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総合的な環境行政の推進
第14章
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総合的な環境行政の推進
改め、「北見市環境審議会」が設置されました。
環境行政推進体制の整備
北見市環境審議会は、市長の諮問に応じ、環境
基本条例や環境基本計画に関することをはじめ、
(1) 北見市環境審議会
環境の保全及び創造に関する基本的な事項につ
いて調査審議するもので、市民、事業者の代表な
環境の保全及び創造に関する施策を策定し、実
どの委員で組織されています。
施していくためには、環境問題の広がりに応じた
なお、平成18年3月5日の市町合併に伴い、旧
多方面にわたる専門的知識や広い視野に立った
北見市の環境基本条例が失効したことから、新北
多角的な判断が必要となります。
当市では、北見市環境保全条例に基づき、昭和
見市の環境基本条例の制定について審議する必
47年5月1日「北見市環境保全審議会」を設置し、
要があるため、同日付で「北見市環境審議会設置
環境保全対策に関する様々な問題について意見
条例」を施行し合併後の留辺蘂、端野、常呂の各
を聴き、各種の環境施策を実施してきましたが、
自治区を含め16名で構成する新たな「北見市環境
平成10年4月1日、新たに北見市環境基本条例が
審議会」を設置しました。
施行されたことに伴い北見市環境保全審議会を
<北見市環境審議会委員名簿>
任期:平成18年5月1日∼平成20年4月30日
氏
名
岩井
芳枝
森林インストラクター
宇都
正幸
北見工業大学
大西
章恵
日本赤十字北海道看護大学
大矢根
葛西
均
恭博
鹿野内
茂義
勤務先・職業・所属・役職等
機能材料工学科准教授
北見市小中学校校長会
常呂漁業協同組合
学部長
北見市立南中学校校長
理事兼参事
きたみらい農業協同組合
端野支所長
合田
悦子
北見市自治会連合会
高橋
修平
北見工業大学
土木開発工学科教授
会長 多田
旭男
北見工業大学
化学システム工学科教授
辻
かず子
理事
北見商工会議所
戸村
理平
たんのカタクリと森の会
会長
根本
勲
常呂町町内会協議会
副会長 番場
敏行
北見医師会
藤井
淳子
北見消費者協会
宮下
定幸
留辺蘂町自治会協議会
山田
清
留辺蘂林業林産業振興協議会
会長
ばんば医院院長
理事
会計
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副会長
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総合的な環境行政の推進
こうした中、平成4年6月、私たちの暮らしと
(2)北見市環境施策推進委員会
密着した関わりをもつ常呂川を「母なる川」とす
北見市では、平成8年11月に環境基本条例の制
る1市5町(置戸町、訓子府町、留辺蘂町、北見
定に向け、全庁的な調整機能を図る組織として、
市、端野町、常呂町)は、常呂川水系における総
助役を長とし関係部長で構成する「北見市環境施
合的な環境保全対策を推進し、潤いと安らぎのあ
策推進委員会」を設置しました。
る快適な生活環境の創造に寄与することを目的
今日の環境問題は、公害問題、資源・エネルギ
として「常呂川水系環境保全対策協議会」を設立
ー問題、ゴミ問題、環境教育、自然保護、さらに
し、水質調査などの調査研究、各種啓発事業を展
は地球温暖化を始めとする地球環境問題など行
開しています。
政の関わりも様々な分野にわたっていることか
ら、北見市環境基本条例では、第26条においてあ
1)
活動内容(これまでの主な取り組み)
イ
常呂川水系環境保全基本計画の策定
らためて環境行政推進体制の整備についての規
定が設けられました。
常呂川水系環境保全基本計画は、協議会設立の
この規定に基づき、平成10年から2ヵ年で取り
組んだ北見市環境基本計画の策定に当っても「北
趣旨を踏まえ、常呂川をこの地域の「母なる川」
見市環境施策推進委員会」において全庁的な調整
として位置づけ、流域に位置する関係自治体が協
を図り、北見市の環境施策を総合的かつ計画的に
力して常呂川水系における総合的な環境保全対
推進することとしました。
策を推進し、うるおいとやすらぎのある快適な生
今後、合併後の新北見市の環境基本計画策定に
活環境の創造に寄与するために、協議会施策の基
おいても各自治区を含めた庁内の連携を一層密
本的事項を示したもので、平成6年4月に策定さ
にし、関連する施策の調整を図っていきます。
れました。
2
ロ
広域的な環境の保全
広域的な水質調査の実施
常呂川水系における水質を専門的な角度から
環境問題が地球的広がりを見せる中、地球環境
解析することにより、広域的な環境保全対策の推
問題や大気汚染、河川水質の汚濁といった複数の
進を図るため、北見工業大学との共同研究として
自治体にまたがる問題は、1自治体のみでは対応
平成5年度から実施しています。
が難しく、広域的な視点と連携を図った取り組み
ハ
が求められています。
各種啓発事業の展開(主なもの)
・シンポジウムの開催
・啓発用ポケットティッシュの配布
(1) 常呂川水系環境保全対策協議会の取り組み
・常呂川ウオッチングの開催
・生活排水対策啓発チラシ配布
わたしたちが生活している常呂川水系は自然
に恵まれ、森林資源、動植物の分布も多岐にわた
・ポスター図案コンクールの実施
