_Ss2_EW
最大応答値
5,000
最大応答層せん
断力は保有水平
耐力以下となっ
ている。
50,000
YUSA_Ss2_EW
最大応答値
25,000
最大応答値*
置換復元力特性
置換復元力特性
0
0
0.0
2.0
4.0
6.0
層間変位(mm)
8.0
10.0
12.0
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
層間変位(mm)
原子炉建屋復元力モデルと水平地震応答解析による最大層せん断力発生点(X方向)
(γの値は最大応答時のせん断歪みを表す(参考値), ●最大応答値*は原子炉棟からのせん断力を付加した値)
16
原子炉建屋各層の復元力モデルと最大応答値
(Y方向)
γ=1.6×10-4
RF-3F
18,000
保有水平耐力
γ=2.8×10-4
3F-2F
25,000
20,000
層せん断力(kN)
12,000
層せん断力(kN)
保有水平耐力
15,000
10,000
6,000
YUSA_Ss2_EW
最大応答値
YUSA_Ss2_EW
最大応答値
5,000
置換復元力特性
置換復元力特性
0
0
0.0
0.5
1.0
1.5
0.0
2.0
1.0
保有水平耐力
2.0
3.0
γ=4.2×10-4
2F-1F
4.0
5.0
層間変位(mm)
層間変位(mm)
γ=1.8×10-4
1F-B1F
100,000
30,000
保有水平耐力
25,000
75,000
層せん断力(kN)
層せん断力(kN)
20,000
15,000
10,000
YUSA_Ss2_EW
最大応答値
5,000
最大応答層せん
断力は保有水平
耐力以下となっ
ている。
最大せん断ひず
みレベルにおい
ても十分な裕度
を有している。
50,000
YUSA_Ss2_EW
最大応答値
25,000
最大応答値*
置換復元力特性
置換復元力特性
0
0
0.0
1.0
2.0
3.0
層間変位(mm)
4.0
5.0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
層間変位(mm)
原子炉建屋復元力モデルと水平地震応答解析による最大層せん断力発生点(Y方向)
(γの値は最大応答時のせん断歪みを表す(参考値), ●最大応答値*は原子炉棟からのせん断力を付加した値)
17
原子炉建屋応答層せん断力の評価
X方向
階
Y方向
最大応答
層せん断力
Qmax(kN)
確認保有
保有
水平耐力
水平耐力
Qu/Qmax
最大応答
層せん断力
Qmax(kN)
8,651
> 13,212 ※1
> 1.52
7,518
> 14,711※1
> 1.95
15,550
22,453
1.44
13,234
25,609
1.94
23,272
26,512
1.14
19,950
31,302
1.57
82,853 ※2
100,459
1.21
76,041 ※2
81,544
1.07
Qu(kN)
確認保有
保有
水平耐力
水平耐力
Qu(kN)
Qu/Qmax
RF
3F
2F
1F
B1F
(79,653+3,200)
(73,241+2,800)
※1 3階の保有水平耐力については,3階より下層階の壁が先にせん断耐力に達したため,
漸増弾塑性解析の最終ステップの水平力の値を記載している。
※2
原子炉棟(補助建屋)の地震応答解析による原子炉建屋基礎(地下1階部分)への付加せん断力を加算している
18
原子炉建屋 屋根版の水平地震応答解析による最大応答値
最大値
±21.7
最大値1.5
最大値を示す
加振方向
法線方向
法線方向
法線方向 単位:kN/m
法線方向 単位:kNm/m
最大値0.6
最大値
±73.5
加振方向
円周方向
円周方向 単位:kNm/m
最大曲げモーメント分布
円周方向
円周方向 単位:kN/m
最大引張力分布
19
原子炉建屋 屋根版の上下地震応答解析による最大応答値
4.93
4.93
最大値4.9
最大値 を示す
4.92
1.95
最大値68.7
48.9
4.90
1.95
1.95
48.8
59.5
1.94
0.80
4.90
0.37
0.37
0.27
0.37
0.27
0.27
48.2
0.27
60.1
55.6
0.80
0.27
56.9
1.94
0.80
0.27
0.37
0.80
4.89
1.95
1.94
4.90
0.96
57.0
4.91
59.2
59.3
48.6
128.5
最大値128.5
最大値 を示す
127.8
128.0
70.6
127.1
70.6
0.62
70.5
0.15
70.6
74.2
74.2
0.16
0.95
0.15
0.62
0.14
126.6
74.2
0.14
0.15
0.14
50.3
0.16
0.21
0.21
0.95
0.21
0.15
0.21
0.21
50.5
0.62
74.2
0.16
0.21
0.21
54.6
74.2
50.4
0.95
50.4
70.5
74.2
127.6
74.3
127.2
0.16
0.63
0.62
0.63
74.3
円周方向
74.3
70.5
0.95
127.5
0.95
74.1
50.5
50.4
70.5
0.16
0.62
70.5
50.6
54.6
0.62
0.14
0.15
0.15
54.8
0.15
0.14
0.14
74.1
127.2
54.7
50.4
0.14
0.63
50.6
54.9
127.2
0.14
0.21
55.0
54.8
70.5
74.3
50.6
54.9
60.5
60.6
60.4
60.5
60.3
60.3
60.260.2
54.9
