コンクリート工学年次論文集 Vol.29 - 日本コンクリート工学協会

コンクリート工学年次論文集,Vol.29,No.3,2007
論文
鉄筋とコンクリート間の付着応力‐すべり関係に及ぼす各種要因の
影響
吉村
満*1・岩田
樹美*2・大野
義照*3・乾
智洋*4
要旨:D13 を中心とした細径異形鉄筋とコンクリート間の付着応力(τ)-すべり(s)関係への
コンクリート強度,鉄筋径,かぶり厚さおよび定着長さの影響を調べる目的で,両引き試験
および片引き試験を行った。両引き試験については,コンクリート強度および鉄筋径の影響
が認められたがその影響は小さい。また,かぶり厚さの影響は明確ではなかった。片引き試
験においては,定着長さが短い場合には,付着応力が小さくなる傾向がみられたが,その影
響は小さい。また,τ-s 関係を初期剛性 K1 と 2 次剛性 K2 を持つ bi-linear で近似した。
キーワード:付着応力-すべり関係,鉄筋径,コンクリート強度,かぶり厚さ,定着長さ
1. はじめに
定着長さを実験要因に RC プリズム両引試験体
鉄筋コンクリート(以下 RC と略記)部材のたわ
および片引き試験体の単調載荷試験を行い,各
みやひび割れ幅は,コンクリートと鉄筋間のす
要因の鉄筋ひずみ,τ-s 関係および端部抜け出
べりによって増大する。スラブにおいては定着
し量への影響を調べた。片引き試験は,スラブ
部からの鉄筋の抜け出しによって,さらにたわ
筋の定着部からの抜け出しを想定したものであ
みは増大する。鉄筋の抜け出しは鉄筋とコンク
る。また,τ-s 関係を初期剛性 K1 と 2 次剛性
リート間の付着応力(τ)-すべり(s)関係に依存
K2 を持つ bi-linear で近似し,そのτ-s 関係式を
しており,その付着特性を把握することが重要
用いて鉄筋ひずみ分布について付着解析を行い,
である。既往の研究
1)
には,付着応力度はコン
実験値と比較する。
クリート強度の 2/3 乗に比例すること
表-1
やすべりが鉄筋径に比例することなど
が示されているが,実験に使用されて
試験体名
鉄筋
いる鉄筋は D19,D25 および D32 であ
B-1
B-2
B-3
B-4
B-5
B-6
B-7
B-8
S-1
S-2
S-3
D13
D13
D13
D10
D16
D13
D13
D13
D13
D13
D13
る。筆者らも既報
2),3)
でτ-s 関係を
調べた実験結果を報告しているが,使
用している鉄筋は D16,D19 が中心であ
り,通常スラブに用いられる D13 など
の細径異形鉄筋の付着特性に関する実
験データは少ない。
本報では,D13 を中心に細径異形鉄筋
試験体種類
圧縮強度 かぶり厚さ
2
(mm)
(N/mm )
40
63
75
40
40
40
40
40
40
40
40
54
54
54
55
52
31
44
64
54
54
54
b×D×L
(mm)
120×120×300
120×120×300
120×120×300
120×120×300
120×120×300
75×75×200
100×100×300
140×140×300
120×120×130 (10d)
120×120×325 (25d)
120×120×520 (40d)
の付着特性を把握するために,鉄筋径,
注)B は両引き試験体,S は片引き試験体
コンクリート強度,かぶり厚さおよび
注)b,D,L は図-1 参照(d:鉄筋径)
*1 大阪大学大学院工学研究科地球総合工学専攻
*2 (株)NTT ファシリティーズ
建築事業本部
(正会員)
構造エンジニアリング部
*3 大阪大学大学院工学研究科地球総合工学専攻
教授
*4 大阪大学工学部地球総合工学科
-613-
工博
(正会員)
(正会員)
2. 実験概要
金具
2.1 試験体の種類と形状
試験体の種類を表-1 に,試験体の形状を図-
変位計
鉄筋
D
1 に示す。試験体長さは,載荷中にひび割れが生
L
じないように,引張材のかぶり厚さに応じるひ
b
PC鋼棒
び割れ間隔を目安に決定し,試験体は各 2 体製
D
作した。
両引き試験においては,鉄筋径 D13,コンク
リート強度 40N/mm2,かぶり厚さ 54mm の試験
図-1