り、北見市の水道水源であるとともに、産業・農
・河川環境保全ポスターの作成、標語の募集
業用水としての利用度も高く、漁業にとっても極
・河川環境保全啓発用懸垂幕の掲示
めて重要な河川であり、また流域住民にとっては
・畜産排水対策啓発チラシ配布(1市5町の
畜産農家、耕種農家全戸)
憩いの場でもあります。
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総合的な環境行政の推進
強化し、個々の畜産農家に対して家畜排せつ物の
・ホームページの開設
適切な管理と河川への流出防止について指導を
(URL:http://www.city.kitami.lg.jp/
徹底するとともに、緊急措置として堆肥置き場へ
kankyo/tokorogawa/index.html)
・協議会機関紙の発行
の土盛り用火山灰の配付等を行ってきました。
・常呂川水系かんきょうマップの作成配布
平成11年11月1日に「家畜排せつ物の管理の適
・水かんきょうカレンダーの作成配布
正化及び利用の促進に関する法律」が施行され、
・水かんきょう読本の作成配布
平成16年11月1日から施設の管理基準が全面的
・啓発パンフレットの全戸配布
に適用されたことから畜産農家における家畜排
・水環境カレンダー図案コンクールの実施
せつ物の適正な管理が義務づけらたことから、旧
北見市では、平成12年度より家畜排泄物の適正管
理に資する施設整備に対し、助成制度を創設する
とともに、平成13年7月には「北見市家畜排せつ
物利用促進計画」を策定し、農家負担の軽減を図
りながら計画的な施設整備を進めてきました。流
域の自治体においても恒久的施設と簡易施設を
含め法的基準を満たす施設整備を進めています。
北海道では、これまでの取り組みを全道の水道
水源のモデルとするべく、平成11年11月に常呂川
を「北海道の水道水源保全に関する基本指針」に
基づく重点対策流域に指定しました。これと同時
常呂川水系環境保全対策協議会の各種活動
に、協議会内の「農畜産系排水対策専門部会」を
「水源保全対策専門部会」に改め対策を進めてい
2)課題(農畜産系排水問題)の解決に向けて
くこととしています。
複数の自治体にまたがる河川の環境保全対策
協議会で策定した「常呂川水系環境保全基本計
画」において、農畜産系排水対策は最も重要な施
を推進するには、北海道や河川管理者である国、
農協など関係機関の協力が不可欠です。
策のひとつとして位置づけられており、水質調査
の報告の中でも大きな課題として指摘されてい
今後も流域住民が一体となって、各種取り組み
を継続しながら常呂川水系の環境保全を推進し、
ました。
他の模範となるような活動を進めてまいります。
こうした状況を踏まえ、平成7年3月には農畜
産排水対策の推進を目的に、協議会内に「農畜産
(2) 清流ルネッサンスⅡ地域協議会の取り組み
系排水対策専門部会」を設け、また平成8年度に
は、常呂川水系サラキシエナイ川で行った畜産排
水影響調査結果を受けて啓発チラシを作成し、流
域の農業者に配付するなど、農業生産現場からの
排水対策を行ってきました。
国土交通省では、平成5年度より、水質汚濁
の著しい河川等を選定し、その流域の市町村、
都道府県、国などの関係機関が「水環境改善緊
急行動計画(清流ルネッサンス)」を策定し、
さらに、平成9年の常呂川におけるクリプトス
ポリジウム指標菌(ふん便性連鎖球菌)の検出を
水質改善に向けた取り組みを総合的、緊急的か
つ重点的に進めています。
受けて、協議会ではこれまでの取り組みをさらに
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総合的な環境行政の推進
平成 14 年7月には網走川とともに常呂川が
対象河川に選定されたことから、流域の1市5
町(北見市、置戸町、訓子府町、留辺蘂町、端
野町、常呂町)、北海道(網走支庁、網走土木
現業所、北見保健所)、北海道開発局網走開発
建設部のほか学識者で構成する「常呂川水系清
流ルネッサンスⅡ地域協議会」を発足しました。
下水処理水の一部をエアレーションや植生に
清流ルネッサンスⅡ地域協議会現地見学会
よる浄化試験を行っているほか、流域における
流入汚濁負荷調査等を行っております。
現在、協議会の中で、これらの調査結果を基
に検討を重ね、水環境改善緊急行動計画の策定
作業を進めています。
(3) その他の広域的な取り組み
その他の広域的な取り組みとしては、昭和57
年、北見市を含む1市5町と9農協1団体で北見
地区農業廃棄物処理施設組合が組織され、農業用
廃プラスチック類の広域処理を実施してきまし
た。
同組合は、平成11年に北見地区農業廃棄物適正
処理対策協議会に発展的に改組され、その後平成
15年の農協合併、さらには、平成18年3月5日の
市町合併により、現在1市2町2農協で組織され、
平成19年4月より発展的改組により北見地区農
業振興連絡協議会地域振興部会に専門部会を設
置し適正処理の推進に努めてまいります。
また、平成16年4月から北見市(留辺蘂自治区)
では、近隣の置戸町、訓子府町とともに民間の資
金と技術を活用するPFI方式により株式会社
ルペシュペ・ピーエフアイを設立し、一般廃棄物
(不燃ごみ、粗大ごみ)の広域共同処理を実施し
ています。
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ルペシュペ・ピーエフアイ最終処分場