0.15
0.95
0.14
60.260.2
60.3
60.3
60.4
60.5
60.5
60.6
50.7
0.14
70.6
54.8
54.9
74.2
0.21
74.4
50.6
54.7
127.2
70.5
0.95
0.21
54.7
55.0
0.21
54.6
126.3
0.16
0.14
0.21
0.81
0.81
0.80
0.81
0.81
0.80
0.800.81
0.21
0.14
0.16
0.63
0.62
0.21
0.810.80
0.81
0.80
0.81
0.80
0.81
0.81
0.14
54.6
50.6
0.95
0.62
50.6
0.14
0.21
70.7
50.4
50.4
74.2
0.21
0.14
127.0
74.3
0.62
0.14
70.5
0.95
48.6
48.7
0.95
0.63
0.16
0.95
法線方向
法線方向 単位:kN/m
最大値1.0
最大値 を示す
0.63
0.95
48.1
57.2
59.2
48.3
0.95
0.63
57.1
58.9
法線方向 単位:kNm/m
0.95
58.7
56.7
48.6
4.91
4.92
56.5
55.8
55.9
55.8
法線方向
1.94
1.94
55.3
60.6
55.5
59.2
0.80
0.80
60.6
57.0
1.93
0.80
4.91
58.9
48.3
0.80
0.37
56.7
60.4
60.4
55.7
0.37
0.37
1.94
55.5
60.1
48.5
0.37
0.27
60.3
60.2
60.4
59.1
4.90
0.27
0.27
0.37
56.9
55.6
68.7
68.7
68.7
68.8
68.8
68.9
68.968.9
60.2
0.37
59.0
60.4
68.968.9
68.9
68.9
68.8
68.8
68.7
68.7
55.4
0.27
0.27
1.94
60.2
56.6
4.91
55.7
60.4
48.5
58.7
0.80
0.37
0.27
0.81
0.81
0.81
0.81
0.81
0.80
0.800.81
0.27
0.37
0.80
57.0
60.5
60.5
48.2
1.94
0.27
0.810.80
0.81
0.80
0.81
0.81
0.81
0.81
0.37
55.5
60.6
55.4
4.90
0.27
0.80
59.1
55.8
55.9
56.6
4.89
1.93
56.0
0.80
48.5
56.7
58.8
0.37
0.27
57.0
57.2
1.94
0.38
0.37
0.80
58.9
57.3
4.90
0.80
1.94
48.3
59.2
59.4
0.80
0.80
最大値 を示す
48.6
70.6
70.6
70.6
円周方向
127.3
0.95
127.6
円周方向 単位:kNm/m
最大曲げモーメント分布
127.7
円周方向 単位:kN/m
最大引張力分布
20
原子炉建屋 屋根版断面応力度の評価1.
領域
スラブ厚 t (mm)
鉄筋D13@150
長期最大軸力 (kN)
上下動時最大軸力(圧縮) kN
水平動時最大軸力(圧縮)kN
短期最大軸力N 1 (圧縮)kN
長期最小軸力 (kN)
上下動時最大軸力(引張) kN
水平動時最大軸力(引張) kN
短期最小軸力N 2 (引張)kN
長期曲げモーメント(kNm)
上下動時曲げモーメント(kNm)(正値
応力(法線方向) 上下動時曲げモーメント(kNm)(負値
水平動時曲げモーメント(kNm)(正値
水平動時曲げモーメント(kNm)(負値
短期曲げモーメントM (kNm)
N 1 /A -M /Z (N/mm2)
圧縮側断面検討
N 2 /A+M /Z (N/mm2)
引張側断面検討
長期最大軸力 (kN)
上下動時最大軸力(圧縮) kN
水平動時最大軸力(圧縮)kN
短期最大軸力N 1 (圧縮)kN
長期最小軸力 (kN)
上下動時最大軸力(引張) kN
水平動時最大軸力(引張) kN
短期最小軸力N 2 (引張)kN
長期曲げモーメント(kNm)
上下動時曲げモーメント(kNm)(正値
応力(接線方向) 上下動時曲げモーメント(kNm)(負値
水平動時曲げモーメント(kNm)(正値
水平動時曲げモーメント(kNm)(負値
短期曲げモーメントM (kNm)
N 1 /A -M /Z (N/mm2)
圧縮側断面検討
N 2 /A+M /Z (N/mm2)
引張側断面検討
1-頂部
1-下部
2-上部
2-下部
3-上部
3-下部
4-上部
4-下部
120
120
120
120
120
120
120
120
シングル シングル シングル シングル シングル シングル シングル シングル
5-上部
200
ダブル
5-下部
200
ダブル
6-上部
200
ダブル
6-下部
200
ダブル
-94.2
-57.3
-12.2
-163.7
-92.7
68.9
12.3
-11.5
-0.88
0.81
-0.67
1.21
-0.49
2.04
-2.21
∨ OK
-12.0
0.75
Λ OK
1.2
-94.2
-57.3
-12.2
-163.7
-92.7
68.9
12.3
-11.5
0.66
0.29
-0.34
0.83
-1.21
1.77
-2.10
∨ OK
-12.0
0.64
Λ OK
1.2
-88.3
-51.2
-21.7
-161.1
-86.5
60.6
16.5
-9.3
-0.16
0.21
-0.17
0.87
-1.23
1.57
-1.99
∨ OK
-12.0
0.57
Λ OK