体 B-1 を基準とし,鉄筋径(D10,D13,D16),
試験体形状
(上:両引き,下:片引き)
2
コンクリート強度(40,63,75 N/mm ),および
かぶり厚さ(31,44,54,64mm)を,片引き試験
表-2
においては,定着長さ(10d,25d,40d)を要因と
コンクリートおよび鉄筋の力学的特性
試験体名
した。
B-1
B-2
B-3
2.2 使用材料
圧縮強度
2
(N/mm )
39.8
63.0
75.3
割裂強度
2
(N/mm )
2.18
3.17
3.50
ヤング係数
2
(N/mm )
4
2.94×10
3.38×104
4
3.61×10
コンクリートには普通ポルトランドセメント,
川砂および最大粒径 15mm の砕石を用い,水セ
鉄筋
メント比は 54%,40%,30%とした。試験時の
D10
D13
D16
コンクリートおよび鉄筋の力学的特性を表-2
降伏強度 ヤング係数
(N/mm2) (N/mm2)
5
355
1.81×10
5
353
1.81×10
352
1.89×105
に示す。鉄筋のヤング係数は鉄筋の公称断面積
から算出している。鉄筋は図-2 に示すような
横ふし異形鉄筋 D10,D13 および D16 を用いた。
2.3 載荷および測定方法
箔ゲージ
試験体は載荷日まで湿布養生を行い,コンク
リート材齢 21~23 日に 100tアムスラー試験機
図-2
箔ゲージ
異形鉄筋形状および箔ゲージ貼付位置
を用いて載荷を行った。鉄筋ひずみは,50mm 間
3. 実験結果および考察
隔で鉄筋側面に貼付した検長 1mm の箔ゲージに
3.1 両引き試験
より測定した。端部抜け出し量は鉄筋に溶接に
(1) 鉄筋ひずみ分布
より固定した金具と試験体端部との間の変位を,
図-3 に両引き試験体の 6 つの荷重階(鉄筋応
コンクリートに取り付けた精度 1/500mm の変位
力度 50,100,150,200,250,300N/mm2)にお
計にて測定した。なお,従来の片引き試験方法
ける鉄筋ひずみ分布を示す。図中の○印は実測
では載荷端で反力をとるため,圧縮応力の影響
値,曲線は後述のτ-s 関係の bi-linear 近似曲線
が考えられるので,本実験では載荷端ではない
を用いた解析結果を示している。解析結果は実
方に埋め込んだ全ねじの PC 鋼材で反力をとっ
測値とおおむね一致しているが,試験体中央部
た。また,箔ゲージ の貼付のために鉄筋のふし
では解析値の方がやや大きくなっている。
を削ることによる付着性能の低下が起こらない
コンクリート強度の高いものほど,また鉄筋
ように,箔ゲージは図-2 のように鉄筋の縦リブ
径の小さいものほど鉄筋ひずみ分布の谷が深く
に貼付した。
なる傾向がみられる。しかし,コンクリート強
度 63N/mm2 の試験体 B-2 と 75 N/mm2 の試験体
B-3 では差はみられず,コンクリート強度がある
-614-
2000
1800
鉄筋ひずみ分布(μ)
2000
B-1
1800
1800
2000
B-3
1800
1600
1600
1600
1600
1400
1400
1400
1400
1200
1200
1200
1200
1000
1000
1000
1000
800
800
800
800
600
600
600
600
400
400
400
400
200
200
200
200
0
150
2000
1800
鉄筋ひずみ分布(μ)
2000
B-2
0
0
150
150
0
2000
B-5
1800
0
150
150
2000
B-6
1800
0
0
150
150
2000
B-7
1800
1600
1600
1600
1600
1400
1400
1400
1400
1200
1200
1200
1200
1000
1000
1000
1000
800
800
800
800
600
600
600
600
400
400
400
400
200
200
200
200
0
150
0
0
100
150
試験体中央からの距離(mm)
図-3
0
0
150
100
試験体中央からの距離(mm)
B-4
0
0
B-8
0
150
150
試験体中央からの距離(mm)
150
0
