月 日( No . ) 「 グロ リ ア 」 ( 1 5 分 ) 空所に入れるのに適当な語を 、 下から 選んで記号で答えな さ い 。 5 One morning before breakfast Mrs. Vancourt stepped out on her terrace to look at the ocean. On the stone railing, watching a sea gull* fly out of sight below the cliffs, sat a tiny white dog. It was only three inches high and three inches long. Almost hidden under its short white fur was a solid-gold collar engraved with the word GLORIA. 10 “( 1 )!” exclaimed Mrs. Vancourt, placing Gloria in her palm. “I thought you were a toy! Are you a puppy?” The dog’s blue eyes, searching her wrinkled face, were calm and clear. Mrs. Vancourt shook her head. “No, you are definitely not a puppy. But what an incredible specimen*! Do you know any tricks*?” 15 Gloria wagged her short curly tail. “A few,” she answered. Mrs. Vancourt glanced around the terrace. Except for the dog, she was alone. To make sure, she asked again, “Do you know any tricks?” Gloria answered clearly, “About three hundred and sixty-seven!” With a ( 2 ) hand, Mrs. Vancourt put on the glasses hanging from a gold chain 20 around her neck, and said, You did say ‘three hundred and sixty-seven,’ didn’t you?” “Give or take a few,” said Gloria. “Incredible!” said Mrs. Vancourt. “A ( 3 ) dog!” “Most people are surprised at first,” said Gloria: “If I startled you, I’m sorry.” 25 “I thought I was losing my mind!” said Mrs. Vancourt. “How did you get on my terrace? Are you lost?” “Not exactly,” said Gloria. “I just arrived in the neighborhood. I’m ( 4 ) for a home.” Mrs. Vancourt adored small things. She said, “What sort of place are you ( 4 ) 30 for?” “I’m not particular,” said Gloria. “Three meals a day, cozy fires, fresh flowers, birthday cakes, ( 5 ), and laughter.” What fantastic luck! Mrs. Vancourt carried Gloria into her elegant drawing room* and placed the little dog carefully on a table beside her chair. 35 “My dear Gloria,” she said, “your search is ended. My home is yours for as long as you care to stay!” Gloria glanced behind her, through the open doors to the terrace. “It isn’t just for me,” she said. At that moment a child appeared in the doorway. She was three years old, 40 with short blond hair and cheeks as soft as fresh raspberries. “Come in, Annabel,” said Gloria. “I want you to meet Mrs. Vancourt. She has kindly offered us a home.” “Not ‘us,’” said Mrs. Vancourt quickly as the child approached the table. “Just you. Gloria. Nothing was said about a child!” 45 “Annabel is well behaved,” said Gloria. “No,” said Mrs. Vancourt. “My house is not an orphanage*!” “Annabel is not an orphan,” said Gloria. “Due to circumstances beyond their control, her parents left her in my care. One day they will return. Our stay with you will be only temporary.” 