日本通運株式会社 - IBM

IBM ソフトウェア
お客様導入事例
日本通運株式会社
業務プロセスを可視化して、継続的に改善を
行うための効果的な仕組みをIBMのサポート
で短期間で立ち上げ
お客様情報
日本通運株式会社
社会 や 企業とともに、そこに属 する人々の 価値観 は、今までにも増して変化し
ています 。社員 のワーク・ライフ・バランスを適切なものに保 つことは、社員本人
だけでなく企業にとっても大切です 。
このためには、業務プロセスを正しく管理
日本通運株
し最適化していくという考え方を常に持ち続 ける必要 があります 。
式会社(以下、
日本通運)海運事業部 は、営業業務に費 やされる時間をIBM
のサポートの下、IBM Business Process Manager( 旧 IBM WebSphere
Lombardi Edition )を使って「見える化」を推進、複数部門にわたる業務プロ
セスを可視化してボトルネックとなっている作業を見 つけ出 すシステムを短期間
で立ち上 げました。
把握できていない営業業務のプロセスと時間
日本通運 海運事業部で最も売上 が 高い業務
が 物 品 の 輸 出 入 業 務 です 。輸 出 入 業 務 では 、
1 , 000 人近いメンバーが営業業務を担当していま
●本社所在地
〒105-8322
東京都港区東新橋一丁目9番3号
http://www.nittsu.co.jp/
陸・海・空、多彩な輸送モードを駆使し、国や地域
といった境界線を越えて人や企業を結ぶ物流のコ
ンサルタントとして、ワンストップのビジネスソ
リューションを提供する国際総合物流企業。
日本通運 海運事業部長の寺井克宏氏は、
す。
同事業部での営業業務の内容とともに、
そこに潜
在 する問題を次のように話します 。
「営業業務に
は、本来の営業に加えて、お客様に対 するカスタ
マーサービスと社内 でのオペレーションがありま
す 。つまり、営業業務を担当するメンバーは、お客
様のところに伺って商談するだけでなく、
お客様と
輸出入に関するやりとりをしたり、実際の輸出入の
日本通運株式会社
海運事業部長
寺井 克宏 氏
オペレーションを自ら行ったりします。
これまで、
このようなやり方を続けることで、
オ
ペレーションが分かり、現場を知り、営業ができる人材を育ててきました。
しかし、一
方で、営業業務においてコア業務である
『営業』
という部分になかなか人手を割
けず、時間がうまく使われていないという印象を持ち続けていました」。
日本通運 海運事業部は、
このような営業業務のメンバーが 何に時間を費やし
ているかが 見えないという問題に加えて、時間外労働時間 が 多いという問題も
抱えていました。寺井氏は、時間外労働時間が多いという問題が近年話題となっ
ているワーク・ライフ・バランスにおける問題につながると考えていました。
これらの
問題に対処 するため、
日本通運 海運事業部は、営業業務全体をどのように見
IBM ソフトウェア
お客様導入事例
直 せばよいかを検討 するプロジェクトとして「業務改善プロジェクト」を
部分なのかが分かりませんでした。
このため、
まず、
オペレーションを中
立ち上 げました。
このプロジェクトでは、営業業務を担当するメンバー
心に作業しているメンバーから、経験年数の違いを考慮して3 名をピッ
の総労働時間を1 割減らし、現状よりも10%の業務効率アップを目標と
クアップし、その人の一日の行動時間を計測しました。
これが『営業業
しました。
務の見える化』の第一歩でした」
(寺井氏)。
日本通運 海運事業部
は、
このような行動時間の計測を延 べ 20 人近くのメンバーに対して行
営業メンバーの行動を「見える化」
い、客観的に見ることができる行動時間のデータを収集しました。
寺井氏は、営業部門のメンバーの一日の行動を見える化したことが大
日本通運 海運事業部では、
これまでにも作業現場のさまざまな場
変に重要であったと話します 。
「一日の行動を見える化したことで、作
面で「見える化」による改善や工夫を行ってきました。
しかし、営業業
業に不慣れであるために時間 がかかっているなどの問題 がたくさん
務に関しては、
どの作業にどのくらいの時間が費やされているかを示
あることが 分 かりました。行動を見える化した後には、IBM からのさま
すデータはありませんでした。業務改善プロジェクトの立ち上げと相前
ざまなアドバイスを参考にして、
この問題はこのように解決しようなど、
後して、寺井氏は、BPM( Business Process Management:
ビジネ
改善の切り口が 数多く見えてきました。
これらの問題を解決していけ
ス・プロセス管理)
という管理手法の存在を知り、同事業部の情報シス
ば、3 割くらい時間を節約できるのではないかと言われたときには、私と
テムセンター経由でBPMに関するIBMからの提案を受けました。
これ
してはモチベーションが一層上がりました」。
らに興味を持った寺井氏は、早速同事業部の横浜国際輸送支店の
営業メンバーの行動を可視化して分 かった問題はさまざまでした。
メ
「営業という
メンバーを対象にその行動を数値化 することにしました。
ンバーのスキル向上で解決できるもの、教育によって解決できるもの、
部分に人手を割けていなかったため、営業以外の作業に時間が使わ
時間管理 への意識を徹底 することで解決できるものなど、業務改善
れているのだろうと想像していました。
しかし、それがお客様とのやりと
のための切り口は多種多様でした。
これらの1 つに「現場とのやりとり
りを行うカスタマーサービスの部分なのか、社内でのオペレーションの
に費やす 時間 が 多い」
という問題 がありました。
この問題の原因を探
通関手配:問合せ・関連文書追加によるやり取りのモニタリング
通関手配のプロセス定義を作成し、問合せおよび関連文書追加による、営業 ・ 通関間のやり取りを
モニタリング
営業部門への問合せ
通関担当者からの
問合せをモニタリング
関連書類の追加送付
通関関連書類を
追加する回数を
モニタリング
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短期間でシステムを構築できる点を高評価
日本通運 海運事業部 は
るために、
IBM Business Process Managerを
利用 することにしました 。
日本通運 実際にIBM Business Process Managerによって得られた結果は、
海運事業部 情報システムセンター 寺井氏 や 下浜氏 の 予想に反 するものでした。