150
試験体中央からの距離(mm)
両引き試験体の鉄筋ひずみ分布(〇実測値 ―解析値)
2
τ (N/mm )
値を超えると,コンクリート強度の影響は小さ
くなる傾向にある。
また,かぶり厚さの大きいものの方が谷が深
くなる傾向があるが,その影響は小さい。かぶ
8
7
6
5
4
3
2
1
0
り厚さの小さい試験体 B-6 については,定着長
近似曲線
0
0.05
0.1
0.15
s (mm)
さが短いため,試験体中心位置でのひずみが大
図-4
試験体 B-1 のτ-s 関係
きくなっている。また,試験体 B-7 は,試験体
長さに対してかぶり厚さが小さかったため,2 体
τ (N/mm2)
とも鉄筋応力度 300N/mm2 付近で試験体中央部
にひび割れが生じた。
(2) 付着応力-すべり関係
図-4 に両引き試験体 B-1 の鉄筋ひずみ分布か
ら求めた各ゲージ区
計算している。また,
同図にはτ-s 関係
を最小二乗法により
近似した曲線も示し
8
7
6
5
4
3
2
1
0
)
鉄筋径
( /
τ (N/mm2)
す。ただし,コンク
は無視してすべりを
コンクリート強度
B-1 (40N/mm2)
B-2 (63N/mm2)
B-3 (75N/mm2)
0
間のτ-s 関係を示
リートの伸びひずみ
8
7
6
5
4
3
2
1
0
B-1 (D13)
B-4 (D10)
B-5 (D16)
0
0.05
0.1
0.15
8
7
6
5
4
3
2
1
0
0.05
B-1
B-6
B-7
B-8
0
0.05
0.1
s (mm)
両引き試験体のτ-s 関係
-615-
0.15
かぶり厚さ
s (mm)
図-5
0.1
(54mm)
(31mm)
(44mm)
(64mm)
0.15
ている。全般に,τがある点を越えると付着剛
きなものほど,またかぶり厚さの大きいものほ
性が低下している。これは鉄筋ふし周辺の内部
ど抜け出し量が小さくなっているが,それらの
4)
ひび割れの発生によるものと考えられる 。付着
影響は小さい。B-6 については,かぶり厚さが小
剛性が低下した後も付着応力は減少せずに,増
さいにも関わらず抜け出し量が小さくなってい
大する傾向にある。また,試験体両端近傍では
るが,これは試験体に埋め込まれた鉄筋の長さ
内部ひび割れの進展により,付着強度は小さく
が短いことによる。
なる
5)
こともあるが,本実験では特にそのよう
な現象はみられなかった。
一方,鉄筋径については鉄筋径の大きいもの
ほど大きな抜け出し量を生じている。これは,
図-5 に最小二乗法により求めた近似曲線を
径の大きいものの方が鉄筋ひずみ分布の谷が浅
各要因ごとに示す。コンクリート強度の増加と
く,試験体中心位置でのひずみが大きいことに
ともに付着剛性も増加する傾向があるが,その
起因している。
3.2 片引き試験
影響は小さく,すべりが 0.15mm のときで,試験
体 B-1 と B-3 の付着応力の差は 1.0N/mm2 程度で
(1) 鉄筋ひずみ分布
ある。鉄筋径については,鉄筋径が小さい程付
図-7 に片引き試験体の 5 つの荷重階(鉄筋応
着剛性は大きいが,その差は小さく,すべり
力度 50,100,150,200,250 N/mm2)における鉄
0.15mm に お い て 鉄 筋 間 の 付 着 応 力 の 差 は
筋ひずみ分布を示す。図中の○印は実測値,曲
1.0N/mm2 以下である。
線は後述のτ-s 関係の bi-linear 近似曲線を用い
かぶり厚さについては,かぶり厚さの大きい
た解析結果を示している。
定着長さの短い試験体 S-1 では,荷重の小さい
ものの方が付着剛性も増加する傾向にあるが,
その傾向は明確ではなかった。
段階から自由端まで応力が伝わっているのがわ
(3) 端部抜け出し量
かる。試験体 S-1 では定着長さが短いために,2
図-6 に変位計により測定した端部抜け出し
体とも鉄筋が引き抜ける現象がみられた。なお,
量と鉄筋応力との関係を示す。試験体 B-1 につ
解析結果においても鉄筋応力が小さい段階から
いては,試験体中央部から端部までの鉄筋ひず
100mm 以上の定着長さが必要な結果となった。
みの積分値も記
はほぼ一致して
おり,すべりの計