1.2
-88.3
-51.2
-17.9
-157.3
-86.5
60.6
21.7
-4.2
-0.02
0.27
-0.26
1.23
-0.53
1.48
-1.93
∨ OK
-12.0
0.58
Λ OK
1.2
-86.6
-47.6
-4.6
-138.7
-84.4
56.0
17.9
-10.6
0.00
0.24
-0.24
0.52
-0.47
0.77
-1.47
∨ OK
-12.0
0.23
Λ OK
1.2
-86.6
-47.6
-4.1
-138.3
-84.5
56.0
4.6
-23.9
0.47
0.32
-0.38
0.47
-1.52
1.43
-1.75
∨ OK
-12.0
0.40
Λ OK
1.2
-89.2
-48.6
-11.8
-149.6
-86.5
57.3
10.3
-19.0
0.41
0.27
-0.32
1.52
-1.36
2.20
-2.16
∨ OK
-12.0
0.76
Λ OK
1.2
-89.2
-48.6
-11.1
-148.9
-86.6
57.3
11.8
-17.5
-0.28
0.80
-0.72
1.36
-0.10
1.88
-2.02
∨ OK
-12.0
0.64
Λ OK
1.2
-93.7
-50.6
-11.7
-156.0
-90.5
59.5
11.1
-19.9
-0.38
0.79
-0.70
0.45
-0.04
1.12
-0.95
∨ OK
-12.0
0.07
Λ OK
1.2
-93.7
-50.6
-11.0
-155.3
-90.6
59.5
11.7
-19.4
-4.12
1.95
-1.78
0.04
-0.93
6.82
-1.80
∨ OK
-12.0
0.93
Λ OK
1.2
-82.4
-42.1
-6.4
-130.9
-78.7
48.9
11.0
-18.8
-3.69
1.74
-1.59
0.93
-0.87
6.15
-1.58
∨ OK
-12.0
0.83
Λ OK
1.2
-82.4
-42.1
-5.7
-130.3
-78.8
48.9
6.4
-23.5
8.41
4.29
-4.93
0.87
-0.83
13.56
-2.69
∨ OK
-12.0
1.92
∨ NG
1.2
-86.1
-51.1
-37.4
-174.5
-84.7
60.6
37.3
13.2
-0.88
0.81
-0.67
0.57
-0.54
2.08
-2.32
∨ OK
-12.0
0.98
Λ OK
1.2
-86.1
-51.1
-37.4
-174.5
-84.7
60.6
37.3
13.2
0.10
0.09
-0.11
0.18
-0.57
0.57
-1.69
∨ OK
-12.0
0.35
Λ OK
1.2
-83.5
-46.9
-43.6
-174.0
-81.9
55.0
37.3
10.4
-0.08
0.21
-0.19
0.55
-0.63
0.89
-1.82
∨ OK
-12.0
0.46
Λ OK
1.2
-77.0
-36.4
-0.8
-114.2
-75.3
41.3
43.6
9.6
-0.07
0.03
-0.02
0.63
-0.55
0.64
-1.22
∨ OK
-12.0
0.35
Λ OK
1.2
-77.1
-37.0
-5.2
-119.3
-75.5
42.2
41.5
8.2
-0.07
0.03
-0.03
0.55
-0.50
0.59
-1.24
∨ OK
-12.0
0.32
Λ OK
1.2
-76.8
-42.7
-73.5
-193.0
-74.8
50.7
5.2
-18.9
0.13
0.12
-0.14
0.50
-0.29
0.75
-1.92
∨ OK
-12.0
0.15
Λ OK
1.2
-78.8
-43.6
-69.8
-192.2
-76.9
51.6
73.5
48.2
0.14
0.13
-0.15
0.29
-0.32
0.56
-1.83
∨ OK
-12.0
0.63
Λ OK
1.2
-108.2
-62.8
-17.9
-188.8
-106.6
74.4
69.8
37.6
0.00
0.16
-0.16
0.32
-0.17
0.48
-1.77
∨ OK
-12.0
0.51
Λ OK
1.2
-104.4
-59.8
-18.2
-182.4
-102.9
70.7
17.9
-14.3
0.02
0.16
-0.17
0.17
-0.14
0.35
-0.97
∨ OK
-12.0
-0.02
全断面
圧縮
-19.5
-14.7
-25.2
-59.4
-16.8
18.1
18.2
19.5
-1.16
0.63
-0.55
0.14
-0.18
1.89
-0.58
∨ OK
-12.0
0.38
Λ OK
1.2
-12.8
-17.2
-24.2
-54.1
-10.0
19.9
25.2
35.1
-1.26
0.68
-0.60
0.18
-0.20
2.05
-0.58
∨ OK
-12.0
0.48
Λ OK
1.2
221.0
-151.0
-1.5
68.5
229.6
128.5
24.2
382.3
1.60
0.83
-0.96
0.20
-0.15
2.63
-0.05
∨ OK
-12.0
2.31
∨ NG
1.2
下段は許容値
屋根版の6つの領域ごとに、発生応力度を検討した結果、領域6(周辺部)に
おいてコンクリートのみが抵抗要素として求めた引張の短期許容応力度を
上回ることとなった。領域6はD13@150mmの二段配筋となっているため、
鉄筋も抵抗要素に加えて再検討を行う。
21
原子炉建屋 屋根版断面応力度の評価2.
