閉伊川河川水によって誘発されたシロサケの異常嗅球脳波

月
球
臭
P
里ハ
の
ケ
ロ
、ン
サ
閉伊 ⅡⅡ 可 川水によって 誘発された
先高
斤
土日
「
132 号の表題「サケの 回帰,
性 と記,底物質」で
大島民の
宙、 と卵
」
嗅 球 脳波に関する 研究を紹介しましたが ,今回閉伊川のさけについ
て実験した報告が 寄せられましたので 掲載致します。
Ⅲ 緒
また各試験水は
新鮮なものを用い, これらは
言
鼻孔からl(W秒間圧入され.
あ との IW 秒間は基
サケ
@ll が死滅し, 溜水で洗條される。実験方法の詳細は
筆者ら
工場廃液による
汚染のため,
サケの捕獲居敬が
激減したという
報告もあ
の文献をそれぞれ
参照していただきたり。
シ
り・
河 ll汚染は,公害
禍のうち深刻な
問題のd つ
ロ サケは大槌湾,宮古湾内の
定置網ですね 捜さ
となっている。
筆者達が日米共同による
シロ
れた 1.5 一 3k 色の体重のオスを.同日から
翌
サケ母 @回帰の研究を
ィテ なった河川
lの一つ,
日午前中に使用した。
実験は,大槌湾赤浜の
岩手県上聞伊部の
閉伊 l (図 1 ) 下流には.
肥料製造会社であ
る「ラサ工業」の
工場があ
臨時実験所においておこなった。
Ⅱ
Ⅱ
って, ここ数年汚染問題が
表面
ィヒ
してきたが,
㈲ 結
果
197¥ 年も」、 たたび千世 伍が多数死亡浮上したと
報告されだヂ
の捕獲尾数は現在のところ
准如
星 のりひ
閉伊@@lの水(M.a,) によるものは常に母lll 人
戻
はないが,汚染
度が高まるにつれて.サケが 槌Ⅱ l@ 水による反応よりもはるかに
大きく,
1.5 倍から3 倍である。 また 開けⅡ旭暉出場よ
りやや上 .流の佗
輪f.% 近 より採取した
71<(M,)
る。 筆者
母川を識別できなくなるおそれもあ
達は閉例 l@ 流の 各 占から試験水を
採取」・
サケの 嗅球誘起脳波の反応の
大きさを比較し
による口臭万状
た。 この実験は,
宮古市役百げ 公害課の協力を
図八円月湾の
定置網で捕獲された
サケで,明
ィ寸
誘
uあ 起反応ははるかに
小さい (第 2
得て目下続行中であ
るが,睾の車火
性 にかん
らかに閉伊Ⅲを母川とすると
苦 われるサケに
がみ,今までに
得られた結果を
中間的に報持
ついての実例が
,第1 図に示されてあ
る。 試
験フ尺 としては,
(2@ 方
排フトロよ
り
およびラサ工業の
排瓜 @&に 通するⅡ
バ怒 M,")
法
第 1 表には,大槌湾内および
宮古湾内の定
虹
時計ナを 喘けて嗅L円ひ
:kかも脳@ が ヰ 出される。
一
置網で捕獲された
サケについての,実験結束が
l
のⅡ
花輪
A,@ 一
2%
0( (M,")
楠
(M3.)
