NECが、SI事業のテストツール標準化により システム開発プロセスの革新を推進 HP LoadRunner/HP QuickTest Professionalを包括契約で導入、 充実した支援体制で、開発部門の効率化、品質向上を実現 お客様導入事例 テストツールの包括 的な導入による標 準化でシステム開 発プロセスを革新 業界 システムインテグ レータ 目的 テスト工程の標準化を通じて、社内およびグループ会 社におけるソフトウェア開発の作業効率化と品質向上 に寄与すること アプローチ 標準化推進部門によるテストツールの選定および開発 部門に対する貸し出しと、社内支援部門による導入支 援により、全開発部門におけるテストツールの利用促 進を図る 導入効果 • 実績のあるテストツールの採用によるソフトウェア品 質の向上 • テスト作業の自動化による開発効率の向上 • テストツールの標準化による、属人化の防止 ビジネスの成果 • 事業部、グループ会社を超えた標準品質の実現 • 包括契約による導入コストの削減 • テストツールの標準化によるシステム開発プロセス の革新 全体最適化と「当たり前品質」を めざして IT サービスビジネスユニット(BU)は、NEC の中でも 最大規模の BU である。 数千人の本社社員、 ソフトウェ ア子会社を含めると数万人もの技術者が、様々な産 業分野、公共分野に対して SI 構築、運用、保守、アウト ソーシングなどの IT サービスを提供している。この IT サービス BU の標準化を推進しているのが、IT サービ ス技術本部だ。今回、この IT サービス技術本部が中心 になって、SI 構築の最終段階であるテスト工程で使わ れるツールの標準化が行なわれた。その背景を、同本 部の飯島賢二マネージャーに伺った。 「全体最適の実現です。NEC では、オープン化の時代 以降、各プロジェクトがツールを自由に選択するよう になって、いわゆる個別最適が進んでいました。数多 くのツールが使われることで、ライセンスコストだけ ではなく、ノウハウや人的リソースの面でも様々な重 複やムダが生れていたのです。ツールや業務プロセス の標準化による全体最適化で、こうした個別最適の 弊害から脱却することが至上命題でした」 実際、現場でのツール使用状況は多様で深刻だった。 この結果、性能テストツールとして選ばれたのは 、H P 2009 年に行なわれた全社調査では、システム開発 LoadRunner sof tware( HP LoadRunner)だ の様々なフェーズで数百のツールの使用が確認され った 。社 内 支 援 部 門として、今 回 のツール 導 入を ている。技術者の自作ツールなどを含めると、ツール サポートしたソフトウェア生 産 革 新 部シニアエキ 総数は万の単位に達すると推測された。 「これらツー ス パート の川 村 冠 東 氏に、そ の 選 択 ポイントをお ルのノウハウを持っている人がいなくなってしまった 聞きした。 ら、その後のシステム構築やサービス提供にも支障 日本電気株式会社 ITサービス技術本部 マネージャー 飯島賢二氏 が生じるだけでなく、生産性も逆に悪化してしまいま す。そういう意味でもツールの標準化が急務だったの です」 「 ま ず、ツ ール としての 洗 練 度 が 違 い ま す。カ タ ログスペックだけでは、オープンソースソフトウェ ア(OSS )の 性能テストツールも HP LoadRunner も同 程 度の 機能があるように見えますが、実際 の 設計、製造(コーディング)工程のツールに関しては、 現 場での 使い勝 手が全 然 違うのです。例えばテス すでに標準化が進められていた。今回、その次の工程 ト結果の解 析では、利用者が自分でデータを加工 であるテスト工程のツール標準化に取りかかったわ しな け れ ば 役 立 つ 情 報 が 得ら れ な い O S S ツール けである。 に対して、HP LoadRunnerでは必要な情 報がす ツールの選定に際しては、テスト工程に対する要求の 変化も考慮しなければならない。IT サービス技術本 日本電気株式会社 ITサービス技術本部 エグゼクティブ エキスパート 猪俣壮一氏 ぐに得られます。長年にわたって導入 実 績を 積み 重ねる中で洗 練されてきたツールだと思います」 部のエグゼクティブエキスパートの猪俣壮一氏は、次 さらに、HP LoadRunner には 、機 能 面 以 外 にも のように語る。 OSS ツールにないメリットがあった。 「従来、テストはお客様の要求に応じて行なっていま 「わからないことがあった場合、HP LoadRunner したが、最近はすべてのシステムに高品質が求められ な ら H P に 問 い 合 わ せ れ ば すぐ に 解 決 で き ま てきています。