短期荷重時
N=-23.5kN
M=13.56kNm
長期荷重時
N=-78.8kN
M=8.41kNm
-200
鉛直地震
荷重増分 水平地震
荷重増分
圧縮力
軸力 k N
0
法線方向
領域6における発
生応力は許容限
界曲線の範囲以
内となっている。
引張力
円周方向
200
鉛直地震
荷重増分
水平地震
荷重増分
400
長期荷重時
N=-229.6kN
M=1.6kNm
0
短期荷重時
N=382.3kN
M=2.63kNm
10
20
30
モーメ ント k N m
(領域6 配筋D13@150ダブル,屋根版厚さt=200mmとして計算)
領域6における屋根版の軸力-曲げモーメント
許容応力度相関曲線と発生応力の関係
22
外周壁発生応力の詳細な検討結果
せん断及び引張の許容応力度は
コンクリートの設計基準強度Fcの15分の1
加振方向
1.5
RFL
- Fc/15
Fc/15
1032
3FL
1026
375
1060
Myy
Mxx
373
2FL
Fc/15
Fyy
1016
Fxx
y
1050
1FL
369
x
152
171
BFL
365
417
456
X方向
垂直応力度σyy( 壁要素 365) (N/mm2)
1066
1.0
0.5
0.0
-0.5
-1.0
-1.5
-1.5
-1.0
-0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
せ ん断応力 度τ xy( 壁要素 417) (N/mm2)
475
原子炉建屋有限要素モデルの建屋-屋根一体モデルの
主要節点・要素の番号と断面力記号
(各壁要素間にはリング状の梁要素が存在する)
弾性有限要素モデルによる地震力作用方向と平行な
壁要素(要素番号417)と直交する壁要素(同365)の
垂直応力度とせん断応力度の時刻歴応答
(壁要素断面の縁での応力度を示す)
外周壁の局所的な変形に伴い2次的に生じる曲げモーメント等
による発生引張応力度はコンクリートのみによる引張強度以下
となっており、曲げ変形による大きなひび割れは発生しない。
23
原子炉建屋 基礎地盤の支持力
地質断面図:A-A断面
基礎底面が接地する
Oc1層の粘着力は
372.4kN/m2、内部摩擦
角5.8度(三軸圧縮試
験)となっており、この値
を地盤支持力の算定に
用いる。
(水平:垂直=1:2)
標高
(m)
標高
(m)
B
53.63m
Oc1
Os1
Oc2
36.07m
Os2
試験区間 35.4m
34.9m
基礎底レベル
2.3m
30°
Oc3
Os3
Os4
根入れ深さ 6.7m
Oc4
B=2.2m
Oc5
Os5
試験区間 0.3m
0.8m
原子炉建屋基礎外周フーチング部分
A
Oc6
No.3
No.A1
Os6
No.A2
No.1
Oc7
No.B1
Os7
C
No.B2
A
節点間隔
Oc8
Os8
調査位置平面図(S=1/2500)
Og1
Os9
凡
Oc9
時
代
完新世
Os10
更新世
~
鮮新世
地層名
盛
土
大阪層群
Gr:D級
Gr:CL級
白亜紀前期 成合花崗岩
号
地
質
B
粘性土
Oc
粘性土層
Os
砂質土層
Og
砂礫層
Gr
砂質土
Gr:CM級
37
図3-2-1 地質断面図(SH=1/1,200,SV=1/600)
原子炉建屋周辺地質断面
L=5.5m(長期検討)
(短期検討)
例
記
5L=27.5m
連続基礎として
の等価長さ
地盤の許容支持力は基礎底面外周のフー
チング部分を連続基礎と見なし、建築基礎
構造設計指針(2001),建築学会(国土交通省
告示1113号)に従い安全率を考慮した許容
支持力の算定に基づいて行う.
常時荷重時の支持力を長期許容支持力、
地震時(基準地震動)の支持力を短期許容支
持力と表現する。
24
原子炉建屋 基礎地盤の反力
凡例
VL ; 長期荷重に対して
外周フーチング部分が
凡例
負担する節点反力
(基礎底版の重量を除く)
VL (VL)
U1
(VL) ; VLに基礎底版の
重量を加えた反力
U2
U2 ;地震力をY方向に
U1 ;地震力をX方向に
作用させたときの地震
作用させたときの地震
(VL)は地下 1 階底版重量を含む反力
時節点反力
時節点反力
2089(3602)
1341 10000
2486 (3677)
1206
1877
3346 (5183)
2041 3544
2200 (3390)
-2293 633
2916 (4055)
665 -26
2971 (4255)
571 2480
Y(U2)方向
3946 (6160)
-4626 3585
4059
-9037
3087 (4388)
5993 1990
(6511)
-786
3105 (4487)
9096 312
3674 (7633)
-6516
-698
3178 (4529)
5456 -1056
3662 (5707)
-4166 -3609
3226 (4623)
2488 -2369
3621 (5290)
-1990 -3936
3405 (5682)
629 -4601
X(U1)方向
長期荷重および地震時荷重時に
生じるフーチング部分の接地圧(反
力)を円周を16等分した各節点に対
して求める。長期荷重時節点反力
は地盤根入れ部分に相当する基礎
底版の重量を除き算出する。後述
の地震時の基礎一部の浮き上がり
力に対する抵抗力算出用に基礎底
版の重量を含む節点反力も計算し
ておく。
水平地震時の節点反力は直交2
成分に対する水平力(水平地震応
答解析結果に基づく)に対する転倒
モーメントによるフーチング部分の
反力を等価基礎長さに対して計算
する。
鉛直地震時の節点反力は上下地
震応答解析による基礎底版の鉛直
加速度を重力加速度で除した鉛直
震度を安全側に切り上げた値(0.4)
にVL値を乗じて求める。
3335 (4843)
708 -3720
単位kN
は最大値を表す
25