@
0 "l
拐
排 水地
刀く口
「
・
|
ひ
・
i
@@l@哩 り@l'@i
卸
i
l@3
士に目
(4l?旧土 SK
(4l260 ・(4)
l 衷リぜij てすぬ @佳さ れた シロ サケ 嗅 l木の各 拭検水に
」
・
6サ
更に6
月
13日,
ト-したことが現地の
新聞に報道されて
@1970 年 l2H @
n
その後の調査で
, 6 月 1 日の件はう
工業宮古工場の 硫酸流出に よ
は 肉眼で
汚染されていることが
歴然としている。
(4) 考
も例外ではなく
ハゼなど3,000 匹もひきつづぎ 死亡@.斉
いる
総括されてある。 試験水 M,,M,"
lll
なった。1971
年,
土
対する誘起脳波の
人きさ
たった。
宮古 酒 に注ぐ "閉伊
排水綾の
… つ
Ⅱ
ンロサケ
占
篭
第
言
にし
73千羽(101o 89
1101
大槌
ンロサケ@'
ぢ
る。
@の汚染は魚類にも
式瞼 が行なわれたほどであ
甚大な吊髪響 を及河川
はす
L巣
ラサ
ま
た
る
,っ
検出さ
196fy年末宮古市は 閉伊 lの水質検査
察
Ⅱ
を岩手大学に
依頼しているが
,その調査によ
常日
1970 年Ⅱ 月 30 日の朝日新聞は北海道網走
ると㍗初期にはラサ
工場の廃液中の
硫酸,食乱
に近日常日川が
流域工場の廃液による
汚染の
亜鉛,各イオンの
濃度は極めて
高い。
1968年,
ため,サケの
回帰湖上が激減したことを
報じ
1969午には.カドミウムイオンも
著るしい高
1
ー
ている。
Jllは,石狩ll, ト 勝
と
も
@ 度を示していたことが
肩己 録されている。
し
サケの捕獲量の多い
北や道の代表的なⅢであ かし 1969
年, 1 月以降工場における 抜本
った。 1959 年には佐野によって
稚魚の標言賊放
的な廃火中和処置の
強化と進行によって
工場
フ
第 l図
る
閉伊 Ⅱ lラサ工業付近の
各地占から採取された
試験 水 に対す
宮古酒海水
シロサケ の 嗅球誘起反応。
田 71W年 l2 月。
地 : 閉 @@@l ふ化場付近の
花輪 橋 ,宮古橋上
怯 : ラサ工業排水口付近
;
ラサ工業構内の
排水溝の一つ
, 0,
K: 鵜 住居Ⅱ l, 大槌W の南西
2Rkm, № : 織笠 @
東 gkm 。 ㎏,と地
。 は著るし い 反応を示すが
, 地・に対する
反応は極めて
弱い。
り
ハ
一
2
一
廃水のフト質は 著しく改善の万 向 をたどって,
上図 の M,..
激に減少していると
後藤の
開けJllの汚濁は伯、
橋付近の水(M,),
中間車 R.石山は結んてあ
る。 そうなると
19 ]年.
きはど大であ
り,この時期
!-テストし たどの
大量の椎角 、 死亡事件を何と
脱
6 月に起こった
河川水による反応よりもはるかに
大である。
「
筆者わは ,Ⅳ70年・, 11 円かi,は月にかけて
,
M, 。 ) に対する反応はⅡ
允 花輪
サケがM,.,
に比較するとおどろく
ぺ
M,",
;-対して異常に強い反応
数方所の河@l水をサケの 弗孔に注入し
閉伊@ll
を示した理由
か明j,かにされるであ
ろう。 守
て, 嗅球に誘起される
反応を調べてみた(軍
@斬 室の後面を通るⅡ
、 さ い排フ屈 轟か i,採取した
1 図第 1 表㌔ 閉伊lllのラサ工場付近の
,肉眼
珂く
で明らかに汚濁があ
ると思われる
@@l 本 @第
Ⅱ
(M,")
に
対しては,予想に
反して極めて
、 さ い反旧しかJ;さなかったが
, あ るいはこ
ぅ
の廃水中には
サケに対する(嫌 色物質)
様の 汚3% 物質が混入されているのては
ないかと,
冑 われる。
何れにしてもこの
廃刀く (M, つ め 7%@ 原 と水質を甲
-意 、 に 調査
したいと考えている。
同時期に,シロ サケロ臭上皮の各イオ
"
。 捧
ンに 対する応律効果を調べていた
筆者
f@¥@@ftv@f.@
各重金属イオンの
中でも,特に
。 銅イオンが著るしい ℡皆様式を示すこ
一
- 例が第3 図に示
とをみつけた。
その
第
2 図 大槌湾内曲水
シロサ
誘起反応。
アルファ ペ / トは 試験 水か 採取された
二と・ 嗅球 脳
しても極めて
強い 毒
場所を示す@第 2 図の説明を参照の