算においてコン
σs (N/mm 2)
載している。両者
クリートの伸び
ひずみを無視し
350
300
250
200
150
100
50
0
変位計
積分値
0
0.05
てよいといえる。
についても同様
の結果が得られ
ている。
要因別に抜け
出し量への影響
をみると,コンク
リート強度が大
σs (N/mm2)
なお,どの試験体
350
300
250
200
150
100
50
0
B-1
350
300
250
200
150
100
50
0
0.1
0.15
抜け出し量 (mm)
0.2
鉄筋径
B-1(D13)
B-4(D10)
B-5(D16)
0
0.05
0.1
0.15
抜け出し量 (mm)
図-6
0.2
コンクリート強度
B-1(40N/mm2)
B-2(63N/mm2)
B-3(75N/mm2)
0
350
300
250
200
150
100
50
0
0.05
0.1
0.15
抜け出し量 (mm)
かぶり厚さ
B-1
B-6
B-7
B-8
0
0.05
(54mm)
(31mm)
(44mm)
(64mm)
0.1
0.15
抜け出し量 (mm)
両引き試験体の端部抜け出し量
-616-
0.2
0.2
1600
試験体 S-2 および S-3 で
れ以降は鉄筋ひずみも一
800
600
400
200
定値を示している。荷重を
600
400
200
50
0
100
50
100
150
200
250
1600
S-3
鉄筋ひずみ (μ)
1400
以降ではあまりひずみに
300
試験体端部からの距離 (mm)
試験体端部からの距離 (mm)
着応力が生じているが,鉄
重を増加しても L=200mm
800
0
0
S-2 では自由端付近まで付
かった。試験体 S-3 では荷
1200
1000
0
増加していくと,試験体
筋が引き抜けることはな
S-2
1400
1200
1000
鉄筋ひずみ (μ)
応力が伝わっているが,そ
鉄筋ひずみ (μ)
は,L=200mm 程度までは
1600
S-1
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
0
変 化 は 見 ら れ ず ,
100
200
300
400
500
試験体端部からの距離 (mm)
L=200mm 付近で定着され
図-7
ている。また,図中の解析
片引き試験体の鉄筋ひずみ分布(〇実測値 ―解析値)
値を見てみても,L=200~
300mm で定着される結果
(3) 端部抜け出し量
となっており,実験結果とおおむね一致してい
図-9 に変位計により測定した端部抜け出し
る。
量と鉄筋応力との関係を示す。また試験体 S-1
については,試験体中央部から端部までの鉄筋
図-8 に片引き試験体のτ-s 関係を示す。同
ひずみの積分値も記載している。試験体 S-1
図には両引き試験と同様に近似曲線を示してい
(L=10d)は,変位計で測定した抜け出し量が鉄筋
る。ただし,試験体 S-1 については,自由端側で
ひずみの積分値に比べかなり大きな値を示して
鉄筋のすべりが生じていたので,自由端すべり
おり,同
を考慮してすべりを求めた。なお,自由端すべ
図からも
りは変位計で測定した抜け出し量と鉄筋ひずみ
試 験 体
の積分値との差として求めた。
S-1 では,
定着長さの短い試験体 S-1 は付着剛性がやや
自由端で
小さくなっているが,定着長さによる影響は小
すべりを
さい。試験体 S-2 と S-3 についてはほぼ一致して
生じてい
おり,定着長さが十分に確保されていれば試験
ることが
τ (N/mm2 )
(2) 付着応力-すべり関係
8
7
6
5
4
3
2
1
0
S-1 (L=10d)
S-2 (L=25d)
S-3 (L=40d)
0
0.05
0.1
0.15
s (mm)
図-8
片引き試験体のτ-s 関係
体長さによる影響はない
300
りが 0.15mm のときの片引
250
き試験体の付着応力が 4.9
2
~5.8N/mm であるのに対
し,コンクリート強度とか
ぶり厚さが同じ両引き試
験体 B-1 では 5.3 N/mm2 と
同程度の値を示している。
σs (N/mm2)
ことがわかる。また,すべ