原子炉建屋 基礎地盤支持力の算定(長期荷重時)
許容支持力度(長期;qa,短期;qa’)の算定過程
qa =
2
1
(
icαcNc + iγ βγ 1 Be Nγ + iq γ 2 D f N q ) q a ' = (ic αcN c + iγ βγ 1 Be N γ + iqγ 2 D f N q )
3
3
ここで
α,β:基礎底面の形状係数 ⇒連続フーチング基礎とし、α=1.0,β=0.5 とする。
c :基礎底面下にある地盤の粘着力(kN/m2)
⇒地盤調査報告書より c=372.4 kN/m2 とする。
γ 1:支持地盤の単位体積重量(kN/m3)
報告書の密度検層結果より γ1=7.9 kN/m3 とする(地下水位以深)
Be :偏心を考慮した基礎底面の幅(m)
γ 2:基礎底面より上方にある地盤の平均体積重量(kN/m3)
⇒地盤調査報告書より γ2=17.2 kN/m3 とする。
Df :根入れ深さ(m) ⇒最も不利となる地盤面から基礎底までの深さを採用し
Df =6.7m とする。(図 8-3-1 参照)
Nc,Nγ,Nq :支持力係数(内部摩擦角φによる。)
内部摩擦角は地盤調査報告書より 5.8°⇒φ=5°とする。
したがって、Nc=6.5,Nγ=0,Nq=1.6
ic , iγ , i q :鉛直方向に対する荷重の傾斜角θ(θ≦φ)に関する係数
2
⎛ θ⎞
⎛ θ ⎞
ic = iq = ⎜1 − ⎟ , iγ = ⎜⎜1 − ⎟⎟
⎝ 90 ⎠
⎝ φ⎠
2
∴長期許容支持力度 (荷重の鉛直方向に対する傾斜角=0° ic = iγ = i q = 1.0 )
1
1
= (2420.6 + 0 + 184.4 )
(1.0 × 372.4 × 6.5 + 0 + 17.2 × 6.7 × 1.6 ) 3
3
2
2
= 868 kN/m ⇒ 800 kN/m とする。
qa =
26
原子炉建屋 基礎地盤支持力の算定(地震荷重時)
2
(i αcN c + iγ βγ 1 Be N γ + iqγ 2 D f N q )
3 c
∴短期許容支持力度
qa ' =
水平動地震応答解析結果より、最下階の最大層せん断力係数は 0.854 であることから、
基礎下面での水平震度を 1.0 とする。一方上下動地震応答解析結果より、底版の鉛直震
度は 0.4 であることから、荷重の鉛直方向に対する傾斜角は次のようになる。
前項の続き
いずれの場合においてもθ>φ(=5°)であるため、θ=5°として短期許容支持力
度を算出する。
2
2
θ ⎞
⎛ θ⎞
⎛
ic = iq = ⎜1 − ⎟ = 0.892 , iγ = ⎜⎜1 − ⎟⎟ = 0
⎝ 90 ⎠
⎝ φ⎠
短期許容支持力度
qa’= 2 (0.892×372.4×6.5 + 0 + 0.892×17.2×6.7×1.6) = 1549 kN/m2 ⇒ 1500 kN/m2 とする。
3
27
原子炉建屋 基礎地盤接地圧の検討1
長期接地圧の検討
接地圧の検討は
最大節点支持力
に対して検討する
検討式 : 長期接地圧 = VLmax / A
ここで、VL= 4059 kN ,A=2.2×5.5=12.1m2
∴ VLmax / A = 4059/12.1 = 335.5 kN/m2 < 800 kN/m2 O.K.
短期接地圧の検討
5
検討式 :圧縮時短期接地圧(X 方向) = ⎛⎜VL + U1 (1) + U1( 6) + ∑U1 (i ) + VL × Kv ⎞⎟ 5A
⎜
⎟
2
i= 2
⎝
⎠
5
短期引張力(X 方向) = VL′ − U1 (1) + U1(6) + ∑U1(i ) − VL′ × Kv
2
i=2
VL=(3346+3621)/2+3946+4059+3674+3662=18825kN(圧縮時)
VL′=(5183+5290)/2+6160+6511+7633+5707=31247kN(引張時)
5
U 1 (1) + U 1 (6)
+ ∑ U 1 (i ) = (2041 − 1990 )/ 2 + (− 4626 ) + (− 9037 ) + (− 6516 ) + (− 4166 ) = −-26361
24320 kN
2
i =2
引張時の検討
圧縮時の検討
′ U (1) + U1 (6) 5
′
VL − 1
+ ∑ U1 (i ) − VL × Kv = 31247 − 24230
26361 − 31247 × 0.40
U1(1) + U1(6) 5
VL +
+ ∑U1(i) +VL × Kv
2
i =2
2
18825+ 26361
24320+18825× 0.40
i=2
=
= −5482
7613
kN
5A
5×12.1
50675
871
= 837
.6 kN/m2 < 1500 kN/m2 O.K.
60.5
引張時の検討を行うため次項に続く
正の接地圧(圧縮応力)については
発生値が短期許容支持力に対して
十分な裕度を有している。
28
原子炉建屋 基礎地盤接地圧の検討2
引張力が働くが、根入れ部の側面摩擦が引張りに抵抗すると考えられるため、これを考
慮する。地下 1 階の壁による側面摩擦抵抗(Qf)は、「地震力に対する建築物の基礎の
設計指針」(編集 日本建築センター)に従い算定を行う。
Qf =Af・fa
ここに Af:根入部側面の面積(m2)
⇒5.35m(地下 1 階の階高)×27.5m(壁長さ)=147.1m2
fa:根入部側面の摩擦力度(kg/cm2)
⇒図 8-3-2 より N 値 3 の砂質シルト層とする
2
fa = qu/2×0.8=3.75 /2×0.8=2.675
1.50 kg/cm
2
150
=262.2kN/m
(qu =1.25×N 値=1.25×3=3.75 kg/cm2)
kN > 7613
150 22065kN
3909 kN
∴Qf=Af・ffax =147.1×262.2=38569
O.K.