オンは@臭
@
の曲線は嗅
球 誘起脳波の積分。
L 皮にナ寸
を有することが
岩手大学の水質検査は
,筆者らが実
験を行なった1971@
年, ]1 月一12 月の時
期のものがまだ
終っていないので
, 嗅
球誘起反応と式瞼水に含まれるイオン
@0
いが,
Ⅰとの関係をここで
9月
月のラサ工場廃水の
論ずることはできな
銅
含有量は0 077 一 0 l2ppm
・
・
水の許容濃度であ
る 0 0lppm
・
で,水産用
をはるか
に 上廻っている。
死角、から銅が検出さ
Ⅰ
第
3図
大槌湾内海水
シロサケ の 嗅球 脳波に対する
銅塩
の影響。 試験 水は -滴鼻孔に滴下する。
鼻孔 洗條
によっておこな。
むしろ抑制されるが
, Cucl,
は蒔糖液
う
di 引によっては
,
は 嗅球 に異常に大き
い誘起反応を 惹起する,この
大きい反応のあ
と 嗅
球 の各試験
水 に対する応答は
いち じるし ( 低下す
る。
た事実から,筆者らは
る。
験を続行中であ
ね
更に詳細な実
カドミウムの
川 と言われた新潟県の
宇田沢川に,Cd 汚染の原因であ
る亜
鉛鉱業所が閉鎖されてわずか
4 ヵ月後
に。 おびただしい
角が住みつくよう に
なったという
報道は㈲,あらためて廃
水汚染の影響の
大きいことを
認識させ
一
3
一
るものてあ
る。 閉伊Ⅲでのサケ
捕佳景は今の
・
, @ 染@
ところ減少こそしていないか
l . 朝目新聞 Ⅳ 70 ,
止の村
策を更に強化しなければ
,近いは未
㍉常民Ⅲ
口号
の二の舞を演じないとも
限らないてあ
ろう。
2 . 岩 千日報
(5) 結
サケの 涙 ・Ⅱ 同 30
閉伊 Ⅲにまた死点,
1971.
6 月 l4 日号。
論
3.
Oshima,K.,
W. E.Hahn
Gordman:0
工場廃水処理法の
改善によって
,閉伊川の
Ⅱ act0ry
下@地域の汚染度が@ 少したかにみえるが
,
0f natura@ wa ヒ
工場 @ 流域の閉
伊Ⅲ 河Ⅲ 尺は明らかに
着色
Fish.
ィ寸
ァ
湖蜀しており
け
970年 lm 月 -12 月 ) , サケ捕
l972.
5 . 大島 活 ,サケの国別
生 と記憶物質,
魚と卯. 132: 1 一 l1, l970
6 . 佐野誠--:, @9 ㏄. 北 日本陣属の生
球 に異常に強い
持続,性の反応を
起こさせ
る。 一方,工場内で
採取された廃水の
一つと
・
思われる試験水への
嗅球応答は極めてⅡ、
さく,
態と繁殖について。
さけ ・ます 押
むしろ抑制的傾向がみられた。
これらの実検
仕場研究報
肝,
は現在も続行中であ
るが,水質と
嗅1弱医 応の
関係を,一日も
早・
く
清 ,サケの母川回帰と
嗅覚,
「味覚,嗅覚の
fヤ学」朝倉書店,
などの稚魚への
弊害は今もって
大である。
工場廃水の閉
例 llへの排水口付近の
水は,サ
ケロ臭
s囲 m0n, J.
26 : 21ll
by
Res. Bd. Canada.
l969.
4 . 大目
獲量はま 翔犬を保っているとは
云え,アユ,ウ
グイ
r
and A.
㏄ e0gnihin
7 . 岩手東海新聞,
明らかにしたいと
居、って
を検出.
いる。ラサ工業の良心的な
協力を切に望んで
8 . 後藤達夫,
止.まない。
7月 6
l4
: 21 一 90
死 魚から銅
1971.
日号。
1969.
l970.
工場廃液の河川ならびに
湾内海水
に及ぼす実態調査。
宮古市役所資
大槌湾サケマス脾ィヒ 場の真君高
料。
司氏はじめ従業員の
方々には,実
9 . 後藤達夫,
冊妃 :
験整備,シロサケ
運搬など甚大な
る
l970.
工場廃液の河川ならびに
湾内海水に
@ 麦助 むいただいた。
及 はす 実態調査(中間報告
)"
宮古溝サケマス
脾イヒ 場からは貴
宮古市役所資料。
年 ロナ
重な宮古溝シロサケの提供を受け
ln.
た。 また宮古市
7期斤 公害課から貴
l97l.
に 佳 か 帰った ゾ 。
・
重な閉伊 l水質検査に関する
資半半
Ⅱ
を多数いただくことができた。
ここに上記の
諸氏に対し深甚な
る謝意を表する
次第である。
(京都大学霊長類研究所助教授)
一
朝日新聞,
4
一
カドミウムの
7月
川
20 日朝刊。