「データ収集を行う前
システム企画グループ 課長 の 下浜
は、基幹システムの操作に時間がかかっているものと思っていました。
秀則氏は、IBM Business Process
しかし、実際のデータを見てみると、主な業務 がオペレーションである
Managerの採用理由を次のように話
メンバーでさえも、基幹システムの作業時間は全体の15%程度でしか
「営業メンバーがシステムに向
します 。
(下浜氏)。基幹システムでの操作以外のどの作業
ありませんでした」
かって 操 作している時 間 だけであれ
日本通運 海運事業部はこ
に85%もの時間が費やされているのか、
ばストップウォッチなどで簡単に計れま
「作業時間が一番大きかったものは、準備やメー
の点に注目しました。
す。
しかし、作業現場 からは、上流部
『情報収集』
ル操作など、基幹システムへの入力作業前に行っている
門である営業部門での確認不足によ
で、相当な時間 が 費やされていました。
このようなデータを得たことで
る手戻りが 多いとの 報告はありましたが 、主観的なデータでしかなく
『現場とのやりとりに費やす 時間 が 多い 』
という問題は、基幹システム
問題の根本 が 分 かりませんでした。倉庫や輸送などの各部門と営業
だけを考えて合理化 すればよいという問題でなく、
さまざまな切り口で
メンバーとの間でやりとりされるメールや電話が手戻りの多さを示して
改善しなければならないということが分かりました」
(下浜氏)。
いるとしても、実際にメールの内容を1 件 ずつ確認 することは困難で
実際にIBM Business Process Managerによる計測は1週間程度で、
す。
このためIBM Business Process Managerを使って、
どのような
対象人数も限定されたものでした。
日本通運 海運事業部 しかし、
『見える化』することにしました」。
やりとりが行われているのかを
情報システムセンター システム企画グループ 係長の生駒修一氏
日本通運株式会社
海運事業部
情報システムセンター
システム企画グループ
課長
下浜 秀則 氏
は、IBM Business Process Managerを使った計測の効果に好印象
通関手配:ダッシュボードの例
お客様別連絡・別送回数
A社
B社
C社
D社
E社
Excelへダウンロード
ソート列
A社
B社
C社
D社
営業担当者別連絡・別送回数
E社
通関担当者別連絡・別送回数
a
b
a
b
c
a
b
c
a
b
「現時点 では 取り掛
を持っています 。
かったばかりで何 かができたというわ
けではありませんが、
このようなデータ
を見ることで 改 善 のための 切り口 が
導入製品
• ソフトウェア : IBM Business Process Manager
分 かることと、
このようなデータをIBM
Business Process Managerで収集
できることを、経 営 層を含 めて体 感し
てもらえたことがよかったです 」。
また、
日本通運株式会社
海運事業部
情報システムセンター
システム企画グループ
係長
生駒 修一 氏
下浜氏 は IBM Business Process
Managerでのシステム開発 の 容易さ
「開発 が 非常に楽
を高く評価します 。
です 。画面レイアウトを作るような感じ
で操作でき、視覚的に分 かりやすいツールです 。やりたいことが 思い
浮 かんだら、簡単にシステムを作り上 げることができます 。手早く作れ
て、必要な情報を素早く収集できるという感想を持ちました」。同様に、
生駒氏も
「今回は作業の手戻りに関する部分にフォーカスしましたが、
フロー図を描き、そこに分岐や処理を設定していくだけなので、他の
場面にも使える柔軟なツールだと感じました」
と話します。
業務改善を継続し、改善自体を習慣化
「業務改善プロジェクト」の一環として今回実施した業務プロセスの
可視化は、
日本通運 海運事業部の横浜国際輸送支店だけが対象
日本通運は、東京、名古屋、大阪、福岡にある海運事業
でした。今後、
部の各支店での業務改善でIBM Business Process Managerを
生 かしていきたいと考えています 。
「見える化」による
また、寺井氏は、
業務改善を継続していくと話します 。
「営業業務の改善は継続してい
かなければなりません。
また、
その中でいろいろな考え方や手法を身に
付けていきたいと思っています 。特に、営業業務の改善では、時間管
理という考えがもっと前面に出てくるべきだと思います 。
これまであまり
〒103-8510 東京都中央区日本橋箱崎町19番21号
を意識できたことは、今回の大きな成果です 。
これを習慣化し、
ある意
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All Rights Reserved
11-11 Printed in Japan
味で企業文化にしていきたいと思います」。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、およびWebSphereは、世界の多くの国で登録され
意識してこなかった
『時間管理』
と、改善を進めていく上での『気づき』
たInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およ
びサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現
時点でのIBMの商標リス トについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtml
をご覧ください。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標です。
このカタログに掲載されている情報は2011年11月のものです。事前の予告なし
に変更する場合があります。
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は初掲載当事のものであり、閲覧
される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実
現することが可能なわけではありません。
製品、サービスなどの詳細については、弊社もしくはIBMビジネスパートナー
の営業担当員にご相談ください。
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