負の接地圧(引張応力)により生じる
基礎側面摩擦力は短期許容摩擦力
に対して十分な裕度を有しており、
基礎浮き上がりは発生しない。
29
2.機器・配管系の耐震安全性評価
(1)使用済み燃料貯蔵プール
(2)生体遮へい体
(3)制御棒駆動装置案内管
(4)粗・微調整棒取付部分
(5)燃料要素
(6)炉心直下1次系冷却配管
(7)炉心支持構造物
30
機器配管系の評価基準値
2
評価施設・設備
制御棒
使用材料名等
規格
粗調整用制御棒
取付ボルト
ステンレス鋼M12
SUS304
微調整用制御棒
取付金具
アルミニウム合金
制御棒駆動装置
燃料要素
一次冷却系配管
格子支持枠
炉心支
持構造
物
格子板
シュラウド
アルミニウム合金
アルミニウム合金
アルミニウム合金
アルミニウム合金
アルミニウム合金
アルミニウム合金
評価基準値(N/mm )(短
期荷重時或いはそれに準ずる
耐震計算用許容値)
引張
137
せん断
79
引張
42
せん断
24.5
引張
55
せん断
31
A5052
A5052
AG3NE
(A5052)
A2T1
(A5052)
A2P1-F
(A5052P-F)
A2P4-T6
(A6061P-T6)
A2P1-1/2H
(A5052P-H14)
引張
せん断
64(安全率4
とし16)
34(安全率4
とし8.5)
引張
126
せん断
72
引張
65
せん断
35
引張
245
せん断
141
引張
180
せん断
104
規格・基準等
材料:設工認申請書 H7.1
許容値:設工認申請書 H7.1 (ミルシート有)
(設工認の計算書記載の許容値)
材料:設工認申請書 H7.1
許容値:設工認申請書 H7.1 (ミルシート有)
(設工認の計算書記載の許容値)
材料:A5052P-O (平成9年の計算書記載)
許容値:平成9年の計算書 (JIS H4000では
65N/mm2以上, 平成9年の計算書では温度条件
65℃として5.6kg/mm2としている)
材料:設工認申請書H20.3.24
材料:設工認申請書(その2) S37.11及び強度計
算書
(許容値:平成9年の計算書の値)
材料:設工認申請書(その2) S37.11
許容値:JIS H4000 (ミルシート有) (JIS H4000の
許容値)
材料:設工認申請書(その2) S37.11
許容値:JIS H4000 (ミルシート有) (JIS H4000の
許容値)
材料:設工認申請書(その2) S37.11
許容値:JIS H4000 (ミルシート有) (JIS H4000の
許容値)
31
各施設への入力地震動(建屋1階床応答)
input:Ss-2EW , response:1F X-direction
1000
機器配管を剛体モ
デル近似する場合
の水平震度;CH=1.0
とする
max.983gal
500
gal
水平動
0
-500
-1000
0
5
10
15
20
25
30
input:Ss-2UD sec
, response:1F Z-direction
400
機器配管を剛体モ
デル近似する場合
の鉛直震度;CV=0.4
とする
max.268gal
0
-200
-400
0
5
10
15
20
25
30
sec
加速度応答ス ペク ト ル
8000
6000
gal
鉛直動
gal
200
h=2%
X direction
Y direction
4000
2000
0
0.01
0.1
1
sec
10
32
(1) 使用済み燃料貯蔵プール
プール
壁厚0.5m
床スラブ0.18m
1.5
(m)
1.5
5.2
3.0
床スラブ、プール側壁、水の慣性力
(1階床最大加速度983gal→水平震
度1.0とする)による水平荷重を算定
し、壁面内せん断力がコンクリート
の許容応力度に比べ小さいことを
確認する。
3.9
5.25
単位幅1.0
最大応力度と評価
単位幅1.0
原子炉建屋
外周壁位置
壁脚1mあたりに生じるせん断応力度
τ = P/(単位幅×壁厚)= 0.44 N/mm2
< 許容値 0.9 N/mm2
Fc180短期許容せん断応力度
単位幅床重量(幅1.5mの床重量が壁に地震荷重とし
て作用すると考える)
・スラブ ・・・4320 N/m2
・仕上げ・・・200 N/m2
・積載 ・・・2100 N/m2 計6620 N/m2
→6.62kN/m2×1.5m= 9.93kN/m
単位幅側壁重量
・壁
・・・12000 N/m2
・仕上げ・・・ 1000 N/m2 計13000 N/m2
→13kN/m2×5.25m= 68.25 kN/m
単位幅プール水重量
10kN/m3×5.25m×5.2m/2= 136.5 kN/m
合計:W=9.93+68.25+136.5=214.7kN/m
→ 水平荷重:P=216.0kN/m
発生せん断応力度は
許容せん断応力度以下
となっている。
33
(2) 生体遮へい体
Fc210
34
生体遮へい体
最大応力度と評価
断面力
最小圧縮力:N1=(1.0-Cv)×W = 4,440kN
最大圧縮力:N2=(1.0+Cv)×W =10,360kN
せん断力:Q=CH×W= 7,400kN
曲げモーメント:M=(CH×W)×H = 29,230kNm
6.0m
応力度
D断面
炉体重量:W=7400kN
断面積:A=25.0m2
断面係数:Z=21.0m3
重心高さ:H=3.95m
炉体1次固有周期は0.025秒であり、剛体としてモデル化。
水平震度CH=1.0, 鉛直震度CV=0.4として、コンクリート断面に
生じる応力度を算定する。
断面A~Dに対して、評価を行いここでは最大応力度が生じる