システム品質は、もはや特定のお客様 す。OSS ツールの場合は、試 行錯誤して、自分で解 向けの高付加価値ではなく、あって当たり前のものに 決しなければ なりません。問 題 解 決 のスピードが なったのです」 違うのです」 インターネットが普及した今、あって当たり前のシス 回帰テスト(自動機能テスト)ツールとしては 、H P テム品質に問題が発覚すると、たとえそれがどんな QuickTest Professional software(QTP)が選ば に小さなシステムでも、その情報はたちまち拡散し、 れた。対応 環 境の広さ、複 雑 な画 面 操 作をそのま NEC の信用を傷つける。小さな案件から大きな案件 ま自動 化できる使 い 勝 手、スクリプト の 活 用によ まで高度な品質を確保しなければならない。しかし、 るシステム 更 新へ の 柔 軟 な 対応 、そして豊富 な 実 日本電気株式会社 ソフトウェア生産革新部 シニアエキスパート 川村冠東氏 一方では、 “当たり前品質”にコストを掛けられない 績に裏付けられた信 頼 性など、その 優 位性は他の ようなプロジェクトも中にはある。テスト自体の品質 ツールをはるかに凌 駕していたという。 向上とコスト削減という、相反する要求に応えるツー ルと、その標準化が求められていたのである。 定性・定量評価により、HPのテスト ツールを選択 テスト工 程 のツールとして、標 準 化 の 対 象となっ たのは、性 能テスト( 負荷テスト)ツールと回帰テ スト(自動 機 能テスト)ツールである。ツール 選 定 に 当 たっては 、複 数の 候 補 製 品に 対して、独 自の 評価基 準に基づく比 較 検 討を行なった。 「 ツ ー ル そ の も の の 特 性 、使 い や す さ か ら 、サ ポートの体制および対応範囲やレスポンス、情報入 手 のしやす さ、グ ロ ーバ ル 性 まで、様 々 な 項 目を 数 値 化し定 性 評 価しました 。さらにツール による 工 数 削 減 効 果 を 金 額 換 算して、コストメリットを 比 較 す る 定 量 評 価 も 実 施 して い ま す」( 飯 島 マ ネージャー) 2 IT サービ ス BU 全 体 にわたる大 規 模 なツール 標 準 化 には 、導 入コスト の 検 討 も 不 可欠 だった 。この 点 でも、HP LoadRunner および QTP は IT サービ ス技 術本部の期待に応えることができた。 「通 常 のライセンス 契 約は ユーザー単 位 です が、 今 回は 複 数のプロジェクトでライセンスを共 有 で きる包 括 ライセンスという形 を 取りました 。これ により、限られ た 予算しかない 小規 模 プ ロジェク トを含め、NEC グル ープ全 体 でツールを 利 用でき るようになったのです」(飯 島マネージャー) NECのツール標準化施策 2010 年 、IT サ ービス BU のツー ル 標 準 化 施 策とし 「もうひとつは、適 用ノウハウの 蓄 積 です。プロト コル 関 係など 難しい 部分では HP の支 援を要 請 す ツール導入当初は利用件数が伸び悩んでいたため、社 る場合もありますが、基 本 的には NEC の中でノウ て、HP LoadRunnerとQTP の利用が開始された。 内説明会による周知を徹底するとともに、同時期にソフ トウェア生産革新部による支援もスタートした。 ツール標準化を支えるサポート体制 日常 業 務に追われる現 場 の 技 術 者にとっては、新 ハウを蓄 積していきたいと考えています」 ソ フト ウェア生 産 革 新 部 で は 、H P に よる 集 中ト レーニング などを 活 用して、部 内の 要 員育成にも 注 力しているという。 たなツール へ の対応は 負荷になる。ツール の 普及 「 もち ろん 、他 部 門 、グル ープ 各 社 へ の 啓 蒙 も 行 にあたっては、充 実したサポート 体 制 が 欠 かせ な なって い ま す。開 発 部 門 に 貸 し 出 す ツ ー ル や サ い 。I T サ ー ビ ス 技 術 本 部 と 連 携しな がらこの サ ポート体制の紹介から、実際に使ったプロジェクト ポート体 制を実 現しているのが、社 内 支 援 部 門で の評価といった情 報を定 期的に発 信しています」 あるソフトウェア生 産革 新 部である。 これらの 活 動を背景に、HP LoadRunner や QTP 「 ひとつ は 、現 場 支 援 で す。現 場 技 術 者 の 要 望に の 利 用者は年 1.5 倍から 2 倍ぐらいの ペースで、急 応 えて、必 要ならば 現 地に出向いての説 明 会 やス 増して い る。