50 Mrs. Vancourt hesitated. She looked at Annabel and then at Gloria. “Do you really know three hundred and sixty-seven tricks?” Gloria stood up. She flipped her hind legs into the air and ran around in a circle on her front paws. It was a circus-dog’s trick, but she accomplished it with incredible ease. Then she did a couple of back flips and a forward roll. 55 “More!” cried Annabel, clapping her hands. Starting with a triple roll, Gloria did all her tricks – ( 6 ), rolling, flying about, her little black nose and paws skimming over the polished table like spots on rolling dice. After trick three hundred and sixty-seven she wasn’t even out of breath. 60 *gull: カモメ / *specimen: 実例 / *trick: 芸 / *drawing room: 客間 / *orphanage: 孤児院 (a) talking (b) jumping (c) amazing (d) looking (e) singing (g) shaking 1. 3. 65 Class: 70 2. No.: 4. Name: 5. 6. Mark: /10 70 出題: 出典: Betty Brock, No Flying in the House 解答: 1: c / 2: g / 3: a / 4: d / 5: e / 6: b 研究: l.22. Give or take a few: 「だいたいね」。 “give” は「足す」、 ”take” は「引く」。 75 和訳: ある朝、食事の前にバンコート夫人は海を眺めにテラスに出た。すると、石の手す りの上に、カモメが崖の下へと飛び去ってゆくのをじっと見ながら、小さな白い犬が 座っていた。背の高さも体の長さも 3 インチしかなかった。白くて短い毛にほぼかく れるように、 「 グロリア 」 と刻まれた金の首輪をしていた。 80 「 驚いたわ 」 と叫んで、バンコート夫人はグロリアを手のひらにのせた。 「 おもち ゃかと思ったわ。おまえは子犬なの? 」 夫人のしわの寄った顔をしげしげと見ていたその犬の青い日は、穏やかで澄んでい た。 バンコート夫人は首を振った。 「 いいえ、絶対おまえは子犬ではないわね。しか 85 し、信じられないしろものだわ。何か芸はできるの? 」 グロリアは短くて丸まったし っぽを振った。 「 少しはね 」 と彼女は答えた。 バンコート夫人はテラスの周囲を見回した。犬を除いては、自分しかいなかった。 確認するため、もう一度夫人は尋ねた。 「 何か芸はできるの。 」 90 グロリアははっきり答えた。 「 367 ぐらいはね。 」 バンコート夫人は震える手で、金の鎖で首から下げているめがねをかけて言った。 「 ほんとうに『 367 』って言ったわね。 」 「 だいたいの数だけど。 」 とグロリアは言った。 「 信じられないわ。 」 とバンコート夫人は言った。 95 「 しゃべる犬なのね。 」 「 たいていの人は最初驚くわ。 」 グロリアは言った。 「 もしびっくりさせたのなら 謝ります。 」 「 正気を失いかけているのかと思ったわ。 」 バンコート夫人は言った。 「 どうやっ てうちのテラスに登ってきたの?道に迷ったの? 」 100 「 そうでもないわ 」 とグロリアは言った。 「 つい先ほどこのあたりにたどり着いた の。どこか住むところを探しているのよ。 」 バンコート夫人は小さな動物がとても好きだった。夫人は言った。 「 どんなお家を 探しているのかしら。 」 「 好みはうるさくないわ。 」 とグロリアは答えた。 105 「 1 日 3 度の食事を与えられ、居心地のいい暖炉があって、いつも花が飾ってあっ て、誕生日にはケーキがもらえて、みんなが歌ったり笑ったりしているような家なら いいの。 」 なんという幸運だろうか。バンコート夫人はグロリアを上品な客間につれて入り、 いすの横のテーブルの上にそっと置いた。 110 「 かわいいグロリア。 」 と夫人は言った。 「 もう探す必要はないわ。この家に居た いだけ居ていいわ。 」 グロリアは夫人ごしに、開いている扉からテラスの方をちらりと見た。 「 わたしだ けじゃないの。 」 とグロリアは言った。 そのとき戸口に子どもが現われた。短い金髪で採れたてのラズベリーのように柔ら 115 かいほっぺたをした 3 歳の女の子だった。 「 アナベル、入ってらっしゃい。 」 グロリアは言った。 「 バンコート夫人にごあい さつなさい。ご親切に私たちにここに住むようおっしゃってくださったのよ。 」 「 『私たち』じゃないわ。 」 バンコート夫人は子どもがテーブルに近づいてきたと きに、すばやく口をはさんだ。 「 グロリア、あなただけよ。この子のことは何も言わ 120 れてなかったわよ。 」 「 アナベルはお行儀のいい子ですが。 」 とグロリアは言った。 「 だめよ。 」 バンコート夫人は言った。 「 私の家は孤児院ではないのよ。 」 「 アナベルは孤児じゃない。 」 グロリアは言った。 「 どうしようもない事情があっ て、この子の両親は私にこの子を預けたの。いつか必ず帰ってくるわ。私たちがあな 125 たといるのは、ほんのしばらくの間だけよ。 」 バンコート夫人はすこしためらった。アナベルを見て、そしてグロリアを見た。 「 ほんとうに 367 も芸ができるの? 」 グロリアは立ち上がった。後ろ足をぴょんと宙に蹴り上げて、逆立ちしてクルクル と走り回った。サーカスの犬しかできないような芸だったが、グロリアはいとも簡単 130 にやってみせた。それから後ろ宙返りを何回か、さらに前宙返りをした。 「 もっとよ。 」 アナベルが手をたたいて叫んだ。 3 回連続宙返りに始まり、グロリアは芸のすべてを見せてくれた。跳び、回転し、 飛び回ったので、つやのあるテーブルの上を滑らかにすべって行く小さな黒い鼻と足 はまるで転がるサイコロの目のようだった。 367 番めの芸のあとでも、グロリアは息 135 を切らしてさえいなかった。 キーワード:
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