断面Dの結果を示す。
引張応力度:σt = -N1/A + M/Z = 1,210 kN/m2
→1.21 N/mm2 < 許容値 1.4 N/mm2
圧縮応力度:σc = N2/A + M/Z = 1,806kN/mm2
→1.81 N/mm2 < 許容値 14 N/mm2
せん断応力度: τ = 1.74(形状係数)×Q/A
= 515kN/m2
→0.52 N/mm2 < 許容値 1.05 N/mm2
発生諸応力度は、何れも
対応する許容応力度
以下となっている。
35
原子炉建屋(KUR)機器・配管系
制御棒
実験孔
放射孔
炉心
制御棒駆動装置
原子炉本体(生体遮へい体)
高架水槽
炉心直下1次系配管
36
(3) 制御棒駆動装置案内管
外径:70mm
内径:64mm
鉛直方向地震力(静的):
(1+Cv)×(W1+W2)
鉛直震度:Cv=0.4
W2=110 N
水平方向地震力
(動的):
建屋1階床時刻
歴加速度応答
W1=150 N
連続体としてモデル化
し水平方向は地震応答
解析を行う。
1次モード
T1=0.31s
2次モード
T2=0.12s
3次モード
T3=0.06s
制御棒駆動装置案内管
最大応答時の変形と応力図
最大応力度と評価
3分割
最大垂直応力度:
σmax= (1.0+0.4)(W1+W2)/A + Mmax/Z
= 19.2 N/mm2 < 許容値 65.0 N/mm2
10分割
OK
最大せん断応力度:
τmax = 2Qmax/A
= 0.30 N/mm2 < 許容値 37.0 N/mm2
たわみ図
最大値: δmax=
34.1 mm
最大応答加速度:
2,340gal
せん断力図
最大値:
Qmax=
94.2 N
モーメント図
最大値:
Mmax=
188,200 N・mm
OK
発生諸応力度は対応す
る許容応力度以下と
なっている。
38
(4) 1.粗調整棒取付ボルト
材質:M12ボルト ステンレス鋼SUS304
有効断面積:A=84mm2
断面2次モーメント:I=562mm4
断面係数:Z=109mm3
固有周期0.012秒→剛体モデル
水平震度:CH=1.0
鉛直震度:Cv=0.4
q=CH×W /L
最大応力度と評価
W=50 N
最大垂直応力度:
σmax= (1.0+0.4)W/A + Mmax/Z
= 180 N/mm2 < 許容値 210 N/mm2
OK
最大せん断応力度:
τmax = 1.34Qmax/A
= 0.79 N/mm2 < 許容値 121 N/mm2
(1+Cv)×W
発生諸応力度は対応す
る許容応力度以下と
なっている。
OK
39
(4) 2.微調整棒取付金具
外径32mm
内径22mm
材質:アルミニウム合金A5052
断面積:A=424mm2
断面2次モーメント:I=39952mm4
断面係数:Z=2497mm3
固有周期0.015秒→剛体モデル
水平震度:CH=1.0
鉛直震度:Cv=0.4
最大応力度と評価
q=W/L
最大垂直応力度:
W=23 N
σmax= (1.0+0.4)W/A + Mmax/Z
= 3.9 N/mm2 < 許容値 42 N/mm2
OK
最大せん断応力度:
τmax = 2.0Qmax/A
= 0.11 N/mm2 < 許容値 24.5 N/mm2
OK
(1+Cv)×W
発生諸応力度は対応す
る許容応力度以下と
なっている。
40
(5) 燃料要素
(mm)
127.0
25.3
720.8
FH(x,yの2方向に作用)
下側
上側
Fv
ノズル(埋込部)
燃料要素部(720.8mm)を
片持ち梁として固有周期(y軸)
を算出すると0.012sとなった。
75.4
4.76 x 79.18
側板(外力抵抗要素)
y
材質:アルミニウム合金
(AG3NE)
ヤング率:E=6.9x104N/mm2
燃料要素重量;W=58.8N
断面積:A=376.8mm2
断面2次モーメント:
Ix=941,782mm4
Iy=393,824mm4
水平震度;CH=1.0
鉛直震度;Cv=0.4
x
標準燃料要素
41
最大応力度と評価
Fv
Fv = W・(1+Cv) = 82.4 N
FH= W・CH= 58.8 N
FH
720.8mm
Mx=My = FH・(720.8/2) = 21,192 N・mm
Qx=Qy = FH = 58.8 N
最大垂直応力度:
σmax = Fv/2A + Mx/Ix・(75.4/2) + My/Iy・(79.18/2)
= 0.11 + 0.85 + 2.14
= 3.10 N/mm2 < 許容値 : 64N/mm2 (強度)
→ 安全率4.0とし,16N/mm2 (許容値)
最大せん断応力度:
τmax = 1.5 Q/2A = 0.12 N/mm2 < 許容値 : 34N/mm2 (強度)
→ 安全率4.0とし,8.5N/mm2 (許容値)
発生諸応力度は対応す
る許容応力度以下と
なっている。
42
(6) 1.炉心直下1次冷却系配管(入口配管)
外径350mm
内径336mm
材質:アルミニウム合金A5052
ヤング率:E=6.9×104 N/mm2
断面積:A=7,540mm2
断面2次モーメント:I=1.1×108mm4
断面係数:Z=634,000mm3
断面極2次モーメント:Ip=5.5×107mm4
Ip/r(外半径)=317mm3
入
口
配
管
加振方向
Qx(kN)
Qz(kN)
Ny(kN)
Mz
(kN.mm)
Mx
(kN.mm)
My
(kN.mm)
x
1.65
0
0.009
922
0
0
z
0
1.44
0
0
513
49
y
0.38
0
5.93
255
0