対 象 業 種 も 、製 造 、流 通 、金 融 から クリプト の 導入 支 援を行 いますし、メールで 問 合 官公 庁まで、多岐にわたっている。また、ツールを せ に 応 えることも ありま す」( 川 村 シニアエキス 利 用する開 発 部 門 も I T サービ ス BU 内にとどまら パート) ず、NEC の 他 BU にまで広がりつつあるという。 HP LoadRunner や QTP は、業 界 のデ ファクトス タンダード な ので、社 内 や グル ープ 内には使 用 経 験 の あ る人も 多 い 。しかし、当 然 のことな がら、 初 めてという人もい るので、現 場および 個 人の 習 熟 度に合わせてきめ 細かく対応しているという。 ツールの利用を希望するプロジェクトに対しては、 目的や利用効果などをコンサルティングしながら、 ライセンスを効率よく割り振っているとのこと。 3 ソリューション 概略 ソフトウェア •HP LoadRunner software •HP QuickTest Professional software サービス •HP Professional Services さらなる革新へ ツール標準化による成果を猪俣エグゼクティブエキス パートに、お聞きしよう。 「 HP のテストツールは、業界標準ツールとしての評価 が確立しています。そういうしっかりした外部のツール を導入することで、NECに期待される当たり前品質を 担保できたということが大きいですね。さらにこれらの ツールをBUの共有設備とすることで、 グループ全社で 使い回せるようになり、標準化も効率よく進められまし た」 さらに労働集約的だったテスト工程を、かなりの程度ま で自動化できるようになったことで、作業の効率化や 品質向上といった効果も生まれている。例えば人手に よる作業につきものだった間違いも減り、2重チェック といった付帯作業も不要になったという。 「クラウド時代を迎えてソフトウェアの利用形態が変 わってきています。NECのSIビジネスとしても、クラウ ドやモバイルへの対応を想定していないテストだけで はビジネスになりにくくなってきているのです。その対 応のためにリーズナブルなコストと納期を考えたとき、 性能テストや回帰テストの自動化は必須です。そのた めにも、今後は、全 NECに利用者を広げていきたいで すね。HPには、優れたテストツールとこの時代に即した 柔軟なライセンス体系によって、当社のチャレンジを支 えていただきたいと願っています」 「世界トップクラスのソフトウェア企業グループ」をめ ざすNEC。HPの先進のテストツールは、そのソフトウェ ア開発のさらなる革新を支え続けていく。 詳しい情報 LoadRunnersoftwaree についてはこちら 短 期 間で目に見える効 果を挙げているの http://www8.hp.com/jp/ja/software-solutions/ が、HP LoadRunnerである。例えば、金融関係のお客 software.html?compURI=1175451 様で不評を招いていた全店テストも、HPLoadRunner の利用で不要になったとのこと。ただし、QTPに関して は、 まだ効果を語る段階ではないという。 「回帰テスト(自動機能テスト)ツールの特性上、短期 間では成果が上がりにくいのです。今後、いったん作 成したスクリプトを再利用するケースが増えていくこ とで、目に見える効果が得られてくるでしょう」 ( 飯島 マネージャー) 今後は、 これらツールの普及だけではなく、そのツール を使った標準プロセスやツールの活用法を含めて、体 制整備に注力していくとのことである。 猪俣エグゼクティブエキスパートは、HPに対してさらな る期待を寄せている。 Get connected hp.com/go/getconnected 記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。 記載事項は2012年7月現在のものです。本カタログに記載されている情報は取材時におけるものであり、 閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。 @Copyright 2012 Hewlett-Packard Development Company,L.P. 日本ヒューレット・パッカード株式会社 〒136-8711 東京都江東区大島2丁目2番1号 4AA4-4143JPN, CSW12468-01 2012年10月
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