350
300
250
200
150
100
50
0
S-1
200
150
100
変位計
積分値
50
0
0
0.05
0.1
0.15
抜け出し量 (mm)
図-9
-617-
0.2
S-1 (L=10d)
S-2 (L=25d)
S-3 (L=40d)
0
0.05
0.1
0.15
抜け出し量 (mm)
片引き試験体の端部抜け出し量
0.2
確認できる。試験体 S-2 と S-3 とでは両者はほぼ
5. まとめ
一致しており,定着長さが 25d 程度あれば自由
両引き試験および片引き試験により細径異形
端ですべりを生じることはなく,試験体長さの
鉄筋の付着応力(τ)-すべり(s)関係へのコンク
抜け出し量に及ぼす影響も小さい。
リート強度,鉄筋径,かぶり厚さなどの影響を
調べた結果をまとめると以下の通りである。
4. τ-s 関係の bi-linear 近似
1) コンクリート強度の増加とともに,付着剛性
3 章で示したτ-s 関係の最小二乗法による近
も増加する傾向にあるが,その影響は小さい。
似曲線(A)を図-10 に示すような初期剛性 K1 と
2) 鉄筋径の小さいものの方が付着剛性も増加
2 次剛性 K2 をもつ bi-linear(B)で近似した。K1,
する傾向にあるが,その影響は小さい。
K2 については近似曲線(A)のすべりが 0.01mm お
3) かぶり厚さの大きなものほど,付着剛性も増
よび 0.1mm での接線の傾きとし,τa はすべりが
加する傾向にあるが,その影響は明確ではな
0~0.15mm の区間での A,B2 つの近似曲線の積
かった。
分値が等しくなるように算出した。1 例として,
4) 片引き試験体において,定着長さが十分に確
保されていれば,定着長さによる影響は認め
ている。
られない。
5) 両引き試験と片引き試験から得たτ-s 関係
8
7
6
最小二乗法(A)
bi-linear(B)
はほぼ同様の傾向を示した。
6) τ-s 関係を初期剛性 K1 と 2 次剛性 K2 をも
2
τ (N/mm )
図-10 には試験体 B-1 の 2 つの近似曲線を示し
5
4
3
2
1
0
τa
つ bi-linear で近似した。
K2
K1
0
参考文献
0.05
0.1
0.15
1) 山尾芳秀ほか:付着応力-すべり関係に関す
s (mm)
図-10
る実験的研究,土木学会論文報告集,第 343
τ-s 関係の bi-linear 近似
号,p219~228,1984.3
全試験体の各特性値(K1,K2,τa)を表-3 に示
2) 大野義照ほか:持続荷重下における異形鉄筋
す。コンクリート強度が大きいほど付着剛性,
とコンクリート間の付着応力~すべり関係,
τa ともに大きくなっている。また,鉄筋径の大
日本建築学会構造系論文集 459 号,
p111~120,
きいものほど初期剛性は小さくなっているが,2
1994.5
次剛性は大きくなる傾向にある。
3) 金普漢ほか:プレストレストコンクリート緊
両引き試験体に比べ,片引き試験体は K1,τa
張材として用いた異形鉄筋の定着長さ,日本
が小さく,K2 が大きい傾向にある。
表-3
B-1
B-2
B-3
B-4
B-5
B-6
B-7
B-8
S-1
S-2
S-3
bi-linear 曲線の特性値
K1 (N/mm 3 ) K 2 (N/mm 3) τa (N/mm 2 )
189
23
2.01
254
23
2.53
226
27
2.39
117
32
1.54
211
16
2.03
233
17
2.23
191
40
2.33
170
41
2.15
140
25
1.46
162
28
1.88
135
28
1.65
建築学会構造系論文集 472 号,p121~128,
1995.6
4) 後藤幸正ほか:引張異形鉄筋周辺のコンクリ
ートにおける内部ひび割れ,コンクリート工
学年次論文集,Vol.1,p.277~280,1979
5) 大野義照ほか:持続荷重下における異形鉄筋
の付着応力~すべり関係,コンクリート工学
年次論文集,Vol.14,No.2,p51~56,199
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