0
計
2.03
1.44
5.939
1177
513
49
断面諸量
τx
τz
σn
σbz
σbx
τt
(N/mm2) (N/mm2) (N/mm2) (N/mm2) (N/mm2) (N/mm2)
C(形状係数)
2
2
A(mm2)
7540
7540
7540
Z(mm3)
634000
634000
K(mm3)
応力度
317000
0.54
0.38
0.79
1.86
0.81
0.15
注)自重を加算
W1=4kN
1次固有周期T1=0.033秒。
応答解析はフレームモデルを
3方向個別に行い、発生最大断
面力の合計値から最大応力度
を求める。
W2=3kN
y
最大応力度と評価
最大垂直応力度:
σmax= 0.79+1.86 = 2.65 N/mm2
< 許容値 126 N/mm2
最大せん断応力度:
τmax = 0.54+0.15 =0.69 N/mm2
z
x
発生諸応力度は対応す
る許容応力度以下と
なっている。
< 許容値 31 N/mm2
43
外径350mm
内径336mm
(6) 2.炉心直下1次冷却系配管(出口配管)
材質:アルミニウム合金A5052
ヤング率:E=6.9×104 N/mm2
断面積:A=7,540mm2
断面2次モーメント:I=1.1×108mm4
断面係数:Z=634,000mm3
断面極2次モーメント:Ip=5.5×107mm4
Ip/r(外半径)=317mm3
出
口
配
管
加振方向
Qx(kN)
Qz(kN)
Ny(kN)
Mz
(kN.mm)
Mx
(kN.mm)
My
(kN.mm)
x
2.02
0
0.03
958
0
0
z
0
2.12
0
0
1109
76
y
0.21
0
7.04
119
0
0
計
2.23
2.12
7.07
1077
1109
76
断面諸量
τx
τz
σn
σbz
σbx
τt
(N/mm2) (N/mm2) (N/mm2) (N/mm2) (N/mm2) (N/mm2)
C(形状係数)
2
2
A(mm2)
7540
7540
7540
Z(mm3)
634000
634000
K(mm3)
応力度
317000
0.59
0.56
0.94
1.70
1.75
0.24
注)自重を加算
W1=5kN
1次固有周期T1=0.018秒。
応答解析はフレームモデルを
3方向個別に行い、発生最大断
面力の合計値から最大応力度
を求める。
W2=2kN
y
最大応力度と評価
最大垂直応力度:
σmax= 0.94+1.75 = 2.69 N/mm2
< 許容値 126 N/mm2
最大せん断応力度:
τmax = 0.59+0.24 =0.83 N/mm2
z
x
発生諸応力度は対応す
る許容応力度以下と
なっている。
< 許容値 31 N/mm2
44
炉心
839mm
(7) 炉心支持構造物
プレナム
1357mm
トップシールド
立面図
炉心タンク
z
A
A’
x
715mm
プレナム
1階床
断面図
25mm
(A-A’断面)
511mm
25mm
炉心
y
一次冷却水配管
x
炉心及び炉心タンク断面図
炉心支持構造物(プレナム)
45
炉心支持構造物の評価
プレナム
ここでは、炉心が最も重い場合の応力の検討を行う
材質:耐食アルミニウム合金
A2P1 (A5052P)
引張強さ 182N/mm2 (材料試験より)
許容圧縮応力 fc: 60.0 N/mm2
許容せん断応力 ft: 34.6 N/mm2
総重量 W:7927 N
重心高さ h:1463 mm
断面積 A:58800 mm2
断面係数:
Zx = 2.52×109
Zy = 4.26×109
炉心重量:2694~5815N
プレナム重量:2112 N
固有周期:
x軸方向 0.009~0.013s
y軸方向 0.012~0.017s
圧縮応力: σx+σy+σz = 2.33 N/mm2
< 許容値60.0 N/mm2
せん断応力: W×Ch/Ae = 1.36 N/mm2
< 許容値34.6 N/mm2
水平震度 Ch: 1.0
鉛直震度 Cv: 0.4
Ae:地震力の方向と平行な面の断面積
(511×25×2 mm2)
σx:x軸方向の地震力に対する曲げ応力
(σx= W×Ch×h/Zx)
σy :y軸方向の地震力に対する曲げ応力
(σy= W×Ch×h/Zy)
σz:自重及び鉛直方向地震力に対する圧縮応力
(σz=W×(1+Cv)/A)
発生諸応力度は対応す
る許容応力度以下と
なっている。
46
機器配管系の評価結果のまとめ
発生値(N/mm2 )
評価設備・機器
評価部位/応力度の種類
制御棒駆動装置
(案内管)
制御棒
粗調整用制御棒
(取付ボルト)
微調整用制御棒
(取付金具)
燃料要素
ノズル
入口配管
一次冷却系配管
(炉心直下)
出口配管
炉心支持構造物
炉心タンクとの接合部
生体遮へい体
(炉心タンクと一体化)
構築物基部
使用済燃料プール室プール
(使用済燃料貯蔵ラックと一体化)
プール側壁
評価基準値
2
評価
精算モデル
(N /mm )
垂直
19.2
65.0
○
せん断
0.30
37.5
○
垂直
180
210
○
せん断
0.79
121
○
垂直
3.90
42.0
○
せん断
0.11
24.0
○
垂直
3.10
16.0
○
せん断
0.12
8.50
○
垂直
2.65
126
○
せん断
0.69
31.0
○
垂直
2.69
126
○
せん断
0.83
31.0
○
垂直
2.33
60.0
○
せん断
1.36
34.6
○
垂直
1.21
1.4
○
せん断
0.52
1.05
○
0.9
○
せん断
0.44
47